Marcel Lapierre

Bourgogne
Marcel Lapierre
Ch.Cambon
マルセル・ラピエール/シャトー・カンボン
故マルセルの意思を息子マチューが受け継いでいく
自然派ワインの父“マルセル・ラピエール”
2010年秋に60
歳の若さで他界
したマルセル・ラ
ピエール。彼の
訃報はボジョレ
ー地区だけでな
く、フランス全土、
世界各国の醸造
家 ワイ ン 愛 好 家
を悲しませた。ア
ンリ・フレデリック・
ロック、フレデリッ
ク・コサール、マ
ルク・アンジェリ、フィリップ・パカレ・・・。ボジョレー地区だけでなく多くの
造り手達がマルセルの考え方に賛同し、その人柄に魅せられたと言う。
マルセルはジュール・ショヴェ氏の最も近くにいた人物であり、最も多く
を吸収したと言われる。『ワインに対するあらゆる化学を熟知することで、
あらゆる化学から守る』と言ったジュール・ショヴェ氏の教えに従い198
1年より畑では科学的薬剤は一切排除され、必要に応じて極僅かの植
物由来の堆肥を撒くだけ。火山由来の花崗岩と粘土が堆積してできて
いるカンボンの土壌は黒く拳大の岩が散らばっている。下草はある程度
まで伸ばされ、刈り取られると土に帰される。樹齢も上がり、より一層葡
萄果実はピュアさを増している。区画ごとに収穫された葡萄は木製の
発酵槽に投入される。低い温度を確保されたセラー内ではコールド・マ
セレーションに近い状態に置かれ果実本来の繊細なアロマが抽出され
る。発酵は野性酵母のみでゆっくりと始まる。ここでは発酵による炭酸
ガスを利用したセミ・マセラシオン・カルボニックが採用され、嫌気的環
境下で人為的介入なく健全にワインへと変化していく。
“濃さ”と“スムースな飲み口”が両立
ラピエールのワインは醸造過程での最適な判断によってしっかりとした
“濃さ”と“フレッシュでスムースな飲み口”を両立させていると言える。
商品記号
69K39 Beaujolais
ボジョレー
ワイン
これは長年醸造を繰り返してきた彼らの経験によるものなのだろう。ま
たノンフィルターでできる限り少ないSO2添加でボトリングされる。『その
土地で、その土地の自然環境を壊すことなく育てた葡萄を、その土地
に息づく野性酵母によって発酵させ、余計なものを加えたり、余計と判
断したものを引いたりすることなくボトルに詰め込む』そういう酒こそがワ
インなのだろう。
ヴァン・ド・テロワール(テロワールを表現したワイン)を造る
マルセルが亡くなった後は、息子のマチューが醸造を担当。母マリー、
マルセルの幼馴染でもある共同経営者のジャン・クロード・シャヌデと共
にワイン造りを行っている。『自然派ワインの父』と称された程の偉大な
父を持つプレッシャーに負けず、マチューはより高品質のワイン造りに
注力している。「最近はヴァン・ナチュールという言葉が一人歩きし過ぎ
てしまった。何も意思を持たずにワインを造り、化学薬品を使用しない
というだけで、ヴァン・ナチュールと主張する造り手が余りにも多い。父
から教えられたのは、テロワールを表現したワイン。ヴァン・ド・テロワー
ルだ」飲めば皆が感じるだろう作為の無いワイン。単純な美味しさ、華
やかさが鼻腔から
口中からストレート
に感じられる。果
実の詰まったよう
な“濃厚さ”を感じ
させながらも、どこ
か“水”のように溶
け込んでいってし
まう“楽さ”がある。
そして飲み終えた
後にはこのワイン
でしか感じ得ない
満足感で満たさ
れることとなる。カンボンに育つ葡萄、ストレスのない醸造、そしてこの
地に育ったヴィニュロン、全てが揃ってヴァン・ド・テロワールが造られる。
マルセルの思いは残された家族によって確実に受け継がれている。
AOC
Beaujolais
ヴィンテージ 色
2010
赤
サイズ
750ml
参考上代
メモ
2,800
在庫
◎
畑では、化学肥料や除草剤・殺虫剤を一切に使わずに葡萄を栽培。厳しい選果を行いながら収穫した葡萄は、天然酵母のみで発酵させる。樹脂タンクの発酵槽でセミ・マセラシオン・カルボニックによる発酵。
ピジャージュは年によるが、2009年は実施していない。タンクでの発酵の後は大樽に移し残糖分の発酵を続ける。大樽による熟成は発酵期間も含めて約8ヶ月。
Rose
69P67 Beaujolais
ボジョレー・ロゼ
Beaujolais
2011
ロゼ
750ml
2,500
◎
最新価格表にてご確認ください
セニエ方式によって作られるロゼ。畑では、化学肥料や除草剤・殺虫剤を一切に使わずに葡萄を栽培。厳しい選果を行いながら収穫した葡萄は、天然酵母のみで発酵させる。発酵が始まり2日目頃に美しいロ
ゼ色になった時点で、木樽の発酵槽から果汁の一部を抜き出した後、発酵を続ける。やや深めの色合いのロゼ。イチゴの様なピュアな赤い果実の香り。爽やかなミネラルと共にグリセリンから来る僅かな甘味が
感じられる。和食、特にお寿司などとも相性の良いロゼ。
"Le Cambon"
69H02 Beaujolais
ボジョレー・ル・カンボン
Beaujolais
2009
赤
750ml
3,800 1914年植樹の古樹
シャトー・カンボンで良い年のみに造られるキュヴェ。”Grille-Midi”と呼ばれる、特別区画の葡萄を使用。この区画には1914年に植えられた古樹も多く含まれ、凝縮した糖度の高い葡萄が出来る。畑では、化学
肥料や除草剤・殺虫剤を一切に使わずに葡萄を栽培。厳しい選果を行いながら収穫した葡萄は、天然酵母のみで発酵させる。樹脂タンクの発酵槽でセミ・マセラシオン・カルボニックによる発酵。ピジャージュ
は年によるが、2008・2009年は実施していない。タンクでの発酵の後は大樽に移し残糖分の発酵を続ける。大樽による熟成は発酵期間も含めて約14ヶ月。
○
“ヴァン・ド・テロワール(テロワールを表現したワイン)”を造る
シャトー・カンボンの醸造を担当するのはマチュー・ラピエール。父マルセルと母マリーの間に生まれた長男だ。
テクノロジーの時代に化学薬品を排除し、野性酵母でワインを仕上げるという伝統的な手法を現代に復活させたマルセル・ラピエール。
マルセルを“父”と仰ぐ造り手はボジョレーだけでなく、フランスそして世界に広がった。
2009年の父の突然の逝去を受けて、マチューは大きな責任を受け継いだ。
「今では父が造り出したヴァン・ナチュールという言葉が乱用される様になってしまった。
化学薬品を使っていないと言うだけでヴァン・ナチュールと主張する造り手が多すぎる。
私達が造るのはこの土地のテロワールを反映したワイン。ヴァン・ド・テロワールだ」
マルセルを慕う造り手が毎日の様に集い、ワインを飲んでいたラピエール家のテラス。
今ではマチューを信頼し“ヴァン・ド・テロワール”の進化を目指す造り手達が集まってくる。
第一次世界大戦中に女性が植えた樹齢100年の古樹
シャトー・カンボンで良い年のみに造られるスペシャル・キュヴェ“ル・カンボン”。
小さな畑の道を一本挟むとフルーリィという場所にある花崗岩の特別区画の葡萄から造られる。
“Grill-midi”と名付けられた区画は、その名の通り焼ける様な日当たりの良さが特徴で、葡萄の糖度が十分に上がる。
「ボジョレーでは葡萄が熟す前に早々と収穫し、補糖によってアルコール度数を調整する作り手が多い。
補糖を一切行わない我々が求めるのは、自然な環境の中でゆっくりと完熟した葡萄。
この区画では我々にとって理想的なガメイが育つ」
この区画に葡萄が植えられたのは第一次世界大戦さなかの1914年。
男性達は皆戦場へ出てしまった中で、村を守る女性達が戦後の生活を考えて植えた葡萄樹だ。
間もなく100歳を迎える古樹からはこの地では圧倒的なまでの凝縮味と良質のミネラルからくるスムースな口当たりを併せ持つボジョレーが生ま
れる.
クリュ・ボジョレー
AOCフルーリィの畑
↓
シャトー・カンボン
“グリー・ミディ”区画
野性酵母がヴァン・ド・テロワールを造る
シャトー・カンボンで行われるのはセミ・マセラシオン・カルボニック法。
開放型の樹脂タンクの中で、野性酵母を使い全房で発酵が行われる。
「例えば“71B”と言われる人口酵母を使えば、ボジョレー特有のバナナの様なエステル香をワインに与える事は出来る。
でも出来るワインは単調な味わいで、この地のテロワールを表したワインでは無くなってしまう。
私達が造りたいのは、その年にこの場所でしか造れない唯一のワイン」マチューは語る。・
「私達のワイン造りにはマニュアルは無い。大事なのは常に科学的視野を持つ事とその年の葡萄状態を子細に把握する事。
2012年は私の60年の醸造経験の中で初めて一部の葡萄を除梗した。
天候により葡萄の実付きが驚く程少なく、果実に対しての茎の割合が異常だった」
幼いころからのマルセルの親友で、シャトー・カンボンの共同経営者でもあるジャン・クロ―ド・シャヌデ。
シャトー・カンボンの品質は今後も彼らの元で向上を続けて行く。