すべての女性を美しく――ワコール 北京化工大学学生代表 見学日時:2009年10月20日(火)15:00~17:00 見学場所:京都市南区吉祥院中島町29 見学概要: 会社紹介:ワコールは1949年の創業で、下着(女性用ボディースーツ、下着、ショーツ、パジャマな ど)、ジャケット、スポーツウエア及び繊維製品を製造・販売をしている会社である。現在は乳癌で乳 房を失った人用の下着の製造と癌予防のピンクリボン運動に力を入れている。 社訓:わが社は相互信頼を基調とした格調の高い社風を確立し、一丸となって世界のワコールを目指し 不断の前進を続けよう 見学の感想: 20日の午前中に神戸での見学を終えた私たちは、ワコールを見学するために列車で京都に向かった。 ワコールに到着すると、社員の皆さんが玄関で出迎えてくれていた。玄関ホールに入り、立派なビルに 驚いていると、五星紅旗が目にとまった。私たちを歓迎するために特別に五星紅旗を掲げてくれたの だ。私たちとワコールの間の距離が急に縮まったような気がした。 2時間の見学では、会社の概要を紹介した中国語版DVDを見たり、「人間科学研究所」やワコール博物 館を見て回った。質疑応答の時間もあった。会社説明でワコールの目標が世界中の女性を美しくするこ と、社会のために貢献することだということを知った。この目標を実現するために、ワコールは人体の 形状に関する研究を非常に重視している。「人間科学研究所」では三次元の人体計測システムを使って 毎年1000名前後の4歳から69歳までの女性のデータを収集し、年齢による人体の形状の変化を理解し、 年齢ごとの女性の体型を割り出し、どの女性にも合った下着の開発に取り組んでいる。また、人が動い ているときの体の形状の変化に関する研究にも力を入れ、運動に適した下着の生産を行っている。 ブラジャーといえども、すべての女性に美しい下着をつけてもらうために、多くの技術が使われてい ることを知った。「人間科学研究所」の膨大な量の研究と技術開発はもとより、ブラジャーの製造工程 も印象的だった。ワコールのブラジャーは40余りの部分から構成され、手縫いで作られていた。品質を 保証するために、ワコールでは自社基準を設けて、一枚一枚ブラジャーの品質をチェックしてから市場 に出している。販売面でもワコールは行き届いたサービスを心がけ、顧客にどんどん試着してもらって 自分に合った下着を見つけてもらうことを心がけている。自分に合った下着が無くてもガッカリするこ とはない。ワコールなら三次元計測システムを使ってオーダーメイドしてくれるのだ。3週間で顧客の元 に届けられるという。 まさにこうしたワコールの優れた製品とサービスによって、創業約60年という企業が国際市場に参入 し、「多様化された、地球的規模の国際的な大企業」となることができたのだと思う。また、ワコール は1980年代から中国市場に参入し、中国消費者のニーズに応えることを目的に、上海に目下海外唯一の 研究所である「中国人体研究所」を設立している。そこでは主に中国女性の体型を分析し、新しい機能 を持った製品を開発し、製品の効果に関する研究と評価を行っている。こうしたことからもワコールが 中国市場を非常に重要視していることが分かる。 私たちはワコールの目標がもう一つあることに注目した。それは社会のために貢献し、社会的責任を 果たすという目標である。ワコールは2002年からがん予防のピンクリボン運動に参加し、乳癌のために 乳房を失った人たちのための下着の生産に力を入れているほか、多くの公益事業も行っている。 知っていますか? 見学の後、ワコールの人が私たちの質問に熱心に答えてくれた。例えば次のような質疑応答があっ た。 問:見学ではいろいろな女性用製品を見ましたが、男性用の製品は生産していないのですか。 答:設立当初は女性用の下着だけを生産していましたが、60年の間に会社も大きくなり、女性用製品の 種類も非常に豊富になりましたが、今は男性用製品も開発しています。例えば、脂肪を燃焼させて太り にくくするような男性用下着を生産しています。 問:国際的な下着ブランドはいろいろありますが、ワコールを成功に導いた強みは何でしょうか。 答:わが社の強みは次のとおりです。①国や地域の民族・種族・地域・文化に基づいてそれぞれ異なる 下着を開発し、どの市場にも一律同じ製品を販売するということはありません。②人体の科学的研究を 非常に重視しています。本社の「人間科学研究所」は45年の歴史があります。③このように長期的に人 体に関する科学的研究を行っているところはわが社だけです。以上の3点を心がければ、すべての女性に 合った下着が生産できると信じています。 アッという間に2時間の見学が終了した。見学時間は短かったが、多くのことを学ぶことができた。最 後にこのような貴重な機会を与えてくれた中国日本商会、日中経済協会と中日友好協会に感謝すると同 時に、ワコール社の温かいもてなしと会社紹介に感謝したい。将来、また日本に来る機会を見つけ、日 本の先進的な技術と管理手法を学び、中国の建設に貢献したいと思う。
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