平 成 2 7 年 度 事 業 報 告

平
成
2
7
年
度
1
事
業
報
告
平成27年度事業報告
第1
概
況
平成27年度は、ダムに対する多様な社会的要請、 土木構造物の維持管理の重
要性等を踏まえ、新技術の開発、既設ダムの有効活用、ダムの安全管理の3点に
重点を置き、公益目的支出計画に基づく実施事業である調査研究・技術開発、ダ
ム技術者の育成、ダム技術の普及啓発等の 事業を着実に推進するとともに、ダム
事業に関する技術協力等の事業を積極的に推進したところである。
第2
運営一般の状況
1.組織及び人員
ダム技術センターの組織及び人員の概要は、平成2 7年度末現在、次のと
おりである。
(1)役員
理事長(代表理事)
1人
常勤理事(業務執行理事)
2人
非常勤理事
6人
監事
1人
(2)理事会
理事長及び常勤・非常勤理事の計9人をもって構成している。
(3)評議員会
評議員9人をもって構成している。
(4)顧問
調査研究部門に属する重要事項について専門的な意見を聞くため、顧問
3人を置いている。
(5)研究顧問
学識経験者等9人に委嘱している。
(6)参与
総務及び技術に関する事項の一部を処理するため 、参与3人を置いてい
る。
(7)事務局及び職員
事務局には、本部及びダム技術研究所を置き、ダム技術研究所長は 専任
としている。
本部には総務部、企画部、技術第一部、技術第二部及び技術第三部の5 部
2
を、ダム技術研究所には研究第一部及び研究第二部を置くほか、事務局に技
師長役1名、本部に首席参事役2人、上席参事役1人を、ダム技術研究所に
首席研究員7人(兼務を含む。)を置いている。
事務局の人員(兼務職員については、本務の区分による。)は、次のとお
りである。
ダム技術研究所長
1名
技師長役
1名
総務部
6人
企画部
2人
技術第一部
3人
技術第二部
2人
技術第三部
3人
研究第一部
3人
研究第二部
2人
首席参事役
2人
上席参事役
1人
首席研究員
6人
計
32人
2.理事会
(1)第7回理事会
平 成 2 7 年 6 月 9 日 ダ ム 技 術 セ ン タ ー 会 議 室 に お い て 開 催 し 、平 成 2 6
年度事業報告及び決算 、公益目的支出計画実施報告書、定時評議員会の招
集、定時評議員会に提出する議案について 決議するとともに、平成27年
度事業の執行状況について報告を行った。
(2)第8回理事会
定款第31条第2項に 規定する決議の省略の 手続きにより、 理事長 より
業務執行理事の選任について提案を行い、理事及び監事 の全員 から同意等
を得たため、平成27年7月3日理事会の議決があったものとみなされた。
・選任された業務執行理事
業務執行理事
美 濃 部
博
(3)第9回理事会
平成28年3月 23日ダム技術センター会議室において開催し、平成2
8年度事業計画及び収支予算、 顧問の委嘱、研究顧問の委嘱 について決議
3
するとともに、平成27年度事業の執行状況について報告した。
・委嘱すべき顧問
顧問
大 町
達 夫(再任)
・委嘱すべき研究顧問
研究顧問
足 立
紀 尚(再任・京都大学名誉教授)
研究顧問
池 田
駿 介(再任・東京工業大学名誉教授)
研究顧問
太 田
秀 樹(再任・東京工業大学名誉教授)
研究顧問
岡 村
研究顧問
小 島
圭 二(再任・東京大学名誉教授)
研究顧問
阪 田
憲 次(再任・岡山大学名誉教授)
研究顧問
龍 岡
文 夫(再任・東京理科大学理工学部教授)
研究顧問
玉 井
信 行(再任・東京大学名誉教授)
研究顧問
長 瀧
重 義(再任・東京工業大学名誉教授)
甫(再任・ 公 立 大学 法人 高知 工科 大学 顧 問 )
3.評議員会
第3回評議員会
平成27年6月 24日ダム技術センター会議室において開催し、 平成2
6年度事業報告及び決算 、定款の変更、理事の選任について 決議するとと
もに、公益目的支出計画実施報告書、 平成27年度事業計画及び収支予算
について報告した。
・選任された理事
理事
美 濃 部
博(新任)
4.定例幹部会
原則として、毎週月曜日に開催し、ダム技術センターの運営に関 する事項
全般にわたり討議した。
4
第3
事業実施の状況
ダムの建設及び管理の技術に関する調査研究・技術開発については、特定調査
研究事業費等を活用して、ダムからの土砂供給による汽水域への環境影響評価手
法、ロックフィルダムの動的解析、ダムのリスクマネジメントに関する研究等を
実施した。
調査研究の成果の提供については、都道府県等に対してダムの調査・設計・施
工・管理の各段階で生じる諸問題について受託によらない技術支援を行うととも
に、ダム技術研究所調査研究活動報告を作成、配布した。
ダ ム 事 業 に 関 す る 技 術 協 力 に つ い て は 、レ ベ ル 2 地 震 動 に 対 す る 耐 震 性 能 照 査 、
台 形 CSG ダ ム や CSG を 用 い た 海 岸 堤 防 の 設 計・施 工 、既 設 ダ ム の 再 開 発 の 設 計・
施工等に関する検討、評価業務を実施した。さらに、管理中のダムの健全度を評
価し維持管理方針を策定するダム総合点検について専門家としての意見・助言を
行う業務を実施した。
国際技術交流については、国際大ダム会議等へ参加するとともに、地震解析と
耐震規定に関する日仏共同セミナーに参加した。また、イラン及びエジプトに対
し て 台 形 CSG ダ ム に 関 す る 技 術 協 力 を 行 っ た 。
ダム技術者育成事業については、現地技術研究会、ダム技術研究発表会、海外
ダム技術研修を実施するとともに、都道府県から若手技術職員を受け入れてオン
ザジョブトレーニングによる人材育成を実施した。
1.ダムの建設及び管理の技術に関する調査研究・技術開発
特定調査研究事業費等を活用して、以下の調査研究・技術開発を行った。
( 1 ) ダ ム か ら の 土 砂 供 給 に よ る 汽 水 域 へ の 環 境 影 響 評 価 手 法 に 関 す る 研 究 (新 規 )
モ デ ル 汽 水 域 と し て 宮 崎 県 の 耳 川 を 選 定 し 、物 理 環 境 モ デ ル に つ い て は 地 形 、
潮位、河川流量などのデータ収集を行うとともに、3 次元汎用流体モデルの構
築を開始した。また、生物環境モデルについては、九州大学と 共同して、モデ
ル作成に必要な非出水期の生物状況調査などのデータ収集を行った。
( 2 ) ロ ッ ク フ ィ ル ダ ム の 動 的 解 析 に 関 す る 研 究 (新 規 )
荒砥沢ダムを対象に、これまで観測された地震記録をもとにダム堤体の固有
振動数の長期的な変化を考察した。また、小地震から大地震までのさまざまな
規模の地震に対する応答解析を行った結果、同一物性を用いて強さの異なる地
震時のダム堤体挙動を再現することができた。このことより、本研究で同定し
たダム堤体の物性値が実ダムの状況を反映していること、等価線形化法が強さ
の異なる地震へ広く適用可能であることを示した。
5
( 3 ) ダ ム の リ ス ク マ ネ ジ メ ン ト に 関 す る 研 究 (継 続 )
海外のダムのリスク分析手法に関する文献を収集するとともに、国内のダム
への適用を念頭に地震や洪水等の外力に対するリスク分析の手法を検討し、今
後の技術的課題を整理した。また、モデルダムの現地調査を行いイベントツリ
ー作成の前提となる安全管理上の課題を整理した。
( 4 ) ダ ム の 管 理 手 法 に 関 す る 研 究 (継 続 )
当センターがこれまで実施したダム総合点検のデータを整理し、堤体劣化と
補 修 方 法 、堤 体 挙 動・ク ラ ッ ク 等 の 計 測 手 法 に 関 す る 研 究 と 実 施 す る と と も に 、
ダム総合点検の実施上の留意点及び改善すべき事項の提言をまとめた。
( 5 ) 重 力 式 コ ン ク リ ー ト ダ ム の 耐 震 性 能 照 査 に 関 す る 研 究 (継 続 )
重力式コンクリートダムの耐震性能照査の際に、入力条件となる堤体・基礎
岩盤の静的・動的物理定数の設定の考え方が統一されていない。このため、こ
れらの物理定数をそれぞれ複数設定し、ダム堤体・基礎岩盤に発生する応力-
ひずみ分布の感度分析を行った。その結果、基礎岩盤の物理定数がある値より
大きくなると、ダム堤体の応力-ひずみ分布が一定の傾向に収束することが明
らかとなった。
2.調査研究の成果の提供
(1)技術支援
ダムの調査・設計・施工・管理の各段階で生じる諸問題について、受託によ
ら な い 技 術 支 援 を 都 道 府 県 等 か ら の 依 頼 を 受 け て 18 箇 所 延 べ 86 回 行 っ た 。
平 成 27 年 11 月 に 松 江 市 水 道 局 が 管 理 す る 千 本 ダ ム ( 粗 石 コ ン ク リ ー ト ダ ム )
の 補 強 工 法 に つ い て 助 言 を 行 っ た 。 平 成 28 年 3 月 に 香 川 県 で 基 礎 掘 削 中 の 椛
川ダムの基礎岩盤に出現した弱層の処理方法に関する助言を行った。また、国
土 交 通 省 東 北 地 方 整 備 局 が 仙 台 湾 で 計 画 し て い る CSG 工 法 を 用 い た 海 岸 堤 防
の設計・施工方法について助言を行った。
(2)調査研究成果の公表
「 平 成 26 年 度 ダ ム 技 術 研 究 所 調 査 研 究 活 動 報 告 」 を 作 成 し 、 国 土 交 通 省 、 各
都 道 府 県 に 配 布 し た 。ま た 、土 木 学 会 が 平 成 27 年 12 月 に 発 行 し た「 社 会 イ ン
フ ラ メ ン テ ナ ン ス 学 」( 工 学 編 ) を 分 担 執 筆 し た 。
3.ダム事業に関する技術協力
ダム事業に関する技術協力については、都道府県、国土交通省等諸機関からの
委 託 に 基 づ き 、 以 下 に 示 す ① か ら ⑥ ま で の 計 85 件 の 受 託 事 業 を 実 施 し た 。
6
(1)技術協力
①計画等に関する技術協力
・ダム設計洪水流量の決定に用いるクリーガー曲線の見直し及び流水型ダムの
計画・設計に関する技術指針の作成を、国土交通省からの委託により実施
②地質解析等に関する技術協力
・地 質 総 合 解 析 に 関 す る 検 討 及 び 評 価 を 、本 明 川 ダ ム( 九 州 地 整 )、木 屋 川 ダ ム
(山口県)で実施
③設計・施工計画等に関する技術協力
・レベル 2 地震動の設定方法に関する検討を国土技術政策総合研究所からの委
託により実施するとともに、耐震性能照査に関する検討及び評価を、豊平峡
ダム(北海道開発局)で実施
・ 台 形 CSG ダ ム の 設 計 ・ 施 工 に 関 す る 評 価 を 、 サ ン ル ダ ム ( 北 海 道 開 発 局 )、
鳥 海 ダ ム ( 東 北 地 整 )、 厚 幌 ダ ム ( 北 海 道 ) 等 で 実 施
CSG を 用 い た 海 岸 堤 防 の 設 計 、施 工 評 価 及 び 分 析 を 仙 台 南 部 海 岸( 東 北 地 整 )、
浜松海岸(静岡県)で実施
・ RCD 工 法 の 合 理 化 に 関 す る 検 討 及 び 評 価 を 五 ヶ 山 ダ ム ( 福 岡 県 ) で 実 施
・放流能力の増強、貯水池容量の増大等の既設ダムの再開発の設計・施工に関
す る 検 討 及 び 評 価 を 、長 安 口 ダ ム ( 四 国 地 整 )、 鶴 田 ダ ム (九 州 地 整 )、 笠 堀 ダ
ム ( 新 潟 県 )、 浦 上 ダ ム (長 崎 県 )等 で 実 施
・ダ ム の 堆 砂 対 策 に 関 す る 検 討 及 び 評 価 を 、天 竜 川 水 系 の ダ ム( 中 部 地 整 )、耳
川水系のダム(九州電力)で実施
・基礎岩盤の地質構造が複雑なダムの本体設計に関する検討及び評価を、立野
ダ ム ( 九 州 地 整 )、 駒 込 ダ ム ( 青 森 県 )、 玉 来 ダ ム ( 大 分 県 ) 等 で 実 施
・ダム工事の積算資料に関する検討・分析及び施工機械損料に関する調査を、
国土交通省等からの委託により実施
④ダム工事入札手続きに関する技術協力
・最上小国川ダム(山形県)で実施
⑤施工管理等に関する技術協力
・ 本 体 工 事 中 の ダ ム の 施 工 管 理 等 に 関 す る 技 術 協 力 を 、 奥 胎 内 ダ ム (新 潟 県 )、
和食ダム(高知県)等で 9 件実施
・試験湛水実績の分析評価を、儀間ダム(沖縄県)で実施
⑥ダム・貯水池管理等に関する技術協力
・ダム定期検査の手引きの改訂(案)作成を、国土交通省からの委託により実
施
7
・管理中のダムの健全度について総合的に調査及び評価し、維持管理方針 を策
定 す る ダ ム 総 合 点 検 を 、鳴 子 ダ ム( 東 北 地 整 )、二 瀬 ダ ム( 関 東 地 整 )等 で 実
施するとともに、ダム総合点検における専門家としての意見・助言を行う業
務 を 庶 路 ダ ム( 北 海 道 )、三 保 ダ ム( 神 奈 川 県 )、奈 良 井 ダ ム( 長 野 県 ) 等 で
実 施 す る な ど 、 ダ ム 総 合 点 検 に 関 す る 業 務 を 30 件 実 施
・利水ダムの安全性点検及び評価を沼原ダム(電源開発)等で 7 件実施
・ただし書き操作改
善 の 効 果 分 析 に 関 す る 検 討 を 、 大 野 ダ ム (京 都 府 )で 実 施
H27年度JDEC技術協力事業別割合(全体)
計画, 51百万, 6%
2件
地質, 13百万, 2%
2件
ダム・貯水池管理, 253百万,
32%
39件
ダム・貯水池管理の内訳
総合点検
208百万 30件
安全点検
26百万 7件
管理技術基準 19百万 2件
設計・施工, 340百万, 43%
28件
技術協力事業
収入
798百万円
85件
施工管理, 112百万, 14%
10件
発注支援, 2百万, 0%
1件
設計・施工の内訳
L2
35百万
CSG
78百万
RCD
14百万
再開発
93百万
堆砂対策 14百万
設計
106百万
積算基準, 27百万, 3%
3件
平成27年度JDEC技術協力事業内容別割合(全体)
8
5件
6件
1件
7件
2件
7件
H27年度JDEC技術協力事業別割合(直轄)
H27年度JDEC技術協力事業別割合(都道府県)
ダム・貯水池管理, 42百万,
13%
ダム・貯水池管理の内訳
総合点検
23百万 5件
管理技術基準 19百万 2件
地質, 6百万, 1%
1件
計画, 51百万, 15%
2件
7件
設計・施工, 120百万, 29%
積算基準, 27百万, 8%
ダム・貯水池管理, 179百万,
43%
地質, 7百万, 2%
1件
3件
10件
24件
技術協力事業
収入
331百万円
28件
設計・施工, 204百万, 62%
15件
設計・施工の内訳
L2
32百万
CSG
46百万
再開発
49百万
設計
77百万
ダム・貯水池管理の内訳
総合点検 179百万 24件
3件
4件
4件
4件
技術協力事業
収入
419百万
46件
設計・施工の内訳
L2
1百万 1件
CSG
32百万 2件
RCD
14百万 1件
再開発 44百万 3件
設計
29百万 3件
発注支援, 2百万, 0%
施工管理, 112百万, 27%
1件
10件
H27年度JDEC技術協力事業別割合(電力等)
平成27年度JDEC技術協力
事業内容別割合(直轄)
平成27年度JDEC技術協力
事業内容別割合(補助)
設計・施工, 16百万, 33%
ダム・貯水池管理, 32百万,
67%
8件
3件
技術協力事業
収入
48百万円
11件
設計・施工の内訳
L2
2百万 1件
堆砂対策 14百万 2件
ダム・貯水池管理の内訳
総合点検
6百万 1件
安全点検
26百万 7件
平成27年度JDEC技術協力
事業内容別割合(電力会社等)
(2)技術協力に関わる委員会の運営
①計画・設計等に関する委員会
・ 台 形 CSG ダ ム の 施 工 方 法 及 び 品 質 管 理 手 法 に つ い て 検 討 ・ 評 価 を 行 う 「 サ
ン ル ダ ム CSG 施 工 技 術 委 員 会 」、 巡 航 RCD 工 法 の 検 討 ・ 評 価 を 行 う 「 五 ヶ
山 ダ ム 巡 航 RCD 工 法 検 討 委 員 会 」 の 運 営 協 力 を 実 施
・ダム再開発事業の施工技術の検討・評価を行う「鶴田ダム再開発施工技術検
討 委 員 会 」 及 び 「 長 安 口 ダ ム 施 設 改 造 施 工 技 術 検 討 委 員 会 」、 建 設 後 約 50 年
が 経 過 し た 岩 盤 PS ア ン カ ー 工 の 健 全 性 と 対 策 工 に つ い て 検 討 ・ 評 価 を 行 う
「川俣ダム岩盤PS工技術検討委員会」の運営協力を実施
②施工管理等に関する委員会
・「 浅 川 ダ ム 施 工 技 術 委 員 会 」 の 運 営 協 力 を 実 施
9
③ダム貯水池管理等に関する委員会
・ 直 轄 ダ ム の ダ ム 総 合 点 検 に お い て 、専 門 家 の 意 見 ・ 助 言 を 聴 取 す る 委 員 会 の
運営協力を、鳴子ダム、白川ダム(東北地整)において実施
・発 電 ダ ム を 対 象 と し た「 ダ ム 安 全 性 等 評 価 委 員 会 」
( 上 来 沢 川 ダ ム 他 4 ダ ム )、
「 沼 原 ダ ム 安 全 性 評 価 会 」、
「 魚 梁 瀬 ダ ム 洪 水 吐 安 全 性 評 価 会 」、
「塩原発電所
八 汐 調 整 池 対 策 工 評 価 委 員 会 」等 の 運 営 を 、電 力 会 社 か ら の 委 託 に よ り 実 施
4.国際技術交流
(1)国際会議等への参加
① 日 蘭 ダ ム 及 び 堤 防 会 議 の 開 催 ( 平 成 27 年 6 月 12 日 )
Deltares( 水 資 源 ・ 水 環 境 関 連 の 独 立 研 究 法 人 ) と ダ ム 技 術 セ ン タ ー と の 共 催
で、オランダのデルフト市で日蘭ダム及び堤防会議を開催した。日本側からは
台 形 CSG ダ ム 技 術 を 適 用 し た 海 岸 堤 防 の 設 計 、 施 工 事 例 の 紹 介 、 オ ラ ン ダ 側
からはオランダの堤防と洪水防御等の紹介を行い、意見交換を行った。
② 国 際 大 ダ ム 会 議 (ICOLD)第 83 回 年 次 例 会 ・ 第 25 回 大 会 へ の 参 加
( 平 成 27 年 6 月 12~ 19 日 )
ノルウェーのスタヴァンゲルで開催された標記会議に、セメント混合材料ダム
委 員 会 委 員 等 で 5 名 が 参 加 し た 。 技 術 展 示 会 で は 、 台 形 CSG ダ ム 等 の ダ ム 技
術を紹介する日本大ダム会議のブースの出展に協力した。
③地震解析と耐震規程に関する日仏共同セミナーへの参加
( 平 成 27 年 10 月 30 日 )
日 仏 両 国 大 ダ ム 会 議 が 共 催 し 、東 京 で 開 催 さ れ た 標 記 セ ミ ナ ー に お い て 、岩 手・
宮城内陸地震時の荒砥沢ダムの変形解析に関する論文を発表した。
④その他
以下のシンポジウムに参加した。
・ RCC シ ン ポ ジ ウ ム
( 平 成 27 年 9 月 23~ 27 日 )
開催地:中国・成都
・第 1 回フラッシュフラッドに関する国際シンポジウム
( 平 成 27 年 10 月 14 日 ~ 15 日 )
開催地:京都大学
・ダム建設のための革新的建設技術に関する国際シンポジウム
( 平 成 27 年 11 月 5~ 6 日 )
開催地:韓国・テジョン
(2)国際技術交流
① イ ラ ン 台 形 CSG ダ ム 調 査 団 に 対 す る 技 術 協 力 (平 成 27 年 9 月 7~ 10 日 )
イ ラ ン 大 ダ ム 会 議 か ら の 要 請 に よ り 、建 設 中 の Abpa Dam の 関 係 者 6 名 が 台 形
10
CSG ダ ム 調 査 の た め 来 日 し た 。工 事 中 の 厚 幌 ダ ム の 現 地 調 査 を 企 画・同 行 す る
と と も に 、 台 形 CSG ダ ム 技 術 に つ い て 紹 介 し た 。
② エ ジ プ ト 水 資 源 ・ 灌 漑 省 の 技 術 者 に 対 す る 技 術 協 力 ( 11 月 19~ 24 日 )
日本とエジプト両国の大ダム会議の技術交流の一環として、エジプト政府水資
源 ・ 灌 漑 省 の 技 術 者 1 名 が 台 形 CSG ダ ム の 調 査 の た め に 来 日 し た 。 工 事 中 の
サ ン ル ダ ム 、 厚 幌 ダ ム で の 現 地 調 査 を 企 画 ・ 同 行 す る と と も に 、 台 形 CSG ダ
ム技術について紹介した。
③その他
以下の海外ダムプロジェクトについて技術協力を行った。
・ ナ ム ニ エ ッ プ 1 (ラ オ ス ・ 水 力 発 電 )に 対 す る 技 術 協 力
( 平 成 27 年 6 月 20~ 25 日 、 28 年 1 月 31~ 2 月 9 日 )
・ Nenskra ダ ム (ジ ョ ー ジ ア ・ 水 力 発 電 )に 対 す る 技 術 協 力
(平 成 28 年 3 月 3~ 11 日 )
日 蘭 ダム及 び堤 防 会 議
(オランダのデルフト市 )
イラン台 形 CSG ダム調 査 団 との
ミーティングの状 況
5.ダム技術者育成事業
(1)現地技術研究会
都道府県ならびに国土交通省地方整備局の若手技術職員を対象として、建
設・管理の現場に即した実践的なダム技術を習得するための現地技術研究会を
開催した。
○ 平 成 27 年 度 現 地 技 術 研 究 会
・参加者数
24 名
・期間
平 成 27 年 9 月 2~ 4 日
・現場
厚幌ダム、当別ダム(北海道)
11
グループに分かれて実施した
技術検討会
厚幌ダム本体工事現場の見学
(2)ダム技術研究発表会
各 都 道 府 県 か ら 、 ダ ム の 合 理 化 施 工 ・ 管 理 ・ 基 礎 掘 削 等 に 関 す る 10 論 文 の
発 表 が あ っ た 。 ま た 、 IHI イ ン フ ラ 建 設 鉄 鋼 設 計 部 長 佐 藤 則 行 氏 に よ る 特 別 講
演「ゲート設備 維持管理のポイント」を行った。
最優秀賞は、福岡県五ケ山ダム建設事務所の四元秀哲技術主査の発表「五ケ
山 ダ ム に お け る 巡 航 RCD 工 法 の 成 果 に つ い て 」 が 受 賞 し た 。
○ 平 成 27 年 度 ダ ム 技 術 研 究 発 表 会
・参加者数
61 名
・開催日
平 成 28 年 1 月 21 日
・会場
TKP ガ ー デ ン シ テ ィ 御 茶 ノ 水
ダム技術研究発表会 開催状況
(3)海外ダム技術研修
都 道 府 県 の 技 術 職 員 等 を 対 象 と し て 、第 23 回 海 外 ダ ム 技 術 研 修 を 実 施 し た 。
○ 第 23 回 海 外 ダ ム 技 術 研 修
・目
的
大 規 模 洪 水 対 策 へ の 知 見 を 広 め る た め 、2011 年 の タ イ 大 水 害 の
現 地 を 視 察 す る と と も に 、中 国 の 成 都 で 開 催 さ れ た RCC シ ン ポ
ジウムに参加した。
12
・参加者
2名
・期
平 成 27 年 9 月 20~ 29 日
間
・訪問国
タイ、中国
(4)オンザジョブトレーニングの実施
4 府県から 4 名の若手技術職員を受け入れ、オンザジョブトレーニングによ
る人材育成を実施した。
6.ダムに関する知識の普及啓発等
( 1 ) 機 関 誌 「 ダ ム 技 術 」( 月 刊 ) の 刊 行
機 関 紙 「 ダ ム 技 術 」 を 毎 月 発 行 し た 。 発 行 部 数 毎 月 713 部 。
平 成 27 年 11 月 に は 「 ダ ム 再 生 」 特 集 号 を 刊 行 し た 。
( 2 )「 ダ ム ニ ュ ー ス 」( 月 刊 ) の メ ー ル 配 信
ダ ム ニ ュ ー ス を 毎 月 メ ー ル 配 信 し た 。 配 信 数 533 件 。
(3)ダムフォトコンテスト
ダ ム に 関 す る 写 真 コ ン テ ス ト の 審 査 会 を 、 10 月 15 日 に 開 催 し た 。 最 優 秀 賞
1 点 、 優 秀 賞 3 点 等 を 決 定 し た 。 応 募 者 数 128 名 、 応 募 数 313 点 。
平 成 27 年 度 は 、ダ ム フ ォ ト コ ン テ ス ト 開 始 20 周 年 を 記 念 し て カ レ ン ダ ー を
作成し、国土交通省、各都道府県のダム関係事務所等に配布した。
7.その他の事業
(1)プレキャスト型枠事業
平 成 11 年 度 よ り 実 施 し て い る プ レ キ ャ ス ト 通 廊 用 の 製 作 型 枠 の 貸 出 事 業 を 、
7 ダムで実施した。
(2)関係団体・関係行事への協力
・一般社団法人ダム工学会活動への協力
・一般社団法人日本大ダム会議の活動への協力
・「 水 の 週 間 」 行 事 へ の 協 力
・「 日 本 水 フ ォ ー ラ ム 」 行 事 へ の 協 力
・「 川 の 日 」 行 事 へ の 協 力
なお、一般社団法人及び一般財団法人に関する法律施行規則第34条第3項に規定する附属明
細書については、事業報告の内容を補足すべき重要な事項は存在しないので、作成しない。
13