平成27年11月14日 赤十字シンポジウム 東北 血小板製剤 のこれから 東京都赤十字血液センター 松﨑浩史 副所長 1 COI なし 2 話 題 ・血液需要動向 ・献血者確保 血液の需給バランスは献血者確保だけで解決するか 高単位分割血小板 プール血小板(バッフィーコート血小板) ・ 血小板製剤の病原体低減化 ・洗浄/置換血小板 ・血小板製剤の血液型別供給比率 ・HLA適合血小板 3 血液製剤供給単位数の推移 (万単位) 1000 1999年 H11年 NAT 900 2003年 H15年 血液法 800 700 600 500 400 300 200 100 0 H1 H4 H7 赤血球製剤 H10 H13 H16 血小板製剤 H19 H22 H25 血漿製剤 血液事業報の現状 日本赤十字社 血液事業本部 4 献血件数と献血量の推移 万L 件 1986年 S61年 400ml献血、成分献血 1000 900 1999年 H11年 NAT 2003年 H15年 血液法 250 800 200 700 1973年 S48年 売血廃止 600 500 150 400 100 300 200 50 100 0 0 S41 S46 S51 200(件) S56 S61 400(件) H3 H8 成分(件) H13 H18 H23 献血量(万L) 5 日本の献血 採血量(L) 200mL 4% PPP 13% PC 17% 400mL 65% 平成25年度 血液事業年度報より 6 献血者の確保 7 PC供給本数 900,000 800,000 700,000 600,000 500,000 400,000 300,000 200,000 100,000 0 平成19年度 平成20年度 平成21年度 平成22年度 平成23年度 平成24年度 平成25年度 血液事業年度報より 8 PCの需要を満たす対策 献血者↑ 実献血者増 複数回献血増 採血量↑ 高単位採血 全血からのPC製造 9 高単位分割血小板 10 日本の血小板供給本数(H26年度、単位数別) 7% 5% 1単位 251 2単位 92 5単位 14,300 10単位 715,979 86% 15単位 46,166 20単位 58,332 計 835,120 血液事業本部資料より 11 H26年度の血小板供給本数比率 100% 90% 20単位 80% 70% 15単位 60% 10単位 50% 5単位 40% 30% 2単位 20% 1単位 10% 0% 血液事業本部資料より 12 TBV Total Blood Volume vs Yield (Global Trima) 成分献血者の循環血液量と採取血小板量 6000 5800 Bermuda Serbia Cyprus Australia Canada GreeceNetherlands Sweden UK Czech Rep Poland Finland IrelandGermany Puerto Rico Luxembourg US Kuwait South Africa Israel UAE Turkey Malta Austria Brazil Lithuania Spain Argentina Norway Korea Switzerland Belgium Italy France India Malaysia Portugal Mexico Denmark Thailand Hong Kong China Russia Singapore Colombia Indonesia Peru Japan Philippines Taiwan 5600 5400 5200 5000 4800 4600 Chile 4400 NZ Lebanon Vietnam 4200 ×1011 4000 3.0 3.5 4.0 4.5 5.0 5.5 6.0 6.5 7.0 7.5 8.0 テルモBCT社調査データ 8.5 13 プール血小板 BC血小板 RDP Random Donor Platelet 14 保存前白血球除去作業(全血) 関東甲信越BBC 製剤課提供 15 BCをプールする 16 ベルギー 17 欧州各国の製剤別使用量 70 57.2 83 52.8 80 78 51.2 70 45 44.7 6342.5 40 39 37.5 60 38.8 34.3 51 48 34.2 50 31.8 30 25.6 35 20 14.6 9.8 15 3 2 スイス イギリス 日本* 4.74.9 スウェーデン 6.8 4.2 スペイン 5.3 ノルウェー 4.64.2 オランダ 4.5 イタリア 5.2 3.88 ドイツ 7.3 3.6 フランス 6.4 8.5 7.2 4.8 フィンランド 5.8 4.5 20 9 デンマーク 6.2 9.2 7.8 輸血 輸血 供給 供給 供給 輸血 供給 輸血 輸血 輸血 供給 供給 供給 0 40 30 ベルギー 7.9 6.3 31 28 11.9 10 100 90 60 50 100 (%) (本/千人) 10 0 赤血球 輸血用血漿/千人(本数) 血小板/千人(本数) 成分血小板(%) 血小板/千人(本数) 血液事業本部提供 18 ドイツ 血小板製造量 本数(百万本) 全 血 由 来 成 分 採 血 Reports on blood supply in compliance with the German Transfusion Act Report on notifications pursuant to Section 21 TFG (German Transfusion Act) for 2014 - tables and figures 19 オランダ THE MOTIVATION FOR A PREDOMINANT RDP BASED PLATELET SUPPLY IS GIVEN BY THE FOLLOWING ADVANTAGES : 1. A buffy-coat, if not used for research, is in principle a waste product. 2. The donor is not unnecessarily exposed to an extracorporeal circuit. 3. An RDP product of 5 donors allows for better standardization of the platelet content in a product (more than 300 x 109 /product) than SDP from single donors. 4. In a country with a low rate of transfusion transmitted infections the advantage of SDP by limiting donor exposure is less important. 5. For a reduced immunogenicity with respect to HLA alloantibodies, there is no scientific evidence to prefer SDP over RDP http://www.isbtweb.org/fileadmin/user_upload/Transfusion_Today/2007/2007-70.pdf 20 輸血感染症 ウイルス 抗体検査とNAT検査の感染性ウインドウ期の比較 個別NAT開始 ウイルスの種類 B型肝炎ウイルス C型肝炎ウイルス ヒト免疫不全 ウイルス 検査方法 HBs抗原検査 NAT 個別NAT HCV抗体検査 NAT 個別NAT HIV-1、2抗体検査 NAT 個別NAT 血液製剤に係る遡及調査ガイドライン 2014/8 ウインドウ期 80日 44日 34日 82日 24.5日 23日 22日 13.5日 11日 21 輸血情報 1509-143 22 輸血感染症 輸血用血液の感染症報告 8月HBc陽性者の制限 8月ID-NAT 年度 病原体 平成18 19 20 21 22 23 24 25 26 HBV 6 14 4 7 11 13 6 7 2 HCV 1 2 2 1 1 HIV HEV 1 2 1 4 1 1 1 1 HAV 2 HTLV-1 細菌 27 3 2 2 1 血液事業本部 安全管理課 23 輸血感染症 HIV HIV陽性献血者数の推移 数字はNATのみ陽性の献血者数 人 120 6 男 女 100 2 HIV陽性率(/10万) 1 80 2 2 1 % 2.5 0 2 2.0 1 3 2 1 3 1 0 0 1.5 60 1.0 40 0.5 20 0 年度 0.0 1986 1991 1996 2001 2006 2011 3月まで 厚労省 血液事業部会運営委員会 資料より作成 24 輸血感染症 初流血除去 献血時の皮膚消毒は皮膚表 面にいる細菌には有効です が、毛嚢(毛穴)の中の細菌ま で消毒することはできませ ん。そのため針を刺した直後 の血液に細菌が混入すること がまれにあり、初流血を除去 することで細菌を除去しま す。 献血の針を刺した直後に流出する 約25mlの血液(初流血)を付属のバッグに採取し、そ の後に流出する血液を輸血用血液とします。 除去された血液は検査や保管検体として利用します。 東京都赤十字血液センターHPより 25 輸血感染症 初流血除去の効果 細菌混入頻度 1/2000 1/5000 輸血情報 0903-118 26 輸血感染症 無菌試験結果 平成25年度 菌 Propionibacterium acnes 製剤 件数 RBC 25 PPP 1 Staphylococcus epidermidis RBC 1 Staphylococcus saccharolyticus RBC 1 コアグラーゼ陰性Staphylococcus(CNS) RBC 1 PPP 1 Bacillus sp. RBC 1 Corynebacterium sp. RBC 1 本部 製造管理課 27 輸血感染症 細菌数・種と輸血副作用重症度 輸血情報 0903-118より改変 28 苦情品から判明したPCの細菌汚染 H25年度 H24年度 H23年度 細菌 発見場所 製品 内容 E.coli 供給 IRPCLR スワーリング(-) S.aureus 供給 IRPCLR 凝固物 S.agalactiae 医療機関 IRPCLR 凝集物 S.aureus 医療機関 PCLR 凝集物 S.aureus 医療機関 IRPCLR 凝集物 K. pneumoniae 供給 IRPCLR 凝集物 S.aureus 供給 IRPCLR 凝集物 S.aureus 医療機関 IRPCLR 凝固物 S.aureus 医療機関 IRPCLR 凝集物 S.aureus 供給 IRPCLR 凝集物 Lactococcus garvirae 供給 IRPCLR 凝集物 S.aureus 供給 IRPCLR 凝集物 S.aureus 医療機関 PCLR 凝集物 S.aureus 医療機関 IRPCLR 凝集物 29 ・血小板製剤の病原体低減化 30 欧米主要国における病原体低減化の導入状況 (血小板製剤) 国名 全面導入国 スイス、ベルギー、ポーランド、カタール、サウジアラビア 部分導入国 フランス(安全性を追加評価) ドイツ、イタリア、スペイン(施設ごとの判断) 未導入国 イギリス(導入アセスメント中) オランダ(導入可否は未決定) アメリカ(PAS血小板については2014年12月FDA承認) カナダ(評価中) 2014 31 病原体低減化 PC 国 ノルウェー ポーランド スペイン スエーデン ベルギー フランス ドイツ スイス オーストリア デンマーク フィンランド ギリシア イタリア オランダ アイルランド 米国 カナダ オーストラリア ニュージーランド np: 実施していない Intercept Mirasol 17% 9 21% 12% 44,3 7,94% 0,07% np np np np np np np np np np np np np 6971 評価中 np np np np np np np np np np np np np np np np 追記:*現在は使用中止 **2013.1 FDA承認 *** 2014.12 FDA承認 Implementation of Pathogen Reduction Technologies for Blood Components for Transfusion: Updated Table 2009-2010 COUNCIL OF EUROPE より抜粋 32 ・洗浄/置換PC 33 ・洗浄PCの調整 機材 :Hemonetics ACP215 洗浄液 : BRS+A Bicarbonate Ringer’s Solution + ACD-A液 34 ・置換PCの採血/調整 製造 :成分採血装置、全血由来血小板 添加液 : PAS(Platelet Additive Solution) 35 PAS Platelet Additive Solutions ISBT Product Codes Alternate Names PAS-B PAS-II T-sol PAS-C PAS-III InterSol Manufacturer Baxter Fresenius Company Fenwal PAS-D Composol Fresenius Kabi PAS-E PAS-IIIM SSP+; T-PAS+ MacoPharma Terumo BCT PAS-F** Terumo BCT Isoplate Constituents (mmol/L) Sodium 176 192 173 184 141 Chloride 116 77 98 77 98 Acetate 30 33 27 33 27 23 Gluconate 28 Phosphate 11 28 1 11 11 Potassium 5 5 5 Magnesium 1.5 1.5 1.5 Citrate 10 23 *各国の承認によって入手可能なものは異なる **PAS-F はアメリカに限定されている 36 2014 AABB annual meetingより 置換PCで輸血副作用は半減する 37 海外の置換PC占有率 国名 置換PC占有率 チェコ オランダ ドイツ 南アフリカ イギリス・アイルランド イタリア ポルトガル オーストリア 北欧 フランス スペイン スイス ベルギー・ルクセンブルク 20% 20% 35% 47% 50% 74% 75% 90% 98% 100% 100% 100% 100% 38 血小板製剤の血液型別供給比率 39 血液型不適合造血幹細胞移植後の輸血療法 血液製剤の使用指針 40 血液製剤の使用指針 血液型不適合総血幹細胞移植直後の輸血療法 選択が推奨される血小板、血漿 Donor A O B AB A/AB AB AB B/AB AB Pt A O A/AB 主不適合 副不適合 主副不適合 B AB B/AB AB AB AB AB AB 血液製剤の使用指針 を改変 41 平成26年度の血液型別供給本数 成分採血製剤 血液型 PC 供給比率(%) FFP480 供給比率(%) A 322,927 39 89,500 37 O 228,568 27 69,377 29 B 181,960 22 48,737 20 AB 101,665 12 33,735 14 計 835,120 100 241,349 100 血液事業年度報より 42 異型PC 異型PCの溶血性副作用 Larsson LG, Transfusion, 40, 902-6, 2000 Japanese Red Cross Tokyo Metropolitan Blood center 43 http://yuketsu.jstmct.or.jp/wp-content/themes/jstmct/images/medical/file/guidelines/Ref9-1-150127.pdf 44 PC-HLAの抗A,抗B抗体価の頻度 30 % 25 20 15 10 5 0 A型製剤、抗B抗体 O型製剤、抗A抗体 B型製剤、抗A抗体 O型製剤、抗B抗体 2013年実態調査血液事業本部 血液事業37(4), 43, 2015 45 血液型頻度 http://www10.ocn.ne.jp/~kanam/distribution_of_a_blood_type.html 100% 90% 80% 70% 60% 50% 40% 30% 20% 10% 0% 日アオベブ中デ ド イ フ 本 イ ール ラ 国 ン イ ギ ィ (マツ リ ン ヌ スギジ広 ト ール ー各ス ラ 東 ラ )ク地 ン リ ド ア … フ ギハオ イ ア イ ユ朝 ノ オ フ ポポル ソ ス ス ス チ ト アハ ラ リ ワ ラ ン イ タ ダ鮮ーー ィ ールー連ウ イ ペ ェ ル メ ン ン シ イ ン デル リ ヤ ルス リ ラ ト マ各 ェ ス イ コ コ リ ガ スャ ダ ィ ラ ア( ウ ト ッ ン ガ ニ地ー ン ス カ リ ド ェ リ ピ ド ルア デ (ー ロ 白 オン( ミ イ ーアン ン (ド バ 人( ブ ブ ラツ キ )… … ノ) ア ) 46 HLA適合血小板 47 PC-HLA供給本数 25,000 20,000 15,000 10,000 5,000 0 平成19年度 平成20年度 平成21年度 平成22年度 平成23年度 平成24年度 平成25年度 血液事業年度報より 48 PC-HLA依頼の推移 % 100 80 60 40 20 0 4月 5月 6月 7月 8月 9月 10月 11月 12月 1月 2012年 同型 東京都赤十字血液センター 2月 3月 4月 2013年 異型 登録課 O型異型 高橋秀典氏作成 49 HLAの適合したPCの供給体制 ・ドナープール拡大 ・供給 ・PC献血者のHLA検査 ・要請応諾献血者由来 ・血小板献血予約者由来 ・在庫由来=適合PC PC-HLA ・交差適合試験あり ・1週間前に依頼すれば、PC-HLAを入手できる 適合PC ・交差適合試験なし ・1週前の依頼なし、適合したPCがないときもある 50 終 51
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