2.4 MB

Ⅵ
労災保険の役割と補償
「労働者災害補償保険」のことを、一般に「労災保険」
と略されます。以下に保険内容を記します。
「労災保険」は、一般の労働者の負傷、疾病、障害、
死亡に対して保険給付を行う制度ですが、加入義務のな
い農業者の方も一定の要件で、特別加入の形で任意加入し、
一般加入者と同等程度の補償を受けられます。
業務が原因で従業員の負傷や療養が必要なときの費用は、事業主(雇用主)が負担
しなければならないことになっています。労災保険はその補償を行うためのものです
から、雇用労働者がいる場合は必ず加入しましょう。
1 加入対象
(1) 雇用労働者
○
法人経営の場合は雇用者が1人でもいる場合は強制加入となります。
○
個人経営の農業の場合
常時5人未満を雇っている場合は任意加入と
なります。但し、事業主が労災保険に特別加入している場合は1人でも雇用労働
者がいれば強制加入となります。
(2)
事業主等の特別加入
農 業 者 特 別 加 入 制 度 は 3 種 類
特別加入制度は次のA~Cいずれかの方が対象で、重複して加入できません。
特別加入はJAを通じて加入申請を行います。
A
特定農作業従事者
→
一定の経営規模以上の方が加入できます。
①年間の農業生産物総販売額が300万円以上または経営耕地面積が2ha以上
の規模(この基準を満たす地域営農集団などを含む)の農業経営です。
②ア~オの作業(限定)に従事している事業主・家族など。
図1
特定農作業従事者
- 50 -
B
指定農業機械作業従事者
→
経営規模に係わらず加入できます。
農業経営に従事している事業主・家族などであって次の機械(限定)を使用し、農作
業を行う方
①動力耕耘機その他の農業用トラクター
②動力渠堀機
③自走式田植機
④自走式スピードスプレーヤーその他の自走式防除用機械
⑤自走式動力刈取機、コンバインその他の自走式収穫用機械
⑥トラックその他の自走式運搬用機械
⑦次の定置式機械または携帯式機械
・動力揚水機
・動力草刈機
・動力カッター
・動力積採機
・動力脱穀機
・動力剪定機
・チエーンソー・単軌条式運搬機・コンベヤー
C
中小事業主等・・・法人の代表者や役員でも加入できます。
<加入条件>
①常時300人以下の労働者を使用する事業主(法人の場合はその代表者)お
よび労働者以外でその事業に従事する方とその家族従業者が加入できま
す。
②継続して労働者を使用していない場合であっても1年間に100日以上労働者を使用す
ることが見込まれる場合は中小事業主の特別加入の対象となります。
①、②の人が次の要件を満たしていることが必要です。
◆雇用する労働者について労働保険関係が成立していること。
◆事業主本人の他、家族従業員など労働者以外で業務に従事している方全員を包括
して特別加入の申請を行う必要があります。但し、病気療養中、高齢その他の事
情により実態として事業に従事していない事業主は包括加入の対象から除くこと
が出来ます。
一問一答集P66 Q12参照
Q:私は、水稲・小麦・大豆を20haで栽培している。
農業用トラクターも大型になっているから、自分も労災
に入りたいのだが加入の手続きはどこへいけばいいのか?
A:「特定農作業従事者」または、「指定農業機械作業従事者の
方」は、JA等の特別加入団体を通じて加入申請を。「中小
事業主の方」は、労働保険事務組合を通じて、加入申請を。
特別加入団体・労働保険事務組合とも、JAが窓口になっ
ています。労災保険に「加入できる」・「加入できない」の判断
は、次ページ図2、図3「労災保険加入要件フローチャート」を
参考にしてみてください。
- 51 -
●雇用労働者が加入する場合
雇用労働者が
労災保険に加
入する場合
スタート
個人
事業主
はい
いいえ
雇用労働者
が常時5人
以上いる。
雇用労
働者が
いる。
事業主(常時雇
用労働者1人~
4人)が、労災
保険に特別加入
している。また
は、雇用労働者
の過半数が労災
保険の加入を希
望している。
労災保険
に加入で
きるが任
意である。
保険加入者
がいない。
常時雇用
労働者が
1人以上
いる。
法人・
事業主
図2
雇用労働者は労災
保険に強制加入し
なければならない。
雇用労働者の労災保険加入要件フローチャート
●事業主が加入する場合
事業主が労災
保険に加入す
る場合
スタート
常時雇用
労働者が
1人以上
300人以
下であ
る。
図3
はい
いいえ
1年間で
100日以
上雇用す
ることが
見込まれ
る(常時
雇用を含
む)。
労災保険に加入
できない。
雇用労働者
は労働保険
に加入して
いる。
「事業主」と「雇
用労働者以外でその
事業に従事する家族
など」は、中小事業
主等として、特別加
入ができる。
要件を満たせば、
特定農作業従事者
か、指定農業機械
従事者として、特
別加入ができる。
事業主の労災保険加入要件フローチャート
- 52 -
2
補償の対象となる範囲
(1) 業務災害
A
雇用労働者の場合
業務上の(事業主の指揮命令下にある)の災害
B
特別加入者の場合(①~③)
①
特定農作業従事者
P46の図1、ア~オの作業従事者およびその作業に直接附帯する行為を行う場合
②
指定農業機械作業従事者
P47のBにある①~⑦の指定農業機械を使用して行う作業およびこれに直接附帯す
る行為を行う場合
◆農作業に使うトラック等に乗り自宅格納庫からほ場へ向かう途中で負傷した時は耕
作などの作業に直接附帯する行為なので業務災害として労災保険給付対象になりま
す。
◆指定農業機械作業従事者についてもトラック等の指定農業機械に乗って車庫からほ
場まで向かうなども同じく業務災害として労災保険の給付対象となります。
③
ア
中小事業主等
特別加入申請書の「業務内容に」欄に記載された業務およびこれに直接附帯す
る行為を行う場合(但し
例えば資金繰りを目的とした接待に出席している場合
のようにその行為が事業主の立場において行われる業務を除く)
イ
労働者の時間外労働または休日労働に応じて就業する場合
ウ
アまたはイに前後して行われる業務(準備・後始末行為を含む)を中小事業主
のみで行う場合
エ
ア、イ、ウの就業時間内における事業場施設の利用中および事業施設内で行動
中の場合
オ
事業の運営に直接必要な業務のために出張する場合(但し、例えば事業主とし
て金融機関と融資の折衝を行う場合のようにその行為が事業主の立場で行われて
いる業務を除く)
カ
通勤上で次にあげる場合
・労働者の通勤用に、事業主の提供する交通機関の利用中
・突発事故(台風、火災など)による予定外の緊急の出勤途上
キ
事業の運営に直接必要な運動競技会その他の行事について労働者(業務遂行性
が認められる者)を伴って出席する場合
- 53 -
(2) 通勤災害
ア
特定農作業従事者や指定農業機械従事者の場合
↓
通勤災害は給付対象になっていません。
イ
雇用労働者および特別加入(中小事業主等)の場合
一般労働者と中小事業主は同様に取り扱われ、通勤とは①住居とほ場などの作業場との
間の往復②就業の場所から他の就業の場所への移動をいいます。
(ア)合理的な経路及び方法により行い(イ)移動の経路を逸脱・中断した場合はその逸脱・
中断が日常生活上必要な行為であって日用品の購入などやむをえない事由により最小限
の範囲で行う場合は逸脱、中断中は対象外となりますが、合理的な経路に戻った後の移
動は通勤災害となります。
Q
特定農作業従事者として特別加入している個人農業者が、ライスセン
ターで米の乾燥作業中にフォークリフトで負傷しました。これは労災
とみてもらえますか?
A
このような場合、米は収穫後乾燥させて初めて農産物を収穫したもの
として取り扱うことになります。ライスセンターは農作業場に当たる
ので、動力で駆動する機械を使用しての作業中に被災した場合には、
業務災害として労災保険による給付を受けることができます。
Q:当農場には、常時雇用者が3人いますが、うち2人が労災加入を希望している。
もう1人はどっちでもよいと言ってる。労災加入すべきか?
A:個人農業者(労災未加入)で常時雇用者が5人未満の場合、
常時雇用者の過半数が労災加入を希望する場合は、事業主として労災保険の加入を
しなければなりません(強制加入)。
また、過半数に満たない場合は、希望する雇用者は任意で労災保険に加入するこ
とができます。
※雇用者(農業者)が労災に加入している場合は、常時雇用者が1人でもいる場合
は、加入申請を行わなくてはなりません(強制加入)。
私たち2人は
労災保険に加入
労災保険に加
したので、安心
入希望します。
して働いて下さ
い。
<従業員>
<事業主>
- 54 -
3
保険料および給付基礎日額
労災保険の保険料は全額事業主の負担です。保険料は年1回の掛け捨て制で、保険年度
は4月1日~3月31日までの1年間です。
(1) 雇用労働者
ア
①保険料は年度内の賃金総額(ボーナスを含む)に保険料率12/1000を乗じます。
イ
原則の給付基礎日額は、a月給の場合は「前3か月の賃金(ボーナス等は除く)/
前3か月の総日数」で、b日給の場合「日給×60/100」とaの高い方で計算されま
す。
(2)特別加入者の保険料および給付基礎日額
(別表の通り)
給付基礎日額は、労災保険の給付額を算定する基礎となるもので、加入者の希望により
労働局長が決定します。また、年度更新期間中にも当年度に適用される給付基礎日額の
変更が可能です。ただし、災害発生前に申請することが前提となりますので変更申請前
に災害が発生している場合は、変更は認められません。
加入する時、給付基礎日額は自分の所得水準に見合った額を選択。給付基礎日額に基
づき年間保険料や補償額が決まります。年間の農業収入を365日で割った額を目安とし
て3,500円~25,000円のうちから申請します。※ 保険料率は制度ごとに異なります
A 特定農業者 0.9 %
表1
B 指定農業機械作業従事者 0.4 % C 中小事業主等 1.2 %
給付基礎日額・保険料一覧
(平成26年10月1日現在、単位:円)
基礎給付日額
保険料算定基礎額
A
B=A×365日
25,000
24,000
22,000
20,000
18,000
16,000
14,000
12,000
10,000
9,000
8,000
7,000
6,000
5,000
4,000
3,500
9,125,000
8,760,000
8,030,000
7,300,000
6,570,000
5,840,000
5,110,000
4,380,000
3,650,000
3,285,000
2,920,000
2,555,000
2,190,000
1,825,000
1,460,000
1,277,500
年間保険料
特定農作業従事者 指定農業機械作業
B×9/1000
82,125
78,840
72,270
65,700
59,130
52,560
45,990
39,420
32,850
29,565
26,280
22,995
19,710
16,425
13,140
11,498
B×4/1000
36,500
35,040
32,120
29,200
26,280
23,360
20,440
17,520
14,600
13,140
11,680
10,220
8,760
7,300
5,840
5,110
中小事業主
B×12/1000
109,500
105,120
96,360
87,600
78,840
70,080
61,320
52,560
43,800
39,420
35,040
30,660
26,280
21,900
17,520
15,330
※通常の場合は7月10日までに年度内の保険料を概算で納めます。年度途中で加入する場合は月割で払うことになりま
す。その月を切り上げて、1か月未満の端数がある時はこれを1か月として計算します。
- 55 -
<
年間保険料を計算してみましょう >
計算式=給付基礎日額×期間(日)×保険料率
※期間(日)は、特別加入者(事業主)は365日、一般加入は日数となります。
【その1】
特定農作業従事者に、給付日額10,000円で経営主のみ加入の場合
給付基礎日額
期間(日) 保険料率 年間保険料
10,000 ×
365 ×
0.009 = 32,850
【その2】
特定農作業従事者に、給付基礎日額10,000円が経営主と給付基礎日額が8,000円の妻の2人が加入
の場合
経営主
10,000 ×
365 ×
0.009 = 32,850
妻
8,000 ×
365 ×
0.009 = 26,280
59,130
合計
【その3】
特定農作業従事者に、給付日額10,000円で経営主のみ加入し、日給7,000円の雇用労働者を3人で
延べ50日雇用した場合
経営主
10,000 ×
365 ×
0.009 = 32,850
雇用労働者
7,000 ×
50 ×
0.012 =
4,200
合計
37,050
【その4】
雇用労働者を年間100日以上雇用しているので、中小事業主等に加入した場合
事業主は、給付基礎日額10,000円。妻は給付基礎日額8,000円で4~10月の214日加入。息子は給
付基礎日額10,000円で3~11月の275日加入
雇用労働者は、全員日給7,000円です。Aさんは50日、Bさんは85日、Cさんは150日の3人を雇用し
た場合
経営主
10,000 ×
365 ×
0.012 = 43,800
妻
8,000 ×
214 ×
0.012 = 20,544
息子
10,000 ×
275 ×
0.012 = 33,000
雇用労働者
7,000 ×
285 ×
0.012 = 23,940
121,284
※ 保険料の支払いは、4/1~7/10に当年度の概算保険料と前年度の確定保険料(概算保険料と確
定保険料の差額)を支払います。
や【その4】で雇用労働者の雇用日数が変更になった場合は、翌年度の確定保険料で精
※ 【その3】
算しますので、申込時の日数と実際の雇用日数が変更になっても問題はありません。
- 56 -
4
補償・給付の種類
図4
表2
労災補償給付
給付の種類と内容
保険給付の種類
給
付
内
容
療養 (補償)給付
労災病院又は労災指定医療機関等で療養する場合の治療を
無料で受けられる
上記以外の病院で治療を受けた時は、病院窓口で全額現金
療養の給付 を支払い、後日支給される
休業(補償)給付
療養のため労働することが出来ない日で一般労働者は賃金
を受けられない日(特別加入者は賃金の有無に関係なく)
が4日以上に及ぶ場合
傷病(補償)年金
傷病が1年6か月を経過した日、又は同日以後において治
っておらず傷病が、障害の程度の傷病等級1~3級に該当
する場合、休業給付に変わって支給される
障害(補償) 障害(補償)傷病が治ったとき(治療の必要がなくなった)に障害等級
給付
年金
の、第1級から第7級までに該当する障害が残った場合、
年金を支給
障害(補償) 傷病が治ったときに障害の程度が障害等級第8級から第1
一時金
4級までに該当する障害が残った場合に一時金を支給
介護(補償)給付
障害(補償)年金又は傷病(補償)年金の等級1級又は2級
の一部の受給者で、介護を要する状態にあり訪問介護を受
けたり、親族が介護した場合(病院に入院中は除く)に支給
遺族(補償) 死亡した場合に生活を維持されていた遺族に対し遺族の数
遺族(補償) 年金
に応じて年金を支給
給付
遺族(補償) 遺族(補償)年金を受け取る遺族がいない場合に給付基礎日
一時金 ) 額1,000日分の一時金を遺族に支給
葬祭料(葬祭給付)
二次健康診断給付
死亡した方の 葬祭を行うものに支給
一次健康診断で脳血管疾患及び心疾患に関するいずれの項
目にも異常の所見があると診断された場合の二次健診費用
(特別加入の人には、給付されません)
「保険給付の種類」欄は業務補償で支給される保険給付の名称です
この他に社会復帰促進事業として特別支給金制度があります。特別支給金には定額・定率の特別支給金と特別給与(ボ
ーナス)を基礎とする特別支給金(ボーナス特別支給金)があります。特別加入者は定額・定率の特別支給金は支給
されますがボーナス特別支給金は支給されません。
- 57 -
5
支給制限と費用の徴収
(1) 労働者による支給制限
ア
労働者が故意に直接の原因となる事故を起こした時は、保険給付は行われません。
イ
労働者が故意の犯罪行為、もしくは重大な過失、又は正当な理由がなくて療養に
関する指示に従わない時は、保険給付の全部または一部が行われないことがあり
ます。
(2) 事業主による支給制限
表3
事業主による支給制限表
一般労働者
特別加入
加入対象
保険給付に要
保険給付が全部又は一部支給
した 費 用 相当 されないことがある
額の 全 部 又は
事
由
一部 を事 業主
から 費 用 徴収
される
特定作業
中小事業主
事業主が故意又は重大な過失に
有
指定農作業
(1)の①、②で支給制限する
よって事故が発生
事業主が保険料を滞納中に事故
事業主が故意又は重大な過失によっ
有
支給制限有
有
有
支給制限有
支給されない
て保険関係を成立させていない時に
事故
(3) 併給による調整
国民年金や厚生年金(老齢基礎・老齢厚生を除く)が併給される場合は、労災保険の給
付が減額されます。
- 58 -
Ⅶ 職業紹介や人材派遣による労働力確保
1
職業紹介事業
(1) JA等が行う無料職業紹介事業
無料職業紹介事業とは、職業紹介に関し、いかなる名義でも手数料または報酬
を受けないで行う職業紹介事業を言います。
JA(特別の法律により設立された法人)の場合は、厚生労働大臣に届出るこ
とにより無料職業紹介事業が行えます。
申 請
厚生労働大臣への届出
有効期間
5年
事前に所定の講習を受ける
職業紹介責任
責任者証の有効期間は2年
者の選任義務
広域合併農協の場合は、支所ごとに責任者を置く
空知管内での JA美唄
届出状況
JA夕張
(2) シルバー人材センターが行う有料職業紹介事業
○都道府県知事が市町村(区)に1カ所指定される法人です。
○臨時かつ短期的な雇用により就業または軽易な業務に係る就業を希望する高
齢者(55歳以上)に機会を提供します。
○平成25年度までは無料職業紹介事業でしたが、平成26年度より有料職業紹介
事業者となります。(無料職業紹介事業はできない)
○大臣に申し出ることにより、高齢者に対して有料の職業紹介事業や一般労働
者派遣事業を行います。
2
労働者派遣事業
(1) 労働派遣事業とは
雇用者は派遣会社(派遣元)ですが、仕事の指揮命令は農家
(派遣先)という変則的な関係です。
労働・社会保険の加入や賃金の支払い、労働条件の明示など
派遣会社が義務を負うことが多いですが、農家(派遣先)も労
働時間の管理や配置換えの時の安全教育、危害防止対策など果
たさなければならない責務があります。
- 59 -
労働者派遣契約
派遣会社
(派遣元事業主)
農家(派遣先)
雇用関係
指揮命令関係
派遣労働者
図1
派遣事業における雇用と指揮命令の関係
(2) 労働力派遣事業の種類
派遣労働者を登録して行う、一般労働者派遣事業
が多くなっています。
特別労働者
派遣事業
労働者派
遣事業
(常用型)
一般労働者
派遣事業
(登録型)
図2 派遣事業の種類
派遣先と派遣労働者の希望があえば、直接雇
用できる「紹介予定派遣」があります。最長6
か月間派遣してもらう事ができ、農家から派遣
労働者を指名できます。派遣終了後に、従業員
として雇います。
「紹介予定派遣」でなければ、派遣された労
働者を、派遣終了後すぐに雇用することは禁じ
られています。雇用したい場合でも、一年経過
後となります。
(3) 派遣会社から見た、よくあるトラブル
① 休憩時間や昼休み時間を守らなかったり、時間の約束を守らない
② 農業軽作業として契約しているのに、車の運転などをさせる
運転させるだけでなく、車が傷ついたりして賠償問題になることもある
③ 農場としての指揮命令系統がはっきりしていない
経営主が指示しても、実際に同じ作業をするのは奥さんが多く、「そんなやり方でな
く・・・」と言ったケース(両親の場合も)が一番多い→作業者が迷う
◎農場側は「いい人が欲しい」と言うが、派遣労働者だって「いい農家に行きたい」
と思っている。
「
一問一答集P67 Q18参照
(4) 農家(派遣先)として派遣労者を受け入れるとき
◇ 契約期間中に途中解除(派遣中止)した場合
○中途解除には、あらかじめ相当の猶予期間をもって派遣元に解除申し込み
をおこない、合意を得る
○派遣者の新たな就業機会の確保
○休業手当など支払いに要する費用の負担(損害賠償等)
- 60 -
◇ 農家がはたす義務
① 派遣先管理台帳の作成
(1日でも必要、3年間保存)
1 派遣労働者名
2 派遣会社名
3 派遣会社の事業所名
4 派遣会社の事業所の住所
5 派遣就業した日
6 始業・就業時刻、休息時間(実績)
7 業務の種類(実績)
8 就業した場所
9 苦情の処理状況
10 紹介予定派遣である旨(紹介予定派遣の場合のみ)
11 派遣先責任者、派遣元責任者
12 派遣会社から通知を受けた労働・社会保険加入状況
※下線の項目は、月に1回以上派遣会社に通知する必要があります
② 派遣先責任者の選任
③ 苦情処理体制の整備(申し出受け入れ者を選任)
④ 過半数代表者との労使協定がない場合は、派遣契約期間は最長1年間、可能期
間を派遣元へ通知
⑤ 派遣元への情報提供の協力
⑥ 行政機関からの質問や報告提出、立ち入り調査への協力
◇ 農家がはたす派遣者への責務
① 労働時間の管理
② 危険防止措置(機械事故等)
③ 健康障害防止措置(ガス・高温・低温等の障害)
④ 配置換え時の安全教育
⑤ 派遣者への社会・労働保険加入状況の確認
- 61 -
Ⅷ 一問一答集
1.労働条件に関すること
Q1
雇用労働者を雇うときに、まずしなければならないことは何ですか?
1 労働条件を明示して、雇用契約を書面で結ぶ
農業は、特に健康でなければできない仕事なので、健康状態等について誓約書を
交わすこともトラブル回避への有効手段です。なお、期間を定めない雇用の場合
は健康診断が義務付けられています。
詳細はマニュアル参照P10
2 安全の確保および預入時等の作業教育
農作業が初めての方も多いので、作業を安全に行うための注意事項の徹底や万が
一事故が起こった場合の対処方法を確認します。(安全確保の義務と説明責任)
また、作業の目的、内容、方法や手順について、きちんと説明します。(説明責任)
3 各種台帳を作成し、保存しておく
詳細はマニュアル参照P36
労働者名簿、賃金台帳、出勤簿またはタイムカードなど
9か月以上雇用する場合は、他に健康診断個票
派遣労働者を受け入れている場合は、派遣先管理台帳 詳細はマニュアル参照P9,61
Q2
近所の顔見知りの人を雇うのですが、雇用契約は必要ですか?
口約束だけでも雇用関係は成立しますが、経営者の農業への考え方を理解して
貰ったり、トラブルに巻き込まれないためにも、雇用契約は大切です。
雇用契約は書面で行うのが、雇用労働者を雇うときの第一歩です。
また、労働者に対して明示しなければならない事項(雇用期間や賃金など)を書
面で交付しなければなりません。雇用契約と同時に行える「労働条件通知書兼
雇用契約書」を活用しても良いでしょう。
詳細はマニュアル参照P10
Q3
柔軟性をもった勤務時間なので、みんなが揃う12:45のお昼休みにミーティン
グをしています。昼休み(休憩)時間は、12:00~13:00と決めていますが、問
題はありませんか。
休憩時間は、労働者が使用者からの指揮監督下にない、自由に使える時間となっ
ています。ですから、その時間帯にミーティングを行うと、労働時間となり、賃
金の支払いが必要になります。
農場では、午前と午後に15分程度休みを取っている場合が多く、この時間は労働
時間に含まれている事がほとんどです。もし、労働時間に含まれているのなら、
この時間を利用してミーティングをしてはどうでしょうか。
詳細はマニュアル参照P4
Q4
従業員に費用を負担してフォークリフトの資格を取ってもらいました。資格を
取るに当たり、取得後5年間は当社で働いてもらう契約は可能でしようか?
1 荷重1t以上のフォークリフトの運転には、免許等が必要となります。また、荷
重1t未満のフォークリフトでも、特別教育を受けさせなければなりません。
特別教育の受講費は、事業主負担となり、受講時間は労働時間となります。
詳細はマニュアル参照P37
- 62 -
2 以上のことから、事業主が費用を負担したからと言って、資格取得後5年間働い
て貰う雇用契約はできません。また、高度な専門知識等の職種以外の者と60歳未
満の労働者との有期労働契約は、原則3年以内となっています。
ただし、労働者と使用者が同意した場合に、雇用契約期間が3年の有期労働契約
を結ぶことはできます。この場合、1年を経過した日以後は労働者から自由に退
職を申し出ることができます。
Q5
ブロッコリーの収穫作業に時給800円の約束で働いています。先日朝4時から
7時まで働いたのですが、受け取った賃金は2,400円でした。時間外の割増分
を請求できますか?
1 深夜労働に対する午前4時から5時までの1時間に対して、割増賃金を請求でき
ます。
農業は、「労働時間・休憩・休日」の適用を受けないため、時間外や休日の割増
賃金を支払わなくても違法とはなりません。しかし、深夜業の割増賃金は適用と
なります。
2 深夜労働は、原則午後10時から午前5時までです。
このため、「朝4時から7時まで」の場合は午前4時から5時までの1時間が深
夜労働に該当し、800円に25%以上の割増賃金を支払わなければなりません。
4:00~5:00 800*1.25=1,000
5:00~7:00 800*2=1600
合わせて2,600円支払わなければなりません。
詳細はマニュアル参照P4
Q6
農作業が忙しくなる前に、機械や施設の使用方法について雇用者へ説明をしま
した。しかし、マスターするまでに数日を要しました。この期間は働いていな
いので、賃金を差し引いてもいいですか?
このケースでは、使用方法の説明を受けている時間も労働時間となりますので、
賃金の支払い義務があります。
Q7
面接で採用者を決めますが、その人の能力や適性が十分に解りません。能力や
適性を確認してから採用する方法に、試用期間を決めている事例もあると聞き
ました。その内容や注意する点を教えて下さい。
1 「試用期間」を設定すれば、その人の適性を見極めてから本採用することがで
きます。ある農業生産法人の例では、試用期間を2か月間設定しています。設
定はあるものの、成績が良ければ1か月で本採用となる人もいるそうです。
ボーナスについては、試用期間中もさかのぼって支払われます。試用期間中は
勤務時間を、本採用より若干短く設定しています。
2 試用期間中に給料を安くする場合には、最低賃金を下回らないように留意しま
しょう。試用期間中は最低賃金を下回ることもできますが、労働基準監督署の
承認が必要になります。
3 試用期間後の本採用の拒否については、通常の雇用契約における解雇よりも緩
く判断されますが、客観的に合理的な理由があり社会通念上相当として是認さ
れる場合となります。
- 63 -
2.労働保険・社会保険に関すること
Q8
法人を組織化しようと思います。経営主達は構成員(役員)になりますが、妻
達はどの様な立場にしようか悩んでいます。労働保険や社会保険の面で、役員
になった場合と従業員になった場合の違いを教えて下さい。
1 役員になれば、労働基準法では労働者とはならず使用者となります。つまり労
働基準法で守られるべき労働者の権利は適用になりません。
詳細はマニュアル参照P1
2 役員報酬のみを受け取っている場合は、雇用保険に加入する事はできません。
労災保険は、特別加入となります。
厚生年金と健康保険は、役員となっても従業員でも加入出来ます。
詳細は一問一答集のQ9参照
Q9
法人の代表者や理事、個別経営の代表者は、労働保険や社会保険に加入できま
すか?
法人の代表や役員は、雇用保険を除いて他の労働保険や社会保険に加入できます。
個人経営者は、労災保険への特別加入と介護保険への加入にとどまります。
加入の可否を一覧表にまとめました。
(○加入できる、△条件により加入できる、×加入できない)
法人代表取締役
法人取締役(理事・役員)
個人経営者
労働保険
社 会 保 険
労災保険 雇用保険 厚生年金 健康保険 介護保険
○
×
○(※3) ○(※3)
○
△(※1) ○(※3) ○(※3) ○(※6)
○(※2)
×
×(※4) ×(※5)
※1:役員報酬のみの支給であれば、労働者とは認められないことが多い
役員手当+給与のケースであれば認められる場合もある
※2:雇用者が一人もいなくても加入できる
経営者が特別加入した場合は、雇用者が一人でも、その一人が短時間労働
者でも、数日の短期間労働者でも、一般加入の労災保険に加入しなければ
ならない
※3:農事組合法人の場合で、収入の分配方法が、報酬ではなく従事分量配当の
場合は、厚生年金・健康保険に加入できない
※4:厚生年金には加入出来ないが、国民年金に加入する
※5:健康保険には加入出来ないが、国民健康保険に加入する
※6:40歳以上~65歳未満の人は医療保険とセットで2号被保険者となる
65歳以上の人(一部疾患のある人は40歳以上から)は、2号被保険者とな
り、原則年金から保険料が自動引き去りされる
- 64 -
Q10 忙しい時期(5月と6月)に合わせて40日、1人の雇用労働者に来て貰ってい
ます。雇用者は短期間の雇用なので、労災保険に加入していません。私は妻と
二人で農作業を行っていて、私だけ特定農作業従事者の労災保険に加入してい
ますが、このままでよいのでしょうか?
農業経営者が労災保険に加入している場合、雇用労働者は労災保険に強制加入
(必ず加入)となります。ですから、早急にJAに行って雇用労働者に労災保険
をかけて下さい。
また、奥さんも農作業を行っているのであれば、労災保険に加入することが望ま
しいと思います。特定農作業労災保険への加入を検討して下さい。
詳細はマニュアル参照P50
Q11 農作業でケガをした時のために雇用者に保険を掛けようと思います。傷害保険
と労災保険ではどのような違いがありますか?
傷害保険は、JA共済の障害共済で普通障害共済A型600万円コースで3か月賭けた場合
労災保険は、時給800円で1日8時間、月25日労働、3か月勤務、給付基礎日額:5,334円の場合
1 傷害共済は、日常生活での不慮の事故の場合に共済金が支給されます。
保障内容は、①死亡②後遺障害③重度後遺障害費用④部位・症状別治療です。
①死亡時に600万円
②後遺障害は1~10級の程度に応じて最高600万円まで
③重度後遺障害費用は、程度に応じて60~120万円を
④部位・症状別治療は、入院または5日以上通院時に2.5~60万円を。5日未満
の通院で1万円。
2 労災保険は農作業中と通勤中に起きた災害に対し保険金が給付されます。
①療養(補償)給付 労災保険指定病院での治療費の全額を給付(限度なし)
②休業(補償)給付 労働ができずに、賃金が6割未満しか支払われない(無給含
む)場合。ただし、4日目以降の期間4,266円/日支給(特別
支給金含む)
③傷病(補償)給付 傷病が1年6か月を経過した日、又は同日以降に治っておら
ず、傷病等級1~3級の場合、休業(補償)給付に変わって
支給
年間に給付基礎日額を等級により245、277、313日分を支給
(特別支給金含まず)
④障害(補償)給付
傷病が治って障害が残ったときに障害等級に応じて支給
障害年金: 障害等級1~7級の場合は、年金で給付基礎日額
の131~313日分を支給
障害一時金:
障害等級8~14級の場合は、一時金として給付基
礎日額の56~503日分を支給
⑤介護(補償)給付
傷病・障害(補償)給付を受けている、障害等級1級か2級
の一部の人が、常時又は随時を要する場合に訪問介護を受け
たり家族が介護した場合に支給
⑤遺族(補償)給付
死亡した場合に、生計を維持していた遺族に対し、遺族の数
に応じて年金を支給
受給権者が1人の場合は、給付基礎日額153日分/年を支給
(転給有り).受給権者がいない場合は、遺族に給付基礎日額
の1,000日分を支給
- 65 -
⑥葬祭料
死亡した方の葬祭を行う者に315,000円+給付基礎日額30日
(葬祭給付) 分の475,020円方を支給
⑦二次健康診断給付 一時健康診断で脳血管疾患及び心疾患に関するいずれの項目
にも異常の所見があると診断された場合の二次健康診断費用
(特別加入の人には給付されません)
詳細はマニュアル参照P57
Q12 労災保険特別加入の中小事業主等の加入要件に「継続しない場合であっても年
間に100日以上労働者を使用する」とありますが、100日以上とはどのように計
算するのでしょうか。
1 100日以上となる場合
Aさん
2 100日以上とならない場合
Aさん
50日
Bさん
Bさん
40日
Cさん
Aさん
Bさん
20日
60日
50日
← 90日 →
Aさん
Bさん
Cさん
100日
50日
20日
※:連続していなくても良い。複数人でもよい。
※重複期間は「延べ」扱い
とならない
Q13 法人経営をしていて、健康保険と厚生年金への加入を考えています。ただ、法
人としての掛金負担も大きいため、具体的な保険内容や掛金について特徴を教
えて下さい。
1 健康保険に加入すると、病気で長期にわたり労働できない場合の所得保障「傷病
手当金」があります。
「傷病手当金」は、国民健康保険にはない補償制度で、加入後1年を経過してい
ること、連続する3日間の待機期間が満たされていることを要件とします。
病気で労働できずに休業した場合に、標準報酬日額×2/3の手当金を最大1年
6か月間給付されます。
2 厚生年金に入れば、扶養配偶者がいる場合の年金掛金がゼロ円となります。
国民年金では、扶養者という概念がないため、夫婦2人分の掛金が必要となります。
例:国民年金で夫婦2人の場合:約20万円×2人=40万円
厚生年金で月給20万円の場合:20万円×0.183×12月=44万円
→法人と労働者で折半
- 66 -
Q14 傷病手当金の支給を受ける場合の手続きの方法を教えてください。
1 窓口は年金事務所で、医者の意見書(診断書)「この人、こういう理由で休んでい
ます。」と、出勤簿と賃金台帳が最終的には必要になります。そんなに難しい手
続きではありません。
2 申請請求期限は、時効が2年なので2年以内ならさかのぼって申請できます。
病気になったなどで休んだらすぐに申請せず、毎月申請し支払いを受けると従
業員は助かると思います。最高3か月まとめて申請することはできます。
Q15 会社を作りましたが、54歳の社長を厚生年金に入れています。 しかし、25年
の加入期間(満度)を掛けられないのですが年金は支給されますか?社長は以
前、個別経営の農業者で、20歳から国民年金に加入していて、社長になって厚
生年金に加入しました。
厚生年金加入前に、国民年金に加入していれば、国民年金加入年数と厚生年金加
入年数を通算(足して)して25年以上あれば、老齢基礎年金が支給されます。厚生
年金も加入年数(加入年数が10年なら10年分)に応じて支給されますので、安心し
て下さい。
Q16 季節労働として3月~10月末まで法人経営で働いています。その期間は厚生年
金と健康保険をかけてもらっていますが、11月からは年金も健康保険も切れて
しまいます。その後はどの様にしたら良いでしょうか?
1 年金は、市町村の窓口へ行って「種別変更届け」(第2号被保険者から第1号被
保険者に変更)を出して、第1号被保険者になります。
この時、被扶養配偶者(第3号被保険者)がいる場合も、同様に「種別変更届
け」(第1号被保険者に変更)を出すことを忘れないで下さい。
2 健康保険は、市町村の窓口へ行って「国民健康保険」に加入します。
Q17 社会保険は、大切な制度ですが経営主からは保険料の負担増となることから、
加入を躊躇されている場合も有ると思います。負担を軽減する方法・工夫が有
れば教えて下さい。
1 社会保険料の事業主負担は、確かに重いです。しかし、社会保険の滞納に対す
る取り立ては、一般税より非常に厳しくなっています。滞納に対する厳しさは
覚悟が必要となります。
2 例えば、基準額(給与額)の等級により保険料が決まるので、等級の下限まで賃
金を決めるというのも一つの方法だと思います。
3.職業紹介や人材派遣に関すること
Q18 稲刈りの補助作業員を派遣会社に頼みました。作業中にケガをして働けなく
なったのですが、私はどんな補償をしたらよいでしょうか?また、このような
事態を想定して、備えておくことを教えて下さい。(個人経営)
派遣労働者の場合、雇用関係は派遣会社と労働者にあるため、労働災害の補償
は原則派遣会社が行うので、事業主の補償は必要ありません(お見舞いと補償
は違います)。ただ、作業中の事故が事業主に重大な過失がある場合は、事業
主に責任があります。
- 67 -
事故を防ぐためには
①事前に作業内容や注意すべき点を作業者に十分説明すること。
②農作業機械を使用する場合は点検整備を行い、作業者が不慣れな場合も多いの
で機械作業やその補助作業はなるべくさせないようにする。
③事故が起きた場合の応急処置や連絡先などを整理し、みんなが解るようにして
おく。
詳細はマニュアル参照P61
4.その他
Q19 法人経営をしています。新たに社員を雇用しました。退職金を積み立てようと
思いますが、どのような方法がありますか?
1 中小企業退職共済制度があります。
法人経営において、役員及び従業員の退職金を積み立てる制度です。
掛金は全額事業主の負担となり、掛金を下げる場合は相当の理由が必要となりま
すので、掛け金の設定には、注意しましょう。
詳細はマニュアル参照P49
2 金融機関やJA、保険会社、証券会社等が扱っている「確定拠出年金(個人
型)」に加入する方法もあります。
年金のため、退職金の概念とは異なりますが、年金としても一時金としても受け
取れます。
掛金は、国民年金の付加年金(400円/月)と合わせて68,000円/月が上限となり、
事業主と折半することもできます。(雇用者の掛金が事業主を上回ることはできま
せん)
Q20 一戸一法人で経営をしています。今年若い人を雇ったがとても意欲的なので来
春も雇いたいと思っています。この場合「農の雇用事業」の該当になります
か?また、該当になったら、具体的にどんな支援を受けれるのかを知りたいの
で教えて下さい。
1 「農の雇用事業」の取り扱い窓口は、北海道農業会議です(ホームページに詳し
い内容と申請書も掲載されています)。この事業では、冬季間(農業関係の仕事と
して加工・販売等)も含め、年間雇用が条件です。
2 助成金は、雇用者ではなく、研修を実施した指導者側への謝金です。指導者は、
毎月研修計画をたて、研修責任者として月に助成金として97,000円を最長24か月
受けれます。
助成内訳として「講師を招いての研修」や「雇用保険・労災保険の事業主負担
分」も該当となりますが、領収書が必要となり繁雑なため、現状では領収書のい
らない「研修指導助成」として、もらっているのが実態として多いそうです。こ
れは、1日の労働時間の中で「研修に割いた時間×2,400円」で、月41時間相当
(一日に1時間から3時間指導で消化可能)。この場合は、毎日の指導内容と本
人の感想を日報形式で記入したものを、毎週農業会議に提出することが条件で
3 す。
この事業のH26年度受付は、第1回6月(受付3/7~4/11)、第2回9月(受付6/1
~7/14)、第3回12月(受付9/1~10/14)、第4回2月(受付11/1~12/13)で
す。
- 68 -
平成26年度
農業者向け雇用管理マニュアル
Ver2
空知農業改良普及センター「経営・労働部会」メンバー
本
所:草間 讓(主任普及指導員)、白井 淳(主査)
佐久間 裕美子(専門普及指導員)、西川 美智子(調査員)[責任者]
南東部支所:三宅 俊秀(支所長)[顧問]
南西部支所:本田 陽美子(支所次長)、 木全 裕子(専門普及指導員)
中空知支所:常盤 正由紀(支所長)
北空知支所:土田 千春(係長)、岩谷 伸子(専門普及指導員)
協力機関
岩見沢労働基準監督署
ハローワーク岩見沢
美馬卓示労務経営事務所
美馬卓示氏(社会保険労務士)