第772号 - 山形県医師会

DIC2125
第772号 昭和27年8月21日第3種郵便物認可〔山形県医師会会報〕 平成27年12月10日発行
平成27年12月10日発行 昭和27年8月21日第3種郵便物認可〔山形県医師会会報〕
第772号
製造販売元
コーアイセイ株式会社
山 形 市 若 葉 町 13 番 45 号
表 紙 写 真
「光のパレード」
第29回山形県医家美術展出展
上山市 関 根 美 穂
山形市七日町通りの夜景に、シンデレラ城と東京タワーのイルミネーションの
イメージが重なりました。
生涯教育のお知らせ
開催日時及び場所
主な演題及び講師
1月13日昌
紹介患者の症例検討
18:30~20:00
(腎臓内科 循環器内科 神経内科 小児科)
山形市
山形市立病院済生館
1月17日掌
10:00~16:00
山形市
山形テルサ
【参加費:3,
000円】
「感染症クライシスへの対応
―感染制御スキルアップの重要性とポイント―」
東北大学病院感染管理室長 教授 賀来満夫
「消毒薬―その使い方を再考する―」
山形大学医学部附属病院薬剤部長 教授 白石 正
「医療施設における衛生的な環境維持を考える」
東京保健大学大学院医療保健学研究科 准教授 菅原えりさ
1月21日昭
「He
と除菌―その歴史から最新の知見まで」
l
i
cobact
erPyl
or
i
18:45~
県立河北病院副院長 深瀬和利
寒河江市
グランデール寒河江
単位・CC
日医生涯教育
1.
5単位
13
日医生涯教育
3.
5単位
会の名称及び主催者又は連絡先
第162回済生館内科系症例検討会
山形市立病院済生館 第一診療部内科
察0236255555(野村)
第6回医療関連感染予防研究会
㈱テトラス
8・84
日医生涯教育
1.
5単位
11・51・52
察0236433226(野崎)
寒河江市西村山郡医師会学術講演会
寒河江市西村山郡医師会
察0237864291(加藤)
山形県医師会会報 平成27年12月 第772号
1
目 次
生涯教育のお知らせ
お知らせ
日本医療機能評価機構 医療安全情報…………………………………………………………………………… 2
山形県最低賃金について…………………………………………………………………………………………… 4
YBCラジオ番組「ドクターアドバイスできょうも元気」放送中…………………………………………… 4
山形県医師会会員専用ページのアカウント及びメールによる
周知文書の自動配信・メーリングリストについて……………………………………………………… 5
叙 勲
瑞宝小綬章 髙橋 敬治 先生………………………………………………………………………………… 6
旭日双光章 齋藤 壽一 先生………………………………………………………………………………… 6
シリーズ在宅医療
南陽市東置賜郡医師会の在宅医療への取り組み……………………南陽市東置賜郡医師会 粕川 俊彦… 7
郡市地区医師会コーナー
Mac
と付き合って25年……………………………………………… 寒河江市西村山郡医師会 小松 栄一… 9
寄 稿
新専門医制度と医師会……………………………………………………………………山形市 武田 和夫… 11
104「吉田熊次」
山形県の偉人冊
…………………………………………………………… 山形市 武田 昌孝… 12
“老健”雑感……………………………………………………………………………… 山形市 山口登喜雄… 13
「小
」をめぐってあれこれ-徳川幕府の貨幣制度と物価-…………………… 寒河江市 秋葉 知… 15
「首都圏医療が破綻寸前 私大医学部で経営危機が続々」……………………………上山市 渡辺 好博… 21
資料集『米沢藩医堀内家文書』出版に寄せて…………………………………………鶴岡市 黒羽根洋司… 22
郡市地区医師会会報より
大震災ののち………………………………………………………………………山形市医師会 岡部 健二… 24
筆 硯
糖尿病、治療薬は増えたが…… ……………………………………山形県医師会常任理事 間中 英夫… 27
県医師会だより
第8回常任理事会…………………………………………………………………………………………………… 29
第8回全理事会……………………………………………………………………………………………………… 32
第31回山形県医家美術展…………………………………………………………………………………………… 36
県医日誌……………………………………………………………………………………………………………… 39
会員異動……………………………………………………………………………………………………………… 41
医師国保だより……………………………………………………………………………………………………………… 42
医師会協同組合だより……………………………………………………………………………………………………… 44
編集後記……………………………………………………………………………………………………………………… 45
〔ホームページ〕ht
〔Eメール〕ke
t
p:
/
/
www.
yamagat
a.
med.
or
.
j
p/
ni
s
hi
@yamagat
a.
med.
or
.
j
p
2
山形県医師会会報 平成27年12月 第772号
揮寄寄寄寄寄寄寄寄寄寄寄寄寄寄寄寄寄寄寄寄寄寄寄寄寄寄寄寄寄寄寄寄寄寄寄寄寄寄寄寄寄寄寄机
救
去
日
日本医療機能評価機構 医療安全情
価機
医療
安全
日本
医療
報
機構
療機
全情
本医
療安
構 医
機能
能評価
情報
救
去
揮寄寄寄寄寄寄寄寄寄寄寄寄寄寄寄寄寄寄寄寄寄寄寄寄寄寄寄寄寄寄寄寄寄寄寄寄寄寄寄寄寄寄寄机
日本医療機能評価機構 医療事故情報収集等事業から発信された医療安全情報の中から、日常の診療に
関連すると思われる情報を掲載します。詳細については日本医療機能評価機構のHPを参照ください。
医療事故情報収集等事業 医療安全情報 No.108 2015年11月
公益財団法人 日本医療機能評価機構
医療事故情報収集等事業
医 療 アドレナリンの濃度間違い
安全情報
No.108 2015年11月
手術時、アドレナリン希釈液を皮下注射する際、医師が意図したアドレナリン希釈液
の濃度と、
看護師が準備したアドレナリン希釈液の濃度が違っていた事例が6件報告
されています(集計期間:2012年1月1日∼2015年9月30日)。この情報は、
第33回報告書「個別のテーマの検討状況」
(P135)
で取り上げた内容を基に作成し
ました。
手術時、医師と看護師の確認が不十分なまま、
医師の意図より高濃度のアドレナリン希釈液
を皮下注射した事例が報告されています。
医師の指示
医師の意図
看護師の準備
濃度
[アドレナリン希釈倍数]
[アドレナリン希釈倍数]
間違い
0.05%ボスミン液
ボスミン注1mg+生理食塩水
ボスミン生食 を計500mL
(外用目的の院内製剤)
[2,000倍]
[500,000倍]
250倍
20万倍
ボスミン
キシロカイン注射液1%
ボスミン外用液0.1%の
(エピレナミン含有)の2倍希釈 2倍希釈
[200,000倍]
[2,000倍]
100倍
ボスミン
キシロカイン注射液1%
ボスミン外用液0.1%の
(エピレナミン含有)の2倍希釈 2倍希釈
[200,000倍]
[2,000倍]
100倍
ボスセイ
(ボスミン生食
を意図)
ボスミン注0.3mL+生理食塩水 0.02%塩酸エピレナミン液
約67倍
(外用目的の院内製剤)
計100mL
[5,000倍]
[333,333倍]
不明
ボスミン注の調製液
[200,000倍]
0.02%エピネフリン液
(外用目的の院内製剤)
[5,000倍]
40倍
10万倍
ボスミン
ボスミン注の調製液
[100,000倍]
3,000倍ボスミン
(外用目的の院内製剤)
[3,000倍]
約33倍
山形県医師会会報 平成27年12月 第772号
医療事故情報収集等事業
医療事故情報収集等事業
医療
No.108 2015年11月
安全情報
アドレナリンの濃度間違い
事例1
医師はアドレナリン50万倍希釈液(0.0002%ボスミン)を皮下注射する予定で
あった。手術前、医師は器械出し看護師に「ボスミン生食をください」と指示した。
器械出し看護師は、院内製剤の0.05%ボスミン液(アドレナリン2,000倍希釈)
だと思い、医師に「0.05%ですか」と確認したところ、医師は詳細を確認せず
「うん?うん。」
と返答した。器械出し看護師は0.05%ボスミン液が外用目的の製剤
と知らず、注射器に準備した。医師が手術部位に計60mLを皮下注射したところ、
頻脈・高血圧が出現し、心室細動となった。
事例2
手術中、医師は外回り看護師に
「10万倍ボスミン」
と指示した。外回り看護師は、
「3000倍ボスミンならあります」
と答えた。医師は3000倍ボスミンが外用目的
の院内製剤とは知らず、
準備するよう伝えた。外回り看護師が清潔野のビーカーに
3000倍ボスミンを注ぎ、医師はビーカーから注射器に充填して7mL局所注射
した。その直後、血圧上昇、脈拍数が増加し、心室細動となった。
事例が発生した医療機関の取り組み
・手術中にアドレナリン希釈液を使用する場合、
医師と看護師
の双方で、薬品名だけでなく濃度と用法を確認する。
・外用目的の院内製剤のラベルに「禁注射」
と表示する。
※この医療安全情報は、
医療事故情報収集等事業(厚生労働省補助事業)
において収集された事例をもとに、
当事業の
一環として総合評価部会の専門家の意見に基づき、医療事故の発生予防、再発防止のために作成されたものです。
当事業の趣旨等の詳細については、
当機構ホームページに掲載されている報告書および年報をご覧ください。
http://www.med-safe.jp/
※この情報の作成にあたり、
作成時における正確性については万全を期しておりますが、
その内容を将来にわたり保証
するものではありません。
※この情報は、
医療従事者の裁量を制限したり、
医療従事者に義務や責任を課したりするものではありません。
公益財団法人 日本医療機能評価機構 医療事故防止事業部
〒101-0061 東京都千代田区三崎町1-4-17 東洋ビル
電話:03-5217-0252
(直通)
FAX:03-5217-0253
(直通)
http://www.med-safe.jp/
3
4
山形県医師会会報 平成27年12月 第772号
揮寄寄寄寄寄寄寄寄寄寄寄寄寄寄寄寄寄寄寄寄寄寄寄寄寄寄寄寄寄寄寄寄寄寄寄寄寄寄寄寄寄寄寄机
救
去
山
山形県最低賃金につい
県最
につ
山形
最低
つい
形県
低賃
賃金に
いて
て
救
去
揮寄寄寄寄寄寄寄寄寄寄寄寄寄寄寄寄寄寄寄寄寄寄寄寄寄寄寄寄寄寄寄寄寄寄寄寄寄寄寄寄寄寄寄机
山形県の最低賃金
効力発生日:平成27年10月16日
96円
1時間 6
この最低賃金は、県内で働くすべての労働者に適用されます。
問合せ先 山形労働局労働基準部賃金室又は最寄りの労働基準監督署
揮寄寄寄寄寄寄寄寄寄寄寄寄寄寄寄寄寄寄寄寄寄寄寄寄寄寄寄寄寄寄寄寄寄寄寄寄寄寄寄寄寄寄寄机
救
去
「ドクターアドバイスできょうも元気」の放送につい
YBCラジオ番
B
クタ
バイ
ょう
」の
「ド
アド
でき
元気
つい
て 去
ター
送に
イス
うも
の放
ドク
ドバ
きょ
気」
いて
ーア
につ
スで
も元
放送
ジオ
オ番
BC
番組
組「
Cラジ
救 Y
揮寄寄寄寄寄寄寄寄寄寄寄寄寄寄寄寄寄寄寄寄寄寄寄寄寄寄寄寄寄寄寄寄寄寄寄寄寄寄寄寄寄寄寄机
山形県医師会では、月曜日から金曜日まで下記の時間、県民向けにYBCラジオで健康情報番組「ドクター
アドバイスできょうも元気」を放送中です。
健康に役立つ楽しい番組ですので、患者さんに聴取をお勧めください。
1月の放送予定は下記のとおりです。
【放送時間:月曜日から金曜日 6時30分~6時45分、12時40分~12時55分】
放送日
テーマ
出演者
医療機関名
大通 尚
山形市立病院済生館
1月4日~8日
未定
1月11日~15日
背骨由来の手足のしびれ
田中 靖久
山形県立中央病院
1月18日~22日
未定
榊原 昭
あ さ ひ 町 榊 原
耳 鼻 咽 喉 科 医 院
1月25日~29日
高血圧のお話し
須藤 直行
山形県立中央病院
せ ぼね
山形県医師会会報 平成27年12月 第772号
5
揮寄寄寄寄寄寄寄寄寄寄寄寄寄寄寄寄寄寄寄寄寄寄寄寄寄寄寄寄寄寄寄寄寄寄寄寄寄寄寄寄寄寄寄机
救
去
山
山形県医師会会員専用ページのアカウント及
山形
県医
員専
会会
ペー
ジの
ント
び
カウ
医師
専用
形県
会員
ージ
のア
ト及
ウン
師会
用ペ
アカ
及び
救
去
ル
る
知
動
ー
ス
メ
の
・
グ
つ
て
に
周
文
配
リ
ト
ー
自
メ
リ
い
メールによる周知文書の自動配信・メーリングリストについ
よ
書
信
ン
に
救
去
メールによる周知文書の自動配信・メーリングリストについて
揮寄寄寄寄寄寄寄寄寄寄寄寄寄寄寄寄寄寄寄寄寄寄寄寄寄寄寄寄寄寄寄寄寄寄寄寄寄寄寄寄寄寄寄机
山形県医師会では、会員専用ページを開設して
おります。このページでは会員および医療機関の
情報、県医師会および各地区医師会の行事などを
花笠メーリングリスト
会 員 専 用 の メ ー リ ン グ リ ス ト「花 笠ML」
(hanagas
aml
@yamagat
a.
med.
or
.
j
p)を立ち上げ
公開しております。会員の先生方の専用ページと
ております。
なっており、アクセスするためにはアカウントが
花笠MLは、県医師会会員どうしが情報・意見交
必要となります。
換を行う場を提供します。また、この趣旨を通じ
て地域医療の発展、更には医療全体の向上に寄与
会員専用ページのアカウント
することを願うものです。
◆ユーザ名:
未加入の会員は、これを機会に是非ご参加くだ
y+日医会員番号(日医刊行物送付番号)
さい。
◆パスワード:
生年月日西暦下2桁+月2桁+日2桁
(例)
:1950年1月2日の方:500102
※準会員の方は、本会までお申し込みください。
周知文書の自動配信
申し込み先
周知文書の自動配信、メーリングリスト「花笠
ML」への参加を希望される先生は、本会宛メール
(ke
ni
s
hi
@yamagat
a.
med.
or
.
j
p)にてお申し込み
ください。
周知文書あるいは県医師会からのお知らせを
メールを利用して行っております。希望された会
山形県医師会ホームページ:
員には、県医師会ホームページの会員メニュー「新
ht
t
p:
/
/
www.
yamagat
a.
med.
or
.
j
p/
着文書」をメールにて配信いたします。ご希望の
メールアドレス:
会員は、是非お申し込みください。
ke
ni
s
hi
@yamagat
a.
med.
or
.
j
p
花笠MLアドレス:
hanagas
aml
@yamagat
a.
med.
or
.
j
p
◇花笠メーリングリストでは、現在、下記のようなことについて、意見交換をしております◇
斬「全国女医J
OY!サミットi
n山形県西川町」の御案内
6
山形県医師会会報 平成27年12月 第772号
叙 勲
髙 橋 敬 治 先生
瑞宝小綬章受章さる
髙橋敬治先生(山形市)は、平成27年秋の叙勲
で保健衛生への功労が認められ、瑞宝小綬章を受
章されました。
まことにおめでとうございます。
齋 藤 壽 一 先生
旭日双光章受章さる
齋藤壽一先生(鶴岡市)は、平成27年秋の叙勲
で保健衛生への功労が認められ、旭日双光章を受
章されました。
まことにおめでとうございます。
山形県医師会会報 平成27年12月 第772号
7
南陽市東置賜郡医師会の在宅医療への取り組み
南陽市東置賜郡医師会 粕 川 俊 彦
1.はじめに
畠町で開催されました。今年度再度補助を受け、
11
南陽市東置賜郡医師会は南陽市、高畠町、川西
月29日に南陽市で開催されました。160名の参加
町の1市2町の医師会です。米沢市医師会、長井
者があり、第一部では元三友堂病院地域緩和サ
市西置賜郡医師会と3つの医師会で二次医療圏を
ポートセンターの川村博司先生に「人生の最終段
構成し、川西町にある公立置賜総合病院が二次医
階における医療について考える」と題して御講演
療圏の中核病院になります。当医師会の特徴とし
いただきました。第二部のパネルディスカッショ
ては山形市まで1時間以内の通勤距離であるため、
ンで公立置賜総合病院医療連携室社会福祉士長谷
山形などに自宅を持ち病院、診療所、施設に通勤
部泰氏と㈱訪問看護ステーションきらりサテライ
している医師が多くみられるということです。在
ト南陽所長清野則子氏に発表していただきディス
宅医療の現場では緊急の往診もありますので医療
カッションに移りました。様々な意見や要望があ
連携なしには在宅医療は困難になります。このよ
り、最後に近藤氏が介護の体験談をお話になり、
うな実情のもとで当医師会の在宅医療への取り組
みについて報告させていただきます。
「職を投げうって介護しているのに何も援助がな
い」と話されたのが印象に残りました。個人的に
は、医師会のほうからも行政に対し、介護者の金
2.山形県医師会地域保健研究事業
銭的な負担も軽減してあげられるように働きかけ
平成24年から3年間の事業費補助を受けて在宅
る必要があるのではないかと思いました。
医療推進委員会を立ち上げました。それ以前から
年1回介護支援専門員との交流会は行われていま
4.山形県医療連携ネットワークシステム構築事業
したが、8月に在宅医療研修会として年1回行い
平成26年3月27日在宅医療システム動作検証
参加者は、毎回100人程度です。そのあと、引き続
会、4月9日システム構築事業費補助金報告書提
き交流会が行われ多数の参加者があり、毎回時間
出、4月17日在宅医療システム説明会、4月21日
超過となります。11月には在宅医療・介護・市民
在宅医療連携システム導入に向けた操作説明会、
公開講座を行っております。
4月30日システム構築事業費補助金に係る現地調
査をへてI
CTによる在宅医療連携が始められまし
3.在宅医療・介護市民公開講座
た。NDソフトのシステム開発でi
Padを使用し、医
平成23年に山形県在宅医療研究会が高畠町で開
療機関と訪問看護ステーションとの連携を図りま
催された時に当番幹事だった粕川が市民公開講座
した。このシステムはオキトピアと名付けられ、
をやろうと言って行っておりました。平成24年か
とと
医療機関同士の連携を構築しているOKI
net
らは山形県医師会地域保健研究事業のもとで平成
もに当医師会の医療連携が強化されました。
24年は南陽市、平成25年は川西町、平成26年は高
8
山形県医師会会報 平成27年12月 第772号
5.3師会の交流会(燦燦会)
トピアの画像通信システム、アンドロイド仕様、
5年前から年1回医師会と歯科医師会、薬剤師
との連携などを開発中。さらに、公立置
OKI
net
会との研修会をもちまわりでおこなっております。
賜総合病院と共同で退院時カンファレンス等を
研修会の後は交流会が開かれます。
テレビ会議で行えるようにする。
4)3市町間の地域在宅医療推進の進捗状況に格
6.今後の課題
1)学会などで不在時の看取りをどうするか
差がある
遅れているところをいかにして進めるか。
一部のドクター間で個人的に連携が行われて
いるが副主治医(サポート医)としてシステム
7.最期に
化していくかどうか。
当医師会の在宅医療についての取り組みを報告
2)在宅看取りの同意書
させていただきました。当医師会よりもはるかに
在宅医療推進委員会では作成することになっ
医療連携が進んでいる医師会を参考にさせていた
たがまだ進んでいない。
3)オキトピアのさらなる機能アップ
新たな財政支援制度による事業として、オキ
だき、さらなる在宅医療の推進が進められればと
いう思いで筆をおかさせていただきます。
山形県医師会会報 平成27年12月 第772号
9
Macと付き合って25年
寒河江市西村山郡医師会 医療法人小松医院 小 松 栄 一
私がMac
と出会って何年になるだろう。
描き、ラベルライターで打ち出した文字や数字を
最 初 に パ ソ コ ン に 手 を 出 し た の はNECの
貼り付けて作っていた。最初は写真撮影、現像、
PC8801だった。山形大学の第一内科に入局し、そ
マウントを第一内科の土田技官や検査部の加賀谷
こから臨床検査医学講座に配属された。当時の教
副技師長が手伝ってくれたが、3〜4年ほどして
授は宮澤光瑞先生。厳しい先生で、学会の発表原
それも全部自分でやるようになった。
稿を提出するといつも真っ赤に直され、夜中まで
とにかくこの原図書きが手間のかかる作業だっ
かかって書き直しをしていた。しかし、
当時流行っ
たが、当時のパソコンではいわゆるお絵かきソフ
ていたワープロ専用機は手を出す気になれず黙々
トがある程度で、原図作成に向いたソフトがな
と手書きで原稿直しをしていた。そんな時NECの
かった。そんな時、留学から帰ってきたY先生が
PC8801という“パーソナルコンピューター”が
米国から買って帰ってきたマッキントッシュ
発売され、ワープロソフトが付いているという話
(Mac
)のコンピューターはすごいというのを聞い
を聞き、興味を持った。というのは、医局には上
た。確かに素晴らしいコンピューターらしいが、
位機種のPC9800シリーズが導入されていたが、
値段を調べてびっくりした。日本での価格は当時
8インチフロッピーディスクは高いし、一医局員
で80万以上だったと記憶している。さらに日本語
がワープロソフトを使わせてもらうなど夢のまた
のソフトがほとんどない。とっても手が出ないと
夢であった。98シリーズは高くて買えないが、88
考えていたら、上位機種のSE30が漢字Tal
kという
なら20万円台で買える。ドットインパクトプリン
日本語OSを搭載して発売になる。然も特別記念価
ターを加えれば鬼に金棒と、清水の舞台から飛び
格の60万円台で手にはいるという情報が入った。
降りるつもりで88mr
を購入した。最初は冷やや
I
I
さらに、日本語版のマックワードとドローが東京
かな目で見ていた教授も、
「学会発表に役に立つな
で買えるらしいというのだ。気持ちがぐらついた。
ら」と黙認して下さった。この88は数年間使用し
このドローソフトはスライドの原図を書くのにと
たが、そのうち表計算ソフトが出てくると、それ
ても適したソフトだった。さらには、統計ソフト
を模したプログラムを検査部の大沼さんという技
があり、
それには簡単な描画機能がある。そのデー
師さん(前技師長)が自作してくれた。これが素
タはドローに持っていけるので、統計と原図作成
晴らしいソフトで、表の件数の追加はもちろん項
が一挙にできるというのだ。このMac
i
nt
os
hSEは
目の追加も自由自在。2つの表を縦にも横にもつ
を歌って登場した初めてのパーソナルコン
GUI
なげられるという離れ業を1985年頃には実現し
ピューターで、プログラミング言語を知らなくと
ていた。その当時の表計算ソフトより20年は進ん
もよく、マニュアルが要らない使い勝手の良さも
でいた。ワープロと表計算はこれで十二分の働き
購入意欲をかき立てた。散々迷ったが、思い切っ
をしてくれたが、最後に原図作成が残った。検査
てSE30を購入することにした。
部は、データ入力から解析、原図書きまで全部自
このSE30は素晴らしかった。ワードとドローに
分でやらなければならなかった。当時原図の作成
統計ソフトのSt
atvi
ewを加えて、私達のMacl
i
f
e
は、ロットリングペンで方眼紙に自分でグラフを
はスタートした。表計算ソフトは大沼さんが作っ
10
山形県医師会会報 平成27年12月 第772号
たものが最高だったので、PCで作ったデータを
ないと思っていたら、Mac
にも互換機メーカーが
Macに移植するプログラムを作ってもらいデータ
を移すと、St
atvi
ewで解析。そのままSt
atvi
ewで
出現し値段がこなれてきた。これは、高機能高価
簡単なグラフを描いたら、マックドローに取り込
たが、あまりにもMac
のシェアが落ち込みすぎて
んで手直しをする。最初はそれをプリントアウト
収益が下がったため、シェア拡大を狙って値下げ
して写真撮影をしていたが、教授に頼み込んで画
と互換機容認に方向転換したからである。そんな
像をそのままカメラに収めるように外付けのカメ
こともあってやっとSE30を卒業してQuadr
a800
ラマウント装置をつけていただいた。これで写真
を購入してMac
を使い続けてきた。そうこうする
撮影までは一気にできるようになった。その後購
うちにCPUがモトローラ製からインテルに変わり、
入したワープロソフトのNi
(1バイト文
s
usWr
i
t
er
字と2バイト文字を同時に文書の中に存在させる
PowerMaci
nt
os
hが登場した。当時、モトローラ
製のCPUが限界に達し先が見込めない状況になっ
ことを可能にした最初のワープロ)と統計ソフト
ているのは誰もが知っていたが、さりとてインテ
のSupe
rANOVAを加えて講座のコンピューター
ル連合に組み込まれることは受け入れ難く感じて
はPC98とMac
の二本立てとなったが、ほとんど
いた。
しかし、
PowerMac6100の圧倒的なパフォー
Macしか使わなくなっていた。
あの当時Mac
をここまで使っていたのは臨床検
マンスを目の当たりにして、いわゆるインテル
査医学講座だけであったと思う。仙台であれば、
その後、タワー型Powe
rMac8100を購入した頃
学会発表の朝までにMac
で原図を作成すれば、イ
には漢字Tal
k7からMacOSへと移行が始まった。
ンスタントフィルムで写真を撮って現像し、スラ
しかし、Wi
と違い、MacOSへの転換が進ん
ndows
イドにマウントすれば発表に間に合うところまで
でも漢字Tal
k7で作成したデータとの互換性は保
になっていた。また、Ni
は1バイト文字
s
uswr
i
t
er
たれていたので、Wi
のようにOSが変わるた
ndows
(英語)をそのまま2バイト文字(日本語)の原稿
びにデータ移行に気を使う必要がなかったことも
格路線を推し進めたアップルコンピュータであっ
マックを受け入れることにした。
を
SE30をしばらく使っていたが、他の医局でI
I
ci
買われた時には羨ましかった。I
は、初期Mac
の
I
ci
中では名機中の名機。フォルムも美しく、Mac
ファ
Macを使い続けた理由の一つである。それから
PowerMac、powerBookのG3、G4、G5、iBook、
iMac、MacBookPr
oとMacを使い続け、現在では
27インチi
Mac2台、MacbookPr
o2台、Macbook
1台を使用している。恐らく、20台はMac
を購
ai
r
入しただろう。私がMac
しか使わないので、妻は
もちろんMac
を使い、子供もMac
使いである。最近
では、s
adMacや爆弾マークが出て、データが吹っ
飛んだ時の事を懐かしく思い出しながらi
Cl
oudの
ンには垂涎の的であった。しかし高すぎて手が出
恩恵を享受する毎日である。
に入れられるので、字数を節約でき抄録の提出時
に役に立った。
その頃、PC連合がMSに移行
DOSからWi
ndows
することになり私は完全にMac
に移行した。Mac
を
使い慣れた私にはWi
は煩雑すぎた。しかし、
ndows
い く ら 値 下 げ し た と 言 っ て もMac
は高いので
山形県医師会会報 平成27年12月 第772号
11
新専門医制度と医師会
山形市 武 田 和 夫
現在、各科の学会が独自に作っていた専門医制度
院の収入には直接的貢献はない。足の裏のご飯粒と
が、来年から独立の専門医制度委員会による統一基
評価される博士号と同じかも知れない。専門医なら
準で発足することになる。これは将来、医師会にど
病院は給料を増やしてくれるだろうか。給料に専門
んな影響を与えるだろう。
医加算で差をつけてくれと要求されるなら、専門医
日本の医療保険制度は世界で最も社会主義的とも
は要らないとなるだけである。
いわれる。医師免許取立ての研修医もベテランの指
さらに専門医制度は独立しているので、別法人で
導医でも、保険医の資格があれば保険で診療が出来
ある医師会は無関係である。所属する専門学会の会
て、その診療技術に対する報酬は同じ診察料という
員か否かだけとなる。病院が医師会費を出してくれ
平等な評価である。それどころか経験豊かな医師が
なければ、専門医を目指す若手勤務医が金と時間を
時間をかけて問診をして、患者さんに負担をかけな
求められる医師会に入ってくれるだろうか。
い血圧計や聴診器という、基本診療料に含まれるも
それに多くの病院は各科ごとに夜間当直医を当て
ので診断をつければ低い点数で、経験不足なのであ
ることなど、大学病院でもなければ無理である。せ
れやこれやと検査伝票を書く若い医師のほうが高額
いぜい外科系内科系それに産科を独立した当直体制
の診療報酬となり、病院経営に寄与している。
にする程度である。救急の総てに対応してくれる総
西部劇のドク・ホリデーとはいかなくとも、医師
合医なら歓迎だが、専門性を盾に他の科の救急はご
はある程度は総ての疾患に対応して欲しいと研修医
勘弁という医者はいらないとなるのではないか。
制度が始まった。新米医師とはいえ国家試験に合格
専門医になることが単なる自己満足で収入と無関
したので診療は出来る、しかし皆保険制度では病院
係なら頑張るだろうか。保険医の資格だけで全科を
で患者を診るにも保険医の資格が要る。研修医が申
標榜し、大病院の近くにコンパクトなビル内診療所
請すれば健康保険医の資格も国民健康保険医もすぐ
に身長体重計に自動診断の心電計くらいの設備で、
交付される。
軽い病気と思えば院外処方箋を書き、一寸おかしけ
若い医師は2年の前期研修が済めば後期研修に入
ればすぐに病院に紹介状を書く、このゲートキー
る、レベルアップで専門医取得を目指すかも知れぬ。
パーに徹すれば、専門医も医師会も無用、それで学
しかし医療費抑制を目指す政府が、専門医だからと
校医も無縁となる。医師会は個人診療所の開設に口
専門医診察加算などは考えるわけがない。病院の各
も挟めず、入会を強制も出来ない。医師会の弱体化
種施設基準は人ではなく施設である。基準を満たさ
を厚労省官僚は歓迎だろう。
なければ保険では評価されない。専門医がいても病
12
山形県医師会会報 平成27年12月 第772号
参
考
資
料
・・
山日
形本
県人
人名
物事
典
人 材三
情省
報堂
リ
ス
ト
二
〇
〇
〇
日
外
ア
リ
シ
エ
ツ
発
行
系
統
的
教
育
学
女
子
教
育
教
育
及
び
教
育
学
の
本
質
ほ
か
著
書
多
数
同
時
に
東
大
の
教
育
学
教
室
主
任
教
授
と
し
て
対
策
の
た
め
設
立
さ
れ
た
国
民
精
神
文
化
研
究
所
員
と
な
る
な
ど
多
く
の
教
育
学
者
を
育
成
し
た
天
皇
制
下
の
公
教
育
の
た
め
の
理
論
作
業
を
行
い
と
し
て
の
生
活
規
範
を
国
民
道
徳
と
み
な
し
そ
れ
に
関
す
る
研
究
に
努
め
た
昭
和
七
年
思
想
問
題
ら る
と
長 す
く る
修 社
身 会
教 的
科 教
書 育
編 学
集 を
に 主
関 唱
与
明
治
カ 三
ン 十
ト 四
及 年
び 最
カ 初
ン の
ト 国
以 定
前 修
の 身
道 教
徳 科
教 書
育 の
論 編
集
で に
文 参
博 加
し
国 て
民 か
よ
吉し
東
置 田だ
賜
く
郡 熊ま
元
中 次じ
山
村 一
そ 生 八
の れ 七
個
四
人 東
主 京 一
義 帝 九
的 大 六
性 文 四
格 科
を 大 明
批 学 治
判 哲 ・
し 学 大
科 正
教 卒 ・
育 業 昭
の
和
目 ヘ 期
的 ル の
を バ 教
社 ル 育
会 ト 学
的 教 者
人 育
物 学
の が
育 学
成 界
に を
あ 風
靡
し
た
明
治
後
期
に
灰
韻
仄
起
・
起
句
踏
み
落
し
併 萬 修 風
二
得 篇 身 靡
徳 書 教 一
望 籍 育 時
一
千 貫 踐 封
二
二
里 思 言 学
來 想 魅 説
一
一
万
併あわ
せ
得え
た
り
徳とく
望ぼう
千せん
里り
よ
り
来きた
る
ば
ん
ぺ
ん
篇
の
書し
籍せき
思し
想そう
をつ
貫らぬ
く
し
修う
身しん
教き
育うい
く
践せん
言げん
のさ
魅きが
け
吉
田
熊
次
山
形
県
の
偉
人
104
碓
一いち
時じ
を
風ふう
靡び
す
学がく
説せつ
を
封ふう
じ
山
形
市
武
田
昌
孝
山形県医師会会報 平成27年12月 第772号
13
“老健”雑感
山形市 山 口 登喜雄
病院勤務11年、開業医36年の後、平成26年4月
ンソン病、各種皮ふ病等と続きます。そして多く
から、介護老人保健施設「寒河江やすらぎの里」
の利用者はこれらを複数かかえているため、心身
に勤務して1年8ヶ月が過ぎました。治療を目的
共に不自由な毎日です。
とした47年間の臨床医としての体験と、介護を主
利用者は超高齢(80~90才台が7~8割)なの
体とした現在の仕事との差異や共通点などについ
で、検査は極力控え目にしていますが、入所時に
て感じたままをメモ風に綴ってみました。
1回は採血検査をします。数値の特徴は年令から
敢 中間施設としての役割
も当然なのでしょうが、殆んどの方(食欲が充分
老健施設は元々、病院を退院後すぐには家庭へ
ある場合でも)に、貧血、低アルブミン血症、脂
戻れない患者さんが、体調回復やリハビリ等で自
質の低下、電解質異常(K↓Ca↓が多い)等が
宅での生活が可能になる迄の期間お預りする施設
見られます。恰も、吸収不良症候群や蛋白漏出性
として発足したので「中間施設」とも呼ばれまし
胃腸症の患者の血液データのような感じです。し
た。しかし近年は在宅復帰率が年々低下し、多く
かし、高齢になればむしろこれが普通なのかも知
の方が特別養護老人ホーム(特養)へ移って行き
れません。原因はともあれ、入所後はとにかく充
ます。今や「老健」は「“特養”待ちの中間施設」
分に栄養をとってもらうように気を配ります。
へと様変りしました。
桓 聴診器使用不全症随
この原因は色々考えられますが、在宅介護を困
診察には勿論聴診器を用いますが、これが又、
難にする様々な要因の増加であることは明らかで
うまく使えないことが多いのです。理由は単純で、
す。認知症の増加など高齢化に伴う疾病構造の変
心音や呼吸音をちゃんと聴けるような状態に仲々
化、家族の高齢化や経済問題等々、解決困難な数
できないのです。特に脳卒中の後遺症などがあれ
多くの問題が混在している為と思われます。
ばなおさらです。着衣や姿勢をきちんとさせられ
在宅介護を出来るだけ長く続けられるための支
ない、難聴や認知症等のため深呼吸を促してもダ
援策としては、訪問による医療、看護、介護、リ
メ、体格のせい(やせ過ぎ等)で音が伝わらない、
ハビリや、ヘルパーによる生活援助や行政からの
等々です。止むを得ず諦めて五感を頼りにします。
福祉支援等、多職種間の連携と急変時の受入れ病
(本来,聴診より先に必ずすべきことですが…)表
院の確保が必須と考えます。
情や発語、顔色、息づかい、舌の様子、手足の冷
柑 要介護高齢者の“やまい”
えや温もり、脈拍、皮ふの状態、体臭、むくみ等々、
初めに対象者の呼び方ですが、介護施設では通
江戸時代の医者は皆このようにしていたのかなあ
所者や入所者を「患者」ではなく「利用者」と言
随等と想いながら…。
います。
棺 夜間の看護体制について
先ず、利用者の病の姿を御紹介してみます。多
介護施設に於ける夜間の看護体制の問題ですが、
さの筆頭格は何と言っても各種の認知症です。程
看護師の夜勤のある老健施設は、最近の全国統計
度はごく軽症から重症までで、8割位の方が該当
で一割以下(数%)のようです。当施設でも、夕
します。次いで、各種脳卒中の後遺症、骨折とそ
方7時から翌朝7時迄、看護師不在の12時間が毎
の後遺症、骨粗しょう症、泌尿器科疾患、パーキ
日くり返しますので、それへの対応策として様々
14
山形県医師会会報 平成27年12月 第772号
な配慮をしております。
錠を間違いなく探し出して取出(又は半割)し、
例えば、糖尿病では、夜間に低血糖を絶対おこ
破った所を塞ぐ作業が必要になることです。これ
さないように治療(薬やインスリン量など)を控
はかなり大変な仕事で、毎日の多忙の上にこの作
え目にするので、コントロールが甘くなる。また、
業が重なって大きな負担となっていますが、いい
排尿障害で留置カテーテルを入れなくとも大丈夫
解決策が見付かりません。
そうな場合でも、万一の夜間尿閉の心配のために、
汗 看取りに関すること
つい夕方に留置してしまう、等々。
老健での看取りは極めて少なく、平成24年の全
但し当施設では、夜間にどうしても医療行為を
国統計で場所別全死亡の1.
7%でした。厚労省では
要することが生じた時には、夜中に看護師が施設
病院での死亡をなるべく減らして、自宅や施設で
に出向いて対処しております。
の看取りを多くしたいと以前から考えているよう
款 薬剤多用の問題
です。これは確かに望ましいことですが、積極的
入所時にそれ迄用いていた薬を全部持参しても
に見取りを実施するためには様々な条件整備が必
らい、なるべく同じ処方でそのまま使用するよう
要です。
にしております。ただ、ビックリするほど薬が多
老健施設での看取りについては、本誌6月号(第
い患者(→利用者)が結構多いのです。理由は単
766号)にも、実行を可能にするための課題等につ
純で、内科、精神科、整形外科、泌尿器科、眼科
いて記しました。
等々多くの医療機関に通院していて、夫々から薬
当施設では“老衰”の場合が対象になりますが、
が出ているためです。いづれも各先生が必要で処
入所者側から、当施設での看取りを希望する旨の
方された薬なので、入所後に薬を減量や中止する
申出を受けた場合、本人や家族の意思の確認を終
時には極めて慎重に進めております。
えても、施設として実施できるかどうかを検討し
一例をあげますと、スタチン系の薬を服用中の
なければなりません。先ずは夜間や休日でも看取
方で、入所時の血液検査でコレステロール値が極
りに対応できるかどうかです。しかし、看護師の
めて低い場合、当該薬を取敢えず半量にしてみて、
夜勤体制は簡単に実現できることではありません。
1ヶ月後に血液再検し、それでも未だ低い時は一
従って、現状では対象者の病状の経過によりケー
旦休薬してみます。その後3~6ヶ月後に再検し
スバイケースで対応せざるを得ません。
てもまだ正常範囲なら薬の再投与はしないで様子
漢 百聞は一見に如かず
を見ます。このタイプの症例は結構多くみられま
最後に一つのお願いです。大学医学部6年生の
す。また、血圧は入所後かなり低くなる方が多く、
カリキュラムの中に、介護施設の見学を加えて下
薬の調整を要します。
さるよう希望します。各種施設毎に夫々短時間で
なお、認知症薬、抗精神病薬、抗うつ薬、抗不
も結構ですから、ぜひ導入を御検討いただきたく、
安薬、眠剤等については、精神科医に相談しなが
大学の関係者にお願い申し上げます。
ら調整しております。
心身共に不自由になられた高齢者の姿を目の当
歓 薬の一包化にまつわる事
たりにすることは、医師として、人間として決し
介護施設では食事介助をしながら薬を間違いな
て無駄ではないものと存じます。
く服用させるため、服用時間毎に一包化しておく
ことが是非必要です。しかし、これには別の不便
以上、思いつくままの雑談を書き連ねてしまいま
が伴います。処方内容を変更(中止や減量など)
したが、乱文をお読みいただき、有りがとうござい
する時には、一包化してある袋を破って目的の裸
(27.
ました。 11.
24 記)
山形県医師会会報 平成27年12月 第772号
15
「小 」をめぐってあれこれ
−徳川幕府の貨幣制度と物価−
寒河江市 秋 葉 知
小判は江戸時代に流通した金貨の一種である。
だが、それ以前にも小判は製造されていた。例え
(参考資料Ⅰ)これは原寸大である。
参考資料 Ⅰ
元禄小判金
ば文禄4年に発行された駿河墨書小判(するがす
みがきこばん)であるが、広く流通したのは江戸
に入ってからである。その種類も10種類に及び、
列記すれば次のようになる。慶長小判、元禄小判、
宝永小判、正徳小判、享保小判、元文小判、文政
小判、天保小判、安政小判、万延小判であり、そ
の詳細は省く。
徳川家康は一般流通を想定した通貨を発行する
構想を持っていて、彼が後藤家(金工)に命じて
鋳造させた慶長小判が、江戸時代に広く流通した
小判の始まりである。
額面は金1両。これは本来質量単位としての1
両の目方の砂金という意味であったが、時代の変
遷に伴い大きく変動し、値打ちも下落の一路をた
※「元」字の長短以外にも花押に違いがみられる。
どった。幕府財政が窮乏すると小判の金含有量を
鋳造期間 元禄8年~宝永7年(1695~1710)
減らし、一時しのぎに徹した。潤ったのは幕府と
品位 金564/銀436
鋳造元や両替やで一般庶民はその度窮乏にあえい
量目 17.
81g
だ。幕末には、日本国外での金銀比価が日本国内
特徴 背の元字極印に長元、短元あり
と大きく異なったため、これを是正するために極
鋳造量 13,
936,
220両
端に小型の万延小判が改鋳され、インフレを引き
大きさ約9×4㎝
起こした。小判の種類も多く、製造された時代に
時代により異なる
よって大きさも様々である。
小判に対応して大判も発行されていたが、大判
は一般通貨ではなく、恩賞、贈答用のものであっ
て、金一枚と言う基準で作られ、現代的に解釈す
れば金地金(インゴット)に相当するものといえ
よう。これは金の延べ金を楕円形にしたもので、
16
山形県医師会会報 平成27年12月 第772号
小判が単に「金」とよばれたのに対し、大判は特
参考資料 Ⅱ
慶長笹書大判金
に「黄金」と呼ばれ、
「大判金」とも呼ばれていた。
金貨として規格化されたのは、天正16年、豊臣
秀吉の命で後藤家(京・金工)が製造したのが始
まりとされる。以後時の権力者の命により作られ
ていたが、質の下落は著しいものがあった。その
弊価は「金一枚」あたりは、当時から1両小判10
枚に相当するといわれていたが、時代の変遷とと
もに、骨董としての価値観が加われ、幕末では25
両と定めるとのお触れまで出たという。
余談になるが、慶長大判といえば珍重がられ、
べらぼうな値段で取引されていて、小判に無知な
方々も慶長大判はものすごい値段で売買されてい
ることを知っているようだ。もっともこうした骨
背、極印
董品はまずは真贋、そして保存状態の良否であっ
書体に数種有り
て、汚く傷ついた小判などは、見向きもされず全
鋳造期間 慶長6年~(1601~)
くの対象外である。慶長大判などは丁寧に保存さ
品位 金672/銀294/雑34
れ、作ったばかりと見間違うようなもので、幾重
量目 約165g
にも包まれ、2重箱に温存されている。普通の小
特徴 花押、笹書
判とは異なり、慶長大判の1つである笹書大判は
大きさ約15×9×2㎝
大きく、厚く(2~4㎝)、どっしりと重い大判で、
かなり大きく重い
文字通り貴重品扱いである。
(参考資料Ⅱ)はかな
り縮小されたものであるが厚ぽったい感じを受け
よう。
ついで大判の種類について述べたい。
・天正大判金 これには2種類あり菱形大判金と
長大大判金である
・慶長大判金 世に名高い
・元禄大判金
・享保大判金
・天保大判金 品位は下がる
山形県医師会会報 平成27年12月 第772号
17
江戸時代の貨幣制度について述べる。参考資料
Ⅲをご覧ください。
参考資料 Ⅲ
徳川幕府の貨幣制度
江戸時代の平均貨幣価値の物価基準に基づいた換算
金1両=金・銀4分=金・銀16朱=銀60匁=寛永通貨4千文=天保通貨40枚
明治政府 旧1両=新1円=金1.
5g 慶長大判 金1両の1/
10金含有量
江戸時代のお金の仕組みは三貨制度といわれ、
では銀の使用が主で、銭貨は共通であった。
基本は金、銀、銭であり、金貨の通貨制度は両で
あり、補助単位として1/
4両にあたる分(ぶ)、1/
16
さて、1両小判の値打ちは今でいえばいくら?
両にあたる朱(しゅ)があり、1両は4000文に相
と興味の集まるところであるが、その判定は困難
当した。この4進法の通貨単位は、武田信玄の考
だ。だが、米の値段やその他の要因を含め一応の
えによるものだった。現実には江戸では金、上方
目安は存在する。ここで参考にするのは日銀・貨
18
山形県医師会会報 平成27年12月 第772号
幣博物館の資料によるものだが、時期により変動
がある。
長 屋 の 家 賃 <9尺2間 の1間 >1ヶ 月600文
(9900円)と続く。
江戸時代前期では1両は約10万円、中期では約
物価表には載っていなかったが離縁については
8万円、後期では約5万円に相当するという試算
どうであったのか。旗本とか大きな商店では持参
であるが、これを平均すると金1両=約6.
6万円と
金を返して終わりが多く、貧乏暮らしの長屋住ま
なり、これが大方の賛同を得ているようだ。以下
いではそういう事はなかったようだ。江戸は職人
1両は6.
6万円とした上で、それをめぐる歴史的事
の町といわれ地方から若者が流入し、女性の数は
実、エピソードなどについて書き進めたい。
少なかった。たとえ離婚となっても女性が再婚す
るのは容易であったし、長屋住まいでの離婚はほ
1両は6.
6万円とした上での貨幣価値と物価表
ぼ不可能であったようだ。女房達の力が強く、夫
を見ると、その項目は150種類にもおよび、個々の
婦喧嘩も大方女性優位の環境で、そこには男尊女
例については割愛する。現在での生活に結びつく
卑のかけらも存在しなかった。去り状を書けばす
項目や、今ではありえない様なことについて現在
むと言った環境ではなかったようだ。
との対比を元に紹介したい。
ついで庶民には関係はないが参勤交代費がある。
豆 腐1丁50文(825円)ゆ で 卵1個20文(330
もっともコストバルであったという前田藩120万
円)そば・うどん1杯16文(264円)米1升100文
石の場合金沢~江戸はどの道を選んでも150里く
(1650円)上酒1升250文(4125円)いずれも今と
らい、2,
000人を従え約2週間の行程での費用は
さほどの違いはない。庶民の間で通用していたの
3000両(1億9千8百万円)と膨大だ。天候によっ
は主に文であって、朱とか分はめずらしく、小判
て予定は大幅に遅れ出費も膨らむ。藩の財政を圧
などは接するチャンスはないというのが実情だっ
迫し、反幕府の芽を摘み取るわけで、幕府の狙い
た。食事代50文に1両を出せば、1両は4000文だ
通りであった。
から3950文のつり銭が必要で、店にとっては迷惑
千番でしかなかった。
歴史小説にもよく出てくるあの大奥の台所はど
うであったか。大奥の力は強大で、表の政治力と
人身売買も恒常的に行われていて、娘を吉原に
拮抗し将軍を悩まさせていたが、八代将軍吉宗は
売る時は50両(330万円)、一方妻が吉原に売られ
大奥の改革を目指して、力を注いだが、大奥のね
る場合には80両(528万円)だった。容貌の良し
ちねちとした陰惨な抵抗に抗せず断念したと云う。
悪しで大きく違ったのだろう。当然ながら口減ら
因みに大奥の諸経費は1年間で20万両、132億円
しのための幼い幼女などはただ同然で引き取られ
と膨大なものだった。
ていった。男児はさらに悪い条件だったようだ。
吉原での太夫の揚げ代は、上玉か否かにより大
不倫の示談金1回7両2分(49万5千円)複数
きく違うが、一般的には並みの店のトップクラス
回もあったのだろうか。今ならどうか。弁護士へ
との遊びは3~4両(20万円前後)と、金持ちで
の報酬はいかほどか。大工の手間賃1日銀6匁
ないと遊べなかった。
(6600円)、寺子屋の月謝1ヶ月銀2朱(8250円)
、
山形県医師会会報 平成27年12月 第772号
19
蛇足ながら刀剣の鑑定料金についても触れたい。
は必ずしも悪そのものではなく、彼の政治によっ
江戸時代では本阿弥光悦のごとき著名な鑑定家に
て庶民の生活は潤い、庶民文化の花が開いたのも
よる鑑定料金はほぼ定められていて、一振り50両
事実である。しかし、役人とつるんでの悪のやり
(約330万円)であったが、その対象は国宝級の名
放題。強き悪は栄え、弱き善は滅びる。これが、
刀レベルだったようだ。昭和の時代は鑑定家はほ
この当時の世の現実であった。こうしたことを背景
ぼ二人に限定されていた。いずれも山形県・庄内
に庶民は世直し大明神の出現を夢想した。必殺仕事
出身の故本間薫山と故佐藤寒山である。彼らは刀
人とか、ねずみ小僧次郎吉なる発想が生まれた。創
剣界のドンと目され、その鑑定料は数万円であっ
作者については全く知らないが、作り話とはいえ庶
たが、彼らが鑑定し白鞘に書き込めば、その刀剣
民の憂さ晴らしに大いに役たった事だろう。
は真物とみなされ、刀剣の料金もおのずと決まる
仕組みでもあった。単価はさほど高くはないが、
余談になるが、次郎吉は千両箱を片手に持って、
数量は莫大で、愛刀家は彼らの鞘書きを熱望し殺
屋根から屋根へと飛びまわった様に抽出されてい
到した。目にする刀剣の殆どが彼らの肉筆により、
るが、平均的に1両は約17g1000枚で17kg、更に
真物とみなされ箔がつき売買された。
頑丈な箱3kg、計20kgある。到底あんな行動は不
可能だ。勿論フィクションだろうが、庶民の心情
江戸庶民と1両小判との関連はどうであったか、
が汲み取れる思いだ。
10両盗めば打ち首と云う時代でもあり、また10両
あれば1年間楽に暮らせる時代ではあったが、そ
時代小説を読んでいると、千石取りの旗本は、
れは中流生活者であって、庶民は小判を拝むこと
庶民からすればずっと上の存在であって、さぞか
もなかったのではないか。普段使われるのは文、
し裕福な生活を送っているものと考えていたが、
朱、分であったろうし、庶民が使うお金は大半が
その内証は苦しかった。年収は玄米500石だが実収
文であった。1両は4000文であることを考えれば、
はせいぜい400両くらい。これで千石に課せられた
1両は途方もない大金であった。沢庵大根1本15
軍制に従って(士分、中元小物、女中などへの支
文、団子1本4文・・・。国の経済は商人達に握
払いや馬の飼育料など)
、もろもろの諸雑費を差し
られ、大名たちは例外なく豪商たちからの借金地
引けば、余力などは年20両もあればいいところで
獄に陥り、同時に上から下まで賄賂づけで、高級
あった。勿論これは付け届けや、賄賂など一切な
旗本や豪商たちは日々贅沢な生活を謳歌した。世
かった通常な旗本であるが、自分の自由になる小
に云う通人とか粋人とかは大半が裕福な商人が占
遣いは実にささやかな金額であった。裕福な商人
めていて、茶の湯、俳句、和歌、骨董、謡、三味
たちとは雲泥の差があった。
線などなどに興じていた。だが、庶民には縁のな
いことであり、一方裕福層たちの生活ぶりは世間
庶民の小判への憧憬は強い。とは云うものの、
に良く知られていて、羨望とともに不平不満を抱
常に窮乏生活にあえいでいたわけではない。何時
えての日々であった。
の時代も生活の知恵が働き、その生活も潤いのあ
る便利な生活でもあった。
賄賂政治といえば田沼意次を連想するが、5代
将軍綱吉の側近として権勢を振るった柳沢吉保を
江戸には「十九文屋」と云うのがあり、店に並
凌ぐお側用人として幕政の全権を把握したが、彼
ばれている品々はすべて19文で買える仕組みで、
20
山形県医師会会報 平成27年12月 第772号
いまの100円ショップと考えればいい。ただ厳密に
は想像もつかぬように変遷し、例えば苗字帶刀な
言えば19文は100円ではないが、また、棒手振り
どその1例でしかなく、彼らへの待遇は家老並み
(ぼてふり)と云う商人がいて、お客の欲しい品を
となり、士農工商の規範は崩れ、武士たちは鬱憤
天秤棒に担いで、何でも届けるのを商売としてい
が積もるようになり、剣術よりも算術の傾向が世
た。今風で云えば移動式スーパーやコンビニと思
を支配した。このように幕府の偏屈な経済政治に
えばいい。かくして庶民は貧乏ながら、ほぼ満足
よる格差社会は徐々に民衆の怒り、憎しみを生み、
できる生活を営んでいたことが推察できる。
増幅し、それは旗本や大名にまで浸透し、やがて
幕府崩壊、明治維新へと流れた遠因となったのか
やがて権勢を振るった田沼意次も失脚し、その
も知れない。幕末期における各藩の膨大な借入金
後に8代将軍吉宗の孫であった松平定信の登場で
はどうなったのか、不明としか云いようがない。
寛政の改革も実施され、絹の着物も、芝居も、遊
里も認めずということであって奢多禁止令である。
明治政府が発行した1円銀貨は1両に相当する
庶民にはむしろささやかな楽しみまで取り上げら
とされたが、この過渡期は武士たちの苦難な状況
れ悪評判で、さらに、凶作が相次ぎ、立ち枯れと
の連続であった。西南の役など起こるべくして起
なった。このあたりの庶民の感情をうまく言い表
こった事変ともいえるが、面子を失い、経済的に
した「狂歌」がある。<白川の清き流れに魚すま
も窮乏に瀕した士族たちの鬱積が暴発したものと
ず にごる田沼の水ぞ恋しき>。ここで云う白川
も云えよう。かくして、1円銀貨の出現により、
と云うのは松平が城主として住んでいた奥州白河
1両小判の輝きは消滅した。参考資料Ⅳは1円銀
をさしている。
貨のやや大きめのを載せた。
商人が国の経済を握ってしまうと、法令も曲げ
参考資料 Ⅳ
られ、商人に都合のいいように改竄され、各大名
明治政府発効 1円銀貨(大きめ) は膨大な借入金の返済、さらに、借入を重ねる羽
目に陥り、商人の機嫌取りが第一優先事項となり、
豪商たちへの過度な優遇処置が、藩の規律を乱す
ようになった。
大名の石高にもよるが、彼らの借入額は数万両
から数十万両といわれ、大名たちの業務はいかに
して返済をし、さらに、再借金をするかがにかかっ
ていた。債権者である豪商への待遇も江戸前期で
原寸 山形県医師会会報 平成27年12月 第772号
21
首都圏医療が破綻寸前 私大医学部で経営危機が続々
上山市 渡 辺 好 博
もともと首都圏では、人件費が地方よりも高い構
トタウン化して大赤字を出し、財務が銀行管理下に
造的な問題に加え、昨年4月に5%から8%にひき上
なった医料大学が紹介されているが、事務系の不見
げられた消費税が火に油を注いだという。薬や医療
識もある。医療側もこれを監視していく必要がある。
機器を購入する際に消費税を負担する一方、診療報
酬は非課税で患者や保険組合に請求できない。それ
問題2)人件費の高額
ゆえ、消費税分は持ち出しとなってしまうのだとい
医師など医療職の給与が取上げられている。一例
う。ところが厚生労働省や日本医師会は問題を把握
だけ取上げると、看護師の確保が困難になってきて
しながらも、見て見ぬふり、この現状を放置したま
いるという問題である。それが医療側の給与に跳ね
までは、首都圏の医療体制そのものが崩壊しかねな
返ってくるというのである。研究・教育の分野まで
いというのである。
担当しなければならない大学ではそのスタッフも必
取上げられている主な問題点をしぼると、
要となる。
問題1)保険点数
かなり前から指摘されている問題点の根源は保険
問題3)医師を含め医療側の問題
医療の問題がある。そもそもこの制度が導入された
給料が低いとアルバイトをする医師が多くなり、
昭和30年当初から、医療だけが自由経済の原則から
本業がおろそかになり、医療事故も増える可能性が
外され、特殊な経済として発足したことがそもそも
生ずる。病院側もこういう事実があることをシッカ
問題であった。そのひずみが今になって問題点の根
リ認識して解決策を探り出さないと、日本の医療の
源にあるのではないかと思われる。今になって、そ
破綻が首都圏だけでなく地方に波及し日本全体に問
の問題を掘り下げても仕方がないことだが、例えば
題が噴出して、日本の医療全体が、崩壊していく危
同じ手術を何処で受けようが同じ点数である。誰が
険がある。
見てもこれはおかしいが、今の保険医療制度からは
仕方がないと言わざるを得ない。入院料だけは個室
結局、わが国の医療行政がちゃんとしていないか
料などの名目で別に請求できるが、医療そのものは
らだと思われる。トップに立つ厚生官僚がシッカリ
公定価格で決められている。東京という特殊地方な
しないからこうなると思われる。医師会側も安閑と
ど問題外である。
してはおれないのである。
特殊な例として、東京のある医料大学で、バブル
参考文献:破綻寸前の「首都圏医療」 選択9月号 末期に東京近郊に土地を高値で求め、其処がゴース
2015 選択出版
22
山形県医師会会報 平成27年12月 第772号
資料集『米沢藩医堀内家文書』出版に寄せて
鶴岡市 黒羽根 洋 司
ほりのうち そ どう
堀内素堂、私がその名を初めて知ったのは吉村昭
ちいった。母は、素堂と三人の女児をかかえて裁縫
の傑作『長英逃亡』を読んだときである。江戸末期、
の内職で家計をささえ、ひたすら素堂が家を再興す
蛮社の獄に連座して捕らわれた医者にして蘭学者の
ることを夢みて、教育の機会をあたえることにつと
高野長英が破獄し、再捕縛され自害するまでを克明
めた。素堂は、藩校興譲館の神保綱忠について漢学
に追った大作である。長英の逃避行が緊張感のある
を学び、16歳になって間もなく米沢の医師高橋桂山
文章で描かれ、頁をめくりながら主人公になったよ
のもとに門弟として住みこみ、医術を身につけた。
うな気分にさせられたことを記憶している。
素堂は江戸遊学の志をいだいていたが、母には到
ところで、長英の6年4か月の逃亡を可能にした
底それをかなえる資力などなく、彼も断念せざるを
のには、修学をともにした仲間の存在が大きい。時
得なかった。しかし、彼の才能を高く買っていた師
代の逆風にもめげずに蘭学(洋学)をともに学んだ
の桂山が藩の有力者に働きかけ、藩主の命で江戸の
人々や、志を同じくする知人の助けなくしては、幕
桜田藩邸詰めになることができた。素堂、20歳の年
府の厳しい探索の目を逃れることなど叶わなかった
であった。
はずである。私は彼らの同志的結合の強さと、指名
江戸に出た素堂は、杉田玄白の嗣子である立卿の
手配人をかくまうだけの胆力、覚悟を持った人々の
門に入り、洋学を青地林宗に儒学を古賀穀堂に学ん
姿に感動させられた。そして、その中に堀内素堂が
だ。2年後、藩主の命により米沢に帰ったが、思わ
いたのである。
ぬ沙汰が待っていた。藩主上杉斉定の側医に抜擢さ
だが、なぜ堀内素堂なのか、しかも蘭学よりも伝
れたのである。22歳の若さでは異例のことであった。
統的な儒学が似合いそうな米沢藩にそのような人物
病床にあった9代藩主の上杉治憲(鷹山)はとく
が存在したのはなぜかという疑問が読了後もしばら
に素堂を枕もとに招き、その栄進を喜ぶとともに若
く残っていた。これらの問いを解決する大書が私の
くして御側医に任ぜられたことに決して慢心してな
もとに届いた。一般社団法人米沢医師会と米沢市上
らぬ、と諭した。鷹山は翌年、72歳で死去したが、
杉博物館の共同編集によって出版に至った資料集
素堂は前主の言葉を後の生涯を貫くかけがえのない
じん ぼ つなただ
けいざん
し
し
りつけい
こくどう
なりさだ
はるのり
遺訓とした。
『米沢藩医堀内家文書』である。
2か月後、素堂は藩主にしたがって江戸に行き、
そもそも堀内家は武田氏の家臣に先祖をもち、同
さらに蘭学の研究につとめ、米沢に帰ってから多く
氏の滅亡後に上杉氏家臣となり、後に医師となった
の門弟をかかえ、蘭方医としの名声は遠く江戸にま
ちゅうめい
米沢藩屈指の名家である。八代(医家四代)の忠明
でおよんだ。やがて素堂は外様法体として藩医の中
ようざん
は杉田玄白、大槻玄沢に師事し、藩主鷹山の側医と
の最高の位置まで昇進し、彼の学識をしたって入門
ちゅうりょう
なる。だが、その子 忠 亮 (素堂、以下こう呼ぶ)が
してくる学徒は引きも切らなかった。
11歳の折に父を病で喪ったため、堀内家は貧困にお
ここまでの来歴を辿れば、素堂こそ貧乏を恥とせ
山形県医師会会報 平成27年12月 第772号
23
ず、困苦に臨んでも「なせばなる」と立ち向かう上
進取の気概に富む地域であったからである。
杉藩の精神を具現している。性格が篤実で、物事に
医学史と地域史について考えさせられることの多
さい り
対して犀利であり、義のためには己を奉ずるという
い本書だが、残念ながら500部の限定刷で、原則非売
素堂の姿がすけて見える。だからこそ、高野長英と
品である。山形県下を中心に、東北各県の医師会・
いう火中の栗を拾うことを決断させ、罪状が明白と
主要図書館・大学や医学・蘭学関係の史料を所蔵す
なっても「遠慮」という軽い刑になったのであろう。
る一部博物館に寄贈されていると聞く。興味をお持
ちの方はそうした機関にお問い合わせの上、味読の
このたび上梓された「米沢藩医 堀内文書」は堀
機会を得ていただきたいと考える。
内家と江戸、長崎などの蘭方医との書状からなるも
のだが、彼らとの厚誼を可能にした忠明、素堂の学
最後になったが、米沢の藩風を継承して、このた
才の深さ、人格の高潔さ、信義の厚さなどを思わず
びの大書刊行に尽力された、米沢市医師会と畏友、
しんどう
にいられない。杉田玄白、大槻玄沢、坪井信道、杉
しゅん さい
どう かい
田立卿、大槻 俊 斎、林 洞 海、小 関 三 英、鈴木春山、
み さくげん ぽ
北村正敏君(現米沢市立病院副院長)および解説、
こ せき さん えい
げんぼく
湊長安、箕作阮甫、伊東玄朴、手塚良斉などの超一
流の学者との書簡は堀内家の人脈の広さを示し、本
書以外に緒方洪庵、高野長英などと交流もあったこ
とを思えば、堀内家が米沢の地に残したものは計り
知れない。外国と日本などという認識が薄かった時
代、堀内家の人びとこそ、地域を考えながら、外に
向けて活動するグローバルな視点を持っていたので
ある。
そして、それを可能にしたのが、実学を重んずる
米沢藩のもう一つの側面である先進的な学問を奨励
する伝統にある。「東北の長崎」と呼ばれたほどに、
執筆された片桐一男先生に深い敬意を表する。
24
山形県医師会会報 平成27年12月 第772号
山形市医師会だより(平成26年9月20日 第544号)から
大震災ののち
経理部担当理事 岡 部 健 二
昨年度から災害関連の会議に出席する機会が
というイメージで、当初は山形市災害対策本部の
あったので、現況報告を兼ねて私見をまじえた拙
下部組織と位置付けて「医療救護部会」と呼んで
文をつづらせていただく。災害対策基本法により
いたが、活動の専門性ゆえに迅速に動けることが
山形市は地域防災計画を定めているが、東日本大
必要であるとの配慮から、名称も「本部」と変え
震災ののちその見直しを進めている。同法に基づ
てひとつの部門になった。運用マニュアルも整備
き8月8日の山形市防災会議では、医療救護活動
されていてポイントは、1)マニュアルが分厚く
の改訂案が広域避難計画案等とともに了承された。
ない、2)医療救護本部は多職種チームである、
今回は防災会議の作業部会として立ち上がった医
3)災害時派遣医療チーム(DMAT)との関連が
療福祉部会に、大内(前)副会長の取り計らいによ
明記されている、4) 発災後の時期により行動指
り山形市医師会、医療機関、歯科医師会、薬剤師
針が整理されている、などと考えられる。また、
会、日本赤十字社が参加をして、約1年にわたり山
医療救護本部に日本赤十字社の協力を取りつけた
形市防災計画3章医療救護活動の改訂作業に協力
のは心強いことである。
をしてきた。山形市医師会は防災会議には参加し
災害時の行動指針は災害の種類、大きさ、発災
ておらず、防災計画も本来は医師会とは直接の関
後の時期によって変わってくる。比較的大きい自
連はない。しかし、災害関連法では防災のプライ
然災害の場合には、発災直後の超急性期、急性期、
マリー責任は市町村にあるので、連携して作業を
亜急性期、慢性期にわけて行動計画を考える必要
したこと自体に大きな意味がある。
がある。災害の種類と大きさにより若干異なるの
山形市防災計画はあくまでもフレームワーク、
だが、概ね発災後48時間位までが超急性期で、そ
すなわち行政は災害時にその権限をどこまでの範
の後の1週間位までを急性期と呼ぶことが多い。
囲とし、必要となる外部機関への権限委譲のルー
超急性期の医療救護活動ではDMATが重要になる。
ルを整理して、共通の理解を得るための枠組みで
これは阪神淡路大震災で超急性期に医療救護活動
ある。 災害スタッフ研修の時に学んだことで、災
が混乱したのを反省して作られた災害救助システ
害医療ACT研究所の受け売りになるが、災害時に
ムで、その後の震災での活躍には特筆すべき点が
おける救護活動の基本は「チームで動くこと(組
ある。大災害が起こると都道府県、厚労省の要請
織)」、「繋がること(連携)」、「情報が大切」の3
によりDMATが出動する。そして、山形県には
つ。防災計画ではこの基本がポイントになる。さ
DMAT調整機関が立ち上がり、災害拠点病院には
らに、市医師会に関連する今回の改訂の要点は、
活動拠点ができ、医療救護本部などと情報をもと
発災時に山形市医療救護本部を設置してそれを医
に調整が行われる。これは国の力の入ったプロ
療救護活動の中枢(Command)としたことである。
ジェクトであり、特別な訓練を要する超急性期の
この本部は多職種が集まったコーデネートチーム
活動には医師会は手を出し難いが、目的は伍する
山形県医師会会報 平成27年12月 第772号
25
ことではなく、あくまでも非常事態下での職務の
国の防災基本計画には防災の男女共同参画とい
分掌と連携である。ただし、DMATは超急性期か
う文言が加えられた。今まで女性が災害対策に参
ら急性期にかけて活動して短期間で撤収するので、
加していなかったという訳ではなく、小児・妊婦・
その後は地元医療チームに引き継がれる。ちなみ
外国人など災害時に配慮すべき人たちへの対応、
に、交通事故などの局所集団災害では消防隊の要
避難所の運営上の微妙な問題などで女性の目線が
請により直接DMATは出動することになっていて、
欠かせないと再認識されたためである。これは、
山形県庄内地方で起きた羽越線脱線事故での
結果として女性が多くを占める職種の参画という
DMATの活躍は記憶に新しいところである。
ことなるが、単なる多職種協働とは意味合いが違
山形市防災課でまとめた発災後の行動計画(超
うと考えるべきである。山形市男女共同参画情報
急性期という設定はない)を表に示す。これは防
誌「ぷらーな」2011年9月号(Vol
;39)には東日
災計画に書かれた行動指針を発災後の時期別に分
本大震災当時、山形市総合スポーツセンターに開
りやすく整理したもので、災害時のDMATの活動、
設された避難所のスタッフ目線での感想が掲載さ
表にある各々の指針をみて何が期待されているか
れており、資料としても価値があり今後の参考に
を読み取る必要がある。自分の診療所で診療を続
する必要がある。また、災害時の要配慮者、これ
けて地域を守ること、急性期以降では救護所の診
は小児・妊婦等と要支援者(旧法の要援護者)を
療、避難所等の巡回診療、その他にもやれること
指し、これからはその具体的な対応策が求められ、
はすべて医師会の役割になる。なお、災害時の市
地域住民の力もより大切になってくる。
医師会と山形市の医療救護活動に関する協定書も
話は変わるが、例えば救急救命士の日常の業務
今回改訂され、再度締結されることになっている。
はont
hej
obt
r
ai
ni
ngになるので、日々進歩するこ
⾲䠅 ᒣᙧᕷ་⒪ᩆㆤᮏ㒊䛾タ⨨䠄ᒣᙧᕷ㜵⅏఍㆟㈨ᩱ䜘䜚䠅
ᙺ๭䠄㔜Ⅼྲྀ⤌䠅
᝟ሗ཰㞟
ᛴᛶᮇ䠄Ⓨ⅏䡚1㐌㛫䠅
䐟യ⑓⪅➼䛾ᢕᥱ
ளᛴᛶᮇ䠄䡚䠍䡲᭶䠅
䐟䡚䐣 ྠᕥ
ளᛴᛶᮇ⛣⾜䠄䠍䡲᭶௨㝆䠅
䐟䡚䐣 ྠᕥ
䐠せᨭ᥼⪅䛾Ᏻྰᢕᥱ
䐡⑓㝔䛾⿕ᐖᢕᥱ
䐢DMAT䞉⮬⾨㝲䛾άືᢕᥱ
䐣䝷䜲䝣䝷䜲䞁䛾⿕ᐖ᚟ᪧᢕᥱ
ᩆᛴ་⒪
䐟 DMAT䞉⮬⾨㝲➼䜈䛾ฟືせㄳ 䐟䡚䐣 ྠᕥ
䐠ᕷෆእ䛾་ᖌ䞉┳ㆤ፬➼䜈་⒪
ᩆㆤ⌜䛾άືせㄳ
㑊㞴ᡤ䞉
ᅾᏯᑐᛂ
せ㓄៖⪅ᑐᛂ
䐟ಖ೺ᖌ䠄௚⮬἞యᛂ᥼䜢ྵ䜐䠅
άື䛾ㄪᩚ
䐠ᕷෆእ䛾་ᖌ䞉┳ㆤ፬➼䜈་⒪
ᩆㆤ⌜䛾άືせㄳ
ᖹᖖ᫬་⒪
䐟 ྠᕥ
䐟 ᕷෆ㛤ᴗ་䛾デ⒪෌㛤ᨭ᥼
䐠 ᕷෆ䛾་ᖌ䞉┳ㆤᖌ➼䜈ᕠᅇ
デ⒪せㄳ
䐟 ྠᕥ
㟂⤥ᑐᛂ
⏕άᏳᐃᨭ᥼
䐟 ௬ㄝఫᏯධᒃ⪅䛾ᨭ᥼䠄೺ᗣᣦᑟ䞉
Ꮩ❧㜵Ṇ➼䠅
䐠 ་⒪ᶵ㛵䜈䛾ᕷẸ䛾⛣ືᡭẁ☜ಖ
䐡 ᚰ䛾䜿䜰
䐢 ᕷẸ䛛䜙䛾┦ㄯ❆ཱྀ䛾㛤タ䛸㐠Ⴀ
26
山形県医師会会報 平成27年12月 第772号
とができる。しかし、多くの者にとって災害を経
採用されるに至った。その解説書である日本医師
験することは稀であり、対応力の向上は簡単には
会発行「I
CS基本ガイドブック」には、難解ではあ
望めない。想定される事態を事前には明かさない
るが眼から鱗が落ちる。防災用語は日本語よりも
bl
i
ndt
r
ai
ni
ngにはリアリテイと緊張感があり、災
むしろ英語の方が理解しやすいことにも気がつく。
害スタッフ養成には打って付けの研修なのだが、
いわゆる「一元的指揮系統」という言葉は全体主
一方で指導に当たる人材や予算の面での制約とい
義的な印象をうけ個人的心情にはあわないが、災
う現実的な問題がある。その他の情報として、
害対策の理解や目的を共有して、さらにコニュニ
総 務 省 消 防 庁 に はFDMA(Fi
r
eandDi
s
as
t
er
ケーションの乱立を避けることで初めて実現する
ManagementAgency)という洒落た別名があり、
HPには一般向け教育システムとしてeカレッジ
ものであり、なかなか他の要言を見つけられない。
が開設されている。優れた参考資料もある。講談
急事態を皆で乗りきるための調整システム」とで
社Bl
(石井正著)は
ueBook「
s石巻大震災の全記録」
も長たらしく呼び変えるとより身近になるばかり
臨場感もあり、経験に基づいて思いやりと勇気の
か、調整システムを作り上げるには、理解を共有
尊さを教えてくれる災害時のよき指南書である。
するための教育・研修システムが必要であること
また、米国の緊急時総合調整システムであるI
CS
も分かってくる。資料は他にもいろいろあると思
(I
nci
dentCommandSys
t
em)は、30年間の決し
て平坦ではない積み重ねがあって国家標準として
ガイドブックを読んでいくと、これを「災害等緊
うが、それらに中には読み物としても面白いもの
もあり是非一読をお薦めする。
山形県医師会会報 平成27年12月 第772号
27
糖尿病、治療薬は増えたが……
山形県医師会常任理事 間 中 英 夫
1型糖尿病男児にインスリン注射をさせなかったので糖尿病ケトアシドーシスになり不幸にも患者
は亡くなってしまい、インスリン注射を中止させた祈祷師が逮捕されたというニュースが報じられてい
た。これが2型糖尿病だったら治療中断は少なくない。医者の薬よりも民間療法、サプリや健康食品に
期待と信頼をいだいてしまう人々がいるので。
数年前の日本糖尿病学会評議員会でのことですが、元理事長がひな壇に並んでいる現役の理事に向
かって質問とも感想とも取れる発言をしていました。
「昔に比べこんなにたくさんの薬を持ち適切な使
い方していながら、合併症や心血管病の発症は減ってはいないのはなぜなのでしょうか?」この発言を
聞いて理事の幾人かは思わず下を向いてしまったように見えた。薬は増えたが合併症も増えているのが
糖尿病の現実。
平成24年度国民栄養調査によれば糖尿病患者は950万人と推定され、まだまだ増え続けると予想され
ている。1型糖尿病は少ないので、増えているのは2型糖尿病。2型糖尿病の発症要因は遺伝因子と環
境因子だが、それぞれの関与度合いは各人ごとに異なるとされている。現代人のルーツは東アフリカに
あり全世界に広がったが、環境に適した遺伝子を持った種族が各大陸で独自の発展を遂げたと考えられ
ている。糖尿病発症の遺伝因子で有名なものは節約遺伝子と言われており、日本人のような黄色人種は
農耕民族であり備蓄した食料を毎食とも少ない食事量(エネルギー)を摂取しながら子孫を残してきた
ので肥満は少なく、インスリンは一度に大量に分泌する必要がなかった。一方、白人は狩猟民族の食事
であり、獲物を捕らえた時に大量に食物摂取するので、体内にエネルギーを蓄えておくためにインスリ
ンを多量に分泌する必要があった。したがって黄色人種のインスリン分泌能は基礎分泌・食後の追加分
泌とも少ないが、白人は黄色人種に比べ基礎分泌・食後の追加分泌も多くできる体質なのだそうである。
環境因子は生活習慣が主であり、食事や間食でのエネルギー過剰摂取や動物性脂肪の摂取増加、自動車
の普及による歩行の減少などの運動不足、高齢者はインスリン分泌能が低下するが寿命の延長による高
齢者の増加などが糖尿病増加の原因となっている環境因子と言われている。数十年では遺伝因子は変わ
らず、日本人の糖尿病増加は昭和40年代の高度成長時代あたりから始まったので環境因子が変わったこ
とが大きい。動物性脂肪摂取ならびに過剰なエネルギー摂取に加え運動不足から肥満の増加がみられ、
子供の肥満も昭和40年代末頃から明らかに増えだした。日本人のインスリン分泌能はこの肥満に耐えら
れず、糖尿病になりやすい。日本では肥満体に寛容と思われ、恰幅がいいとは肥満と容易に想像でき、
昔の健康優良児はみな体重が多い子供であったし、デブを売りにしたタレントもいるくらいである。砂
糖やバターを大量に使用した洋菓子、コンビニ弁当・配達弁当には揚物が定番であり、過剰なエネルギー
摂取している。清涼飲料では酸味にまどわされ、自覚のないままの砂糖摂取もある。食塩摂取はまだ多
28
山形県医師会会報 平成27年12月 第772号
いと言われているが、減塩運動により10g/日程度(山形県は約12g)まで減少しているのに比べ、砂
糖や動物性脂肪の摂取量は減りそうにない。
以上のような様々な理由で糖尿病は減りそうもないが、糖尿病治療薬は増えている。私が大学を卒業
した頃にはビグアナイドは使用してはいけない薬だったので、インスリンとSU薬しかなく、薬の名前
を覚えるのはとても楽だったが、卒業したての医局員にインスリンの投与量の決定権はなく、また入院
期間が1ヶ月以上になるのは珍しくなかった。インスリンに関しては、1980年代後半にインスリンはブ
から100単位/ml
の製剤に切り替わり、注射
タインスリンからヒトインスリンに切り替わり、40単位/ml
器での自己注射からペン型のデバイスに移行してきた。超速効型や長時間作用型のインスリン使用が主
に使用されている。経口薬では1990年代になると、1993年α−グルコシダーゼ阻害薬、1997年サイゾ
リジン、1999年グリニド、ビグアナイドの見直し、2009年DPP4阻害薬、2010年GLP1受容体作動薬
(注射薬)
、2014年SGLT2阻害薬と登場してきている。現在治験中の薬もあり、治療薬がさらに増える
ことが予想されている。
初めに1型糖尿病患者のインスリン中断による不幸な事件についてふれたが、インスリンが注射でな
く経口投与であればインスリンの中断はなかったと思われる。インスリンの注射以外の投与法としては
これまで座薬、吸入、点鼻などが考えられたが、どれ一つとして実用化されていなかった。しかし、イ
ンスリンを経口投与し、何らかの方法で消化管内で分解されないようにして腸から吸収させて血糖調節
を行うという夢物語を考えている研究者もいるようなので、経口インスリンが実現した暁にはぜひ使わ
せてもらいたいと考えている。
山形県医師会会報 平成27年12月 第772号
29
県医師会だより
第
8 回 常 任 理 事 会
日 時、平成27年11月11日㈬ 午後3時30分~
会 場、県医師会館役員室 出席者
副 会 長 中目 千之、清治 邦夫、中條 明夫
常任理事 齋藤 忠明、島貫 隆夫、吉岡 信弥
間中 英夫
事 務 局 松本事務局長他事務局員
5.循環器検診研修会
11月10日昇 ホテルメトロポリタン山形
清治副会長出席
清治副会長より、参加者は医師24名と少人数で
はあったが、多くの意見が出され活発に行われた
旨報告。
〔Ⅰ〕報告事項
6.会議・行事等
1.医療事故調査制度説明会
10月28日昌 酒田市民健康センター
島貫常任理事
10月31日松 山形県看護協会会館
齋藤聰理事
11月5日昭 米沢市医師会館
中條副会長
担当役員より、それぞれ説明を行った旨報告。
2.第31回山形県医家美術展
10月28日昌~11月2日捷 大沼本店
吉岡常任理事より、絵画10点、写真15点、工芸
6点の作品が出展され、100名以上の来場者があっ
たこと、また今回から出展者へ記念の品をお贈り
した旨報告。
3.東北医師会連合会事務局長会議
10月30日晶 県医師会館
德永会長出席
松本事務局長より、最初に德永会長先生のご挨
拶をいただき、医療事故調査制度、マイナンバー
制度について協議した旨報告。
4.産業医研修会
11月2日捷 鶴岡地区医師会館
中目副会長、神村理事出席
中目副会長より、医師38名、医療関係者7名の
参加者があった旨報告。
敢 すこやか企業年金基金第1回理事会、第1
回代議員会
10月29日昭 ホテルメトロポリタン山形
松本事務局長出席報告。
柑 山形県医療審議会医療法人・医師定員特例
部会
11月6日晶 あこや会館
中目副会長出席報告。
桓 医師信用組合常務会
11月11日昌 県医師会館
中目・清治副会長出席報告。
〔Ⅱ〕通知事項
1.消防用設備等に係る執務資料の送付について
(住宅部分の面積の考え方について)
中目副会長より、日本医師会常任理事から、標
記通知がある旨説明があり、各郡市地区医師会長
宛通知することと決定。
(本会ホームページ・会員
メニュー「新着文書」に掲載)
2.地域医療構想第2回病床機能検討部会の開催
について
11月12日昭 自治会館
中目副会長より、県健康福祉部長から、標記開
催案内がある旨説明があり、中目副会長出席する
ことと決定。
30
山形県医師会会報 平成27年12月 第772号
3.クアトロバック皮下注シリンジについて
清治副会長より、日本医師会感染症危機管理対
策室長から、標記ワクチンは出荷自粛の状況であ
るとの通知がある旨説明があり、各郡市地区医師
会長宛通知することと決定。(本会ホームページ・
会員メニュー「新着文書」に掲載)
〔Ⅲ〕協議事項
1.山形医事関係裁判協議会の開催について
12月14日捷 山形大学医学部 中目副会長より、山形地方裁判所長から、標記
開催案内がある旨説明があり、山形市内の役員に
出席要請することと決定。
2.都道府県医師会生涯教育担当理事・日医かか
りつけ医機能研修制度担当理事合同連絡協議会
の開催について
12月3日昭 日本医師会館他
6.平成27年度Ai研修会の開催について
1月9日松~10日掌 日本医師会館
中條副会長より、日本医師会長から、標記開催
案内がある旨説明があり、了知することと決定。
(本会ホームページ・会員メニュー「新着文書」に
掲載)
7.地域医療構想第2回地域検討部会の開催につ
いて
村山地域検討部会
11月19日昭 山形市医師会館
置賜地域検討部会
11月26日昭 置賜保健所
最上地域検討部会
11月27日晶
特別養護老人ホームみどりの大地
庄内地域検討部会
12月2日昌
鶴岡市先端研究産業支援センター
中目副会長より、日本医師会長から、標記開催
案内がある旨説明があり、深尾常任理事、島貫常
任理事(TV会議)出席することと決定。
中目副会長より、県健康福祉企画課から、標記
開催案内がある旨説明があり、村山地域検討部会
に加藤理事、置賜地域検討部会に中條副会長、最
上地域検討部会に三條理事、庄内地域検討部会に
中目副会長出席することと決定。
3.
「第21回日本集団災害医学会総会・学術集会」に
対する山形県医師会後援(協賛等)の名義の使
用の承認申請について
2月27日松~29日捷
山形ビッグウイング
8.平成27年度先天性代謝異常等検査業務運営検
討会の開催について
11月17日昇 県庁
中目副会長より、医学会総会・学術集会会長から、
標記後援依頼がある旨説明があり、後援了承。
中目副会長より、県子育て推進部長から、標記開
催案内がある旨説明があり、欠席することと決定。
追 加 要 項
4.平成27年度「大学医学部・医学会女性医師支
援担当者連絡会」―よりよい男女共同参画を目
指して―の開催について
12月18日晶 日本医師会館
間中常任理事より、日本医師会長から、標記開
催案内がある旨説明があり、神村理事出席すると
ともに、山形大学医師会担当者に出席要請するこ
とと決定。
5.電子書籍配信サービス「日医Lib」新機能
「都道府県医師会報の配信機能」開始と配信申請
受付のご案内
島貫常任理事より、日本医師会長から、標記案
内がある旨説明があり、了知することと決定。
〔Ⅱ〕通知事項
1.第21回日本医師会認定健康スポーツ医制度再
研修会の開催について
1月23日松 日本医師会館
吉岡常任理事より、日本医師会長から、標記開
催案内がある旨説明があり、各郡市地区医師会長
宛通知することと決定。
(本会ホームページ・会員
メニュー「新着文書」に掲載)
2.第2回「有毒化学物質の取り扱い及び化学災
害対策担当者養成講習会」開講のご案内
12月13日掌 ヒューリック浅草ビル
中目副会長より、NBCR対策推進機構から、
標記開催案内がある旨説明があり、了知すること
と決定。
(本会ホームページ・会員メニュー「新着
文書」に掲載)
山形県医師会会報 平成27年12月 第772号
3.今冬のインフルエンザ総合対策の推進につ
いて
清治副会長より、日本医師会感染症危機管理対
策室長から、標記通知がある旨説明があり、各郡
市地区医師会長宛通知することと決定。
(本会ホー
ムページ・会員メニュー「新着文書」に掲載)
31
〔Ⅳ〕医師連盟関係
敢 羽生田俊参議院議員国政報告会について
10月28日昌 県医師会館
德永会長他役員出席
中目委員長より、羽生田先生から国政報告が行
われた旨報告。
〔Ⅲ〕協議事項
1.平成27年度酒田地区医師会十全堂忘年会の開
催について
12月4日晶
ホテルリッチ&ガーデン酒田
中目副会長より、酒田地区医師会十全堂会長か
ら、標記開催案内がある旨説明があり、会長に代
理して、中目副会長出席することと決定。
2.「やまがた健康フェア2015」の開催について
11月14日松 山形ビッグウイング
中目副会長より、実行委員会委員長から、標記
開催案内がある旨説明があり、会長に代理して間
中常任理事出席することと決定。
3.平成27年度全国メディカルコントロール協議
会連絡会(第2回)の開催について
12月4日晶
札幌コンベンションセンター
中目副会長より、日本医師会常任理事から、標
記開催案内がある旨説明があり、大内常任理事出
席することと決定。
柑 自見はなこ氏医療機関訪問
11月9日捷 事務局
松本事務局長より、自見はなこ氏と鈴木日本医
師連盟事務局長が来形され、山形市医師会に門馬
会長ほか役員の先生方、吉岡病院に、神村会長ほ
か病院関係者が多数集まっていただき、その後小
児科医院を訪問し挨拶してきた旨報告。
なお、室内用ポスターの掲示について再度依頼
することとした。
桓 第1回山形創生研究会のご案内
11月30日捷 パレスグランデール
中目委員長より、新風会から、標記開催案内が
ある旨説明があり、事務局員出席することと決定。
32
山形県医師会会報 平成27年12月 第772号
第 8 回 全 理 事 会
日 時、平成27年11月25日㈬ 午後3時30分~
会 場、県医師会館役員室 出席者
会 長 德永 正靱
副 会 長 中目 千之、清治 邦夫、中條 明夫
常任理事 大内 清則、齋藤 忠明、島貫 隆夫
深尾 彰、吉岡 信弥、間中 英夫
理 事 江口 儀太、折居 和夫、加藤 修一
神村 裕子、齋藤 聰、三條 典男
監 事 小林 正義、根本 元、福原 晶子
議 長 佐藤 顕
副 議 長 島田 耕司
事 務 局 松本事務局長他事務局員
5.保険医療機関の指導について
敢 11月10日昇 病院
齋藤
(聰)
理事より報告。
柑 11月17日昇 置賜総合支庁
中條副会長より報告。
6.学術推進会議
11月11日昌 日本医師会館
德永会長出席
德永会長より、
「遺伝子治療はどこまで進んだ
か」と題した講演があり、今後わかりやすい遺伝
子治療の冊子が作られる旨報告。
〔Ⅰ〕報告事項
1.第8回常任理事会
11月11日昌 県医師会館
中目副会長ほか役員出席
德永会長より、既に理事会メールで報告しご覧
いただいているとおりである旨報告があり、了承。
2.診療に関する相談状況
中目副会長より、10月の相談は4件であった旨
説明。
3.医療関係者検討委員会
11月5日昭 日本医師会館
福原監事出席
福原監事より、特に、
「看護師等が行う診療の補
助行為及びその研修の推進について」説明が行わ
れたが、特定行為から除外された5つの行為につ
いて、医師の指示のもとに看護師等が実施する場
合には、適切な研修を行うことが重要であること、
答申案等について協議された旨報告。
7.第1回医療事故調査制度支援委員会
11月11日昌 県医師会館
中目副会長ほか役員出席
中目副会長より、5つの委員会委員について、本
会の医療事故調査制度支援委員を配置した旨報告。
8.病院委員会
11月13日晶 日本医師会館
島貫常任理事出席
島貫常任理事より、答申骨子案について協議し
た旨報告。
9.糖尿病市民公開講座
11月14日松 山形ビッグウイング
間中常任理事出席
間中常任理事より、やまがた健康フェア2015の
一環として開催したもので、200名を超す参加者が
あり盛会であったこと、また、参加者が多かった
ため、次年度もこの形での開催を計画したい旨報
告があり、了承。
4.母体保護法指定医師研修会
11月7日松 山形国際ホテル
三條理事出席
10.死体検案研修会
11月16日捷 酒田市民健康センター
三條理事より、県外からの参加を含め44名の参
加者があった旨報告。
佐藤議長より、DVD放映の後、山崎教授から
リアルな講演があり、
24名の参加者があった旨報告。
佐藤議長出席
山形県医師会会報 平成27年12月 第772号
11.日本医師会・米国研究製薬工業協会(PhRMA)
共催シンポジウム
11月18日昌 ヒルトン東京
大内常任理事出席
大内常任理事より、
「日米における災害時/
緊急
時の医療体制のあり方を考える」をテーマに、基
調講演等が行われた旨報告。
12.日本医師会女性医師支援センター事業北海道・
東北ブロック会議
11月21日松 コラッセふくしま
神村理事出席
神村理事より、日本医師会女性医師支援セン
ター事業についての報告、各道県における取り組
み等について情報交換が行われた旨報告。
13.会議・行事等
敢 山形県適正受診等周知啓発用動画制作業務
委託に係る編集委員会
10月30日晶 ケーブルテレビ山形
大内常任理事出席報告。
柑 第4回全国地方独立行政法人病院協議会総会
11月6日晶 ホテルリッチ&ガーデン酒田
德永会長出席報告。
桓 第50回優良従業員表彰式
11月12日昭 山形市医師会館
德永会長出席報告。
棺 地域医療構想第2回病床機能検討部会
11月12日昭 自治会館
中目副会長出席報告。
款 山形県学校保健連合会三役会
11月13日晶 あこや会館
德永会長出席報告。
歓 「やまがた健康フェア2015」オープニング
セレモニー
11月14日松 山形ビッグウイング
間中常任理事出席報告。
汗 第17回山形県歯科保健大会
11月15日掌 山形ビッグウイング
德永会長出席報告。
漢 山形県薬事審議会
11月17日昇 県庁
德永会長出席報告。
33
澗 山形県学校保健研究大会
11月19日昭 川西町フレンドリープラザ他
德永会長出席報告。
潅 地域医療構想第2回村山地域検討部会
11月19日昭 山形市医師会館
加藤理事出席報告。
環 第2回性犯罪・性暴力被害者ワンストップ
支援センター設置推進協議会
11月19日昭 山形県総合研修センター
三條理事出席報告。
甘 第2回山形県障がい者施策推進協議会
11月20日晶 県庁
松本事務局長出席報告。
監 医師信用組合理事会
11月25日昌 県医師会館
德永会長ほか役員出席報告。
〔Ⅱ〕通知事項
1.小児慢性特定疾病その他の疾病にかかってい
ることにより長期にわたり療養を必要とする児
童等の健全な育成に係る施策の推進を図るため
の基本的な方針について
中目副会長より、日本医師会常任理事から、標
記基本方針の公布について通知がある旨説明があ
り、各郡市地区医師会長宛通知することと決定。
(本会ホームページ・会員メニュー「新着文書」に
掲載)
2.第1回山形県医療安全支援協議会の開催につ
いて
12月1日昇 山形大学医学部
中目副会長より、山形大学蔵王協議会会長から、
標記開催案内がある旨説明があり、德永会長、中
目副会長出席することと決定。
3.平成27年度リスク評価結果等に基づく労働者
の健康障害防止対策の徹底について
神村理事より、日本医師会長から、三酸化二ア
ンチモン等5物質のリスク評価について通知があ
る旨説明があり、各郡市地区医師会長宛通知する
ことと決定。
(本会ホームページ・会員メニュー
「新着文書」に掲載)
34
山形県医師会会報 平成27年12月 第772号
4.産業医の選任の改善について
神村理事より、日本医師会長から、標記通知が
ある旨説明があり、各郡市地区医師会長宛通知す
ることと決定。(本会ホームページ・会員メニュー
「新着文書」に掲載)
5.日本医師会ORCA管理機構㈱設立の経緯に
ついて
三條理事より、日本医師会長から、標記通知が
ある旨説明があり、了知することと決定。(本会
ホームページ・会員メニュー「新着文書」に掲載)
6.平成27年度Ai学術シンポジウム開催のご案
内
12月23日昌・抄 日本医師会館
中條副会長より、日本医師会長から、標記開催
案内がある旨説明があり、了知することと決定。
(本会ホームページ・会員メニュー「新着文書」に
掲載)
7.「平成27年度介護報酬改定検証・研究調査への
協力依頼について」の送付について
折居理事より、日本医師会常任理事から、平成30
年度介護報酬改定に向けた標記調査について通知
がある旨説明があり、各郡市地区医師会長宛通知
す る こ と と 決 定。(本 会 ホ ー ム ペ ー ジ・会 員 メ
ニュー「新着文書」に掲載)
8.健康日本21推進全国連絡協議会 平成27年度
第1回分科会の開催について
12月4日晶 日本医師会館
清治副会長より、日本医師会常任理事から、標
記開催案内がある旨説明があり、各郡市地区医師
会長宛通知することと決定。
中目副会長より、広島県医師会長から、標記開
催案内がある旨説明があり、欠席し、祝電を打電
することと決定。
2.第16回東北地区介護老人保健施設大会ご祝辞
のお願い
平成28年10月28日晶 山形テルサ
中目副会長より、県老人保健施設協会会長から、
標記依頼がある旨説明があり、お受けすることと
決定。
3.第16回東北地区介護老人保健施設大会「後援」
のお願い
平成28年10月28日晶 山形テルサ
深尾常任理事より、県老人保健施設協会会長か
ら、標記後援依頼がある旨説明があり、後援了承。
4.第56回全国国保地域医療学会の後援について
平成28年10月7日晶・8日松
山形テルサ、ホテルメトロポリタン山形
深尾常任理事より、県国民健康保険団体連合会
理事長から、標記後援依頼がある旨説明があり、
後援了承。
5.
「蔵王山神社-の大鳥居」改修に係るご協賛に
ついて
江口理事より、山形市観光協会会長から、標記
協賛依頼がある旨説明があり、お断りすることと
決定。
6.日本医師会・公益資本主義推進協議会共催
「健康経営シンポジウム」の開催について
12月20日掌 ホテル椿山荘東京
清治副会長より、日本医師会長から、標記開催
案内がある旨説明があり、欠席することと決定。
9.ヒトパピローマウイルス感染症の予防接種後
に症状が生じた方に対する相談窓口について
清治副会長より、日本医師会感染症危機管理対
策室長から、標記相談窓口について通知がある旨
説明があり、了知することと決定。
(本会ホーム
ページ・会員メニュー「新着文書」に掲載)
追 加 要 項
〔Ⅱ〕通知事項
1.平成27年度第3回都道府県医師会長協議会の
開催について
1月19日昇 日本医師会館
〔Ⅲ〕協議事項
1.広島県医師会新会館内覧会竣工記念祝賀会並
びに新年互礼会のご案内
1月11日捷・抄 広島県医師会館、
リーガロイヤルホテル広島
中目副会長より、日本医師会長から、標記開催
案内がある旨説明があり、中條副会長出席するこ
とと決定。
山形県医師会会報 平成27年12月 第772号
2.百日せき、ジフテリア、破傷風および急性灰
白髄炎(ポリオ)4種混合ワクチン『スクエア
キッズ皮下注シリンジ』の発売について
清治副会長より、日本医師会感染症危機管理対
策室長から、標記通知がある旨説明があり、各郡
市地区医師会長宛通知することと決定。
(本会ホー
ムページ・会員メニュー「新着文書」に掲載)
3.
「行政手続における特定の個人を識別するため
の番号の利用等に関する法律」の改正に伴う予
防接種分野の対応について
清治副会長より、日本医師会感染症危機管理対
策室長から、予診票等に個人番号を記載しないこ
となどについて通知がある旨説明があり、了知す
ることと決定。(本会ホームページ・会員メニュー
「新着文書」に掲載)
〔Ⅲ〕協議事項
1.山形県コホート研究(Yamagat
ベース
aSt
udy)
ライン調査2万人規模達成・感謝状贈呈式のご
案内
12月8日昇 パレスグランデール 中目副会長より、山形大学医学部メディカルサ
イエンス推進研究所から、標記開催案内がある旨
説明があり、德永会長出席することと決定。
2.2016年度会員更新申込書について
江口理事より、モンテディオ山形から、標記更
新依頼がある旨説明があり、更新することと決定。
なお、正会員に付与されるチケット等について
は、本会会報にて広報することと決定。
3.保険医療機関の指導について
齋藤
(聰)
理事より、標記日程について説明があ
り、了承。
4.日本口唇口蓋裂協会相談役への就任依頼
中目副会長より、日本口唇口蓋裂協会理事長か
ら、標記就任依頼がある旨説明があり、見送るこ
とと決定。
5.名義後援依頼
2月27日松 山形テルサ
深尾常任理事より、日本アレルギー協会東北支
部山形県代表世話人から、標記後援依頼がある旨
説明があり、後援了承。
35
6.山形大学医学部特集ご協賛のお願い
三條理事より、山形新聞社から、標記依頼があ
る旨説明があり、掲載について検討することと決
定。
7.謹賀新年ファミリークイズ広告掲載のご案内
三條理事より、山形新聞社から、標記案内があ
る旨説明があり、他の社等も含め、掲載しないこ
とと決定。
8.救急病院等の認定に関する意見の聴取につ
いて
公立置賜総合病院
大内常任理事より、県健康福祉部長から、上記
病院に係る意見照会がある旨説明があり、妥当で
ある旨の意見を提出することと決定。
9.その他
敢 担当部理事会における協議事項について
松本事務局長より、12月20日掌開催の各担当部
理事会の協議資料として、各部の今年度の実績や
来年度の事業計画及び課題について、次回常任理
事会までに報告願いたい旨説明があり、了承。
〔Ⅳ〕医師連盟関係
敢 第1回山形創生研究会の延期について
中目委員長より、11月30日開催の標記研究会が
延期となった旨説明があり、了承。
柑 「吉村美栄子と語る会」への参加について
12月6日掌 パレスグランデール
中目委員長より、あったかい県政を支援する会
会長から、標記案内がある旨説明があり、パー
ティー券を購入することと決定。
桓 「国民医療を守る議員の会総会」出席につ
いて
12月9日昌 衆議院第一議員会館 中目委員長より、日本医師連盟委員長から、標
記案内がある旨説明があり、事務局員出席するこ
とと決定。
36
山形県医師会会報 平成27年12月 第772号
第31回山形県医家美術展
本会々員の作品を集めて毎年開催している山形県医家美術展を今年も去る10月28日㈬から11月2日㈪まで
の6日間、大沼山形本店7階ローズルームにおいて開催しました。
今年の出展作品は絵画部門10点、写真部門15点、工芸部門6点でありました。
ここに今年の出展作品を掲載いたしますのでご鑑賞ください。
なお、掲載は紙面の関係で各部門一人1点とさせていただきました。
眼下の海
大井沢集落
水彩 山形市 大内 清則
油彩 山形市 鈴木 清夫
蔵王連峰初冠雪
源流をめざして
油彩 山形市 中村 達夫
アクリル 大江町 奥山 秀弥
山形県医師会会報 平成27年12月 第772号
そのむこうへ
アクリル 上山市 関根 美穂
自然のアート アンテロープ キャニオン
山形市 德永 正靱
紅く染まる蔵王
天童市 大山 正俊
向日葵
(ひまわり)
山形市 柘植 更一
ツヤケシハナカミキリ
山形市 矢尾板信孝
胡蝶蘭
(沖縄)
上山市 青山 新吾
37
38
山形県医師会会報 平成27年12月 第772号
春の使者
聖エミリオン
東根市 橋本 秀樹
新庄市 三條 典男
てんとう虫
平 太
工芸 大江町 奥山 秀弥
能面 河北町 小原 正久
羊
武 悪
切り折り紙 南陽市 川合 正和
能面 川西町 佐藤 光弥
山形県医師会会報 平成27年12月 第772号
斬11月 2日
産業医研修会を鶴岡地区医師会館
で開催。
5日
医療関係者検討委員会が日本医師
斬
会館で開催され、福原監事出席。
〃
会報編集会議を県医師会館他で
斬
開催。
〃
医療事故調査制度説明会を米沢市
斬
医師会館で開催。
6日
第4回全国地方独立行政法人病院
斬
協議会総会がホテルリッチ&ガーデン酒田で
開催され、德永会長出席。
〃
山形県医療審議会医療法人・医師
斬
定員特例部会があこや会館で開催され、中目
副会長出席。
7日
母体保護法指定医師研修会が山形
斬
国際ホテルで開催され、三條理事出席。
斬
10日 循環器検診研修会をホテルメトロ
ポリタン山形で開催。
斬
11日 医師信用組合常務会が県医師会館
で開催され、中目・清治副会長出席。
〃
学術推進会議が日本医師会館で開
斬
催され、德永会長出席。
〃
第8回常任理事会を県医師会館で
斬
開催。
〃
第1回医療事故調査制度支援委員
斬
会を県医師会館で開催。
斬
12日 第50回優良従業員表彰式が山形市
医師会館で開催され、德永会長出席。
〃
地域医療構想第2回病床機能検討
斬
部会が自治会館で開催され、中目副会長出席。
〃
第37回山形県医師会学校医大会に
斬
おける学校保健功労者の受賞者の決定につい
て、各郡市地区医師会長宛通知。
斬
13日 病院委員会が日本医師会館で開催
され、島貫常任理事出席。
〃
山形県学校保健連合会三役会があ
斬
こや会館で開催され、德永会長出席。
〃
クアトロバック皮下注シリンジに
斬
ついて、各郡市地区医師会長宛通知。
39
斬11月 13日
今冬のインフルエンザ総合対策の
推進について、各郡市地区医師会長宛通知。
〃
消防用設備等に係る執務資料を
斬
(住宅部分の面積の考え方について)
、各郡市
地区医師会長宛送付。
〃 「日本医師会生涯教育制度学習単
斬
位取得証」を、各郡市地区医師会長宛送付。
斬
14日 「やまがた健康フェア2015」オー
プニングセレモニーが山形ビッグウイングで
開催され、間中常任理事出席。
〃
糖尿病市民公開講座を山形ビッグ
斬
ウイングで開催。
斬
15日 第17回山形県歯科保健大会が山形
ビッグウイングで開催され、德永会長出席。
斬
16日 死体検案研修会を酒田市民健康セ
ンターで開催。
〃
やまがた健康推進機構の行う呼吸
斬
器検診X線撮影画像読影委託料の改定につい
て、各郡市地区医師会長宛通知。
斬
17日 山形県薬事審議会が山形県庁で開
催され、德永会長出席。
斬
18日 日本医師会・米国研究製薬工業協
会(PhRMA)共催シンポジウムがヒルト
ン東京で開催され、大内常任理事出席。
斬
19日 山形県学校保健研究大会が川西町
フレンドリープラザ他で開催され、德永会長
出席。
〃
地域医療構想第2回村山地域検討
斬
部会が山形市医師会館で開催され、加藤理事
出席。
〃
第2回性犯罪・性暴力被害者ワン
斬
ストップ支援センター設置推進協議会が山形
県総合研修センターで開催され、三條理事出
席。
斬
21日 日本医師会女性医師支援センター
事業北海道・東北ブロック会議がコラッセふ
くしまで開催され、神村理事出席。
斬
25日 医師信用組合理事会が県医師会館
で開催され、德永会長ほか役員出席。
40
山形県医師会会報 平成27年12月 第772号
斬11月 25日
第8回 全 理 事 会 を 県 医 師 会 館 で
開催。
〃
自賠責保険研修会をホテルメトロ
斬
ポリタン山形で開催。
斬
26日 山形県学校保健連合会第2回理事
会、臨時代議員会があこや会館で開催され、
德永会長出席。
〃
山形少年鑑別所視察委員会が山形
斬
少年鑑別所で開催され、根本監事出席。
〃
地域医療構想第2回置賜地域検討
斬
部会が置賜保健所で開催され、中條副会長出
席。
斬
27日 地域医療構想第2回最上地域検討
部会が特別養護老人ホームみどりの大地で開
催され、三條理事出席。
〃
循環器検診研修会を酒田市民健康
斬
センターで開催。
〃
百日せき、ジフテリア、破傷風お
斬
よび急性灰白髄炎(ポリオ)4種混合ワクチ
ン『スクエアキッズ禾皮下注シリンジ』の発
売について、各郡市地区医師会長宛通知。
斬11月 27日
平成27年度リスク評価結果等に基
づく労働者の健康障害防止対策の徹底につい
て、各郡市地区医師会長宛通知。
〃
産業医の選任の改善について、各
斬
郡市地区医師会長宛通知。
〃
小児慢性特定疾病その他の疾病に
斬
かかっていることにより長期にわたり療養を
必要とする児童等の健全な育成に係る施策の
推進を図るための基本的な方針について、各
郡市地区医師会長宛通知。
〃 「平成27年度介護報酬改定検証・研
斬
究調査への協力依頼について」を、各郡市地
区医師会長宛送付。
斬
28日 家族計画・母体保護法指導者講習
会が日本医師会館で開催され、三條理事出席。
〃
やまがた県民医療推進協議会を県
斬
看護協会館で開催。
〃
医療安全やまがたフォーラムを県
斬
看護協会館で開催。
斬
30日 産業医研修会をホテルメトロポリ
タン山形で開催。
山形県医師会会報 平成27年12月 第772号
41
会 員 異 動
11月30日現在会員数 1,
609名 A会員 692名 B会員 917名 C会員 0名
準会員 127名 ○ 会 員 訃 報
死亡月日
11月16日
11月29日
○ 入 月 日
1
11.
郡市地区医師会
米
北
沢
村
地
新 宮 正
区
梅 津 重 三 郎
山
形
市
会員区分
氏 名
準
渡 辺 久 剛
郡市地区医師会
会員区分
氏 名
1
11.
米
沢
市
米
沢
市
米
沢
市
山
形
市
寒河江市西村山郡
B
B
B
A
B
穂 坂 雅 之
川 上 千 之
川 上 圭 太
高 柳 誠
石 川 和 彦
11.10
備 考
動
月 日
〃
〃
6
11.
享 年
65歳
92歳
会
郡市地区医師会
○ 異 山
氏 名
市
備 考
施設名称変更
〃
〃
現住所変更
医師会異動
山形県医師会会報 平成27年12月 第772号
42
医師国保だより
平成27年8月分の保険給付費の状況
本組合被保険者にかかる8月分の療養諸費及びその他の諸給付については、次のとおりです。
1.療養諸費
8月分の療養諸費の状況は、組合負担額で入院8,
660千円、入院外7,
798千円、歯科2,
620千円、診療費合計
で19,
079千円となりました。
平成27年度組合負担額の前年度同期比では入院28.
18%減、入院外0.
75%減、歯科4.
25%増、診療費計で
12.
28%減となり前年度よりも低い水準で推移しています。
一方、調剤は0.
55%減となっています。
療養諸費
区 分
件数
第1種 入 院
医 組合員
入院外
第 2 種 入 院
合 員
組
及
び
科 世 帯 員 入院外
計
歯
科
第1種組合員
第2種組合員
及 び 世 帯 員
計
調
剤
入院時食事療養費
訪
問
看
25
-
-
-
移
送
費
療 養 諸 費 合 計
度
累
(回数)
-
費
年
(枚数)
-
養
計
前 年 度 同 期 比
費 用 額
1,
720
9,
078
97.
6
-
-
-
一 部 負 担 金
他
薬剤一部負担金 負
組合負担額
円
6
46
229
299
13
204
654
861
902 1,
410
95
142
222
350
317
492
476 (541)
(20) (568)
護
療
本
日数
4,
614,
640
4,
280,
330
7,
757,
200
6,
808,
190
23,
460,
360
813,
290
2,
916,
220
3,
729,
510
7,
447,
520
381,
848
円
-
0
-
0
0
0
0
0
0
-
60,
226
-
-
24,
687,
750
116,
818,
279
90.
9
2.その他組合の諸給付
8月分のその他の諸給付は、高額療養費15件
1,
103,
654円、出産育児一時金1件420,
000円を給
付しました。
-
-
141,
371
-
円
1,
384,
392
1,
266,
417
2,
114,
019
1,
732,
413
6,
497,
241
243,
987
786,
282
1,
030,
269
1,
575,
015
146,
380
-
201,
963
35,
221,
201
166,
142,
955
91.
5
円
3,
230,
248
3,
001,
370
5,
430,
040
4,
797,
019
16,
458,
677
569,
303
2,
050,
943
2,
620,
246
5,
233,
288
234,
168
担
円
0
12,
543
213,
141
278,
758
504,
442
0
78,
995
78,
995
639,
217
1,
300
-
-
-
366
-
9,
309,
131
43,
809,
547
90.
9
法 1 件 当 り 1 人 当 り
額 費 用 額 費 用 額
0
0
-
-
1,
224,
320
5,
515,
129
113.
1
円
769,
107
18,
691
596,
708
10,
410
26,
009
8,
561
13,
136
11,
765
15,
646
19,
092
0
8,
079
0
20,
477
18,
302
93.
7
その他組合の諸給付
種 別
件 数
金 額
備 考
円
高 額 療 養 費
15
出産育児一時金
1
葬
祭
費
-
傷 病 手 当 金
-
合
16
計
1,
103,
654
420,
000 第2種組合員1人
-
-
1,
523,
654
円
7,
666
7,
110
4,
710
4,
134
10,
431
1,
351
1,
771
1,
658
3,
311
170
0
90
0
15,
661
73,
874
94.
6
山形県医師会会報 平成27年12月 第772号
3.保険給付費支払額の状況
8月分の保険給付費は26,
211千円で、前年に比
べ1,
631千円の減少となっています。
平成27年度 保険給付費支払額の状況
4.共済会の諸給付金の状況
8月分の共済会の諸給付は、傷病見舞金1件
65,
000円、死 亡 弔 慰 金1件350,
000円 を 給 付 し ま
した。
共済会の諸給付金の状況
平成26年度
平成27年度
26年度実績月平均
27年度当初予算月平均
種 別
件数
30,818
29,184
26,280
22,713
25,636 26,211
金額
備 考
円
傷 病 見 舞 金
傷 病 給 付 金
25,761
43
死 亡 弔 慰 金
1
-
1
65,
000 会員1人
-
350,
000 会員1人
出 産 給 付 金
-
-
介 護 手 当 金
-
-
高齢者褒賞給付金
-
-
生存退会給付金
-
合 計
2
-
415,
000
ⅹ৖ዓⅼ↝ⅹࣔ↻↞
Ↄↅⅳ↭↊⇂ⅺ≢
‫࢟ޛ‬ჄҔࠖ˟ưƸŴҔၲʙ૏ᙀΝ‫ݣ‬ሊƷɟ࿢ƱƠƯž‫˳ׇ‬ҔࠖឆΝᝧ˓̬ᨖſСࡇŴƓǑƼ
ž‫˳ׇ‬ѮѦҔࠖឆΝᝧ˓̬ᨖſСࡇǛ‫ݰ‬λƠƯƓǓLJƢŵ
࢘ኵӳǑǓŴ˟ՃƷႏಮǁᲫᲬஉɥକƴ୼ૼƷƝకϋŴLJƨƸƝьλƷƓƢƢNJǛƓᡛǓƠ
ƯƓǓLJƢŵƓ৖ΨƷ᝻૰ǛƝᄩᛐƘƩƞƍLJƢǑƏƓᫍƍဎƠɥƛLJƢŵ
ʊཎࣉÜ
ĬҔၲɥƷʙ૏ȷ࡫ཋǍᚨͳƷ̅ဇȷሥྸɥƷʙ૏Ŵዅ᫢ሁƴǑǔʙ૏Ǜ̬ᨖƷ‫ݣ‬ᝋ
ƱƠŴɢƕɟƷ੷ܹឆΝƴͳƑƨ̬ᨖưƢŵ
ĭᚫᚤƴƳƬƨ‫ئ‬ӳƷᚫᚤᝲဇǍࡰᜱٟ‫إ‬ᣛƳƲƕૅ৚ǘǕLJƢŵ
Į̬ᨖ૰ƴƸ‫˳ׇ‬лࡽƱƠƯᲬᲪᲟƕᢘဇƞǕƯƍLJƢŵ
Ü̬ᨖ஖᧓Ü
࠯঺ᲬᲲ࠰ᲬஉᲫଐҜࢸᲮ଺Ɣǒ࠯঺ᲬᲳ࠰ᲬஉᲫଐҜࢸᲮ଺LJư
Ɲ‫୼٭‬ǍŴ̲ദƕƳƍ‫ئ‬ӳƸཎƴƓ৖ዓƖƸɧᙲưƢŵƝɧଢƳໜሁƝƟƍLJƠƨǒŴ
ɦᚡLJưƓբƍӳǘƤƍƨƩƖLJƢǑƏƓᫍƍဎƠɥƛLJƢŵ
ƂƓբӳƤέƃ
ӕৢˊྸࡃ
Ჴஊᨂ˟ᅈǫǹȟ‫࢟ޛ‬
Ƅ ‫ࠊ࢟ޛ‬௅௿ 6'. ࡽӖ̬ᨖ˟ᅈᲴ੷ܹ̬ᨖǸȣȑȳଐஜᐻʣఇࡸ˟ᅈ ‫ૅ࢟ޛࡃૅ࢟ޛ‬ᅈ
Ƅ ‫ࠊ࢟ޛ‬௅ඬ
6'. è‫࢟ޛ‬ჄҔࠖ˟ңӷኵӳƸ‫࢟ޛ‬ჄҔࠖ˟ǑǓ࢘ᛆకϋƓǑƼ̬ᨖ૰ᨼ᣿ʙѦሁƷ‫ۀ‬ᚠǛӖƚƯƍLJƢŵ
॥থআগ‫ॱش‬भେः౹इदघऊ‫ء‬
‫ڶڸۇۄ‬ऋउ൭ीदघ‫آآ‬
ઃम
+8%
ٌ‫ڶڸۇۄ‬ਃஓଡਛ୻‫ق‬ഈଜ‫ڮ‬઎ଡਛ‫ٍك‬
ঝ‫ॱش‬ष
૮೿ਗ਼
ਗ਼౺ಎ઼
‫پ‬ൕൗभ୼ઌम‫ؚ‬ৰ੟ध౮ऩॊৃ়ऋँॉऽघ‫؛‬
૮೿ਗ਼
ਗ਼౺ಎ઼
३५ॸ঒भ଑ো੿঵఺ल଑ো৏भ१এ‫ॺش‬म‫ؚ‬ਊੌ়ऋ઀௚खथउॉऽघ৛஄਩भ঩ୢ‫ۉھ‬ੳ৒१এ‫ॺش‬
হ঵ਚद‫ؚ‬਩৔‫ڶڸۇۄ‬଑োৰౚਯਸ਼‫ڭ‬ਜ਼भઙૄভ঺‫ڸڸێ‬ੲਾ३५ॸ঒ऋৰ઱ಱखऽघभद‫ؚ॔‬ই
ॱ‫ش‬१‫ش‬অ५ु਍ੱदघ‫؛‬
ফা঩ਠ૔
ओ઀୹੼ત
‫ڬڬڬڬڮڵ‬৞‫ع‬
‫ٵ‬ಌपउ੭ऩഈଜ‫ڭ‬઎ଡਛ‫ڬڬڬڬڬڴق‬৞‫ع‬
‫پ‬଎ાઘશ
‫پ‬଎ાઘશ‫ुك‬ओ৷ਔखथउॉऽघ‫؛‬
ି‫ك‬ਠ૔ओઞ৷भঞ७॥থऊैभॹ‫୎ॱش‬ষ॑ओൌ஦भৃ়पम‫ؚ‬શಥ‫ڬگعڬڮ‬ਐ৞৐৏भા৷भ
ओ଀૿ऋ૑ਏधऩॉऽघ‫؛‬
‫߅ޣ‬໧޿วࠊߖవ‫ޤ‬
ጊᒻ⋵කᏧળදห⚵ว
ጊᒻᏒᵒᷘ1ˉ6ˉ73
6'.
ᩣᑼળ␠YCCᖱႎࠪࠬ࠹ࡓ
ቅᔶᏖᵒ⊶4ˉ5ˉ12
6'.
山形県医師会会報 平成27年12月 第772号
45
編 集 後 記
昨年と比べ遅い初雪となりました。昨年の今頃
平成27年10月1日より始動した医療事故調査制
はすでに根雪となり毎日除雪作業をしていたよう
度ですが、報告事例は20件と予想外の少なさです。
な気がします。
(すでに去年のことは記憶のかなた
この制度のポイントは以下の5点です。1)対象は、
に行ってしまいましたが)朝方に記録する最低気
診療行為に関連した患者の予期せぬ死亡や死産、
温は低下してきており、冬に向かっているのは確
2)対象の判断は当該医療機関の管理者が行い事
かですが、日中の最高気温が異様に高く寒暖差が
故発生を日本医療安全調査機構へ報告、3)当該
大きくなっています。高齢者に限らず体調管理が
医療機関は院内調査を実施し結果を遺族に説明し
難しくなっていますので、体調管理にはくれぐれ
日本医療安全調査機構に報告、4)遺族への結果
もご注意を。
説明は口頭か書面、または双方の適切な方法で、
さて、来年は診療報酬改定の年。政府は全体の
報告書交付は「努力規定」
、5)院内調査に不服が
増減割合である改定率を引き下げる方針を固めた、
ある遺族または医療機関は、日本医療安全調査機
との報道がありました。診療報酬の内、薬価をマ
構に調査を依頼できる。始まったばかりの制度で
イナス1%超とし本体を小幅のプラスを軸に検討
あり、遺族側医療者側それぞれに不満な点や問題
する、というものです。前回の改定では、薬価切
点も出てきています。来年早々法案の見直しも控
り下げ分の財源を本体には回さないとの財務省の
えていますので、より良い制度に改善されること
ごり押しがとおりましたが、今回政府与党、厚労
を期待したいものです。
省がどの程度巻き返せるかが焦点です。
平成27年12月5日 印刷
平成27年12月10日 発行
山
形 県 医 師 会 会 報 第772号
¥ 540
本会会誌の誌代540円は、山形県医師
(中條 明夫)
発
行
者 德 永 正 靱
編 集 委 員 中 目 千 之
〃 〃 〃 清 治 邦 夫
中 條 明 夫
島 貫 隆 夫
山形県医師会
会会費賦課微収規程第2条別表に定め
発 行 所 一般社団法人
2473 山形市松栄一丁目6番73号 〒990TEL023-666-5200 FAX023-647-7757 る会費の中に含まれる。
印 刷 所 ㈱
誠
文
堂
印
山形市本町一丁目7番50号 刷
DIC2125
第772号 昭和27年8月21日第3種郵便物認可〔山形県医師会会報〕 平成27年12月10日発行
平成27年12月10日発行 昭和27年8月21日第3種郵便物認可〔山形県医師会会報〕
第772号
製造販売元
コーアイセイ株式会社
山 形 市 若 葉 町 13 番 45 号