単元カリキュラム共同開発授業研究協議会を開催 ~足立区立六木小学校と附属竹早小学校との連携事業~ 東京学芸大学パッケージ型支援プロジェクトでは、子どもが授業を通じて他者を受容し、「多様なものの見方・考え 方」を育む教育プログラムを開発しています。2016年度からは、連携協力校である足立区立六木小学校と東京学芸大学 附属竹早小学校が連携し、他者との共生に目を向け、多様な価値観に触れる「単元カリキュラム」の共同開発を進めてい ます。 2016年9月6日(火)に六木小学校と附属竹早小学校との連携事業の一環として、附属竹早小学校にて「単元カリキュラ ム共同開発授業研究協議会」を開催しました。この日は六木小学校の教員を招待し、6時限目に国語の公開授業を実施し た後、公開授業を受けて六木小学校の教員と附属竹早小学校の教員が、公開授業の内容をもとに意見交換を行う協議会を 開催しました。 6時限目の公開授業は、金子みすゞの詩をテーマ に、教師の発問をもとに活発なグループワークが展開 され、児童に詩の意味を深く考えさせる内容となりま した(写真左)。 児童は、積極的に様々な意見を出し合い、金子み すゞの詩のモチーフである「さびしさ」について、一 人一人によって異なる読み取り方を大切にする授業が 展開されました。 この授業により、児童が他者の考え方や意見を受け 入れ、共生していく必要性に目を向け、包摂型社会を 形成する担い手としての一歩を踏み出すことを目指し ています。 附属竹早小学校 茅野政徳先生による公開授業 授業研究協議会では、パッケージ型支援プロジェクトの松田恵示 主査より開会の挨拶を行った後、附属竹早小学校の彦坂秀樹副校長 と六木小学校の金田耕一校長より、授業研究協議会に向け「単元カ リキュラム」共同開発に向けた考え方について報告がありました。 その後、国語の授業を担当した茅野先生を中心に、六木小学校の教 員との間で質疑応答を行いました。 質疑応答では、附属竹早小学校で開発した学習指導案を六木小学 校で実践する際に必要なポイントや、グループワークなどで発言が 苦手な児童に対する学習アプローチの方法、ダイバーシティ教育等 について意見を交換しました(写真右)。最後に、松田恵示主査か ら総括がありました。今後は附属竹早小学校が開発した学習指導案 をもとに、六木小学校において公開授業を開催する予定です。 公開授業後に実施した授業研究協議会 東京学芸大学 パッケージ型支援プロジェクト 児童・生徒支援連携センター 第1回CCSS研究会を開催 2016年8月4日(木)、パッケージ型支援プロジェクトでは、現在進行 している研究の成果報告として、第1回CCSS研究会を開催しました。 研究会には、プロジェクトのワーキングメンバーや関係者、学習支援ボ ランティアの学生など幅広い分野の方々からの参加がありました。 はじめに、児童・生徒支援連携センターの朝倉センター長から、プロ ジェクトの実践活動に関して報告がありました。つづいて、児童・生徒 支援連携センターの専門研究員より、「子供の貧困と学校」・「単元カ リキュラム共同開発」・「教育支援活動の組織化」に関する発表があり ました。 その後の質疑応答では、子どもの貧困に関する定義やその捉え方、貧 困家庭にある子どもの調査方法のほかに、単元カリキュラム共同開発の 内容等に関して活発な議論が行われました。また、プロジェクトに期待 していることや、学習支援ボランティアの活動や仕組みについて要望等 が寄せられました。 第1回CCSS研究会の様子 足立区立第十三中学校でICT教育プログラムを開始 2016年9月より、足立区立第十三中学校(足立区連携協力校)にて、インターネットによるICT教育プログラムを開始しまし た。このプログラムは第十三中学校と東京学芸大学をインターネット回線で結び、タブレットやノートパソコンを用いてライブ 通信を行いながら、生徒の要望に応じたオンデマンド型の学習支援を行うものです。 このプログラムの目的は、生活資源の不足状況にある生徒を対象に、学習習慣や学習意欲の向上だけでなく、学習支援ボラン ティアがロールモデルとなって、将来の進路を見つける橋渡し役を担うこ とを目指しています。また、インターネット通信を使用することで、遠隔 地(足立区―東京学芸大学間)における支援活動に、より多くの学生が参 加できる環境を作り出すこともねらいとしています。 本学学生とライブ通信を行う第十三中学校生徒 ICT教育プログラムでは毎週木曜日の午後に、第十三中学校からの要望が 高かった英語を中心に、基礎テキストを使い、ライブ通信の強みを生かし た「聞く・話す」に特化した学習支援を行います。第十三中学校・東京学 芸大学には毎回、それぞれ学習支援ボランティアやCCSSのスタッフを配置 し、生徒のニーズやトラブルシューティングに対応できる体制を整えてい ます。今後は、生徒の学習効果の検証を行いながら、より質の高い学習支 援の構築を進めていきます。 小金井市教育関係者向け研修会を実施 パッケージ型支援プロジェクトでは、小金井市との連携協定に基づき、2016年度より小金井 市内の小・中学校に勤務する教員やスクールカウンセラー(SC)、スクールソーシャルワーカー (SSW)などの教育関係者を対象に研修会を実施しています。この研修では、学校現場において 教育上の問題が生じた場合に、同僚や管理職、SC・SSWなどが連携して問題に対処し、解決に 導くことを目指しています。 今年度は7月にケースメソッド学習会(本学・竹鼻教授主催)、8月に問題解決型ケース会議 (本学・馬場准教授主催)を開催し、小金井市内の学校より多くの教員・教育関係者の参加が ありました。今後も、教育関係者向けの研修会を実施していきます。プロジェクトでは、これ からもこうした研修会を通じて、小金井市教育委員会との連携を進め、教員や教育関係者の資 質・能力向上を目指した取り組みを推進していきます。 東京学芸大学 児童・生徒支援連携センター センター通信 東京学芸大学 パッケージ型支援プロジェクト 児童・生徒支援連携センター センター通信 vol.07 発行日:2016/09/15 Tel:042-329-7921 編集:CCSS編集担当
© Copyright 2024 Paperzz