130号 - 日本森林技術協会デジタル図書館

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第130號駕総糊護警瀦""
業
一
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(主要記事)
透年の辞一協会の自力... . .. .…. ..…...…. .….松川理事長(表2)
×
×
治山治水事業の傾向..…..…. .. .. ....….….…関口権次郎(1)
赤松は果して亡国樹か.……….…..…………渡部芳夫(5)
×
130
×
アラスカの森隊と樹類(2)..……….…….…遠藤
×
隆(7)
×
台湾行(2).
.. .. .….….……. ..….…. 、松川恭佐(13)
林業雑観(7).
.……..….…..….…..…山崎栄喜(18)
×
×
私の見たスギ品種の育成.……….…………..、福田孫多(23)
(会員の声)当-薪炭林の改良と樹種の問題….….…橇
義次(25)
×
×
〔砂防造赫露座〕一どんな樹や草を使ったらよいか(3)倉田益二郎(27)
1952年12月
祗團法人日本林業技術協會
606口■■■■■■
一逵年の静
年の瀬も迫って,昭和27年の最経号が将に
発刊されんとする。
会員諸賢の熱情と,関係官民諸機関,諸団体
の厚い友情によって』微力な我菱が大過なく,
凸●■■r▼幻日・09F1分11
この年を途らせて頂いたことを,中央地方事務
担当者一同に代って,深くお礼申上げねばなら
ない。
この年,わが日本林業技術協会は,創立30
協會の自力
周年を迎え,意義深い記念式典を挙ぐると共
に,森林記念館の建設その他,多彩の全国的記
これによって,林業職域を代表する,唯一の団
念事業を企画し,その大部分を完了した。これによって,朴諜3険域を代表する,唯一の団
体として,その基盤を強化し,向うところを一層明らかにしたことは,深く感銘すべきで
ある。
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恰もまた本年は,待望久しかった胃勵が成立して,刷翻たる日章旗の下,民主国家興隆
の気運は,猟が上にも昂揚しつムある。
材業界も,新時代に副うべ〈,前年大幅に改正された森林法の,完全実施年度に入り,
また第13国会に於て論争された,林野庁の機購問題も,幾多の迂余曲折を経て,原形を
堅持し得たのである。これ等のよろこびは,何れも,横川前長官時代の偉大なる事績とし
珂内旧脚、■凶略且勺0口■■■同門田■、■田門圃円旧珀埋、閃且晒旧弗囚叩円u■■■■■■■R■■■nN■■■■■■■凶■■■Ⅲllllll財心晒かγ閉閥勉■皿■J101町1口0rⅢ4,而も限冊PINⅢhlⅢ●h川岬MnⅢ岬旧IⅢⅡlllllllトⅢ、Ⅳ
て,特筆さるべき事柄である。
しかし,国民の民主主義思想が,堂だ形と実の相伴わないのと同様に,材業休政の革新
も,漸く基礎の大綱が整備の緒についたばかりで,その内容に到っては,旧態依然たるも
のが少〈ない。否寧ろ,やムもすれば,逆行的現象すら起り勝ちな情勢にあることを,否
定し得ない現状である。今後,新進柴田長官時代に蛎望さる』ところ,洵に大なるものが
’
ある脈以である。
蹴って,わが職域団体の行き方について見れば,いつも輿論に基き時代に魁けて,職域
の進路に対し,公正なる指針を示すべき課題が,第一に要求される。また輿論を喚起して
現業に即した改善方案を具体化する課題を,第二に要求される。而して最後に,実施業絞
について,謙虚にじて厳正なる反省と批判をなすべき課題が要求されるのである。而し
て,これ等の三つの林業林政課題に対する答は,いうまでもなく,科学と技術を根低とし
た,ホ厩武製なる要素から割り出されなければならぬところに,本協会の大いなる使命が
あるのである。
現在,林業林政の内部問題,対外問題について,我盈のなすべき仕事は,細大に亘り数
限りもなく存在する。我糞は,我盈の持つ協会の性格を活かし,実のある一つ一つの内容
を形作って,これ等の問題を解決することに,会員の一人一人が努力すると共に,それが
集積されて,職域の輿論として,協会の自力で押し出さねばならない貴い使命を痛感せざ
るを得ない。
会齢30年は,敢て誇るに足らないのである。ただ30年間に蓄積された,血縁の深い
後続林業家同人が,逐次新らしい生命を澗して,恒久の若さと発展を約束しているところ
に,他を侍まない本協会の自力があることを誇りとしなければならない。この自力があっ
てこそ,広い他部門,諸団体と緊密なる連繋を保ちながら,自主性のある使命の推進を図
り得るものであることを確信する。
この自力の上に立って,本協会の発展を祀禰し,希望に満ちて,益掩多事多端なるIW11
28年を迎えたいことを希願し,逢年の言蕊としたい。
(27.12.10松川稿)
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治山治水事業の傾向
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明治大正の治山治水事業
民間には,砂防工として一殿に通用している治山治水
の壮事ほ,相当古い歴史をもっているが′明治10年
頃,淀川の上流域に内務省が砂防を西欧の技術者を傭
い,その指導のもとに始迩たのが大体,近代的な治山と
いえよう。明治30年に砂防法力制定され’各府県Z嘩
く,その使用材料は他の土木工事例えば,鉄道や道路橘
梁工事のように,高価なものを使う事はまずセメン以外
にはない。而も錨軋現地調達の容易なも・のを以てするの
されるようになった。
が原則であることは,その性絡上やむを得ぬ。
明治40年に,現行前の森林法の施行と共に′保安林
この当時の砂防工法を概観すると,道路工事の割取
の扱いが明確に規正され'次垂明治妃年の全国的水害
り,斜面の保全方法,或は盛土箇所の生留法などを取り
入れ輻ような点が少くない。石堰堤工といえども,I空積
たのが,確か明治44年であり’第]・期森林治水事業の
が普通で石垣の体成したものに過ぎず,土堰堤の水通し
25ケ年継縦事業がこの年の議会を通過し, こふに荒廃
張石の如き,間知石な使用するものは稀で,玉石張が多
林野の復旧事業が’大きくクローズアップしたのであ
る。
砂防法の出来た当時は′大体関西′近畿,中国とル、つ
た地方の,多くは禿儲地の復旧がその目標であったよう
である。従って砂防工法も′今日の砂防とは鏡摸も施行
エー
更に治山に関する仕事は一般に,山や溪の自然を対象
とし,施行塵域が広範に亘り地理的に不便な現埴が多
業主体:となり,国庫の補助に依り禿山に砂防錨に施行
に刺鱗されて,荒廃地復旧事業の補助規則が公布になっ
I
このよう'な経路をたどりつ上,当時の我国内物価は安
く,労銀も極めて低かったことは一面公共性の強い治山
事業の進展に好都合といえる。
方法も異なるものがあり,林野の地盤保護工事というた
ものとよく似ておったとみてよい。
のものが上等の方であった。然し空穣石堰堤は,さすが
にボリュームのある野面石を多く用い,間知石と雛も相
当控のあるものを穫人だものである。従って,石工侭現
在の者より,はるかに按捕は健秀であった。石堰堤の前
法Ok詞は1割から1割2分僅裏法(水詞も大鯨
殊にある県の如きは′溪流工事に士娠堤を主とし’時
に溜池を兼淑て話つた。この蕊は今日から考えると,そ
の利用に於て一歩前進していたといえよう。従って空
穣,石謹堤工は’診らしくもあり’重寮な渓間工事であ
つな。地方によっては,禿山の復旧工事が砂防工の総て
であると心得て誇ったものも少<なかった。明治43年
の大水害以後は,内務省直轄砂防が,重要河川に指定さ
れるようになり’山梨県にある富士川上流釜無川の直轄
砂防の如きは‘規模も愈為充実し’大正5年の施工堪堤
はコンクリートの高さ加米といわれた代物であった。
然しこれは水源山林の状態が,関西地方の禿山とは全舜
異なるばかりでなく’中央の直轄工事であり’土石流の
激し、撰間に専ら実施されたものである。
--
(筆者)神奈川県治山治水協会
く,而も石灰に粘土詮混じ叩き固めたものを裏込珍膠鋳
材.とし,表面にモルタルを僅に塗って目地を酸した程度
似たようなもので,唯中詰め石は玉石或低割栗であっ
て,俗にあんこ詰めといわれたものが多かった。従って
是等の工種は,流域の広い支流に出水時,濁流潜盈とい
うよう睡処えは,当然危険を伴う覚悟を要する。
或嬢下で,出水時一たまりもなく,土堰堤は勿論,空
穂石堰堤迄押し流されたというと淘に不思議に聴える
が,跡形なく潰滅し去った例がある。こ上で一寸附加え
ておきたい事は,現在の練積石堰堤でさえ,洪水には往
往,破壊し去られる種はないかと反問されるでしょう。
洞に御もっともだが,前例のは流されたが,崩れ去った
という形容が出来るのであり,一時的の豪雨出水に堪え
られなかったのであった。それなら,当時の現場監督者
はといえば,甚だ失礼籏話ですが,工夫に毛の生えたほ
どの人達が多かった。以上幟土木方面の砂防壱,一般的
----1-----.
〆
関口:治山治水事業の傾向
に砂防技術者は軽視されていたよ5である。林業方面で
渉なかった県はなか患ったであろうことL,先生の講義を
もその傾向は無論あって,吾為が現場監督として駐在を
学校か講習会で一度は必ず聴かされた者が,一番多く震
災砂防に従事したからである。即ち計画に於て,比較的
低堪提な「シリーズ」に,恰も測鍾のように連続施行
命ぜられた大正年代の初あは,砂防監督といえば,やす
っぽく見えたし事実冷遇されておった。
大正の初期に至って,諸戸先生が西欧から帰朝され,
し,成るべく孤立堰堤を避け,山腹工事に練積石穂や水
帝大農学部で砂防の講義詮するようになり,学生を連れ
愛知県下に砂防の実習をやり或は,各果の工事を見学
路工を設定,法切後の地形は雨条潅の出来る事を防ぐよ
し,色燕批判もし指導も実地に剛してやられたので,大
心を払うなど,当然ではあるが山腹斜面表土の侵蝕移動
いに改善されて来た。
諸戸先生は当初,溪流工事殊に堰堤工に力点をおい
て,、その水表法堂直に,水褒法2分~3分に縮められ
麹恐れ,安全第一主義を採ったものである。従って当時
は国力の関係もあるが,工菱の多撫より工事の破壊を最
た。無論これは理論的に戯水路を落下する水勢が,堰堤
の法面を打ち或は摩擦を生ぜしめぬ最小限の法である。
而も堤体も薄いと評された程極度に体穣を少<したもの
で,例としては東京都下西多摩郡氷川村寺地に,大正
7,8年頃施工したものが今日ある筈である。空穣は原
則としで,同大の石を以て獄む。出来れば布穣みとした
いといわれ,前述した中あんは嫌った。練積を主とし,
基礎に岩盤ある箇所詮,妙くとも計画溪流の蕊点に設置
する堰堤は,必ず岩の基盤を索めたものでなくてはなら
ぬものとされた。やむなき箇所には,誠豊堤,水叩,側
壁等を併設するなど,専ら力学的検討を加えたものであ
一方内務省系統の砂防工は,益割々高堰堤に進み,山腹
工事は石とセメントを以て斜面を覆うの感あ藤計画ぶり
であった。この傾向ほ土木的工法を主体とする,所謂河
った。禿緒地の野溪に一級編柵Iこ包柴工を俳用宙埋没
土留に石餓谷止を加え,瀧工事に鉄線蛇籠を使溌する
等,概して従来より洩雑化した。当時諮戸式砂防工法と
して,全国的に砂防への改革と発展に寄与したものであ
る。
う水鵬と階段に叉法切土の流出を極度に抑える工法に苦
も恐れたものである。
川砂防としては当然であろう。
、
元内務省系統の砂防が,漢間工事潅重点をおいたのは
内務,農林の協定以後藩し<なったと考えられる。大正
年代の関西地方禿山の復旧には,山腹工事即ち筋工,積
苗工零値生を以て元の山へかえ、す工法を主体とするもの
の内には,内務系砂防種施行したものがある。愛知果下
の当時の砂防は殆ど土木砂防であった。
維戦後の治山治水事業
第二次大戦中は,砂防事業の殆ど省みられなかった事
ほこ上に述べる葦でもない。
終戦前後殊に置農,風水害の連続発生にこの儲放置す
れば戦禍以上に国士の荒廃を招き,真に再起出来ぬ事に
なろうとも限らぬ。戦時中の河11堰堤の修理放棄,森赫
關東大震災後の治山治水事業
関東震災を契機とし,神詞1l県を中心に静岡,山梨底
どの工法が可なりか劇つったように考えられる。震災に因
る荒廃地は,単に水害だけによる荒廃とその性緒に相違
がある;崩壊が複雑であり,山腹山頂の区別なく亀裂と
乱伐の崇り等惟ふ時,治山治水は一刻も猶予はならぬと
いう声が,国民の間には勿論為政家を刺戦し,緑化運
動だ,砂防だ,造林だと全国一斉の叫びとなったのであ
る。
ところが,その当時はまだ物擬の欠乏に伴う物価,労
銀の昂騰は容易に見透しがつ力餅ず,治山にも治水にも,
崩オI坊報来,一度強雨に会えば,一たまりもなく大崩壊
を生じ,漢間には崩土力錐穂し,流水に押し出される危、 充分手が延びぬばかりか,戦後占領政策に縛られた面も
あり,当局は苦心惨鱈たるものがあった。
険を鴬に孕んでいる。従って砂防工法も高度の技術を要
然し追燕国内事情も落ちつき,物資の田廻わりと共
するのは当然といえる。当時内務省の直轄砂防ガ輔奈川
艇,物価,労銀も安定に近ずいて采つ異あったのと,昭
果及静岡県下に開始され,何れも高堰堤を以て鯵しぃ土
和22年以降,カズリン,アイオンなどの鴎風被害に,
砂を抑止しようと企画されたものが多く,農林省関係の
治山治水の本絡実施が芽をふくようになったのである。
仕蕊とは,雛力端趣、であった。然し荒廃林地の復旧
鴎風被害は,河11下流域の汎濫が必ず伴うし,山崩れ,
工事と雛も神奈川県の如きは,渓流工事に莫大な経費を
注ぎ込入だものであり,勿論山林復旧に主眼詮おいた事. 土砂流出は,勿論つきものであり,治山施設と河川工事
の因果的関係を強調すれば,必然治水計画に,一貫性を
はい5迄もないが,各小麦漢に対し相当大な堰堤を築設
見出す事になる。こ》”観建設省の弓部で騒ぐ,砂防と
し,土木部の砂防と問題蓮起した例も再盈あった。
治山施設事業の一本化と,河川行政への統一問題化とな
震災地の砂防に諸戸式が非常に影響したというのは,
恐く震災関係地の砂防で,先生の調査計画或は指導を仰
る。一応筋の通yつた理論であろう。この理窟の可否は読
-2-
一
--
関口:治山治水事業の傾向
んでいると誤解されそうな場面もある。是等は恐く例外
であろうが,地元民にとっては同じ金を投ずるなら,み
土
なの最も喜ぶ方が良いにきまっている。これも一面無理
の定い事で,物価,労銀のべらぼうに高い今日,山の中
の佳事より,材料の採集運殻に機械の利用も容易であ
り,請負にもかけ易い,叉監督も楽であるというと失礼
だが行届くわけである。第二に従来,砂防屋さんの余り
好まぬ山腹工事,換言すれば,水草芝使う工事は近頃殆
ど忌避しているようである。海に総購な話で,雪って昭
和の初め,内務,農林両省の話合いから〃閣議にまで登
hllfも
った施工箇所の協定事項を今日守り出した事になったの
である。然し以上述べた,土木砂防が下流に下ったとい
T一日
う事は,どこ迄も例外であろうが,他面河川工事が,近
来下流の敦{鍾含事が少くなって,上流へ登って来た事
も,改修より修繕工嘉が多く,勢ひ手力麺はりかねて,
砂防に協力を索めた為かも知れぬ同もあるようだ。
農林関係の治山事業はどうであろう? これは叉時代
ぱなれというか,土木砂防と正に反対,山腹斜面の樹じ
に重点をおき,土木的工法を大に抹殺しようと企て入い
る。
《l』
昔に還って造林第一主義でゆこう,施工は造林の地栫
|
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者やその立場々為の方為の判断に委巷る外ないが,最近
の土木砂防が如何にもこの思想を蓄影とした表われの如
くに,"1I工事に順応したというか相呼応して,河II=
事に結ばれるような計画工法を採りつ上進入でいる傾向
が鏡がはれる,というより砂院工が河)II工事に坊佛たる
工事を敢て実行しているかに見える。というのは,第一
砂防の施行箇所が灘i蝿,部落に接近し,河1Iでやりた
いが手が届かぬ地域に砂防工事ヵ誼って,床固工,水制
工,護岸工を築設し更に,堰堤迄築くような処左態為撰
事は可及的避けて,石やセメントの仕辨以外は余り施行
せぬ。
治山施行の方他態々山深く入り込んで,一切金のか
かる土木的施設ば省略せよ,そして牛や豚の飼料木草を
植えろ,1,2年で全山面目一新,禿山は日本に縦皆無
となる筈,というこれ翼の治山である。
この通りゆけば,治山技術者諸君は紗<とも今後5年
以内喧皆失業?
以上多少極端な筆法のようだが,自然の傾向であり叉
時代感覚の発露ともいえぬ事はない我国戦後の推移とも
見られ,或は前からこうなる潜在意識が斯界に隠されて
いたともいえよう。そして今日社会的強い暗示に会う
て,目覚めたのかも知れん。
前にも触れたが,治山治水事業は,明治30年頃から
遥為本格化して,今日迄約50余年の間に,その功績も
俸大であったが,全国的に荒廃林野が決して少<なった
とは言い切れぬ。これにはいろいろ理由もある5が,一
国の興亡を賭しで仲裁のない戦争に,文化国家間で10
年近くも争うた事実は,勝敗を別としても,国力の消耗
jま最大である。その誌果国土の荒れるのは当然といわね
ばならぬ。
而も一地方にせよ。関東大震災という災害の数ある内
でも特例な損失を残しており,更に連年殆ど毒期的とも
いえる腿風来には,累進的に国土の荒廃を招き,如何に
国民が努力しても,山割IIの復旧にプラス喬蝉に持ち込
む事は容易ではない。
災害復旧には山や川だけでは決してない筈だ。だが富
民としては,政府の人達は一体どんな計画詮樹立して治
山治水事業を進めているのが,禿山も崩れ山も減ってゆ
く穣子が見えないで健ないかと,詰め寄りたくもなる。
ヘに過ぎぬと主張して,藤々法劉抜き,,階段工は点線的
だ,水路も無用,全面植樹だ更iこ飼料木草を植えろ,奇
蹟の草詮輸入したからどこでも使え,真冬でも雪の中で
も育つ,斜面混播も大いにやれと,矢継ぎ早に実に寸時
も許さぬ敦善振り?旧工法解溝?を宣伝しているよう
そこで,おきまりの予算弥堤りないとばかり逃げておる
わけにもゆかぬ。しかも,最近の財政状態は,再軍備
侭。これ叉結繕で,土木との予約実行に忠実といえる。
でまず,従来の企画施行法を根本的に反省して,今後の
施策に対し考慮すべき社会事情や技術経済面を大観して
無論従来と比較すれば,一大飛躍で経費は恐く元の10分
1位ですむ。余計な無駄金は使わず皆減税に廻わぜぱ,
これ位国民の喜墓事は水害防止など及姦処にあらずだ。
要するに,山の緑化は10年20年待つ喪はない。本
年施行j-れぱ,来年は直ぐ塗山青くなるb禿山など数年
といでずして,至る処青山とな・るわけ,真に有難い御宣
託であるよ。とんだ余談になったが,結論はこうだ。
土木砂防は下流に下り,高堰堤は昔の通りだが""1I
工瑠に接近し,床固め,謹岸,永制に善りっふ,山腹工
だ,社会保証滝或は国俊処理など幾多解決問題を控え
て,愈盈治山治水事業の将来に影響す‐る問題が少くない
ので,必然治山事業再検討に突き当るき,けである。そこ
みよ5.
1使用材料ガ馳方的に制約左受Iヲ物価労銀が必ずし
も低下せぬ。
2労銀勃郵会田舎の差が均等化されている。
3労働能率が労銀にマッチしない。
4人権尊重,自由平等の立前から,労務者の生活保
証,傷害保険などから従業時間に制陶鋤<加えられて
いる。
・---3--
関口:治山治水事業の傾向
5治山施設地域は地理的に,且つ笂象条件の異なる
に従い撰賊力の応用が困難であり,人力にたよる仕事で
危険も少くない。
6地質,諺,植生と多方面の自然科学の応用に侯
つ処力琴く,技術の根本的準力溶易でない。
7現地指導の上級技術者が黍足している。
以上のような事の外,一殻失業労働者だこの仕事に従
事せしむる事の困難性など考えられるが,工法の簡易
化,従って工費の節約も劃期的な工法が発見されぬ限
り,自然相手の佳事であるから,効果を期待する事は容
易でない。治山の内這も禿山に対しては,土地の生産力
改良も問題であろう。
このような事情からして,まず工擬の節約とい5事が
第一に考えられるが,安かろう悪かろ5としくう古い言い
草だが,良L、工法は金ばかりの問題ではない。節約ガ魍
琴ると却って大きな損失を招くもので,最適直生利用左
極度に推進しているのも,一面の実情を語るものであろ
う。殊に禿山や崩れ地の復旧はj最終目的は,土壌の侵
蝕消耗を防止1植生に依り表土の移動を好く,互に,土
地の生産力に転化し得る条件を備えしむるにあるので,
土地の改善の為肥料木證利用す議事も勤められるので
あろう。これには次のような事勧等人でくる。
1植生の共存共栄を利用し,地力の改良と共に早急
林地化も計る。
2先ず山腹斜面詮地被物で被覆し,風化侵蝕を防止
‐
4風力,霜柱の害は樹木の生育を害し表土の移動を
容易にするから,この予防方法は刻下の急務といえる。
以上は山復工事に関する当面のことであるが,一方,,
溪流工事については,変ムにより流土を溜めるだけでは
効果の全部ではな、、。
水勢を調節し河床侵蝕の綬和,出来得れば,濯慨水引
用に利用されLば効能が殖えるわけだ。この考え方は耕
地部落に接近する箇所左,ダムサイドとして選択する理
由ともなる。従来の筒堰堤設蔽腱は幾多の欠陥が伴う事
が最近問題となっている。即ち高堰堤施工箇所を区画点
として,上流は当然河卿糊逢し河幅が拡大され,新た
な河岸となった脆弱地点が侵蝕を受ける。下流は一時鮒
にもせよ,著しく河床の低下洗掘が行われ,殊に堰堤法
先の洗掘は堰堤自体を危険に噸らす恐れがある。従って
下流に副堰堤更に,床固を次燕に設置せればならX副場合
が銘きる。こ郡ら詮約言すれば,上流には新たな横侵蝕
力轤叢り,下流には縦侵蝕が行われる結果,余程慎重に
酉
ダムのサイドを考えねばならぬことになる。
何れにせよ,山腹工事,溪流工事,夫冷治山治水蒙業
には一方だけでは済まされぬ。両者@噸されて完全な仕
事となる場合力琴いので,山地砂防と呼び”河川砂防と
い上,結局治山治水という事業の一部である事に相違は
ない。近代科学の進むに従い,幾多の暗示と応用が当然
■
生まれ,技術的に,経済的にこの大自然と闘い或除和合
して,人間の智能と自然の力との理解と調和によって、
治山治水の新しし面勵湧拓さる事と信ずるものである。
する簡易な方法を考える。
3地力恢復には施肥も充分考慮する・
ノ
(1項よりつ麓<)
=
KA,U. S.Dept. ofAgri., ForestService,.
地区の木材は払下げられない。
⑥バルブ材は,「立方B尺」で取引される。百立方沢
WaShingmn,1940.,
3. ByG.H.Col1ingwwood&WarrenD.Bmsh,
は爽材職で約1コード(COm)に当る。
(か立木価絡は規則的な期間をおいて調整され,その
KNOWINGYOURTREES,May, 1949.New-
地方に於ける同種の木材の栩場に適合する識に漸次改訂
される。当初の立米価綴,即ち落札価綴ほ,操業開始の
5ケ年間はその価緒で処理されるけれどもその後は東南
Ymk、
アラスカに於ける立木稲場に従って,それに適合する糠
SoutheastemAIaSkaiU.S・MiChigan, 1936.
4.WeStneld,R.H.,APPLIEDSnjVICUL=
TUREINTHEUNITEDSTA虹、ED,396pp,矛
に,5年毎に改訂される。この穣に捧終発生さ熟るかも
5. RaymondF.Tayler&EIbertL・ Tzittle・
しれない様な立木価絡の変動に対し保護謀与えられてい
JR.,POCKET、 UIDETOALASKATREES"
る。
AgriculturehandbookNo. 5,U. S. Dept. of
Agri.,WaShingtonD.C.Jime,1950_
参考資料一一詳細は次の文献によられたい。
6.国紫パルプ木材部訳刊「アラスカ‘の森繩,
1.THEFORESTSOFALASKA, JUly1,
1944。U.S・Dept・ofAgricultine,F6restService,
AJaSkaRegion.
2_
TONGASSNA江、IONALFGREST,ALAS-
(合衆国山科局),昭和26年7月.
7.森満渋源総合対策協議会「アラスカの森制潔
発」斌総協調盗No.10,昭和27年6月.
----4.--一
松あるが故にこの様になったと論ずるのは当を得ていな
…
1戸E妾寺毒五
=壷=
、=一一
於ては赤松の幼樹中に肥料木を植栽するのも一つの方法
まり深くならない横断溝を所舞に掘り雨水の鯵透を計れ
ば,落葉は勿論,菌糸網層も腐掴Iーリーるさ此の地方の赤
松林は松茸の産地であるが,林内で外来客が松茸左癖
すると,菌糸網煽の部を掻起す為,翌年より松茸は出来
渡部芳夫
畠
外には2,3の肥料木を除き経済林としての成林は出来
ないからである。それ・種此の様な降雨量の少ない地方に
であるが,5年乃至8年おきに林内を掻起し,或は又あ
赤松は果して
亡國樹か
~ヘーー
い。即ち降雨量の少い地方は天然或は人工を道じ,松以
なくなるので山林所有者は外来客の称内採取を嫌ってい
…亟函JnPげ部…凶ローC周一.
る。これは菌糸網層の掻起しにより雨水力靴下謬透し落
葉は勿論菌糸網層まで獄直し土地を肥沃にするからであ
はしがき
ると思う。億本蝦では降雨量1800粍以上の所では松茸
全
I
かつて故本多博士が沸錘亡国論を発表され,近くは倉
は出来ないのであり雷;-b
田博士が赤樫国撒亡ぼすと論じて居られるので,当愛媛
・ 土壌湿度と土壌型
県地方の造林者間に於て赤掻造林を排斥ずるもの力診く
なった。然し中には,どうしても赤松でなくてはいけな
最近土匪型により造林樹種を選定する事が提唱されて
いという造林者も少なくない。倉田博士の説は”肥沃地
いるが,この土壌型は土壌湿度住として降雨量)によ’
に於ては,.プザリウム苗の為若苗が柚死し,成赫せずヤ
セ地に生育し,その極の根や落葉は更に土地を悪くする
L
Q
り少くとも60%は左右される様であるから,出来得る
性質をもって居るから,赤松は亡国樹であるといわれて
限り工夫して林内に於ては雨水の地下謬透を計る擬b掛
けるべきであると思う。特に赤松林内に於ては然りであ
居ります。然し私にほ成程とはいい切れないものがあり
る。然し地蓮のおそれある所では別問題である。赤松林
ます。これについて忍の小さな意見を述べて先輩の御批
の林内光線は他樹種より多いから降雨量の多い程種為の
雑木が生育しているが,これは田来る丈主伐前まで伐ら
判を仰ぎたい。
ない方が,雨水の地下謬透がよい様である。
降雨量と赤松
赤松が土地を癖悪化するという理由はその外生苗根に
よる菌糸網層の為雨水の地下彦透をさまたげる為土地の
乾燥により癖悪化し,更に荒廃地となるから亡国樹であ
降雨量の少ない所では松林中にシダ類が繁茂している
が,これは雨水の謬透を計る為に行う掻起しの時は,必
要に応じて刈挑な行うがよいと思う。
地ヌーり防止に赤松
るといわれるのであるが,然し年間降雨量1800粍以上
卓I‐『
の地方では,雨水の一部は地下鯵透し,落葉を腐植し,
更に一部の苗糸網層さえも腐植する為落葉の多い赤松林
地は他樹種より肥沃地となり樹木の成長も雛んである。
例を挙げれば,愛媛県北宇和郡御楓村所在衆有林(年
間降雨量1800粍乃至2000M30幾年が前迄は,萱
生地で毎年火入を行っていたのであるが,其の後萱の生
長も悪くなったので中腹以下は桧の人工植栽をし,中腹
以上は放置した為赤松林となり,繪林の方は,現在間伐
を行っている程度であるのに赤松林の方は既に主伐を行
い勤地の大部分は杉或いば桧を人工植栽せねば天然更新
では,プザリウム菌の為,赤掻は成林しなL、程に肥沃地
-lh乍年愛媛県宇騨鰯i立村(陶詞獄1800粍乃至2000
細で地蓮がありその原因は土製深度の深い傾斜地を開
墾した為雨水力靴下彦透し基岩と土壌の接剛価を流下し
地迂りの原因となったという事が新聞紙上に報道された
が,此の様な土地には松を播種して雨水の謬透を防止す
ると共に溌恨性を矛堀して土壊の緊結を計り地蓮りの予
防をする必要があると思う。愛媛県に於ける地蓮りは,月
間降雨量700粍以上になると目立つく地之りを始める瀧
それ以下の所に於ては地還りは殆んど目立たないと昨年
9月頃の新聞紙上に出て居た位である。
土讓型と赤樫
となっている。
次に愛媛采越智郡管内(年間降雨量1100粍乃至型00
箱は降雨鐘酋鍾媛県でも最も少ない所で,従って涛悪
林地並に荒廃地力琲常に多く・赤松林地も又多い。然し赤
(筆者)愛媛采技師
同じ土地に杉,桧,松の生育している所を土壌型と夫
夫の生育状態を調査した所,次表の通りで此の穣な土壌
型を簡単に申し議すと降雨量1500粍以下の所では赤松
の生長が絶対であります。
---‐5---
L
0
、
●
詞謝副鯉
が
m
l9
15
13.5
鯵
1
5
95
●
1
以上は赤磯は少くとも亡国樹でないとい5意見を述べ
たのであります鋤蒜松林は不安定林であり,我盈林業に
て居り,パルプ原料としての赤扱の需要は前途洋灸たる
維琴するもの上理想ではないという事はい5迄もありま
ものがあるといえる。更に叉伐期物蘋1,、為,黄金の回収
せんが,現在の様な山沫伏況ではどうしても天然下種或
め早い点及び造林蕊勧燕価である点労轍迎されるのであ
いは播種造休による週休樹種として,現在及び将来を通
ろうと思う。
じ,赤綴は大きな存在ではなかろうか。
古書
’
ー
び
けれども,松山市に於げる市場佃陥が700円台を維持し
赤松の立木価滞は最近繊維製品の下落により下落した
』
《名
一
|鱈、8|喝皿”
一・m79“ぬ叩ゞ”5
材積
●0
の白‐
●●0
◆●
2●
0
0。I
1
10
10
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l
す
立木
樹高
j
む
赤松の経済的価値
--■=
嘩
糯年錬“坐釦如如釦⑩
篭一
罐腎杉繩檜燕聯杉燕噂檜
の
落
嬬皿鏑
乾
5ゞ
0
土一的坪り
湿
乾
癖%一
方
一i
壌搾》‐密泓》
各土壌型上に生立する松杉桧の生長状況
俸慎一蕊”帳
I繰
・位函b
西西東
渡辺:赤松は果して亡国樹か
口
斡旋
○下記は会員其他の委託品価絡で,御註文に対し本会は送料の外斡旋手数料として其の一割を申受けます。
円
秋田営林局管内天然生林の施業に就て"15)
180
高知営林局バーデン国に於ける喬林の撫育
及び更新に関する指針(昭4)
120
関谷文彦木材強弱論(昭22)
山林局ベニヤ板に関する調査(昭'')
三浦伊八郎熱帯林業(昭'9)
森三郎南方の木材林業(昭'9)
東大演習林,台湾に生育すべき熱帯林木調査
(薬木香木類の2)
渡辺帛尾日本の林業(昭5)
薗部一郎林業政策(上)
(昭'7)
京京営林局恒続林思想(昭2)
20O
大崎六郎山林の樺理(昭23)
〃
森林の生理(昭5)
藤島信太郎造林学(昭7)
中村賢太郎造林学随想(正競)
(昭22)
青森営林局管内に於ける造林事業(昭10)
1000
鰹400
650
200
200
伊藤馨訳北中部ドイツ,ブナ林の研究(昭13) 220
東京営林局我国高山林に対す-る造$柏勺取扱(昭12)100
吉田正男理論森林経理学(昭18)
250
|植村恒三郎林価算法及び林業較利学(明44)
180
|中島広吉林価騨法延び森林較利学問題解義
1内国清之助烏学講座(昭25)
250
150
1内田・下村原色鳥類図譜(昭nj
仙林局四十雀類の食性に関する調査成績
|柴田栄吉最新田畑山林実地測量法(昭12)
350
,50
120
i壼辮譲購蕊畿蝉雷《鵬叫:::
島田錦蔵林業簿記及び収益評定論(昭9)
植私健木材商業(昭12)
上原敬二林業の経営(大9)
山泳叙情(昭'8)
〃
山本徳三郎山の幸(大'0)
大日本山株会木材と建築(大理)
須永欣夫森林組合行脚(昭'8)
玉利長助造林業務提要(昭'6)
三浦伊八郎林業実習(昭8)
渡辺福寿日本樹木害虫総目録(昭理)
杉本順一日本産総樹木検索表(昭n)
-6-
、
1
,易1
菱’
300’
300600
60
120
500
180
120
100
60
150
150
郵0
1700
3500
《.ja唾
鏑木徳二森林立地学(昭3)
アラスカの森林と樹類
翁‘、へ'、'、~-2--へへ'.、-′
蓮。
…一t
函J-Gzz-JrWESTERNHEMLOCK(Tsuga
この樹種は別名WESTERNCOASTHEMLOCK,
今,I
よく成長して居り, その樹高の4分の3は太1,,枝も少
詮含有している。
ウエスタン・ヘム戸ツクの立木藷は,合衆国(ワシ
ア,アイダホ,モンタナ諸州から鴬雁洋岸に沿ってアラ
ントン,オレゴン各州)で約970億ボード。フィート,
スカのプリンス・ウイリアム・サウンドまで約千哩にわ
アラスカに於ては約600億ボード・フィートと推測さ
たり,“高6,000眼のところまで分布して居り, 一
れている。
の南面の涼しく水分の多い土地に最も、よく坐育してい
る。職摘は100年生で130~150眼,直経17~21吋位と
■
一一詞L-アーー
PACIFICHEMLOCKとも云われ,南はカリフオルニ
殻には1,500~3,500沢の濤弛に,特にカスケード山脈
L
隆
く,殆ど欠点がない。筒この樹の樹皮は多鍵のタンニン
hetemphylla(Rafinesque)Sargent)
■
藤
一一君津司垂睦誇庵壼一己Q=唾、g三匡亙両匡一一二回認一声一合
Fr-G"-JrMOUNTAINHEMLOCK(Tsuga
mertensiana(Bongard)Sargent)
この樹種は合衆国ではカリフォルニア,オレゴン,ワ
なり,500年以上にも壁青する。樹は枝が少<,耐陰性
シントン各州の海抜高5千沢以上1万1千次のとこるに
で湿った低地にもよく育って居り,アラスカに於ける沿
亘り分布しているが,燕宥アラスカに於ては水際から4
岸林のrmMLOCKSPRUCE林はその、7割がこのヘム
ロックから成り,捜矯100~150DR,直径2~4脚こな
千沢までのところに分布し, プリンス.ウイリアム・
サウンド, クツク湾に最もよく坐青している。別名を
るものがある。
アラスカのウエスタン・ヘムロツクは比較的小琵材で
ALPINEHEMLO",BLACK宜EMLOCKとも呼ぱ
れている。
あるため主としてパルプ及び紙を蕊萱する原料として重
職奇は一般に30~60沢,直径10~20吋で,ウイリ
露見されている。ヘムロツクは亜硫酸バルブの原木とし
て,叉機械パルプ浦として最も摩なものの一ぷつであ
アム.サウンド地区では時にm0~ユ20沢の職槁に達す
るものがある。高地ではアルパイン.ファ←(ALPINE
る。譜漬.戸ンビア,ワシントン,オレゴンの各州に於
FIR),アルパイン・ラーチ(ALPmELARCH)と混
《過]
ける諏流酸パルプ工場や新聞用紙製造工場では,他の樹、交し,低地ではロッヂ鱸-ル・パイン,ホワイト・スプ
極よりも-ムロツク材力罐も多く侭つれているというこ
ルースと共に生育している。
とはその質がよく且蝿而であるためである。
材は気乾材で1立方眼33ポンド。枕木,キヤピネツ
スプルースがアラスカ地方に於ける最も主要な製材用
ト等に地方的に利用されている程度である。
材である漆,ヘムロツクも漸次その量を増して伐採され
RPseudo鱈hgataxifolia (Poir)BrinOn即ち
てきて居り,緊質なる床板や甲板用材,叉は枕木,坑
DOUGLASFIRはアラスカには分布して鏥らず,錘隼
木,籟材,塞蕊材.,橋梁材及び埠頭用杭材として利用さ. 前シトカに権哉されたけれども生育きず,この識冨は英
れてきている。特に地方的には鐵項用材や漁拶用杭材と
して多く利用されている。撫叢用杭材としては,大俸
100~130沢の長さのものが使われる。
領コロンビアまでに限られて,ロッキー山脈腫最もよく
成長している。
D亙一通zz-Fzz-莚rALPINEFIRi(Abieslasid-
材は気誌材で1立方爽当29ポンド, EASTERN
HEMLOCKよりは重く,硬く,強いが,美しい通直な
フ錘で樹脂の少い材である。
caxPa, (HOoker)NUitall)
この職瀝の分布地域は, アリゾナ, ニユ戸.メキシ
.,.戸戯ラド,モンタナ,ワシントン,オレゴン及び英
ヘムロツクは直径3~4沢に菅通はなるが,大体この
領.戸ンビアの諸州から北部アラスカの北緯60度の地
地方の50%とい弓ものは直窪18~30吋,縦縞100~
型0爽で,禮涯が3呪以上にもなると大体寵蟻となり欠
点が生じ易くなってくる。しかし3沢以下の樹は織徽に
譜にまで及んでいる。アラスカに於ては,クパー河,ユ
一重ン河流域及びマツケンジ地区(MACKENZIE)に
坐育し,海抜高3,500沢からユ0,000沢のところにま
(筆者)赫野庁指導部計画課
で分布している。
----7.-一一
遠藤: アラスカの森林と樹類
-
-
一
一を作り,樹皮からはマット,戸一プ,バスケット等を
こり樹はあまり大きくはならず,あまり重要ではない
が,モミ属の中で北米に生育するものでは最も広く分布
している。一段漣へムロツク,スプルース,アスペン及
び他のモミ属の樹種と混生して居り・,普通,樹高は60~
90灰,宜琵]4~24吋であるが,最高五5呪の樹高,3
~5眼の直径にもな.り〆皿0~210年で直産10~20吋
作っている。獄節はペイント, ラッカー等の塗着がよ
く,叉グルーの職嘗もよい材である。
筒この樹は別名GIANTARBORVITAEとも呼ばれ
ている。
Brr-C"-LZrALASKACEDER(C"maecyparis
となる。
nootkatensis(D.Don)Spach)
材は節が少いけれども,耐久性に乏しく,地方的に
柱,及び薪材として侭つれている程庇である。気乾材で
れ,オレゴン,ワシントン及び舞演.”ソピァの2,000
この樹種はAIASKAYELLOWCEDARとも呼ば
沢以下のところに太平洋岸に沿って東南アラスカ,プリ
ンス・ウイリアム・サウンドにかけて分布している。
1立方眼21ポンド。
Dzr-Err-Fzz-K"SILVERFIR(Abiesama・
XPACIFICSILVERFIRとも云われ針紫の夢緬
力魂白色をなしているのでこの呼名がある。
ワシントン,オレゴン各州では千沢以上のところ,英
領。戸ソピア及びアラスカ地方で幟千沢以下の地帯に分
布し,東南アラスカで“(識56度の池或まで分布して
いる。一般に小群或は散在してヘムロツウ,スプルース
等と罐していろ。
材ば硬<なく,強く,材色は黄色で,乾燥時の割裂も
いるb
少い・叉BAT"DCYPRESSと共に耐久カガ鐙も強1,,
普通は樹高75眼,直径2沢であるが,南部では樹高
が200沢,涜径も3~5呪にまで成長する樹種である。
概して成長け遅く,直窪2眼になるのに200年詮要す
材である。1立方限当気乾材で31ポンド。屋趣,家
る。
れている。以前は13呪に玉伐って;丸太でパネル用材
一般に水はげめよいところに混交林をなし,低地でば
として,「ペイヒバ」の名で日本へも輪田されていた。
シトカ・スプルース,ウエスタン・ヘム戸ツクと,高地
シダー材の市場は現在のところ限られて居り,その取扱
ではアルパイン・フアー,アラスカ・シダー,ウエスタ
業者は丸太置場から商品価値のある材のみ選材して売買
ン・ラーチと混交している。種子は2~3年毎に羅漢
することを希望し・ている。
以上12種の針葉樹の外,アラスカにはJUnipefus風
育しない。
が2種ある。
材は気乾材で1立方沢当27ポンド。這蘂月紺,箱材
等に使われて居り,パルプ用材としても適当であるが,
ている。-Jtlniperus"2種。
まだ市場性が少い°
』
具&‘キャビネット,枕木,建築用材及び電柱簿に利用ざ ’
し,その莞葬率は極めて低く,穂剴は密林の下蔭では生
皇
《J
1
も
250年生で樹高80沢,蔵釜2へ8眼となり,枝を垂
れた樹型をなしている。雪',下った長b、枝ガ察しいので
園芸用としても利用されている。戊長は遅いが,長生す
る樹で,海抜高500~1,200次のところによく圭育して
bilis(Douglass)Forbes)
BzI-CJ〃鱗片状の常緑葉で々種子I蝉果に含まれ
①COMMONJUNIPER(uniperuscommunisL)
、
催U
、レ
ー
アラスカの各地に広く分布し,ベーリング海沿岸から
Bzz-CJz-LrWESTERNREDCEDAR(江、huia
カナダ及びニュー・フアンドランド,カリフォルニアの
plicataDonn)
諸州に及んで居り,叉北ヨーロッパやアジアにも分布生
この職腫はモンタブー,カリフォルニア諸州から謁頂コ
育している。
ロンビア,痢看アラスカ地帯にかげて分布し,北部では
②CREEPINGJUNIPER(JUniperushorizonialis
1艤高3,000限のところまで,南部は7,000爽の轆或
Moench)
にまで瑛んでいる。
アラスカ渥は〃ク六一河よりマツ〃-ンレー国轌園地
樹高は普通100~超0沢,蔵至3~6賑であるが,南
区,カナダからミネソタ,コロラド地方wこ黄G分布して
部では150~175沢,正軽5~8沢であるが,蔵至24~
いる。
40吋になるのに200~500年はがかる。 ホ琳壱はこの
A虹r広鶏裁演
樹は殆ど成長廷ず,スプルースやヘムロツクと混生して
アラスカに於ける主なる燐蕊樹類は次の如く分類きれ
小群ななして居り,郷、陰性の樹種である。
ている。
率.極ンビアに於ては最も毒蔓な材の一つであり,
製材,柱,杭丸太,箱澗及び船材に利用されている。土
人はこの樹でトーテム塔(TOTEM)をつくり,又カヌ
I
A"-Mr葉は広く扁平で互生している。落葉樹。種
子は果実に含む。
----8‐----‐
遠藤; アラスカの森林と樹類
YAKUTAノrWILLOW(SalixamnPlifO1iaCOv.)
A〃-MJ-Nr単葉。
4"-Mr-Nr-Or調丙の長さは1/2吋以下,葉緑
SALICACEAE,Willowfamilly(ヤナギ科)
蕊長1吋以下。蕊裏には灰毛と粗い網状蕊辰があ
る。業萸花序は成熟するにつ淑組となり,瀧果は長
この科に厨するものは2属。即ち,一般に広い葉をも
柄をもっている。
に鋸歯あり。冬芽は単一の鱗片につつまれる。
ち,樹I弱、のある冬茅をつけるPoplars,cOttonwOods,
Nr-OzI-Vri郵蕊詞ま細かい或は粗い鏡頴詮有し,
SAT」IX属とである。前渚の識花序は下にさがってい
(但しALDERはより短)。冬芽は3個以上の露片
SATJX風はアラスカの掌』域に亘り分布する代表的
扁平b
る。この属に含まれるものはアラスカには38種あり,
域まで分布してい愚。
樹は小さいので用材には適迂ず,・薪材とされる。若葉
tmmUloiaes
Mic".)
この樹種の分布地域侭,メキシコ,カリフォルニア,
ミヅリF-,ネブラスカ,ニュー・イングランドの詫洲か
ら北極圏の地帯にまで広く分布している。水はけのよい
砂賀土壌の南余緬によく坐育し,樹高は20~40沢とな
力輔ll鹿のために重要である。
or-Pz-Qr葉緑には墨郵から鐸臘部まで鋸歯があ
り,塾郡は丸味詮有し細長く,尖端は尖っている。
葉更2~5.吋である。PACIFICWILL0W(SaliX
lasianderBenth)
oI-Pr-Qzr葉縁には鋸歯を有し,基部も尖端部も
尖って居り,葉身短くI。、典3吋である。
LITTLE・TREEWILLOW(Salixarbusculoides
り,樹令80年以上のものは稀である。しかしロッキー
山脈歪は樹高100沢にも達するものがある。
気乾材は1立方沢当25ポンド。50年を過ぎると腐
朽して使えなくなる。パルプ用材及び縮材・等に利用され
てはいるが,龍讃的佃植は小さいものである。
筒,種子は風で搬ばれ,火災跡地の水気のある処に発
芽し,禰勧は擬也をよく罐する役目をなしている。
OIz-VZ-Whr葉ば2.5~5吋の長さで,鴻丙は扁
Andress)
Or-Pzr-Rr葉緑鋸歯なし,或は不明な鋸歯がある。
葉は倒卵形,倒披針形で尖端短く鋭角をなし,基部
量《
にゆくにつれ細くなっている
PZI-Rr-SI-Tr葉は厚く,白灰色のフエルト或は
!
Orr一噸r=Wr葉は丸く〃2吋以Tの長さで,蕊丙ば
QUAKINGASPEN (PopUlUs
のSPRUCEBIRCH林の下木として桜沐の坐育限界地
創
からなり,樹脂分を含んでいる。
樹種で,樹高は一般に2~6沢の爆小な潅木をなしてい
その外にその中間種,雑寵が多く奎育している。内陸林
■
葉長は幅の2倍以下で,麹閲の長さは1/2吋以_上
COTTONWOOD,ASPEN,POPLAR類
る。
ー
BEBBWILLOW(SaliXbebbianaSarg)
aspensを含めるPOPULUS属と,一般に細員、葉と
細長い枝とをもち,小鱗片で覆われた小さい冬芽をもつ
るが,鐸昔のそれは寧ろ上向き力域臓拡がって着いてい
桑
P』r-RZZ-U〃蕊は倒披針形,倒卵形或は糟円形で,
毛皮の様な裏面をなす。蕊葵花序(CATKINS)の
平である。
O"-Vr-WZz-Xz鎖果は尖って居り,識§なく,
2裂す-る。葉裏は緑或は識儀色。内崖祢に主として
分布している。
BALSAMPOPLAR(PopulustacamahacaMill)
O"-:V:r-Wrr-Xzr競果は丸く”毛を有し, 3"
長さ2~4吋。
FELT-LEAFWILLOW(Salixalaxensis(An-
する。葉裏は白い。沿岸林に主として分布してい
&ess)Cov.)
る。
P"--RI-S"-』r〃紫は厚く弾蕊は粗な峡白色の毛
皮の操であり,蒙奏花序は1~2吋・の長さである。
SCOULERWILLOW(SalixscoulerianaBarrad:)
P"-Rr-S互葉は薄く,雲は銀白色で,絹の標で
Tbn.&Gray)
O〃一VZr一zr蕊は粗らい鋭撞と尖った鋸歯との
重鋸歯詮有し,冬芽は樹脂分を含震ない。
BIRCHFAMILY,BETULACEAE(カバノキ科〉
あり,菜葵循序は細,々としている。
アラスカに於てこの科に属する代表的のものは次の2
SITKAWILLOW(SalixsitchensiSSanson)
Prr-盈亙一Ur葉は卵形,長さ1~2吋以上,若い時
は両菌に毛があるが段常毛がとれ患。華羨縦序は成
熟するにつれ密となる。湧果(CAPSULE)は短柄
潅もっている。
BLACKCOTTONWOOD(Populustrichocarpa
属である。
BIRCHS(BetUla属)
ALDERS(A1nus")
BIRCHSの樹皮はその肌漆滑らかで,赤味を袴ぴた
一---9 .---..
『
遠藤: アラスカ.の森林と樹類
白色或は撮色をなし,その樹皮は紙の橡に薄くはげる。
(シラカンバ周
L
THIN-LEAFALDER(AlnustanifoliaNutt)
Y"一種z-Z画一Crr翼蒙は奉色で,河菌,特に裏
ALDERSの樹皮も滑らかであるが,灰色をなし樹皮
は前者の如く紙の様には剥げない。小枝の尖端に硬く黒
い窪果をつげ,1年中残留している。(ハンノキ属)
叉,アラスカ・に於けるBIRCHSはPAPERBIRCH
は鋤がある。諜鶏は長く,尖った鋸歯をもってい
る。小堅果は2つの広い翅をもっている。
SITKAALDER(AIxmssimata(Reg)Rydh)
Yzr-rI-Zzz-c"rAMERICANGREENALDER
の変種や中間種で,綾少な潅木状をなしアラスカの各地
に分布している。
(A1nuscriSpa(Ait)Rursh)
yrr-さXzr葉縁侭淀型の鏡瀧を有し〃冬芽は柄なもた
O画一V"-YI--Zr翼鐙は重鋸歯をなし深く裂けて
ない。
いる。樹皮は赤味を椿ぴた白色或は揚色で紙の様に
薄く剥げる。
PAPERBIRCH(BetulapapyriferaMarch)
ROSEFAMILY,ROSACEAE(バラ科)
アラスカに於けるパラ科の繼鍾は約60種, 3属で,
殆ど潅木状(Shruborherb)をなしている。
別名WHITEBIRCH,CANOEBIRCHと呼1通1,,
AMELANCHIERg
MALUS"
ぱ心材部は赤膳色,〕醗摘Iは白く,比較的重く且函‘,。
SORBUS属
成長の遅い広溺鋤で,職摘は30~50眼,蔵至6~12吋
《‐裂
噸雄同株で,毬果は1~2吋で下向きについている。材
V"逼一Yzr-er葉は尖端が丸く,冬茅は柄が厳い。甘
になる。アラスカに於て調諭として最も雲であり,シ
トカ附近では地方的に坑木にも使はれているが, その
し、果実をつける。
PACmlCSERVICEBERRY
外,家具,キャビネット,ベニヤ,箱,糸巻等に利用さ
(Amelanchier
floridaLindl)
れている。筒この樹はアラスカから,東はカナダ,ニュ
Vzr一Xzr-err葉は短く尖って居り,時糎3裂す。
ー・フアンドランド,南はペンシルバニア,ミネソタ,
赤或は黄色の醜朱のある、リンゴ様の果実をつける。
コロラド,オレゴンの諸州にまで旗<分布している。
OREGONCRABAPPLE(Ma1usdiversifolia
V"-証:r-Zr-ar葉の塾郵は丸く,樹皮は赤繕色,
東南アラスカに分布している。
(Bong)Roem)
リ〆
Azr-Mz-N"葉は7~ユ7の礎からなる複鶏小
WESTERNPAPERBIRCH(Petulapapyrifera
葉は葉簡の両側に対生し,葉柄と共に朕籍する。冬
芽は燐片に毛があり,柄はない。花は多くの小花を
March,Var. cOmmutata)
V"-亜r-Zz-a"-br葉は長くその塾郵は一般に換
叢生し,赤い蕊果詮つける。
形に尖って居り,樹皮は白色。太平洋岸の南部の内
陸林腫分布す。
軍
MOUNTAINASH"
Mr-Nzz-fr小葉は中央より尖端部に鋸歯があり,
尖端部は丸味をもち,9~11(7~13)の小葉からな
っている。
VZI一rZ-・Zr-azz-bzr鶏弐短く且尖って居り,葉
SrI,KAMOU証、AINASH(Sorbus sitchensis
褒に毛があり,樹皮は癌褐色。東南アラスカ及び内
Roem)
陸林に分布している。
Mr-Nzr-f〃小葉は基部近くに鋸歯があって,短く
KENAIBIRCH(BettllapapyriferaMarch,var.
・尖って居り,9~17の"、葉からなっている。
var.kenaica)
EUROPEANMOUNTAINASH(Sorbus aucupariaL")
V〃-:Yr-ZローCr葉は波状の浅裂ななし,葉の表は
暗緑色樹皮は灰色の溌らかな脱である漆,紙の如く
fzrrGREENE,MOUNT,AINASH(Sorbusscopu
4■
linaGreene)
は剥げない。
Z〃-cr-dr葉裏の葉脈に沿って剛毛があり,葉緑は
frF SIBERIANMOUNTAINASH
の綱い翅をもっている。
(Sorbus
sambucifoliaRoem)
ややカールしている。小堅果(NOWrLETS)は2つ
AJr-Mr-NkIrBLACKHAWTHEN(CrataegUs
REDALDER(A1nusmbraBong)
donglasiiLindl)
Zrr-cr-dzz葉褒は細毛があるが擬して滑らかで,
A"-M"葉も枝も互生
葉縁は総平,小堅果には翅がない。
MAPLEFAMILY,ACERACEAE(カエデ科)
、
-10-
《P《】
ALASKA:PAPERBIRCH(Betulapapyrifera
M錘℃h,Var.humilis)
遠藤: アラスカの森林と樹類
Mzr-gZDOUGLASMAPLE
(Acer
東南アラスカの錘i積は22,738千エーカーであるが
glabrum
その内, 20,884千エーカーは1、ンガス国有称及びチユ
Torr.var.dougl"iiDipp.)
Mrr-g2BIG-IEAFMAPLE(Acermacrmhyllum
ガチ国有林が占めている。
Pursh)
トンガス国有林の面積は16,074千エーカーで,東南
Aェr-皿zzzDOGWOODFAMILY,CORANCEAE
アラスカの大部分を占めて居り,チユガチ国有林は,プ
(ミズキ科)
リンス・ウイリアム・サウンドの僻の謬諦地区を占
MzZra1REDOSIERDOGWOOD(Cmnussmlo-
め,4,810千エ声カーの面積を有している。
niferaMich"
トンガス国有林及びチユガチ国有林はユ902年から
1909年の間に公開されていた民有地から分轄され, 国
家と国民の利益のために国有地に鶏入されて,その管理
3痢宥アラスカの国有林
(1)森林の#鰯兄
と開発とが山林局の畷濟の下に
/"ア‐
灘号<Fラ
大部分力痢用可能な経済林で,
、
②
するために充分な施業が行われ
一一一
怨
¥
凶
A
より価値のある地区については
住宅別荘等の臆殊の目的のたあ
I
/
カナダ11
っている。叉狩猟,釣及び公共
/
Ⅱ
一臺一
ンガス国賓梯
特別認可により,水力開発や毛
皮獣飼育及びその他夏期の避暑
に必要とさ”る地区は賃貸によ
期ノノ
農汁對浦
1
て製造工場や個人に払下げられ
宅及び市街地とすることの方が
識
1、
ている。その立木は必要に応じ
ていろ。農地,鉱区,工場,住
、幸
クワq
的施設等のたあにも同様な便宜
が与えられている。
沿岸称の森林資源については
大体次の如く推定されている。
ノ
、〆う
曇
0
、
‐
垣j/
ノ
ノ
それ等の森林生産の保統を確保
!、j恥i蕊割
氷河江圃
1”や陸』
〃
ダ
一
)…・・・,‐閑
1
《零
ai
おかオした。これらの森林資源の
/暉轄p
N員A識N閏TIONAL
FSRESTS
、
トスガス国有林78,500百万
ボード・フィート(約6億
=
5千万石)・
L
チユガチ国有鉢6,260百万
ボード・ブイ-1、
(約5千
鐇副
>'『"、'差
@JUNEW
万石)
この経済林は大陸及びそれに
①SITKA
@SKAG"
近接する数百の島為の沿岸を縁
、鼻妄
。PETERS8URS
藤
③WRAN6ELL
@KETCHIKAN
‘′に
》一
⑤HYDER
OATLIN
-
り,或は海抜高1,500沢以上
のところの内陸にまで分布生育
4陛参
している。それらの非常に湾曲
CD
-一国渓
《た爵-鈍”
--トンが云
取って分布して居り,時には水
際から4~5哩以上の距離に亘
した複雑な海岸地帯にはすぐに
も利用し得る森林が多く存在し
個嶺鉢蝋
墨
ノ
-11-
ている。
遠藤: アラスカの森林と樹類
この2つの国有称は1,200,哩の癖泉をもち, この
国有林の75%の認ホが水際から2.5唾以内の地区に分
〆
筒,この産業の発達のために恵まれているその他の因
子としては,原木を森林から工場へ,そして製品たるバ
布して居り,我が国に於て現在翰入な凄望している針葉
ルマp及び紙を工場から市場へ澱ぶのに水運の便があるこ
樹材とはこのトンガス国有林からの生産材に対してであ
と,単億面積当りの蓄積も多く,原木力漣かに且餐易に
森林から入手出来るために伐木造材蕊も安いこと等毛あ
る。
この経済林のエエーカー当り平均蓄穣は約2万ポー
る。
ド・ブイ-1、(約ユ町歩当4百石)であるが,ある限ら
パルプ工業の発展の可能性についてはトンガス国有林
独た地区では更にこオしを上廻る蓄蔵を有し,その地区に
に於て山称局により広範囲な調査が現在まで行はれてき
於ては現在1エーカ戸当平均4~5万ボード・フィート
て居り,パルプ原木を供給する林区1,250千エーカー
の立木が製材及びパルプ用材等として伐採されているも
力巡回調査され,図化され,その開発促進のための可能
トンガス国有林に於ける代表的林相は,ヘムロ・ツクと
スプルースの混交林で,叉1種或は2種のシダ一類を小
畦と経費について計画化されている。即ちアラスカに於
けるパルプ製紙工業の発展は,近い将来の米国の用紙供
量混交しているものである。しかしチユガチ国有林に於
給の源となるであろうということ鋤指示されている。
ては殆どシ変一類はみられない。
筒,山林局の立木処分,製紙及びパルプ製造業者の契
約申請等の慣例側こついては概ね次の如くなっている。
②木材工業の現況
居住民,鉱夫及び開拓移民に対しては,・無償で,アラ
スカの国有林の立木(この立木は製材原木以外は許可を
要しない)や枯損木を採坂することが許されているが,
(1)販売処分は立木でのみ行い,その林地の土地所有
権は合衆国に留保され,再び木材を供緒しうる更新を確
それは彼等の自家用のためのものだけについてで,他に
(2)WM地区の立木は,森林官の評価後,最高入札者
販売することは許されない。アラスカ沿岸に於ける地場
に対し,30日以内の通告により掻下げられる。 しかし
立木の払下げは風致的叉は厚生的、噸の重要性のあると
プ用材等であり,材は必要に応じ抵下げられ,或幟数年
③立木代金は,伐採の進渉と共に伐採嫁に森紘官が
の契約が結ば〃して,伐採の進行と共にその原木代金は地
方森林官の寸検に基いて支払わ証ている。
ジユノー(JUNEAU)やケチカン(KETCmKAN)
仏)更新を目的として残されるべき3数の称木を除い
ては,識下げられた地区の立木は普通皆伐される。即ち
母樹としてある小群の立木は伐採されずに残されるのが
い。けれども,又風致的価値の保存を要する地区では,
選伐基準により騰蝉軽度に行われる。
木材が代採さオした。筒1909年から1943年までの間に
は合計1,332百万ボード・ブイ←I、馳乃106万石)
筒伐採業者は,地上に密生している叢林の梢端部や小
枝詮伐ることを必要と見紋される地区では,その伐採を
が生鵡されている。
要求することが出来る。
年間を通じて作業のできる木材利用産業こそば現在ア
ラスカの労鋤毒が最も当面している季節的失業の状態詮
ける契約は,非常に大きな工場にあっては,最高50年
救済するのに最も大きな麦往とされている。即ちアラス
という長いものもある。筒50年契約の初鰯に於いて必
要な調査及び工場建設のための3~4年の期間は認めら
な蓑源能力を保有して居り,その生産可肯鐡魚置は現在合
衆国の必要とずる総瞳の約4分の1以上に当るものであ
(5)パルズ扇材の生産を主目的とするパルプ林区に於
れている。
山林局は保続の原則により森林費源な管理経営して居
り,将来の木材供給を保証できる如き政策をとってい
る。故にその地方に於ける森林の成長状況から見て,将
る。且その原材料を加工するために安価にして豊富なる
来とも,現存或は計画されている工場の操業を持続する
動力が水力によって得られるので,アラスカの新掬用紙
製造工業の発展のために極めて有効な諸条件が完備され
後,その地方に追加的に建設される工場のためにはその
ために必要な供給蹴左充分に確保し得ない場合は,今
ている。
(4頁下段へつ壁く)
-12-
ゲ
《診《》
著通で,風倒す-る危険があるために単木では保残されな
年新聞用紙を百万砿以上生産しうるところの広大且豊富・
■
作成したグレードに従って分割弧が行はれる。
とみにその煎要性を増大しつつある。 1939年に於て国
有林から約28百万ボード・プイート(約23万石)の
カに於ける将来の木材利用産業として最も大きなも必ま
ゆ
ころに於ては禄まれない。
にある2つの最も大きな製材エ場は輸出製材市場に於て
パルプ及び製紙工業である。国有林に於ては永続的に毎
蝿
保する。
消費材の大部分は国有林から生産されている。主なる森
林の生産物としては,製材原狼漁獲用杭丸太及びパル
間に亘り供論を期待する場合にはその林匿について長謝
一
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〆4○タマpQ誰夕
鍔
J
ハロ
●。包尽か■心或興、碑qd
1視察日記
林産管理局から来た初めの招請計画
は,中牽蹴学会の総会に出席した上,
1ケ月に豆って,全島のホ鐸地を視察
する予定であったが,私の聯鋤の立場
から,到底それは許される訳がない。
折衝の総果1週間で往復することに決
あたのであるが,台北到着の・日,直ち
亀冤
に帰航の座席を申込みに行ったとこ
ろ,意外にも9月27日までは満員
で余席力轆いこ.と茜割った。こういう訳で,遂に16日
間の滞台となってしまったのである。
これで目的の半分を達することが出来たと,林産管理
心
局の邸副局長は喜んでおられたが,私にとっては,帰国
後の約束や予定を変更しなくてはならぬし,且つ旅我も
心配である。その上10日前まで,ストーブを焚いてい
を
・る北海道奥地の原生林地稀に居て1〃月を暮して来た体
であるから,到着早持の猛暑にはすっかり参っていた際
き。自動車の光芒は,流れ星のよ5に絢鯛たる広大なる
観念して早蓮掻原君に事情を連籍すると共に,予定変更
についての処羅を申送った。
ばらな薄闇の陸地な眺め為よ5になった。
この滞台16日間の行動を大別すると次の3つに分け
束の間で,機は忽ち雲層を突き抜け,漠盈たる雲海の上
(1)台北市から3方面の日帰り視察
桃園果下の耕地防風林と海岸保安林・台北染丈山
事業区の造林と苗圃事業・同県鳥来地方の元三井物
産の造林地及び間伐事業がそれである。
②官民溌関及び学校嚇問と会合
中華林学会。木材商工同業公会連合会・林産管理
局・山林管理所及び称揚・国立台湾大学・省立農学
院の椿畔会・台湾林業界同誌会・日本大使館・その
他磯博士・W.P・zelmgraff・政府要人・民間代表
に現つれ,喪定姿勢左とって真南に飛んでいるらしい。
空には半月がか坐り,無数の星はひときオっ冴えてまばた
いている。室内では微かに機関の音を聞くばかりであ
る。軽食ガ錘ば江ると,香りの良い酒を註文したり,邪
魔にならない程度の談笑が交されて,静かな食事を終
る。ひと時して喫烟の匂いの失迂る頃には,空のホテル
の快適の夢を結ぶ。エヤーガールが軽い毛布をそっとか
けてゆくといった順序である。
曾て象一パー機やプスモ大磯に,尿瓶代用のビール瓶
との会談会合など。
(8)台北市から合南市に至る間の視察旅行
主なる所は,台中山林管理所・日月認保安林・台
湾大学実験林竹山管理所・阿里山林場・烏山頭の嘉
南大fillなど。
以下見聞したところを駄文に織って,常夏の国の風物
を一瞥する便Vこ供して見よう。
どういうコースをとっているのか,全く判らないが,
時燕眼下に島や岸うつ波筋の白線が見えだした。それも
ることが出来る。
墨
離陸して高度をとるに従つえ展開する京浜の夜最は何
処Wこ敗戦の跡があるかと疑われる位豪華そのものきっ
た。大穂に一ぱい詰め込んだ宝石を空からぶちまけたよ
うな闇に敷きつめた海のやぅに拡がっている電光の輝
花園の間を綾をなして滑っている。若しこれが国の真の
実力詮表現しているものならば,どんなに嬉しいことで
あろうが,などL考えている中に,磯はいつしか点燈ま
である。澗に脅威的の延期であったが何ども致方ない。
“
東京国際空港羽田からStratocruiser機で発ったのは
午前1癌乗客は40人ばかりである。
を持ち込んで,森林偵察や撮影に,或は交通連絡に,大
陸の空な湖けあく、つた時代に比べると進歩したものだ。
日本の林業界にも,早くこんな交通壌関が自由に使え,
また伽潅写真淵瞳の撮影が出来る日が来ればよいと考え
ながら,うとうとしてゐるうちに東の雲線上蒟議色にな
る。
程なく琉篭本島の沖繩媛見え出すb兵舎,タンク,飛
9月12白金晴・風強し台北市
行場などが目蓋衝く。7年前棲惨な戦に敗れた同胞20万
(筆者)本会理事長
の生霊を奪い,血汐に染意つたこの島も,今は何知らぬ
-13-
掻川:台
湾
行
顔をして,草緑の美しい姿詮南海に横えているのだ。触
たので,その輪廓を取次ぎする。台湾ヒノキと日本の電
り黙藤をつ跨げる。
柱,小丸太,ヒパ稔木のバーターを熱望しているが,台
c4FastenSeatBelt''の電燈掲示が出る。那覇着陸は
もう・すく・だ.6時25分Gate3の前の定位置に機力韓
しい問題逢あろう。民間の自由貿易を望む声も強く,ま
上の価値が木曾ヒノキの一等材を上廻る状態ではむづか
止する。 日焼けした笑顔で樋口,山本両君が迎えてく
た日本の森林法改正による伐採制限が木材生産に及ぼす
れ,久澗を叙炎沖総寸聞記は後に記載することにした
いが, ""II事件というのは樹1I長官のことです力乎, と
影響等に関する熱心な質問などもあって有益な会合であ
った。
いう質問を受けたのには一寸応待に困らされた。 30分
久しぶりで本場の支那料理の馳走をうけ,賑かなコー
間給油〃休憩後再び機上の人となり,8時半台北市郊外
スに入ったが,瓢などは,節廻しすら覚えない終戦後流
の松山飛行場着。滑走路から先ず眼に映じたものは,一
行の日本の小唄が,調子よく中国人男女の口から出るの
面の青田の稲が波を打って風に嘩いているなかに,鼠色
だから全く参る。二次会は花月という日本式の割烹であ
の水牛と白鷺が黙然と立っている,絵にでもなりそうな
った。
風景であった。
招待状には,中国一流の名文で,台彌臨台本会同人不
『
勝雀躍などの癖勧蕊鐵風てあるのだ。私は目下停酒中で
あるから,詣盃は断るなど上いうご無礼はとても言えた
ものではない。 この日から滞台中は, 国際儀礼に借口
し,完全に期限付禁断ときめて,快く乾盃の数を重ね
李
剥
た。
凸
l墓…驫蕊撫
樫山飛行場着
つ壁いて林政,造林,計画,その他各組長から,所事
邸さん外数氏と,台北市の日本女性代表の秋子さんの
出迎えを受けて,台湾の士を踏んだ。こ上の税関では,
図らずも土産物として持参した新刊書数冊を校閲のため
ノ
凸
台湾総督府時代に克明に作られた台帳や図面が中国政
府にその霞上引継がオL"法令なども殆んど日本政府時代
に提出せしめられた。その訳は後で判ったが,それ等の
のものが踏襲されている。半世紀の間』このような遠隔
の植毘地にあって,日本山林局の流れを汲み』良心的な
佳事を築き上げられた先人の誠意ガ頚われて,頭茜罪る
のみである。当時これら日本人幹部の下で訓育された中
ば昨日来,台風の気味だったので,飛行磯はどうかと思
国人が,今日林政の中堅層を城し-国柄として若干形
つたという。なる程今朝も風は強いが,暑いことは想像
以上だった。
式に堕する風のあるのは争えないが--職務に精励しっ
つあることは,立場の代った日本人釣現ても実に有難い
ことである。
いますか.と奥さんに訊ねたところ, さあ100度位でし
一応こLの銭拶を終え,台湾省政府に主席呉国禎氏,
ようかと,別に気に留めても,おられないのには二度び
農林庁に庁長徐座鐘氏,識寸復興委員会JCRRに裂琳
つくりさせられた。庭には椰子が2,3本,台湾猿が木
組長WE.P.Zehngraffを訪れた。
蔭の棒上の高い小屋におさまって,変な人間の訪れをな
がめている。
z氏はデンマーク産れの米国人であるが,爽鑿な紳士
である。事務室に掲げられた数葉のグラフについて,合
湾林業の現況と対策童熱心に説明してくれた。要は人工
さんの案内で,…展田所,同本部,写真館,Nbrth
造林難が少くてidlelnndの多いこと,毒蛎の壁浸
WestAirline社,日本大使館等で郵二用務を済せ,夕
刻から台北の第一倭蓬莱閣で,木材商工同業公会連合会
の懇溌会に出席した。木材貿易の話は,林野庁の林産課
で,価務等価のパr-ター制その他の新方針を聞いて行つ
が休止の状態にあること,山火の被害力診いことなどな
挙げ,この調子で伐採が続けば,今後30年で森詠蓄蹟
は皆無になる。この際緊急造林の必要と.,台湾林業人の
頭の切り替えが緊要であることを強調された。蓋し,米
、
-14-
《《叩
固い握手で相会する喜びを交し,直ちに自動車で2km
余りの台号I姉街地に入り,邸副局長公館に落付く。聞け
日程の打合せを終え,入浴し,朝食稔擬ってから,邸
、
務の説明があった。
書冊は遂に帰国するまで再び戻らなかった。
猛暑,猛暑b焦げつくような暑さだ。何度位になって
令
松川?台
扇が援助する巨大の財力を,譲躍つ最効果的に実行す
る*鐸人が欲しいというのが,Z氏の切望する処である
湾
行
乏しい内から,互に職域詮通じて有無援け合う糟神と
実行こそ,両国を永遠に結合する唯一の道であろう。
、■
相互真心を披瀝し,信を相手の腹中に詣いて,共存共
らしい。
。
日台木材貿易については,台湾ヒノキが高過ぎる点を
栄の実を挙げたいものである。日本林業技術協会が中華
1
指摘した処,暫らく情勢を見て,価綴の引下げを価格決
定委員会に持出したいと言っていた。
次で朱恵方教授座長の下に,入蛍論文三篇の馴究善
兎に角米国の財政的援助は,相当額に達しているもの
可
一
が行われ,鑑裡に午前の行事を終えたが,国境を越え
と想像されるが,これに加えてZ氏のような極めて真面
て同業同学の学徒業人が一堂に会して交歓する好壌会を
目な森林技術者が,強大な支柱となっている林産管理局
与えられたことは,深い意義があること上信じ,感謝措
く能わざる処である。
及び台湾林業界は幸福である.といわねばなるまい。
夕寅から,管理局礼堂で催された台湾省立農学院の同
ユー
林学会に対する最大の願望はこ皇に在る。〃
午餐後海岸保安林と割馳防風林を案内される。台北市
窓会一一椿畔会一一に陪腸新旧院長を囲む卒業生及び
から西へドライグすると,新荘平野の沃田を横ぎり,頂
学生の細惰は頼もしい限りだ。来賓の磯博士は,在台
嶺を越えて42KTnで桃園果大園に到着する。台北市か
41年。改良種蓬莱米の育種に成功した碩学。忘れ得ざ
らこ坐に到る道為には,いつの時代に植えたものか,カ
る台湾の大恩人である。この席上,秋霜烈日,慈情溌る
タン,梛子,ピロー,椿樹,ユーカリ,モクマオー,相
る熱意を以て,校風の樹立に識揮された故大島金一郎博
思樹などの行道樹が整然と並んで枝葉を茂らせ,垣間の
士の遺徳を偲蹟辞を以て,挨拶に代えらオIノた。この学院
タイワンレンギヨウは,支配者の転変も知らずに,可鋒
からは,先年まで日本人の子弟も数多く輩出され,今そ
の殆んど全部は,祖国に戻って活躍しているが,台湾に
な薄紫の花をつけて,趣を添えていた。
於ける農林界の中堅層も,多くこの母按の同窓生で占め
る要所には,国軍の警備隊酋鞠錘され,国有林に森林官
られているそうである。
が出入する場合でも,こ坐で必ず身分証明雷の提示をし
汗だくで帰館ツーれぱ,邸公館の応接間には,南方の名
花「月下美人」が,、邸ざんの丹踏で今脊倍も白色の芳華
なければならない。
を大きく開き,麗容芳香満堂を圧して居るときであっ
っている。この采では, 1780haの癖林造成予定脅鰄ヌ
た。一家集って楓堂している中に,ひと時して凋花し再
び甦らざるは,その名に背かない清く優しく気品の高い
あるが, ・霞だ800haの造林耒済地があるそうだ。しか
し,戒林地も野寺戦後に相当大面談に亘って濫伐された
植物である。
ものの'ようで,胸揃の砂地に株だけが残っている,広大
警備歩哨の許可を得て海岸に出た。何処でも海岸に燭
台
弓
桃園県海岸の保安林は防沙陳として大き簸役割りを持
錘モクマオー林の伐り荒し地がその一例で, あわれに
七《,寺
g月14日 日晴台北市
も,グンパイヒルガオがはびこっているのみである。
訪台の主用務たる台湾中華林学会篭会に出席する。場
光復一終戦一後のモクマオーヨ錨地も見巻て貰っ
たが,1年に1nl位の上長生長をするので, 3~4年で
所は有名なる植物園内,林業試験所の礼堂であった。会
衆は全島の緋学林業人で溢れていた。現在在省会員は
466名だそうであるが,その過半が出席しておられるよ
うに見受けた。
相当見られる林になるが,ホシカミキリの被害の多いの
は一苦労だという。案内に見えた采#棒係長の談による
と,自分は小学生の頃から天牛駆除に従事したが,捕殺
議事に次いで来蜜の祝辞があった。私はお祝いの言葉
買上の方法ガ鐙も魏果的であるとのこと。
を兼ねて「最近の日本林業」について下手な話をした。
この海岸砂地に接して後方に水田地帯力嘘いている。
公式の席上では,必ず通訳がつくことになっているが,
水田は筆目のように謂馳防風林で区貿'られてある。防
風林は二段林で,上木モクマオーの~ド部にはカンノンチ
クが鍾亘のように立っている。j…法はカンノンチク
今日は身翻璽ての知友である滕徳心さんがやってくれたの
で,その表現は私以上の出来栄えのようであった。私ほ
爆後に次のような願望を付け加えて話を結んだ。
〃中国と日本は同文同種の友邦であり,古来同愛同喜
の宿命詮もつ国民の間柄である。
現下この両国の国際事悩並びに森林事怖は2極めて酷
似した苦境に垂っている。苦難の時に結ばれた友憎謹
を獺えてから,二年後にモクマオーを植付けるのが最も
成績がよろしいといわれている。
荊蝿防風林の錘長は,大園郷だけで200万mに達
し,水田ha当り平均150~200m位になるらしいか
ら,如何に細かく区分けされているか鷺想像出来るであ
、
いものはない。互の結合の固さを増進す‐る磯会もこのと
ろう。20Wiiこの澗集係長の幼少の頃,遊び錫であっ
きを措いて他にあるまい。
た荒地は,立派に両潮作の収穫を得られる,このような
、
-15-
松川:台
湾
行
-
美田に改良さ証た。これも陵脇跳ホと謬蝿防風j休のお蔭で
は勿論ンくチンコも禁止され,リンゴの輪入も禁じられて
あると,感慨深げに話された。
いる。然し法をく堂るスリルの止めら証ないのは何処の
p■
序に沙滞苗圃に・まわることになった。海評地と農耕
国でも同じと見えて,果物屋の店頭にはバナナやパイン
夛
地の界にある砂質鰹土の苗圃であるが,主として防砂
アップルとならんで,赤いリンゴの山鐙まれているか
林,防風林用の苗木ガ識成されている。特に診らしく感
ら考えさせられる。こんな果物の豊富な国で,邦貨換算
じたのは,さすが熱帯地方だけに,桃園薮の挿穂激して
1個200円以上もするリンゴを需めなくとも,良慧そう
いることであった。
なものと思うが,凡そ臨戦態勢とは対暖的な鏡象と毒つ
帰路,路傍の林投一タコノキーの下の泥池に,水
牛が,首だけ倒してずつ‘息呂り水に浸ってしくた。甚だ能率
ればならない。
の上らない動物のように見受けられるが,日射が強いの
視察することになつで居る。而も珍らしくも弁当携行と
で,そう働かなくても暑さはこたえるらしい。汗腺がな
のこと。中国の人が弁当を持って山に行くことは滅多に
いので,好んで水握つかるのだそうだ。繕のようなもの
見られないことで,暑気の強い台湾でも,旅中の識に
予定表によると,今日は女山事業区の造林地と苗圃差
に水をしめして,歩きながら水牛の背中をたふいている
は必ず熱い油料理のご馳走と湯気の立つ飯を出す用意
農夫も見かけた。水牛は台湾では,余程重宝な家畜と見
が,何処かにされてあるのだも
えて,全省統計によると,豚の'60方頭に脚、で水牛
女山事業区ほ淡水河の上流地帯を占める約30,000ha
30万頭の多きに及んでいる。 これに較べて馬の頭数は
の国有林で,台北市に最も近い事業区である。台オ姉か
僅かに400頭に達しないとのことであるから,熱暑地の
ら東へ,新店を過ぎ鮎の産地の北勢溪に浴うて潮ると坪
馬役は望み難いものであるらしい。徐農林庁長は,黄牛
林あたりから山地に入る。元允大演習林を遠望。こ坐は
~
-4
口
。
の移入詮奨励し,最近6万頭麹超えて居るということで
ある。
喝
この夜は,磯博士公館で晩餐会が催され,主人の磯さ
んを初め,徐農林庁長,邸副局長,Zehngraff氏,林廼
敏氏,大和田,豊沢,日高の諸氏と共に,卓について夜
今司
仁
の更けるのも忘れて,林業談に花を咲がせた。
鐸
9月15日月晴台北市
両三日滞在するうちに, 60万の人口を擁する首都台
北の生活にも幾分馴泌,市街の見当も少しは判るように
文山事業区林班1検討
なった。昭和11年wこ渡合した頃の思い出に較べると,
地が多く』広葉樹で蔽われ,諸所にアカマツ造林地力銭
有時代に勝るよう湛際立って都容を変えたのは臨戦態
勢を呈する面である。表面に現’つれている一例を挙げれ
っている。久しぶりで見るヘゴもなつかしい。
ば,「反共抗磯」,聡攻大函等の宣伝文は街上,公
林したと言う「大正lの文学之象つた漁繩マツの造林地
衆会場或は官衛,学校商社の別なく,溌壁があれば暗間
なく貼られ書かれて,専ら反抗意識の昂揚に努めている
など動盤上から見られる。
ばかりでなく,街の交通要所には,蒋総統の大肖像画を
鶏げて,国家中心への思想統一に騨心しつLある。各戸
沖繩マツ遁漸く成功を見たということである。ヨシノス
ギは適地を選多式ぱ若干は入るらしい。
には防空壕が用意され,共同の防空壕も設けられて居
FFI畷歌元標から55kmの錨点に四堵工作姑があって
附近に苗圃力穀けられている。終戦後3回目に輸入した
る。
治安は厳重に保たれて居るが,小盗児?被害は多いと
製炭跡地の造林,水源潤謎林,大正4年青木さん力鎧
この辺の適木は,日本クス,日本アカマツで失敗し』
ヨシノスギと広糞杉の苗木が養成されているが”遺憾な
がら見るべきものはなかった。此処からズギ造赫地詮過
いうこ理である。
なるほど公舎街などは昼間でも門扉を閉じ,塀の上に
はガラス片を植え,鉄条網を張り,戸締りも至って厳重
にして居る。
箸侈滋産が錘されて,〆ンス,ストリップ・ショウ
ぎ,上り切ったところが台北,宜閑の県境で,この峠の
頂は合オ姉から58km這ある。
宜購系の大水田のかなた,海浜に沿うて弓状の海鐸林
が遮り,海上遥かに魚付保安林左有する亀山島が眺逸ら
----]、6,---.
■■p己q○
一部租地i齢撒の予定地になっている。何処を見ても急峻
りはないが,本省人の繁華街大稲埋の賑かさは,日本領
一.一・4魂
大屯,七星,観音の眺め尽きぬ山容や淡水河の流れに変
松川:台
湾
行
しよう,ということにしてこ入を発&つ°この県境苓上の
草むらに大きな石碑が建っているのを見付け,近寄って
見たら児玉源太郎,西郷鞠次郎の名蒟読めたのも,昔詮
語る基礎固めの思い出である。途中新店分所に立寄っ
て,含I肺に入ったのは夕暮れ時であった。
どの夜は,保安街新中華で農林庁長徐慶鏡,林産管理
ョ■
局長慶作謹,林業試験所長林溜訪の三氏からの招宴があ
った。政府・学界・日本大使館などの要人が多数集ら
れ,粋左凝らした力掛つるがわるの支那料理に,緯等たる
余臓を示された驚異は蓋し私だけの感慨であって,在台
四堵苗圃(吉野杉)
少〆
《豚
の藷賢は敢七意に介した風にも見えないのは豪勢なもの
れる・宜闘県羅東には全省型レプ生産2~8万tの過半
を占むる工場があるということであった。
この犬景を眼下にして,涼を木蔭にとり,円陣を作っ
て携帯の弁当を“終ったとき,誰か貰遥かに丁持たる
伐木の音を聞き,十数人の者力虻しげに鋤、ている宜閏
である。
帰途磯博士公館で,台湾に於ける農林問題の詫話麩聴
く。
明日から愈鳧南下の旅に爵るのだが,長いズボンでは
やりきれないとt、5ので,半ズボンを求める。旅行の準
県側の峠の下を見て,盗伐らしい婆言う。直ちにジープ
備を終え,寝台に横になった力軒はやまず,午前1時頃
は坂を~F,って調べに行く。間もなく引返して来たが,道
までW馬れなかったb (つ壁<)
(写真は郎氏撮影のもの)
路修繍人夫の盗伐だから,新店分所から宜欝分所に電話
(22頁よりつ壁く)
ければならない。證淑ノカ当初算定した標準蚤と樋端な差
があれば’適当に標準量も補IE-i-べきである。
これは解釈の如何によ.つては’先ず常識的に保続上支
障のない数字を見出し,これと矛盾しないように標準量
詮撞ち上げることともなり或は当局者の御叱りを蕊ける
かも知れないが,事実において,標準麓が適正な夫盈の
因子から帰納的に算風さるべきものであっても,これを
一屯
昼
申
考えから出たことであるから,私の書いた事に間違っ
た事項がありながらその儀に過ごすことは,却って後
進者を迷わすことになり,誠に遺憾とする所であるか
ら斯かる点があれば一一勿論それは多いかも知れない
が-充分に御叱正御教示を御題して騒ぐ次第であ
(完)
る。
(24頁よりつ堂く)
完全に算出すること力溶易壷ないため,便法として止む
ザシキ特有の肩枝の発達を采しで砲弾形の樹冠を形成す
を得ないであろう。
る。
なお,作業級乃至経営区で収穫の保続ガ泌要であると
同犠,単一の事業地でも一定の収率を続けることが望
ましい。特にi露生産等にあつ迄は,諸設備,就業員等
の関係もあり簡単に事業の増減は不可能であるから,い
くら経営区乃至作業級全体で収穫が保続される計算とな
ってゐても各事有箇所が分期毎に著しく増減するよ5で
ば’計画として実現性がないであろう。
この意味からも各分調編入箇所を現実に捉えて検討す
サシキの利点は全山同一瀝近い性質の樹で造林される
こと上,この肩枝の発達を促して完滴の樹と成るが故に
立地に対し生産材稜を多くすることL"同一材積でも完
滴なるが故に無効材繊の少いこと上にある。
ることが必要である。
加うるにサシキには実を結ばなくても好いのだから成
るべく緒実の少いものを選ぶ為に一には材磁の好いもの
詮選夢ことL成り,且つ結実がしないから壮年に成って
からの発育低下が目立たないので育成力が永続される。
最後に現在行オ?れ<ゐる調整年伐最について一言した
このサジキとしての品種蒟澆も好く成果を挙げるには
い。年食実行箇所壷照査し標準塗設けることは瀧f聡を坂
その品穂愈暁分に熟成していないと一般者の欲求する理
り締る制限であるから,一応技術者として良心的でない
実行振りをも前提としたものと考えるべきであるが,こ、
の際主間伐の区別のないことは,無謀な間伐を恐れた結
伐を行わず,その伐採量を主伐に振り向けることの危険
想が実現しない場合が多い。未熟成の品種つまり実生木
の枝詮挿附けてから幾年も経たないものでは,何んなに
好い親木から出発した品種でも成果ほ揚らない。
この場合覚醒ということはザシキ品種の入門即ち仲間
が,却って深刻ではあるまいか。
入りであるから,これが完全な成果を揚げ得られる迄に
果かも知オしないけれ雪も'寧ろ撫育上当然実行すべき間
った意見もあるかも知れない。然し務の信念を遠慮な
は相当の年数を要する。此処で考えられる事柄催品種の
育成家とい5もの織労多くして功少きものであり,これ
が一銭に利用される頃にほその労は忘静I,られるのが膳で
く鑑菱することガ崇分でも率の参毒にな瓢ぱ,’との
ある。
以上で私の林業雑観は一応筆を棚くことにする。
或は諸先輩の指導の樹に当って居られる方々と異な
一]’一
I
ロ ■
〆
'
林業難観
(7)
p
一
山
崎
榮
喜
■P
各種保安上の点について考慮の必麹難く,且つ人工
い。萱通見られる収穫表では30年乃至50年頃から生
長錘が急激に減少してゐるものが多いし,現実の造林地
植栽が容易・逼その成功が確実な場合,皆伐作業を擁用す
でもこ殉ってゐるものが多いが,スギでもヒノキでも
〔三〕皆伐用材林の輪伐期について
その樹令は千年以上にも及童$のであるから,僅力数十
、これは新榧手入から最後の主践に至る迄,総ての事薬
が統一単純化されるので,鍵農上の点から見淑"I鶴も理
部の旧蒜造林地内でも,樹令は百年を越え,相当大径木
年で老衰う-る筈はないと思わる。現に天然林でもまた一
ら,成るべく地力の消耗を避けることに心懸けねばなら
となったもので,今筒圧盛な生長をしてゐるものがある
ことば否なことの田来ない事実である。
従って造林地でも,その取扱の如何によっては,かな
ないが,皆伐の上,単一樹種の一斉造林を行うことは,
りの生長は持続させることは可能ではあるまいか。
養分の流失と冗費が多いことば争えないから,差し当り
その欠陥は表つれて烏なくとも,今から充分講究しなけ
衰える原因ば,次の三者以外に想像出来ない。
想的たるを失わない。只林業は農業と異なり,同じ土地
生産業でありながら,蕊分の人工的輔給が困難であるか
鰊人工造梯地において詮令時代に入り急激に生長の
その一は品種叉は母樹を誤った為,その林木の個性と
ればならない問題である5.
さて皆伐作業実施に伴い重要な事項は鮠伐期決定の問
題である。
輪伐期は鍵期令の決定に伴い定まるものであるが,要
は林地そのもの謹最も有効に使用することを目標とすべ
きであることは,他の事項決定と変らない。
即ち一定の土地から最大の収穫を掲げ且』つそれが一般
して生長力鍾えたもので,斯かる例は随所に見出すこと
が出来るが,然しこれは何時迄も繰り返えすべきもので
はなく一時豹の現象に終らすべきものであるから,恒久
的の性質を持つ輪伐朔の決定には,除外すべきものであ
る。その二は単一樹種の-.薄静のため地力が減退し,
自然生長も錘することである。
天然林では単一樹種の髄淋のように見えても幼令時代
社会的の要望を満だすことが必要であろう。
からの制嚇ではなく,他樹種の中に点在したものが,次
一定の土地から最大の利益を揚げることは,理論は簡
単であっても,林業がかなりの長剣間な要する企業であ
第に優勢木となり他樹種と蚕善したもの力善く,従って
るため,実際ではその計算が容易でない。そこでこれを
人工林が始めから一斉林であったのとは趣左異にしてゐ
簡単に決定するため,自然的伐期令とか,工芸的伐期令
とか,或は収穫材積最多の伐堀令とか,色々の方法が説
かk1,て居り,現在国有林の経営規程では収穫量の最大を
る。
目標とすることになってゐる。
が,苗圃跡地に同樹種を植栽すればどうも生長が不良で
然し収謹瞳にしても,採材歩止”§60%であれば,
同じく80%のものの収穫量の75%にしか該当しない
し,更にその製材歩止左も参酌するとせば相当計算は複
ある点に鑑み,或はその樹種に対する特殊養分の欠乏と
か,織地関係等がありはしないか。現実の造林地の中で
もこの為生長う鐘えたではないかと解する外理由のつけ
熱、所もおるようである。
この関係は充分考慮しなければならない問題である
が,若しこの事項が一般的に重大な影響があるとす泌
元来林分の生長鐘は単木の生長獄と本数の租乗談であ
りながら,単木の生長趣は本数の如何によって一雛でな
いから,林分の絶対的の生長量を知鵜ことは簡単ではな
■
肥料で作った跡でも林木の生長に甚だしい影響はない
の立木材積だけにしても,造林地の生長経路が完全に判
明しなければ決定出来ない。
一
造林地の成績を見ても,皆伐後数年間野菜や毅類を無
雑となる。斯かる点在総て考慮外とし単に収穫する費材
(筆者)前高知営林局計画課長
《hざ
ることが最も簡単である。 .
ば,これは輪伐期決定の問題ではなく,称地を皆伐し単
一樹種を一斉に造林することの可否に迄逆上らなけ熱ぱ
ならない。何となれば,斯かる理由により柾年期に入っ
て生長が衰え,そのため早期の伐採を有利とする状態に
-18-
ー
』
$
一一一一
山崎:林業雑報
-
なるとすれば,その跡地に再び同一樹種を癖しても優
その練分の実跡詮知るだけであって,一般的な指準とす
なお造林地では植栽当時その根を損傷するたい,天然
生のものとは根型に相違を来たし,そのため生長が早く
f銅令決定に当り材識限穫最多の時期によることその
ものが既に完全とは思えない力痩に上述のよぅに’その
ることは出来ないであろう。
壌退するとの意見も聞くことがあるが,私はこれに養成
へ壬
夜
.
3
L,生長録最多の時銅壷計算してみた所でンそれは単に
良な成果は期待し得蔵いからである。
第三としては密度の関係である。
し得ない。私は学者でないから深い理論も知らず,或は
間違ってゐるかも知れないが,植栽当時根を傷つけたこ
との影響は植栽当時において最も顕著に現われその後年
と共に減じ遂に消失する性質のものと思ってゐる。
植栽当艤,若し直梗力翻られてもそ航,が必要なもので
あれば,数年のうちにはこれに替今べきものが出来るの
ではあるまいか。大概の樹種では地上部の幹となるべき
主梢が罰断さオTAた媛合,すぐこれに替って幹となるもの
が出来るのが誓通であるが,独り地下部にはその能力が
ないとも思えない。直涙を切ってもそれに替る直根が出
来なしくとすればそれはその必要がないからではあるまい
か。とに角幼苗時代の故障がその後全燕躯つれず,数十年
経過しその部分は心材部の中に入り,生活機能の盛んな
部分がらは縁のない程遠ざかった時期に至って生長に影
響して来ることは,私の素人考えでは了解の出来ない所
である。従って造林地の生長が早く衰えるのは前記の二
つを除いては最早密度の関係以外には勉いと思われる。
時期を知ることさへ甚だ困難で,結局輪伐鰯の問題は現
在の段階として,或る程度林業常識を基礎とした一麓の
勘による外方法力無いのではあるまいか。
勿論これで淵促すべき噸のものでは”、が,差し当
り止むを得ないことであって,不完全な資料から田た計
算上の数字に盲従する程の危険はないであろう! 、
或は不完全でも数学的な基礎がほしいという者も多い
かも知れないが,斯かる者でも,調査尉錬した結果が自
分の予想と略鳧一致した場合,そのままそれを採用して
も,藩しく異なった場合,無条件に擁用するかどうかを
考えると,、依然常識が主体となりはしないかと思うので
ある。さて,常識として伐期令はどうあるべきか2
一般に鍛出に多額の経饗を要する場合は,量よりも質
に重点を置くのが,経済の原則であるから,仮りに伐期
令が高い程収穫量は減少するとしても,奥地林に進む腫
従い高い伐期令芳堵えられるが,逆に比較的搬出が便利
な所でも,短伐期が有利とは断定出来ないようで,普通
民間でも金詰りのため若い造林地を伐採することはあっ
一般W乏天然林のものは相当の径級となっても,生長に
必要なだけの樹冠を備えてゐるのが,普通であるのに反
し,人工林では枝下が高く樹冠が,梢頭部に僅少となっ
つとして収謹物の質と量を綜合比較して見るのもよいと
てゐるものが多い。これがその生長状態に椿段の相違が
思う。
ても古い造林地を抱えて後悔してゐる者は殆んどないで
あろう。常識的に最適の伐期令を知る最もよい方法の一
即ち各年令の林分を想定し,年伐面積辮合比較する
隼じた主なる原因ではある雲いか。
然しこの樹型の相違は避けられない現象ではなく,人‘
『全
工林でも常に適当に間伐を行えば必要錘の樹冠を保たし
もので,例えば40年生の造赫地2haと80年生造林
地1haとは何オ”&よい力診卑近な例が許されるならば′
得るであろう。人工林で樹冠弥躯小となったのは,適当
その両者の何れでも自己の望みに応じ,単に跡地の更新
に間伐しなかった為で,これは寧ろ人為的であるから,
引いては生長を衰退させたのも人為的であるといえよ
を条件としてその立木が貰えるとでも考えた場合,案外
う。
その最もよいと思オうれる所は即ち最も林地を有効に利
用してゐると認むることに外ならないが,農業と同じく
土地の生産業たる林業において,特に人口に比し国士の
本来ならば筒優良な生長をなすべきものを人為的に霊
‘退せ1-ぬながら,その衰退を既這の事実の如く扱って伐
公平な判断が出来るで朧なかろうか。
期今を決定するのは矛盾である。
狭い我国において,林地を鑑も有効に利用出来る伐期令
一面また,伐期令が赫木の生長状態を勘案して決定す
べきものであっても,その伐期令の如何に拘わらず常に
同議の間伐を施すべきものではなく,当然その伐期令に
適応した施業が採られるとすれば,林地の疎密度引いて
は単木並に林分の生長経路も伐期令の如何によって変化
乃至輪伐期が悪かろう識§ない。
只間題となるのは企業としての策金関係である。
斯く考えるとき,同一の資料詮以て伐期令長短の得失
を計算することは不可龍に近く,特に既往の取り扱いが
長期の輪伐期がよいと思っても,植栽以降所要経費の
後価会計と比較すれば,欠損となりはしないかこの心配
は別に取るに足りないとも思われるが,令級の配置が注
正状態となる迄は,差し当り主伐な行うべき称分は輪伐
期の長短に拘わらず,同一の現実繩であるから,今湾ら
に長い輪伐期詮使用し主鍔面積を縮小することは,それ
完全であったとの確証もない人工林の生長経路を調査
だけ当面の収嘩量を減ずることになる。
するであろう。
。
-19-
ノ
山崎:林
これは現実に当面する重大問題であるが,私はこの解
決の為には別に鍵盤期を用5る途を採るべきであると考
える。、、
理想とする輪伐期が決定された以上参直ちにこれに従
えば最も速に理想の令級配置となることは明らかである
が,主伐到達林分の多少により後続称分との関係を考慮
し適当な整理期を採用守るの職一般に用いられてゐる所
であり,これ童拡張し当面収穫の均衡穀計るためにも,
整理期を設けて差し支えないではなかるぅかa
愛す率輪伐期ば現状の如何に拘永>らず'将来最善と
の理想迄,低下する理由はないと藤。れる。
、現在国有林の経営規潅が政正され前記のように輪伐期
の決定は,材裁収穫最多の時謝が漂準となったため,一
般に輪伐期は短縮の傾向となるかも知れないが,輪伐期
の短縮幟現下森林費源の窮乏⑧獅柄,幾分でも過伐をカ
ヴァーする結果となるので根当慎重を蕊する問題であ
る。
〔四〕中林作業の科型について
元来中林作業は蕪炭材と用材・を共に生産する目的童以
て両者に適合するように経営する作業方法であることは
明らかであるが,斯かる区域は実質的には槙当広範囲に
豆るに拘わらず,それに対うぞる所謂理想林型というもの
が明確でない。
雑観
って,態盈用材の斑を悪くし,その卿塑斌を減ずること
は,たとえ薪炭材の鍾勤洪腫出来るとしても,決して
理想的なものではない。従ってそれが,どのような林型
になったとしても,雲霞の灘璽塑はいえないこであろ
う。
次に薪炭材としても好適な樹種のうち,或る程度の径
級となれば用材として有利になるものを対照としてみよ
う。例えばカシのようなものであるが,これ等は欝閉し
た称内壱大径のものが混じてゐる場合でこそ優良な用材
が生産されるが,それを目標として薪鎧*中に点に伐り
残しヲとものが優良な用材となる見込の少ないことは既に
経験ずみであって,これも問題にならない。 .
従って薪炭林中,これと共に育成きれ,しかもその混
溺を有利とするものは,現在一般に見られる所の, ク
ス,及びマツ類の如く天然に混蒲す-るもの以外には見出
《理
認むる所に従うべきで,差し当りこれにより麹錫合潅
も理想はどこ迄も理想とし,将来何時かはこれに合致ず
るよう努力すべきものであって,当面の問題のため将来
業
し得ない。
クスは用材でも普通のものとは用途酋麹》、,幹力遍直
でなくとも,また樹冠が過大であっても結構声,且つ間
伐材の利用が困難な場合もあるから,当初から疎立さを
でも一向差し支えがない。しかもその造林は案外困難で
不成功となる虞れもあるから,薪炭林中に点在せしめる
こと力殿も安全で,これを上木とする中林作業は合理的
●
たる煙と左患うない。然しその適地が多くない為,完全
砦
に中林として実現し得る腫域幟,或は局部的となるかも
銅Lないので』特に中林と銘を打‘垂度でばない場合が
多いとも思われる。
マツは薪炭林でも皆伐すれば天然に発生する所が多
一般には,用材を目的とするその上木は択伐的艇採に
く,そのうち侭良なもの識用材の目的で職するのは,
より,その回帰年は,薪炭材を目的とする下木の輪(瀬I
に一致きせるとい5のが通説のようであるが"若L然り
点状であったものに朧樹型のよいものが少く,よいもの
と、識Lば,上木は普通沢伐用材称作業における理想林型
は集団してゐるのが蕃通である。しかも極端な陽樹ぞあ
るため同じマツの下木として発生生長する率は少く,繪
然し現実権,斯くの如き状態の林分が参技術的腫諜た
局塊状に集団した一斉林となり局部的に見れば決して中
経済的に出現させ得るであろうか。斯かる状態を目標に
中称作業左採り得る地域では薪炭材が相当有利に系掘さ
林の形遍はない。
れ得る箇所であると共に,用材をも生産し得るだけの地
力がある筈である。そしてその用材の生産は薪炭材だけ
の生産よりも有利でなければ混清の理由はなり立たな
一般には有り得ないではなかろうか藝
い。
そこで先ず上木をスギヒノキのように謹鼠の用誘詮目
的とするものとして考えてみよう。
斯く観察意進める場合,中林として理想とする称型は
然も,鍵実に見られる上記のよぅなアカマツ溌瀞体に
対し,マツに遮当とする伐鰯迄薪炭徴の利用室搾Hニする
必要もなければ,新炭材め適当儲期に,アカマツも共に
伐採しなければならない理由もなv,。
また,このアカマツ築団区域鞍区劃分割してみても,
こ乳q等の樹穂は当初から常に疎立状態で藏旦立てる場合
それは一時的現象で,その伐採跡地力難木林となること
幟樹冠が過大で下枝も大きく当然優良な用材は望み得な
い若し斯かる樹種の生育が可能で且つこれを$鱗するこ
とが有利であるならば,その区域陰用勅林作業な採り優
もあれば,雑木だけであった区域も次にほアカマツが浸
良な用材をなるべく多鹸Mこ生産することを計るべきであ
であるが,さうでない限り当緬跡者を主体とした作業級
入してくる場合も多く,作鋤の分割は考えられない。
その何れかが億少で,一方翰窪体と見られる場合は別
-20-
'
一一
の疎なものと考えざるを得ない。
一股に行わ龍,る所であるが,然しこの場合でも当初から
山崎:林業雑観
が生れなけ#もぼならない。斯かる作業級は誰が何といお
要するに正膳な伐採計画は,収穫の保続を主点とすべ
うとも明らかに中林作業であり,しかもこれ艇該当すぉ
きものであるから,普通の場合,将来の収穫が,質,愛
唾騨ま現実的には決して少な1,,面稜ではない。
共に低下さえしなければ,たとえ生長溌以上の(率であ
そこで私は,中林作業とは,薪炭材の生牽も敢て不利
ではなし趣域内であって,用材生産ガ極に宥利でありな
がら,それの拳を以っては理想の林型に導き得ない箇所
っても過伐とはいえないし,生長量以下の伐採歪あって
に対し,成るべく多量の用材を薪炭材と併せ生産するた
近来,照査法とかいって,生錘だけを伐採す.る論が
めに採られる施業方法であって,理想の林型が作り得な
いのが本来の姿である,といいたい。斯く見てこそ中林
露頭して居り,国有林経営規程でも,生長量法蒟採られ
てゐる。即ち,その65条には明らかに「標準年伐堂倣成
作業が名鐸騨二生きて来るのではある震いか。
長鐙を基準としてこれを定める」となって居り但書には
この意味からすれば簡婦のように中林作業の上木とし
単に「現在蓄俄カミ正常蓄積に対して過不足ある場合にほ
ては不適当なスギヒンキでも,全面的に植栽を行うだけ
正常蓄穣の確保を図るため生長鐙を補正して標準年伐瞳
今”ゞ
の自信のない土地に,自然に混入したもの詮保残撫育す
を算罐することが出来ろ」とい5程度で,この意嫌は補
る場合も, その薮によっては中林の対照となるし, ま
た,局辮勺に植栽し塊状の造林地が出現しても差し支え
正しなくともよいばかりでなく,いくら正常蓄蹟に対し
過不足があっとも原則は成長量そのままのように解ぜら
がないように思われるも
れ,生長澄力蝿当重大に扱われてゐる。
斯かることは,従来過伐のたあ,森林資源が次第に窮
〔五〕伐採猛算定の方法と編入箇所の
乏左告ぐるに至った今日,その弊を除くため,せあては
検討について
施業計画をたてる場合,事務的には案外簡単のようで
ありながら,実質上最も重要な事興ま,伐採髄の算定
ロ
と,その実行箇目磯走である。
作業種は植栽樹穂の撰定に誤り渤迩ることは,表面非
常に重夫ではあるけれども,この改訂は案ウ熔易で,実
『ヲ
もそのたあ,将来収穫瞳必闘嘩種余儀なくするものであ
れば,それは過伐たるを失わない。
害の及ぼす範囲は局部的ですむことが多い。 これに反
し,伐採鐙の増減は一見甚だ簡単のようでありたがら’
一度過伐の計画をたてた場合,それを縮小P;-ることは,
実質的には非常に困難であることは,私が30余年の体
験である。高知営林局管内で,択伐実施以来20余年,
今行き詰りの状態となったのも,根本は当初の過伐計画
曇j]
を縮小田乗な力餅つたことに起因するもので,若し亀過伐
ガ職きざえしなかったならば,施業注がど.ちあろぅと
も,行き詰りは来たさなかったのであろう。
きて,その過伐であるが,どれだけ伐れば過伐である
か,適度の伐採を超えたもの力麺伐に相違ないが,適度
の伐採量の判定が楚だ困難であるから,適庭の密つもりが
結果から見れば過伐となることも多い。
ここで一言したいのは,伐採鰍と生長量の関係であ
る。原則として,林分が法正状態となれば,その伐採鐘
は生長愛と一致すべきものセあるが,何時でも生長量と
現在の蓄稜を更に低下しないよう,伐採量を成長量の施
囲内に止めようとの考えから出たものと思われ詮
然弛ノ私としてはもどんな状態の場合でも,成長量だけ
伐採するとい5考え方は,理論的渥も実感勺Iこも賛成出
来ない寧ろ森林経営に対する考え方の退化ではないかと
思われる。刷子だけ食えば元はへらない」だけの考え
なれば敢て赫業専門家の言をまつ迄もないであろう。
森林の経営は何としても林地を最も有効に利用するこ
とが目標でなければな'ら駁い・即ち法正状態に導くこと
が最後の目的であり,それに到達する迄の犠牲を成るべ
く少なくするのが経営の本領でなければならない。
生誕だけ荘癖すれば癖の低下は来たさないが,い
くら盗源が低下し厳くとも,生長量が次第腱低下す邪ぱ
資源が低下したも同穰であり,生長量以上Iこ倫採しても
その為林分に活気が出来,将来益冷成長麓が増加寺ると
せば数字上の費源は低下しても,活きた資源の低下では
ない。単一の造林地で常に生長鐘だけ間伐すれば,将来
どんな林になるかを考えるとき,たとえ老幼各種の林分
を網羅する作業級であっても,それが法正に分配されて
ゐない限り,単に生長鼓だけ伐採すること力迩想への途
であるとは考えら瓢ない。
要するに伐採灘の算定は,将来の収穫保続に支障な
同額を伐採う-燕ば良いとい5ものでばない。
生長鼠だIう弓(癖す泓ぱ,蓄髄は決して減少しないこと
く,しかも法正状態に導き得渇ことを前提としたもので
は当然であるが,それでよいのは法正状態となった場合
なければならないし,また斯かる伐採であれば,その通
のことであって,法正状態となってゐない場合には,生
長鍵以上伐採しても差し支えのない場合もあれば,生長
が成長量を超えても超えなくても問題ではないと思う。
くどいよ5ではあるが,現実の森林の両極端をいえ
ば,一つは伐跡地其他まだ蓄種を計土するに足りない幼
量だけ伐採しても過伐となる場合もあ.る。
-21-
山崎:林業雑観
令林令である。これは伐採し得る状態ではないが,仮り
に生長量だけ、罐するとせば,何時までたっても林には
その誤りは直ちに主伐数職に波及するであろう。
ならない。同時に,いくら伐りたくとも生長量以上の伐
心出来ないが,しかもその生長瞳の調査も実は容易でな
採は不可龍である。従って極端な濫伐を行い全山が,こ
い。実際問題として全林分の生長職を計る為には,現在
従って現在の状態では生長量が完全に計り得ても,安
れに近L、状態となった箇所では,その後引き続き濫伐を
国有林経営案で実施してゐるように,各布扮毎に現在の
繰り返しても決して生長麓を超過することはない。
生長堂を推定してこれを集計する方法が最も安全であろ
他の一つは千古斧鍍の入らない原始林で殆ど生長量は
見られないが若し全区域斯かる状態であっても順次伐採
更新すべきであることはい5迄もない。,
うが,これも元来が推定力逹になるものであるから,或
る程度経験がなければ正確を期し難い。.
所謂照査法とは,毎朔蓄積を調査し,その差額を基蕊
前者電は生長獄の一部乃至大部分を保残謡すべきも
のであり後者は生長量以eb伐採するのは当然である。
法正状態となれば,この幼令林分における伐採砥以上
として一分期間の生長量を計算し,これを次の分期にお
ける伐諺遜の基準とするものと思われるが,我国森林の
現状では,斯くの如き方法で生長瞳を知ることは思いも
の生長量と,老令林分における生長量以上の伐採愛が等
よらない。
しくなり互に相殺されるが,現実の山にはその経営区或
は作業級により,前者に類するものが多いごともあオ1,
ば,後者のような箇所の多く含まれる場合もあろうから
何時でも相殺される数量と看倣すことは出来ない。
若し全区域が目的とする単一樹腫に統一さ沁単に令
以上要するに現在の状態では,伐採量算定の基礎麩生
然らば保続の安全を計るた渥〕にはどうすれ,ばよいか?
令級程蓄穣が多いこと窪前提として,カメラルタキセの
計舞意法が成立するが,我国の一般森林は樹種が雑多で
分を各分糊に配分してみることである。そして,それで
あり'老令過熱其他速かに更新を有利と認める区域で
も,必ずしも霊が多いとはいえなく,正常蓄裁以下の
場合も多いから,生長量と適正伐採鐙との関係を蓄積関
の二つの面を検討してみることである。
係で補正することも出来ない。即ぢ我国森林の現状で
は,一般的に通用する補正麓の計算式はないではあ愚ま
いか。然ら鵺各盈その作業級乃至経営区の実状に応じ
適当に補正しなければならないこととなろう。
そしてその補正は,ど運迄も収穫が保鮠し得ること及
び将来法正状態に導き得ることの二点力雛礎とならなげ
オ1燕ならないから,斯くして得られた補正瞳は,実質に
画
それで後期に至り所定の伐期令よりも極端に若い造林
〆
地迄伐らなければならないことになれば明らかにその計
画は過伐であり,逆に伐採可能#崎に余裕が生ずるよう
ならば,当初からの伐採鐙を増加することも出来る訳で
ある。この方法は誠に簡単なことであると共に,理論と
しては殆ど価値のないことで,泰山鳴動,鼠1匹の感を
起こさすかも知れないが,然し実際は決して疎に出来な
といっても私は生長量調査の必要がないというのでは
ない。その必要ば大いにあるし,また成るべくその正確
第3分類には造林馳を伐らなければならなくなったり,
を期すべきであることは勿論であるが,私のいわんとす
この事業地では天然林力鍵4分期以降迄残るというよう
る所は,伐採量の決定に当り生長巌に拘泥してはならな
なことも出来たりする。或は単一事業地で一時的数倍も
いことてある。繰り返じていうが,法正状態における法
正伐採量は生長厳と一致寺るが, --面,濫伐の極限もま
の増伐をしなければ保統田来ないこと力観われるかも知
れない。どれ等は皆,計算通り実行出来ないことを証す
た生長麓と一致す-る。生長愚だけし力伐らなくとも過伐
はどこ迄も過伐である。
るもので,それだけ無理が残ることとなろう。
に決定した伐採戯と同じ結果になるであろう。
貼
果して実行が出蕊るか,所定の数遼が収礎し得るか,こ
い事項である。仮りにこの検討をしてゐない経営案に対
し,後からこれを行ってみれば明らかであるが,所定の
方針に矛盾せず,且つ操業に支障のないよう,各分期に
配分す愚ことは相当困難で,例えば整理期30年で天然林
を全部整理する計算であるに拘わらず,甲の事業地‘では
おいては験めから生議を問題外とし単に,将来法正状
態に導くことを目標とし,今後の保続に支障のないよう
二一。
られ島ものではないというのが私の結論である。
私は多年の経験から繧準職の算淀は菌畷平分であろう
と,材額密であろうと,また生霊法であろうと,ど
れでもよい。一応蝉定した上で,これによらて現実の赫
級関係だけが法正状態となってゐないものであれば,高
一
長盆に置いてみた所で,それだけでは適正な伐採量力輻
兎に角,前記のように各分翻迄検討し,少くも4分期
特に生長量のうちには, その林分に備蓄出来ないも
間位迄無理がなけれぼ一応安全と認あてよいが,それ迄
の,即ち間伐により除去しなければ却って洗分蓬悪化す
に癖余出来るよりならば,その無理のないようにしな
るものも含まれてゐるから,間伐計画が完全でなければ
(17頁下段へ)
-22-
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私の見たスギ品種の育成
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私紘明治36年以来スギの靭焼をしている者で,その
こ’とでこの期間はサーシキに対する自覚がないらし山、。そ
育成した品種も既に20‘種に達しているので,今度来ら
れたスエ戸デンの称木育種学者リゾドクイスト氏も日本
れが25年も過ると突然に発育が旺盛に変るものだが,
この変化が急速であり非幣に目立つから私はこの作用を
における先輩だといわれたものである。
スギ挿木の覚醒といい,そオL迄の少しも週こしたい時代
サシキでは樹木の個性を活かし1本の実生木の好さを
無制限に殖すことが出来る。ズギも生物だからして1本
左サシキの休眠時代といい,この全体の経過を覚醒時効
と呼んでいる。
の実生木の個牲を其総で少しも変えることなしに永久に
継続し得るものだとは私はいわないが,それでもこれを
有牲繁殖したものに姥くると非常によく似た形質の木を
仕立て得られるから,品種として同じ機な生理発育をす
るスギを沢山に育成することが出来るもので此点力薯つれ
われのいう品種育成事業の大切であると認めるものであ
る。私の実験ではスギは実生木の枝をサシキすると一代
毎に若返って根ずきが好くなり夫を数代繩厘澄ば固定す
スギの実生木の枝はサシキすると斯うして約20年の
間休眠して25年位で覚醒するが一旦覚醒するとそ恥か
らは固定種と成って形質_上や発育量に認上は起らないか
というと何5もそうではないらしい。実生木の枝を挿す
と初あは根ずきも悪く根ずいても育ち力悪く,特に移植
した場合に育ち秒牡まりいふ、ろな病気等に対しても抵
・抗力が劣っている。この原因は申‘;謹もなくその苗木に
サシキとしての準備と醗雛備えていないからである。
るもの淀とは認めないのである。たとえば老木の枝はサ
これを急速に若返ら奄或は締きに対して談善させよう
シキしても根ずきも悪いし葉形も老成しているから,こ
の場合には一代や二代の間は若返りもす私ぱ根ずきも敦
善されるが,これと反対に20年生以下の若木の枝では
サシキした最初から根ずぎ群目当に好く葉形は却って1
として幾ら挿し代えても休眠期中には少しも改善されな
いばかりでなく,却つと枝から枝へと移行するので樹形
が改悪されるに過ぎない様であるが,覚醒朔後は順調に
敵善を続けて若返りもするし根ずきも好く成る。斯くし
年毎に老化して行き根ずきも時には逆に悪く成る時代も
ある。
この2つの例詮相殺して見ると一代毎に若返ると力銀
て次第に銀の形状や枝の性賓ガ錬生苗に近ずくのだが噂
スギのサシキは固定するものだとしてもその艤期は50年
後だか100年の後だかわオ1易われの短い一生を以てしては
ずきが好く成るとかいう性質のものではないことが解
完全には測定が困難である。
る。一体スギは実生木の枝をサシキしたぽかりには根は
此処で一つの仮定を設ける。スギのサシキには20年間
切口から真下に向ってしか伸び睡いもので,この根の
形,悩暹蒔力譲生苗と同じ種に成るには一定の年限詮要
するものである。
の休眠期があり,25年で蝋蕊するとしてもそれは一つの
反動作用だからこの点腫は目詮つぷって,実生木の枝は
サシキずおとその後は一代毎に首罎されるものとしてそ
スギの実生木‘戦を挿附けると其根ほ切口から直下に
向って伸びるが此根はヤタラには分砿しない。暫く経つ
と真演に皮ハダからも根が出るが此根も亦真直に伸びて
ヤタラに幟分岐しない。こんな根の形鍾がサシキの持つ
根の性質であるが故に此形質が敦善されて実生木の根と
同Iプ糠に発育サーる迄はスギのサシキは矢張り実生木の枝
の形質を保つものである。実生木の枝をサシキしてから
根の形質も草り発育に遡上を表っすのは大熊20年後の
催髭者)千鶏謝職崎町
の改善の比率を自然数の割合淀とする。最初ザシた一代
から二代への移行は]と2の差とし,二代から三代へは
2と3.の差とすれば好いので,この差は次第に逓減する
とぱいっても永久に消滅するものではないのであるから
こう考えると其処には固定ということはあり得ない。
スギのサシキカ窪代や六代で固定するという考え方は
体I隆から覚躍に移る反動的の遣怪を誤って覚醒したもの
即ち固定したものだと思ったのではあるまいか。
元来固定という語は雑交の場合に代数によって形質の
安定したと認定し得られる時代の漂示であるからして英
-23-
6
ノ
、
福田:灘の見たスギ品種の育成
後は絶対に変化はないのだとする訳には行かな1,,が,サ
の多く結ぶ木はアラが田来る為に発根がよろしくないb
シキの場合には性質は1本の個性だから同じものである
結実ほ雑交には必要であってもサシ帝には用のない無用
筈だが,この場合にも雑交によって生れた1本の実生に
の邪魔者である。.その上実の多く絃ぷ木は材質も悪く,,
一定の年限を過ると発育途力電しく低下する。斯く見る
と実生木の親木とサシキ品種とする親木では自ら性絡を
異にする。実生木の親木は成るべく斉一に発育し成長が
好くスギ自然の性格からして健全な条件を具備している
は遥伝因子の気紛れによって表される一種の仮装があっ
て,これをサシキして見ると今度は実生木とは立場ガ錘
5為めにこの仮装が解かれて思い掛けない形質や生長量
に認上の表れるものだという重大事実を発見するもので
ある。この点について述べることLする。
学者や多くの人はサシキによって育成された品種ほも
もの蒟蒋い。
サンキの品種として選患スギは自然からいうと一種の
ともと1木の実生木を増殖したものだからその持つ形質
欠絡者である。従って斉一な性質を備えた良く育つとい
や生長溌はその親木と同一だと考え易、,が,狐て実際瀝
サシキによって品種を育成して見ると事実はこれと一致
った調子の揃った林の中からサシキの親木権成る嫌なも
のはまだ殆ど発見されていない。寧ろサシキの親木は葉
形にいろいろな変化の多い発育量に優劣の差の甚だL.lj,
しない。
多くの場合wこオさいて実生木で称中で一番に…くであ
林の中・さ発見される場合が多い。
るものはサシキの進行につれて発育量が幾分低FFするの
林木中で特に優勢な発育をするスギは皮目の捻れてい
に,林中の劣勢木はこれに反しサシキが進行するに連れ
るものに多いが,皮目が上下に正しく通っているにも拘
て発育避が増加して行くとい5ことである。それは優勢
らず優勢に発育すると見るとそれは早熟木で挫齢に成る
木と成り劣勢木と成るのも仕立てられた当時の事情に支
と発育が低下するといった様な場合が一般的である。
配さ熱て出来たものだから実質的にはその表れた艦の睡
処が遺伝因子の組合巷如何では例外としてこの皮目が
劣の差ではな、、という見方はあるが,事実は単にそれば
正しく這っていても早熟樹でもなく長年の間克<発育す
かりではない。
るものがあるらしい。私の研究種の全勝はこれに類し特
餐
可今
』
に
一体植生には早熟のものと晩生のものとがあり,早潮
に癖地にも好く育つという美点がある。では全勝は名前
りこ能<発育するものも後に憾晩生のものに比べて発育力
の如く凡ゆるン鋪で勝っているかというと枝には犬4浸
が低下してしまうということがあり,樹木には発育力に
短も間隔の不同といった穣な欠点も発見されるからして
抑揚があって或る個性は特にこの顕れが著しい。この平
均性に欠けた性質の木がサシキした場合に覚醒する頃に
万全のものとは認め難いも
併し遺銭因子の組合せ如何では発育力も永続し,形質
幟発育量が低下ツーるのを見るとこの不均等の発育力即ち
も慨もたものが出来るだろうという示唆はあるからし
て,わ淑劇つれに無限の生命堂与えられるならば雑交によ
ってこの理想的の品種を作って見函,、が”それは短舟、人
で,私のいう仮装の勢力だと考えるものである。
生と聯究には天賦の力があって相続釣荊かないのだから
いうべくして行われ難、ものである。
スギの樹冠は幹の伸長と肥大力と枝の発育形状によっ
スギをサジキして見る.と早熟のものは一体に成綴ガ悪
<,晩生のものL方が性磁が好く成る。これはスギには
一定の成年期があってその性狢や発育量も品種としては
この成年期の状態に一定するのだという見方がある。何
て外形を表すものであるが,われわれの一番に注意もし
注意もきれ易い点に実生木では元枝の好く発達するもの
れにしても最初に枝を採った当時の親木その儘の性絡蒄
と,元枝は左まで発達しないで蛸近くの枝力瀧<充実す
表すものではない。
るものとがある。私臆この元枝のことを裾枝といい梢近
スギの自然の性絡ほ枝には大小長短があり,その間隔
は不同壷伸びるにも太るにも隔年性があり,発育麓の多
い調改皮目に捻れがあり,枝元に隆起があり樹幹が円滑
の充実した枝を肩枝と呼ぶ。
ではなく,一定の年限を過ると盛んに結実するがこの結
実の多い木は枝元や枝の下面にアラが出来る。ザシキの
一体にサシギ苗ではこの元枝は発達しないで,肩繍3
発鑓する傾向漣成るのだが,この形状性格ガ奴サシキに
向くものだと考えられる。元枝の能く茂るスギば乾燥地
には成育し難いが,全勝は元枝の発育する品種だが乾燥
地にも能く育つから一概にはいわれない。
品種として要求するスギは枝に大小長短がなく,発育獄
にム‘ラがなく成熟しても維実の成るべく少い木な選ぶの
・元枝が能く茂って槍の伸長が唾だと先端の尖った門錐
である。枝に大小長短のある木は枝の優劣から来るサシ
形のスギと成る。サシキした一代目のスギはこんな形に
キとしての優劣さがあり,一斉林を仕立てる上に不剰が
ある上に好い枝の数が少いから製苗上も不輝箏く,実
成り易く,同じものでもそ泌蒟城熟品鍾に成る腱連れて
-24-
(17頁下塞へつ堂<)
望一
徒長は一種の気負であって実生木として成木する上に重
要なことでもサシキとしては地力的の発育力でないの
《
.
.
、新潟県では)
一国富
(戸)奥山地帯の薪炭鉢(主として炭材林が多い.、
員の聲
新潟県で微)
③不頁化した原因について見ると
(イ)立地的不良林
この欄へのみなさまの
(ロ)取りあつかい不良林
御投稿を御待ちします
というようになると思い蓑す。
私共普及員はこのように異なった目的その他によって
成立する各種の薪炭林に対して,夫盈適合する指導を必・
要とするのであります。
新潟県のポイ山は所謂粗朶状のシバ薪を鋪”・る薪材
薪炭糠の改頁と樹種の問題
林でありま'して,炭材林でありま軽人。
更に発生の原因について見ると,大きい意味では豪雪
(林業普及員の立場から)
撚幾総瀦椿義次
=
最近承誌(123号,狸4号)に薪炭林の経営と樹種の
問題について,極めて興味ある論文力琳野庁計画課小松
砿三氏,農林省林業試験場秋田支場釜淵分場舟山,小
坂両氏によって発表され探見致しました。私共のように
Iト
よいところとあるのであります。■
2薪炭赫における伐期延長の問題
実際の改善指導に当っている普及員腱とっては,極蓮て
御指摘のように仲煮むずかしい問題であり・茨す。併し
参考になるのであって,総に舟山,小坂両氏の論文は,
ながら今まで山村に代替熱源の導久は困難なる実情であ
その冒頭に新潟県における不良薪炭林の代表的なもので
り,後述するがごとき意味で優良樹種の導入力竈速に困
難であるとすれば,改善対策としてはどうしてもとりあ
あるポイ山対策の例を引用されて,「ポイ山発生の原因
が如何に特殊な地方的原因に起因するといっても
乱
による立地的不良林を見ることが出来ますが,詳細に分
類して行くと治山事業等と併行して対策を必要とする決
定的な立地的不良林と,施業の改善にエって改良して行
くことが出来るであろうと考えられる比較的立地条件の
(1)熱源を他に求めない限り薪炭材の需要の減少は期
待されず伐採林令を高めることは不可能である。
げなければならない問題であります。
一般に不良薪炭林発生の原因の多くは低伐期の繰り返
しによる根株の退化であることは申すまでもないことで
②樹種の改良は極めて重要であるが,消極的保育の
あり.,一方或程庭伐期を高めて根株の強化を図ることの
方法では生長獄の必然的に改植によらなければならな
必要なことも論をまたないところであり,更に森林計画
い」としてニチセアカシヤの栽値が有望であることを調査
勿論両氏はポイ山改善の対照樹種としてニセアカシヤ
の適正伐期令級等ともかみ合ぜて,伐期の延長を推進し
ているのであります。しから”p何なる方法腱よるか?
薪炭林の保育の方法としては,古くから萠芽の整理が
の問題をとり上げられたとと上は思L、霞せんが,一般に
提唱されておりまず。併L調恢赫に鐺ける芽カキの如き
いって薪炭林の樹種改善のために改植すること識現在
は実際,農家の労働力の問題薪炭林そのもの坐経済的
の如き薪炭材の経済価値のもとで可龍であるかどうかと
価値等から云うべくして出来難い問題であります。
の事例を掲げられて述べられております。
{4二
いう疑問もありますので,浅学を顧みず一言申述べてみ
それで私共は,或程度利用期に到達した林分に対する
除伐の方法によって,優良樹種の保残と伐期延長に効果
たル、と思います。
1薪炭林の分類
な上げるようつとめております。この方法は技術的には
一般に薪炭称といっても色盈分類されると思う。 .
多少劣るかも知りませんが,実際に行いうる方法として
(イ)土木閑粗朶林(薪炭林に久るかどう力判らな
考えているの種ありまして,除伐木を利用守ることによ
って中間収入を上げ,優良木の保残と適正なる本数の存
い力蔀果では相当に多い)
(ロ)粗朶状薪採取のための薪材林(シバ薪,ボイ
す。
(1)経営の目的によって分けると
遥による用材林に潟ける間伐的効果鐙ねらって龍りま
本県における,2ケ所の展示林では(反当)
等)
(ハ)普通薪(割木,ゴロ等)採取のたあの薪材林
(二)炭材林
②地利的関係で分類すると
林令7~8年生残存本数坪当5~8本
、収穫物30~40束噸廻3尺,長4尺,シバ親
労力3人程度
(イ)里山地帯の薪炭林(主として薪炭林が多い..
の結果を上げ労働賃を補うことが出来ました。
-25-
会
〆
員
の
声
』
唯のこの場合祭イ山では10年生で放置すれば坪当15
~20本位もあるのですが,
るかと考える場合,普通の場合クヌギが優るような気が
致します。
(1).伐期令の低ル、租朶状のシバ薪採取林では,単木の
生長斑よりは全体の太数の勢蝿合が収穫量が多く
薪炭林の樹種改良と改植の問題は極めてむずかしい問
なるの釣麺常の例であるので,残存木詮或程度残す
題ではないでしょうか?それは縄蔚延長の問題よりむ
こと。
5薪炭林の樹種改頁と改植の問題
ずかしいような気う數します。薪炭林の樹種敦良は積極
②除伐から主伐蓑での間に相当期間があること(少
なくとも5年以上)。
的にやらなければならない。そのたあには「クヌギ]が
対照樹種としては適当であろうと漠然と考えていたの姪
③除伐を行う年令に利用出来て,労働の手間に合う
範囲で田来るだけ低年令で行うこと。
ありますが,現在ある「ナラ」等の根株をなく.して「ク
ヌギ]を植えるところまで穣溌勺に行って,果して有利
性)保残樹種は普通炭材としての艇良樹種に拘泥しな
いで.「クリ」の貫轌生長睡廃なものは残すこと。
等注意して海りますむ
であるかどうか疑問であり.漸進的な補植(称内植込)
小面積の植栽等を指導しておりました罐:.「クヌギ」
が陽樹である点は一般的な林内植込は困難とも考えられ
3ニセアカシヤの侭真性
一
るのであるが)。
舟山,小鍾両氏の論文に典れぱ,ニセアカシヤの生長
量は極めて旺謡であい且つ炭材として優良であるとの
綜論が出ておりますが,薪材としての利用佃植,耐雪性
選び実施すれば,本県の成績からも考え,特殊の豪雪地
等について今少し編査の結果を見る必要があるような気
す。
が致しますb
併し小松氏の論文によれば若し適地と環境有利な点な
マー
帯を除き今迄より積極的に推進出来るような気ガ域しま
この場合ニセアカシヤはどうでありましょうか?
6む
4クヌギとニセアカシヤ
小秘氏の大阪府県でのクヌギの御認霞によれI韓8年
生で毎町36~47石の生長齢あるよう記述されており輩
す
び
■
以上浅学詮顧,みず壁つ具体的黄料の持合せもなく生
意気なこと詮申し堂げましたが,普及員として実際指導
~
す。
この点私は極めて意を強くしたのでありますが,私が
するに当り薪炭林の樹種として
(1) ニセアカシヤとクヌギ低一般的にいってどちらが
4
有利であろうか?
本果三島郡西越村の展示林で調査した結果は
蝿癖趣識艤
(26年6月調査)
②ニセアカシヤの耐雪性ほど5であろうか?
③ニセアカシヤの薪としての価値はどうである5
詞薗,催鍋20磨擁訓騨遥土,地味中溌壷中
か?
昭和15年秋エ1年生(県)
反当291本(1回も伐採Iノないので1本立)
仏)現在一般的にいわれる優良なる樹種が多少とも生
育している薪炭林に樹極改良のため仁ニセアカシ
反当28石398
ヤ, クヌギ等による改植は経済的に有利であろう
胸高直軽最小5分,最大4寸
か?
織爵最小13尺,最大38尺
等につル、て皆棟から御指導願うために申しL上げたのであ
でありまして,当f瞳の一般の薪炭林の垂畏に比較して
ります。
2.5倍位になっており驚いたのでありますが,小松氏の
例な見て間違いでないことが判つ淀ような郊敏しま
す。
クヌギの坐艮についてはAI紐氏の論文中にも大阻洞予
の調査では,反当妬~24石とあり,舟山,小薮氏力塩
島果例として反当5年生3石9,6年生4石68,7年生
5石56として引用されている数字はあまりにも少ない
ものであって,若し立地条件が異なるとすればこの例に
よってニセアカシヤが果してクヌギの3倍強の杢浸なす
るか凝澗であり,薗賊の如き理由と併ぜてクヌギとニセ
アカシヤガ探して鋤罵林の樹種としでどちら秘麺当であ
-26-
一
函…砂防造林講座・3
…珂三璽旧。賃輯囚厚さ函.。’ 域…季=一室三一己諏…西霊嘩ロ
’
どんな樹や草 を便たらよ
つ
いか(3)
倉田嬬二郎 (オ蝶試験場・農陣)
I勢嬬\準靹錘甦秒甜鈍i=罰宅一Ⅱ”R…軍X庁…;W鋸,噂固言亨宇和“唾
誇全胡唾Z1
一喋 転載〕-
虹更新が易しい
第1図B
砂防地は湾約には原則として伐採詮禁じられている
が,,しかし,利用されるようになれば,よほど治山治水
ハケ山が'、ケシバリでマツ称に更生
7螺蕊懲繋蕊
騨一”倒騨
…錘
・亭
上へい害がない限り,制限付で許可されたり,また解除
され垂,伐れるようにもなる。
竺
しかし伐採した時に,後継樹がないと,更に新しく造
赫、をねばならず,その労力と,篝心や,経済的な負担が
少くない。
とくにマツは更謂f上の困難が多い。もちろん前に述べ
たよう膳,かつての荒廃状態や〃ヤセ地化すれば更新は
易しい銀これはよほど注意しないと危険がともなう。
角4
今までに一産砂防造林をして,利用期に伐ったがため
第2図
に,また荒廃地となり,再び復旧工蕊をしたという全く
無茶な所もあるが,このよ5なことは,繰り返すべきで
ハケ山一ハケシパリーマツーヒノキ(下木I鋪
ない。それで,治山治水効果を破らないで,伐採跡に種
!
子からでも,また萠芽でも,できるだけ易しく更新する
ような覆顔のものがよい。
■
もちろん,上木を皆伐しても,下木や草など這被覆さ
れていて,再び裸地化するおそれのない処では,次代に
は生長の早いマヅの天然更新をするとか(第1図),また
他のより価値の高い樹木を植えてもよい(第2図)。
ヘョ
ただ滝雷したいことは,たとえ掴直して,砂防地にう
まくマツとの混葬ができても,マツを育てるための,
手段として使ったヤマハンノキ,ハンノキや”ハケシバ
リが伐採前に,或は第1回目のマツの伐採で,マツ以外
の林に変って,再びマツとの混壷林にならないで,目的
第1図A
疎開したヤセ地でマツの若苗はよく発生する
とちがったり,価値の低い林地になることが多いことを
忘れてはなら画。
なお,霞た後で侵入した天然生のマツが,勢いよく生
長して,こんなことなら初あからマツを植えぬ方が一層
よかったという実例も少<ないから,よく考えて奉る必
要がある。
〔1〕箙茅力が強い。
砂防樹穂に限らず,二股に針葉樹は甑芽しなv、ものが
多く,広葉樹には萠芽力の強いものが多い。
もちろん針葉樹は全く萠芽する力がないものともいえ
ず,リキ亥マツ,イチョウなどの例外もある(第3図)。
しかし,リキ亥マツは利用期に伐って,第2代目も,そ
の萠芽枝が利用できるほどかどうかは疑問であるが,兵
庫染林試のある技師によると可能だという。
-27-
倉田: どんな樹や草を使ったらよいか
種子更新をする能力がないよりはましだという考えをも
第3図
枝打跡がら出た不定芽
っていろ。
Ⅳ経済的価値がある
〔1〕用材として
一般的には砂防造林樹で用材に使えるのはマツに限ら
れていたといってもよい。特殊なものとしては山崩鯲の
復旧に,土壌が深く,地味もよく,その地方が林木の生
長にめく・まれた場合,例えば高知県,島根県,東北地方
などでは,スギ,ヒノキを使った方がより効果的な楊合
もあろう。
しかし他の未よりも土地艇対する要求度がそれほど篭
イタクでないマツは,概して砂防造林地では,他の木よ
りも,より用材に仕立てうる可能性釣誓い。
従って蓑づ用材をねらうなら, マツということにな
る。しかし,これも既にのべたように,ヤセ地を好む樹
=
ー
でなくまた現実に用材に使えるほど生育したという実例
なお広率でも,アカシヤ類のよ5に若いうちは箙芽
力が強いが。次第に茨えてしまうものとがある。更にニ
ほ,比率からはほ人の僅かにyすぎない。この事実の認識
をかいてはいけない。
もちろん,これも前にのべたように,肥料木草の混植
カ職い種類のものである。霞たアカシヤ,その他には根
で地力を増し,マツの生長を促進して,より.よい用材の
が伸びて根萠芽による後継樹を成立するものがあり,ク
生産鞭可龍にすることも不可能ではない畷4図)。
ズのように茎が伸びて節から再成するのもある。
例‐β
セアカンヤ,イタチジ、ギなどは年曇刈籏つた方が再生カ
、
第4図
砂防工後30年のマツ用瀞林
草では適当こ刈込入でやった方麓謡返りの状態を示し
【
て,却って生長のよい亀の竃あ患。
〔2〕天然更新が易しい
天然更新は理論上は可能歪も,いざやってみると5ま
U
くいかないことは,今までの実例左知れば充分に理解さ
れる。
筆者の実謝こよると,今霞、看耐陰性が強いといわれて
いたものが,碧苗時代諒潜にたえるので, I蕗陰下でも,
種子による蕊新凋靴輝勺易しいが,これに反して陽樹と
一
いわれていたものが,碧苗時代は特に立籟病に弱、,の
で,上木があって,被圧されているような場合は,立枯
し,更に皆伐,またはそれに近1,、ような状態で,なお土
たとえば第1表の収謹表で明かなように,1等地では
30年,3等地では40.年生前後で,,胸高直径が6寸位
地がヤセている場合は更新し易い。
サワラ,モミは詠昔の例を,マツ,カラマツなどは後
になって,充分用材として利用でき,枕木などにはもつ
者の例である。このように天然に種子種更新させること
と早い。
は,垂艮のおそい陰樹では割に易しいが,今まで砂防造
鯨そ敬鐙,荒鰯癖や'、夢山に点在するマツをできる
林に使オ潮したマツ類では,困難歪ある。
だけ残して, 1噸水草を鐵置ずること力鰹ましく,特に
このよ5な場合には禽害詮回避する処理詮す郷寵琴↑
Fマツ林の日かげにたえて,永存し, M騨審効果の働をする
エニシ調は,最も目的によく適合するといえよう。
も華むづかしくはない。。
しかし事雲行上無難なのは植栽で,あく.我で天然更
新ば,特殊な例外とすべきであろう。
しかし第1表の5鍛岬収穫詮みても判るように,直
径6寸になるには85年を要する。従って砂防地でばま
従って筆者は砂防地では,まづ第一に寵芽力のあるも
づ第一挺用材壷鉋らわず,土地改良を先艇ねらうのが順
のをえらび,種子通更新するか,しないかの要件は,他
の要件に比べては大変f踵を小さく考え』ただ,全然,
が,かりに,5零地を3嬉趣に和当するまで,地位を高
序といえよう・こ散j臆幟5~1D年を要す.るかも‘知れない
-28-
倉田? どえな樹や草を使ったらよいか
いっても飼料である。今までは濃厚飼料にたよりすぎ,
第エ表赤松林一?鯛倶穫表(林業試験場)
一霊
濁蕾馴
姪睾雛
謝謹墨“
却って家畜の品質を悪くし,寿命壷短かくしていたし,
1等地
このことは結果としてはよいことであるが,根本的に
は,濃厚飼料が安価に買える襲うな時代でも,自給飼料
赫蝋州蝋恥一
,1079
よらざるを得なくなってきた。
り
地I
1730
1335
I11l
23釘
飼料価絡力塙<なって,経営力輯難になり自給飼料にた
当
8214
11
6914合7
72
756
●●●●●
.凸
111
71
1
5
●1
●3
骨0
。
6●9
1 16
1
一
哩”釦型”鋸狸
50“
1
主称木 |副林木
が理想的な飼料で,窪fこれによることが,’一般に認識
されねばならないが,幸にも次第に著及しつつある。
こうなるとどぅしても山赫が飼料の給源地とならざる
を得ないが,統計によると,農家の8割以上が採草をし
ていて,経営面積に応じて, より多く必要とすること
は第2表の如くである。
蕊2表採草地所有の内訳
909
▲
■一言凸一一一=.■一.口
964
178・2111・1l9-5
636
1712
226.7118.1 11.1
1蕊4
謡に::|窟’
1”
■
5等地
6.56345917
65.1
18.27.7鍋98
91.2
'10.09.43381
123.5
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1
{』
|拳沁凱鍾“顕α花顕、一
ヤ
417
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魂8喝”釘汐娼
133.619. 11 7.7
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]戸当り癖地面積
’
ー128
10.510.6 2766
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96.27.36.2 1362
■
1戸当り慧馳経営面穣
35mお加釦馳
吟鎧畢卜罪吟ト
8.58.6 諏30
一一画率舜獅獅麹
58.5
18.518.8 1242
r
旦-
6.76.8 5092
|鱗,
1h
等地
|
お幻奉加妬錨罰
3
~
その5.ち内地で5割,北海道で3割5分が採草地の不
ヨ
韮:
足を訴えているといわオしている。
1519
r3.2
1017
16.3
鰍窒簔:
159.410.
673
18α2
196.411 .
451
18.2
15.513.8 1946
232.613.
312
IB.0
16、915.2 1725
267.1' 14.割11.5
221
17今1
'18.416.2 1552
301.315.
1篝
173
16.8
19.61 17.3 1418
334.5117.
134 ・15.7
20.Z 18.21316
368.91 18.
102
14.0
めることができれば,径6寸になるには,そのま蓑では
85年を要したものが,43年短縮できたわけで,5~10
隼の期間を計算に加えても, なお30余竿の癖宿にな
この点からも里山地帯では山林を今までのように単に
林業的な用材や薪炭材にだけ重点におくことなく,飼料
採草地としても考えて,民生安定や産業振興にも,より
職極的に貢献すべきであろう。
すなわち採草地給源としての山称は皇山に多いが,砂
防地のかなり多く力埋山に分布しているので,例えばハ
ケ山,荒廃移行林での植栽には草を伽、,それと同時に
詮の草を肥培し,樹自体も飼i畔}としてすぐれている肥
料木を取入れることが,一挙両得といえる。
次に草と木の飼料的成分表と1本当りの採葉重量を示
すと第3表~第4表の如くである。
第3表(1)草の飼料成分表
る。
要弓=るに砂防地では,用獄生灌を目的とする場合も,
初めから直ぐ稲材生産をれら芳コないで,まづ土地改良の
意味で肥斜木草を入れ,効果が出てからマツを考え,つ
“籍 |”|蕊
い看,ヒノキ,スギを考える。そうでないと急がぱ廻れ すずめのえんどう
で,却って目的達成が不可龍になるか,或はうんと遅オI, く きふじ
ろ。
めひしば
〔2〕飼料として
やはずそ5
圖津鐸は有畜化腱よってこそ合理化されるという結 こまつなぎ
論に達して以来,政府もこの推進に重点をおいて施策を がらすのえんどう
行ってぃ為が,象憲導入を決定的に左右するものは何と
かわらけつめい
-29-
炭水化物
粗脂肪
12.81 20.99
8.54
8.3
9.13
11.9
粗灰分
8.42
4.24.
12.0
11.1
15.8
4.9
13.5
21.7
7.2
制麓
9.
10.
Jj殉0m旬
8.68
…
5.69
L
門
樹、 種名
一三~薯テ斎シャ鯉溺
ヒメヤシヤプシ
オオバ爺シヤプシ
11.06
トゲナシニセアカシヤ
12. 12
(
イタチハギ
i5.
13.
1
鵜
8.86
10.48
ニセアカシや
}
瀞
L
ヤマノ、ンノキ
I
8.52
17.20
|等当&|幟天罰;,鰐
換算
イタチハギ(苗)
田
爾了讓貢
,000
1,635
謹嶬
-
備誉:昭和26年3月10日苗木植栽,埋職埋根実行
-30-
昭和27年8月21日調査
14
(呉治山現暢)
15.74 18.717.
18.
■一
第4表B樹種別2年生木蒲葉量(乾燥)
17.79 16.“5.
14.
律1
-
ー
9
.
8
1
19.04
’ 林試苗畑で調査
釘”“”
釦蝦睡如
I
21.21 18.846.
2
6
.
5
1
17.06
2266.58
|
55
02
51
5
l
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l5
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11.96
15.05
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妬
6
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4
1 諏空
傭
25.88
16.08 14.743.38
62
6
1
21
271
鰯息蕊|麓
9.94
-
宰奄
15.83
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15.966.
16
く
16
15.16 13.975.78
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樹
シノナ
--
58943Z0757負
1渇
婚婚脂側計測4側
第3表② 樹葉の飼料的成分表 (風乾物%)
轆壷一匁81
0.5
- 1
1.0
4.2
》一一】二》鯛鍾汚.沌雰印
8.4
81.8
(9月10日)
2
75.0
寺
■
士
Ob7
■-
|』
2.9i
一
0.7
Z5.2
シシトンザノバ
ズカン
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ヤ
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6.70 3.25
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一
第3回採葉
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18.8
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オーチャード
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第4表A飼料木の採蕊調査
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11
11
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11.19I
めどはぎ
一老》
第3表(1)草の飼料成分表(続)
40
8
6
1
倉田: ど人な樹や草を使ったらよいか
、
倉田: どんな樹や草を使ったらよいか
〔3〕肥料として
第6表
無畜農家で蝿巴料木の葉や,草をそのまま肥料として
ハケ山に於け溺梅険当年の換算落葉量
(たい肥区)
田畑に使っている例が少くな心、。
が,これを乾かして,下肥どまぜて,睦稲その他に与え
て,地力の向上と坐浸を促し,更に病密詮予防してい
る。
種
ヒメヤシヤプシ禮圃蹟年内
ヤマ
グ、
篝
種別
ン
〃
オオバヤシヤプシ
〃
本唖唖亜咽皿唖唖
5
5
15
15
10
20
25
11
で,エ戸当り平均100貫, 金銅で30,000貫位である
樹
匁詔記“駒娚銅趨
例えば栃木采上都賀謝蛎聯付ではブヂの葉を5月下旬
に蕊頚しているが(第5図), 1人1日で生薬で20笈
熟二蝋’
第5図
2
プヂの葉を肥料に
獄
1町当り
-
賞I
35
55
70
135
99
101
820
《。
備考:広島営林署が呉で調査した結果と高島分場力蕊立
試験地(岡山駒で調査した結果に基いて算定し
たもの(昭和26年)。
増収を図っているのも,実は肥料木の葉が特に肥料価値
力碆いからである。
第5表と第6表に樹葉の肥料成分表と1本当り及び1
町歩当りの葉重量幟鯛をあげて比較に供しよう。
要するに農家経営にかくことのできない飼料としての
草と樹葉の給源地として,今まで未利用のまま残されて
画
いた荒騨魍を,早く草と木で緑化することによって,治
且
山治水の目的を早期に電茂し,そこから収穫ざれ愚草と
木を農民に与える機会を多くしてやることも,これから
乾燥の状況
A
I
Q
金肥,とくに硫安左使うと土地が鯛として,水稲では
私繕ち舞羨を起して大きな問題となっているが,全国の
水田の1割6分がそぅで,耕二f籍養法という法律力紹和
27年の驍会を通過して国家的に, この防止につと瞳て
なっている。
《ゴ
;
いるが,自給飼料が,この解決策の大きな方法の一つと
ワ
ヌ
シデ
コ
ナ
ラ
レ
ン
夢
青州大豆
ザ戸トウイツヶン
ノレ
~ピン
●
クローハー
ツルマメ
生長の早1,,点では, とくにニセアカシヤ(第7表),
アカシヤ類(第8表)で,マキとして火力の強い点から
はマツ類,ニセアカシヤなどで,炭としてはカシ,ニセ
アカシヤ(黒炭)みよい。単に早く燃料ガ鵯られるとい
山田氏による
う点からはイダチハギ,アカシヤ,サクラなどがすぐれ
第7表ニセアカシヤ材積調鮮馬県)
永井氏による
■
881
931
ローニーー
■
一一-
L
一
一■
■
■
■ユ
■■■ー』一
■甲一一
ユ町歩当り
本
数 | 材
本
6,145
2,333
3,228
1,482
一綴
も8
や3
●9
●
4
5
97
22
2
イ
98泳弁氏による
石妬耶逗沌
アカシデ
いことなどが主な翼牛といえよう・
一79皿哩
シ
…としてまづ,生長が早い,すなわち早く利用で
きること,マキとして火力が強く,炭としては火持がよ
令
カ
箙芽1鐘職いので髭採によって,天然に更新し得て,
樹
ヅナラ
●①岳G●●●、
ム
ミ
I40 663920OOOO9
ネ
00OOOOOO
鰯醐倒刈廻鰄到呵鋤
●●●●凸●●●●
382322333
ニセアカシヤ
● ● 缶 ● 。 早 ●G
合G●
●
l仇、いり》蝿一血雌逼唾睡心
11111
I1
1
ズ
9901364
43
35
5
鯛肥料木一一般樹木一緑肥作物
ク
イタチハギ
針鶏封は主として用材を目的とす為に対し,広鯛萄は
薪炭材を目的とするに適し迄いる。
L
第5表肥料成分表(%)
ヒメヤシヤ'プシ
オオパヤシャプシ
シ、
ギ
〔4〕驚読材・として
砂防地の植講にとしても塞想的である。
水田にヤシヤプシの葉を入れたり,グミの葉をスれて
キ
/、 ンノキ
ャマ〃、ンノキ
の治山の一つの方向と考えたいb
’
’
註:第1.表と比較されたい。
-31-
F一雨
hや
第.7図
第8表アカシヤ,モリシマ林の蓄穫幅岡県林試)
エ
2
6
口2
●2
■
1
2
123
888
ニ
シ
〆
石
4439
3756
262
9“1
4311
423
43蛇
1652
2塁4
ている。
〔5〕採実
実をとることが目的ではないが,天キグミの実は,食
用となって,経済的には左程有利なものではないが,単
■
み「
調な林に特別の趣を添え,美しい色の実は謝節感を与え
てくれるほか,鳥などの繁殖に役立って,自然の調和を
幟かるなどの問接的な好影響も見逃すわけにいくまい。
さらに有利なものにはヤマモモがある。天然生の果実
の小さいのはそれほどでもないが,改良された大粒種
や,輸入された優良品種は籍別,夏の味覚としてすぐ・れ
8審&
ヱニシダは耐陰性が強く,¥感かなりウツペイしたマ
ている(第6図)。
ツ林下でも開き〃実も結ぶ特性をもっている。.
第6図.
アカシヤは異鬮的な華麗さと,花の少い時期に咲くの
ヤマモモの催良種
で珍重され1枝(1尺)が10円(昭和26年)もする
麗
の遁,15~20年生の1本力稚硫で2,000円というのも
I
珍らじ<ない。エニシ亥も生花材料として用いられ,そ
のうち白花のものはより筒ばれる。
兵庫県姫鱒市,岡山采玉野市,その他広島,山口の各
世
果下の砂防地に昭和26年以来植栽されていて,昭和27
年には,美しい花を開いたものもあるが,ハケ山とし
て,悪い山の標本のように考えられていた"fが,一変
§
』
倉田: どえな樹や章を使ったらよいか
一一一一一
して単期間に緑と花の観光龍になろうとしている。
甑.
『
、
璽憩
; 錘.=
‘
治山とレクリエーションと童結びつけ遙手取り早い啓
蒙運動の一役をも担う。
‐-. - 、
砂防地に植えられた在来種に,5~7年生の頃,この
優良種を接木するのもよい。現在の処接木苗は高価であ
〔7〕その他副産物
り,また接木按術も困難なので,積極的にはすすめられ
ないが』将来一考詮要するものである。
ずるもの以外を指し,マツヤニ(マツ),タンニン(ア
詳しいことはヤマモモの項にゆずるが,1本で,果物
などである。このうちマツヤニ,タンニンは国家的にも
の売上げが数千門という実例もあり,ハケ山の緑化と経
重要な林産物看,輸入にたよっている点からも,軽樋で
済効果をかねた,興凍あるものである。
〔6〕花木として
きない。
カシヤ、ヤマモモ),澱穐(クズ),工作材料(ヤナギ)
、
マツヤニについては,かなり知られているが,タンニ
とくに単調な砂防地を果実に限らず,なお美1_J'、花で
飾ることも,目を楽しませるほか,蜜源ともなり,望ま
しいことであって,サクラやアカシヤ,エニシ〆礒7
図), ハギ猿はこの点からも認直したいものである。
とくにアカシヤとエニシ灘は花期が長く,マツ地帯の
単調さ左補うに充分である。
ここにいう副産物は今までに述べた,経済的価値を生
ンについてはよく知られていない。
すなわちタンニンは革孝鰊すのになくてはならぬもの
で,戦時中は特に需要力診かつた。
欧米で植物タンニン材料壷消費する瀝は,純タンニン
分に換算して,1人当り1年平均1キロであるが,我国
は欧米各国と気候,風土及び生活様式力韓うから,その
-32-
q
h一
一
、
倉田: どんな樹や草を使ったらよいか
約半分としても, 4万トンと云う大きな数字になり,も
しこれを自給するとすれば,約50万町歩のタンニン資
使い道が広い。
マツやモクマオウ類も冬も緑であるが,綜合的にみ
て,普遍性に欠けているが,海岸その他に採用の余地が
源林轆保されねばならぬ。
然し,ほとんど輸入にたよっていて,思うように使え
ある。
ない現状では,せめて朧農用に4千トン,皮錬用に4千
また浸蝕防止を早く直接防止するには冬も青い草が効
トン,この合計8千トンもあれば,まあよかろうという
程度で,大変心細いが,それでも10万町歩の植林力泌
これから適瞳を探す段階にある。まづ昭和27年春から
果が早いが,まだ砂防上どの種類がよいかは研究中で,
各地の治山現場で着手された程度で’ 一概に云えない
要となる。
林野庁の統計によれば,昭和25年度植樹菌積はゼロ
が,今までのところ大体,奇蹟の草,ウイーピング・ラ
で,26年~28年の3ケ年計画で,合計僅か365町歩に
ブ・グラス,マウンテン・プローム’レッド・ I、ツプが
過ぎず,いかに,この増殖が急鐇であるかが窺jつれる。
試作の結果,週茨れているが,なお’ペルペツ'、、グラ
さて,アカシヤのうちで,タンニンが一謹多いのはア
ス,スムース・プ戸一ム, チモシー, メドウ。ブエス
カシヤ.モリシマで,大体樹皮に30~45%,枝葉で10
%含まれ,なおデクレンスが30~40%,ブサアカシヤ
ク,アルター.フエスク,レッド・プエスク,オオチヤ
20~30%内外で,日本のタンニン樹であるカシワ, シ
る(第9表)。
ード,リ戸ド.キヤナリー,グラスなども有望と思われ
第9表冬も青い草一覧表味完)
イ,ノプノキ,イスノキ,ヤマモモ,シヤリンバイ,ツ
ガなどに比して数倍も多い。
学
|和名
俗名
名
グナム氏によるとアカシヤの生皮の水分は53%,風
Redtop
当し1町歩当りの皮愛は凡そ3~8キロとみてよかろ
Festucaarlmdinacea
Kenmcky31Fescue 奇蹟の草
う。
Dactylisglomerata
Orchardgrass
かもがや
Eragrostiscurvula
We"inglovegrass
かぜくさ
乾皮は12%で,生皮187キロが,風乾皮100キロに相
濁
1
ぬかぼ
Agrositisalba
あ記’○勺
なお植栽後7~8年で伐採して樹皮を採取する従来の
方法のほかに,葉のタンニンが3%内外もあるので,
AxrhenathenYm
切桟仕上にして年に2~3回,或は隔年に採葉する方法
elatius
も,有利なこともあろう。
V常緑てある
砂防地の最観の単調さを,花や,果実が救ってくれる
としでも,冬に落葉するもの力琴いのでは,やはり殺風
おおかに
Tolloatgrass
つりぐさ
Phalarisarundin2cea Reedcanarygrass
くさよし
BromeSmaェ窟ingcea
Mo'mminbrome
すずめの
Bromesinermi$
Smoothbrcme
ちやひき
〃
蝿
おおあわ
Phleumpratdlse
Timothy
がえり
LoIiumperenne
Perennialrye-grass
ぼそむぎ
霜によるもの力癒外に多く,とくにハケ山の成因は冬期
Viciavillosa
Hairyvetch
そらまめ
間に地表や地上の被撞物が欠けている結果,風,水分
Holcuslan肉h1s
Velvetgrass
が,寒気と関連して風化作用を進めるので, もし雪,
Festucarubra
Redfesm]e
景である。
一一一今壷
まして岩石,表土の風化は冬の寒さからくる結氷,結
唾篭凄言一符
しらげか
や
おおうし
のけく・さ
草,樹,ワラ,その他,何物かで被覆されていれば,ハ
ケ山はそう簡単にできない。
今まで冬の風化を過小評価していたようだが,これが
昭和27年12月5日印刷
頒価40円
夏の降雨で運ばれて,浸蝕量を集積して洪水の原因とな
昭和27年12月10日発行
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ることが多い。このことから冬期,作物でおおうことは
林
必要である。このためには冬も緑の草や木が重要な役割
(改題第37号・発行部数11,600部)
編集発行人松
原
茂
をもつことになる。
技
術第130号
印刷人山
名
富哉
印刷所合同印刷株式会社
従って常緑樹としてはヤマモモ,アカシヤ,カシ類,
ヒサカキ,マサキ,アオキなどのような広葉樹がすぐ・れ
ているが,ヤマモモ,アカシヤは場所的な制限が多く,
業
発行所
カシ,ヒサカキは生長がおそく,広く植栽できるものと
して,初めの生長が早いエニシダが最もすぐ参れているの
で,まづ第一番に坂入れたい。特に下木植栽もきくので
-33-
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凸F4-■
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践から得た体験によって之を全面的に改訂し,更に近代砂防技術の粋を取り入れて完成されたの
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