165 165 表1. ドリル加工性試験結果 Table.1 Drilling workability CCL for IC package substrate with excellent coplanarity property CS-3666SS A社材 A’ s B社材 B’ s 半導体パッケージ用プリント配線板材料 CS-3666SS パッケージ基板のソリ低減を期待 ドリル加工性も良好 内壁粗度 Hall wall roughness 利昌工業(株) 化学技術研究所 池田 剛 RISHO KOGYO CO.,LTD. Chemical Science R&D Laboratory Tsuyoshi Ikeda 6.0μm 7.7μm 穴位置精度 Positioning accuracy ■高密度実装が進む半導体パッケージ 頼性が必要となり、ドリル加工時の穴位置のズレ ミニパソコンや内蔵メモリー、ハードディス (穴位置精度)やスルホール壁面の粗さ(内壁粗 ク、メモリーカード 度)の重要性も高まってきております。 など、大容量記録メ さらに、基板の薄型化は反り増大の一因であ ディアを必要とする り、鉛フリーはんだリフローなどの加熱工程にお ける反りの低減も大きくクローズアップされてく モバイル機器の技術 15.0μm 16.9μm 42% 48% 回復のきっかけ、更 には市場拡大の一因 になるものと期待さ Drill bit head 加 工 機:日立ビア ND-1V211 ショット数:8500 shot 重ね枚数:1 枚 ドリル径 :φ0.12 送り速度 :9μm/rev エントリーボード:LE800 回 転 数 :160000rpm ドリルビット :ユニオンツール製 バックアップボード:1.5t ベーク板 ■ドリル加工性試験結果 熱、冷却過程におけるコプラナリティを測定し より、半導体パッケージ用プリント配線板材料に 表1に示すように、CS-3666SSはドリル刃の摩 ました。 求められる特性として、ドリル加工性とソリの低 耗を抑制するとともに、スルホールの内壁粗度 図2.シャドウモアレ法 FIG.2 Shadow moire も比較的良好であり、穴位置精度いわゆる穴加 工の位置ズレは最も小さい結果となっておりま メモリーなど、コンピューターの中枢を担う部品 ■ナノテクでドリル加工時の刃の磨耗低減を 実現、反り低減にも期待 が搭載されており、ここに半導体パッケージ用基 この度、利昌工業ではナノテクノロジーをベー インパターン化に対応できる特性であると考え 光源 板が使用されています。 スとして、低熱膨張成分の均一分散(図1)を検 ております。 機器の小型化、高機能化に伴い、半導体パッケ 討し、半導体パッケージ基板用の銅張積層板CS- Light source ージ基板は高密度実装化が進み、ファインパター 3666SSをラインナップ致しました。 ■コプラナリティとは ン化や高多層化での対応が求められております。 本稿では、ドリル摩耗を抑制し、反り低減が 実装時の基板の反り状態を表す指標として、 これらのモバイル機器には、CPU、MPU、 期待できるCS-3666SSの特性データをご紹介致 ■求められるドリル加工性、低反り化 します。 次世代半導体パッケージの動向とし の入出力接続端子(ピン)数は1.5∼3 図1.クロスセクション Fig.1 Cross-section CS-3666SS 当社一般低CTE材 す。加工コストの大幅な上昇を抑えつつ、ファ コプラナリティ(coplanarity)という表現があり ん性’と定義されており、基板の最上面と最下 試料 CCL (片面板;銅箔面を上) 面の高低差となります。BGA(Ball Grid Array) 基板やCSP(Chip Size Package)基板において に伴うドリル加工穴数の増加で、ドリ は、半田ボール実装時の基板の反りやねじれの ル刃の摩耗・消耗など加工コストへの 状態を把握する必要があり、コプラナリティが 対応が必要になってきております。 小さい(リフロー工程中の反り挙動が小さい) また、配線パターンのL/S(ライン/ 熱源 Heat source ことが望まれています。 スペース)の狭ピッチ化(L/S=25μ (75μm以下)により、高度な絶縁信 カメラ Camera ますが、これはJPCA(BU-01規格)では‘平た 倍になると考えられております。これ m/25μm以下)やドリル径の極小化 22% ドリル刃 残存率 このように、ファインパターン化や高多層化に 減が注目されています。 れています。 て、2020年までにパッケージ1個当たり 19.6μm ることになります。 革新は、今後の景気 ▲半導体パッケージのイメージ 5.8μm ▲半導体パッケージ用銅張積層板 CS-3666SS シャドウモアレ測定原理 今回、JEDEC規格にも規定されておりますシ ナノサイズ低熱膨張成分 ミクロンサイズ低熱膨張成分 Nano-size Low CTE component Micron-Size Low CTE component 12 Measurement principle of shadow moire ャドウモアレ法(図2)により、CS-3666SSの加 (JESD22B112準拠) 13 165 165 表1. ドリル加工性試験結果 Table.1 Drilling workability CCL for IC package substrate with excellent coplanarity property CS-3666SS A社材 A’ s B社材 B’ s 半導体パッケージ用プリント配線板材料 CS-3666SS パッケージ基板のソリ低減を期待 ドリル加工性も良好 内壁粗度 Hall wall roughness 利昌工業(株) 化学技術研究所 池田 剛 RISHO KOGYO CO.,LTD. Chemical Science R&D Laboratory Tsuyoshi Ikeda 6.0μm 7.7μm 穴位置精度 Positioning accuracy ■高密度実装が進む半導体パッケージ 頼性が必要となり、ドリル加工時の穴位置のズレ ミニパソコンや内蔵メモリー、ハードディス (穴位置精度)やスルホール壁面の粗さ(内壁粗 ク、メモリーカード 度)の重要性も高まってきております。 など、大容量記録メ さらに、基板の薄型化は反り増大の一因であ ディアを必要とする り、鉛フリーはんだリフローなどの加熱工程にお ける反りの低減も大きくクローズアップされてく モバイル機器の技術 15.0μm 16.9μm 42% 48% 回復のきっかけ、更 には市場拡大の一因 になるものと期待さ Drill bit head 加 工 機:日立ビア ND-1V211 ショット数:8500 shot 重ね枚数:1 枚 ドリル径 :φ0.12 送り速度 :9μm/rev エントリーボード:LE800 回 転 数 :160000rpm ドリルビット :ユニオンツール製 バックアップボード:1.5t ベーク板 ■ドリル加工性試験結果 熱、冷却過程におけるコプラナリティを測定し より、半導体パッケージ用プリント配線板材料に 表1に示すように、CS-3666SSはドリル刃の摩 ました。 求められる特性として、ドリル加工性とソリの低 耗を抑制するとともに、スルホールの内壁粗度 図2.シャドウモアレ法 FIG.2 Shadow moire も比較的良好であり、穴位置精度いわゆる穴加 工の位置ズレは最も小さい結果となっておりま メモリーなど、コンピューターの中枢を担う部品 ■ナノテクでドリル加工時の刃の磨耗低減を 実現、反り低減にも期待 が搭載されており、ここに半導体パッケージ用基 この度、利昌工業ではナノテクノロジーをベー インパターン化に対応できる特性であると考え 光源 板が使用されています。 スとして、低熱膨張成分の均一分散(図1)を検 ております。 機器の小型化、高機能化に伴い、半導体パッケ 討し、半導体パッケージ基板用の銅張積層板CS- Light source ージ基板は高密度実装化が進み、ファインパター 3666SSをラインナップ致しました。 ■コプラナリティとは ン化や高多層化での対応が求められております。 本稿では、ドリル摩耗を抑制し、反り低減が 実装時の基板の反り状態を表す指標として、 これらのモバイル機器には、CPU、MPU、 期待できるCS-3666SSの特性データをご紹介致 ■求められるドリル加工性、低反り化 します。 次世代半導体パッケージの動向とし の入出力接続端子(ピン)数は1.5∼3 図1.クロスセクション Fig.1 Cross-section CS-3666SS 当社一般低CTE材 す。加工コストの大幅な上昇を抑えつつ、ファ コプラナリティ(coplanarity)という表現があり ん性’と定義されており、基板の最上面と最下 試料 CCL (片面板;銅箔面を上) 面の高低差となります。BGA(Ball Grid Array) 基板やCSP(Chip Size Package)基板において に伴うドリル加工穴数の増加で、ドリ は、半田ボール実装時の基板の反りやねじれの ル刃の摩耗・消耗など加工コストへの 状態を把握する必要があり、コプラナリティが 対応が必要になってきております。 小さい(リフロー工程中の反り挙動が小さい) また、配線パターンのL/S(ライン/ 熱源 Heat source ことが望まれています。 スペース)の狭ピッチ化(L/S=25μ (75μm以下)により、高度な絶縁信 カメラ Camera ますが、これはJPCA(BU-01規格)では‘平た 倍になると考えられております。これ m/25μm以下)やドリル径の極小化 22% ドリル刃 残存率 このように、ファインパターン化や高多層化に 減が注目されています。 れています。 て、2020年までにパッケージ1個当たり 19.6μm ることになります。 革新は、今後の景気 ▲半導体パッケージのイメージ 5.8μm ▲半導体パッケージ用銅張積層板 CS-3666SS シャドウモアレ測定原理 今回、JEDEC規格にも規定されておりますシ ナノサイズ低熱膨張成分 ミクロンサイズ低熱膨張成分 Nano-size Low CTE component Micron-Size Low CTE component 12 Measurement principle of shadow moire ャドウモアレ法(図2)により、CS-3666SSの加 (JESD22B112準拠) 13 165 165 ■コプラナリティ試験結果 の要因が絡んでおり十分に解明されていない状況 図3より、CS-3666SSは他社材に比べ、加熱、 ですが、CS-3666SS はBGA、CSPなどの半田ボー 冷却過程においてコプラナリティが最も小さい結 ル実装に優位であると考えられ、実装信頼性を高 果を示しております。また、図4では、高温加熱 めるCCL材料としてお客様に提案させて頂いてお 時(250℃)における基板の反り、ねじれの状態 ります。 を高低差として着色により図示しましたが、CS- タテ Warp ヨコ Fill 1.0×1010 図5はスルホール径φ0.2mm、壁間0.15mmにお 生しない結果を得ております。そのことにより、 ける85℃/85%RH/DC50V条件下での耐CAF性試 コプラナリティが小さくなったと言えます。ねじ 験結果です。2000時間経過後も絶縁性を維持し れ発生のメカニズムにつきましては、複雑な種々 1.0×108 抵 抗 値 1.0×106 Ω ており、信頼性に優れた基板であることが分か ります。 図3.シャドウモアレによる反り量測定結果 1.0×104 Fig.3 Coplanarity by shadow moire ■一般特性試験結果 0.2mm厚 800 A社 薄型PKG用 実績のある他社材より20∼50 A’ s for IC package ℃高い230℃以上でありま 600 1.0×102 CS-3666SSのTg(DMA) は、パッケージ用CCLとして B’ s for IC package 1.0×1012 ■耐CAF性試験結果 3666SSは他社材に比べ、反り、ねじれが殆ど発 B社薄型PKG用 0 500 1000 処理時間(Hr) コプラナリティ Coplanarity /μm 1500 表2.一般特性 Table.2 Test result of General properties す。また、銅箔ピール強度も 項目 CS-3666SS Test items 対応できる特長の一つと考え ■まとめ 減が期待できる半導体パッケ ージ用CCL材料CS-3666SSを ラインナップすることによ 100 200 300 TMA法 ℃ 200 183 178 DMA法 ℃ 238 184 211 sec >300 >300 >300 kN/m 1.5 1.0 1.3 タテ/ヨコ Warp/Fill MPa 555/510 520/499 596/504 20℃ Warp/Fill GPa 30/29 29/29 34/32 200℃ Warp/Fill GPa 10/9 14/13 14/12 ppm/℃ 12/13 13/12 13/12 α1 ppm/℃ 39 27 33 α2 ppm/℃ 191 140 124 ― V-0 V-0 V-0 ルの摩耗を抑制し、反りの低 200 0 B社材 Tg スルホール穴明け時のドリ CS-3666SS A社材 ハロゲンフリー Halogen-free 単位 ております(表2)。 400 2000 TH 径:φ0.2, 壁間:0.15mm, 85℃ 85%RH、DC50V TH Dia:φ0.2, Hole pitch:0.15mm, 高く、ファインパターン化に 0 IC package substrate is becoming more fine-wired and higher-layer count. Therefore CCL is also required of less warpage, better drilling workability or more excellent anti-CAF property. We have developed the PWB material , CS-3666SS, for IC package substrate which can meet these requirements with nano-technology(Fig.1) CS-3666SS has the following properties. 1. Excellent in drilling workability for reliable PTH(Table.1) 2. Excellent in anti-warpage property for reliable IC chip mounting(Fig.3 & Fig4) 3. Excellent in anti-CAF property for reliable insulation.(Fig.5) Excellent high heat resistance of Tg=230℃ or Peel strength of 1.5kN/m are also adequate property for IC package.(Table.2) We wish CS-3666SS will contribute to realize next-generation-IC-package 図5.狭ピッチスルホール耐CAF性試験結果 Fig.5 Anti-CAF property at narrow pitch PTH 200 温度 Temp./℃ 100 0 半田耐熱性(288℃フロート) Solder limit (288℃ Float) ピール強度(18μmCu) Peel strength り、お客様と共に次世代半導 曲げ強さ 体パッケージ実現の一端を担 Flexural strength うことができれば幸いです。 ※測定ご協力:シーマ電子様 曲げ弾性率 Flexural modulus 図4.高温時のコプラナリティ (at 250℃) Fig.4 Coplanarity at 250℃ 熱膨張係数(XY方向) CTE 熱膨張係数(Z方向) α1 Warp/Fill CTE in thickness direction 耐燃性 UL 94 flammability CS-3666SS A社材 B社材 ※試料厚さ:0.8t Test piece thickness : 0.8mm 14 15 165 165 ■コプラナリティ試験結果 の要因が絡んでおり十分に解明されていない状況 図3より、CS-3666SSは他社材に比べ、加熱、 ですが、CS-3666SS はBGA、CSPなどの半田ボー 冷却過程においてコプラナリティが最も小さい結 ル実装に優位であると考えられ、実装信頼性を高 果を示しております。また、図4では、高温加熱 めるCCL材料としてお客様に提案させて頂いてお 時(250℃)における基板の反り、ねじれの状態 ります。 を高低差として着色により図示しましたが、CS- タテ Warp ヨコ Fill 1.0×1010 図5はスルホール径φ0.2mm、壁間0.15mmにお 生しない結果を得ております。そのことにより、 ける85℃/85%RH/DC50V条件下での耐CAF性試 コプラナリティが小さくなったと言えます。ねじ 験結果です。2000時間経過後も絶縁性を維持し れ発生のメカニズムにつきましては、複雑な種々 1.0×108 抵 抗 値 1.0×106 Ω ており、信頼性に優れた基板であることが分か ります。 図3.シャドウモアレによる反り量測定結果 1.0×104 Fig.3 Coplanarity by shadow moire ■一般特性試験結果 0.2mm厚 800 A社 薄型PKG用 実績のある他社材より20∼50 A’ s for IC package ℃高い230℃以上でありま 600 1.0×102 CS-3666SSのTg(DMA) は、パッケージ用CCLとして B’ s for IC package 1.0×1012 ■耐CAF性試験結果 3666SSは他社材に比べ、反り、ねじれが殆ど発 B社薄型PKG用 0 500 1000 処理時間(Hr) コプラナリティ Coplanarity /μm 1500 表2.一般特性 Table.2 Test result of General properties す。また、銅箔ピール強度も 項目 CS-3666SS Test items 対応できる特長の一つと考え ■まとめ 減が期待できる半導体パッケ ージ用CCL材料CS-3666SSを ラインナップすることによ 100 200 300 TMA法 ℃ 200 183 178 DMA法 ℃ 238 184 211 sec >300 >300 >300 kN/m 1.5 1.0 1.3 タテ/ヨコ Warp/Fill MPa 555/510 520/499 596/504 20℃ Warp/Fill GPa 30/29 29/29 34/32 200℃ Warp/Fill GPa 10/9 14/13 14/12 ppm/℃ 12/13 13/12 13/12 α1 ppm/℃ 39 27 33 α2 ppm/℃ 191 140 124 ― V-0 V-0 V-0 ルの摩耗を抑制し、反りの低 200 0 B社材 Tg スルホール穴明け時のドリ CS-3666SS A社材 ハロゲンフリー Halogen-free 単位 ております(表2)。 400 2000 TH 径:φ0.2, 壁間:0.15mm, 85℃ 85%RH、DC50V TH Dia:φ0.2, Hole pitch:0.15mm, 高く、ファインパターン化に 0 IC package substrate is becoming more fine-wired and higher-layer count. Therefore CCL is also required of less warpage, better drilling workability or more excellent anti-CAF property. We have developed the PWB material , CS-3666SS, for IC package substrate which can meet these requirements with nano-technology(Fig.1) CS-3666SS has the following properties. 1. Excellent in drilling workability for reliable PTH(Table.1) 2. Excellent in anti-warpage property for reliable IC chip mounting(Fig.3 & Fig4) 3. Excellent in anti-CAF property for reliable insulation.(Fig.5) Excellent high heat resistance of Tg=230℃ or Peel strength of 1.5kN/m are also adequate property for IC package.(Table.2) We wish CS-3666SS will contribute to realize next-generation-IC-package 図5.狭ピッチスルホール耐CAF性試験結果 Fig.5 Anti-CAF property at narrow pitch PTH 200 温度 Temp./℃ 100 0 半田耐熱性(288℃フロート) Solder limit (288℃ Float) ピール強度(18μmCu) Peel strength り、お客様と共に次世代半導 曲げ強さ 体パッケージ実現の一端を担 Flexural strength うことができれば幸いです。 ※測定ご協力:シーマ電子様 曲げ弾性率 Flexural modulus 図4.高温時のコプラナリティ (at 250℃) Fig.4 Coplanarity at 250℃ 熱膨張係数(XY方向) CTE 熱膨張係数(Z方向) α1 Warp/Fill CTE in thickness direction 耐燃性 UL 94 flammability CS-3666SS A社材 B社材 ※試料厚さ:0.8t Test piece thickness : 0.8mm 14 15
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