No. 創立 40 周年 152 November 2012 ■金沢医科大学創立 40 周年記念行事 記念式典、記念講演会、記念祝賀会、 施設見学会 金沢医科大学創立 40 周年記念事業一覧 ■学事 平成 24 年度医学部編入学生入学宣誓式 平成 25 年度医学部入学試験説明会 平成 24 年度オープンキャンパス ■学生のページ 医学部第 2 学年看護体験実習 医学部学生のメディカルホームステイ 第 41 回内灘祭 ■国際交流 第 25 回 JAPAN TENT ■学術 金沢医科大学医学会 第 14 回日本褥瘡学会学術集会 ■病院 金沢医科大学病院第 33 回連携病院会議 平成 24 年度医療監視 金沢医科大学氷見市民病院:新病院開院 一周年記念事業 能登北部地域医療研究所:対談「能登の 地域医療を守るため」 ■管理・運営 各後援団体から創立40周年記念事業に 寄附目録贈呈 ■随想 白山日帰り登山−国際交流番外編− 「道 程」 金沢医科大学報 KMU 40th ANNIVERSARY 金沢医科大学創立 40 周年記念事業一覧 −新しい世代の登場活躍を歓迎して− 本学は 1972 年 6 月 1 日に開学し、本年 2012 年に創立 40 周年を迎えた。 開学以来 40 年を経て、3,500 名有余の医師と 2,000 名有余の看護師を世に送り出してきた。 この記念事業を歴史の一里塚として、過去の労苦を記憶にとどめ、良医を育成し世に送ることが、建学 の精神にもある人類社会への貢献である。 創立 40 周年にあたりこれを記念して「新しい世代の登場活躍を歓迎して」という行動目標を掲げ、本学の さらなる発展を願って下記のような記念事業が進められた。 □金沢医科大学創立 40 周年記念行事 ①記念式典 ②記念講演会 ③記念祝賀会、退職教授懇談会 ④施設見学会: アナトミーセンター、レジデントハウス、金沢医科大学氷見市民病院 □金沢医科大学グランドデザイン第 1 次 5ヵ年計画 2010 ⑤クリニカル・シミュレーション・センター ⑥スチューデント・ドクター医局 ⑦アナトミーセンター ⑧レジデントハウス ⑨医学教育棟(実施設計終了、確認申請中) ⑩病院 1 号棟(基本設計進行中) □地域医療の振興 ⑪金沢医科大学氷見市民病院運営受託 ⑫能登北部地域医療研究所設立 □記念出版 ⑬金沢医科大学四十年史 北辰同窓会 金沢医科大学創立 40 周年記念誌 看護同窓会 金沢医科大学創立 40 周年記念誌 金沢医科大学氷見市民病院の挑戦「地域医療」が元気になった! □金沢医科大学創立 40 周年記念映像制作 ⑭ DVD「良医への Career path 」 □記念植樹 ⑮ 高峰さくら植樹( 「ワシントンの桜里帰り事業」協賛) 2 第 152 号/2012.11 金沢医科大学報 3 KMU 40th ANNIVERSARY 金沢医科大学創立 40 周年記念行事 期日:平成 24 年(2012 年)10 月 27 日(土) 会場:ホテル日航金沢 金沢医科大学創立 40 周年記念式典、記念講演会、記念祝賀会が、約 500 名の参加を得て盛会裡に執り行われた。 記念祝賀会終了後に施設見学会が行われ、参加者はチャーターバスで、それぞれ内灘メインキャンパスと氷見 キャンパスに向かった。 ①記念式典 3 階「孔雀の間」にて、午前 10 時、本学クラシック音楽同好会の学生 18 名による校歌斉唱で式典の幕が開かれ た。まず来賓としてお招きした小松親次郎文部科学省高等教育局私学部長(田中眞紀子文部科学大臣代理)、小 川秀興日本私立医科大学協会長(学校法人 順天堂 理事長)、森 喜朗衆議院議員(本学顧問・元内閣総理大臣)、 小栗典明日本私立医科大学協会事務局長の 4 名の方が紹介され、登壇いただいた。続いて本学役員が紹介され、 それぞれ壇上に着席した。 最初に、竹越 襄理事長が式辞を述べ、続いて田中文部科学大臣(代読:小松私学部長)、小川日本私立医科大 学協会会長、森衆議院議員からそれぞれ祝辞をいただいた。続いて祝電披露も行われた。 クラシック音楽同好会による校歌斉唱 (坂田真一) 金沢医科大学報 4 KMU 40th ANNIVERSARY 式辞 本日ここに、文部科学 省から小松親次郎高等教 育局私学部長、元内閣総 理大臣森喜朗先生、一般 社団法人日本私立医科大 学協会会長小川秀興順天 堂大学理事長先生のご臨 席を仰ぎ、石川県並びに 金沢市及び県内外の各自 治体と関係大学、医療機 関、さらには経済団体な どの諸機関から多くの皆 さまのご臨席を賜り、金沢医科大学創立 40 周年の記 念式典が挙行できますことは、本学にとって大きな喜 びであります。 40 年前の昭和 47(1972 )年に当時予測された医師不 足を改善するための国の施策のもとで、金沢市郊外の 内灘の地に日本海側唯一の私立医科大学として産声を 上げてから今日に至るまで、文部科学省をはじめ関係 各位には格別なご支援、ご協力をいただいてまいりま した。心からの感謝とお礼を申し上げます。 本学は、開学以来、 「良医を育てる、知識と技術を きわめる、社会に貢献する」という建学の精神のもと、 「人間性豊かな良医の育成」また「高い倫理観を備えた 看護師の育成」を教育目標として、医学・医療の発展 とその担い手の育成に努力してまいりました。その結 果、これまでに約 3,500 名の医師と 2,000 名以上の看護 師を世に送り出し、現在、全国各地の医療現場で地域 医療の担い手として、また研究者として活躍しており ます。 「良医の育成」とは、 「医は仁術」と言われますよう に、私は医療の根本は人に対する優しさであると思っ ております。このことは医師、看護師をはじめ全ての 医療人に共通することであり、本学の教職員の皆さん には機会あるごとに、医学生、看護学生には弱者、特 に病者への優しさの大切さを繰り返し説いて、思いや り 、 慈悲の心を持った医師、看護師として世に送り出 してほしいとお願いしてまいりました。 40 周年を迎えた本年は、医学部の入学志願者が大 幅に増えて、2,700 名以上の過去最高を記録いたしま した。また、医師国家試験におきましても 127 名が合 格し、全国の 80 医科大学医学部の中で最も多い人数 であります。さらに、母校の大学に残って初期臨床研 理事長 竹 越 襄 修を志す研修医の数も例年の倍以上に増加いたしまし た。また、平成 19 年に開設した 4 年制看護学部も昨年 初めての卒業生を送り出しましたが、2 年連続で看護 師国家試験合格 100%を達成しております。全国的な 医師不足とその地域偏在、さらに看護師不足が社会問 題化している昨今、地方に位置する医科大学としてこ のような状況は、地域医療を担う医師と看護師の確保 のためには非常に喜ばしい限りであります。 顧みますと、創立からの 20 年間は大学や大学病院 の健全かつ安全な管理運営のため、諸先輩方が心血を 注いで努力をされた創成期であり、後半の 20 年は安 定して教育や研究、そして診療や看護活動を通して医 学・医療の発展と次世代の担い手の育成に努力してき た成長期でありました。その間、教育関係では、日本 医学教育学会や国内医科大学視察と討論の会が開催さ れ、本学の医学教育に対する取り組みに一定の評価を いただいたと理解しております。しかし、大学の使命 である教育・研究・診療においては、伝統ある大学と 比較すればまだまだ未熟であり、人間の成長過程に例 えれば、ようやく青年期を抜け出したところだと思っ ております。特に私の母校でもあります金沢大学にお かれましては、創立期より多くの優秀な人材をお送り いただき、また教育・研究の面でも種々ご指導いただ いておりますことは感謝に堪えません。 ところで、近年の高齢化、医療ニーズが多様化する 中で、本学として「打つ手は何か」を示す必要がある と思います。その意味において、平成 20 年に富山県 氷見市民病院の指定管理者となり、金沢医科大学氷見 市民病院として診療業務を開始し、また平成 22 年に は石川県の寄附講座として能登北部地域医療研究所を 公立穴水総合病院内に開設いたしました。結果の評価 を見るには時期尚早でありますが、両施設に優秀なベ テランの臨床指導医を配して体制を整えております。 このような施設で地域医療に参加することは、地域の 方々に寄与するばかりではなく、医学生や研修医に過 疎地の高齢者医療、僻地診療などの臨床実習を経験さ せ、総合医としての観点から地域医療の現状を知って もらうためにもよい機会となります。さらに、将来的 には大学病院と地域の病院や診療所とのネットワーク を構築し、電子カルテや遠隔医療システムを共同利用 して、地域医療に貢献することも可能です。これら支 援システムを利用しながら、大学病院の専門医である と同時に、地域医療を支える総合医として広く活躍で 第 152 号/2012.11 金沢医科大学報 5 KMU 40th ANNIVERSARY きる医師を養成しなければなりません。以上の地域社 会との密なる連携がまず打つ手の第一弾と考えており ます。 一方、国際的な交流の場として、米国、中国、ドイ ツ、ロシア、さらにベトナムの各大学と姉妹校提携、 または学術提携を行っており、今までに多くの学生や 教員が参加しております。これらを通して国際人とし て、また国際的な研究者としての飛躍を願うものであ ります。また、県内におきましては、平成 18 年に北 陸大学との医薬連携を通して姉妹校協定を締結してお ります。チーム医療が叫ばれている現在、薬剤師との 協力は欠かせません。さらに、平成 20 年には金沢工 業大学と医工連携協定を結び、医学と工学の教育研究 の協力関係を推進しております。自治体との協力関係 としては、金沢市との間で健康と教育に関する協定を 結んでおり、既に女性の健康講座を 2 回開催しており ます。また、大学が所在しております内灘町には、創 立以来、大学発展のために絶大なるご支援をいただい ており、現在までに健康管理や学生の学習、実習をは じめとして多くの事業提携を行っております。このよ うに、国内外との交流は学生のみならず教職員の刺激 となり、大学の活性化に大きく貢献しているものと考 えております。以上、医学教育問題と地域社会に対す る責務について、私見を交えて述べましたが、次に大 学の将来構想についてお話ししたいと思います。 今から 10 年前の創立 30 周年には、記念事業として 老朽化した病棟を耐震化と併せ、新しい時代に対応し た診療機能の向上を目指して新館を建設いたしまし た。その後、平成 16(2004 )年の国立大学の独立行政 祝辞 文部科学大臣 田中眞紀子 (代理 小松 親次郎 文部科学省高等教育局私学部長) ご紹介にあずかりました文部科学省高等教育局私学 部長をいたしております小松と申します。本日は、金 沢医科大学創立 40 周年、誠におめでとうございます。 祝辞を申し述べるにあたりまして、わが国の高等教育、 医学教育、私立学校教育、いずれをとりましても、石 川県のそれは誠に重要なものでございます。教育研究 を自ら行っていただいている皆さま方、学ばれる学生 方、また本日、森元内閣総理大臣もお見えでございま すが、発展に必要な政治指導、そして経済界の協力 、 病院のご活躍、あるいは関係行政機関のご支援、さま 法人化を契機に、私立医科大学としての特色を生かし、 さらなる発展をするために経営を重視し、学長、病院 長が経営的な感覚をあわせ持った真のリーダーシップ を発揮できるガバナンス体制を確立いたしました。そ して、創立 40 周年の記念事業としては平成 22(2010 ) 年から金沢医科大学グランドデザイン第 1 次 5 カ年計 画に着手しております。基本コンセプトは、耐震化と 医学生や看護学生、そして研修医の勉学環境の充実整 備であります。現在までに新アナトミーセンターの建 設と金沢医科大学氷見市民病院の移転新築が完了し、 この 10 月末には臨床研修医のレジデントハウスが竣 工いたします。今後は、10 年間で病院はじめ研究棟 などの解体と新築を行い、新しいキャンパスの誕生を 目指しております。 私どもは、この 40 周年記念事業のテーマを「新しい 世代の登場、活躍を歓迎して」といたしました。この テーマの精神は、人間性豊かな医療人の育成を目指す 医科大学として、地域の医療を支え、地域に貢献する 若き新しい世代の臨床医や看護師を育て、医科大学の 使命である教育・診療・研究活動に積極的に参加して もらい、その若き力で大学の一層の飛躍を期待したい という思いを込めたものであります。 終わりにあたり、本学創立以来、ご支援・ご協力を いただきましたご来賓の皆さま、大学発展のために献 身的に努力された教職員、同窓生の皆さん、ご父母の 皆さん、そして関係諸団体の皆さまに心からお礼を申 し上げますとともに、将来にわたり末永くご支援、ご 協力をお願い申し上げまして、式辞とさせていただき ます。 ざまな点で石川県には日 本の発展にご尽力いただ いておりますことを深く お礼申し上げたいと存じ ます。 先ほどの理事長の式辞 にもございましたように、 日夜、教育研究の質の向 上に努めておられます金 沢医科大学の 40 周年でご ざ い ま す。 本 来 な ら ば、 文部科学大臣自らこのお 祝いの席に連ならせていただきまして、直接お祝いを 申し上げるべき文部科学省の立場ではございますが、 大変恐縮ながら諸般の用務等により、それがかないま せんでしたので、省命によりまして、文部科学大臣の 金沢医科大学報 6 KMU 40th ANNIVERSARY 祝辞を私において携えて派遣されてまいりました。こ こに謹んで代読披露をさせていただきます。 ら 40 年、その間に今では 全国に誇れる大学院を持 つ医科大学に発展されま 本日ここに、金沢医科大学創立 40 周年記念式典が したことを心よりお喜び 挙行されるに当たり、一言お祝いの言葉を申し上げま 申し上げます。 す。貴大学は昭和 47 年に創立され、以来、40 年もの 内灘と言えば、昭和 28 永きにわたり、多くの有為な医療人を輩出され、わが (1953 )年に米軍の射爆場 国の医学の進展、医療活動の向上に大きく貢献されま 問題で全国に有名になり した。今日まで、貴大学の充実、発展に尽力されまし ました。あの紛争の地が た歴代の理事長、学長をはじめ教職員各位の御努力に、 20 年を経て、広大な土地 深く敬意を表しますとともに、地元石川県をはじめと に 金 沢 医 科 大 学 医 学 部、 する関係各位のこれまでの御支援、御協力に対し、心 大学院、附属病院が建設 から感謝申し上げます。 され、さらに最先端の総合医学研究所、ハイテクリサ 我が国においては、医師不足の問題や信頼される医 ーチセンター、臨床研究センター、腎臓移植センター 療の提供、超高齢化に伴い生じる医療需要の変化など、 など、最先端の医療組織が相次いで加わり、一大医療 さまざまな課題が山積しております。このような中、 センターとして順調に発展されましたことは、誠に敬 貴大学では、平成 13 年度から全国に先駆けて、入学 意を表するに値するものであります。紛争の地から国 者選抜において地域の医師確保のための地域枠を導入 民の医療・健康を守る、そして教育を担う金沢医科大 するとともに、平成 22 年には、能登北部の地域医療 学が見事に誕生し、今日ここに開花しているわけでご 充実及び高齢化地域でのモデルとなるような医療シス ざいます。教育面におかれましては、医学教育センタ テムの構築を目指して、総合医療学講座の設置及び能 ーを早くから設けられ、医学教育の各臨床講座の独自 登北部地域医療研究所を開設され、地域の家庭医、総 のカリキュラムの総合体から、全学統一した基礎・臨 合医を目指す医師のための臨床研修プログラムの充実 床医学、そして教養も統合したカリキュラムを作られ、 などにも積極的に取り組んでこられました。このよう 全国に発信されたことは極めて大きなことであると思 に貴大学の教職員や卒業生の皆様が、地域に根差した います。建学の精神「人間性豊かな良医を育成する」 医療や高度で先進的な医療に御尽力され、日夜研鑽を という理念に基づきまして、知識と技術を極め、医の 続けておられますことは誠に心強い限りであります。 心を持って社会に貢献する卒業生を送り出してこられ 最後になりますが今後とも、これまでに築かれた輝か ました。既にその中から教授が誕生していることは、 しい伝統と実績をもとに優れた教育や特色ある研究の まさにその成果であります。 展開、充実した医療の提供に引き続き御尽力され、金 昨年は、全ての医学の根幹でありますアナトミーセ 沢医科大学がますますの充実発展を遂げられますこと ンターを設立されました。河北潟から見た景観は誠に を祈念いたしまして、お祝いの言葉といたします。本 壮観、医学の基礎、解剖学を重視するという貴学の姿 日は誠におめでとうございます。 勢が見事に示されたものと敬服いたしております。金 沢医科大学の発展充実は、特に近年目覚ましいものが あります。平成 20 年、石川県能登地域から富山県根 幹にあります氷見市民病院を指定管理者として、医療 祝辞 過疎地域の運営を始められました。そしてここにたく 日本私立医科大学協会会長 小川 秀興 さんの優秀な医師を派遣され、地域医療の拠点病院・ (学校法人 順天堂 理事長) 根幹病院として発展されております。また、平成 22 年には石川県の負託を受けまして、能登北部地域医療 研究所を開設されました。普通は「医療センター」と ただ今ご紹介いただきました日本私立医科大学協会 呼ぶのですが、この地域医療を研究するという意味で 会長の小川でございます。 名付けられたのだと思いますが、この志に私は大いに 全国には 29 の私立医科大学あるいは私立大学の医 敬意を表したいと思います。 学部がございます。その代表として金沢医科大学創立 地域医療の崩壊が叫ばれて久しく、1 県 1 国立大学 40 周年に参列いたしました。今日この日を迎えられ、 が設置されましたが、それでもまだこの現代のどんど 竹越理事長以下教職員の皆さま、本当におめでとうご ん進展していく国民のニーズに充分に対応することは ざいます。金沢医科大学が日本でも有数の砂丘地帯で できません。この中で金沢医科大学は伝統校、まさに あった内灘の地に 1972 年 6 月 1 日に開学されましてか 名門の金沢大学と見事に連携され、新設の富山大学あ 第 152 号/2012.11 金沢医科大学報 7 KMU 40th ANNIVERSARY るいは福井大学医学部とこの北陸の地にあって、大学 間連携を果たされているということに敬意を表したい 祝辞 と思います。能登半島は素晴らしい場所ですが 、 残念 学校法人金沢医科大学顧問・元内閣総理大臣 森 喜 朗 ながら高齢化・過疎化が進んでおり 、 医療の十分な手 当てがなかなかできにくいところでありますが、その 文部科学省小松高等教 地で金沢医科大学はその柔軟な姿勢で、前任の山下理 育局私学部長、そして小 事長、そして現在の竹越理事長はじめ、歴代の理事長 川日本私立医科大学協会 先生あるいは教職員の方々が「地域医療を守る」とい 会長からお話がございま う理念を見事に貫かれていらっしゃいます。この拠点 したので、できるだけ重 病院を電子カルテあるいは現在急速に進展しておりま 複を避けたいと思います。 す ICT システムによって医療情報ネットワークで結 皆 さ ん、30 周 年 の 式 典 び、そして病診連携を高めていくということは、まさ に出席された文部科学省 に日本の現代医療社会に求められている近未来の姿で 医学教育課長の小松さん あります。それを金沢医科大学が見事に具現されつつ という女性の方を覚えて あるということは、 一私学のみならず全国の国立大学・ おられますか。今日ご出 公立大学・大学病院、そして医学界のリーダーたちに 席の小松部長の奥様で当 求められている姿勢を示されているものであります。 時は医学教育課長でした。10 年たったこの 40 年のと 一つだけあえて補完するとしますと 、 ドクターヘリ きに、そのご主人が来られるというご縁がございまし の問題であります。これは石川県の絶大な支援のもと て、今日は文部科学省を代表してこの金沢医科大学へ にドクターヘリが 1 台あれば、この金沢、石川の広大 の祝意をいただいたことに、私も顧問という立場から なエリア、能登も含めて、そして福井、富山も視野に お礼を申し上げます。 おさめた領域の医療が向上、さらに 2 段階は上がると 今小川先生がおっしゃいました「臨床研修病院のマ 思っております。そのような方向で 、 昨日、竹越理事 ッチング」 というお話しであります。今日の北國新聞 長とお話し致しましたら、ぜひやりたいということで によると、県内では 4 年間連続して 100 人台を維持で ありました。私はこの金沢医科大学の医の志に心より きたということであります。ご承知だと思いますが、 敬服いたしておる次第です。 医学生を研修させるために 2 年間の研修医制度を厚生 理事長のメッセージにもありましたが、日本の医学 労働省が決めたのですが。石川県の人口はそんなに増 生の教育のみならず国際的な観点に立たれ、国際交流 えておらず、町や市が増えたわけでもありません。む センターを設けられました。学生、そして卒業後の国 しろ合併で統一され、また、病院は少しずつ縮小され 際交流を非常に前向きに、アクティブに進めておられ ているわけです。そういう中で、金沢大学と金沢医科 ますことは、これもまた敬服に値いたします。今問題 大学の二つの医師養成機関があるのに、何で石川県の となっている研修医の問題ですが、研修医のマッチン 地域医療の病院にお医者さんがいなくなったのか。 グ、数日前に発表されましたが、金沢医科大学、金沢 私の生まれたところは、今は能美市になっています 大学共に従来より増しての定着率ということで、 「地 が、そこの根上総合病院、昔は加賀病院ですが、だん 域医療を守る」という熱い思いは学生諸氏にも伝わっ だんお医者さんがいなくなってしまいました。恐らく たことだと思っております。間もなく研修医の宿舎が 小松、加賀のほうもそうでしょう。金沢医科大学と金 完成するということでございました。これは一私立医 沢大学とそれだけ養成していて、どうして石川県にお 大としては大変なことでございますが、しかし私学だ 医者さんが足りなくなるのか不思議でしようがなかっ からできるという気合を示したものとして、敬服いた た。私は「どうしてなんですか」と金沢大学の中村学 しております。 国内外の医学徒の知識を修練させ、また既存の大学、 長や、富田病院長にお伺いをしたのです。そうしたら 「制度がよくないんだよ」ということでした。 大病院、中小病院とも連携しながら金沢医科大学がこ 学生は病院長や学部長、指導している先生の言うこ の 40 周年を一つの大きな節目として、理事長の示さ となんか全然聞かない。そして、どこかで 2 年間やっ れたような将来構想に向けて着実に前進され、日本の てこいということだから、端的に言えば東京、大阪、 私立医科大学といわず、国公・私立大学の模範となる 京都へ行く。そして中央では著名な大学へ行って、そ ような大学になられますことを信じております。今後、 の肩書に憧れる若者が多過ぎる。そして、なかなか郷 ますますの御発展を心より祈念いたしまして、私のお 里へ帰ってこない。勤務の楽な病院を選び給料をもら 祝いの言葉とさせていただきます。ご清聴どうもあり う傾向は全てではありませんが、現代の若者の学生気 がとうございました。 金沢医科大学報 8 KMU 40th ANNIVERSARY 質なのでしょう。そういうところに問題があったとい うことです。要はもう少し病院長や学長や学部長の先 生方の指導を聞いて、立派なお医者さんになることを 心掛けてくれればいいのに、どこかへ行ったまま帰 ってこないということです。特に地方は、地域医療に 専心してくれる学生をできるだけ定住させていくとい うことが必要です。大事な故郷を捨ててしまうという 今の若者たち、これは後ほど藤原先生がお話になりま すが、やはり教育の中に人間学のようなものをしっか り教えてないということにもあるのだろうと思いまし た。 そもそも医師を養成するというのは文部科学省、お 医者さんを配置したり、病院を運営するということは 厚生労働省です。文部科学省と厚生労働省と相談をし ましたところ、そこのところの縦割り行政がまさにマ ッチングでなくミスマッチングしていて、お互いに縄 張り争いをしているということがよく分かりました。 この問題を何とか解決してもらおうと思い、実は今日 お見えの小川先生にお願いしました。小川先生は私立 の立場、渡辺先生は国立の立場から、金沢大学附属病 院の富田病院長のお話なども聞かれて、大きく法律を 改正したりすることではなく、運用や、準用の仕方と いうことで研修医制度を改められたわけです。それで 石川県などはこのようにいい結果が出てくる。これは 中央でも皆結果が出ているのだろうと思います。 病院長か指導教官から「悪いけどな、能登へ少し行 ってきてくれよ、2 年だけ行ってくれ。それで帰って きたら、君、ドイツで勉強させるよ」と言われれば、 それは若者にとっては大変魅力的なことです。少しつ らいけれども、能登で我慢しようということになるの かもしれません。今日は、そういうことを考えていた だいた小川先生においでをいただきました。実に短時 間に、この制度を少し変更していただきました。そう いう意味で、小川先生も今日ここにご出席いただいた ことは、金沢医科大学のみならず金沢大学にとっても 大変な恩人においでをいただいたということになり、 私も、小松さん、小川さんに、心から敬意を表する次 第です。 先ほど竹越先生からお話があったように 40 年、ま さに 20 年は創成期であり、いろいろな問題はあった と思います。開学は 47 年ですから、準備を始めたの は 45∼46 年です。不思議なご縁で、私が国会に当選 したのは昭和 44 年の末で、今年でちょうど 43 年を間 もなく過ぎるわけです。43 年間、国会議員の生活を して、次の国政選挙には出ないことを言明をいたしま した。金沢医科大は 40 年経ち、いよいよ堂々たる素 晴らしい医科大学としての重要な役割を占められるよ うになり、私は本当に感無量です。当時は私立医科大 学が乱立をしたときだと申し上げていいと思います。 医学を担当するお医者さんが同時に経営も両方をやら ないで誰かほかの人に任せてしまうところに経営と教 学とが全く違った形になってしまったのです。そのこ とが創成期の大混乱だったと私は思っております。 言いにくいことですけれども、ワースト 3 と言われ ると、必ず金沢医科大学が入っていたのです。私も石 川県の国会議員として恥ずかしかったです。金沢医科 大学をしっかり立て直さないと、益谷先生に対して申 し訳ないのではないかと考えて、一時的に、鈴木菊男 前理事長、そして石川県の県議会議員であった米沢外 秋先生に思い切ったメスを入れていただき、ある意味 では大改革を実行しました。今の、医学教育者に全て をお任せするという形をとった後半の 20 年が、これ だけ大きく発展をした源泉になったと思っています。 ようやく本来の医学教育、医学生を養成する高等教育 としてふさわしい大学になったということを喜んでい る一人であります。 この金沢医科大学は「人間性豊かな良医の育成」を 一番大事な目標として掲げておられます。そういう意 味では、人間学が極めて大事だと私は思っています。 森内閣は短かったのですが、一番大きな仕事をしたの は、いわゆる IT 革命でございました。IT 基本法をつ くり、e-Japan 戦略会議をつくり、そして日本が世界 に堂々と伍していけるような IT 国家にしようという ことが私の気持ちでありまして、文字通りそこまで来 たわけです 。 当時は、日本は韓国よりも下回っていま した。何とか 5 年の間に世界一の IT 国家にしたいと、 私はこの IT 基本法を国会へ出しました。おかげで 3 年で世界一の IT 国家になりました。 ただ、そのときに私が一番心配したのは、いわゆる デジタルディバイドということでした。デジタルディ バイドというものは、情報格差、つまりアフリカや中 南米の小国などにそういう情報がいかない。つまりこ れだけ便利なスマートフォンにまでなっている携帯電 話を、世界中の人が全てその恩恵を受けられるように しようではないか、それが先進諸国の役割でしょうと いうことです。当時私は沖縄サミットで提唱したので すが考えてみると、そうではなく、この情報という素 晴らしいツールを持つ人たちの心が間違っていたらと んでもない世の中になるし、心が正しければ、この機 械は素晴らしいものとして使えるわけです。そういう 意味での情報格差というものを、当時、文部科学省も もう少し主張すべきだったと私は思っています。子ど もたちが朝から晩までスマートフォンやインターネッ トをやっている。会話は何もない。ただそのための犯 罪はものすごく多い。これは日本だけではありません。 世界中がおかしな状況になってしまっていることを見 第 152 号/2012.11 金沢医科大学報 9 KMU 40th ANNIVERSARY ると、これはやはり IT という新しい先端の機械を使 う前に、まず人間としてやっていいことと悪いことを しっかり学ばせる、そういう教育が今の家庭にも社会 にも特に文部科学省にも求められていると思います。 金沢医科大学の次の飛躍のためには、先進医療をど んどん進めていくということに私は大賛成です。果敢 に進めていかなければならないと思います。しかし、 遊びや、功名心でお医者さんになるということだけは、 やはり控えなければなりません。人間としての正しい 倫理学を初等教育、中等教育のときからしっかり学ば せなければ、立派な医師が誕生しないと私は思ってお ります。藤原先生はおそらくそういうことに沿ったお 話をなさるのだろうと思いますが、これは全て大学、 教育関係者だけではなく、地域社会全体に求められて いることだと思います。 この間、私は金沢大学の 150 年記念でお話をさせて いただきました。大学生が卒業して会社に入り、3 年 で辞める人は何と 50%いるということです。高等学 校と専門学校、専修学校卒の大体 7 割 5 分から 8 割が 最初に入った会社を 3 年で辞めてしまう。それは何な のだろうか。 「ミスマッチ」とよく言われますが、社会 が求めているような学生ではなかったということにな ります。社会あるいは企業がどういう学生を求めてい るのか教育機関はそれに対応しておらず、昔のままの 考え方でやってきているところに大きなミスマッチが あるのだろうと思います。しかし、医学の場合は、最 初から医学の道を究めるのだということで入り、生涯 医学、医師というものを貫いていくわけですから、強 固なる意志と、素晴らしい人間性も持たなければなら ない。だからこそ「先生」として尊敬をされるわけで あります。 「先生」といって本当に尊敬されるのは、学 校の先生とお医者さんです。政治家を先生と言うよう になってから、世の中が悪くなったと私はいつもそう 言っています。 だから、先生と崇め奉られるような人になるという ことが、特に医学生の場合は大事だということを申し 上げます。日本海側唯一の私立医科大学でもあります。 そして長い間苦しんでこられたこのワーストを見事に 跳ね返され、今年の医師国家試験合格率では、金沢大 学よりもちょっと上をいっています。お互いに切磋琢 磨されることは大事だと思います。看護師養成につい ては全国平均は 80%のところ 100%、そして保健師は 92%、これは全国平均 86%ですから、これも大変大 きな成果を収めておられると私は思います。小川先生 にも今朝お話しをしていたのですが、金沢大学ももと もとは医療から始まったとのことです。それで 150 年 の歴史を持っておられる。その金沢大学と金沢医科大 学がまさに兄弟校、姉妹校のようにお互いに協力し合 っておられることは、石川県にとって有難く、嬉しい ことであります。 先ほど小川先生から指摘されたドクターヘリについ て、私は非常に胸が締め付けられました。これは政治 家が悪いのではなく、県の対応が遅いとはっきり申し 上げておきます。県議会でも近く議決をするはずです が、われわれ国会側の立場でも「ドクターヘリをやり なさい」と何度も進言しています。今ではもう 30 県を 超えています。能登半島のようなところや、北陸圏で も絶対必要なことですが、なぜか県側は「そんな必要 はない、何とかの防災ヘリがあれば十分だ」とおっし ゃいます。それと一緒にされては困るわけで、医学専 門家の皆さんが刮目されています。 「ドクターヘリを やらなきゃいけませんよ」と小川先生からも言われま した。われわれはもう何年も前から言っているのです が、進展せず残念なことであります。これだけ金沢大 学と金沢医科大学が頑張って医師派遣をし、石川県の 皆さんに安心できる医療を提供しようとしているわけ ですから、それにしっかり応えなければいけないと思 います。 40 年というと、いわゆる「不惑」とよく言います。 その「不惑」というと「迷うな」という意味に解釈され がちですが、安岡正篤先生の論語の本を読んでみます と、そうは書いてないです。不惑というのは、 「惑」と クチ いう字で解釈すると、盾と矛があり、その下に「口 」 の字が書いてあります。この「口」は国民、人々とい う意味だそうです。そして、その下に棒が一本入る。 これは大地ということです。大地があり、人々がいて、 そして盾と矛がある。それを塀で全部囲むと「國」と いう字になります。ですから、この不惑の「惑」とい うのは、存在するかどうかという意味だそうです。こ れは中国の論語に明確に書いてあります。存在するか しないかということを、下に心を付けて、心で迷うよ うなことがあってはいけませんといって、 「不」と付け るのだそうです。 つまり、40 というのは、人間の場合もそうですが、 家庭、地域社会、企業の中においても、存在を示す年 齢になったよということを示すのであり、金沢医科 大学も不惑の年、つまり 40 になられたということは、 まさに大学の関係あるいは地域医療の関係、また、高 等教育間の中で存在を高めていく、そういう年齢に達 っしたということであります。 どうぞ理事長はじめ教職員の方々、そして先生方 は、そういう思いで金沢医科大学がますます大きな存 在を示されるようにご努力いただきたいとお願い申し 上げ、ご挨拶とさせていただきます。おめでとうござ いました。 金沢医科大学報 10 KMU 40th ANNIVERSARY ②記念講演会 記念式典に引き続いて、午前 11 時 10 分から、藤原正彦先生による「日本のこれから」と題する記念講演会が行 われた。講師の紹介は髙島茂樹副理事長が行った。 講演は日本の良さについて、歴史的背景を織り交ぜながらわかりやすく進められた。日本の良さを捨てるよう な最近の世相に反省を求め、日本人を勇気づけ、進むべき方向を考えさせる内容であり、参加者はウイットに富 んだ講演を時間の経過を忘れて聞き入った。 (坂田真一) 日本のこれから 藤原 正彦 氏 私が最初に金沢に来たのは 40 年ぐらい前でした。 ちが日本にはいます。 あの頃ちょうど、金沢医科大学が生まれたのですね。 こういう風土の日本 あの時は、金沢の街があまりに美しいので、歩きに歩 には日本の医療制度 き回りました。石川県は、伝統的家屋が残り、海岸線 が最も適したものだ もきれいで、食べ物もおいしい。美人の宝庫だとも思 っ た の で す。 こ う い っています。 う「国柄」を捨てると さて、ここ十数年の日本を振り返ると、とにかく改 革に次ぐ改革です。しかしよく考えると、今より 10 い う の は、 非 常 に ま ずいことです。 年前、20 年前の方がよかったような気がします。日 初等教育もそうで 本では改革イコール改善ですが、イギリス人は、改革 す。4 世紀近くにわた で良くなるのは四つに一つ、逆に一つは悪くなると思 って日本の初等教育 っています。イギリスでは、ノーベル賞受賞者でも、 は世界で断トツの 1 位 理由なく古い伝統を守ります。これがイギリスの偉大 でした。日本は近代以 さの一つです。伝統というものは守ること自身に意味 前から識字率がずば抜けて高かったのです。初等教育 があるわけです。日本はこれを忘れて次から次へと改 で最も重要なものは、全ての国において昔も今も「国 藤原正彦氏 革し、政治も経済もうまくいかず、今では「国柄」と 語」です。私は 20 年前から、初等教育は、1 に国語、2 いうものを壊し始めた。国柄が壊れると容易には元に に国語、3、4 がなくて 5 に算数と言っています。とに 戻りません。 かく国語が圧倒的に重要である。母国語を完全にマ 2000 年の WHO の報告では、日本の医療は世界で断 スターしていないと「思考の基盤」ができないのです。 トツの 1 位、アメリカは 15 位でした。ところが 1 位の また最近は、 「生きる力を育む」とか、 「独創性、創造 日本が 15 位のアメリカの医療制度のまねをして変な 性を育む」とか言います。全く余計なお世話です。日 ことを始めました。実は日本の制度というのは、他国 本には 16 名の自然科学のノーベル賞授賞者がいます。 では機能しないようなものでしたが、日本自身にとっ 近隣の国に比べてはるかに多い。この人たちは小中学 ては最も適した医療制度だったのです。日本の医者に は昔から、 「赤ひげ先生」の伝統があり、患者のために 何が何でもどうにかしてやろうという気概を持ってい ました。患者を放り出すことを絶対しないのです。東 日本大震災では、石巻赤十字病院が、もうとにかく あの辺がめちゃくちゃになっても、全ての患者を無条 件で引き受けたといいます。スタッフも献身的に極限 状態で昼夜頑張り通したそうです。こういう医療者た 〈講師略歴〉 数学者、作家、東京大学大学院卒、理学博士。ミシガン 大学、コロラド大学、ケンブリッジ大学で研究と教育に 携わった後、お茶の水女子大学教授。現在、名誉教授。 著書に『若き数学者のアメリカ』 (日本エッセイストクラ ブ賞) 『遥かなるケンブリッジ』 『国家の品格』 『名著講義』 (文芸春秋読者賞) 『日本人の誇り』 『孤愁』など。 第 152 号/2012.11 金沢医科大学報 11 KMU 40th ANNIVERSARY 校のときに、独創性、創造性などは教育されていたか 異常さが日本の素晴らしさです。 というと、そうではない。野山を走り回り、釣りやい 日本に普通の国になれという人がいますが、とんで たずらやけんかをしたり、模型飛行機を造ったり、本 もないことです。日本は、今もこれからも常に異常な を読んだりということをやっていたわけです。そうい 国でないといけないのです。この国柄の下には一体何 うことが独創性を生み出すのです。 があるのか、なぜ日本だけがこのような国柄を持って ところが、最近の統計を見ると、日本の初等教育は いるのか。それは、美的感受性、美しい情緒と心です。 もう世界で 8∼9 位です。私は、子どもたちの学力が 8 日本人の「美的感受性」というのは世界でも圧倒的で 位、9 位では日本は滅んでしまうと思います。実は日 す。例えば花は、世界中どこに行っても花瓶にぼんぼ 本というのは、世界で断トツの 1 位でなければやって んぼんと入れるだけですが、日本は美しい華道にして いけない国です。日本というのは小さな国土に人がう しまう。お茶は茶道に、字は書道にする。この異常な ようよいる、80%近くは山ばかりで、天然資源はほと 美的感受性のおかげで、日本はもっているのです。 んどない。その上、天変地異がものすごい。こういう 日本の学芸で最も素晴らしいのが「文学」で、その 不利な国です。それではどうやって戦うかというと、 次にすごいのが「芸術」です。その次は「数学」です。 脳みそしかない国です。それなのに、この子どもたち 現在でも数学にノーベル賞があったら、日本人は 20 が世界で 8 位、9 位、これではお話になりません。特 名以上は堅いと言われています。次にすごいのが「物 に「ゆとり教育」以来、非常に学力が落ちて、大学で 理」、特に理論物理です。なぜこれらがそんなにすご は 1 年生に高校の復習からしなければいけないわけで いのか。この 4 つに最も重要な資質は、知能指数でも す。世界一だった教育も駄目になっているということ ない、偏差値でもない、それは美的感受性なのです。 です。 そしてこの 4 つが素晴らしいから、それを基盤にする このように「国柄」がどんどん壊されている。それ 生物学も、医学も、薬学も、農学も、工学も全部素晴 だけではなく、人の心までも壊されている。よく、 「わ らしくなるわけです。この美的感受性が日本の全てな が国は法治国家だ」と言いますが、私にとって法治国 のです。それでは、この美的感受性の源泉は何か。そ 家というのは、法律によってしか自らの言動、行動を れは日本の美しい自然です。これを忘れてはいけない。 規制できない恥ずべき国家です。高貴な国というのは、 日本の素晴らしい自然と四季の移ろいは、神様が日本 道徳や倫理でできる。江戸時代の江戸の人口は 100 万 に唯一くれた恩恵です。 人近くでしたが、警察力は数百人で十分だった。なぜ 今の時期は日本中に紅葉の名所があります。しかし、 か。罪を犯したら、親を泣かせてしまう、先祖の顔に 欧米人にとって紅葉などというのは、単に死にかかっ 泥を塗る、お天道様が見ている、こういう美しい発想 た葉っぱにすぎません。日本人だけが散る寸前の最後 があったからです。このような国柄がどんどん壊され の輝きが素晴らしいと思うのです。 「もののあわれ」と ている。 いう、美しい情緒、美的感受性です。桜もそうです。 日本というのは国柄でもってきた国です。例えば、 日本人は国花にまでしてしまう。なぜか。すぐに散っ 幕末から明治維新にかけて、文化は遅れていませんで てしまうからいいのです。はかない人生を投影してい したが、文明は大きく遅れていました。それが、たっ るわけです。アメリカの文学者ドナルド・キーンは、 た数十年で世界最大の陸軍国ロシアに勝ちました。ま このような感性を持っているのは世界で日本人だけだ だ少年だったインドのネール首相やベトナムのホー・ と言っています。虫の音でもそうです。ある研究者に チ・ミン主席などの後のアジアの指導者に大きな勇気 よると、虫の音を美しい音楽として聞くのは、世界中 を与えました。戦後もそうです。ものすごい焼け野原 で日本人と南洋のどこかの原住民だけらしいです。こ から、たった 30 年後には、世界第 2 位の経済大国をつ れほど素晴らしい能力があるわけです。しかし、それ くってしまいました。なぜこういうことができたのか。 だけではありません。そこに秋の憂愁を感じ、はかな 国柄です。初等教育が圧倒的、従って労働者の末端の い人生を投影することができる。ラフカディオ・ハー 人までが全員字が読めるだけではなく、上司の考えや ンは、このような感性を持っているのはヨーロッパで 社長の夢までも全部推し量ることができる。改善点を は類いまれな詩人のみであると言っています。10 年 自ら提案する。仕事を、誠実に忍耐力と批判精神を持 ぐらい前に、スタンフォード大学の教授が私の家に泊 ってやる。時間を守る。日本人にとっては当たり前の まりに来ました。秋口で網戸の向こうから虫の音が聞 ことですが、海外に出ると異常なことなのです。この こえてきた時、彼が私にこう聞きました。 「あのノイ 金沢医科大学報 12 KMU 40th ANNIVERSARY ズは何だ」と。アメリカのエリート中のエリートでも、 の後、東北の人々が、日本人が、あれだけのことを見 虫の音はノイズ、雑音なのです。 せてくれました。外国に行くと「日本人というのはす この「もののあわれ」、そして、故郷を懐かしむ心、 ごい」と今でも言われます。普通の国なら、食料を積 郷愁などは、非常に高尚な美しい情緒で、日本が自慢 んだトラックが来たら、みんなでそこへ殺到し、奪い できるものです。親孝行もそうです。そしてこれらと 合う。日本は異常な国ですから、一列になってじっと 表裏一体なのが、家族愛、郷土愛、祖国愛で、絶対に 待ち、おにぎり一つだけを持って、それで深々とお辞 必要なものです。私は、自分の国を愛さないような人 儀をして帰る。もらっても、もっと困っている人に分 とは、外国でも付き合いません。家族愛、郷土愛、祖 けてあげる、略奪も起きない。世界中の人がそれを見 国愛をきちんと持っている人は、他国の人々の同じ思 て仰天したわけです。さらに「惻隠」などとは無縁と いをもよく理解できるわけです。人類愛というのは最 思っていた若者が義援金を送り、ボランティアで駆け も高尚なものですが、今のように学校でいきなり教え 付けました。日本中が津波のニュースを見てみんなで ても、全く砂上の楼閣です。家族愛、郷土愛、祖国愛 泣いていました。あの頃、日本中が惻隠で満たされて をきちんと教える、そうすれば人類愛が自然に沸いて いました。また、 「福島の原発に行く」とメールをした くるということです。 東京の消防隊長に、奥さんが「命は顧みず日本の救世 日本人の美しさに、武士道精神というのがあります。 主になってください」と答えたそうです。戦前は公ば その中核は何か。慈愛、誠実、勇気、正義、忍耐、そ かりを強調して個人を無視しましたが、戦後は公を無 して最も重要なものが「惻隠」です。 「惻隠の情」、これ 視して個人ばかりを尊重しました。私は、それで公の は弱者、敗者に対する同情、共感、涙です。あるいは 心が死んだと思っていました。ところが、このような 差別される者への思いやりです。これが実は 21 世紀 人たちがまだいるわけです。私は、この東京の消防隊 へのキーワードにならないといけないのです。アメリ 長や奥さんが特別の人たちだとは思わない。こういう カは建国以来 230 年間、自由と平等を叫んできました 国柄がまだ残っているわけです。 が、達成できたのでしょうか。そもそも自由も平等も 18 世紀のイギリスの思想家スマイルズは、 「歴史を 存在しないのです。これは欧米の作ったフィクション 振り返ったとき、最も実り多い時代というのは、最も なのです。こんな空虚なものを叫んでも、人類は幸せ 苦境にあった時代だ。なぜなら、その苦境を乗り越え にならない。それよりもこれからは「惻隠」です。弱 て、初めてさらなる高みへ到達することができたから 者への涙です。これがあらゆる政策、政治経済、全て だ」と言っています。まさに今現在、日本は苦境にあ の政策の基本でなければいけない。これを日本人が教 ります。これをとにかく乗り越えて、50 年後、100 年 えていかなければいけないということです。 後にあのときが一番実り多い時代だと思えるようにし もうひとつは、 「卑怯を憎む心」です。私は小学校の なければいけません。そのためには、日本の国柄を取 時、父から、弱い者がいじめられていたら、どんなこ り戻す。そして素晴らしい社会、国家をつくる。そう とがあっても助けろ、見て見ぬふりをしているのは、 すれば、世界中がみんな見に来ると思います。もちろ おまえ自身が卑怯なのであると徹底的に教えられまし ん日本人も、欧米から明治になって教わった論理、合 た。だから、私が新自由主義とか、弱肉強食の世界に 理、理性、これを尊重しなければいけません。これら 反対しているのは、まさに弱い者いじめだからです。 を否定するということは、文明を否定することで論外 帝国主義を絶対許せないのは、弱い者を寄ってたかっ です。しかし、それに加えて、日本の全ての人々が美 ていじめるという卑怯な主義だからです。この「卑怯 しい国柄、そして情緒と心を取り戻し、素晴らしい社 を憎む心」というものをきちんと教えなければいけま 会、国家をつくるということは、祖国日本を救うだけ せん。学校の先生がいくらみんな仲良くなどと言って ではなく、世界を救うことになる。ひいては人類を救 も、そんなことはできるわけはありません。昔も今も うことになる。日本人として生まれて来た本当の意義 これからもいじめはなくなりません。しかし「卑怯を というのは、そのような形で人類に貢献することでは 憎む心」があれば、陰湿ないじめが長く続くなどとい ないだろうか、このように思うわけです。 うことはなくなるわけです。 私は、このような美しい情緒と国柄、こういうもの が日本からもう随分なくなってしまったと思っていま した。しかし、そうでもなかったのです。去年の震災 (講演の概要を学報編集員会で再現し、演者の校閲 を受けたものです) 第 152 号/2012.11 金沢医科大学報 13 KMU 40th ANNIVERSARY ③記念祝賀会 記念講演会のあと会場を 4 階に移し、午後 0 時 30 分から記念祝賀会が盛大に開催された。会の序幕は本学クラ シック音楽同好会の演奏ではじまった。1 曲目は、ヘンデル作曲「水上の音楽」 (フルート四重奏)、2 曲目はバッ ハ作曲「二つのバイオリンのための協奏曲」 (バイオリン六重奏、ピアノ演奏)が奏でられた。 勝田省吾学長の挨拶で始まり、40 年にわたり多くの皆さんのおかげでこの 40 周年を迎えることができたとの 感謝の意が伝えられた。川上重彦病院長の発声で乾杯が声高らかに行われ祝宴が始まった。 歓談が続く中、会場では創立 40 周年を記念して制作された DVD「良医への Career path 」が上映された。この DVD は今回の記念行事の引出物の一つとして出席者各位にお持ち帰りいただいた。 1 時間 30 分余り の歓談のあと、祝 賀会の最後には、 松本忠美副理事 長が謝辞を述べ、 坂本 滋金沢医科 大学北辰同窓会 会長による万歳 三唱で盛会のう ちに祝賀会を終 えた。 (坂田真一) 退職教授懇談会 式典には本学の退職教授の方々も多く出席された。 記念祝賀会が進行する中で隣室に懇談の場を設け、開 学以来発展してきた本学を懐かしく振り返っていただ き、お話をうかがうことができた。 先生方には創立 40 周年にあたって、①「40 周年を迎 えて思うこと」、②「これからの本学に提言したいこ と」についてお言葉を頂戴し、編集委員会の責任でま とめさせていただいた。 学長挨拶 (学報編集委員会) 勝田省吾 学長・名誉教授(病理学Ⅱ) 勝田省吾学長による挨拶 同窓会の記念誌も読ませていただきまして、先生方の 今日は本学の創立 40 周年記念式典 お力添え、大変なご努力の中で学生諸君が育ってきて にお集りいただきまして誠に有難う 今日があるのだと改めて感じました。大変なご苦労が ございます。 あったと思いますし、同時にまた教師冥利に尽きるこ 私自身、本学にまいりましたのは 平成 6 年で、それから 18 年が経った ともあったのではと思っております。本当にありがと うございました。 わけですが、私がまいりました時と 40 年間をあらためて振り返ってみますと、40 年史は 今とでは、いろいろな面で随分違っ まさに本学で働いた方一人ひとりの歴史の集まりでは てきたと感じております。これまでの皆さんのご尽力 ないかと思っております。先生方には、ぜひ今後とも で現在があるということを強く感じております。 お元気で、本学を見守っていただければと思います。 40 周年を機会に、十年史、二十年史、三十年史、また、 金沢医科大学報 14 KMU 40th ANNIVERSARY 石崎 宏 名誉教授(皮膚科学) 良い方向への変貌に少なからぬ感慨 ① 30 年間も本学で仕事をした、いや、 を覚えました。 できたとは奇蹟。皆に支えられた。 ② 社会の要請に適応できる医師の養 感謝しています。 成に更なる力を注いでほしいと思い ② 創業は易く守成は難し。 ます。 田村暢煕 教授・嘱託(体育学) 伊藤俊一 名誉教授(英語) ① 砂丘にそびえ立つ金沢医科大学が ① 開設時の不安、混乱を思えば、夢 40 周年を迎え、この 40 年間がなつか のような発展です。関係者皆様の御努 しく思えます。歯学部設立の準備、 力、御精進が祝福されます。親の身に 学長問題、不正入試疑惑、200 名に なって、学生の教育に専心することが 足らない受験生、国試合格の低迷等。 好結果につながったと思います。 今年の国試合格率がこれらマイナス ② 学生、卒業生の将来がすべて医大の将来そのもので の一部を払拭してくれました。 「内灘の地に金沢医科大 す。多くの学生が将来にわたって有意義な医師生活を 学あり」と万人が認める大学に成長してほしい。 送れるように御尽力下さい。 ② 国試合格が常に 90%台を維持できる大学であってほ しい。そのためにはソフト面の充実が必要と思われる。 芝田大三 名誉教授(解剖学Ⅰ) ① 本学に開設予定だった歯学部を 初年次教育の充実、そのためには教育免許を有する人 材の確保、金沢医大の教育を検討・研究する組織、専 担 当 す る た め 1974 年 に 着 任 し ま し 従教職員で組織された入学センターおよび国試対策セ た。大学審議会で医学部のみでの認 ンターの確立等。全教職員が安心に働ける大学になる 可となり、歯学研究所を併任しつつ、 よう努力願いたい。 1978 年医学部解剖学Ⅰの所属となり 組織実習を担当しました。1994 年定年退職。 津川龍三 名誉教授(泌尿器科学) ② 肥満が唯一の苦労ですが、大学の発展を願い、大学 ① 私は昭和49年4月に赴任した。そ の行事に出席したいと思っています。 の2∼3年前、家族で建設中のキャン パスへ行ったがどんなふうに建つのや 高橋敬治 名誉教授(呼吸器内科学) ① 在職期間はわずか 10 年でしたが、 らと心配になった。しかし平成24年、 多くの思い出があります。この度の 新築を見て、これは優秀な医師が育つぞと力強い思いで 式典に出席して本学卒業生が石川県 あった。 医師会長になられたことを知り大変 ② 私は教授になって、 「日本海側で誰もやらない腎移植 すばらしいことと感激しました。卒 をやろう」と志した。ある日私の生化学の恩師が胃癌で 業生がそれぞれの地で活躍されており大変心強く思い 入院された。 「君は何をしているのか」。 「腎移植です」。 ます。 四十周年を迎えた今年、解剖棟などの 「成績はどうか」 。 「7 例目までは利尿あり、元気で退院し ② インフォームド・コンセント検討委員会、院内感染 ましたが、8 例目は残念ながら失いました」。すると「そ 対策委員会、診療単位再編検討委員会などの委員長を れは良い。その患者がなぜ死亡したかを徹底的に調べ、 委任され、教職員の皆さんと対策に奔走し、それぞれ 何かを得るのだ」。そんなものかと思いつつ、以後 10 例 結果が得られた思い出が懐かしい。学生の皆さんには 続けて、皆元気で退院した。数年後、恩師が言った「そ 安易な道を選択せず、それと立ち向かう勇気と情熱を れは良い」がわかった。 もち続けてほしいと思います。 (高橋先生からは詳しい内容のコメントをいただいてお 友田幸一 関西医科大学副学長(前耳鼻咽喉科学教授) り、次号の学報の随想欄に掲載する予定です。編集部) ① 私は平成 9 年から 11 年間、耳鼻咽喉科学教室を主宰 させていただきました。この十余年を振り返り、金沢 高村省三 元教授(薬理学) 医大は大きく躍進された印象を持ちました。それは本 ① 設立初期の苦難な時代を経験した者として、本学の 学のみならず、氷見病院、穴水病院への貢献とその成 第 152 号/2012.11 金沢医科大学報 15 KMU 40th ANNIVERSARY 果をお聞きし、大学の力と余裕の証 と共に歩んだことになります。退職 と感じました。教学におきましても、 した年の 7 月に、Facebook をはじめ、 127 名の国試合格者、93%の国試合格 在職中に金沢医科大生だった方々に 率は全国的に最高の成績と感服いた 「友達リクエスト」を送り、現在 600 しました。教育、臨床、研究の各領 人ほどの本学同窓会の方々と「友達」 域で着々と実績を上げておられるこ になっています。 とが 40 年の貴学の歴史が物語るものと思います。 ② 本学創立 40 周年記念の特別講演で、藤原正彦氏が ②関西医科大学の 教務部長という立場から一つ提案が ございます。 実は都会の大学でも地域医療に貢献できる医師の育 「改革」について辛口の批評をなさっていた。これに関 連して一言。在職中、一般教育についても度重なる「改 革」がされてきました。その都度思ったことなのですが、 成を目的に定員増の特別枠を設けておりますが、適切 何事も一長一短があるので、 「改革」による長所ばかりに なカリキュラムの下に教育できる施設がなく、とりあ 目を奪われず、それによって生ずる短所にも目を配り、 えず僻地の病院で体験してくる程度に止まっておりま 事前に対策を講じてから実施に踏み切っていただきた す。もし貴学の能登北部地域医療研究所が、地域医療 い、ということを申し上げておきます。 医師を育成するプログラムを構築されているのであれ ば、卒前教育の一環としてこの特別枠学生(10 名)を順 武川昭男 名誉教授(病理学Ⅱ) に送り、単位として認めたいと考えてみました。また、 ① 記念式典に出席できて感無量で 私どもの平成 25 年度からの 3 学年 3 学期のカリキュラム す。 の中に、新しく配属実習として最長 7 週間の実習期間を ② これまでの御努力を地道に続けて 設けておりまして、貴施設を配属先にと考えていた次 いくことではないでしょうか。 第です。今、それが実現できる時が来たように感じて おります。もしこの企画がうまく行けば、学生だけで なく、地域医療をめざす研修医、医師の都会から地方 山口成良 元教授(神経精神医学) へのルートが確立できるかもしれません。 ① 当日の外来患者さんの予約を入れ 私からの一方的なお願いではございますが、前向き にご検討いただけましたら幸いです。 てありましたので、記念式典を残念 ながら欠席しました。創立 50 周年記 念式典(93 歳)には是非出席したいと 蓮村 靖 名誉教授(総合医学研究所 思います。会場は金沢医科大学内が がん研究部門) いいと思います。 ① 医師国試合格率、看護師国試合格 ② 教育・研究・臨床に従来に劣らず、更なる発展を目 率、研修医希望者数の好成績、誠に 指してください。 おめでとうございます。今後もこの 成果の安定維持を! 山下公一 名誉教授(耳鼻咽喉科学) ② 若者は先生を見て育つ。そこで、若者からぜひ教え ① 開学から 40 年、皆さんが口を揃え を乞いたいと慕われるような先生(きちんとした診療、 て話されるように、当初、世間から 手術、科研費の獲得ができる先生)を揃え、優遇する。 一人前に見られず、きびしい忍耐の 朝日新聞の最終頁(マンガ「ののちゃん」掲載頁)の下 年月がつづいたが、みんなの努力の 段に時々載る大阪の私立医大の先生の医学・医療への おかげで、今では多くの卒業生が各 取り組みに関する広告が感動的である。若者の目を惹 地で活躍し、当時と比べものにならない安定感を実感し き付ける大学 PR として参考になりませんか?若者から ています。昭和世代が受け持った開拓精神が懐かしい。 慕われる大学になってください。 ② 金沢医科大学創立 40 周年にあたって「新しい世代の 登場活躍を歓迎して」という行動目標のとおり、金沢医 平口哲夫 名誉教授(人文科学) 科大学の今を支えている新しい平成世代の活躍を心か ① 本学創立 2 年目の 1974 年に教養部(現在の一般教育 ら応援したい。医学部冬の時代が来た時に、対応でき 機構)の歴史学講師として着任し、2011 年に定年退職し る力をつけておいてほしい。 ましたので、これまでの人生の 6 割近くを金沢医科大学 金沢医科大学報 16 KMU 40th ANNIVERSARY ④施設見学会 ホテル日航金沢での記念式典、記念講演会、祝賀会のあと、施設見学会が行われた。メインキャンパスの「ア ナトミーセンター」および「レジデントハウス」へバス 2 台、 「金沢医科大学氷見市民病院」へ 1 台が運行された。 (古居 滋、森 豊茂) アナトミーセンター 午後 2 時過ぎ、小松親次郎文部科学省高等教育局私 学部長をはじめとして、川崎医科大学、兵庫医科大学、 その他の大学関係者、本学卒業生、支援企業などの関 係者 68 名の方々が訪ねられ、医学への入門を象徴す る新しいアナトミーセンターを見学された。 まず話題となっている 1 階入口ホール壁面の美術部 学生によるレンブラントのチュルプ教授の解剖学講義 の大型の壁画を鑑賞されたあと、2 階のミュージアム に進まれた。各種の骨格標本や金沢大学のキンストレ ーキについての解説などの常設展示に加えて、2 つの 特別展示を用意していた。1 つは本学の 40 年を数える ご献体組織「天寿会」の歩みを振り返る展示とともに、 当時からの遺体保存処置の方法の進歩を供覧した。イ ルリガートルと呼ぶプラスチック容器をスタンドから 吊り下げ、静水圧を利用してホルムアルデヒドなどを 注入して行った状況を、古い解剖台、手術器具、無影 灯などとともに供覧した。かなりの重量があるこれら の展示物を絨毯敷の床に直接置くわけにはいかず、森 部長はじめ施設設備部門の方々により特製の木製円形 台を作っていただいた。もう 1 つは本学評議員の横山 隆昭氏のお骨折りで得ることができた、我が国に残 っている最古の貴重な医学書医心方 30 巻のうち巻 15 と 16 のコピーを展示することができた。前田家とゆ かりの深い横山氏が「東京駒場にある前田家の尊敬閣 文庫蔵の医書」の借り出しとコピーまでお世話いただ き、厚くお礼申し上げたい。また、篤志解剖のポスタ ー展示や各種展示物の説明板作成には丸谷副部長はじ 前田青邨「腑分」の模写壁画の前での説明 め出版メディア業務課の支援をいただいた。 3 階のフロアに上がると前田青邨の腑分の模写壁画 がある。敬虔な祈りを持って腑分けに接する人々の姿 が印象的である。扉を開けると広々とした解剖実習室 である。 「窓から日本海が一望できる実習室は素晴ら しい。きっと学習に良い効果があるのではないか」と 小松私学部長からご意見をいただいた。 「解剖実習は 細部にわたるもので、毎日半日も熱中すると目も疲れ ます。時には遠くを見たり、暗くなってからはイカ釣 りの漁火などを眺めて気分を癒すことができるいい環 境だと思います」とお答えした。また、4 名の医科大 学関係の方々が「あの広い解剖実習室のスペースで厚 生省の言っているホルムアルデヒド濃度をクリアする という発想はどのように実現したのですか?」と関心 を示され、 「たしかに難しい問題でしたが、ホルムア ルデヒドの対空気比重は百分の一オーダー分重いの で、床に溜まる傾向のホルムアルデヒド濃度を抑える には第一に床面積を広くすること、第二に床に室内空 気吸引装置をつける以外に方法はないと考えて設計を していただきました」とお答えした。そして、 「実は今 日まで世界で最も素晴らしいのは米国のミシガン大学 医学部の解剖棟だと思っていたのですが、その考えが 変わりました」とお褒めをいただいた。 1 階の法医学解剖室・ラボなど、まだまだ語るべき ことはつきませんが、紙面の関係もあり、これまでお 世話になった多くの方々に深く感謝申し上げ、アナト ミーセンター施設見学会の報告と致します。 (アナトミーセンター長 篠原治道記) 解剖実習室 第 152 号/2012.11 金沢医科大学報 17 KMU 40th ANNIVERSARY レジデントハウス レジデントとは「住院医師」という意味である。ま ず初期臨床研修を On the job training の形で効果的、 効率的に行うには、病院に近い、快適で安定した住環 境の確保が必須であるとの考えから、創立 40 周年記 念事業の一つとしてレジデントハウスが建築され、平 成 24 年 10 月完成した。 建物のアクセスには 1 階正面玄関からとテニスコー ト前の駐車場から連絡通路を渡って 4 階に入る方法が ある。いずれも電子錠による入退管理が行われる。居 眺望や内装を称賛 室は A タイプ妻帯者用 2LDK が 12 室、B タイプ単身者 えし、4 階の入り口から、川上病院長、臨床研修セン 用 1LDK が 53 室ある。内部はオール電化で落ち着い ター教職員、 病院管理課職員、 施設課担当者が案内した。 た内装でホテル並みの設備がある。4 階カンファラン 見学の皆様から、東向きの広々とした各窓からの眺望、 スルームには電子カルテ端末を整備、静脈認証による 一般的な研修医宿舎の 2 倍以上もあるゆったりとした 入退室管理によりセキュリティを確保する。2 階談話 スペースと質的にも完備した内装などに賛辞をいただ 室は軽食の摂取や談話、小学会やカンファランスにも いた。穏やかな秋の日差しの中、建物外周まで回って 使用できる。 いただいた。この「レジデントハウス」の完成を研修指 当日は小松親次郎私学部長をはじめ多くの方をお迎 金沢医科大学氷見市民病院 導者側の立場からも誇らしく思った。 (望月 隆記) 参加者は案内担当者と質疑、応答をしながら、特別 個室、一般病床(4 人床)、回復期リハ病棟、集中治療 記念式典から記念祝賀会に至る行事がお開きとなっ 室(ICU )、血管撮影室、血液浄化センター、中央放 たホテル日航金沢を午後 2 時に氷見行のバスが発車、 射線部、中央臨床検査部、化学療法室、救急外来、リ 秋晴れの田園風景を楽しみながら約 1 時間のドライブ ハビリテーションセンターなどを見学された。新病院 で午後 3 時に金沢医科大学氷見市民病院に到着。私立 の特徴として、 「回復期リハビリテーション病棟」の設 医科大学関係の教職員 17 名の方々に昨年9月に新築 置や検診・ドックなどの「健康管理センター」の新設 移転した新病院の見学をしていただいた。 のほか、救急外来、手術室、集中治療室、血液浄化セ 施設見学に先立ち、6 階の多目的ホールにおいて髙 ンター、内視鏡センターの拡充、医療機器の整備とし 島茂樹病院長から、病院の概要や 2008 年 4 月の指定管 て最新の CT 装置や血管撮影装置の導入などを紹介さ 理者受託からこれまでの経緯、病院運営にあたっての れた。 基本的な考え方、取組み等について、市から私立機関 また、情報システム系の整備として、電子カルテシ への移行に伴う管理運営の混乱や、医師・看護師等の ステムを中心に経営統計、医事情報、物流システムな スタッフの確保に大変な苦労をした旨の説明が行われ ど、病院業務全体の情報管理に対応する医療情報シス た。続いて院内の施設見学が行われた。 テムが構築された旨の説明を行い、見学者は新病院の 真新しい各施設、最新の設備に興味 深く見入っていた。 見学の方々は、自治体病院といっ ても内容は大学病院の高次医療機能 をコンパクトに備えていること、臨 床研修医は単独でも本院との交流を 取り入れた形でも可能であり、融通 性を活かしたキャリアパスが構築で きることに興味をもたれた。 病院の概要等について説明する 髙島茂樹病院長 血管連続撮影装置の紹介 (上端雅則記) 金沢医科大学報 18 KMU 40th ANNIVERSARY 金沢医科大学グランドデザイン 第 1 次 5ヵ年計画 2010 ⑤クリニカルシミュレーション・センター 医学生が医師となる過程において、知識、技術、医の心の 3 つの領域のバランスのとれた修得が必要である。 この中で診療にまつわる医行為といわれる技術は特に習熟する必要がある。航空機のパイロットがシミュレータ によって操縦の習熟を積むように、医学生も各種の医行為をいきなり患者さんにするというのでなく、シミュレ ータを用いて技術を習得・習熟してゆくという形をとる必要がある。 平成 17 年本学では病院本館 3 階に、 「スキルス・ラボ」を設置したが、平成 21 年 4 月「クリニカルシミュレーシ ョン・センター」として専任教員と技師を配し開設した。学生や医師が有効に利用して技を磨くために、高機能 のシミュレータを設置し整備している。 ⑥スチューデント・ドクター医局 高学年の学生が病院内において勉学、実習するにあたって、 基地として使用できるのがスチューデント・ドクター医局で ある。病院本館 5 階の全フロアを 4 つの大部屋として 120 名 の鍵付き個人机とロッカーを備えている。部屋の出入りは電 子認証制で、原則朝 6 時から 24 時まで使用できる。インター ネット接続環境が整備され、指導教員室、国試対策室、グル ープ学習室、飲み物・軽食の販売機を備えたラウンジを配し た。今まで小人数制の自習室を用いた学習体制では、場所が 離れていることもあって教員の目が届かず、グループ内での 交流が主となり、個室が居室化する欠点があった。新しいシステムは、大部屋制であり、同級生同士の交流範囲 や情報交換の範囲が広がり、正しい知識や考え方の習得や啓蒙に重要な役割を持つことが分かってきた。 なおスチューデント・ドクター医局は、現在進行している大学グランドデザイン第 1 次 5ヵ年計画で新築され る医学教育棟に収容される予定で、完成後現在の病院本館 5 階から移転することになる。 ⑦アナトミーセンター 1972(昭和47)年10月に建築された解剖棟(延床面積1,317㎡) の老朽化、また病院新館が建設されて解剖棟と病院が隣接す る形となったため、本学のグランドデザイン第 1 次 5ヵ年の 第 1 段階として、将来医学教育・研究の領域の中心となる場 所に新アナトミーセンターを建設することになった。 新アナトミーセンターは、医学への入門を象徴する解剖学 を親しみやすい環境で学べる施設にするというコンセプトで 設計された。鉄骨造地上 4 階建、延床面積 2,015.84 ㎡で、1 階に法医学解剖室、2 階に解剖学処置保存室と資料展示室、3 階に解剖実習室、4 階に機械室を配置した。 2010(平成 22 )年 7 月 14 日(水)起工式(安全祈願祭)を執り行い、平成 23 年 3 月 3 日(木)竣工修祓式を執行、同 3 月 26 日(土)開館記念式を行い披露した。 第 152 号/2012.11 金沢医科大学報 19 KMU 40th ANNIVERSARY ⑧レジデントハウス レジデントは、初期臨床研修として医学部学士教育卒業後に行われる 2 年間の臨床研修医を指す。この期間は 指導医のもと臨床業務に没頭し、将来のための career path をアクティブに積んで行く期間である。レジデント には住院医師と称されるように四六時中病院内に滞在して業務に専念できることが要求される。 この度建設されたレジデントハウスは病院に近く、セキュリティ、快適性などに考慮を払い、臨床研修に専念 できる環境を提供できる宿舎として企画されたもので、65 戸が建設された。総合委託管理は㈲アカシア商会が 行う。 〔建物概要〕 鉄骨造地上 8 階建て 1 ∼ 2 階 A タイプ(既婚者用)2LDK × 12 戸 3 ∼ 8 階 B タイプ(単身者用)1LDK × 53 戸 2 階に談話室(約 100 ㎡) 4 階にカンファレンスルーム(約 34 ㎡) 全住戸分(65 戸)のトランクルーム完備 〔入居期間〕 医科研修医:初期臨床研修期間の 2 年以内 歯科研修医:初期臨床研修期間の 1 年以内 〔施設設備〕 配置物品:バス・トイレ・洗面台・キッチン・IH ヒーター・エアコン、電気温水器(オール電化) 【レジデントハウス平面図】 1F 4F 通用口 (ただし冷蔵庫、洗濯機、ベッド、カーテン、家具、 その他家電製品等は個人で準備) 設 備:インターネット利用可(NTT フレッツ 光:OCN、プロバイダー契約済)、LED 照明(浴 室のみ白熱電球) 、ウォシュレットトイレ、フル オートバス セキュリティ:モニター付きインターホン、カメラ付き オートロックシステム そ の 他 :駐車場(1 戸 1 台:65 台+来客用 3 台) 、駐 輪場、トランクルーム、宅配ボックス 問い合わせ先:金沢医科大学病院臨床研修センター事務課 (076 )286 − 3511(代表) 内線 5482・5483・5484 金沢医科大学報 20 KMU 40th ANNIVERSARY 〔レジデントハウス〕 レジデントハウス外観 宅配ボックス 1LDK モデルルーム 窓からの展望 カメラ付インターホン ⑨医学教育棟(実施計画終了、確認申請中) グランドデザイン第 1 次 5ヵ年計画では病院に隣接して「医学教育棟」の建設が計画されており、実施設計が終 了している。第 1 次 5ヵ年計画では途中「レジデントハウス」が急遽優先して建築される必要が生じ、 「医学教育棟」 の前に割込み実施された。 「医学教育棟」は社会が求める「良医」を育てるための、良質の学習環境を作るという新しい構想で建築が決定 している。病院に隣接して地下 2 階、地上 6 階建の建物として建築される。収容を予定している施設は、研修医 センター(研修医医局、大小セミナー室、個人ロッカー室、当直室)、スチューデント・ドクター医局(6 学年用・ 5 学年用、学生用個人ロッカー室)、臨床シミュレーションセンター、セミナー室、教員室、教務関係事務室、 ラウンジなどである。病院からは直線のストリートで結び、アクセスの利便を図る。なお、病院の設備として中 央臨床検査部、病院病理部、病理剖検室も収容する。建設用地は、旧解剖棟、旧 CT 棟、旧 RI 棟を解体撤去した 跡地を用いる。 なお、この建物は建築直後、1 )現在の病院旧本館低層部で展開している臨床各施設の仮設スペースとして利 用し、2 )そのあと病院前面から旧本館低層部および高層部を解体撤去し、その跡地に「病院 1 号棟」を新築する。3 ) 「病院 1 号棟」建築後、 「医学教育棟」を借りて使用していた病院の施設を戻して整備収容してから、4 )改めて上記 「医学教育棟」の本来の教育施設を整備収容する手順をとることになる。 第 152 号/2012.11 金沢医科大学報 21 KMU 40th ANNIVERSARY ⑩病院 1 号棟(基本設計進行中) 病院増改築計画において、病院旧本館は低層部 4 階までを残して内部は改修して使用し、13 階の高層部の 5 階 以上を解体撤去するという考え方のもとに検討されてきた。しかし旧本館の低層部を残して高層部のみを解体撤 去することは、技術的に難工事となり費用も多くかかることになる。また建物自体が築 40 年を迎えて老朽化も 加わっていることから、低層部、高層部の全てを一挙に解体撤去し、新しい構想の病院 1 号棟(エントランス棟) として建設することに方針が変更された。また、鉄骨(S )造、地下 1 階地上 4 階建とすることになり、基本設計 が進んでいる。 「病院 1 号棟(エントランス棟)」は、長期間にわたって進められてきた病院増改築計画の完成型とする予定であ る。構成内容は、4 階まで一部吹き抜けのエントランスホールとし、1 階は受付をコンシェルジュサービス形式 とし、入退院受付、薬剤部受付など、アメニティとしてレストラン、コーヒーショップ、売店、郵便局、ATM などをおく。2 ∼ 3 階は診療機能として集学的がん治療センター、総合診療センター、遺伝子医療センター、睡 眠医学センターをおく。4 階に病院長室、病院管理部門、医事部門、看護部門などをおき、北辰ホール(500 名収 容)、各種会議室などが組み込まれる予定である。 地域医療の振興 ⑪金沢医科大学氷見市民病院運営受託 金沢医科大学は平成 20 年 4 月 1 日から、富山県氷見市の指定管理者制度に基づく病院の公設民営化の方針によ り、氷見市民病院の管理運営を受託した。現在 5 年目を迎えている。 その間、公立から私立機関へ移行するにあたっての様々な障害を乗り越え、平成 23 年 9 月新病院も完成した。 新しい時代にマッチした、人にやさしい安心で快適な医療環境を提供する地域の中核病院として、地域医療の発 展に大きく貢献している。また、これまでの経緯を記録してまとめた『金沢医科大学氷見市民病院の挑戦「地域 医療」が元気になった!』が 40 周年記念出版として発刊された。 ⑫能登北部地域医療研究所設立 国の地域医療再生計画(2009 年度)に基づき、石川県から能登北部地域の医師確保対策推進と医療の充実につ いて要請を受け、本学では寄附講座「総合医療学(石川県)」を設置した。その活動拠点として公立穴水総合病院 の協力を得て同病院内に「能登北部地域医療研究所」 (所長:中橋 毅教授)を開設し、2010(平成 22 )年 8 月 2 日 (月)開所した。 高齢化が進む能登北部地域の医療状況とその対策は、日本の医療システムの将来の姿を示すものとなると考え られ、この地域の特徴に基づいた診療、研究、教育および社会貢献を活動の柱としている。 主な事業内容は、診療面では医師派遣の支援、穴水総合病院内に高齢医学外来を設けて、高齢者医療に強い病 院として需要に応じ、在宅医療の充実に力をいれる。特に、奥能登に多い疾病「糖尿病・高血圧・認知症」につ いては、IT 循環型地域連携パスを活用した効果的な医療の準備を進めている。 研究面では、地域の疾病構造、医療需要の調査・解析などの疫学研究、地域医療システムの研究、グローバル な僻地医療の調査と研究結果の発信などを手がけている。 教育面では、総合医療、家庭医学の教育プログラムの検討と人材育成、地域医療従事者の育成として医学生、 研修医の体験教育を行っている。東京、大阪の大学医学部の地域医療のプログラムに協力協定を結んで教育効果 を検証中である。後期臨床研修プログラムとして、プライマリ・ケア連合学会の指導医資格などを取得できる、 キャリアパス環境の構築を進めている。 金沢医科大学報 22 KMU 40th ANNIVERSARY 記念出版 ⑬金沢医科大学四十年史等 金沢医科大学四十年史編集委員会 編集 金沢医科大学四十年史 金沢医科大学創立 40 周年記念誌編集委員会 編集 北辰同窓会 金沢医科大学創立 40 周年記念誌 看護同窓会 金沢医科大学創立 40 周年記念誌 金沢医科大学四十年史 A4 判、748 頁 北辰同窓会 金沢医科大学創立 40 周年記念誌 A4 判、363 頁 看護同窓会 金沢医科大学創立 40 周年記念誌 「金沢医科大学四十年史」 A4 判、51 頁 発行:金沢医科大学出版局 発行日:2012 年 11 月 1 日 セット価格:定価 10,500 円(税込) ISBN978-4-906394-46-3 本学が創立 40 周年を迎えるにあたり、金沢医科大 学出版局から標記 3 冊が刊行された。 1972 年の開学以来 10 年毎の節目に、 「十年史」 「二十 年史」 「三十年史」を発刊してきており、今回 40 周年 を期して 2012 年 3 月までの記録として「金沢医科大学 四十年史」を松井 忍編集委員長と 25 名の編集委員に 「金沢医科大学創立 40 周年記念誌」 より、3 年の月日をかけて編纂した。本学にとって 40 年目は、目指すべき方向を見定め、伝統というべきも 支部会だより、退職教員の思い出、学友会(クラブ) のが確立された時期でもあり、開学からの歴史を一冊 活動などを掲載した 364 頁 182 編からなる寄稿集であ にまとめ著すことは意義あることから、カラー28 頁、 る。今回は、2011 年 3 月の東日本大震災での卒業生の モノクロ 748 頁の労作となった。30 年分を若干圧縮し、 被災体験や本学職員の救護活動など、医師としての活 ここ 10 年分の内容をそれに追加した。また沿革・主 躍報告を、特別に章を設けて掲載している。 要人事・資料の重要事項は 40 年間のデータを網羅し、 「看護同窓会編」は、学部および看護同窓会として 本学病院の診療科、金沢医科大学氷見市民病院を加え の歴史も浅く薄いものになったが、今後の発展への期 ての内容で、本巻一冊で本学の 40 年を振り返られる 待を込めての発刊となった。 ものとなっている。 企画では、紙の選定に配慮した。510 頁の「三十年史」 「金沢医科大学創立 40 周年記念誌」は、30 周年と同 に比べ、750 頁を超えるものと予想されたことから、 様「四十年史」の姉妹編となるもので、北辰同窓会に 軽量で質の良い書籍用紙の選定を 2 年前から始め、本 加えて今回看護同窓会発足にあわせて発刊することと 史用に特別に準備した。 なった「看護同窓会編」が加わり、 「北辰同窓会 金沢医 一般の方で希望される方には、10,500 円(税込)で 科大学創立 40 周年記念誌」と「看護同窓会 金沢医科大 提供している。金沢医科大学出版局(TEL 076-218- 学創立 40 周年記念誌」の二冊となった。 8069 )にお問い合わせ下さい。 「北辰同窓会編」は、医学部卒業生の近況、活躍、 (出版局) 第 152 号/2012.11 金沢医科大学報 23 KMU 40th ANNIVERSARY 金沢医科大学氷見市民病院の挑戦 「地域医療」が元気になった! 富山県氷見市の指定管理者制度に基づく病院の公設 民営化により、金沢医科大学が氷見市民病院の管理運 営を担当するようになって 5 年目を迎えた。 開設当初は、市から私的機関への移行に伴う管理運 営の混乱や、医療スタッフ不足の中で非常に困難な時 期もあったが、職員の団結と努力、地域の支援により、 昨年 9 月には新病院が完成・開院し、地域の中核病院 編集・発行:金沢医科大学 発売:北國新聞社 発行日:2012 年 10 月 25 日 価格:定価 1,800 円+税 A4 判、205 頁 ISBN978-4-8330-1897-5 として、安全で質の高い医療を提供できる体制が整い、 市民から厚い信頼を得ている。 このたび、金沢医科大学が氷見市民病院の指定管 運営に携わり再建に乗り出した例は、全国的にみても 理者として指定に至る経緯及び開設準備の段階からこ 初めての試みであり、これまでの取り組みを記録に残 れまでに取り組んだ軌跡を記録として本に纏め、創立 しておくことは、これから指定管理者を目指す方々に 40 周年記念事業の一環として出版された。 とっての一つの道標となるものと思われる。 (上端雅則記) 私立医科大学が赤字経営や医師不足などの病院管理 金沢医科大学創立 40 周年記念映像制作 キャリア パス ⑭ DVD「プロフェッショナルを育てる 良医への Career path 」 本学では創立 40 周年記念事業の一環として、若手医師の確保と 良医育成を目的に記念映像「良医への Career path 」を制作した。 DVD は、医学部生をはじめ、本学への入学を希望する学生の皆 さんへ向けて、本学病院の臨床研修プログラムの特長や魅力、プ ロフェッショナル・キャリアパスのイメージを伝えるためのプロ モーション映像となっている。 ひとりでも多くの若手医師が本学病院に定着することを期待し ている。 (坂田慎一記) 記念植樹 ⑮高峰さくら植樹(「ワシントンの桜里帰り事業」協賛) 1912 年に郷土出身の高峰譲吉博士が日米友好の懸け橋として米国へ寄贈した桜が、100 年の時を経て、北國新 聞社が実施する「ワシントンの桜・里帰り事業」により里帰りすることになった。本学もこの事業に賛同し応援 していることから、本学 40 周年記念事業の一環として苗木 5 本を譲り受けた。 この苗木は、日米友好に貢献した高峰博士の心を受け継ぎ根付くようにと、6 月にレジデントハウス前(記念 プレート 1 基)および新アナトミーセンター前庭と金沢医科大学氷見市民病院構内にそれぞれ植樹され、現在 5 本とも順調に育っている。 冬囲いした桜が無事越冬し、花を咲かせることを期待している。 (坂田慎一記) 金沢医科大学報 24 学 事 平成 24 年度 医学部編入学生入学宣誓式 平成 24 年 9 月 25 日(火)午前 10 時から、本部棟会議 室 1 において平成 24 年度医学部編入学生入学宣誓式が 挙行された。 父兄、教職員に迎えられた第 1 学年次後期医学部編 入学生 5 名に対して、勝田省吾学長から式辞、竹越 襄 理事長から告辞が述べられた。これを受けて、入学生 代表の野村慶三君が入学宣誓を行った。 (学事庶務課 川上英悟記) 平成 24 年度医学部編入学生 平成 24 年度 新任教員オリエンテーション 日時: 平成 24 年 6 月 29 日(金)午後 5 時 場所: 病院本館 4 階 C41 講義室 平成 23 年 7 月から平成 24 年 6 月までに新規採用およ び助教に昇任した教員 24 名を対象とし、平成 24 年度 新任教員オリエンテーションが行われた。 はじめに、勝田省吾学長が「本学の教育方針につい レクチャーする安田教授 て」と題したレクチャーにおいて、本学の教育の現状 や新任教員に期待することとして、建学の精神、医師 徴と課題について」と題して、主に少人数教育と PBL 国家試験成績の変遷、国試対策体制、6 年一貫統合型 について医学教育の歴史を振り返りながら、本学の課 カリキュラム、学生を育てるために必要な愛情などに 題である教育活動の記録や、評価および講義の仕方や ついて説明した。また、本学の特色である「教育の金 教員と学生との意思疎通の取り方などについて説明し 沢医科大学」についても考えを述べた。 た。 続いて、栂 博久医学部長が「医学部カリキュラム また、横山 仁教務部長が「医師国家試験対策につい について」と題して、コアカリキュラム、共用試験、 て」と題して、本学の第 106 回医師国家試験成績の報 PBL、CCS など本学の教育カリキュラムについて説 告と近年の出題傾向、今年度の国試対策の方針等につ 明した。特に、後期臨床研修までの一貫したカリキュ いて詳しく説明した。 ラムの確立と、地域医療で活躍している本学出身の医 師を紹介し、その重要性を強調した。 安田幸雄教授(医学教育学)は「本学の医学教育の特 最後に、質疑応答が行われ、オリエンテーションを 終了した。 (医学教育センター長 飯塚秀明記) 第 152 号/2012.11 金沢医科大学報 25 入学試験状況 平成 24 年度 り現在の方式で実施している。 今年度は募集人員約 5 名に対して 75 名の出願があ 医学部編入学試験 り、9 月 2 日(日)本学において欠席者 2 名を除く計 73 第1学年次後期編入 各試験に取り組んだ。 名が、 「外国語(英語) 」・「理科」 ・「小論文」・「面接」の 9 月 6 日(木)に合格者 6 名を発表し、5 名が入学した。 医学部編入学試験は文系、理系を問わず、4 年制以 なお、入学式は 9 月 25 日(火)に執り行われた。この 上の大学を卒業もしくは卒業見込みの者および 4 年制 編入学試験を以て平成 24 年度の全ての入学試験が終 以上の大学に 2 年以上在学し、62 単位以上修得または 了した。 (入学センター事務課 髙﨑正輝記) 修得見込みの者を対象とした入試で、平成 20 年度よ 平成 25 年度 参加者からは「非常にわかりやすく大学の状況を説 明していただいたので、説明会に出席することがとて 医学部入学試験説明会 も意味のあるものだと思いました」 、 「映像で見た写真 全国 6ヵ所で開催 生活がよく分かり、とても参考になりました」などの やビデオから貴学が実施している教育の雰囲気や学生 感想が寄せられた。 (入学センター事務課 村井幸美記) 平成 25 年度本学医学部入学試験の説明会が、平成 24 年 7 月 24 日(火)から 7 月 26 日(木)にかけて、全国 6ヵ所(金沢、札幌、福岡、東京、名古屋、大阪)で、 受験生やその家族、高校の進路指導教諭等を対象とし て開催された。参加者は合計 109 名(前年 116 名)であ った。 説明会では、大学紹介のビデオ「キャンパスからの メッセージ」を放映し、本学の最新の教育内容、学生 生活を映像で紹介した。その後入試実施委員から「本 学の概要」、 「教育方針」、 「平成 25 年度入試要項」等に ついて詳細な説明が行われた。 平成 25 年度 医学部特別推薦入学試験(AO 入試) 163 名が出願、13 名が合格 平成 25 年度医学部入試地区別説明会 7 月 24 日(火)ホテル金沢 ANA クラウンプラザホテル福岡 名古屋ガーデンパレス 7 月 25 日(水)ポールスター札幌 大阪ガーデンパレス 7 月 26 日(木)東京ガーデンパレス の選抜方式では評価が困難な学習意欲、医師としての 使命感や人間性に評価の重点を置いて、書類選考や面 接に十分な時間をかけ選抜を行う入学試験であり、受 験生や高校の先生などの推薦者からも高い評価を得て いる。 第 1 次選考の書類選考の結果 45 名が合格し、9 月 27 平成 25 年度医学部特別推薦入学試験(AO 入試)は、 日(木)に発表された。続いて 10 月 21 日(日)に本学に 平成 24 年 9 月 3 日(月)から 10 日(月)までの間出願を おいて、第 2 次選考の基礎学力テストと面接(グルー 受け付け、163 名の志願者があった。 プ・個人)が行われた。第 2 次選考の結果、10 月 25 日 本学医学部の特別推薦入学試験(AO 入試)は平成 13 年度入試から導入され、一般入学試験などの学力重視 (木)に最終合格者 13 名が発表された。 (入学センター事務課 村井幸美記) 【学事】 金沢医科大学報 26 や東 伸明准教授(解剖学Ⅰ)による模擬講義のほかに 平成 24 年度 医学部 模擬面接が行われた。東准教授の模擬講義はアナトミ ーセンター2 階で行われ、参加者は標本や資料の展示、 ホールの壁画などを興味深く見学していた。 昼食時には学生食堂で参加者と在学生、教職員が食 事をしながら歓談した。その間も受験生は、ホームペ 平成 24 年度医学部オープンキャンパスが、7 月 16 日(月 ・ 祝) 、8 月 8 日(水)と 19 日(日)の 3 回開催され た。 ージや「大学案内」だけでは分からない受験勉強や学 生生活のことなど、在学生の生の声に聞き入っていた。 午後からは参加者の希望に応じて、入試説明会と個 第 1 回 は 155 名( 受 験 生 本 人 69 名、 父 母 等 86 名 )、 別相談が行われた。また、施設見学としてクリニカル・ 第 2 回は 105 名(受験生本人 53 名、父母等 52 名)、第 3 シミュレーション・センター(CSC )を中心に、病院 回は 184 名(受験生本人 88 名、父母等 96 名)が出席し、 新館や図書館の見学が行われた。 合わせて 444 名(昨年度は 364 名)の参加があった。 本学のオープンキャンパスは、毎回約 30 名の在学 生が中心となり、参加者の案内や説明などを行ってい る。 参加者アンケートでは、 「推薦を考えているので、 詳細が聞けてとても良かった。CSC の施設は、実際 に臨床に出るときに役に立ちそうで、印象深かった」、 「模擬面接はどこの医学部でも体験したことがなかっ 午前 10 時に始まり、西尾眞友教授(薬理学)から開 会の挨拶、続いて米倉秀人教授(生化学Ⅱ)による模 たので新鮮でした。医学生と随時話ができるのも嬉し かったです」などの感想があり、大変好評であった。 擬面接の説明のあと、参加者は 4 つのグループに分か (入学センター事務課 村井幸美記) れ、在学生がガイドとなりキャンパスツアーを行った。 午前中は体験コースとして望月 隆教授(皮膚科学) 東 伸明准教授による解剖学模擬講義 勉強やカリキュラム、金沢での生活などを尋ねる人、 〈学生サポーターの声〉 ふじい 施設見学:CSC にて聴診の体験 あい 藤井 愛 (医学部第 4 学年) また、本学教師による模擬講義から、普段の勉強とは 違う刺激を楽しむ人がいました。短い時間ではありま したが、受験者本人だけでなく保護者の方々も、多く 私は入学以来オープンキャン パスのお手伝いをしており、今 の情報を手に入れ、意欲を掻き立てられたことと思い ます。 年で 4 回目となります。医学部 本学を知りたい!本学で学びたい!と思われる方が への入学に、意欲的な参加者が 多くなったのも、先輩方や在学生たちの活躍、本学の 年々増えているのを肌で感じま 先生や職員の方々の熱心な取り組みがあるからではな した。在学生に受験を乗り切る いでしょうか。本学の良さを多くの方に知っていただ ための方法を熱心に聞いている きたいと思うとともに、私自身も本学に恥じない“良 人、大学入学後のイメージを膨らませようと、大学の 医”となるよう日々邁進していきます。 金沢医科大学報 第 152 号/2012.11 27 ビスの昼食は参加者には大好評であった。 平成 24 年度 看護学部 参加者と在学生との交流はオープンキャンパス成功 の大きな要因となっている。今年も 1 学年から 4 学年 の学生 63 名がオープンキャンパスのホスト役を務め た。学生たちは赤いポロシャツのユニフォームを着て、 最後まで笑顔で参加者に接していた。アンケートには 本年度も看護学部オープンキャンパスが 2 回開催さ れた。 模擬演習中や施設見学等様々な企画を行うなかで、学 生と教員の距離の近さを感じたという嬉しい声が聞か 第 1 回の 7 月 15 日(日)には 81 名(受験生本人 59 名、 父母等 22 名)、第 2 回の 8 月 18 日(土)には 100 名(受 れ、本学を受験したいという希望も数多く書かれてい た。 験生本人 69 名、父母等 31 名) 、合わせて 181 名の参加 最後に、本学の顔として多くの場面で大役を果たし があった。本学のオープンキャンパスが定着してきた てくれた学生サポーターたちに改めて感謝し、オープ と考えられる。 ンキャンパスの成功が本学部受験者の増加につながる 今年度の模擬講義は坂井恵子教授(基礎看護学)が ことを期待している。 (看護学部 落合富美江記) 担当し、看護の歴史で忘れてはならないナイチンゲー ルを取り上げた。看護者として人をケアすることの意 味について考えていただける機会になったと期待して いる。模擬演習は例年好評な新生児のバイタル サインのチェックやおむつ交換、さらには血圧 測定や移送補助体験などが盛り込まれた。本学 学生の案内のもと、施設見学では助産実習室や 母子実習室、地域看護実習室を見学し、実習室 には実習で作成された指導用のパネル、保健指 導をしている学生たちを収めた VTR 等が展示・ 放映されるなど、本学の実習での様子を垣間見 ていただいた。看護学部の 1 年間の紹介や模擬 演習時のスナップ写真サービスも行い、好評を 得た。また、クリニカル・シミュレーション・ センターでは、専門スタッフによる模擬演習を 行い、設備の素晴らしさを体感していただいた。 恒例になっているホテルのケータリング・サー 模擬演習での新生児バイタルサインのチェック 楽しそう」、 「学生と教員の関係がいい」などの声を聞 〈学生サポーターの声〉 いしかわ このみ 石川 好美(看護学部第 4 学年) くことができました。昼食時には参加者と、勉強や実 習、部活のことなど、本学での大学生活を話題に、た くさん話をすることができました。また今回は昼食時 昨年に引き続き今回のオー に、学部紹介ビデオが上映され、それを見てさらに質 プンキャンパスも、県内外から 問や感想をくださり、話題の尽きない楽しい雰囲気の 多くの受験生やご家族の方々 中での食事となりました。お帰りの際に参加者から笑 が参加してくださり嬉しく思 顔と感謝の言葉もいただき、とても嬉しく思いました。 います。参加者にはキャンパス あっと言う間に一日が終わりましたが、参加者の方々 ツアー、基礎看護学の模擬講 には本学の魅力や特徴をお伝えできたのではないかと 義、新生児のおむつ交換などの 思います。来年も多くの方が本学で春を迎えてくださ 模擬演習を体験していただきました。私の担当はキャ ることを願っています。 ンパスツアーの係りでしたが、参加者を案内しながら、 「きれいで雰囲気がいい」 、 「施設が整っていて勉強が 【学事】 金沢医科大学報 28 れ、医学界のみならず、キャ 第 56 回教育懇談会 リア教育全般、マッチング世 医学生、研修医、医師のためのキャリ ア教育:新時代を拓くための一試論 代の医師が抱える問題点、日 米間におけるキャリアに対す る価値観の相違、教育する側 の課題提起や意識改革の必要 講師: 齋 藤 中 哉 先 生( 一 般 社 団 法 人 The Honolulu 性などについて、具体例を交 Academy of Medicine 代表理事・医師) えながら紹介された。 日時: 平成 24 年 7 月 26 日(木)17 時 30 分∼18 時 30 分 場所: 病院本館 4 階 C41 講義室 本学教職員にとっては、普 齋藤中哉先生 段はあまり聞くことができな い貴重なテーマであり、非常に有意義な FD の機会を 第 56 回教育懇談会は、一般社団法人 The Honolulu 持つことができた。 「良医」を育成するうえで、学生・ Academy of Medicine の齋藤中哉先生をお招きして開 研修医の各々のキャリアを考慮してどのように指導し 催された。懇談会には本学教職員約 30 名が参加した。 ていくべきか、本学教職員にとってこれから一層重要 齋藤先生は、演題を「医学生、研修医、医師のた な課題になると痛感させられる講演であった。 めのキャリア教育:新時代を拓くための一試論」とさ 平成 24 年度 (医学教育センター長 飯塚秀明記) の説明を受けた後、学生は小グループに分れ、各病棟 に配属された。病棟では、病棟責任者の管理・指導の 医学部第 2 学年 下、患者さんの搬送、ベッドメーキングなどを体験し、 看護体験実習・報告会 医療介助、バイタルサインのチェック、看護記録作成、 業務引き継ぎなどを見学した。 4 日間の病棟での実習の後、8 月 24 日(金)に報告会 医学部第 2 学年の看護体験実習が、平成 24 年 8 月 20 を開催した。各グループが、スライドを用いて病棟で 日(月)から 24 日(金)の 5 日間実施された。本実習は 学習した内容と実習を通して感じたことを発表した。 Early Clinical Exposure(早期臨床体験)の一環とし 多くの学生から、看護師業務の多様さと大変さに対す て平成 14 年度から続いている。医学部入学後の比較 る驚きの声が聞かれた。また患者さんとの会話を通し 的早い時期に医療現場を体験することで、医学を学 て、患者さんの苦しみを感じ取ったという発表もみら ぶモチベーションをさらに高めてもらうこと、また患 れた。会の最後に、出席くださった 2 名の看護師長か 者さんを中心としたチーム医療の重要性とチームにお ら、学生に向けての貴重なアドバイスがあった。今 ける各職種の役割を学んでもらうことを目的としてい 後の医学学習の大きな一助となる有意義な実習となっ る。 た。 実習前のオリエンテーションで、患者さんとの接し 方、個人情報保護と院内感染予防のための留意点など (第 2 学年主任 岩淵邦芳記) 〈29 ∼ 31 頁に関連記事掲載〉 第 152 号/2012.11 金沢医科大学報 29 学生のページ 医学部第 2 学年 看護体験実習レポートから 平成 24 年度医学部第 2 学年看護体験実習が、8 月 20 日(月)から 24 日(金)の 5 日間実施された。提出された実 習レポートの中から 2 編を掲載した。 かなたに しんご 金谷 真吾(医学部第 2 学年) 実習先: 新館9階東病棟 整形外科 〔実習内容〕 (医学部第 2 学年主任 岩淵邦芳記) や薬剤師、作業療法士など専門性が高い職種が、その 専門性を活かし患者の治療にあたるには、患者の情報 を収集することが大切だと思われる。職能による分業 の進むチーム医療には、多くの正確な情報を共有する ことが不可欠である。もちろん看護業務や診療補助も 引き継ぎの参加、入院患者の誘 看護師の職能であり大切であるが、患者の多様な情報 導、入院時のオリエンテーショ を得ることこそ、看護師の職能の特徴であるように感 ンの見学、患者搬送等の実習、 じた。 療養環境の整備の実習、患者の 3. 患者の精神的、肉体的苦痛について 訴えを聞く、その記録作成の見 患者の苦痛について、全てのスタッフが見落とさな 学、バイタルサインのチェック いように配慮しなければいけないと感じた。整形外科 の見学、三測表の作成の見学、診療補助の見学と実習、 の病棟で実習をしたので、入院患者はもちろん肉体的 看護業務の見学と実習、他業種との連絡及び報告の見 な苦痛を抱えていた。しかし、そうした肉体的苦痛や 学、院内感染対策の実習 不自由さは精神的な苦痛にもつながる。 1. チーム医療の一員としての医師の役割について な生活を侵害され、肉体的、精神的な苦痛を感じてい 整形外科に限らず、全ての患者は病気によって平常 看護師は医師の指示を確認して看護を行っていた。 るだろう。医療スタッフはそうした苦痛を除去する為 診療計画や看護計画、薬の処方など医師はチーム医療 に全力を尽くすべきだと思う。特に精神的な苦痛は、 において、他のスタッフに指示を出すことが多い役割 スタッフの接遇によって緩和することもあれば増悪す であると改めて感じた。とはいえ、指示を出すから ることもあると思う。医療者であれば、進んで患者の 医師が他のスタッフより地位が高いということではな 精神的苦痛を増すようなことをしようとは思わないだ い。医師が指示を間違えたり伝達を疎かにしたりすれ ろうが、自覚がないまま患者に苦痛を与えてしまうこ ば、他のスタッフは混乱し、患者への対応も遅れてし ともあるかもしれない。そのようなことが起きないよ まう。医師はそうした役割を自覚し、迅速に正確に指 うにするには、やはり医療者のコミュニケーション能 示を出すことが大切だということが実習を通じてわか 力が大切になってくるだろうと思った。 った。 4. 患者中心の医療について 2. 看護師の役割について 病棟業務を体験して、入院患者には医師だけでなく チーム医療において、看護師は患者と接する機会の 看護師、薬剤師、作業療法士といった多くのスタッフ 多いスタッフだと感じた。看護業務や診療補助を通じ が面談し、患者の訴えや服薬状況を確認していた。全 看護師は常に患者と接しており、患者にとって一番身 てのスタッフがそれぞれに患者の情報を得て、それを 近なスタッフが看護師かもしれない。その身近さから、 集約していくという医療はまさに患者中心の医療だと 時には患者が医師には言わないような訴えを看護師が 思う。また、患者の治療計画を立てるときには病気や 聞くこともあるだろう。そういった訴えの中に、患者 怪我のことだけでなく、患者の家族や仕事などの社会 の体調変化の兆しがあるかもしれない。看護師はそう 的な状況まで配慮されていた。病気や怪我を治すこと したことを踏まえ、患者から聞いた話、訴えを、些細 はもちろん大切だが、それだけでは治療の中心は病気 なことに思えることまで電子カルテに記録していた。 や怪我だと思う。患者を一人の人間として考え、病 このことから、看護師はチーム医療において患者の情 気や怪我で損なった生活を取り戻そうとする考え方こ 報を収集する機会の多いスタッフであると思う。医師 そ、患者中心の医療だと実習を通じて思えた。 【学事】 金沢医科大学報 30 学生のページ 〔本実習を今後どのように活かしたいか〕 としてとらえ、患者を中心としたチーム医療を実践し 看護実習を通じて、実際の医療の現場を見ることが ていたように思う。医師として病棟に立つとき、この できた。看護師は本当に多忙で常に何かしらの業務を 実習で学んだ患者中心の医療、チーム医療での医師の していたが、そんな中でも看護師はいつでも患者を気 役割、他職種と連携をとる上での情報共有の大切さな にかけていた。それは他のスタッフも同じだったよう どを忘れず、医療者の一人として役割を全うしたいと に思う。そうしたスタッフの全てが患者を一人の人間 思った。 すみたに ようこ 炭谷 要子(医学部第 2 学年) 実習先: 新館4階東病棟 小児科、小児外科、 形成外科 〔実習内容〕 実習中、看護師の方々はバイタルチェックや看護業 務を通して、何度も患者に接して話を聞き様子を確認 していた。患者本人のデータの記録だけでなく、癖や 発言、その家族の様子や不安、悩みなど、本当に細か いことまで記録に残していた。そしてそれらの報告が、 治療に大きく反映されているように感じた。また、小 引き継ぎの参加、患者搬送等の 児科病棟の患者の多くは幼児や乳児であるため、家族 実習、患者の訴えを聞く、その から患者の様子を聞くことはもちろん、治療を行って 記録作成の見学、バイタルサイ いく上で家族の理解を促し、患者をサポートしやすい ンのチェックの見学と体験、診 環境を整えるために、様々な相談にのってくれる看護 療補助の見学(薬剤準備、検査 師の役割はたいへん大きいのだと感じた。 準備、療養指導、創傷処置等)、 3. 患者の精神的、肉体的苦痛について 看護業務(寝衣交換、清潔、排泄等)に接する、看護 まず、肉体的苦痛を軽減することで、患者本人の精 問診、入院計画書、看護診断、看護計画、看護記録等 神的苦痛も多少は軽減すると考える。また、患者にと の作成の見学、他職種との連携および報告に接する、 って「分からない」ということが、患者自身や家族の 院内感染対策 精神的苦痛に繋がっていると感じた。自分の状態を知 り、これからのことを予測できるような情報を得られ 1. チーム医療の一員としての医師の役割について るだけでも、その苦痛は軽減される。そのため、イン 患者や家族、それぞれの専門スタッフからの意見を フォームドコンセントやプレパレーション(これから まとめ、医師が判断したことに基づいて各スタッフが 受ける処置に対して具体的に分かりやすく説明するこ 治療行為を分担して行っており、医師はチーム医療の と)はこの苦痛軽減に大きな意味を持っている。実習 責任者であると思う。しかし、患者の傍に長くいるの 中、看護師は幼児の患者に、 「チクッとするけど、す は主に看護師や臨床心理士などのスタッフであり、最 こし我慢してね」、 「今日頑張って糸を取ったら、明日 善の治療を行うために、自分とは違う専門性をもった は痛いことないよ」などと声をかけ、自然にプレパレ 各スタッフからの意見や知識を引き出して分析し、治 ーションを行っていた。これだけでも患者は痛みを受 療方針に反映させていくことが大切だと思う。 け入れようとし、処置や検査が少しスムーズになって 2. 看護師の役割について いるように思われた。 看護師は最も患者に接する機会の多い立場にあるた その他、金銭面や社会的な部分から来る精神的苦痛 め、おそらく患者にとって最も親しみやすいスタッフ は、患者本人だけでなく家族にとってもまた大きい。 であり、チーム医療の中の重要なパイプ役になってい 小児科では言葉でのコミュニケーションが難しい患者 る。患者だけでなく、その家族の不安や悩みを聞いた が多く、また先天性疾患の方も多くいらっしゃったの り感じ取ったりして、患者の環境を整える役割が誰よ で、家族の長期のサポートが必要になってくる。家族 りも大きい。治療についてだけではなく、様々な手続 より長く生きるはずの命が、もしかしたら短くなって き上の説明を行ったり、患者やその家族の理解度を確 しまうかもしれない恐怖や罪悪感、いつまで自分が支 認したりして、患者にもチーム医療に参加していただ えていけるのか分からない不安などを受け入れて、家 く上でとても大きな役割を担っていると考える。 族が患者の自立を促していけるような気持ちや環境を 第 152 号/2012.11 金沢医科大学報 31 学生のページ 作るためにも、患者だけでなくその家族の精神的苦痛 考えている。そしてその様な医師になるには「知識と をケアし、環境を整えやすいように、各専門スタッフ 技術」、 「コミュニケーション能力」そして「想像力」が や学校、自治体などが協力してサポートしていくこと 大切だと思う。知識と技術の向上は医師としての当然 が必要だと感じた。 の責務であるが、コミュニケーション能力もチーム 4. 患者中心の医療について 医療の効力を十分に発揮するためとても大切だと感じ 私が考える患者中心の医療とは、患者が自分の疾患 た。 について知って理解し、その改善のために医療スタッ 実習中、頻繁に患者に会いに病棟に顔を出す医師に フとチームとなって治療方針を決定し実行していくこ は、患者も看護師も意見を言いやすいように見えた。 とで、つまり患者もチーム医療の一員だと考えている。 電子カルテ等での情報共有は医療体制の基本事項であ そのためにも相互理解が大切であり、信頼関係を築 るが、お互いに表情を見ることは信頼関係を構築して き、チーム医療に上手く患者やその家族の意見を巻き いく上で大切である。また、そのことで文字からの情 込んでいけるような体制作りが必要だと考えている。 報をより的確につかむことにもつながっていくと考え しかし、それにはお互いの心の余裕や時間などが必要 る。そして相互理解には、相手の立場や不安、考えを で、満足できる関係を作っていくのは難しいというこ よりリアルに考えられる想像力が必要であると思う。 とも、この実習を通して実感した。 医学の道を進み始めたばかりであるが、日々勉強し 〔本実習を今後どのように活かしたいか〕 て知識の習得に邁進し、人として信頼されるように、 良医とは、的確な治療を行え、信頼される医師だと 自覚をもって自己の向上に努めていきたいと思う。 級として外部のボランティアが曜日ごとに勉強や工作 看護学部 華中科技大学同済医学院における 看護実習 を教えていた。日本と同様、長期入院をしている小児 にとって、発達の妨げにならないように配慮されてい るということを学んだ。 しおり 今回の実習で中国の医療や看護を学ぶことを通し 宇原 一志、木村 真衣、竹川 詩織 て、日本との相違点・類似点について考えることがで うはら かずし きむら ま い たけがわ (看護学部第 4 学年) きた。今後はこの経験を活かして、自分の看護の発展 につなげていきたい。また中国以外の国外の医療にも 同済病院およびその他の施設の見学、華中科技大 興味を持つことができ、中国や日本以外の医療・看護 学の学生との交流によって、中国の文化と看護につい を学べる機会があれば、積極的に参加していきたい。 て学んだ。中国の病院は日本の病院と比較す ると規模が大きく、利用者も多い。そのため、 外来受診に時間がかかると思っていたが、実 際は医師の数が多いことや自動受付があるこ とで、効率よく受診できることが分かった。 同済病院を見学した時、患者に会えないこ とがわかっているのに家族はお見舞いに来て いた。患者のそばにいることが家族にとって いちばんの安心になると聞き、家族が患者を 思う気持ちは日本と同じだが、その表現方法 が異なるということを学んだ。 協和病院では小児血液内科を訪問し、日本 から持っていった折り紙で動物を作り、患児 にプレゼントすることを通して交流をはかっ 華中科技大学同済医学院にて。左から龍さん(通訳、華中科技大学日本語学科) 、 た。病棟内にはプレイルームがあり、院内学 宇原、木村、引率してくださった櫻井講師、同済医学院の看護師さん、竹川 【学事】 金沢医科大学報 32 学生のページ 医学部学生のメディカルホームステイ報告 夏期のメディカルホームステイは、各施設のご協力により下記のとおり実施され、今年度は 3 施設において 5 名の学生が研修した。この企画は、本学卒業生および北辰同窓会の支援のもと夏期休暇期間を利用し、医療現場 で活躍する本学卒業生との交流を深め、人間性豊かな良医となるべく資質を向上させ、また、医療現場での研修・ 見学を通して、さらに積極的な学習意欲を向上させることを目的として、平成 10 年度から実施されている。 (学生部長) ◊䚷ಟ䚷ඛ ᮇ䚷䚷㛫 ◊䚷ಟ䚷⪅ 䠄་Ꮫ㒊Ꮫ⏕䠅 ឡグᛕ㝔 㻣㻛㻞㻡㻌ࠥ㻌㻣㻛㻞㻣 ୍᳃ᝆᕼ 䠄➨ 㻞 Ꮫᖺ䠅 㤶ᕝᑠඣ㝔 㻣㻛㻝㻥㻌ࠥ㻌㻣㻛㻞㻜 㮛㇂⌮ᜨ 䠄➨ 㻟 Ꮫᖺ䠅 㻤㻛㻣㻌ࠥ㻌㻤㻛㻥 ᖌ⏣䚷㻌ᝆ 䠄➨ 㻟 Ꮫᖺ䠅 㻣㻛㻞㻡㻌ࠥ㻌㻣㻛㻞㻣 ᕝᜨ⨾ 䠄➨ 㻟 Ꮫᖺ䠅 㻤㻛㻢㻌ࠥ㻌㻤㻛㻣 㧘⏣䚷㻌⩧ 䠄➨ 㻠 Ꮫᖺ䠅 㔠ἑ་⛉ᏛịぢᕷẸ㝔 学に精通していない者には分からず、不安に拍車をか 〈研 修 先〉 医療法人健愛会 健愛記念病院 院長 溝口義人 先生(昭和 55 年卒業) 〒 811-4313 福岡県遠賀郡遠賀町大字木守 1191 TEL 093-293-7090 FAX 093-293-2022 研修期間: 平成 24 年 7 月 25 日∼ 27 日 けかねません。そうならないよう、患者さんにも理解 できる説明をすることが、いかに大切なことであるか を知りました。 また、患者さんが気を遣わずに振る舞えているよう だったのも印象的で、医師患者間に強固な信頼関係が 築かれていると思いました。やはり、相互に信頼しあ うことは、医療を行っていく上で必要不可欠なことで いちもり ゆうき 一森 悠希(医学部第2学年) あると思います。患者さんに不信感を抱かれたり、患 者さんが心を開いてくれなかったりしては、より良い 治療を積極的に行うのに支障を来すこともあると思わ 今回私は、医師になるとはどういうことなのか、医 れます。もちろん信頼するだけでは病気を治せません 師であるとはどういうことなのか、それを 2 年生とい が、信頼がなければ、医療の根幹を成している“心を う早い段階で実感し、今後に役立てる為に参加を希望 診る”ということができないと思います。 しました。 その他にも、手術、外来、内視鏡検査見学、施設訪 以前から私は外科医を志し、病に苦しむ患者さん 問およびこれらに伴う懇切丁寧な説明と、この実習を の命を救いたいと考えてきました。しかし単に治療す 通して大変貴重な経験をさせていただきました。院長 ればいいというわけではなく、病気に苦しみ、それと 先生をはじめ、病院関係者全ての方々に感謝していま 闘っている患者さんの精神的支柱にならねばなりませ す。医師には深い医学の知識、技術や経験、他の医療 ん。実習先に健愛記念病院を選ばさせていただいたの 従事者との意思の疎通、そして患者さんを思いやる心 は、外科部門に力をいれているということ、さらに患 など、いくつもの資質が求められることを改めて強く 者さんとどのように向き合っているのかを学びたいと 感じました。ここで教わったことを決して無駄にせず、 の気持ちからです。 後に自分が担当する患者さんに必ずや活かしていこう 実習を終え感じているのは、この病院にお世話にな って本当に良かったということです。 と思います。また、この気持ちをずっと心に持ち続け て生きていこうと思っています。医師としての使命に 様々なことを教えていただきました。その中で最も 燃え、その責任を果たすためにも、日々の研鑽を怠ら 感銘を受けたのは、患者さんを想うということです。 ず邁進できる医師を目指そうという大きな転機となり 診察の際は、できるだけ専門用語を用いないという配 ました。皆様、本当にありがとうございました。 慮がなされていました。詳細なことを言われても、医 第 152 号/2012.11 金沢医科大学報 33 学生のページ 〈研 修 先〉 独立行政法人国立病院機構 香川小児病院 院長 中川義信 医師 先生 中川真希 先生(平成 16 年卒業) 〒 765-0004 香川県善通寺市善通寺町 2603 TEL 0877-62-0885 FAX 0877-62-5384 研修期間: 平成 24 年 7 月 19 日、20 日 さぎや り え 鷺谷 理恵(医学部第3学年) 香川小児病院は小児総合医療施設として 30 の診療 麻酔科の先生方と。左から眞鍋佐和先生、筆者、中川真希先生、 山田暁大先生 科があり、四国中国地方のみならず全国から患者さん が集まります。小児専門病院ですが産婦人科を有して した。今回、帝王切開 2 件と普通分娩を見学させてい おり、出生直後から新生児に医療的介入を行うことが ただきましたが、新しい命の誕生に立ち会え、とても できます。今回私は、新生児内科と産婦人科を見学さ 感動しました。また、NICU と産婦人科の合同カンフ せていただきました。大学ではどちらの科も未履修で ァで双方の連携を見られたのも、大変興味深かったで したが、先生方が丁寧に教えてくださり、非常に密度 す。 の濃い研修となりました。 2 日間、新鮮な体験を数多くさせていただき、医学 1 日目は新生児内科を見学しました。岡崎 薫先生に に対する興味が益々湧きました。また今回、高度な知 新生児の診察の仕方について教えていただきながら、 識・技術や、優しく温かい心を持つ多数の先生方に出 モロー反射の確認、聴診などを少しさせていただきま 会えました。この研修で学んだ多くのことを生かし、 した。生まれたばかりの赤ちゃんは本当にかわいらし より一層勉学に励み、香川小児病院で出会った先生方 く、自然と温かい気持ちになるのと同時に、責任の重 のような良医を目指したいと強く思います。 みと診察の難しさを実感しました。NICU の見学では、 最後になりましたが、お世話になった先生方を始め 1500g 未満の低出生体重児、黄疸などに対する治療法 スタッフの皆様、患者様やご家族の皆様方に、心より や頭部エコーの仕方など沢山のことを教えていただ お礼申し上げます。ありがとうございました。 き、大変勉強になりました。正直言って研修前には新 生児内科がどのような科なのかよく知らなかったので すが、この研修を通して新生児医療を深く学んでみた いと思いました。夜には、本学の卒業生でいらっしゃ る中川真希先生に麻酔科のお話を伺うことができ、非 常に興味深く感じました。今回麻酔科は見学できませ んでしたが、また改めて小児麻酔を見学してみたいと 思いました。 2 日目は産婦人科を見学しました。七篠あつ子先生 にモニターの見方や破水、帝王切開について基礎から 教えていただきました。七篠先生は、緊急帝王切開に なる患者さんやご家族の方に不安を与えぬよう工夫し ながら手術の説明をするなど、患者さんの気持ちを考 えてお話されているのが印象的でした。村上雅博先生 は、「あとちょっとだからね」と、妊婦さんに穏やか に声を掛けていらっしゃいました。妊婦さんも落ち着 かれた様子で、医師の言葉の重みを目の当たりにしま 【学事】 金沢医科大学報 34 学生のページ 〈研 修 先〉 金沢医科大学氷見市民病院 病院長 髙島茂樹 先生 〒 935-8531 富山県氷見市鞍川 1130 TEL 0766-74-1900 FAX 0766-74-1901 研修期間: 平成 24 年 8 月 6 日、7 日 たかた しょう 髙田 翔(医学部第4学年) 内視鏡センターにて 私は今回、夏休みに富山県氷見市にある金沢医科大 学氷見市民病院にて研修をさせていただきました。卒 が待っていました。診察室のベッドは畳を重ねてシー 業後は大学病院で勤務する予定ですが、その前に地域 ツを被せたもので、少し驚かされました。診察は問診、 の中核病院を見学したいというのがそもそもの動機で 血圧と体重の測定、その後は聴診、触診、神経学的検 した。 査と続き、その中のいくつかを手伝わせていただきま 1 日目は 9 時から脳神経外科外来を見学しました。 した。特に問診に重点が置かれていて、最近の体調、 そこでは患者さんへの問診や、神経学的検査を見学し、 食生活、仕事の話などを事細かに聞いていました。全 検査は理論的に組み立てられていて、画像診断と併せ 員の診察が終わると、お茶とお菓子を囲んでお話する ることで的確に診断できることに感銘を受けました。 機会があり、皆さんはもう何年もの付き合いのようで 午後からは病棟見学で、そこでは実際にカルテの打ち した。 込みの手伝いをしました。第 4 学年ではカルテを書く 今回の実習では外来、ベッドサイド、内視鏡センタ 授業があり、そのため本物のカルテを見られたことは ー、僻地診療で研修し、医療にはいろいろな形がある 良い勉強になりました。その後 ICU にて、ルート確 ことを知りました。例えば、外来は多くの患者さんを 保のための大腿静脈からの CVC(中心静脈カテーテル 診察し、ベッドサイドに医師は毎日赴き、体調の変化 挿入)を見学しました。手術着を着て間近で見学でき を観察しカルテに書き込む。また僻地診療は無医地区 たのは、外科的手技に興味がある私にとって幸いでし に住まわれる患者さんには欠かせないもので、高度の た。 検査機器を使わず問診や視診、聴診、触診によって健 2 日目は循環器内科外来の見学をしました。多くの 康を見極める医療を、学生の時に見ることができたの 患者さんが診察を待っていて、できるだけ患者さんを は大きな収穫だと思います。まだ臨床実習をしていな 待たせないようにするために、診察の無駄を無くすこ いこともあり、今回は見学が中心でしたが、来年も来 とが大切だと教わりました。外来の患者さんを診察し る機会があればもっと深い研修にしたいと考えていま ている合間に救急外来に来院した患者さんも診察し、 す。最後にこのような機会をくださった氷見市民病院 検査をオーダーしなければならないほど多忙でした。 の職員、先生の皆様に心より感謝申し上げます。 続けて内視鏡センターを見学しました。カリキュラム ではちょうど消化器を勉強していたので、内視鏡で実 際の食道、胃、十二指腸を観察できて良かったです。 各部位で異常所見があると、どのような変化が見られ るかを詳しく教えていただきました。午後からは僻地 診療に出かけました。僻地診療とは医療機関のない各 地区を医師、看護師、事務員、運転手の 4 名で巡回す るもので、通常の実習では見られない医療だと思いま す。荷物を車に詰め込み、青々とした木々に囲まれた 山道をひたすら進みました。しばらくして到着した所 は平屋の建物で、中に入ると 10 人くらいの患者さん 第 152 号/2012.11 金沢医科大学報 35 学生のページ 2012 年 バーモント大学からの交換留学報告 (期間:2012 年 9 月 3 日∼ 21 日) 2012 年 9 月 3 日から 21 日の 3 週間、協定校のバーモント大学医学部 4 年生である Aleksey Androsov 君が、本学 にて研修を行った。期間中に各診療科にて研修を行うとともに、氷見市民病院、穴水総合病院にて、地域医療の 研修も行った。また、研修期間中、本学学生と、医療制度、受診システム、文化などについて情報交換ができ た。 (国際交流センター) 【研修プログラム】 9 月 3 日(月) 脳神経外科学、 Androsov 君による症例報告、 学生・教員との交流会 4 日(火) 氷見市民病院総合診療科僻地巡回医療 5 日(水) 脳神経外科学 6 日(木) 血液免疫内科学、神経内科学 7 日(金) 病理学Ⅱ、脳神経外科学 10 日(月) 眼科学 11 日(火) 穴水総合病院能登北部地域医療研究所 12 日(水)∼ 14 日(金) 眼科学 18 日(火)∼ 19 日(水) 内視鏡科 20 日(木) 内視鏡科、脳神経外科学 21 日(金) 内視鏡科、修了書授与、研修総括、送別会 〈Report 〉 Aleksey A Androsov I was deeply honored by the acceptance to conduct an observational rotation at Kanazawa Medical University. My initial interest in coming to this program was because of its unique opportunity to learn, exchange ideas which is greatly helpful for my individual's development. Due to my interest in Neurology and Ophthalmology I was curious how and in what way these medical specialties are practiced in Japan, which currently had the leading medical training equipment, and personal in Asia. My studies at Kanazawa Medical University consisted of attending morning conference and rounds, following the providers in the outpatient clinics, where I was able to conduct some physical, neurological, ophthalmological exams, and participated in further diagnostic workup. On some days I was able to attend unique surgeries, such as moya-moya, pineal gland tumor, esophageal cancer resection, several ophthalmological surgeries, and etc. where I was not only able to observe these unique procedures, but also assist physicians conducting them. I would like an opportunity to extend my sincere gratitude to Professor Akai for taking his time to walk me through his Neurosurgery clinic and explain to me several impressive neurological cases. Dr. Akai was also very helpful in arrange and expand my interactions with other students and increase my cultural development; as well as introduced me to the life of Japanese physician outside of the clinic setting. To Dr. Kitamura, who took his personal time to conduct a lesion localization exam on some of his patients. To Professor Umehara, for my 脳神経外科でのカンファレンス educational experience at the hematology and immunology ward. To Professor Ueda, with whom I enjoyed teaching 3rd year pathology class. I'm also grateful to Professor Kubo for allowing me the privilege to assist her in several surgeries; and to Dr. Hasanova, with whom we conducted rabbit eye dissection and who was also terrifically helpful my introduction to Japanese culture. Dr. Osada, who is a wonderful physician, she not only to show me some unique cases in clinic, but also took her time to show me around Kanazawa city. Dr. Yaguchi, who's great sense of humor always kept propelling me forward with my studies and for familiarizing me with some aspect of Kanazawa life. Professor Ito, Dr. Kitakata and the endoscopic surgery staff, for allowing me to be present with them on numerous endoscopies, colonoscopies, surgeries, and take part in the practice module for endoscopies. I also want to thank medical students in particularly Sara Ganaha, Kei Ishii, Saori Sumitomo, Kenichi Mizutani and wish them the best of luck as they continue on their path to become great 【学事】 金沢医科大学報 36 学生のページ physicians, as their mentors are. One of the most exciting part of Kanazawa Medical University training was our visits to the remount villages as part of outpatient physician house visits. I immensely enjoyed this experience very much, because it perpetuated a closer doctor-patient interaction and provides a distinctive cultural aspect to the way medicine is practiced in Japan. I would like to thank Professor Kanda for allowing me to assist him on his visit to community house in Himi. Additionally, I would like to express my sincere gratitude to Professor Nakahashi for his very educational power point presentation regarding the aging population of Noto peninsula and for bringing me alongside to his patient house visits. From this experience I gained much awareness of a more personal aspect of medicine, some pasts of which, in my opinion, I should be integrated in US medical system. This visit to Japan has provided me with very much knowledge and experience regarding the individual Neurosurgery, Ophthalmology, and Endoscopy subspecialties and general medical practice, which certainly I want to implement in future as a medical provider. This program has catalyzed and perpetuated my personal interest in studying abroad as one of the most crucial parts of continual medical education, the need for physician interactions and exchange of medical knowledge & ideas in order to provide best possible care to our patients. Therefore in conclusion, it is most important for me to deepest gratitude to the President of Kanazawa Medical University Dr. Katsuda for allowing me the honor of studding at his university and the pleasure of meeting so many wonderful students, faculty, and administrative staff. Likewise, I'm deeply grateful to Ms. Furumoto and Ms. Oe for the amazing care which I have received wile studying at Kanazawa Medical University. Both to Ms. Furumoto and Ms. Oe were always there for me if I needed any help or had any questions. They facilitated many interactions between the students, faculty, administration and me as well as my trips to Himi, Anamizu, and Hakusan. With their help I was able to gain much medical knowledge and cultural experience and have a very productive and enjoyable experience in Japan. In addition, I would Like to convey my sincere thanks to Mr. Nakashima for making very professional photographs and providing information about Mt. Hakusan. And to Professor Takegami who was kind to take Dr. Gusev, Ms. Oe and me to clime this gorgeous mountain. Finally, I want to expand my thankfulness and appreciation to all other medical students, faculty, doctors, professors, and administrative staff who have provided their interest and support to the International Student Exchange Program and made possible for medical students, such as myself, this wonderful opportunity to experience medical training in Japan. 人命救助に対して学生表彰 平成 24 年 9 月 6 日(木) 、本部棟 2 階学長室で、人命 救助に大きく貢献した本学医学部 5 学年生の吉岡誠之 君に、勝田省吾学長から表彰状が授与された。 こ の 表 彰 は、 平 成 24 年 6 月 19 日 午 前 0 時 15 分 頃、 自宅アパートの隣室の 60 歳代前半の男性が心肺停止 状態になったため、速やかに消防へ通報し、救急車が 到着するまでの間、心臓マッサージを続け心肺蘇生な どの応急手当を施し、男性の命を救ったことによるも のである。 なお、吉岡君は、平成 24 年 7 月に金沢市消防局から も表彰を受けている。 (教学課 林 秀樹記) 勝田省吾学長から表彰状を受ける吉岡誠之君 第 152 号/2012.11 金沢医科大学報 37 学生のページ ソノマ大学夏期語学研修報告 (期間:2012 年 7 月 11 日∼ 8 月 18 日) 2012 年 7 月 11 日から 8 月 18 日にかけて、医学部 1 学年 7 名および看護学部 2 学年 1 名が、カリフォルニア州立 ソノマ大学での語学研修プログラムに参加した。以下は参加者 2 名による研修報告である。(国際交流センター) 初めての留学−最高の 5 週間− たけだ しゅん 武田 峻(医学部第 1 学年) 私は今回の語学研修をずっと心待ちにしていまし た。なぜなら、入学する以前から、金沢医科大学は留 学制度が充実していることをパンフレットで見ていた からです。私の姉は、かつてカナダに 1 年間留学して いました。留学することで今まで感じなかったものに 気づいたり、価値観の違いや物事の視点の違いを感じ ることができる、と言っていました。その時から、実 際に留学をして英語を学びたいという気持ちが芽生え ました。また、最新の医学論文等は英語で発表されて Sonoma State American Language Institute(SSALI )ディレクター の Helen Kallenbach先生やクラスメートと。筆者は後列右 おり、良医を目指すためにも英語力が必要だと思い、 に教えてくださいました。日本人にとって r と l の発 この語学研修を通して英語を学んで、数年後には海外 音は非常に難しいものですが、この授業を通してそ 医学研修に行けるようになりたいという気持ちで参加 の発音の違いを徐々に理解できるようになりました。 しました。 English through Sports の授業では、スポーツで使わ 研 修 参 加 者 全 員 が 受 講 す る 根 幹 授 業 の 内 容 は、 れる英単語を学びながら、実際にスポーツを行いまし ReadingとGrammarとCommunicationでした。Reading た。またこの授業で、初めて英語でのプレゼンテーシ の授業では、ただ単に英文を読むのではなく、他の生 ョンも行いました。 徒と話し合って筆者の気持ちを行間から読み取る練習 研修を終えて、自分自身の英語力の未熟さを痛感 を行いました。また自分の経験談を essay にして先生 させられました。受験英語で主に学んだ Reading と に提出する、という宿題もありました。Grammar の Writing はまだしも、実用英語で必要とされている 授業では英文を読み、その英文に含まれている重要文 Speaking と Listening の力が全く足りていませんで 法事項を取り出して学びました。この授業スタイルは した。この悔しさを胸に、これからも日々英語と向き 日本では行われていないので、最初の頃は驚きました。 合って、海外医学研修に参加できるくらいの英語力を しかし、先生の解説は非常にわかりやすく、以前か 身につけることができるように、精進していこうと思 ら文法が好きな私はさらに文法が好きになりました。 います。 Communication の授業は、すべての英語力を活かし ディレクターのヘレンさん、事務長のバーバラさん て様々なトピックに触れていく授業でした。建造物に をはじめとするソノマ大学語学学校の先生方、学生の ついてのトピックの時には、実際にポスターを作成し 皆さん、5 週間という短い期間でしたが、ありがとう て先生に説明しました。 ございました。僕のホームステイを受け入れてくださ 選択授業では American Culture と Pronunciation、 ったエスピノ夫妻には、本当にお世話になりました。 そ し て English through Sports を 選 択 し ま し た。 僕のことを実の息子のように思ってくださった上に、 American Culture の授業では、現在のアメリカの文 お忙しいにも関わらず、毎日おいしい昼御飯と晩御飯 化を英文によって理解したり、クラスメートと話し合 を作ってくださいました。帰国する時は本当に別れた って理解を深めていきました。Pronunciation の授業 くない気持ちでいっぱいになりました。この留学で関 では、Native の先生が発音における細かな点を丁寧 わった全ての方々に心から感謝しています。 【学事】 金沢医科大学報 38 学生のページ アメリカで過ごした夏 おかむら けんと 岡村 健斗(看護学部第 2 学年) 私は今回生まれて初めて海外に行かせていただきま した。大学 2 年生になって登校した最初の日に、この ソノマ大学留学プログラムの募集を見て、絶対行こう と決意しました。以前から是非大学生のうちに海外に 行きたいと思っていたので、本当に良いチャンスを得 ることができたと思います。私にとって海外は、テレ ビや写真でしか見たことのない未知の世界でした。5 週間もの間、日本の慣れ親しんだ環境から離れて生活 していくことに、出発前は大きな不安がありました。 その一方で、自分がまだ見たことのない世界の中へ飛 ホストファミリーと。中央が筆者 た。この変化は自分でも、本当に驚いています。 アメリカで学んだことは英語だけではありません。 び込んでいくことへの、計り知れないほどの心躍る期 食べ物は毎日肉ばかりで野菜はあまり出ず、さらに魚 待がありました。 類はアメリカで一度も食べませんでした。飲み物も炭 アメリカに到着して、ホストファミリーや大学の先 酸系が多く、非常に苦労しました。また、アメリカ人 生方、一緒に勉強していく世界中から集まったクラス にはとてもフレンドリーな人が多く、毎朝学校に登校 メイトのみなさんが、とても優しい人たちだったこと する時に、私たちを見かけた人たちが Good morning! にとても安心しました。しかし、アメリカでの生活が や Hello! とあいさつしてくれて、とてもうれしく思い 始まって最初の頃は、家でも授業中でも言葉が全く通 ました。道を横切ろうとしている時も、車が必ずゆず じなくてつらい思いをし、自分の部屋にこもりがちに ってくれました。アメリカ人は体が大きくて怖そうな なっていました。それでも、このままではいけないと 人が多いと思っていましたが、全くそんなことはあり 自分に言い聞かせ、必死に家族やクラスメイトと話し ません。日本よりも親切な人が多かったと感じます。 たり、授業中には積極的に発言したり、先生に質問し このような文化や人の違いも自分の肌で感じることが たりしました。平日は午前 9 時から午後 4 時まで授業 でき、とてもいい経験になったと思います。私は今よ があり、宿題も毎日、日本の大学よりもたくさん出ま りもっと英語が上手に話せるようになって、将来は海 した。まさに毎日英語漬けの日々です。こうしている 外で活躍できる看護師になりたいと思っています。今 うちに自然と英語が話せ聞けるようになり、ホストフ 回の海外留学で、自分の未来像をより具体的にイメー ァミリーとの会話がスムーズにできるようになりまし ジすることができるようになりました。これからも夢 に向かって、看護と英語の勉強を今以 上に一生懸命しようと思います。 今回のソノマ留学にあたって私の留 学を応援してくれた両親、出発までの 手続きに協力してくれた国際交流セン ターの方々、そしてアメリカで一緒に 過ごした日本人の仲間やホストファミ リー、ソノマ大学の先生方など、お世 話になった全ての方に心から感謝して います。こうして無事留学を終えるこ とができたのも、この方々のおかげで す。人生最高の思い出をありがとうご ざいました。 ソノマ大学前にて参加者全員で記念撮影。 左から加藤、阿部、市野、野﨑、武田、畑中、岡村、鈴木 第 152 号/2012.11 金沢医科大学報 39 学生のページ クラブ 活動 文化系クラブ 軽音楽部 きん りょうすけ 部 長 金 了資 (医学部第 3 学年) 金沢医科大学軽音楽部は現在部員 24 名(男子 15 けでなく、人としての協調性です。バンドは複数 名、女子 9 名)で活動している文化部です。部員の 人で行うという性質上、ひとりの力だけでは上手 多くが、入部するまで楽器や音楽の経験があまり くいきません。そのため自然に協調性が身に付き、 なく、大学入学を機に新しく何かを始めたくて入 これこそが軽音楽部の最大の特徴であると思いま 部した部員が多いようです。我々軽音楽部は部室 す。春に入部した 1 年生は、2 年生になる頃にはま をスタジオとして利用しているという特性上、季 るで別人であるかのように、人として成長してい 節に関係なく一年を通して楽しく活動でき、内灘 ます。 祭を中心に、金沢市近郊のライブハウスへ出演す この原稿を書いている現在は 9 月末ですが、今 る等の活動をしています。部員でバンドを組みラ 週末にはいよいよ軽音楽部にとって最大のイベン イブに出演する楽しみや達成感は、他の部活には トである内灘祭があります。1 年生にとっては初め ないものだと思います。また、軽音楽部は先輩後 ての内灘祭で、入部してから半年の成果を発表す 輩の仲が非常に良く、楽器経験がない部員でも先 る最高の機会であり、2 年生以上にとってもこれま 輩からの優しい指導のおかげで、みるみるうちに での成果を発表する良い機会です。今も内灘祭に 上達していき、その姿を見るのも非常に楽しみで 向けて、部員達は一生懸命練習していると思いま す。 す。内灘祭を通して、部員たちが人としてさらに 私自身、軽音楽部に入部して学んだことは数え きれない程あります。それは、楽器演奏の上達だ 内灘祭での集合写真 成長すると思っています。 【学事】 金沢医科大学報 40 学生のページ 放射線医学の渡邊直人教授による講演会「チェルノブ 第 41 回 内灘祭 テーマ イリから福島へ∼放射線被ばくについて∼」が開催さ ぼく "touch" はっぴー ふく あつし 内灘祭実行委員長 福 淳史 (医学部第 3 学年) れ、多くの方が貴重なお話に耳を傾けていました。 医療イベント以外では、各団体による模擬店やビ ンゴ大会などを開催しました。中でもアーティスト 「misono 」によるライブは、整理券待ちの行列ができ るなど学生だけでなく教職員、地域の方々が大勢来ら れ、大いに盛り上がりました。また「地球に愛を子ど 平 成 24 年 9 月 29 日( 土 )、30 もに愛を‐エコキャップ企画」や「東日本大震災復興 (日)の 2 日間にかけて第 41 回 支援フリーマーケット」など、各企画がそれぞれ明確 内灘祭が開催されました。今年 なテーマを掲げていたことも、今年の内灘祭の特徴で 度 の テ ー マ「 ぼ く "touch" は っ した。 ぴー」には、3 つの目標が含ま 今回の内灘祭は天候に恵まれず、特に 2 日目には台 れています。まず学生で築き上 風の影響により午後のステージでのイベントが中止に げる内灘祭ということを考え、 なってしまいましたが、何とか後夜祭だけでも開催し 学部の域を超えて、より深く学生全体でふれあって行 たいという思いから体育館に簡易ステージを設置し、 こうということ、次に学生だけでなく金沢医科大学に 関わる方々、さらには地域の方々とのふれあいを深め て行こうということ、そして開学 40 周年という節目 の年だからこそ、金沢医科大学の素晴らしさを内灘か ら石川県全体へ、そして全国へと発信していくことで、 新しい人々との出会いを増やしていきたいということ です。 今年の内灘祭では様々な医療イベントを開催しま した。まずは、昨年竣工したアナトミーセンターでの 医学展示です。解剖学教室、国際医療交流会、東洋 医学研究会の協力により、2 階の展示室では寄生虫標 本の展示、生薬の展示・健康茶の試飲が、3 階では実 習室の見学、骨標本の展示が行われ、2 日間で 200 人 以上の方が来場されました。さらに、毎年人気の無料 みなづき 健康診断「TOUR OF HEALTH 」や、水 月会(金沢医 科大学女医会)のご協力により討論会「結婚って…!! 」、 フリーマーケット 好評だった医学展示 賑わう模擬店 第 152 号/2012.11 金沢医科大学報 41 学生のページ 後夜祭を開催することができました。大雨に打たれな 方々のご協力をいただき、心よりお礼申し上げます。 がらも各々の仕事に徹してくれた実行委員、各団体の この内灘際を通して、医科大生の緊急時の対応力の高 方々には感謝の気持ちで一杯です。さまざまな困難が さや団結力を改めて確認でき、最高の仲間と最高の内 あった今回の内灘祭でしたが、開催に当りさまざまな 灘祭の運営に携われたことを誇りに思います。 さたけ あかね 佐竹 茜音(看護学部第 3 学年) することにより自らの技術を再確認し、先輩としての 責任や自覚を認識することができ、それぞれの学生に とって貴重な経験の場となっている。 内灘祭の企画として看護学 また、今年は簡易健康診断に加えて、新たな取り組 部学生の有志による TOUR OF みとして 3 年生が 2 年後期の授業で学んだフットマッ HEALTH(簡易健康診断)が開 サージを実施した。地域住民の方々に授業で学んだフ 催された。この企画は、看護学 ットマッサージを実施することにより、看護学部生が 部 1 期生がそれまでの内灘祭で 日頃学んでいる看護の技術の一端を知っていただく機 は医療系大学らしい企画がほ 会となった。お客様からは「気持ちよかった」 、 「学生 とんど実施されていないこと 皆が笑顔で気分がよかった」といった有難い感想を多 を知り、医療系大学らしい企画を実施したいとの思い くいただくことができ、フットマッサージによる効果 で始まったもので、今年で 4 回目となる。この企画で (血液循環の促進、リラックス、肌の保湿)も実感し は 3 つの大きな目的が掲げられている。1 つ目は、学 ていただいた。 生と地域住民の方々とのふれあいの場をつくり、金沢 悪天候のため例年よりも来客者数は少なかったもの 医科大学看護学部をより身近なものに感じてもらうこ の、いずれの企画も大変好評であり、また TOUR OF と、2 つ目は、近年言われている「生活習慣病」の様々 HEALTH の目的も達成できたものと考えている。学 な情報を提供するとともに、看護学生による簡易検査 生、地域住民共々相乗効果を得ることができる素晴ら で測定した数値を参考にして自身の健康への意識を高 しい企画であり、今後も後輩たちに引き継いでいって めてもらうこと、そして 3 つ目は、学生のコミュニケ もらいたいと願っている。今回この企画を運営、実施 ーション能力を養い今後の医療の現場へと活かすこと し、とても忙しい日々を過ごしたが、お客様からたく である。特に 3 つ目の目的は最も重要なものであり、 さんの有難い言葉をいただくことができ、今は達成感 学生が簡易健康診断に参加することで、学部全体の一 でいっぱいである。今後も地域住民の方々とのふれ合 体感が生まれ、さらに下級生は上級生の地域住民の いを通じ、地域社会への貢献と看護医療への理解を深 方々との関わり合いの様子を観察し、同級生同士では めていきたいと思う。 分かり得ないことを学び、一方上級生は下級生を指導 血圧測定 フットマッサージ 金沢医科大学報 【学事】 42 国際交流 International Exchange 中国・西安外事学院学生が来学 看護学部学生との文化交流 ともに学長表敬訪問と病院見学を行った。 病院見学の後に、西安外事学院の大学生に看護学部 生が企画した交流会に参加してもらい、看護学部棟の ラウンジでゲームをしながら日中の学生が積極的にコ ミュニケーションをとることで、楽しい時間を共有す 石川県日中文化交流促進会および西安外事学院主催 ることができた。 “あっち向いてホイ”のゲームの優勝 による、 「西安大学生石川文化交流会」が開催され、西 者は、西安外事学院の日本語学科の学生であった。交 安外事学院の大学生 6 名と教員 3 名が石川県を訪問し 流会の終わりには、看護学部生が中国語で“世界に一 た。その一環として、平成 24 年 7 月 25 日(水)に内灘 つだけの花”を披露した。すると、西安外事学院のみ 町へ来町の折、本学看護学部の学生 9 名が西安外事学 なさんから、 「私たちは日本語で“世界に一つだけの 院の学生との交流会を企画し、楽しい時間を過ごした。 花”が歌える」と言われ、参加者全員で大合唱して交 西安外事学院の方々は、午前中、内灘町役場を表敬 訪問し、中国庭園や歴史博物館を見学後、道の駅で看 護学部生と一緒に昼食をとった。午後は看護学部生と 流会を終えた。 学生たちは帰国後もフェイスブックを通じて、交流 を継続している。 (看護学部 櫻井志保美記) 参加者全員で記念撮影(看護学部 3 号棟ラウンジ) 《本学スタッフ新刊著書》 真田弘美、溝上祐子、市岡 滋、大浦紀彦 編集 ナースのための アドバンスド創傷ケア 紺家千津子 分担執筆 (Ⅰ創傷ケアの基本 1. 創傷のケア スキンケア:27- 34 頁) 照林社 B5 判、339 頁 定価(本体 6,600 円+税) 2012 年 9 月 10 日発行 ISBN978-4-7965-2275-5 本書は、褥瘡・下肢潰瘍を中心とした“創傷”ケ アを高度に実践するためのデブリードマンなど、特 定の医行為を含めた一連の技術を「アドバンスド創 傷ケア」と定義し、先進的な技術を網羅した実践的 テキストである。内容は、具体的な技術の記載にと どまらず、必要となる臨床薬理学・病態生理学等の 解説、ならびに創傷治癒理論も詳細に説明されてお り、創傷ケア領域における一歩進んだ画期的な 1 冊 と言える。 (看護学部成人看護学 紺家千津子記) 第 152 号/2012.11 金沢医科大学報 国際交流 43 International Exchange 第 25 回 JAPAN TENT 平成24年8月23 日(木)から8月29日(水)にかけて、 「第25回JAPAN TENT−世界留学生交流・いしかわ 2012−」が開催された。本学からは、ベトナム出身の大 学院1年生のTran Ngoc Nghiさん(健康増進予防医学) が参加し、全国から集まった約 300人の留学生とともに 石川県内の伝統文化を楽しんだ。 (国際交流センター) JAPAN TENT: A good opportunity to understand Japanese culture トラン ゴ ク ギ Tran Ngoc Nghi (大学院 1 年生、健康増進予防医学) The 25th Anniversary JAPAN TENT was held in Ishikawa Prefecture from August 23rd to 29th, at which 305 international university students studying in universities all over Japan participated. I was very lucky to have a chance to join JAPAN TENT, which is an important and exciting event. Now, I understood why JAPAN TENT has a long history for 25 years and many foreign students like to attend. I really enjoyed this event and got many good memories. The opening ceremony took place in Kanazawa Culture Hall. We had some activities such as famous Japanese traditional dance, songs, and speech of the representatives of JAPAN TENT Committee, host families and foreign students. However, the most impressive achievement was the speech of Japanese Prime Minister Noda on a screen to express the role and importance of this event and congratulation for all students. We are 金沢職人大学校での水引細工体験。左端が筆者 very touched by his speech, because the Prime Minister was interested in JAPAN TENT despite the pressure of governmental work. My first host family was the Nawashijos in Hakusan city. They were a couple, who were not young but strong and cheerful. They could not speak English well, and I also couldn't speak Japanese well. At the first time, communication was not easy for us. However, step by step, it became better, because I tried to use body language and Japanese words. The Nawashijo family gave me a very comfortable life and treated me as a real member of their family. They taught me how to make daily foods which are famous and traditional in Japan such as rice cake and Soba noodle. They also helped me to learn traditional Japanese culture, and I introduced Vietnamese culture. They were interested in Vietnamese history and traditional culture very much, and liked to learn from me. The second host family was the Tamura family in Kanazawa city, who could speak English and communicated well with me. All members of this host family were kind and warm-hearted. I had four friends from different countries in this family, consisting two Chinese, a South Korean, and an African. It was a really big international family with exciting activities and funny stories. We exchanged our own experiences of studying and living in each country and in Japan. We enjoyed friendly and warm lunch and dinner in the host family house and local restaurant with all members of host family. The host family also kindly took care of us to visit some famous old houses and traditional handicraft villages in Kanazawa city. During the whole week of JAPAN TENT, I was always impressed by Japanese culture, lifestyle and friendship of Ishikawa citizens. This event was very helpful for me to understand Japanese people and their life. From my heart, I really thank many people who gave me an important experience: JAPAN TENT Committee, Center for International Exchange and Public Health Department of my university, my host families, the Nawashijo family in Hakusan and the Tamura family near Kanazawa Port and volunteers of JAPAN TENT. たくさんの留学生たちと一緒に 金沢医科大学報 【学事/学術】 国際交流 44 International Exchange 留学生情報(2012.5 ∼ 2012.10) 1.留学生の往来 2012 年 5 月 2 日 6月 1日 6 月 21 日 7 月 22 日 8 月 21 日 9月 6日 9 月 18 日 10 月 10 日 ロシア・ヤロスラブリ地域がん病院内視鏡科医師である Alexey A. Dylenok 氏が、内視鏡科に おいて、短期研修員として 2ヵ月の研修を修了し、研修証明書を授与された。 タイ王国・チェンマイ大学の博士課程大学院生である Dhitiwass Suvagandha 氏が、公衆衛生 学において、短期研究員として 4ヵ月の研究を修了し、研究証明書を授与された。 ベトナム軍医大学 Pham The Tai 氏が、公衆衛生学において、短期研究員として 2ヵ月半の研究 を修了し、研究証明書を授与された。 華中科技大学同済医学院附属同済病院神経内科主任医師である康慧聰氏が、生理学Ⅰにおいて、 姉妹校プロジェクト研究員として 5ヵ月の研究を修了し、研究証明書を授与された。 中日友好病院疼痛科研修医である水源氏が、生理学Ⅰにおいて、日中笹川医学奨学金制度第 34 期研究者として 1 年間の研究を修了し、研究証明書を授与された。 上海市第一婦嬰保健院研究実習員である杜莉氏が、衛生学において、日中笹川医学奨学金制度 第 35 期研究者として研究を開始した。 ロシア・ヤロスラブリ地域がん病院内視鏡科医師である Denis V. Gusev 氏が、内視鏡科におい て、短期研修員として研修を開始した。 インド中央薬品研究所上級研究員である Swayam Prakash Srivastava 氏が、糖尿病・内分泌 内科学において、国費外国人留学生として研究を開始した。 2.留学生の紹介 <短期研究員> ドゥ リ 杜 莉 さん 中国・上海市第一婦嬰保健院研究実習 員(日中笹川医学奨学金制度第 35 期研究 者)/所属は衛生学 研究テーマは「日本における若年妊娠 と中絶の現状と対策−中国との比較から」 デニス グゼエフ Denis V. Gusev さん ロシア・ヤロスラブリ地域がん病院内 視鏡科医師/所属は内視鏡科 研修内容は「日本における消化器疾患 (特に早期消化器癌)の内視鏡診断・治療 内視鏡全般」 「日本の先進内視鏡施設での 内視鏡検査・治療の運営・管理について」 <国費外国人留学生> スワヤム プラカシュ スリヴァスタヴァ Swayam Prakash Srivastava さん インド中央薬品研究所上級研究員/所 属は糖尿病・内分泌内科学 研究テーマは「植物由来分子を用い た、抗糖尿病薬の開発とその機能解析」 Kaleidoscope Casual meetings are held in English one Friday every month from 17:30 to 18:30. Enjoy a cup of tea while reading and discussing short essays or articles on culture, society, literature, and science. 毎月 1 回、金曜日の 17:30 から 1 時間、本部棟 4 階英 語セミナー室で、参加者が交替で準備した簡単な英語 の読み物を、お茶を飲みながら気楽に話し合っていま す。どなたでも気軽にご参加ください。 第 34 回 2012 年 7 月 20 日(金) These past few months we have had some interesting discussions on topics relating to life management and personal development. 第 36 回 2012 年 9 月 28 日(金) 7 月∼ 9 月は右記の内容で行いました。 (一般教育機構 Craig Woods 記) 読み物: Time Management 担 当: N. Hasanova(総合医学研究所プロジェクト 研究センター) 第 35 回 2012 年 8 月 31 日(金) 読み物: 9 Tips for Happiness 担 当: N. T. A. Nguyen(大学院生) 読み物: Goal Setting 担 当: C. Woods(一般教育機構) 第 152 号/2012.11 金沢医科大学報 45 学 術 <予告> 第 13 回 KMU 研究推進セミナー 遺伝子解析システムと医療への応用 日時: 平成 24 年 11 月 30 日(金)午後 4 時 30 分 場所: 病院新館 12 階大会議室 臨床講演: カロリー制限により SIRT1-autophagy を介する腎保護効果 古家大祐 教授 糖尿病・内分泌内科学 特別講演: トランスクリプトーム解析から出てきた 新しい遺伝子発現制御の世界 林崎良英 先生 理化学研究所 オミックス基盤研究領域長 2006(平成 18 )年から始められた本セミナーは、 と思っています。 本学における研究の活性化をはかることを目的に また、本セミナー前半に行われる共同利用研究 活動している研究推進会議が中心となり企画して 機器についての機器紹介(技術セミナー)では、最 いるもので、同時に本学に新規導入された共同利 近導入され、多くの教職員、研究者に活用されて 用研究機器(総合医学研究所管理)の研究・診療へ いる遺伝子解析関連機器について、そのシステム の応用を目的とする技術セミナーを兼ねています。 の説明と実際の研究への活用について機器管理運 今回は「遺伝子解析システムと医療への応用」を 営委員会から解説が行われます。続いて、臨床講 テーマに、第一線で活躍されている世界トップク 演は古家大祐教授(糖尿病・内分泌内科学)による ラスの研究者による特別講演を企画しています。 「カロリー制限による SIRT1-autophagy を介する 特別講演には理化学研究所の林崎良英先生に「トラ 腎保護効果」についてお話ししていただく予定とな ンスクリプトーム解析から出てきた新しい遺伝子 っています。こちらは共同利用研究機器活用の具 発現制御の世界」と題して講演していただく予定で 体的、実戦的な話であり、これから関連する解析 す。大変興味深い研究結果、臨床に関わる内容が 機器を使ってみたいと考えられている方には有益 提示されると予想されるので、本学職員、大学院 ですので、多くの方々の参加を期待しています。 生そして学生の多くの方々が是非セミナーに参加 され、トップの研究の現場を覗いていただければ (研究推進会議副委員長 竹上 勉記) 【学術】 金沢医科大学報 46 金沢医科大学医学会 第38回総会、第48回学術集会 金沢医科大学医学会第 38 回総会並びに第 48 回学術 集 会 が、 平 成 24 年 7 月 21 日( 土 )午 後 1 時 30 分 か ら、 病院新館 12 階大会議室において、83 名の会員等が参 加し、開催された。 勝田省吾会長の挨拶の後、岩淵邦芳理事(庶務会計 担当)が、評議員会で決定された平成 23 年度の事業お よび決算、並びに平成 24 年度の役員、事業予定およ び予算について報告した。 特別講演:清川悦子教授 学術集会においては、清川悦子教授(病理学Ⅰ)の 次に、過去 1 年間(2011 年 1 月∼2011 年 12 月)に公 特別講演、平成 23 年度学長賞受賞講演および一般口 表された優れた英文論文に対する論文表彰が行われ、 演 13 題の計 15 題が発表された。発表ごとに活発な質 会長から下記の 13 名に賞状と副賞が授与された。 疑応答が行われた。 (医学会集会担当理事 三輪高喜記) ◇論文表彰 atrophy by leptin administration. Cellular Immunology. 273(1 ): 52-58, 2012. 北田宗弘 糖尿病・内分泌内科学講師 対象論文:Resveratrol improves oxidative stress and protects against diabetic nephropathy through normalization of Mn-SOD dysfunction in AMPK/SIRT1-independent pathway. Diabetes. 60(2 ): 634-643, 2011. 市堰 徹 整形外科学講師 対象論文:Osteonecrosis development in a novel rat model characterized by a single application of oxidative stress. Arthritis and Rheumatism. 63: 2138-2141, 2011. 池田崇之 生化学Ⅱ助教 対象論文:Hypoxia down-regulates sFlt-1( sVEGFR-1 ) expression in human microvascular endothelial cells by a mechanism involving mRNA alternative processing. Biochemical Journal. 436: 399-407, 2011 町田雄一郎 呼吸器外科学助教 対象論文:Relationship of aquaporin 1, 3, and 5 expression in lung cancer cells to cellular differentiation, invasive growth, and metastasis potential. Human Pathology. 42(5 ): 669-678, 2011. 姫田敏樹 微生物学講師 対象論文:The anti-apoptotic protein L* of Theiler's murine encephalomyelitis virus( TMEV ) contains a mitochondrial targeting signal. Virus Research. 155:381-388, 2011. 長田ひろみ 眼科学助教 対象論文:U l t r a v i o l e t B - i n d u c e d e x p r e s s i o n o f amphiregulin and growth differentiation factor 15 in human lens epithelial cells. Molecular Vision. 17: 159-169, 2011. 福井清数 整形外科学助教 対象論文:Wear comparison between a highly cross-linked polyethylene and conventional polyethylene against a zirconia femoral head: minimum 5-year follow-up. The Journal of Arthroplasty. 26: 45-49, 2011. 柴田奈央子 眼科学助教 対象論文:Solitary neurofibroma without neurofibromatosis in the superior tarsal plate simulating a chalazion. Graefe's Archive for Clinical and Experimental Ophthalmology. 250( 2 ): 309310, 2011. 守屋純二 総合内科学講師 対象論文:Resveratrol improves hippocampal atrophy in chronic fatigue mice by enhancing neurogenesis and inhibiting apoptosis of granular cells. Biological Pharmaceutica Bulletin. 34(3 ): 354359, 2011. Rahman Md Mosfequr 生殖周産期医学大学院生 対象論文:High prevalence of intermediate-risk human papillomavirus infection in uterine cervices of Kenyan women infected with human immunodeficiency virus. Journal of Medical Virology. 83(11 ): 1988-1996, 2011. 藤田義正 血液免疫内科学講師 対象論文:Prevention of fasting-mediated bone marrow 論文表彰式 金沢医科大学報 第 152 号/2012.11 金﨑啓造 糖尿病・内分泌内科学講師 47 渥美久登 金沢医科大学氷見市民病院内分泌・代謝科助教 対象論文:Biology of obesity: lesson from animal models of obesity. Journal of Biomedicine and Biotechnology. ArticleID197636, 2011 対象論文:Reversal of redox-dependent inhibition of diacylglycerol kinase by antioxidants in mesangial cells exposed to high glucose. Molecular Medicine Reports. 4: 923-927, 2011. 第 48 回学術集会プログラム 第2群 ◇特別講演 座長:三輪高喜教授 3 次元構造における情報伝達を FRET イメージ ングでみる 病理学Ⅰ教授 清川悦子 ◇平成 23 年度金沢医科大学学長賞受賞講演 座長:中川秀昭教授 Dioxin concentrations in breast milk of Vietnamese nursing mothers: a survey four decades after the herbicide spraying. 公衆衛生学短期研究員 Pham The Tai 6. 抗炎症作用を有する和漢薬による実験的自己免 疫性脳脊髄炎の治療の試み(H2011-12 ) 神経内科学教授 松井 真 7. 核骨格蛋白 CTCF による血管平滑筋エストロゲ ン受容体発現の調節:動脈硬化過程における 高齢医学助教 入谷 敦 変化(PR2012-4 ) 8. 重症心不全患者に対するテイラーメイド方式心臓 ネット開発(C2010-4)心臓血管外科学教授 秋田利明 9. 頭頸部癌の化学放射線療法における局所領域制 御予測因子としての MRI 拡散強調画像および PET/CT の検討(S2010-3 ) ◇一般口演 第1群 座長:松井 真教授 放射線医学特任教授 的場宗孝 座長:八田稔久教授 1. 母 - 胎 児 間 LIF-ACTH ネ ッ ト ワ ー ク に よ る 脳 と血球のシナジスティックな発生調節機構 解剖学Ⅰ教授 八田稔久 (C2009-3,2010-2 ) 2. ヒト赤芽球のエリスロポイエチンシグナルはメラ ノコルチンシステムにより調節される(S2011-9 ) 第3群 座長:加藤伸郎教授 10. Roles of Homer1a in learning in 3xTgAlzheimer's mice(H2010-14 ) 生理学Ⅰ短期研究員 Kang Huicong 11. Involvement of Homer1a in resilience to chronic mild stress in mice(H2010-14 ) 解剖学Ⅰ講師 島村英理子 生理学Ⅰ短期研究員 Shui Yuan 3. RNA 結合タンパク質 RBM8A は中心体へ局在 する(S2011-6 ) 総合医学研究所准教授 石垣靖人 12. 洞結節細胞ロバスト性への過分極活性化陽イオ ンチャネル電流の影響:モデル細胞の分岐構 造解析による検証(S2011-3 ) 4. 炎症の抑制因子 SLPI によるアレルギー疾患制 御機構の解明(S2011-12 )免疫学助教 松葉慎太郎 5. ヒ ト カ ル ジ オ ウ イ ル ス(Saffold ウ イ ル ス ) 医学部学生 清水 愛 Leader 蛋白の機能解析 生理学Ⅱ准教授 倉田康孝 13. DNA 二本鎖切断修復タンパク質 XRCC4 を介 したアポトーシス制御機構の解明(S2010-10 ) 生化学Ⅰ助教 橋本優実 八田稔久教授 島村英理子講師 石垣靖人講師 松葉慎太郎助教 秋田利明教授 的場宗孝教授 Kang Huicong 研究員 Shui Yuan 研究員 松井 真教授 入谷 敦助教 倉田康孝准教授 橋本優実助教 【学術】 金沢医科大学報 48 た。 先 生 に は 地 球 帰 還 ま 第 14 回 でのエピソードを交えて、 「はやぶさ」プロジェクト 日本褥瘡学会学術集会 の目的と意義についてお 話 し い た だ い た。 学 会 発 会 長: 形成外科学 川上重彦教授 会 期: 平成 24 年 9 月 1 日(土)、2 日(日) 会 場: パシフィコ横浜 表 で は、 本 学 病 院 褥 瘡 管 理 師 中 村 徳 子 看 護 師、 中 央手術部熊谷あゆみ看護 師 が「 手 術 室 内 の 褥 瘡 予 防」に関するワークショッ 第 14 回日本褥瘡学会学術集会を、平成 24 年 9 月 1 日(土)、2 日(日)の 2 日間、パシフィコ横浜において 会長挨拶を行う川上重彦教授 プ で の 発 表、 栄 養 部 山 本 開催した。金沢医科大学形成外科学教室が主管する 千勢管理栄養士が褥瘡予防 ため、本来ならば石川県において開催するところで のための栄養管理に関する発表など、金沢医科大学病 あったが、日本褥瘡学会が Hosting Society の一つと 院における褥瘡予防の取り組みを発表し好評を得た。 して開催する第 4 回国際創傷治癒学会連合会議学術集 学術集会 2 日間における参加者は過去最高の 6,000 人 会(WUWHS )が 9 月 2 日から 6 日までの 5 日間、パシ を超え、盛会のうちに学術集会を終えることができた。 フィコ横浜で開催されるため、褥瘡学会会員の便宜 引き続き同会場において、4 年に 1 度の WUWHS が を考慮し同会場での開催となった。学術集会までの 開催された。国内外より 3,000 人が参加し、約 1,000 題 準備においては、褥瘡学会評議員である本学看護学 の演題について活発な意見交換が交わされた。なお、 部紺家千津子教授、松井優子准教授の助力を得、また、 当教室氷見祐二助教、小室明人助教の演題が、発表者 学会当日の運営においても金沢医科大学病院看護部、 20 名に贈られる「優秀ポスター賞」に選出され、柳下 栄養部、金沢大学医学部臨床看護学講座など多くの 幹男大学院生の演題が、発表者 10 名に贈られる「若手 方々からご助力をいただいた。 研究者賞」に選出され、当教室にとっても有意義な国 特別講演には JAXA の川口順一郎先生をお招きし 際学会となった。 (形成外科学 川上重彦記) 平成 24 年度 北陸高度がんプロチーム養成基盤形成プラン 金沢医科大学主催事業 市民公開講座 いのちに感謝の医学落語: 笑いは最高のがん治療 日時:平成 24 年 10 月 21 日(日)午後 2 時 場所:ホテル日航金沢 落語でがんを語るという新しい発想で北陸がんプロ 市民公開講座が開催された。開会の挨拶を中川秀昭大 学院医学研究科長が行い、続いて臨床心理士・芸術療 樋口 強氏による落語講演 法士である北本福美講師(本学精神神経科学)が「身体 た。樋口氏は 43 歳時に小細胞肺癌に罹患したが、手 の声を取り戻す:腹式呼吸と音楽療法」と題して、実 術と化学療法を完遂して克服された。難治性である本 際に会場の参加者と一緒に音楽に合わせて体を動かし 疾患の診断後 5 年経過してから、患者仲間やその家族 て、腹式呼吸のコツを紹介した。 への恩返しとして「心に効く抗がん剤」を贈ろうとい 次に、 「いのちの落語家」と呼ばれる作家の樋口 強 う趣旨で自作の落語を始めた。輝いて生きる智恵とし 氏が前半の 45 分間で講演、後半 45 分間で落語をされ て、希望と勇気、今日のメインイベントを作る、素顔 第 152 号/2012.11 金沢医科大学報 49 の笑顔の写真を撮ってもらう、の 3 つを挙げられた。 「抗がん剤の共通的な副作用に、髪の毛が抜けるとい うのがあります。イヤなもんですねぇ。一度にズルッ と抜けますよ。男の私でもイヤですから、女性はもっ とつらいと思います。しかし、病院の方はあまり心配 をいたしません。なぜかというと、髪の毛はまた生え てきますからね。あっ、言っときますがね、また生 えてくるのは、治療前に髪の毛があった人だけです よ!」、 「フィクションですが、今後の医師免許は更新 制にして、その条件は、一診一笑(1 回の診察で必ず 1 回は笑わせる)にしましょう」など、豊かな表情と生 き生きとした動作を交えたユニークな落語で、会場は 暖かい空気に包まれた。 当日は予想をはるかに超える参加者があり、会場の 腹式呼吸について説明する北本福美講師 自分から笑いを発信することの重要性を痛感した講 演・落語であった。 後方に椅子を多数追加した。今後は受け身ではなく、 (集学的がん治療センター 元雄良治記) 受 賞 第 14 回日本褥瘡学会学術集会総会 第 38 回日本看護研究学会学術集会 平成 23 年度日本褥瘡学会大浦賞 平成23年度日本看護研究学会奨励賞 松井 優子 講師(看護学部基礎看護学) 山﨑 松美 助教(看護学部成人看護学) 平成 24 年 9 月 1、2 日に 平成24年7月7、8日に パシフィコ横浜で開催さ 沖縄コンベンションセン れ た 第 14 回 日 本 褥 瘡 学 ターで開催された第38回 会学術集会において、平 日本看護研究学会学術集 成 23 年 度 日 本 褥 瘡 学 会 会 に お い て、 平 成 23 年 大浦賞を受賞しました。 度日本看護研究学会奨 平 成 23 年 度 に 日 本 褥 瘡 励賞を受賞しました。過 学会誌や国内外ジャーナ 去 3 年間に日本看護研究 ル等に発表された褥瘡に 学会誌に掲載された論 関する論文の中から、私 文 の 中 か ら、 私 の「2 型 の“ Development of the 糖尿病患者が運動療法 DESIGN-R with an observational study: An absolute を継続する仕組み」日本看護研究学会雑誌 33(4 ); 41- evaluation tool for monitoring pressure ulcer wound 50, 2010 が選出されました。 healing ”Wound Repair and Regeneration, 19( 3 ): 309-15, 2011 が選出されました。 本論文は、教育入院中の 2 型糖尿病患者を、退院後 6ヵ月追跡し、計 4 回の面接データから、質的帰納的 本論文は、3,601 例の臨床データをもとに褥瘡状態 に「2 型糖尿病患者の運動療法の継続」を示したもので 評価スケール DESIGN の点数に重み付けを行い、予測 す。独自性と看護実践への示唆が高く評価されたこと 妥当性の高いスケールである DESIGN-R を開発した を、大変光栄に思います。本研究に協力くださいまし ものです。臨床に貢献する論文として高く評価された た患者様と、ご指導賜りました先生方に感謝申し上げ ことを大変光栄に思います。これまでご指導賜りまし ます。 た先生方に感謝申し上げます。(看護学部 松井優子記) (看護学部 山﨑松美記) 【学術】 金沢医科大学報 競争的研究資金等に係る 平成 24 年度 内部監査 50 作為抽出による書類監査)、9 月 21 日(金)、26 日(水) に特別監査(固定資産管理状況の確認、研究者から の聞き取り調査等)を実施した。昨年同様、監査人 は大田 修監事、大野木辰也経理管財部長および業務 近年、研究者による研究費の不正な使用が指摘され 監査課である。 るなど、国民の科学技術振興体制への信頼を揺るがす 監査の結果、クレジットカード使用の書類不備や年 事例が相次いでいる。研究費は個々の研究者に助成さ 度末予算執行等が散見されたが、補助金の執行は概ね れるが、その管理は研究者所属機関が実施することに 適正に行われているとの結論に至った。今後も学内ル なっている。また、科研費助成事業申請の必須条件と ール等に基づき、適正な取扱いをお願いしたい。また、 して学内での自主的な内部監査の実施と文部科学省・ 内部統制の一環として今後も内部監査を実施するので 日本学術振興会への結果報告が求められている。 関係者のご協力をお願いしたい。 これを受けて本学でも競争的研究資金等に係る内 (業務監査課 北 久直記) 部監査として、平成 24 年 9 月 6 日(木)に通常監査(無 科学研究費助成事業説明会 平成 24 年 7 月 27 日(金)午後 4 時から病院本館 4 階 C41 講義室で、独立行政法人日本学術振興会 学術シ ステム研究センター参与の宮嶌和男氏を講師として招 き、 「科研費制度の理解は、採択への近道!∼学術シ ステム研究センターの果たす役割∼」と題した科学研 究費助成事業に関する説明会が実施された。 宮嶌氏は、科研費制度の概要や改善内容、審査方法 宮嶌和男氏による講演 等について説明され、参加者は最後まで熱心に聞き入 っていた。また、申請書作成についてのポイント等に ついても説明があり、来年度の申請に向けて大変参考 なお、参加者は、教員 87 名、事務担当者 28 名の計 115 名であった。 (研究推進課 米倉由佳記) になった。 平成 25 年度 科学研究費助成事業公募要領等 説明会 最後に、岩淵邦芳教授(生化学Ⅰ)が「科研費申請書 の書き方」と題し、自身の経験談や実際の調書を例に して、計画調書作成のポイント、ノウハウ等について 説明した。また、質疑応答では、参加者から申請のポ イント等の質問があり、予定の時間を超過し意見交換 が行われるなど有意義な説明会になった。 標記説明会が平成 24 年 10 月 3 日(水)午後 4 時から 病院本館 4 階 C42 講義室で実施された。 はじめに、米倉由佳事務員(研究推進課)が、公募 要領等の変更点や注意事項等について、続いて畔原宏 明リサーチアドミニストレータ(研究推進センター) が審査の手引きについて説明した。 なお、参加者は、教員 68 名、事務担当者 47 名の計 115 名であった。 (研究推進課 米倉由佳記) 第 152 号/2012.11 金沢医科大学報 北國がん基金研究助成 授与される 51 SM などのスフィンゴ脂質が細胞遊走、浸潤を細胞膜 上のミクロドメインを介してどのような機構で制御す るか、細胞レベルとマウス動物モデルによって検討し、 血液免疫内科学 腫瘍細胞の浸潤(転移)を抑制する新規抗腫瘍薬とな 岡崎俊朗 特任教授 坂井和之 助教、中島章夫 助教 る可能性について明らかにしたい。 「スフィンゴ脂質による悪性腫瘍細胞の浸潤・ 転移抑制機構の解明」 【清川教授の研究概要】 蛍光タンパク質から成る FRET バイオセンサーを 発現するマウスを用いて、活性化が患者の予後を作用 すると報告のあるリン酸化酵素 ERK の胃癌における 病理学Ⅰ 役割を検討する。正常な腺管構造を形成する場合や、 清川悦子 教授 増殖因子添加や胃癌モデルマウスとの交配により癌 「FRET バイオセンサーマウスを用いた胃がん発 生の可視化」 化・浸潤する場合にどのようにリン酸化が制御されて いるのか、を生きたまま追跡観察することで胃癌の起 源となる細胞について理解することを目的とする。 総合医学研究所 田崎隆史 准教授 「ユビキチンリガーゼ UBR4 とヒトパピローマウイ ルス蛋白 E7 の相互作用による発がんメカニズム」 【田崎准教授の研究概要】 ヒトパピローマウイルス(HPV )蛋白 E7 は、被感 染細胞が子宮頸がんへと進行する過程において重要な 役割を担っている。E7 の細胞トランスフォーミング 活性には、宿主細胞タンパク質、UBR4 との相互作用 北國がん研究振興財団による、第 26 回北國がん基 が関与しており、その分子機構の解明は、結合阻害剤 金助成金贈呈式は 9 月 27 日(木) 、北國新聞交流ホー 開発のためにも極めて重要である。本課題では、生化 ルで行われ、がんの治療法や開発や発症の仕組みの解 学・分子生物学的手法および UBR4KO マウスを用い 明などに取り組む研究活動助成部門の 10 件と、啓発 て、UBR4-E7 相互作用を詳細に検討する。 活動助成部門の 2 件、特別表彰部門の 1 件に計 1,250 万 円が贈られた。 本学からは、研究活動助成部門で血液免疫内科学の 岡崎俊朗特任教授・坂井和之助教・中島章夫助教、病 理学Ⅰの清川悦子教授及び総合医学研究所の田崎隆史 准教授の 3 件が選ばれ、それぞれ 100 万円の助成金が 授与された。 当財団の助成事業は今年で 26 回目となり、本学の 受賞は今回で 42 件(研究者個人またはグループ)、総 計 4,200 万円となる。 【岡崎特任教授らの研究概要】 悪性腫瘍において、初発時に手術療法、放射線療法 や化学療法による寛解導入治療により、腫瘍の縮小や 消失が効率的に達成できるが、再発時に生じる多発性 の浸潤(転移)が、患者の予後改善にとって大きな障 害となっている。少量の抗がん剤による維持療法は骨 髄抑制や 2 次発癌などの有害事象のため、再発・浸潤 予防に対する手段として最善の治療法ではない。した がって、長期に使用可能で有害事象が少なく、これま での化学療法薬とは異なる腫瘍増殖・浸潤(転移)に 対する抑制機序を持つ新規維持療法の開発が望まれ る。 本研究では、悪性リンパ腫細胞を用いてセラミド、 (研究推進課 藤井 蛍記) 【学術】 金沢医科大学報 52 独立行政法人 日本学術振興会 ∼ようこそ大学の研究室へ∼ KAKENHI 金沢医科大学プログラム 2012 平成 24 年 7 月下旬∼8 月上旬にかけて、研究成果の社会還元・普及事業「ひらめき☆ときめきサイエンス∼よう こそ大学の研究室へ∼KAKENHI 」が独立行政法人日本学術振興会の支援のもと、実施された。 このプログラムは、日本学術振興会の新しい事業として平成 17 年度から開始され、本学での実施は、平成 20 年 度から 5 年連続となっている。科学研究費助成事業(KAKENHI )による研究成果をわかりやすく発信することを通 じて、小学生・中学生・高校生に大学が育てている学術と日常生活との関わりや学術の意味について理解を深めて もらうことを目的としている。 本学では、昨年度に引き続き、科学研究費助成事業に採択されたことがある研究者を対象に公募を行ったところ 3 件の応募があり、全てが選定された。 なお、本プログラムの実施内容は下記ホームページで公開されているので、興味のある方はご覧いただきたい。 URL:http://www.jsps.go.jp/hirameki/index.html (研究推進課 米倉由佳記) 開 催 日 参 加 者 H24.7.26(木) 小学 5・6 年生 (21 名) H24.7.31(火) 小学 5・6 年生 (28 名) H24.8.10(金) 小学 5・6 年生 (30 名) プログラムのテーマ 実施代表者 開催場所 島田ひろき講師 (医学部・解剖学Ⅰ) 基礎研究棟 5 階 解剖学Ⅰ研究室他 −透明人間できるかな− 八田稔久教授 (医学部・解剖学Ⅰ) 基礎研究棟 5 階 解剖学Ⅰ研究室他 人に病気をうつす虫(蚊)が どんな奴か観察してみよう 村上 学講師 (総合医学研究所・ 生命科学研究領域) 教養棟1階 B14 教室他 長寿のメニューってできるんけ? 2012 ∼食品の「活性酸素」消去能力を測定しよう∼ からだを透かして見てみよう ひらめき☆ときめきサイエンス 「長寿のメニューってできるんけ? 2012」 今年で3回目となるこのプログラムの目的は、参加 者に活性酸素といった目に見えないものをいかに計測 していくか、そのデータから科学的推論をいかに導く のか、といった研究の魅力や面白さを感じてもらうこ とである。また、安易に「活性酸素を消去する健康食品」 といった類いの宣伝句に惑わされないような科学的視 点を育んでもらうこともねらいのひとつである。 講義「活性酸素って何や?」の後、参加者21名を5班 に分け、それぞれの班に医学部学生有志がグループリ ーダーとして付いて実習を行った。各自が持ちよった 食品を人工胃液(ペプシン溶液)で処理して試料を作製 し、その活性酸素消去能力をキットを用いて測定した。 参加者は分注ピペットを初めて使用するにもかかわら ず、かなり精確に使いこなし、測定結果のばらつきも 少ないことには毎回驚かされる。空き時間には骨標本 や人体模型を使った解剖ミニ講義を行った。実習後、 結果をまとめて発表会を行った。各班工夫をこなした 発表があり、質問にも自分なりに考えて真剣に回答す る姿には感心した。各班の指導についた学生は、参加 者に対し常に丁寧に向き合っており、中にはプログラ ム終了後にもかかわらず、参加者の質問に根気よく答 える姿もみられ、本プログラムの中心的役割を担って くれた。 参加者の真剣に取り組む表情と目の輝きを見るにつ れ、本プログラムが地域貢献事業としてだけでなく、 われわれ主催者側にも「科学の楽しさ」を再認識させて くれるプログラムとなっていると感じた次第である。 (解剖学Ⅰ 島田ひろき記) 真剣に実験に取り組む参加者 第 152 号/2012.11 金沢医科大学報 53 ひらめき☆ときめきサイエンス 「からだを透かして見てみよう」 本プログラムには、県内各地から小学校5、6年生28 名(定員を8名オーバー)が参加した。また当日は、日 本学術振興会から研究員として、渡邊 剛先生(金沢大 学医学系教授)および清水 蘭氏(日本学術振興会総務部 総務課職員)の視察、訪問を受けた。 このプログラムの学習目標は、どんな小さな生物に も見事な骨や関節があり、それらが絶妙なバランスで 組み合わさっていることを自分の目で観察し理解する ことである。また、解剖することなく体の内部構造の 観察を可能にする、体を丸ごと透明化する実験を行う ことで、サイエンスの驚きと感動を味わってほしいと 考えた。 午前中は、生徒がメダカの透明標本づくりの実験に 取り組んだ。教室スタッフおよび本学学生スタッフの 丁寧な指導のもとに、参加者28名全員が無事、見事な 透明メダカをつくることに成功した。昼食、学内探検 ツアーの後、午後からは自分で作った透明メダカに加 えて、事前に研究室で準備しておいた金魚、ドジョウ、 エンゼルフィッシュ、ピラニア、カエル、その他いろ 顕微鏡をのぞく参加者 いろな骨染色標本をルーペと顕微鏡を駆使して観察し た。顕微鏡観察をとおして興味を持ったところや、発 見したことをスケッチし、詳しい所見を自分の言葉で 書き込んだりした。また解剖学の授業で実際に用いて いるヒトの骨格標本や内臓模型を手にとって観察し、 ヒトの体の成り立ちについても学んだ。白衣を着て顕 微鏡を真剣にのぞきこむ生徒の姿は、まさに小さな研 究者であった。 最後に、参加者一人ひとりに「未来博士号」が授与さ れ、実習は修了した。 (解剖学Ⅰ 八田稔久記) ひらめき☆ときめきサイエンス 「人に病気をうつす虫(蚊)がどんな奴 か観察してみよう」 小学5、6年生を対象としたひらめき☆ときめきサイ エンスを参加児童30名、保護者20名、スタッフ15名(医 学部1名、看護学部4名を含む)で開催した。 「感染症って?」 、 「ばい菌を運ぶ虫」 、 「病気にならな いようにするには」を学習した後に顕微鏡観察で身近な 蚊3種を分類し、自分で分類した蚊で樹脂封入標本を作 製した。 昆虫の特徴を電子顕微鏡で細部観察し、外骨格に生 えた毛(感覚毛) 、鍵爪や複眼を初めて細かく観察した 児童たちから「何でこんな風になってるの?」 「この毛 は何で生えてるの?」 「複眼ではどんなふうに見えてる の?」など様々な質問を受けた。観察することで、疑問 が生まれ、質問する。これらの行動は興味関心を示し てくれたからこそ起こる行動であり、参加児童に科学 の面白さを少しは伝えられたと思っている。 最後に昆虫から見た世界を体感してもらうために、 複眼メガネを装着し野外を歩き、植物や建物等がどの 飼育下での卵から成虫(蚊)までの成長の観察 ように見えるか、またUVフィルターを用いた写真撮 影を行い、単眼で可視領域の異なる人間との違いを体 験してもらった。 プログラム終了後には行動力、知的好奇心に溢れた 未来の科学者たちは未来博士号を授与され、博士とな って帰路についた。 (総合医学研究所 村上 学記) 【学術】 金沢医科大学報 産学官連携 54 DSANJ 疾患別商談会 (代謝・循環器疾患/感染症領域) 平成 24 年度 医療機器開発マッチングフォーラム 平成 24 年 7 月 26 日(木)、石川県地場産業振興セン ターにおいて財団法人石川県産業創出支援機構および 石川県が主催する医療機器開発マッチングフォーラム が開催された。ものづくり企業と医療現場とのマッチ ングを促進することを目的に、医療機器の開発に関心 のある企業、医療機器販売業者、医療機関、大学、行 政機関等を対象に開催され、本学からは下記の 6 件の 発表が行われた。発表後、具体的な医療機器の共同開 発に向けた取り組みへと進んでいる案件もあり、今後 の進展が期待される。 (研究推進センター・リサーチアドミニストレータ 畔原宏明記) 〈発表者〉 (発表順) 小島正美教授(看護学部医科学) 「外陰部洗浄用シャワー付き便座の改良」 薮越公司理学療法士(金沢医科大学病院リハビリテー ションセンター) 「振動刺激を利用した関節可動域改善への試み」 加藤伸郎教授(医学部生理学 I ) 「光照射利用うつ病治療法とその治療空間」 尾崎 守助教(総合医学研究所先端医療研究領域) 「染色体検査の現状と将来について∼クラウドシ ステムを利用した在宅での核型分析業務構想∼」 齋藤雅俊助教(医学部呼吸器内科学) 「睡眠時無呼吸症候群の新たな治療としての前頸 部持続吸引装置」 三輪高喜教授(医学部耳鼻咽喉科・頭頸部外科学) 「一般の診療所で施行可能な嗅覚検査機器」 創薬研究開発企業を対象に、創薬シーズを保有する 大学研究者とのマッチングを目的として、平成 24 年 8 月 28 日(火) 、大阪産業創造館において DSANJ 疾患 別商談会が開催された。DSANJ は創薬シーズ・基盤 技術アライアンスネットワーク(Drug Seeds Alliance Network Japan )の略称で、大阪商工会議所を中心 に非営利団体(NPO )として活動している。本学から は竹内正義教授(総合医学研究所糖化制御研究分野) が参加し、 「非アルコール性脂肪肝炎(Nonalcoholic steatohepatitis, NASH )の発症・進展における新規 ターゲットとしての toxic AGEs(TAGE )」と題して、 9 社の製薬企業と個別面談を行った。質疑応答を通し て各社の創薬動向など貴重な情報を得ることができ た。 (研究推進センター・産学連携コーディネータ 高田律子) BioJapan 2012 World Business Forum に参加 平 成 24 年 10 月 10 日( 水 )か ら 12 日( 金 )の 3 日 間、 バイオビジネスパートナリングを中心とする展示会 “BioJapan 2012 World Business Forum ” (出展・パ ートナリング参加企業数 541 社、来場者数 12,369 人) がパシフィコ横浜にて開催された。本学の参加ははじ めてで、産学連携部門専用のポスター展示会場にて、 本学の産学連携の窓口である「研究推進センター」お よび特許出願済みの技術シーズを紹介するポスターを 掲示した。特設パートナリング会場では製薬企業を中 心とする 10 社と面談を行い、本学における今後の産 学連携活動の推進に向け、貴重な情報を得ることがで きた。 (研究推進センター・リサーチアドミニストレータ 畔原宏明記) 〈今後の予定〉 研究成果発表およびマッチングを目的とする展示会 での出展を以下のとおり予定しています。発表・マッ チング等を希望される方は、研究推進センター(内線 7241 )までお問い合わせください。 また、DSANJ 疾患別商談会は来年度も開催される 見込みです。 本学の発表風景 BIO tech 2013 −第 12 回 国際バイオテクノロジー展/技術会議− 日時:平成 25 年 5 月 8 日(水)∼10 日(金) 場所:東京ビッグサイト(東京都江東区有明) 金沢医科大学報 第 152 号/ 2012.11 55 大学院医学研究セミナー 統合失調症の認知機能障害 超音波の更なる臨床応用への可能性 −医工連携を求めてー 講 師 講 師 日 時 場 所 担 当 住吉太幹先生(富山大学大学院医学薬学 研究部神経精神医学講座准教授) 平成 24 年 7 月 10 日(火)18:00∼19:30 病院本館 4 階 C41 講義室 精神神経科学 川﨑康弘教授 日 時 場 所 担 当 廣岡芳樹先生(名古屋大学附属病院光学 医療診療部准教授) 平成 24 年 7 月 11 日(水)18:00∼19:30 病院本館 4 階 C41 講義室 消化器機能治療学 有沢富康教授 【講師紹介】 【講師紹介】 1989 年 金 沢 大 学 医 学 部 医 学 科 卒 1986 年名古屋大学医学部卒業。同 業。1993 年 金 沢 大 学 大 学 院 医 学 研 年 半 田 市 民 病 院 研 修 医。1990 年 名 究 科 同 博 士 課 程 修 了。1993 年 米 国 古屋大学第 2 内科医員。1996 年愛知 ケースウエスタンリザーヴ大学医 県総合保健センター内科医師。2000 学 部 精 神 科 研 究 員。2000 年 米 国 ヴ 年名古屋大学付属病院光学診療部助 ァンダービルト大学医学部精神科 手。2003 年同講師。2009 年 9 月より 客 員 教 授。2007 年 富 山 大 学 大 学 院 現職。 医 学 薬 学 研 究 部 神 経 精 神 医 学 講 座 准 教 授。2012 年 World Psychiatric Association - Psychoneurobiology 【主な研究分野】 消化器病学、特に胆膵系の画像診断、治療。 【セミナーの内容】 Section, Co-chair。 消化器領域の臨床における画像診断の使用頻度・ 【主な研究分野】 生物学的精神医学、認知脳科学、神経精神薬理学、 神経精神生理学、精神病の早期診断・治療。 有用性の両方を考えた場合、超音波検査が最も重要な モダリティーの一つであることは事実である。超音波 検査を精密検査と位置付けた場合には、内視鏡的超音 【セミナーの内容】 統合失調症や感情障害患者では、学習記憶、ワーキ 波検査法が非常に有用である。一方、超音波診療の近 ングメモリー、遂行機能、注意、語流暢性などを測定 未来として挙げられるものは、正確な空間位置情報を する神経心理学的検査成績が低下する。近年、統合失 有する三次元画像、分子イメージング、電子走査式細 調症における認知機能の改善のための測定と治療研究 径超音波プローブなどの診断手技と治療への応用であ (MATRICS )コンセンサス認知機能評価バッテリー る。本セミナーでは、現時点での超音波画像診断の現 など国際標準レベルの認知機能評価法が米国で開発さ 状と近未来技術を実現させるための本邦における産学 れ、われわれはその邦訳版の作成に携わってきた。 官協力体制について概説していただいた。 一方、他人との関係を包括した地域社会における 【セミナーの成果】 患者の生活機能向上は、治療の最終ゴールといえる。 現在の消化器診療における超音波検査の現状と限 UCSD 日常生活技能簡易評価尺度(UPSA-B )や社会 界、そして課題についてまとめていただいた。そして、 機能尺度(SFS )など、その測度として注目されつつ 課題に関しては、現在取り組まれている科学技術交流 ある。以上のような多角的な評価を取り入れた治療研 財団医工連携医療機器高度化推進研究会の活動に関し 究の発展が、患者の予後向上のために、今後望まれる。 ても紹介していただいた。超音波というひとつのモダ リティーを通して今後の産学共同研究の在り方が示唆 【セミナーの成果】 統合失調症患者の認知機能障害に対して介入をおこ なうことは、疾病治癒を目指しながらも実現できない 現代医療の制約の中で、患者の生活の質の向上という 最も実質的な効果を追求する現代医療の動向のひとつ であることが強調されていた。 (精神神経科学 川﨑康弘記) される有意義なセミナーであった。 (消化器内科学 有沢富康記) 【学術】 金沢医科大学報 56 大学院医学研究セミナー WHOおよび国内のインフルエンザワク チン株選定プロセスと現行ワクチンが抱 える問題点、改良への将来展望およ びH5N1備蓄ワクチンの評価 臨床データ・観察データの統計 解析の基礎知識とスキル 講 師 日 時 場 所 担 当 日 時 場 所 担 当 小田切孝人先生(国立感染症研究所インフ ルエンザウイルス研究センター第一室長) 平成 24 年 7 月 13 日(金)18:00∼19:30 基礎研究棟 3 階 D31 講義室 生体感染防御学 大原義朗教授 講 師 角間辰之先生(久留米大学大学院医学研 究科バイオ統計センター所長教授) 平成 24 年 9 月 5 日(水)16:20∼17:50 基礎研究棟 2 階会議室 社会環境保健医学 山田裕一教授 【講師紹介】 角間先生は、1978 年金沢大学を卒 業後渡米し、さらに 1983 年セントラ 【講師紹介】 ルワシントン大学を卒業。1990 年エ 1976 年秋田大学卒業、1977 年東北 ール大学公衆衛生・保健学部医学統 大学細菌学教室研究員、1979 年ミシ 計科を卒業し医学統計学博士号を取 ガン大学留学、1985 年自治医科大学 得後コーネル大学医学部精神科医学 ウイルス学教室助手、1987 年同講師、 統計学講師、同大学老人精神病研究 1998 年金沢医科大学微生物学講座助 センター統計部部長を経て 2001 年に帰国し日本赤十 教授、2000 年国立感染研究所ウイル 字九州国際看護大学教授、2005 年に久留米大学バイ オ統計センター教授、2006 年より同センター所長に ス第 3 部インフルエンザウイルス室長、2009 年より同 就任され現在に至る。本学では 1993 年以来、数多く インフルエンザ研究センター第一室長。 の特別講義やセミナーをご担当いただいている。 【主な研究分野】 【主な研究分野】 インフルエンザウイルス分子疫学、ワクチン株選定 臨床試験におけるデータ解析とバイオ統計サポー と開発研究、薬剤耐性機構の研究。 ト、モデルの適合度評価、データマイニングと探索的 【セミナーの内容および成果】 データ解析。 本セミナーでは① WHO および国内のインフルエン 【セミナーの内容】 ザワクチン株の選定から製造、接種までのプロセス② 介入により原因となる要因を操作する臨床試験と一 来シーズン(2012/13 )向けワクチンの問題(A(H3N2 ) 般には操作できない観察研究からのデータ解析につい 型ワクチン、B 型ワクチン)③ヒトにおけるワクチン て、特に因果推論に焦点を当てた基本的知識の説明が の有効性の評価④高病原性 H5N1 鳥インフルエンザウ なされた。臨床試験では現実には不可能な比較試験で イルスで分かってきたことと H5N1 ワクチンの国家備 あっても、因果推論が実質的に可能となるには例数を 蓄戦略と有効性、という 4 点について話された。 十分にしてうまく無作為化割り付けを行うことが極め 近年明らかになったワクチン製造上の問題点は、流 て重要であること、観察データでは見かけ上の関連を もたらす交絡要因を如何に制御できるかが鍵となるこ 行株と抗原性がマッチしたワクチン株を選定しても、 とが指摘された。また、多数ある交絡要因を一つのプ そのワクチン株を卵で分離、馴化することによって ロペンシティースコアに代表させて行う解析、特殊な ウイルスの HA 糖蛋白(感染防御抗体を誘導する抗原) 共分散分析法、ある値を境にして直線関係に差が生ず に抗原性の変異が生じることである。この現象は A る(効果が変わる)場合の 2 群比較の解析、杓子定規な (H3N2 )と B 型ワクチン株の両者でみられる。また抗 査読者のクレームを実質的な妥当性を示すことで退け 原変異したワクチンで誘導されるヒト血清抗体は、流 た例などが紹介された。 行株を抑制する能力が低下することも証明された。こ 【セミナーの成果】 の問題の解決には、抗原変異が起こり難いとされる細 基本的な質問から日頃解析を多く手掛けている者な 胞培養ワクチンの開発と実用化を急ぐことである。 らではの質問が出された他、終了後には基礎的なとこ 参加者から臨床的、疫学的、基礎医学的な質問が多 ろは分かり易く高度な解析も非常に興味深かったなど くだされ、関心の高さがうかがわれる有意義なセミナ の声が聞かれ、大変有意義なセミナーであったと思わ ーであった。 (微生物学 村木 靖記) れる。 (看護学部 本多隆文記) 金沢医科大学報 第 152 号/ 2012.11 57 大学院医学研究セミナー 原発性免疫不全症 Experiments of Nature が教えてくれる乳児期の 免疫発達 講 師 日 時 場 所 担 当 谷内江昭宏先生(金沢大学医薬保健学域 医学類小児科学教授) 平成 24 年 9 月 13 日(木)18:00∼19:30 病院本館 4 階 C41 講義室 発生発達医学 犀川 太教授 【講師紹介】 1979 年 金 沢 大 学 医 学 部 を 卒 業。 1983 年 米 国 国 立 衛生研究所(NIH ) 客員研究員。1988 年金沢大学医学部 小児科助手。1994 年金沢大学医学部 小 児 科 講 師。1996 年 金 沢 大 学 医 学 部 小 児 科 助 教 授。1997 年 金 沢 大 学 医学部保健学科教授。2008 年金沢大学医薬保健研究 域医学系小児科教授。2009 年金沢大学学長補佐兼務。 2012 年金沢大学附属病院副病院長兼務。 【主な研究分野】 免疫の個体発生と原発性免疫不全症の病態解明。ア レルギー性炎症の臨床病態の解析。 【セミナーの内容】 前半では、基本的知識として、生体防衛機構として の自然免疫と獲得免疫の違い、免疫グロブリンの多様 性獲得機構と獲得した免疫の可塑性(メモリー細胞へ の記憶)、そして、乳児期における免疫能の驚異と神 秘さを分かりやすく解説された。後半では免疫機構の 障害によるさまざまな病態が解説され、病態の理解が 免疫機構の障害部位の推定に役立つ診断学的アプロー チが提示された。 【セミナーの成果】 原発性免疫不全は頻度の少ない疾患であるものの、 診断がなされれば適切な対応が可能である。一方、診 断がなされなければ致死的経過をたどる可能性があ り、その診断の重要性が示された。そのためには疾患 を疑うことの重要性とそのヒントを学ぶことができ、 基礎的にも臨床的にも有意義なセミナーであった。 (小児科学 犀川 太記) 病原性酵母カンジダ・アルビカンスの 株レベル識別 講 師 日 時 場 所 担 当 神戸俊夫先生(名古屋大学大学院医学系 研究科神経疾患・腫瘍分子医学研究セ ンター分子標的治療学講師) 平成 24 年 9 月 14 日(金)18:00∼19:30 病院本館 4 階 C41 講義室 環境皮膚科学 望月 隆教授 【講師紹介】 1975 年名古屋保健衛生大学衛生学 部卒業。同年名古屋大学医学部附属 医真菌研究施設 助手。1988 年学位 (医学博士)取得。1989-91 年モンタ ナ州立大学微生物教室へ留学。1992 年名古屋大学医学部講師。2003 年改 組を経て現職。 【主な研究分野】 真菌細胞の電顕的解析、カンジダ症の病態の解明な らびに診断法・分子疫学的手法の開発。 【セミナーの内容】 カ ン ジ ダ 症 の 診 断 に 有 用 な 方 法 と し て2型 topoisomerase 遺伝子の塩基配列から、カンジダ属 酵母 10 種、12 型の菌種同定系を開発した。この方法 は nested PCR を 種 特 異 的 プ ラ イ マ ー の mixture を 用いて行うもので、50 細胞以上あれば実施可能であ る。更に C. albicans の菌株の鑑別のために、各染色 体に存在する MRS 領域の RPS と呼ばれる繰り返し 配列に注目し、RPS を構成している内部反復配列の ALT(172bp )の数や配列に基づいたタイピング法に、 microsatellite の多型の情報を加えることで、高い精 度で C. albicans 株レベル識別が可能となった。これら により口腔内では同時に複数のクローンが定着してい る例が少なくないこと、非病変部に存在した複数のク ローンのうち一部のみが病変部で増殖すること、国内 外の施設での菌の多様性、一方施設内で特定のクロー ンが集積し、院内感染の可能性が示唆される事例があ ることが明らかになり、発症の予防や疫学研究への応 用が期待できる。なおこれらのマーカーの開発、事例 の解析は大学院生の働きによるところが大きい。 【セミナーの成果】 分子生物学的手法による真菌の分子同定法、分子疫 学的解析法についての理解が深まった。また随所で大 学院生の研究参加の重要性が強調されており、教員に とっても研究・教育意欲が刺激される優れた講義であ った。 (皮膚科学 望月 隆記) 【学術/病院】 金沢医科大学報 大学院医学研究セミナー 心停止後症候群における低体温療法 中の循環管理と神経学的予後評価 講 師 日 時 場 所 担 当 相引眞幸先生(愛媛大学大学院医学系研 究科医学専攻救急侵襲制御医学教授) 平成 24 年 9 月 28 日(金)18:00∼19:30 基礎研究棟 3 階 D31 講義室 生理機能制御学 芝本利重教授 【講師紹介】 1978 年に金沢医科大学を卒業、同 大麻酔科入局。1983 年香川医科大学 麻酔科助手、1989 年同講師、1994 年 米国サウスカロライナ大学に 1 年留 学。2001 年愛媛大学救急医学講師、 2002 年同助教授、2007 年同教授。 【主な研究分野】 救急医学、蘇生学、循環ショックについて臨床なら びに動物実験で病態生理を精力的に究明。2007 年より 国際蘇生連絡協議会の Post-cardiac Arrest Syndrome Statement の作成に携わり、その報告は Circulation 誌に掲載された。同分野の国内第一人者。 【セミナーの内容】 相引先生ははじめに、心停止後症候群の臨床につ いて、蘇生法の歴史や病態生理を解説された後、低体 温療法に関連する自律神経応答をご自身の動物実験成 績を交えて説明された。その測定機器の自動化により 省力化ならびに安定性が確保され、大きな進歩がみ られたこと、また、体表と体内からの冷却で交感神経 反応が異なることを示された。メインテーマである低 体温療法時の神経学的予後評価については、脳波と筋 電図からの信号を統合して得られる Bispectral Index (BIS) が極めて有用であり、その絶対値ではなく経時 変化を観察することが特に重要であることを自験例を もって示された。 【セミナーの成果】 心停止後症候群と低体温療法について基礎医学の面 からも解り易く解説していただき、参加した基礎、臨 床の先生に有益な情報となった。講演終了後にも金沢 医科大学病院で行われている低体温療法についての情 報交換がなされた。大学院生はもとより、救急蘇生に 関わる臨床家にも大変有意義なセミナーであったと考 える。 (生理学Ⅱ 芝本利重記) 58 第 152 号/2012.11 金沢医科大学報 59 病 院 「これからの医療に求めるもの」と題してチーム医療 金沢医科大学病院 第 33 回 連携の必要性について講演を行った。 連携病院会議 次に、本学病院総合診療センター長に就任した小林 淳二教授の紹介と、先生による「金沢市におけるメタ ボリックシンドロームの動向」と題した金沢市におけ 日時: 平成 24 年 8 月 3 日(金)午後 5 時 30 分 る検診結果および指導での効果について講演が行われ 場所: ホテル日航金沢 た。 第 2 部の懇談会では、梅原久範副院長が司会を務め 連 携 病 院 会 議 は、 北 陸 3 県の病院と連携し地 が「レーザーによる下肢静脈瘤血管内治療」、的場宗 域医療の向上と充実(貢 孝教授(放射線科)が「IMRT を用いた治療」、金沢医 献)を図ることを目的に 科大学氷見市民病院からは髙島茂樹病院長が新病院の 毎年開催されている。当 現況について報告した。 日 は、68 病 院 か ら 69 名 の病院長、事務長等が出 特別講演:西村元一先生 た。本学病院の現況として、小畑貴司講師(血管外科) また、浅ノ川総合病院の大西寛明病院長よりてんか ん専門医の育成の必要性について報告がなされた。 席され、本学からは病院 最後に、今年度就任した新任の川平洋一特任教授 長をはじめ副院長、各診 (心臓血管外科学)および福田昭宏臨床教授(金沢医科 療科長・医局長、また招 大学氷見市民病院循環器内科)を紹介し、懇談会を終 待者として勝田省吾学長 了した。 のほか 89 名が参加した。 その後の懇親会では、勝田学長が開会の挨拶を行い、 会議は総合司会の奈良崎友子課長(地域医療連携事 石川県済生会金沢病院の若林時夫病院長のご発声で乾 務課)の開会宣言により開始された。最初に本学役員 杯が行われた。和やかな雰囲気の中で参加者同士の意 および病院長の紹介があり、川上重彦病院長の挨拶が 見交換が行われ、小坂健夫副院長の挨拶で閉会した。 (地域医療連携事務課 神島文代記) 行われた。 第 1 部の特別講演では川上病院長が座長を務め、石 川県医師会理事で金沢赤十字病院の西村元一副院長が 平成 24 年度 医療監視 平成 24 年 8 月 21 日(火)午前 10 時から午後 4 時 40 分 にかけて、医療法第 25 条第 3 項の規定に基づく厚生労 働省東海北陸厚生局による立入検査(厚生労働大臣が 特定機能病院に対して行う立入検査)と、石川県石川 中央保健福祉センター(石川中央保健所)、石川県健康 福祉部医療対策課による医療法第 25 条第 1 項の規定に 基づく医療監視(石川県知事が病院に対して行う立入 検査)がそれぞれ行われた。 東海北陸厚生局による立入検査は、医療指導監視監 査官 4 名により、事前提出資料に基づき特定機能病院 における医療安全の管理状況、院内感染対策、医薬品 管理状況、医療機器管理状況を中心に関係者へのヒア リング、書類確認および実地検査が行われた。 また、保健所長・保健所係官・石川県係官計 14 名 による医療監視では、事前提出資料に基づき、管理運 営に関する諸記録および診療記録(電子カルテ)、医 療従事者の充足状況、医療安全の確保、院内感染対策、 防災・防火対策、職員の健康管理、栄養管理、衛生管 理、給食施設、感染性廃棄物、入浴施設、診療用放射 線管理、喫煙対策などについて、関係者へのヒアリン グ、書類確認および実地検査が行われた。 午後4時30分から、東海北陸厚生局の鈴木正弘医療指 導監視監査官および石川県石川中央保健所の伊川あけみ 所長から、検査結果についての講評が行われた。一部指 摘事項があったものの、昨年度からの指摘事項について の改善も含めて、全般的に概ね適正に管理されており、 今後も地域の患者のために尽力いただきたいと述べられ た。なお、今回の検査結果については、後日、正式に文 書で通知される。 (病院管理課 西島大輔記) 【病院】 金沢医科大学報 60 (思い込みや失念)、∼くさいこと(コミュニケーショ 平成 24 年度 医療安全教育講演会 ヒューマンファクターの基礎知識 −医療安全のために− ン能力)に 3 分類し、それぞれに関する対応の具体的 な例を挙げて、分り易く講演された。 更に小松原先生は、事故防止の現場力として、 「に くい、くさい、やすいものを探して排除する」、 「間違 い防止のチェックリストを有効に活用する」 、 「気づい 講師: 小松原明哲先生(早稲田大学理工学術院 創造 たことや不審に思ったことは声に出す」ことなどに前 理工学部経営システム工学科教授) 向きに取り組んでいる組織が、安全文化の高い組織で 日時: 平成 24 年 9 月 7 日(金)午後 5 時 30 分 あると位置づけ、組織の安全文化を高めて社会からの 場所: 病院本館 4 階 C41、C42 講義室 信頼を得ることが重要であると説明された。 講演は小松原先生の「見えないゴリラ」の映像を使 本年度第 1 回目の「安全管理 った学生講義のようなユーモアのある説明に、笑い声 体制確保のための職員研修会」 が起きるなどなごやかな雰囲気の中で進められ、予定 が、本学病院の医師、研修医、 どおり 1 時間で終了した。医療関係者による医療安全 看護師、医療技術職員、事務 講演とは違う観点からのエラー防止講演であった。 職 員、 委 託 業 者 職 員 等 計 840 この研修会は、毎年、病院に勤務する全職員を対象 名の参加を得て開催された。 に開催されるもので、業務の都合などで今回、参加で 今回の医療安全教育講演会 きなかった職員を対象として、今後、2 回のビデオ上 では、 「人はなぜヒューマンエ 映会の開催及び VOD・ビデオ貸出しなどにより全職 ラーを起こすのか?」との命 題の下、エラーを起こす素因 員が講演会を聴講することになっている。 小松原明哲先生 (医療安全課 堂前正秀記) をスレットと位置づけ、スレットがある時の言葉、∼ しにくいもの(身体的特性や限界)、∼しやすいもの 石川県腎友会 「 第 13 回 命のキャラバン 」 運動 への協力 平成 24 年 9 月 4 日(火) 、石川県腎友会、石川県臓器 移植推進財団、石川県健康福祉部並びに石川中央保健 福祉センターで構成される命のキャラバン隊が 「 第 13 回命のキャラバン」運動の協力依頼のため本学病院を 訪問した。病院本館 4 階会議室で懇談会が行われ、本 二木石川県腎友会会長から森本副委員長へ協力依頼文が渡された 学病院からは森本茂人副院長他 7 名が出席した。 はじめに、二木敏治石川県腎友会会長から森本副院 また、鈴木孝治石川県臓器移植推進財団理事長から、 長に移植待機者への助力が要請され、石川県知事の協 改正臓器移植法施行後は、脳死下を含めた臓器提供数 力依頼文が手渡された。 にあまり変化がないため、さらなる医療者の移植医療 引き続き、二木会長から、平成 22 年 7 月に改正臓器 への理解と臓器移植推進が呼びかけられた。 移植法が施行されたことにより、移植待機者の期待が 最後に、森本副院長から本学病院の臓器移植の現状 高まっているとのお話しがあり、今後もさらなる臓器 や今年度の臓器移植委員会の活動等の報告があり、今 移植啓発のための支援の要請があった。また、キャラ 後も臓器移植委員会並びに院内移植コーディネーター バン隊の方から、1 日も早くより多くの移植待機者に を中心に病院一丸となり、臓器移植の推進に努力する 移植がなされることを期待するとして、本学病院にお とともに、命のキャラバン隊運動のさらなる発展を祈 ける臓器移植推進の協力依頼があった。 念すると述べて閉会した。 (病院管理課 尾蔵鮎美記) 第 152 号/2012.11 金沢医科大学報 61 が「話す」ことの重要性を 第19回 緩和ケアオープンカンファレンス 強調された。 「話す」とい 第 54 回 がん診療連携拠点病院研修会 うことは自分の頭の中に ある「ことば」を整理統合 人はなぜ悩む、楽になるとは する作業であり、人は「話 −バカボンパパに学ぶ臨床人間学− す」ことで自分の考えを まとめることが可能とな 講師: 佐藤泰子先生(京都大学医学部総合人間学部非 る。不治の病と診断され 常勤講師) た患者さんが、その事実 日時: 平成 24 年 8 月 29 日(水)午後 6 時 場所: 病院新館 12 階特別会議室 今回は「患者サロン」をテーマに研修会を開催した。 を自分自身の中へ受容す るためには紆余曲折を要 佐藤泰子先生 する。それを可能にする のは、医療者の「なぐさめ」ではなく、患者さん本人 まず、本学病院栄養部の木村律子管理栄養士に、本学 が話すことで自身の考えをまとめ、変化していくこと 病院でがん患者さんを対象とする患者サロンが設立さ でしかない。そして、患者さんが「わかってもらえた」 れるまでの経過と、その目的や課題について話をして と感じる最適の聴き相手は、多忙な医療者よりも、同 もらった。 じような境遇を持つ他のがん患者さんなのであり、こ 次いで、京都大学医学部総合人間学部非常勤講師の れが患者サロンの最大の目的であることを力説され 佐藤泰子先生による、 「人はなぜ悩む、楽になるとは た。佐藤先生は講演中、 「大阪のおばちゃん」感を前面 −バカボンパパに学ぶ臨床人間学−」という講演会が に打ち出し、この難しいテーマを 1 時間半にわたって 開催された。佐藤先生は、がんと診断された患者さん 一気にお話しになり、聴衆者一同を圧倒し続けた。 の心の葛藤を形而上学的に解き明かし、がん患者さん (麻酔科学 土田英昭記) 理解しやすく工夫した事例 第55回 がん診療連携拠点病院研修会 や、薬剤や処置について具 体例を挙げて説明され、口 頭頸部進行癌に対する放射線化学療法と 支持療法 −新潟がんセンターの場合− 腔ケアについては日本歯科 大学口腔ケアセンターとの 連携事業を紹介された。栄 講師:佐藤雄一郎先生(新潟県立がんセンター新潟病 養管理は、従来頭頸部癌患 院頭頸部外科部長) 者は摂食不良を生じやすく 日時:平成 24 年 9 月 7 日(金)午後 5 時 30 分 場所:病院新館 12 階特別会議室 治療による負担も加わるた 佐藤雄一郎先生 め十分な栄養量が必要だ が、安易な経鼻胃管は感染 講師の佐藤雄一郎先生は頭頸部癌治療を中心に活躍 や誤嚥につながるため、経管栄養ルートには PEG(経 され、頭頸部癌治療後の支持療法も専門にされている。 皮的内視鏡下胃瘻造設)が良い適応であることを示さ 今回の講演では頭頸部癌の化学放射線療法で生じる合 れた。化学療法は使用薬剤の種類と特性を踏まえ、消 併症と対処法を中心に説明された。 化器症状、腎障害、感染、間質性肺炎を説明され、頭 まず発症時期から急性期と晩発期にわけ、合併症の 頻度と重症度を説明された。疼痛に対しては評価スケ 頸部癌要因のアルコール多飲歴をはじめ、高齢、長期 入院への精神ケアの必要性も強調された。 ールを用い、WHO 疼痛管理法に基づいた対応、特に 最後に化学放射線療法は機能を温存できる有効な治 オピオイドの種類、剤形や作用時間、副作用を理解し 療法だが的確な支持療法が必要で、これらの医療には た上でオピオイドローテーションの必要性について示 頭頸部外科医師のみならず合併症に対する正しい知識 された。皮膚、粘膜障害には看護師などのコメディカ とそれに基づいたチーム医療の必要性を説明された。 ルとの情報の共有化が重要で、評価基準を写真などで (耳鼻咽喉科・頭頸部外科学 下出祐造記) 【病院】 金沢医科大学報 62 のがん患者のために」と題し 第9回 能登地区がん診療連携協議会 たご講演であった。 「ユイマ 第 56 回 がん診療連携拠点病院研修会 ール」とはユイ(結い、協働) +マール(順番)の意で、順 ユイマールでつなぐ沖縄のがん対策 番に労力交換を行う相互扶 −すべてはウチナーのがん患者のために− 助と訳される。沖縄県では 琉球大学が都道府県拠点病 講師: 増田昌人先生(琉球大学医学部附属病院がんセ 院 で、 北 部・ 中 部・ 南 部・ ンター長・診療教授) 日時:平成 24 年 9 月 29 日(土) 午後 3 時 場所:公立能登総合病院 3 階会議室 宮古・八重山の 5 つの医療圏 増田昌人先生 のうち、中部(県立中部病院) と南部(那覇市立病院)以外 には地域拠点病院がなく、その他の地域の基幹病院は 第 9 回となる能登地区がん診療連携協議会が開催さ 「支援」病院となっている。 「うちな∼がんネットがん れた。宝達志水町国民健康保険志雄病院におけるがん じゅう(沖縄県がん診療連携協議会公式サイト)」、 「お 医療への取り組みと今後の地域連携について菅谷純一 きなわがんサポートハンドブック」、 「ゆんたく会(患 同副院長から紹介された。6 月 20 日の石川県がん診療 者サロン)」、院内キャンサーボードなどの多くの取り 連携協議会について集学的がん治療センターの元雄良 組みが紹介された。がん医療に関する一般向け講演者 治教授が報告した。看護部の我妻孝則がん看護専門 リスト(人材バンク)は、医療関係者以外が企画した 看護師が「看護師教育プログラム(ELNEC-J )」につ 講演会などで講師検索のツールとなる。沖縄県内の中 いて説明し、11 月 10 日∼11 日に開催される北陸初の 学生・高校生を対象にがん検診啓発ポスターコンテス ELNEC-J の会が予告された。10 月 21 日に開催される トを実施し、企業の協力を得て牛乳パックにがん検診 市民公開講座「いのちに感謝の医学落語 笑いは最高 啓発活動の無料広告を掲載し、その絵柄は前述のポス のがん治療」について元雄教授から案内があった。い ターコンテスト受賞者のポスターにしている。がん情 こいの村能登半島(志賀町)で 6 月 2 日∼3 日に開催さ 報を正しく伝えるために、報道関係者を対象に「メデ れた、本学病院主催・2 つの協力病院(恵寿総合病院・ ィアセミナー」が定期的に開催されている。がん対策 公立能登総合病院)共催の、石川県がん診療に携わる に関するタウンミーティングや、沖縄県がん対策推進 医師に対する緩和ケア研修会について、麻酔科・緩和 基本条例の立案、院外出張患者サロン(ピアサポート) ケアチームの小川真生講師が報告した。 に関する市民公開講座・ピアサポーター養成講座など 続いて、午後 4 時から 5 時 15 分まで第 56 回がん診 も紹介され、地域に密着し、地元の種々の職種の人達 療連携拠点病院研修会が行われた。講師は琉球大学医 に楽しく溶け込み、次々に目標を達成されている増田 学部附属病院がんセンター長の増田昌人先生で、 「ユ 先生のお人柄とリーダーシップに参加者一同感銘を受 イマールでつなぐ沖縄のがん対策:すべてはウチナー けた。 第57回 がん診療連携拠点病院研修会 がん免疫細胞療法の最前線 (集学的がん治療センター 元雄良治記) の 2 年間の内科研修を修了。その後 2005 年から武蔵野 赤十字病院消化器肝臓内科で研鑽を積まれ、2008 年 から米国ミネソタ州メイヨークリニックに消化器肝臓 内科の臨床フェローとして 2 年半過ごされた。そして 帰国後 2011 年 9 月に現職に就任された。 講師: 梅田尚季先生(金沢先進医学センター免疫細胞 治療部門長) 講演では、がん免疫細胞療法の中心となっている樹 状細胞(dendritic cell: DC )療法について、その基礎 日時: 平成 24 年 10 月 30 日(火)午後 5 時 30 分 からわかりやすく解説され、これまでの治療成績を臨 場所: 病院新館 12 階特別会議室 場感溢れる画像とともに呈示された。2011 年にノー ベル医学・生理学賞を受賞した DC の発見者であるラ 金沢先進医学センターの梅田尚季先生は 2003 年に ルフ・スタインマン博士自身が膵癌患者で、DC 療法 東京医科歯科大学医学部医学科を卒業され、同大学で によって 4 年間生存し、受賞直前で永眠した逸話も挙 金沢医科大学報 第 152 号/2012.11 63 げ、DC 療法の意 ダーメード治療”であることを強調された。さらに術 義を述べられた。 前・術後の補助療法としても DC 療法を応用できる可 また、この DC 療 能性や、低線量放射線療法、あるいは低用量化学療法 法に必要な腫瘍 でがん細胞表面にがん抗原が表出してきたタイミング 組織をホルマリ を狙って免疫細胞を投与するアイデアなど、ますます ン固定せずに凍 期待が高まる内容も含まれた。 結保存する「自己 本研修会は、近年患者・家族から要望の多いがん免 がん組織バンク」 疫細胞療法に関して、その治療に日々携わる医師から システムも紹介 直接お話を拝聴できる絶好の機会であった。ややもす さ れ、 手 術 で 採 れば難しく感じる免疫治療について、梅田先生は例え 取した自己の腫 梅田尚季先生 話を有効に使いながら分かり易く語られ、身体に優し 瘍組織をすり潰 く、かつ有効な治療を提供したいという熱意が溢れる して組織ライセートにし、自己の DC に記憶させるこ 感銘深い講演であった。 とにより「スナイパー(狙撃手)」のようにがん細胞を (集学的がん治療センター 元雄良治記) 狙い撃ちできることが理論上可能であり、実際に著 効した膵癌・腎細胞癌の例を挙げるなど“究極のオー 算 」 の算定等はハードルが高い内容となっている。ま 平成 24 年度 た、DPC/PDPS(診断群分類包括評価 / 一日あたり定 診療報酬改定の本学病院への 影響と対策に関する職員研修会 額支払い方式)対象病院を機能に応じてI群 :「 大学病 院本院」 、Ⅱ群 :「 大学病院に準ずるような高診療密度 病院」、Ⅲ群 :「 その他の急性期病院 」 に分類し、大学 病院本院は、入院診療費算定に対する DPC 医療機関 講師:谷津正明氏(田辺三菱製薬株式会社 営業戦略部 主席) 別係数の大部分を占める基礎係数が高く設定された。 次回以降の診療報酬改定にて重要度が増す DPC 機能 日時:平成 24 年 9 月 18 日(火)午後 4 時 評価係数Ⅱ(複雑性指数、カバー率指数、地域医療係 場所:病院本館 C41 講義室 数)も 3 群に分類され、Ⅰ群は他の病院群に比べ 、 難 易度の高い評価となっている。 平成 24 年度診療報酬改定 DPC 機能評価係数Ⅱにおける複雑性指数(患者構成 の本学病院への影響と対策 比)、効率性指数(平均在院日数)について石川県医療 に関する職員研修会が、本 機関および全国大学病院との比較、石川県地域医療指 学役員、医師、看護師、医 数における本院の位置、県内医療機関の平均在院日数、 療技術者、事務職等 124 名 私立医科大学の平均在院日数と本院と比較して説明さ の参加のもと開催された。 れた。また、DPC 病名毎の全国順位における本院の 谷津氏は、本年 4 月に施行 位置づけについても報告された。 された平成 24 年度診療報酬 最後に、今後の急速な人口の減少に備え、本院は大 改定を検証し、製薬会社か 学病院として地域医療、研究、教育の拠点となる役割 ら見た大学病院が取り得る 中長期的な対応を例示し、 谷津正明氏 講演された。 今回の改定の目玉には他施設との連携が必要となる 「 感染防止対策加算 」、手技や費用に見合った 「 手術点 数の引き上げ 」 等があり、急性期病院にとっては看護 補助員の増員に対する 「 急性期看護補助体制加算 」 や 病棟に専任の薬剤師を配置する 「 病棟薬剤業務実施加 を担いつつ、本院の機能に応じた医療の提供が課題と なってくる旨の説明がなされた。 (病院管理課 浜本啓行記) 【病院】 金沢医科大学報 64 研修医の頁 第 10 回 臨床研修指導医養成のための ワークショップ を重ねた。今回は特に新臨床研修制度で初期研修を行 った若手医師の参加により、議論は熱く、作業はスム ーズに、メリハリのきいた緊張感のあるワークショッ プであった。研修医に必要な基本的臨床能力のセッシ ョンでは、チーム医療とともに医師個人の確立した自 川尻宏昭先生による講演 第 10 回 臨 床 研 修 指 導 我に言及したグループがあったことが印象的だった。 医養成のためのワークシ ランチョンセミナーでは、厚生労働省東海北陸厚生 ョップが平成 24 年 9 月 29 局川尻宏昭臨床研修審査専門官から「(新)医師臨床研 日( 土 )、30 日( 日 )の 両 修制度について」と題して、現在の研修制度制定の背 日、院内各診療科、金沢 景、システムや運用上の注意事項、また今後の改訂へ 医科大学氷見市民病院並 の取り組みなどについて、わかりやすい解説があり、 びに県内外の臨床研修協 たいへん理解が深まった。 力施設で研修医の指導に このワークショップにより新たに 29 人が指導医と 携わる多数の医師の参加 して認定された。今回認定された方々には、これまで のもと、羽咋郡志賀町の 本院で認定された 243 名の指導医とともに、連携のと 「いこいの村能登半島」に れた丁寧な研修医指導を行っていただけるものと期待 おいて開催された。参加者は研修医に必要とされる基 している。 本的臨床能力の解析から研修カリキュラムの作成や指 導医のあり方などについて述べ、16 時間に及ぶ討議 グループ討議 基本的臨床能力のセッション リラクセーション(息抜きのストレッチ) 修了式 (臨床研修センター 望月 隆記) 第 152 号/ 2012.11 金沢医科大学報 65 研修医の頁 臨床研修医募集に係る 5 年生対象 診療科合同説明会及び交流会 平成 24 年 10 月 12 日(金)午後 6 時から病院新館 12 階 大会議室および特別会議室で、第 5 学年生を対象に本 学病院の研修医募集を目的とした各診療科合同説明会 が開催された。今回の説明会は初の試みであったが、 各診療科 30 ブースと大学院課・研修医各ブースに対 して学生 34 名の参加があった。川上重彦病院長の開 会挨拶、勝田省吾学長の挨拶の後、約 1 時間の説明会 が行われ、途中からは研修医も多数参加して、熱心な 診療科ブースにて説明を受ける学生 研修医募集が行われた。 午後 7 時からレストラン「ブエナビスタ」において、 立食形式の交流会が行われ、梅原久範副院長(医科臨 床研修プログラム副責任者)による乾杯の挨拶の後、 学生と各診療科参加者および研修医が和やかに懇談し 交流を深めた。 (臨床研修センター事務課 岩本美香代記) 臨床研修医のための CPC(臨床病理検討会) 第 50 回臨床病理検討会(CPC )が病院本館 4 階、臨 床研修センターカンファレンスルーム、C42 講義室に おいて行われた。 第 50 回 CPC 平成 24 年 9 月 19 日(水) 17:30 【症例 1 】 心タンポナーデで発症した心臓腫瘍 の1例 主治医 臨床提示 司会者 画像解説 病理解説 課題作成者 青木洋文 中山佳苗 町田雄一郎 高橋知子 高木 晶 中田聡子 石坂太志 循環器内科学助教 臨床研修センター研修医 呼吸器外科学助教 放射線科学助教 臨床研修センター研修医 臨床病理学助教 臨床研修センター研修医 (症例の概要) 70 歳代女性。労作時の息切れを認め近医を受診。 【症例 2 】 腎機能障害を伴った多発性骨髄腫の 1例 主治医 林 憲史 臨床提示 安田有美香 司会者 町田雄一郎 画像解説 高橋知子 病理解説 久保幸美 黒瀬 望 課題作成者 土屋紘一 腎臓内科学助教 臨床研修センター研修医 呼吸器外科学助教 放射線科学助教 臨床研修センター研修医 臨床病理学助教 臨床研修センター研修医 (症例の概要) 80 歳代男性。3 年前より腎機能障害が進行し、精査 の結果、IgD -λ型の多発性骨髄腫+良性腎硬化症+ 骨髄腫腎と診断された。化学療法にて腎機能は一旦改 善したが、除々に増悪し、血液透析が導入された。透 析中の血圧低下が顕著となり、透析困難症を来たした。 その後、胸水貯留、酸素化の悪化が見られ、永眠され 胸部レントゲンにて心拡大があり、心エコーにて大量 た。剖検では、骨髄腫腎の組織所見に関し解説があり、 の心のう液が認められた。心のう穿刺にて血性排液を 血圧低下の原因について論議が行われた。 認め、造影 CT にて肺動脈腫瘍を疑う所見を認めた。 根治療法は困難と考え、自宅退院を目標としたが、心 不全は進行し、第 60 病日に永眠された。本例は肺動 脈原発の intimal sarcoma で、極めて稀な予後不良の なお、第 51 回研修医 CPC は平成 24 年 11 月 21 日(水) 午後 5 時 30 分より、C42 講義室で行われます。 研修医には出席が義務づけられていますが、それ以 腫瘍であった。課題担当者より、心臓腫瘍の鑑別診断、 外の先生方、学生にも広く開かれていますので、ふる 治療、合併症について、解説があった。 ってご出席ください。 (臨床病理学 黒瀬 望記) 【病院】 金沢医科大学報 66 金沢医科大学氷見市民病院 金沢医科大学氷見市民病院 新病院開院一周年記念事業 夏休み親子ふれあい医療フェスティバル 日時:平成 24 年 8 月 5 日(日)午前 10 時 場所:金沢医科大学氷見市民病院 金沢医科大学氷見市民病院では、昨年 9 月に新病院 が完成・開院してから一周年となる。これを記念し て開催された「夏休み親子ふれあい医療フェスティバ ル」では、富山県内外の小中学生とその保護者約 100 人が参加し、講演会や医療体験コースで医療への関心 が深められた。開会式で髙島茂樹病院長は病院の紹介 と、 「医師や看護師の仕事の基本には人に対する思い やりがある。病院の仕事の魅力に触れ、思いやりの心 親子ふれあい医療フェスティバル を育んでほしい」と挨拶された。 講演会では、総合診療科の神田享勉教授が「からだ AED、放射線 3D 画像、聴診器による心音・腹音、血 のふしぎ」について、クイズ形式等で小・中学生や一 圧測定、手洗い検査、薬(坐薬)の調剤、ナースのお 般市民の方にも分かりやすく解説された。 仕事の中から 3 コースを選んでもらい、医師や看護師 また、胸部心臓血管外科の坂本 滋教授は「心臓のし らの指導の下、親子で体験した。終了後のアンケート くみ」について、DVD 画像による実際の手術風景等を では、 「病院の仕事への興味が持てた」、 「医療の大切さ 見せながら詳しく説明された。 がよく分かった」 、 「次回もまた是非参加したい」とい 午後からは以下のような医療体験コースが準備され た。超音波、心電図、内視鏡、縫合、整形外科治療、 った声が多く寄せられた。 (金沢医科大学氷見市民病院総務課 上端雅則記) 新病院開院一周年記念講演会 講師:今 陽子氏(歌手・女優) 日時:平成 24 年 8 月 25 日(土)午後 1 時 場所:金沢医科大学氷見市民病院 6 階多目的ホール 講演会では、歌手で女優の今 陽子さんによる「楽し く生きれば元気になれる」と題した講演が行われた。 芸能界での 45 年間の経験や父親の介護などについて 紹介し、いつも明るくいることの大切さについて話さ れた。時折、聴衆の要望に応じ歌声を披露する場面も あり、参加した一般市民の方や入院患者さん、職員ら 約 250 人がプロ歌手の歌声に魅了された。 (金沢医科大学氷見市民病院総務課 上端雅則記) 歌声を披露する今 陽子さん 第 152 号/2012.11 金沢医科大学報 67 金沢医科大学氷見市民病院 金沢医科大学氷見市民病院 平成 24 年度 医療安全に関する職員研修会 日時:平成 24 年 7 月 5 日(木)午後 5 時 30 分 場所:病院 6 階多目的ホール 氷見市民病院の全職員を対象とする、本年度 1 回目 の医療安全研修会「医療安全活動報告会」と院内感染 講習会「感染対策の着眼点」が開催された。 医療安全研修会では、医療安全活動の取り組みが救 急室、内視鏡センター、回復期リハビリ病棟など 6 部 門から発表され、他部署の具体的活動を知ることによ り医療安全に関する認識が深まった。 引き続き行われた院内感染対策講習会では、当院が 算定している感染防止対策加算の説明後、感染制御チ 研修会風景 針刺し防止での注意点などの問題点や改善策について 写真を交えて説明した。 研修会と講習会を同一日に受講することで、医療安 全への意識を高めることができ、好評であった。当日 参加できない職員には DVD などで受講することがで きるようにした。 ーム(ICT )メンバーの加藤貴子薬剤師より抗菌薬使 研修会終了後のアンケート結果では職種別の少人数 用状況、抗菌薬ラウンドについて、小路聡美検査技師 による研修会開催希望もあった。職員の興味の対象と より細菌検査の流れや注意点について話があった。そ 必要性に応じた研修会を今後も企画していきたい。 の後、谷畑祐子院内感染管理者が ICT ラウンドや活動 (金沢医科大学氷見市民病院医療安全対策部 加納千春記) から見えてきた感染防止対策、手指衛生や防護具着脱、 金沢医科大学氷見市民病院 互助会 地引網・バーベキュー大会 氷見で企画した互助会行事「地引網・バーベキュー 大会」が 7 月 22 日(日)午前 8 時 30 分から、大人 63 名、 小人 33 名の計 96 人が参加して開催された。泉副院長 による開会の挨拶の後、 「地引網」 、 「宝物さがしゲー ム」、 「スイカ割大会」 、 「バーベキュー」が行われた。 地引網は想像していたより、はるかに大きな網が仕 掛けられており、参加者全員で一丸となって「わっし 地引網を引く参加者 ょい、わっしょい」とのかけ声で引き上げ、大きな歓 もいて子供たちにとっては夏休みの良い思い出となっ 声が上がった。初めて経験する子供たちも多く、満足 たようで、ゲームの景品や捕れた魚等お土産を手にし そうな笑顔がたくさんみられた。 午後 1 時半頃解散となった。 リハビリテーション部と看護部りんごステーション メンバーの協力を得ての、初めての企画であったが順 調に進行し、捕れた魚をリハビリテーション部の技師 の方々が見事な包丁さばきで調理してくれ、美味しく いただいた。また、家族で海水浴を楽しまれる参加者 (金沢医科大学氷見市民病院人事課 宮下理恵記) 【病院】 金沢医科大学報 68 金沢医科大学氷見市民病院 金沢医科大学氷見市民病院 氷見レジデントキャンプ 2012 平成 24 年 8 月 3 日(金)から 4 日(土)の 2 日間に わたって、当院で初の試みとなる「氷見レジデントキ ャンプ 2012 」が、金沢医科大学生 4 名が参加して開催 された。 開会式で髙島茂樹病院長は、「一人でも多くの学生 に当院や氷見についての理解を深めていただきたい」 と挨拶した。 午前は、当院研修医 6 名による症例発表があった。 参加者全員で記念撮影 発表者が先輩研修医ということで、国試の問題に通じ る解説があり、学生は真剣に聴衆し、質疑も活発に行 われた。 最後の意見交換会では当院臨床研修センター長の 齋藤人志副院長と循環器内科の福田昭宏教授が出席 ランチョンセミナーでは、当院循環器内科の福田昭 宏教授から、国試に出題される傾向が高い問題を取り 上げ、学生からの解答の経緯を踏まえながら具体的な 解説もあり、活発な質疑応答が交わされた。 し、学生の疑問点や質問について、両先生からそれ ぞれ明確な回答があった。 初めての試みということで、反省すべき点、工夫す べき点など多々あったが、アンケート結果では、 「大 午後からは実技研修として、病棟や検査において研 変勉強になった」、「先輩研修医と指導医が日頃してい 修医の業務や実務を、先輩研修医と指導医がマンツー る仕事などについて学生と語り、大変有意義な時間を マンで学生にあたった。懇親会は氷見市内のバーベキ 持つ事ができ、自分の未来をより具体的に描くことが ュー場で行った。 できた」と極めて好評であった。次回は、今回の反省 最終日の午前中は病棟での実技研修で、国試の必修 に必要な知識と手技の確認を兼ねた研修を行った。 や改善点を踏まえ、実施したいと考えている。 (金沢医科大学氷見市民病院総務課 堤 貴夫記) 《本学スタッフ新刊著書》 日本褥瘡学会 編集 褥瘡ガイドブック 松井優子 分担執筆 本書は、日本褥瘡学会が 2012 年 6 月に策定した、 (Ⅰ褥瘡の概要 褥瘡評価スケール 「褥瘡予防・管理ガイドライン(第 3 版) 」で決められ と DESIGN-R:22-25 頁、Ⅴ褥瘡 の ケ ア C 痛 み と QOL 評 価 褥 瘡 た臨床上の問題(CQ )に沿った具体的予防・治療・ の痛みの評価と治療・ケア:193- ケアを示しており、新しいガイドラインに沿ったケ 198 頁、Ⅶ褥瘡対策の質評価「構 アを行う上での実践的指標となる 1 冊である。また、 造」 「過程」 「結果」からみる質評 今回のガイドラインを策定したメンバーによる、唯 価:210-213 頁) 照林社 B5 判、233 頁 定価(本体 3,200 円+税) 2012 年 9 月 5 日発行 ISBN978-4-7965-2274-8 一の公式解説書でもあり、ガイドラインを使いこな し、根拠ある褥瘡ケアの実践のために必要な内容と なっている。 (看護学部成人看護学 紺家千津子記) 第 152 号/2012.11 金沢医科大学報 69 能登北部地域医療研究所 金沢医科大学氷見市民病院 医学を学ぶための第一歩を地域医療から学ぶ 金沢医科大学医学部1年生が早期臨床体験実習で 奥能登の在宅医療・福祉介護を体験 金沢医科大学能登北部地域医療研究所では、金沢 医科大学医学部第 1 学年生 8 名を受け入れ、早期臨床 体験実習の指導を行った(期間:平成 24 年 5 月 15 日∼ 16、5 月 17 日∼18 日) 。 当研究所では、公立穴水総合病院の協力で、在宅診 療の動向、診療所活動の見学、介護老人保健施設「あ ゆみの里」での福祉介護体験を内容としたタイトなス ケジュールを 2 日間で行うプログラムを提供してお り、医学生に地域医療の現状を体験してもらった。総 括・振り返りの時間では、各自が熱く自分の思いを語 り、予定時間が過ぎても地域医療討論が続き、大変有 在宅医療研修に同行 意義な時間となった。 学生から、 「穴水町の地域医療では、その人の人生 くことが難しい患者さんがどうす を見据えた医療・介護福祉が提供されていることに気 れば治療を受けられるかというこ づきました」、 「地域や町民の方々は、病院や診療所だ とや、介護を必要とするのに一人 けが支えているのではなく、田舎のコンビニや村の自 暮らしで、また、老々介護になっ 治会、公民館、婦人会や老人会等の協力が大きく影響 てしまっている患者さんをどう支 しているんですね!」などの感想が聞けてとても印象 えていくかなど、過疎地域には解 決の難しい様々な問題があること 的であった。 6 年後、彼らが医師となって再び地域医療研修をこ がわかりました。日本の老年人口がさらに増えていく こで学び、後の人生の数年は必ず地域医療で活躍をし 将来、治療、リハビリ、介護の全てをひっくるめた医 てくれると期待したい。 療における諸問題が急いで解決されていかなければい (能登北部地域医療研究所 濱中 豊記) 〔早期臨床体験実習を振り返って〕 大浦 健太郎(医学部第 1 学年) けないと感じました。 塩谷 郁代(医学部第 1 学年) 今回の実習で、医師として必要 なことはもちろん、地域医療の現 公立穴水総合病院は、高齢者に 状など、本当に色々なことを学び 対する医療が数多く行われている ました。その中でも「医師は病気 病院でした。初日には、障害を持 だけを診るのではなく、その患者 っており、外出をすることができ さんの人生全てを見て、その人の ない高齢者を診療する先生方をそ 幸せを一番に考える」ことが大切 ばで見ることができ、地域に密着 であると感じました。介護するコメディカルとうまく した医療の在り方を間近で体験す 連携して、患者さんが一番幸せになれる方法を考え提 ることができました。今回の実習で学べた体験をもと 供するという、医師がその人の生活などの背景を見て、 によき医者になる道を進みたいと思います。 介入することが地域医療には大切なことであり、必要 髙宮 悠子(医学部第 1 学年) とされていることなのだと感じました。 今回の実習で私は過疎地域における医療の大変さを 改めて実感しました。病気の患者さんを治すというこ とだけでなく、交通手段を持たない、または自力で動 紙面の都合上全ての感想文を掲載することができませ んでした。詳細は、http://www.kanazawa-med.ac.jp/ccm/ letter/docs/notoken_news20120522.pdf を参照ください。 【病院】 金沢医科大学報 70 金沢医科大学氷見市民病院 能登北部地域医療研究所 対談 能登の地域医療を守るため ― 中橋研究所長と島中病院長がこれからを語る ― 中橋 毅研究所長 × 島中公志病院長 能登北部地域医療研究所長 石川県寄附講座 金沢医科大学総合医療学教授 公立穴水総合病院長 今年度から公立穴水総合病院に新しく着任されてご 活躍中の島中公志院長(金沢医科大学昭和 59 年卒業) をお迎えして、中橋 毅研究所長とお二人で「地域医療 の展望と課題」について語っていただいた。 (能登北部地域医療研究所 濱中 豊記) 中橋所長 ご存知のように、能登北部地域医療研究所 は、石川県が進める地域医療再生計画を金沢医科大学 が後押しするかたちで、ここ奥能登の公立穴水総合病 院内に設置されました。一昨年(2010 年)8 月 1 日に石 川県の寄附講座として総合医療学講座が設立され、私 は主任教授としてこの研究所に赴任しました。金沢医 科大学では高齢医学教室に所属しております。 幸いなことに、公立穴水総合病院 5 階のスペースに 研究所を置かせていただき、そこを拠点に、まずは私 自身が「高齢専門外来」の診療に従事し、マンパワー が得られるよう若い世代の教育研修に専念して、すで に 2 年の歳月を経ております。本研究所では、地域医 療再生計画の拠点として、奥能登地域が抱える医療体 制のニーズ、すなわち、医師の確保、救急・周産期・ 小児科診療などの状況を把握し、問題に対する対策、 在宅医療の推進、地域医療連携ネットワークの構築な どさまざまな問題に身をもって関与しながら、問題点 をどのように改善していくか、難しい問題は山積して おります。 今後とも島中新院長をはじめ穴水総合病院の皆さん と二人三脚で一歩一歩良い方向に向けていきたいと思 っています。よろしくお願いいたします。 島中院長 初めまして、今年度から院長に就任した島 中です。金沢医科大学では消化器内科学に所属し、消 化管、肝臓領域の疾患全般を診てきました。特に、 「上 部下部消化器内視鏡」の検査・治療は諸先輩のご指導 のおかげでかなりの件数をこなしております。当院で この技術を活かした専門診療とともに、極めて日常的 な症状から、救急疾患、癌患者に至るまで、幅広くニ ーズに対応していきたいと考えております。 当院は他の多くの病院と同じように、今までは大学 病院からの定期的な医師派遣を「常勤医」確保の手段 島中公志院長 中橋 毅所長 としていました。しかし、平成 16 年度に始まった新 臨床研修制度により大学病院に残る医師が減少し、継 続的な常勤医の派遣を受けることが困難な状況とな り、私どもの病院でも幾つかの科がなくなりました。 最近メディアで盛んに言われている地域医療の崩壊と は、このような状況を指しているのかと改めて実感し ました。 病院機能を維持するために、常勤医不足を非常勤医 (出張医)で補わざるを得ない状況が続いております が、非常勤医に頼ることは人件費の高騰や責任体制の 問題などデメリットが多く、救急体制に欠陥ができた り、待ち時間の延長、地域の皆様には大変ご迷惑をお かけしておりますことを心からお詫び申し上げねばな りません。救急体制に関しては医療スタッフの協力の お陰で、大きな混乱はなく維持しており、スタッフの 皆様にも深く感謝しております。しかしこの状況は残 念ながら今後しばらくは不安定な状態が続くことが予 想されます。そのような状況の中で、皆さんが思い描 く地域の中核病院としての役割を果たさなければなら ないということは我々職員全員が自覚しており、何と かしなければならないとポジティブに考えています。 常勤医を確保することがこの状況を改善するための 一番の課題です。引き続き、大学から常勤医師派遣の ご支援をいただくことをお願いしながら、かつ行政の 第 152 号/2012.11 金沢医科大学報 71 能登北部地域医療研究所 金沢医科大学氷見市民病院 協力も受けながら当院で募集活動を継続強化し、さら にその医師にできるだけ長く定着してもらえるような 環境整備を進めております。やがては自分も公立穴水 総合病院へ行って、 「病気の人々を助けたいという志」 をもつ医師が集まるような病院にすることが私の願い です。近隣の病院や診療所との連携を強化し、普段は 近くの医療機関で治療を受け、何かあったときには安 心して当院へ受診してもらえるような体制や、逆に当 院では手に負えない場合には遅滞なく他の専門医療機 関へ搬送できる万全の体制作りを進めております。 今後は当院に対して必要な機能を住民のみなさんと 考え、その期待に応えられる病院を目指してゆきたい と思っています。どうぞよろしくお願いいたします。 金沢医科大学能登北部地域医療研究所の活動状況に ついて、掘り下げてお伺いするのは今回が初めてなの で、この機会にご説明いただき理解を深めたいと思い ます。 中橋所長 能登北部地域医療研究所が大学を出て、 公立穴水総合病院に設置されたことは、他では例がな い極めて画期的なことではないかと思います。 研究所の使命は「地域医療への貢献のための調査研 究」と「良質の医師の育成」と考えています。 まず「良質の医師の育成」として、医学生や看護学 生を対象とした体験型の実習プログラムや高学年への 参加型の実践プログラムを提供しています。教育研修 には 1 回だけの体験よりは習熟することを念頭に置く 必要があります。初期臨床研修医には 1ヵ月間の地域 医療研修を提供しています。特徴として、在宅診療、 訪問看護、診療所活動、介護福祉活動、救急医療、包 括ケアなどをプログラム化して提供し、症例検討会や ポートフォリオ検討会で総括と評価を行っています。 地域の健康・疾病管理の中枢として機能する病院と 教育機関である金沢医科大学が一体となって、 「地域 が求める医療を地域で学び・地域で育つ医師」の養成 を目指すものが当プログラムです。そしてこれは、前 述の医師像を目指し地域に密着した日々の診療をとお して、まず全ての医師が備えるべき能力、総合医を特 徴づける能力、家庭医療専門医が持つ医学的な知識や 技術などを身につけるためのプログラムとなっていま す。 「地域医療への貢献」としては、穴水総合病院に高 齢医学科外来を開設、高齢者の入院時総合評価の導入、 在宅医療の強化など地域の医療ニーズに合わせた診療 体制の充実も図ってきました。その中でも特に注目さ れる新しい取り組みが 2011 年 1 月から立ち上げた「地 域の糖尿病管理プロジェクト」です。 地元に糖尿病の専門医が少なく、重症患者の治療・ 管理は専門医がいる石川中央医療圏の病院に委ねざる を得ない現状を踏まえての試みで、医療機関が連携し て、軽症患者は地域の診療所、重症患者は穴水総合病 院、最重症患者は専門医という形で役割分担する「糖 尿病の循環型地域連携パス」の構築を目指していま す。 具体的には糖尿病に関する穴水総合病院の機能のレ ベルアップとセンター化を図り、ICT を活用して石川 中央医療圏とも連携する「糖尿病の循環型地域連携パ ス」の構築に着手し、患者さんごとのコンサルティン グを受けながら、地元主体で治療・管理を続けられる スキームを整備するものです。第 1 ステップとして、 院内に「糖尿病サポートチーム」を設置して、病棟や 診療科を越えて糖尿病患者を一元的にサポートする体 制づくりを進めました。第 2 ステップでは地域の診療 所との連携体制を築き、第 3 ステップで仕上げる構想 です。専門医が不足している中で地域医療を底上げす るには、新たなスキームづくりが不可欠で、まず糖尿 病で成果を上げ、患者さんの多い「高血圧」、 「認知症」 などの疾患にも応用していければと考えています。 このたび本学出身の先生が院長として赴任されたこ とは、本研究所にとっても本学との連携が強化され、 非常に心強く感じています。 ここでの初期臨床研修には東大をはじめ多くの地域 からの研修医が集まっており、研修を終えた研修医の みなさん方から、 「地域医療に対する見方が大きく変 わったと自覚しました。この研修前の地域医療に対す るイメージは正直言って高いものではありませんでし た。診療所は病院の下にあるものと思い込み、福祉・ 介護、また地域の救急医療体制に関しては、考えたこ とすらないのが正直なところでした。」 「大学医学部・ 卒後臨床研修を通して、高度な診断と適切な治療に関 する知識と経験を学んできましたが、総合医研修を含 めた地域医療研修で、その背景にある医療体制の構築 の重要性についても考える機会を得たことはとても良 かったと思います。」 「今回の研修は 1ヵ月間と短い期 間でしたが、患者の診療スキルにも習熟でき、今まで の私の考えを一変させるものがありました。」 「診療所 の役割、地域のさまざまな医療サービス、地域の医療 資源の実態など、本学病院では見えてこないものを数 多く体験し理解できたことは大きな財産だったと考え ています」などとの感想が多く聞かれています。 島中院長 人は財産そして医療機関は能登の住民を 守る城です。地域医療研究所の支援のもと、公立穴水 総合病院で受け入れた医学生・看護学生、研修医を大 切にして、現場での教育指導にはスタッフが一丸とな って事にあたりたいと思います。教育は医師確保のた めの生命線です。金沢医科大学能登北部地域医療研究 所と公立穴水総合病院とが同じ思いで協力し、貴重な 人材を育てて参りたいと思います。どうかよろしくお 願いいたします。 金沢医科大学報 72 図書館 データベース利用講習会 図書館では論文作成や研究に必要な文献情報を入手 するためのデータベースや診療支援ツールを導入して いる。これらのデータベースやツールを大いに利用し てもらうため、教職員や学生を対象に、今年で 4 回目 となるデータベース利用講習会を、平成 24 年 9 月 4 日 (火)病院本館 4 階 C42 講義室において開催した。 テーマ 1 として午後 5 時 30 分から、昨年バージョン アップされた医中誌 Web を図書館員の土田壮一課長 代理が説明した。テーマ 2 として午後 6 時 30 分から、 ㈱エルゼビア・ジャパンの小西佑太郎氏が、近年導入 小西佑太郎氏によるデータベースの説明 した「プロシージャーズ・コンサルト日本版」と「ナー 事後アンケートによると講習会の内容について、 シング・スキル日本版」を説明した。参加者は、テー マ 1 では 48 名、テーマ 2 では 15 名で、どの参加者も真 剣に説明に聞き入っていた。 「理解できた」が 84%で、 「役に立つ」が 95%で、概ね 好評であった。 図書館では、利用者の希望を取り入れたこのような 今回の講習会では、特に教室事務職員の方に情報検 索の手順を理解し各講座で役立ててもらうため、でき 企画を今後も積極的に実施していきたい。 (図書館事務課 佐野泰彦記) るだけ分かりやすく丁寧に説明を行った。 新着図書の紹介( 2012.7 ∼ 2012.9 ) 書 名 出 版 社 出版年 請求番号 学生用指定図書(和書) ロビンス基礎病理学 原書 8 版 標準病理学 第 4 版(Standard textbook ) 公衆衛生マニュアル 30 版(2012 年版) New 予防医学・公衆衛生学 改訂第 3 版(Nankodo's essential well-advanced series ) シンプル衛生公衆衛生学 2012 保健所研修ノート : 研修医・コメディカルスタッフのための 第 2 版 国民衛生の動向 2012/2013 年(厚生の指標臨時増刊) 心臓病の病態生理 : ハーバード大学テキスト 第 3 版 大腸癌治療ガイドラインの解説 : 大腸癌について知りたい人のために : 大腸癌の治療を受ける人のために 2009 年版 脳神経外科学 改訂 11 版 Text 精神医学 改訂 4 版 精神保健マニュアル 改訂 4 版 皮膚科学 第 9 版 「母乳育児成功のための 10 カ条」の実践(UNICEF/WHO 赤ちゃんとお母 さんにやさしい母乳育児支援ガイド : ベーシック・コース) 新老年学 第 3 版 高齢者総合的機能評価ガイドライン イラスト耳鼻咽喉科 第 4 版(Bunkodo illustrated basic series ) 現代の眼科学 改訂第 11 版 保健師国家試験問題 : 解答と解説 2013 年版 エルゼビア・ジャパン 医学書院 南山堂 南江堂 2011 2010 2012 2012 QZ4 QZ4 WA39 WA100 南江堂 医歯薬出版 厚生統計協会 メディカル・サイエンス・インターナショナル 金原出版 2012 2012 2012 2012 2012 WA100 WA546 WA900 WG200 WI529 金芳堂 南山堂 南山堂 金芳堂 医学書院 2012 2012 2012 2011 2011 WL368 WM100 WM105 WR100 WS125 東京大学出版会 厚生科学研究所 文光堂 金原出版 2010 2004 2012 2012 WT100 WT141 WV100 WW100 医学書院 2012 WY18 金沢医科大学報 第 152 号/2012.11 書 名 ICF の視点に基づく高齢者ケアプロセス 疾病・障害をもつ高齢者の看護(最新高齢者看護プラクティス) 認知症ケア・ターミナルケア(最新高齢者看護プラクティス) 73 出 版 社 出版年 請求番号 学文社 中央法規出版 中央法規出版 2010 2005 2011 WY152 WY152 WY152 北國新聞社 医学書院 厚生労働統計協会 秀和システム 2012 2012 2012 2011 281.03 369 369 369.27 北國新聞社 日本放送出版協会 2012 2009 382.14 383.9 2012 QU58 2011 QS17 2012 2012 2012 2012 2012 2012 2012 2012 2010 2010 2011 QT104 QU4 QV150 QV150 QV772 QY4 QY4 QZ16 QZ140 QZ140 QZ140 2010 QZ140 2010 QZ140 2010 QZ201 一般教養図書(和書) 石川県総合人事録 : 公共機関・各種団体・全産業界 2012-2013 年版 医療福祉総合ガイドブック 2012 年度版 国民の福祉と介護の動向 2012/2013(厚生の指標臨時増刊) 障害者自立支援法がよ∼くわかる本 : これからどうなる ? 障害者福祉施策 (Shuwasystem business guide book ) 第 2 版(How-nual 図解入門 : ビジネス) 愛蔵版暮らしの歳時記 石川編・富山編 トイレの話をしよう : 世界 65 億人が抱える大問題(地球の未来を考える) 基礎医学図書(洋書) RNA metabolism in trypanosomes(Nucleic acids and molecular biology:v. 28 ) Springer 基礎医学図書(和書) オペナースのための毎日使える解剖図カラーイラストブック : 10 診療科 メディカ出版 が勢揃い ! 術野の読み取りポイントがよくわかる ! よくわかる生理学の基本としくみ(図解入門 . メディカルサイエンスシリーズ) 秀和システム 標準生化学(Standard textbook ) 医学書院 これで決まり ! 循環器治療薬ベストチョイス : こんな病態・症例にこの処方 メジカルビュー社 メディカル・サイエンス・インターナショナル 循環器治療薬ファイル : 薬物治療のセンスを身につける 第 2 版 JAPIC 医療用医薬品集 2013 日本医薬情報センター 読んで上達 ! 病気がわかる検査値ガイド 改訂第 2 版 金原出版 病理学・病理検査学(標準臨床検査学) 医学書院 日本病理剖検輯報 第 53 輯 杏林書院 呼吸器疾患 , 循環器疾患(人体の構造と機能からみた病態生理ビジュアルマップ :1 ) 医学書院 消化器疾患(人体の構造と機能からみた病態生理ビジュアルマップ :2 ) 医学書院 代謝疾患 , 内分泌疾患 , 血液・造血器疾患 , 腎・泌尿器疾患(人体の構造と 医学書院 機能からみた病態生理ビジュアルマップ :3 ) 膠原病・自己免疫疾患 , 感染症 , 神経・筋疾患 , 精神疾患(人体の構造と機 医学書院 能からみた病態生理ビジュアルマップ :4 ) 運動器疾患 , 皮膚疾患 , 女性生殖器疾患 , 眼疾患 , 耳鼻咽喉疾患(人体の構 医学書院 造と機能からみた病態生理ビジュアルマップ :5 ) その「がん宣告」を疑え : 病理医だから見分けるグレーゾーン(講談社 + α 講談社 新書 :523-1B ) 臨床医学図書(洋書) Current concepts in drug metabolism and toxicology(Advances in pharmacology:v. 63 ) Current state of Alzheimer's disease research and therapeutics (Advances in pharmacology:v. 64 ) Deja review : Histology and cell biology 2nd ed pbk. : alk. paper(Deja review ) Deja review : Biochemistry 2nd ed pbk. : alk. paper(Deja review ) Deja review : Pathology 2nd ed pbk. : alk. paper(Deja review ) Deja review : Physiology 2nd ed pbk. : alk. paper(Deja review ) Deja review : USMLE step 1 2nd ed pbk. : alk. paper(Deja review ) The international medical graduate's guide to US medicine & residency training Behavioral science 5th ed(Board review series ) WHO classification of tumours of the breast 4th ed(World Health Organization classification of tumours ) No man alone : a neurosurgeon's life 1st ed Academic Press, an imprint of Elsevier 2012 W1 Academic Press, an imprint of Elsevier 2012 W1 McGraw-Hill Medical McGraw-Hill Medical McGraw-Hill Medical McGraw-Hill Medical McGraw-Hill Medical ACP Press Wolters Kluwer Health|Lippincott Williams & Wilkins International Agency for Research on Cancer 2011 2010 2010 2010 2010 2009 2009 2012 W18 W18 W18 W18 W18 W20 WM18.2 WP870 Little, Brown 1977 WZ100 医学書院 医療文化社 克誠堂出版 医学評論社 筑摩書房 海馬書房 海馬書房 海馬書房 2012 2010 2012 2012 2012 2012 2012 2012 W13 W18 W18 W18 W18 W18 W18 W18 臨床医学図書(和書) 医学書院医学用語辞典 : 英和・略語・和英 コロンビアメディシン : コロンビア大学の医学教育 デジタル文献整理術 : 最新 EndNote 活用ガイド 第 5 版 医師国家試験問題解説書 第 106 回 主体性は教えられるか(筑摩選書 :0037 ) 小児科 第 3 版(Step series ) 腎・呼吸器 第 3 版(Step series. 内科 :4 ) 麻酔科 第 4 版(Step series ) 【図書館】 金沢医科大学報 書 名 プール五肢択一形式篇 2013 パーフェクト A∼G(CBT こあかり :3, 3-I, 3-II, 3-III ) プール連問形式篇 2013 パーフェクト(CBT こあかり :4 ) 医療倫理学の ABC 第 2 版 精子提供 : 父親を知らない子どもたち 真っ赤なニシン : アメリカ医療からのデタッチメント 日本子ども資料年鑑 2012 社会保障を考える(厚生労働白書 : 平成 24 年版) 肥満の行動療法 第 2 版(ライフスタイル療法 :2 ) 食品学・食品機能学・食品加工学 第 2 版(食べ物と健康) 婦人科・乳腺外科 第 2 版(病気がみえる :v. 9 ) 産科 第 2 版(病気がみえる :v. 10 ) 循環器系マニュアル : 診断・治療のための検査手技 改訂版(臨床研修イ ラストレイテッド :4 ) 消化器系マニュアル : 診断・治療のための検査手技 改訂版(臨床研修イ ラストレイテッド :5 ) 呼吸器系マニュアル : 検査の基本と手技・診断のポイント 改訂版(臨床 研修イラストレイテッド :6 ) 外科系マニュアル : 手技の基本と病棟診療・手術の知識(臨床研修イラス トレイテッド :7 ) 救急蘇生法の指針 : 医療従事者用 2010 内科救急見逃し症例カンファレンス : M&M でエラーを防ぐ 内科学 : カラー版 やさしくわかる内視鏡 : 検査・治療・ケア 第 2 版 帰してはいけない外来患者 内科診断 case study 症候からたどる鑑別診断ロジカルシンキング 整形外科疾患ビジュアルブック 軟部腫瘍診療ガイドライン 2012 頭頸部の CT・MRI 第 2 版 橈骨遠位端骨折診療ガイドライン 2012 フットケア : 基礎的知識から専門的技術まで 第 2 版 麻酔・集中治療のための呼吸・循環のダイナミズム 呼吸器疾患ビジュアルブック CD による聴診トレーニング 改訂第 2 版 呼吸音編 胸部の CT 第 3 版 胸部レントゲンを読みたいあなたへ : 期待を確信に変える 21 話 呼吸器外科手術のすべて 循環器病のとらえかた : 眼でみるベッドサイドの病態生理 第 2 版 エビデンス循環器病学 循環器疾患ビジュアルブック 経食道心エコー法マニュアル 改訂第 4 版 心臓超音波テキスト 第 2 版 新・心エコーの読み方 , 考え方 改訂 2 版 聴診でここまでわかる身体所見 : 循環器の疾患と病態 循環器疾患最新の治療 2012-2013 ECC(救急心血管治療)ハンドブック 2010 血液疾患の病態生理 : ハーバード大学テキスト 発熱性好中球減少症(FN )診療ガイドライン 専門医が語るうんちとおしっこの話 消化器疾患ビジュアルブック 臨床に活かす病理診断学 第 2 版 消化管・肝胆膵編 食道アカラシア取扱い規約 第 4 版 遺伝性大腸癌診療ガイドライン 2012 年版 腎・泌尿器疾患ビジュアルブック 糖尿病・代謝・栄養疾患ビジュアルブック 標準神経病学 第 2 版(Standard textbook ) 脳神経疾患ビジュアルブック 新・看護者のための精神保健福祉法 Q&A 平成 20 年版 医学生のための画像診断マニュアル : 国試問題攻略ガイド 画像診断のトリビア 74 出 版 社 出版年 請求番号 医学評論社 医学評論社 メヂカルフレンド社 新潮社 克誠堂出版 中央出版 日経印刷 医歯薬出版 医歯薬出版 メディックメディア メディックメディア 羊土社 2012 2012 2012 2012 2012 2012 2012 2012 2012 2011 2012 2010 W18.2 W18.2 W50 W50 W275 WA320 WA525 WA590 WA695 WB100 WB100 WB102 羊土社 2007 WB102 羊土社 2007 WB102 羊土社 2007 WB102 へるす出版 医学書院 西村書店 照林社 医学書院 医学書院 メジカルビュー社 学研メディカル秀潤社 南江堂 メディカル・サイエンス・インターナショナル 南江堂 医学書院 真興交易(株)医書出版部 学研メディカル秀潤社 南江堂 メディカル・サイエンス・インターナショナル 文光堂 医学書院 文光堂 ライフサイエンス出版 学研メディカル秀潤社 南江堂 医歯薬出版 中外医学社 中山書店 南江堂 American Heart Association メディカル・サイエンス・インターナショナル 南江堂 上毛新聞社 学習研究社 医学書院 金原出版 金原出版 学研メディカル秀潤社 学研メディカル秀潤社 医学書院 学研メディカル秀潤社 中央法規出版 メジカルビュー社 中外医学社 2012 2012 2012 2011 2012 2009 2011 2012 2012 2012 2012 2012 2011 2012 2011 2012 2011 2012 2005 2012 2010 2012 2012 2012 2010 2010 2012 2012 2012 2003 2011 2011 2012 2012 2010 2011 2012 2011 2008 2010 2012 WB105 WB105 WB115 WB141 WB141 WB141 WB141.5 WE168 WE258 WE705 WE830 WE880 WF102 WF140 WF141 WF975 WF975 WF980 WG100 WG120 WG120 WG141 WG141 WG141 WG141 WG166 WG205 WH120 WH200 WI9 WI140 WI141 WI250 WI529 WJ140 WK810 WL100 WL330 WM33 WN18.2 WN180 金沢医科大学報 第 152 号/2012.11 書 名 75 出 版 社 放射線科医のものの見方・考え方 : 画像を論理的・病態生理学的に理解 医療科学社 したい学生 / 技師 / 研修医 / 医師のために 改訂増補版 核医学・PET・SPECT(放射線医学) 金芳堂 New 外科学 改訂第 3 版(Nankodo's essential well-advanced series ) 南江堂 創傷・熱傷ガイドライン 金原出版 麻酔への知的アプローチ 第 8 版 日本医事新報社 麻酔をめぐるミステリー : 手術室の「魔法」を解き明かす(DOJIN 選書 :47 ) 化学同人 女性を診る際に役立つ知識 新興医学出版社 乳腺腫瘍学 金原出版 臨床・病理乳癌取扱い規約 第 17 版 金原出版 今日の助産 : マタニティサイクルの助産診断・実践過程 改訂第 2 版(Nursing ) 南江堂 助産師業務要覧 新版 増補版 日本看護協会出版会 イラストで学ぶ妊娠・分娩・産褥の生理 改訂 2 版(周産期の生理と異常 :1 ) メディカ出版 イラストで学ぶ新生児の生理と代表的疾患 改訂 2 版(周産期の生理と異常 :2 ) メディカ出版 見ためで探す皮膚疾患アトラス : 内科で出会う 羊土社 今日の皮膚疾患治療指針 第 4 版 医学書院 日本人の育児 : 育児相談から育児支援へ 金原出版 「母乳育児成功のための 10 カ条」の推進(UNICEF/WHO 赤ちゃんと 医学書院 お母さんにやさしい母乳育児支援ガイド : アドバンス・コース) 母乳育児支援スタンダード : 新装版 医学書院 今日の小児治療指針 第 15 版 医学書院 新生児学入門 第 4 版 医学書院 高齢者の退院支援と在宅医療(日常診療に活かす老年病ガイドブック :8 ) メジカルビュー社 Text 眼科学 改訂 2 版 南山堂 眼のサイエンス : 視覚の不思議 文光堂 眼のサイエンス : 眼疾患の謎 文光堂 低侵襲手術 : 患者さんにやさしい手術を行うためのコツ(新 ES now : メジカルビュー社 eye surgery now:11 ) ICU ハンドブック 第 2 版 中外医学社 看護関係法令 第 44 版(系統看護学講座 : 専門基礎分野 . 健康支援と社会保障制度 :4 ) 医学書院 看護学概論 第 15 版(系統看護学講座 : 専門分野 1. 基礎看護学 :1 ) 医学書院 小児看護学概論 / 小児臨床看護総論 第 12 版(系統看護学講座 : 専門分野 2. 医学書院 小児看護学 :1 ) 脳・神経 第 13 版(系統看護学講座 : 専門分野 2. 成人看護学 :7 ) 医学書院 アレルギー : 膠原病 : 感染症 第 13 版(系統看護学講座 : 専門分野 2. 成人看護学 :11 ) 医学書院 母性看護学概論 第 12 版(系統看護学講座 : 専門分野 :2. 母性看護学 :1 ) 医学書院 母性看護学各論 第 12 版(系統看護学講座 : 専門分野 :2. 母性看護学 :2 ) 医学書院 NANDA-I 看護診断 : 定義と分類 2012-2014 医学書院 クエスチョン・バンク保健師国家試験問題解説 2013(第 5 版) メディックメディア 保健師国家試験問題解答・解説 2013 年版 メヂカルフレンド社 母性看護学(練成ゼミ : 看護学生用教科書研究 :10 ) メディカルレビュー社 よくわかる質的研究の進め方・まとめ方 : 看護研究のエキスパートをめざして 医歯薬出版 質的研究の基礎 : グラウンデッド・セオリー開発の技法と手順 3 版 医学書院 ヒヤリ・ハット 11,000 事例によるエラーマップ完全本 医学書院 ヒヤリ・ハット報告が教える内服与薬事故防止 医学書院 母性看護学概論 / ウィメンズヘルスと看護 第 4 版(新体系看護学全書 . 母 メヂカルフレンド社 性看護学 :1 ) マタニティサイクルにおける母子の健康と看護 第 4 版(新体系看護学全 メヂカルフレンド社 書 . 母性看護学 :2 ) 母性看護実践の基本 第 2 版(ナーシング・グラフィカ :30. 母性看護学) メディカ出版 周手術期看護(ナーシング・グラフィカイーエックス :3 ) メディカ出版 成人・高齢者看護のためのヘルスアセスメント メヂカルフレンド社 保健医療福祉行政論 第 3 版(標準保健師講座 : 別巻 1 ) 医学書院 親子保健 24 のエッセンス 医学書院 緩和ケア(最新訪問看護研修テキスト : ステップ 2-1 ) 日本看護協会出版会 認知症の看護(最新訪問看護研修テキスト : ステップ 2-3 ) 日本看護協会出版会 呼吸管理(最新訪問看護研修テキスト : ステップ 2-4 ) 日本看護協会出版会 リハビリテーション看護(最新訪問看護研修テキスト : ステップ 2-5 ) 日本看護協会出版会 日本看護協会出版会 難病患者の看護(最新訪問看護研修テキスト : ステップ 2-7 ) 小児・障害児看護(最新訪問看護研修テキスト : ステップ 2-8 ) 日本看護協会出版会 出版年 請求番号 2012 WN180 2012 2012 2012 2012 2012 2012 2012 2012 2012 2012 2012 2012 2012 2012 2002 2011 WN440 WO100 WO185 WO200 WO209 WP100 WP870 WP870 WQ160 WQ165 WQ210 WQ210 WR140 WR140 WS103 WS125 2012 2012 2012 2006 2011 2011 2010 2012 WS125 WS366 WS420 WT100 WW100 WW103 WW140 WW168 2012 2012 2012 2012 WX218 WY5 WY5 WY5 2012 2012 2012 2012 2012 2012 2012 2011 2012 2012 2009 2008 2012 WY5 WY5 WY5 WY5 WY15 WY18 WY18 WY18 WY20.5 WY20.5 WY44 WY44 WY100 2012 WY100 2012 2012 2009 2012 2011 2011 2005 2009 2009 2011 2011 WY100 WY100 WY100.4 WY106 WY108 WY115 WY115 WY115 WY115 WY115 WY115 【図書館/管理・運営】 金沢医科大学報 書 名 訪問看護経営管理(最新訪問看護研修テキスト : ステップ 2-9 ) 訪問看護業務の手引 : 介護保険・医療保険 平成 24 年 4 月版 ケアの根拠 : 看護の疑問に答える 180 のエビデンス 第 2 版 基礎看護技術 第 7 版 そうだったのか ! 麻酔看護とバイタルサイン : 超図解講座 高齢者施設における看護師の役割 : 医療と介護を連携する統合力 根拠がわかる老年看護技術 最新老年看護学 改訂版 生活機能のアセスメントにもとづく老年看護過程 ココからはじめる小児がん看護 : 疾患の理解から臨床での活用まで ナースだからできる疼痛マネジメント(がん看護シリーズ :1 ) リンパ浮腫予防指導 : 病棟・外来から始める 痛み以外の症状緩和ケアの秘訣 : 事例で理解(がん看護シリーズ :2 ) テキスト母性看護 新版 1 テキスト母性看護 新版 2 妊娠・分娩 第 2 版(母性看護学 :1 ) 産褥・新生児 第 2 版(母性看護学 :2 ) 母子看護学原論 第 2 版(母子看護学) 母性 1(新看護観察のキーポイントシリーズ) 母性 2(新看護観察のキーポイントシリーズ) 母性看護学概論 第 2 版 看護のための人間発達学 第 4 版 小児麻酔と周術期看護 : より質の高い周術期看護を目指して エビデンスに基づく精神科看護ケア関連図 76 出 版 社 日本看護協会出版会 社会保険研究所 日本看護協会出版会 医学書院 メディカ出版 雲母書房 メヂカルフレンド社 日本看護協会出版会 医歯薬出版 へるす出版 照林社 医学書院 照林社 名古屋大学出版会 名古屋大学出版会 医歯薬出版 医歯薬出版 廣川書店 中央法規出版 中央法規出版 医歯薬出版 医学書院 真興交易医書出版部 中央法規出版 出版年 請求番号 2005 2012 2012 2012 2011 2010 2009 2011 2012 2012 2011 2012 2011 2008 2009 2012 2012 2009 2011 2011 2012 2012 2009 2011 WY115 WY115 WY150 WY150 WY151 WY152 WY152 WY152 WY152 WY156 WY156 WY156 WY156 WY157.3 WY157.3 WY157.3 WY157.3 WY157.3 WY157.3 WY157.3 WY157.3 WY159 WY159 WY160 《本学スタッフ新刊著書》 冨永悌二 担当編集 ビジュアル脳神経外科5 頭蓋底 ① 前頭蓋底・眼窩・中頭蓋底嗅覚異常と検査 本シリーズには、解剖を中心とした脳神経外科手 三輪高喜 分担執筆 (Ⅱ前頭蓋窩・眼窩・中頭蓋窩の 機能検査とモニタリング 臭覚異 常と検査:48-59 頁) MEDICAL VIEW A4 判、250 頁 定価(本体 12,000 円+税) 2012 年 10 月 1 日発行 ISBN978-4-7583-1181-6 術に必要な知識をわかりやすく伝えるため、大きく きれいな図譜が豊富に取り入れられている。本書で は前頭蓋底、眼窩、中頭蓋窩を特集し、解剖と画像 検査にはじまり、機能検査とモニタリング、基本的 な頭蓋底アプローチと再建が書かれている。筆者は この中で、嗅覚系について担当し、においの受容機 構、嗅覚系の解剖、嗅覚障害の病態、診断法につき 執筆した。 (耳鼻咽喉科・頭頸部外科学 三輪高喜記) 第 152 号/2012.11 金沢医科大学報 77 管理・運営 石川県警察本部から 本学法医学へ感謝状授与 平成 24 年 9 月 3 日(月) 、本部棟 2 階会議室 1 におい て、石川県警察本部から本学法医学講座の長年の解剖 業務への貢献に対し、勝田省吾学長、篠原治道副学長、 栂 博久医学部長がの出席のもと感謝状の授与式が行 われた。 石川県警察本部から、奥村幹雄刑事部長、高橋 亘 感謝状授与 刑事部参事官兼捜査第一課長、石橋昌真刑事部捜査第 解剖」に加えて、来年度から「新法解剖」 (仮称)が施 一課刑事調査官兼検視官室長、河原正明刑事部捜査第 行されるが、これは法医学者との協議に基づき、警察 一課第三検視官が来学され、北村 修教授、王 璐准教 署長の判断によって実施されると説明された。 授、武市敏明助教に対して、犯罪捜査活動推進功労に より感謝状が手渡された。 本学の法医解剖数は、北村教授が着任した平成 19 年から平成 22 年までは年間 40 件前後であったが、平 石川県警察本部からは、法医学講座の各教員に対す 成 23 年は 66 件となり、本年はさらにその数を超える る感謝の意と共に、新アナトミーセンターの完成によ と見込まれる。来年度以降は、 「新法解剖」の施行によ り法医解剖室の設備の充実など、本学からのバックア り、さらに法医解剖数の増加が予想されることから、 ップに対しても謝意が述べられた。また、裁判所の許 石川県警察本部から更なる協力に対する期待が述べら 可による「司法解剖」、遺族の承諾による「行政(承諾) れた。 (学事庶務課 福井加奈子記) メンタルヘルス講演会 −音楽を使ったリラクセーションとヨガ− 講師: 北本福美先生(精神神経科学講師・臨床心理士) 井上道代先生(いしかわ NPO 健康支援グルー プ「エコロ」代表) 日時: 平成 24 年 9 月 26 日(水)午後 5 時 30 分 北本福美講師 場所: 病院本館 4 階 C41 講義室 種々を、実践を通して解説した。 井上道代先生 続いて、井上道代先生が「座ったままでできるヨガ」 近年クローズアップされている「心の健康管理」に と題し、少しの時間があればどこでもできる簡単なヨ ついて、その重要性を知ってもらい、自身の健康増進 ガのやり方や効用を、実技によりとてもわかりやすく に役立ててもらうことを目的として、教職員および学 説明された。 生を対象に、労務厚生課の企画によるメンタルヘルス 講演会が開催された。 労務厚生課より「メンタルヘルス対策」について、 陽だまりルームや電話相談システムの利用方法の案内 まず、北本福美先生が「身体の声に耳をかたむけ と、セクシュアルハラスメント防止委員会が運営して る(音楽を使ったリラクセーション) 」と題して講演し いるハラスメント相談の概要と利用に関しての説明が た。波の音などの自然音を取り入れた音楽が流れるな 行われ、講演会を終了した。 かで、普段ほかの人を労わっているのと同じように、 自分自身を労わってあげることの大切さとその方法の 参加者の笑顔から、心と身体が癒やされた貴重な時 間だったことが窺えた。 (労務厚生課 辺本智恵美記) 【管理・運営】 金沢医科大学報 78 各後援団体から 創立 40 周年記念事業に寄附目録贈呈 金沢医科大学後援協力会 平成 24 年 6 月 18 日(月)役員応接室において、本学後援協力会より金沢 医科大学創立 40 周年記念事業に対し寄附金の贈呈が行われた。冨木隆夫会 長から創立 40 周年記念事業募金への協力として、竹越 襄理事長へ 2 千万円 の寄附金目録を贈呈された。 (教育研究事業支援課 山本健司記) 金沢医大後援会橘会 後援協力会 平成 24 年 7 月 8 日(日)ホテル金沢において、金沢医大後援会橘会より本 学創立 40 周年記念事業に対し寄附金の贈呈が行われた。八木茂夫会長から 「先ほどの総会において、例年実施している大学および学生の各種支援事業 に加えて、金沢医科大学創立 40 周年記念事業への協力が承認された。金沢 医科大学が充実した教育環境のもと、更なる発展を遂げることを側面から 支援していきたい」との挨拶があり、竹越理事長へ 3 千万円の寄附金目録が 贈呈された。 (山本健司記) 金沢医科大学北辰同窓会 後援会橘会 平成 24 年 7 月 14 日(土)金沢都ホテルにおいて、金沢医科大学北辰同窓会 より本学創立 40 周年記念事業に対し寄附金の贈呈が行われた。坂本 滋会長 から「昨年から北辰同窓会の総会、全国支部長会、各県支部会において創 立 40 周年記念事業への協力を呼びかけ、多くの会員から寄附が寄せられた。 総会においても北辰同窓会として大学の更なる発展のため、記念事業への 協力が承認され、拠出することが決められた」との挨拶があり、竹越理事 長へ 3 千万円の寄附金目録が贈呈された。 (山本健司記) 北辰同窓会 金沢医科大学看護同窓会及び看護学部後援会さくら会 平成 24 年 9 月 5 日(水)役員応接室において、金沢医科大学看護同窓会直 井千津子会長および看護学部後援会さくら会高木俊宏会長より、竹越理事 長へ本学創立 40 周年記念事業に対し寄附金の贈呈が行われた。 竹越理事長は、看護同窓会およびさくら会の各会員からも多くの募金が 寄せられていることを紹介し、記念事業募金に対する幅広い協力に対し謝 辞を述べた。 (看護学部事務部 笠間孝一記) 金沢医科大学北斗会 看護同窓会、看護学部後援会さくら会 平成 24 年 11 月 7 日(水)金沢都ホテルにおいて、金沢医科大学北斗会より、 本学創立 40 周年記念事業に対し寄附金の贈呈が行われた。奥名洋明会長か ら、 「昨年度から、北斗会の幹事会、代議員会において創立 40 周年記念事業 への協力を呼びかけ、多くの会員から寄附が寄せられている。北斗会とし ても、大学間の発展に少しでも協力をさせていただきたい」との挨拶の後、 竹越理事長へ金沢医科大学創立 40 周年記念事業募金への協力として、百万 円の寄附金目録が手渡された。 (山本健司記) 北斗会 金沢医科大学報 第 152 号/2012.11 79 謹んでご逝去をお悔やみ申し上げます 初代 内分泌内科学 教授 森本 眞平 名誉教授 ご逝去 金沢医科大学名誉教授森本眞平先生は、かねて病気療養中のところ、平成 24 年 10 月 9 日に逝去されました。享年 82 歳でした。 森本先生は岐阜県神岡町のご出身で、昭和 30 年に金沢大学医学部をご卒業され、金 沢大学第二内科助教授を経て、昭和 56 年7月、金沢医科大学内分泌内科学(現糖尿病・ 内分泌内科学)教室に教授として赴任されました。 着任後は金沢医科大学大学院設立の要員としての役割を果たされ、さらに教育、診療 および研究における内分泌内科学教室の基礎を築かれました。研究の主題は 1 )副腎皮 質機能異常(とくに原発性アルドステロン症と選択的低アルドステロン症) 、2 )糖尿病 性合併症(とくに糖尿病性細小血管症と血圧日内変動異常)であり、その成因と病態解明およびその対策に 取り組まれました。成果は数多くの欧文雑誌に掲載され、臨床の場に還元されました。また、金沢大学お よび金沢医科大学において、先生の直接のご指導のもとで研究を行ったもののうち、6 名が教授になるこ とができたことは、先生の卓越した指導力のたまものと感服しております。 先生は、教育、診療の場におきましても、教務部副部長、診療部長および副院長などを歴任され、研究 以外の業務においても大変多忙な日々を過ごされた 14 年間でした。その一方で、まじめに取り組む医局員 に対しては、いつも穏やかに、努力に報いるよう尽力されました。 「私立大学は親方日の丸ではないよ」という先生のお言葉が今も脳裡にしみついております。 先生、ありがとうございました。安らかにお休みください。 河北郡市防火協会 第 20 回 河北郡市消火技術競技大会 平成 24 年 8 月 11 日(土)午前 8 時から、津幡町住吉 公園において、第 20 回河北郡市消火技術競技大会(主 催:河北郡市防火協会、協賛:津幡町・かほく市・内 灘町消防本部)が開催された。この大会は、河北郡市 内の一般事業所等で働く従業員および職員を対象とし た競技大会で、自衛消防力の強化と住民の防火意識の 高揚を目的に毎年開催されている。 屋内消火栓の部 15 チーム、消火器男子の部 16 チー ム、消火器女子の部 17 チームが日頃の消火技術を競 い合った。 本学は若手職員を中心にチームを編成をし、消火栓 の部 1 チーム(学事庶務課 川上英悟、教学課 津田志朗、 情報管理課 広谷和幸)、消火器男子の部 1 チーム(医 療技術部 前田大忠・吉田哲也) 、消火器女子の部 1 チ ーム(教学課 高田智子、経理課 松本織絵)が参加した。 今回は、全員がはじめての参加であったが、大会前に (名誉教授 内田健三記) 内灘町消防本部の方々の熱い指導のもと懸命に練習を 重ねた甲斐があり、消火栓の部において見事本学初と なる「優勝」に輝いた。さらに、消火器男子の部におい ても第 3 位と入賞を果たし、練習の成果を発揮できた。 練習および大会への参加を通して、防火意識の高揚 と自衛消防力強化の必要性を実感した。金沢医科大学 の代表としてチームを編成し、大会に臨んだことは、 本学への帰属意識とチームワークの重要性を改めて実 感し、大変有意義な経験となった。 (総務課 長井竜洋記) 奮闘した本学チーム 【管理・運営/随想】 金沢医科大学報 80 互 助 会 夏のバス旅行 東京スカイツリー展望と東京ソラマチ散策 第 1 班:平成 24 年 8 月 4 日(土)、5 日(日) 参加者 29 名 東京タワー、新宿高層ビル、皇居等、真下には浅草の 第 2 班:平成 24 年 9 月 21 日(金)、22 日(土)参加者 75 名 街並みを見ることができた。以前見た東京タワー、京 王プラザ、六本木ヒルズなどからの眺めとはまた異な 筆者は互助会企画バス旅行「東京スカイツリー展望 と東京ソラマチ散策」の第 1 班に参加した。 4 日午後 9 時、定刻より少し早く東京に向かって出 った世界だった。 その後、ソラマチでショッピング、浅草散策など、 皆それぞれに楽しい一時を過ごした。 発した。ロンドンオリンピック会期中だったため、車 帰りは浅草を午後 1 時 30 分に出発した。徐々に遠く 内では早速サッカー観戦となった。日本はベスト 4 入 なるスカイツリーをあとに、昨晩あまり眠れなかった りを果たし、皆いい気持ちで眠りについた。 せいか、皆一斉にお休みタイムとなった。 翌朝 3 時 50 分、 「草加健康センター」に到着し、入 お天気に恵まれ、また団体予約だったので、待ち時 浴・仮眠をとった。7 時 30 分朝食を終え、バスは今回 間もなくスムーズに行程も進み、5 時間あまりの短い の目的地である東京スカイツリーへと向かい、まもな 滞在時間であったものの、十分楽しむことができた。 くその姿を望めた。近づくにつれ高さ 634m が青空に (医事課 川江美栄子記) そびえ立ち、皆感激し、車中よりシャッターを切った。 8 時に「東京スカイツリー」に到着。一度に 50 人程 乗れるエレベーターの表示が驚きの速さで変化して、 あっという間に天望デッキに着いた。エレベーターの ドアが開いた先はもう高さ 350m の展望だった。すば らしい眺めもそこそこに、天望回廊を目指して次のエ レベーターを待つ列についたが 20 分待ちのとのこと。 それでも朝早いためかスムーズに流れ、待ち時間をほ とんど感じることなくエレベーターに乗り込んだ。 そこからは 450m の天望回廊をゆっくり空中散歩。 記念撮影 東京スカイツリー 第 152 号/2012.11 金沢医科大学報 81 随 想 随 想 白山日帰り登山 −国際交流番外編− 総合医学研究所所長 竹 上 勉 登山前 9 月半ばのある日の午後、国際交流センター事務課 より急な依頼あり。 「交換留学生が白山登山を希望し ているのだが、付き添ってもらえないか」 外国からの留学生が白山登山を希望する、というこ とはこれまでには無かったこと。実は、小生は学生サ ークル「トレッキングクラブ」の顧問をしており、毎 年、本学学生 5、6 人を引き連れ(最近では引き連れら れ)、白山登山をしているのだが、上述の依頼は小生 にとっては正に大歓迎(?)の依頼であった。白山に は金沢医科大学に着任以来 30 回以上登っており、そ の魅力に惹きつけられている小生は無論二つ返事で了 承した。小生は早速、登山予定の日(9 月 22 日)のス ケジュールを変更し、登山準備にとりかかることにし た。白山登山の参加者は、交換留学生アレクセイ君(Mr. Aleksey Androsov、 バーモント大学医学部 4 年生)の他 に、ロシアから来日して間もない内視鏡科短期研修員 のデニス君(Dr. Dennis V. Gusev、 ロシア・ヤロスラブ 別当出合で、登山開始。左から筆者、大江佐乙美さん、 デニス・グセエフ医師、アレクセイ・アンドロソフ君 リ地域がん病院 内視鏡科医師)が急に加わることにな 7 時 20 分:別当出合 登山開始、皆元気。 り、さらに国際交流センター事務課の大江さんも加わ 登り始めはゆっくり進む必要あり、であったが、小 った。 (もっともこの時点では彼らの実力を若干疑っ 生(トップ)の後ろ(二番手)に位置するアレクセイ君 ていたのも事実であるが)あらかじめ何が必要か、参 の元気さに押され、少しペースが速かった(速すぎた 加者にメモ用紙を配り、さあ、いざゆかん白山へ!と かもしれない) 。案の定、登り始めの最初の 1 時間で、 なった。 デニス君は早くもダウン。汗をかく量が多い。この先、 登山の日(9 月 22 日 土曜日、秋分の日) 大丈夫かと多少の不安となる。長めの小休止をとり、 5時:早朝のスタートをあらかじめ伝えていた。し 再び出発。 かし前日21日の金曜日がアレクセイ君の交流期間の最 そこから暫く歩いた所(「覗きの場」)で休憩。覗き 後の日であり、修了証書の授与、フェアウェルパーテ の場なので景色は抜群のポジションといえる。アレク イの日であったので、朝早くの出発ができるか心配し セイ君とデニス君は下界(?)を覗いて感動していた。 ていたが、取越し苦労であった。まだ暗い中、基礎棟 9 時:甚の助小屋より少し手前の場所で休憩を長め 玄関前にアレクセイ君とデニス君は元気に姿を現した。 に 20 分くらいとった。デニス君は、次第に復活して 大学出発は予定通りの時刻であった。県庁近くの駐車 きたが、まだ様子見の状態。他の 3 人は好調。特にア 場で大江さんを乗せ、白峰、市ノ瀬をめざしドライブ。 レクセイ君は絶好調、人一倍元気であった。 7 時:市ノ瀬に到着。連休期間は市ノ瀬まで自家用 空は眩しいほどの青さで、天気はこれ以上ない状態。 車で来られるが、登山口の別当出合まではバスにて入 また周りにはこの季節にはよく見られるトリカブトの 山。バスに乗り込み砂防新道登り口のある別当出合へ。 花が満開に咲き誇っていた。トリカブトの花は空の青 登山前の元気な姿を撮影。 さにも負けぬ紺青の色で、辺り一面に咲いていた。若 【随想/資料】 金沢医科大学報 82 干の甘味補給の後、出発。 10 時:黒ボコ岩(約 2,000m ) 。アレク セイ君は先に歩きたいと希望し、元気に 先陣を切って黒ボコ岩に到着。デニス君 も復活してきた。実はこの黒ボコ岩の手 前の斜面に湧水があり、それは「命の水」 といわれ、 「一口飲むと一年寿命が延び る」といわれている。デニス君、さては 命の水を飲んだか? アレクセイ君に続き、元気の出てきた デニス君も先に歩くことになり、二人し て室堂めざし勢い良く登り始めた。 11 時:室堂に到着。ここから山頂まで は約 40 分のコース。登り道は良く整備さ れ、鼻歌交じりで登れる道でもある。途 白山御前峰に登頂 中にはイワギキョウの青い花が所々に咲 いていた。しかし、その可憐さは、元気なロシア人の 若者たちの興味を引くものではなかった。 11 時 40 分:白山御前峰(2,702 m )に登頂成功。皆、 達成感に浸っていた。アレクセイ君が勝田学長からい 15 時 10 分:アレクセイ君と小生が別当出合に到着 (室堂からの下山所要時間は 2 時間 10 分)。10 分程遅 れてデニス君と大江さんも別当出合に到着。 15 時半:別当出合からバスにて市ノ瀬に向かい、 ただいた金沢医科大学のマーク(KMU )の入ったタオ 続いて車に乗り換えて一路、白峰の温泉へ向かった。 ルとバーモント大学の旗を掲げ、記念撮影。良かった 16 時頃:白峰にて温泉で湯(ゆ)ったり休憩となっ ね、の笑顔満開。 た。30 分くらいの長風呂と休憩の時間がとれた。彼 30 分くらい休憩、昼食 。 らにとっては露天風呂の雰囲気が良かったようで、飲 12 時 10 分:下山開始。足取りも軽く、名残惜しそ み物を持ち込み長時間のんびりしていた。まだ外は明 うに白山頂上を顧みながらの下山となった。室堂にて るく、露天風呂から白山の方向には青空が見えていた。 小休止。 良い景色と露天風呂。大いに喜んでいたのは無論のこ 13 時:室堂出発。頂上からの下りと同様、午前中 の登りのしんどさとは大違いで、下りの足は軽やかな ものであった。 とである。 18 時:県庁近くの駐車場に到着。 後記 正に帰路は「跳ぶが如く」。アレクセイ君に押され 今回の白山登山の計画については準備時間が短く、 るような感じでついついスピードを出して下山してし 急ごしらえの感もしたが、その割にはトラブルもなく、 まった。通常は膝がガクガクと歌いだすのだが、今回 また予定時間よりもずっと早く山頂にたどり着き、そ は歌はなし。何とこれまでの白山登山の中で最も速く の後の下山もスムーズにできた。それは参加者がみな 下山することができ、別当出合に着くことができた。 体力に自信があったからとも言える。最初に述べたよ うに若干の不安のあった人もいたが(小生自身も年齢 的衰えもありで多少の不安は混じっていたが)、総じ て脚に自信のある人ばかりであった。しかし何より も天候に恵まれていたのは幸いであった。これもアレ クセイ君らの「仁徳のお陰」であろう。小生としても、 こうした白山登山、またその間の会話を通じての心情、 気持ちの交流は温かいものであり、少しでも彼らが和 みを感じ喜んでくれればこれに勝るものはない。ささ やかな国際交流ができたと自負している。人、天気、 白山の舞台は全て揃い、9 月 22 日の秋分の日は、正直 なところ愉快で快適な最高の一日となった。こうした 黒ボコ岩に到着 機会を与えてくれた本学関係者の方々に感謝する。 第 152 号/2012.11 金沢医科大学報 83 資 料 規程の改正・制定 金沢医科大学氷見市民病院規程 (H24.4.1 改正) 金沢医科大学氷見市民病院業務分掌規程 (H24.4.1 改正) 金沢医科大学病院医療事故調査委員会規程 (H24.7.1 改正) 廃棄物及び再利用・資源化物の適正処理に関する管理規程 (H24.8.1 改正) 大学特別管理廃棄物管理要項 (H24.8.1 改正) 病院特別管理廃棄物管理要項 (H24.8.1 改正) 病院感染性廃棄物処理計画基準 (H24.8.1 改正) 廃棄物並びにリサイクル物の処理計画基準 (H24.8.1 制定) 学校法人金沢医科大学医療割引規程 (H24.9.1 改正) 学校法人金沢医科大学事務課長会規程 (H24.9.1 改正) 医学部教授会 第 894 回(定例) 平成 24 年 7 月 12 日(木) 人事関連等議題 1 前回(第 893 回)議事録確認について 2 その他 〈報告事項〉 1 臨床教授(学外)委嘱について 2 併任について 3 非常勤講師派遣について 4 国費外国人留学生(研究留学生)の受入について 5 その他 教学関連議題 1 平成 24 年度第 1 学年次後期編入学生の履修科目について 2 その他 〈報告事項〉 1 平成 24 年度第 2 学年「看護体験実習」の実施について 2 平成 24 年度第 3 学年「救急車同乗体験実習」の実施につ いて 3 平成 24 年度第 6 学年 Advanced OSCE の実施結果につ いて 4 平成 25 年度一般入試実施に係る授業の取扱いについて 5 学生を対象とした夏季休暇中における各教室の計画に ついて 6 医師国家試験公募問題及び学内標準試験問題の作成依 頼について 7 第 107 回医師国家試験について 8 科学研究費助成事業説明会の開催について 9 その他 第 895 回(臨時) 平成 24 年 8 月 23 日(木) 人事関連等議題 1 前回(第 894 回)議事録確認について 2 その他 〈報告事項〉 1 出向について 2 出向期間短縮について 3 客員教授委嘱について 4 非常勤講師委嘱について 5 休職期間短縮について 6 移籍について 7 非常勤講師派遣について 8 短期研修員の受入について 9 その他 教学関連議題 1 その他 〈報告事項〉 1 平成 24 年度編入学試験(第 1 学年次後期編入)出願状況 について 2 平成 24 年度オープンキャンパス実施報告について 3 平成 25 年度入学試験説明会実施報告について 4 バーモント大学交換留学生の受入について 5 金沢税務署による立入調査について 6 その他 第 896 回(臨時) 平成 24 年 9 月 6 日(木) 教学関連議題 1 平成 24 年度編入学試験(第 1 学年次後期編入)合格者の 決定について 2 その他 〈報告事項〉 1 その他 第 897 回(定例) 平成 24 年 9 月 13 日(木) 人事関連等議題 1 前々回(第 895 回)議事録確認について 2 泌尿器科学教授選考委員会委員の選任について 3 その他 〈報告事項〉 1 教員採用について 2 昇任について 3 辞職について 4 非常勤講師委嘱について 5 勤務先移動について 6 非常勤講師派遣について 7 その他 教学関連議題 1 2013 年度共用試験 CBT 実施要領(案)について 2 平成 24 年度第 4 学年「臨床演習」授業計画(案)について 3 平成 24 年度第 4 学年「診断学」授業計画(案)について 4 退学願提出学生の取扱いについて 5 その他 〈報告事項〉 1 平成 25 年度特別推薦入学試験(AO 入試)出願状況につ いて 2 平成 24 年度第 1 学年「早期臨床体験実習」補習について 3 平成 24 年度第 1 学年次後期編入学生の TOEIC 受験につ いて 4 平成 24 年度第 1 学年「授業遅刻・欠席記録」の後期運用 について 5 平成 24 年度第 2 学年「看護体験実習」について 6 平成 24 年度第 5 学年第 1 回標準試験結果について 7 平成 24 年度第 6 学年 AdvancedOSCE 再試験結果につ いて 8 第 27 回「医学教育に関するワークショップ」について 9 文部科学省補助金「私立大学教育研究活性化設備整備 事業」申請状況について 10 平成 25 年度科学研究費助成事業の公募について 11 金沢税務署による立入調査について 12 その他 第 898 回(臨時) 平成 24 年 9 月 27 日(木) 人事関連等議題 1 前々回(第 896 回)及び前回(第 897 回)議事録確認につ いて 2 解剖学Ⅱ教授選考委員会委員の選任について 3 その他 〈報告事項〉 1 准教授候補者選考(昇任)について 2 教員採用について 3 辞職について 4 出向期間延長について 5 客員教授委嘱について 6 併任について 7 併任解について 8 その他 教学関連議題 1 平成 25 年度特別推薦入学試験(AO 入試)第 1 次選考合 格者の決定について 2 その他 〈報告事項〉 1 第 40 回解剖体合同追悼慰霊祭について 2 平成 24 年度内灘祭について 3 バーモント大学交換留学生受入の終了について 4 その他 【資料】 金沢医科大学報 看護学部教授会 第 104 回(定例) 平成 24 年 7 月 23 日(月) 議題 1 前回(第 103 回)議事録確認について 2 その他 <報告事項> 1 人事関係について 2 教務委員会からの報告 3 看護学部学生部連絡会からの報告 4 科学研究費助成事業説明会の開催について 5 平成 24 年度日本私立看護系大学協会総会出席報告 6 平成 24 年度看護学部後援会さくら会総会の報告 7 図書館運営委員会からの報告について 8 研究活性化委員会からの報告について 9 その他 第 105 回(定例) 平成 24 年 8 月 20 日(月) 議題 1 前回(第 104 回)議事録確認について 2 電子シラバス導入について 3 その他 〈報告事項〉 1 人事関係について 2 教務委員会からの報告 3 看護学部学生部連絡会からの報告 4 国家試験対策委員会からの報告 5 研究活性化委員会からの報告 6 助産師選択履修者選考委員会からの報告 7 平成 25 年度編入学試験(3 年次編入)出願状況について 8 平成 24 年度オープンキャンパス実施報告について 9 その他 第 106 回(臨時) 平成 24 年 8 月 29 日(水) 議題 1 平成 24 年度助産師選択履修者選考試験合格者の判定に ついて 2 その他 〈報告事項〉 1 人事関係について 2 その他 第 107 回(臨時) 平成 24 年 9 月 7 日(金) 議題 1 平成 25 年度看護学部編入学試験合格者の判定について 2 その他 第 108 回(定例) 平成 24 年 9 月 24 日(月) 議題 1 前回(第 105・106・107 回)議事録確認について 2 退学願提出学生の取り扱いについて 3 平成 23 年度後期保留科目及び再履修科目(疾病治療論) の単位認定について 4 看護学部入学試験実施規程の一部改正について 5 その他 〈報告事項〉 1 人事関係について 2 平成 25 年度入学定員増の認可(文部科学省)について 3 教務委員会からの報告 4 看護学部学生部連絡会からの報告 5 北陸三県高等学校再訪問の実施について 6 FD 委員会からの報告 7 看護研究委員会からの報告 8 平成 25 年度科学研究費助成事業の公募について 9 平成 24 年度助産師選択履修者選考結果について 10 国際異文化看護実習の報告について 11 国家試験対策委員会からの報告 12 その他 84 大学院医学研究科教授会 第 418 回 平成 24 年 7 月 12 日(木) 議題 1 前回(第 417 回)議事録確認について 2 学位授与の可否決定について 3 平成 25 年度大学院医学研究科学生募集要項(案)につい て 〈報告事項〉 1 平成 24 年度北陸がんプロ補助事業実施に係る企画募集 について 2 平成 24 年度課程博士学位申請に係る協力依頼について 総合医学研究所教授会 第 272 回 平成 24 年 7 月 19 日(木) 審議事項 1 前回(第 271 回)教授会議事録の確認について 2 総合医学研究所関連規程の改正(案)について 3 その他 〈報告事項〉 1 人事関係について 2 総合医学研究所のホームページについて 3 科学研究費助成事業説明会について 4 ひらめき☆ときめきサイエンスについて 5 次回教授会について 6 その他 第 273 回 平成 24 年 9 月 13 日(木) 審議事項 1 前回(第 272 回)教授会議事録の確認について 2 総合医学研究所関連規程の改正(案)について 3 施設・機器使用申請者(学外者)について 4 平成 24 年度実験動物慰霊祭の開催について 5 平成 25 年度市民公開セミナーについて 6 その他 〈報告事項〉 1 外国出張について 2 市民公開セミナーについて 3 金沢税務署による立入検査について 4 平成 25 年度科学研究費助成事業の公募について 5 第 2 回 KaMRI セミナーの開催について 6 次回教授会について 7 その他 金沢医科大学報 第 152 号/2012.11 85 平成 24 年度 教育職員国際学会発表一覧(上半期) (医学部) 氏名・職名所属 開催国 期間 学術集会名・発表演題名 元雄良治教授 腫瘍内科学 ドイツ H24.4.11∼15 1st meeting of ISO/TS249/WG2 「Japanese proposal to ISO/TS249/WG2 」 川﨑康弘教授 精神神経科学 イタリア H24.4.12∼23 3rd Biennial Schizophrenia International Research Society Conference Schizophrenia 「Longitudinal voxel-based morphometric study examining progressive gray mater changes in first-episode schizophrenia 」 立花 修特任教授 脳神経外科学 米国 H24.4.14∼19 80th ANNS Annual Scientific Meeting 「A clinical feature and therapeutic strategy of pituitary adenoma associated with intracranial aneurysms」 笹川泰生助教 脳神経外科学 米国 H24.4.14∼19 同上 芝本利重教授 生理学Ⅱ 米国 H24.4.19∼25 Experimental Biology 2012 「The effect of systemic anaphylaxis on mesenteric lymph flow in anesthetized rats」 福井清数助教 整形外科学 米国 H24.4.24∼29 International Congress for Joint Reconstruction 「Mean ten-year wear comparison between conventional and highly cross-linked polyethylene against a zirconia head 」 利波久雄教授 放射線医学 オーストラリア H24.5.5∼13 宮澤克人特任教授 泌尿器科学 ブラジル H24.5.5∼14 12th International Symposium on Urolithiasis 「Expression and function of Protease-activated receptors in renal tubular epithelial cells 」 中井 暖助教 泌尿器科学 ブラジル H24.5.5∼14 同上 佐々木 洋教授 眼科学 米国 H24.5.5∼12 The Association for Research in Vision and Ophthalmology 「Study of acute ocular damage threshold of 40GHz millimeter wave 」 久保江理特任教授 眼科学 米国 H24.5.5∼12 The Association for Research in Vision and Ophthalmology 「Sulforaphanr mobilizes cellular antioxidant defenses that protect lens epithelial cells against damage by UV sadiatiation and rat cataract 」 初坂奈津子助教 眼科学 米国 H24.5.6∼12 The Association for Research in Vision and Ophthalmology 「Relationship between reading performance of the elderly eye movements 」 福田正道講師 眼科学 米国 H24.5.7∼11 The Association for Research in Vision and Ophthalmology 「Influence of antiglaucoma fixed combination drugs to the cornea and aqueous humor concentration of timolol maleate in rabbits」 森山 学准教授 泌尿器科学 ブラジル H24.5.7∼14 12th International Symposium on Urolithiasis 「Expression and function of Protease-activated receptors in renal tubular epithelial cells 」 有沢富康教授 消化器内科学 米国 H24.5.18∼24 DDW2012 「The-449C>G polymorphism of NFKB1 gene,coding unclear factorkappa-B,is associated with susceptibility to ulcerative colitis」 白枝久和准教授 消化器内科学 米国 H24.5.18∼24 DDW2012 「Effects of -1018 G>A polymorphism of HRH2 gene,coding histamine H2 receptor,on hypermethylation of CDH1 gene in human gastric mucosa」 利國信行講師 消化器内科学 米国 H24.5.18∼24 DDW2012 「Serum albumin levels is the best predictor of recurrence and survival after radiofrequency ablation of single small hepatocellular carcinoma in hepatitis C patients 」 尾﨑一晶学内講師 消化器内科学 米国 H24.5.18∼24 DDW2012 「Effects of HRH2-1018 G>A polymorphism(rs2067474)on the progression of chronic gastritis 」 松永和大助教 消化器内科学 米国 H24.5.18∼24 DDW2012 「A polymorphism re7521584 in pre-miR200s genes is closly associated with the progression of chronic gastritis」 林 伸彦助教 消化器内科学 米国 H24.5.18∼24 DDW2012 「SCN10A gene polymorphisms are closly associated with the risk of functional dyspepsia in Japan 」 水野史朗講師 呼吸器内科学 米国 H24.5.19∼24 「Inhibition of focal adhesion kinase American Thoracic Society Annual Conference 2012 couses emphysema in rat lung」 元雄良治教授 腫瘍内科学 韓国 H24.5.19∼25 ISO/TC249 3rd Plenary meeting 「General requirements regarding safety and quality of manufacturing processes for finished products 」 The International Society for Magnetic Resonance in Medicine 20th Annual Meeting 「Efficacy of diffusion-weighted MR Imagine and PET/CT for predicting tumor response to chemoradiation therapy in squamous cell carcinoma of head and neck」 影近謙治特任教授 インドネシア H24.5.20∼23 The 3rd Asia-Oceanian conference of Physical and Rehabilitation Medicine リハビリテーション医学 「Pain measurement of stroke patients by skin impedance 」 三輪高喜教授 シンガポール H24.5.23∼27 耳鼻咽喉科・頭頸部外科学 15th Asian Research Symposium in Rhinology 「Practical aspects of olfactory disorders: diagnosis, testing and treatment 」 梶波康二教授 循環器内科学 80th EAS Congress 「Cholesterol absorption/synthesis markers and additional LDL cholesterol-lowering after atorvastatin standard dose therapy:comparison between doubling dose and ezetimibe combination 」 イタリア H24.5.25∼29 【資料】 氏名・職名所属 金沢医科大学報 開催国 期間 86 学術集会名・発表演題名 姫田敏樹講師 微生物学 フランス H24.6.2∼9 Europic2012 「Reverse genetics of saffold virus 」 北楯優隆助教 放射線医学 米国 H24.6.8∼15 7th Congress of the International Federation of Shock Societies 「Portal venular constriction during anaphylactic shock in anesthetized rats 」 大黒正志講師 高齢医学 米国 H24.6.9∼14 26th Associated Professional Sleep Societies 「Noninvasive detection of sleep/wake changes in orexin/ataxin-3 genic narcoleptic mice across the disease onset」 望月 隆教授 皮膚科学 ドイツ H24.6.10∼17 小島清登研究医 皮膚科学 中国 H24.6.12∼16 2nd Eastern Asia Dermatology Congress 「A case of hereditary angioedema type1 with blisters 」 西部明子准教授 皮膚科学 中国 H24.6.13∼17 同上 芝本利重教授 生理学Ⅱ 米国 H24.6.18∼15 7th Congress of the International Federation of Shck Societies 「The systemic anaphylaxis and mesentericlymph flow in anesthetized 」 三輪高喜教授 ドイツ 耳鼻咽喉科・頭頸部外科学 H24.6.21∼27 XVI International Symposium on Olfaction and Taste 「Quality of life in patients with loss of smell or taste 」 志賀英明講師 ドイツ 耳鼻咽喉科・頭頸部外科学 H24.6.22∼28 XVI International Symposium on Olfaction and Taste 「Clinical diagnosis of the olfactory nerve transport function 」 牧野田 知教授 産科婦人科学 H24.6.29∼7.10 28th Annual Meeting of European Society of Human Reproduction and Embryology (ESHRE)and meeting for further research project 「Granulocyte colony-stimulating factor(G-CSF)prevents LUF in clomiphene treatment」 トルコ 18th Congress of the International Society for Human and Animal Mycolog 「Outbreaks of community-acquired and nosocomial dermatophytosis in Japan 」 津田龍佑講師 ベルギー 生命科学科目(体育学) H24.7.2∼9 Conference of European Ministers responsible for Sport 「The effect of the soccer class talking into account improvement in physical fitness: Focusing on games with changes in pitch aria aer player 」 伊藤 透臨床教授 内視鏡科 ロシア H24.7.2∼6 Management of Precancerous Conditions and Lesions in the Stomach International Endoscopy Workshop 「Endoscopical diagnosis and ESD for early gastric cancer」 立花 修特任教授 脳神経外科学 中国 H24.7.13∼16 The 5th international neurosurgical conference Harbin, China 「Clinical significance of branches on extended transsphenoidal surgery 」 森山 学准教授 泌尿器科学 ドイツ H24.7.14∼20 24th International Congress of The Transplantation Society 「Unilateral urological double cancer after kidney transplantation 」 中井 暖助教 泌尿器科学 ドイツ H24.7.14∼20 同上 長内和弘特任教授 呼吸器内科学 米国 H24.7.20∼28 FASEB SUMMERC CONFERENCE 「Exogenous expression of lysophosphatidylcholine acyltransferase 1 inhibits oxidant-induced alveolar type Ⅱ cell death primary culture and ameliorates oleic acid-induced acute lung injury in rats 」 久保江理特任教授 眼科学 ドイツ H24.7.21∼26 XX Biennial Meeting of the International Society for Eye Research 「Peroxiredoxin 6 and its induction by sulforaphane upregulates cellular antioxidant defense signaling and prevention of cataract in rat lens」 H24.8.25∼30 18th International Conference on Biomagnetism 「Objective judgment of the noticed sound in mixed sounds using a coherence function between brain signal and sound envelop by MEG 」 鈴鹿有子特任教授 フランス 耳鼻咽喉科・頭頸部外科学 西条旨子准教授 公衆衛生学 オーストラリア H24.8.25∼9.1 Dioxin 2012 「1.Dioxin exposure and infant neurodevelopment -A follow up study in Vietnamese infants- 2.Effects of dioxins exposure on social emotional behavior of children living in a hot spot area,Vietnam 」 河合康幸准教授 循環器内科学 ドイツ H24.8.25∼31 European Society of Cardiology Congress 2012 「Potential roles taurine and beta-alanine in atrial fibrillation 」 藤林幸輔助教 循環器内科学 ドイツ H24.8.25∼31 同上 佐久間 勉教授 呼吸器外科学 オーストリア H24.8.30∼9.6 ERS Annual Congress Vienna 2012 「Global histone H3 lysine 4(H3K4 ) dimethylation is an important prognostic factor in lung cancer 」 山川淳一講師 総合内科学 オーストリア H24.8.31∼9.8 13th International Congress of the society for Ethnopharmacology 「The Kanpo medicines have different activities to regulate gene expression differentiated rat white adipocytes 」 守屋純二講師 総合内科学 オーストリア H24.8.31∼9.8 同上 町田雄一郎助教 呼吸器外科学 オーストリア H24.9.1∼6 ERS Annual Congress Vienna 2012 「Global histone H3 lysine 4(H3K4 ) dimethylation is an important prognostic factor in lung cancer 」 吉竹佳の准教授 生化学Ⅱ スペイン H24.9.2∼10 37th FEBS Congress 「Increased expression of Epac2 during in vitro tube formation of human microvascular endothelial cells 」 H24.9.5∼9 The 7th International Symposium on Alcoholic Liver and Pancreatic Diseases and Cirrhosis 「Acetaldehyde-derived advanced glycation end-products promote alcoholic liver disease 」 Joseph George 講師 中国 消化器内科学 金沢医科大学報 第 152 号/2012.11 氏名・職名所属 開催国 期間 87 学術集会名・発表演題名 杉森端三講師 整形外科学 台湾 赤井卓也特任教授 脳神経外科学 オーストラリア H24.9.8∼13 40th Annual meeting of the ISPN 「The chronological changes in surgical method,and the comparison treatment costs and hospitalization periods between conventional and distraction osteogenesis for non-syndromic craniosynostosis 」 佐々木 洋教授 眼科学 イタリア H24.9.8∼13 XXX congress of the ESCRS 「Types of cataract and change of crystalline lens power and refractive power -Reykjavik Eye study- 」 早稲田智夫講師 産科婦人科学 デンマーク H24.9.9∼13 22nd World Congress on Ultrasound in Obstetric and Gynecology 「Evaluation of the transcatheter arterial infusion of CDDP as neoadjuvant chemotherapy for cervical cancer by MRI and its prognosis 」 瀬上夏樹教授 顎口腔外科学 クロアチア H24.9.9∼18 牧野田 知教授 産科婦人科学 デンマーク H24.9.10∼16 22nd World Congress on Ultrasound in Obstetric and Gynecology 「Prenatal diagnosis of fetal respiratory function: Evaluation of fetal lung maturity using lung-to-liver signal intensity ratio at magnetic resonance imaging 」 田中惠子特任教授 神経内科学 中国 H24.9.13∼15 Fifth Congress of the Pan-Asia Committee 「A large Japanese cohort study for AQP4 antibody-positive cases 」 兼氏 歩准教授 整形外科学 イタリア H24.9.16∼23 Europe Hip Society 10th congress 「Joint preservation rate 18-22 years after rotational acetabular osteotomy for developmental hip dysplasia 」 福井清数助教 整形外科学 イタリア H24.9.16∼23 Europe Hip Society 10th congress 「Is there necessarily a correlation between the crossover sign and osteoarthritis over a two decade period? 」 H24.9.6∼10 Zimmer 7th Asia Pacific Orthopaedics Symposium 「Total knee arthroplasty in a patient with bilateral charcot knees -A case report- 」 XXI Congress of the European Association for Cranio-Maxillofacial Surgery 「Surgical reduction for TMJ dislocation via simplified direct approach technique-A survey of 40 patients」 (看護学部) 氏名・職名所属 小島正美教授 看護学部 開催国 期間 学術集会名・発表演題名 米国 H24.5.6∼12 The Association for Research in Vision and Ophthalmology 「Study of acute ocular damage threshold of 40 GHz millimeter wave 」 小島正美教授 看護学部 韓国 H24.5.17∼20 2012 Korea-Japan EMT/EMC/BE joint Conference 「Ocular temperature measurement during 40 GHz exposure to rabbit 」 藤井亮太准教授 看護学部 トルコ H24.7.1∼6 The 28th of Annual Meeting of the ESHRE 「Granulocyte colony-stimulating factor(G-CSF )prevents LUF in clomiphene treatment 」 小島正美教授 看護学部 イタリア H24.9.18∼22 EMC EUROPE 2012 ROMA-SYMPOSIUM AT A GLANCE 発表「Investigation of ocular temperature change in rabbits during 40 GHz band exposure 」 北岡和代教授 看護学部 イギリス H24.9.22∼29 18th International Network for psychiatric Nursing Research(NPNR )Conference 発表「Mental health nursing research on the Japanese employees 」 小島正美教授 看護学部 オーストラリア H24.9.23∼29 IRMMW-THZ 2012 「Investigation of acute ocular damage threshold of 40 GHz millimeter wave on rabbit 」 (総合医学研究所) 氏名・職名所属 開催国 期間 学術集会名・発表演題名 佐々木 洋教授 特別研究部 環境原性視覚病態研究部 米国 H24.5.5∼12 The Association for Research in Vision and Ophthalmology 「 Study of acute ocular damage threshold of 40 GHZ millimeter wave 」 小島正美教授 特別研究部 環境原性視覚病態研究部 米国 H24.5.6∼12 同上 藤川孝三郎教授 生命科学研究領域 細胞医学研究分野 ドイツ H24.6.23∼29 XXⅦ International Congress of the International Society for Advancement of Cytometry 「Polyploid H1 embryonic stem cells with nanog over-expression」 金沢医科大学報 88 第 152 号/ 2012.11 89 金沢医科大学報 金沢医科大学学術振興基金募金について 金沢医科大学学術振興基金募集趣意書 本学は、日本海側では初めての私立医科大学として、昭和 47 年に設立され、倫理に徹した人間性豊かな良医を育成する こと、医学の深奥をきわめ優れた医療技術を開拓すること、人類社会の医療と福祉に貢献することを建学の精神として掲 げて着実に歩み続けてまいりました。 大学、特に医科大学は国の内外を問わず日進月歩の医学・医療をリードする大切な役割を担っていることは皆様充分に ご承知のことであります。本学でも最高の教育・研究設備に加えて、先進医療機器の充実に意を尽くすとともに、基礎・ 臨床医学講座並びに総合医学研究所の各部門において、医学の進歩に貢献できる人材の育成と研究の推進に日夜努力いた しております。 教育面では、教育スタッフとしてすぐれた人材を配し、学生の教育に専念しており、昭和 53 年に第 1 回の卒業生が誕生 して以来、数多くの医師を世に送り出し、それぞれ国内国外の医学・医療の最先端で活躍しております。 研究面では、平成元年に従来の人類遺伝学研究所、熱帯医学研究所及び共同研究室を母体とし、難病治療など医療の先 端的な分野の開拓を目的とした総合医学研究所を設置し、臓器置換・難治疾患・癌・人類遺伝学・熱帯医学・基礎医学・ 共同研究の各部門を中心にプロジェクト研究の推進を図っております。また、国際舞台においても躍進を続けており、欧 米の一流大学や研究所との研究員の交流、海外からの研究員・留学生の受け入れなどを通じて国際レベルの学術環境の整 備にも意を尽くしております。 診療面では、金沢医科大学病院は日本海側随一の規模を誇るまでに成長し、最新の医療機器を整備し、医学教育のみな らず、文字どおり地域医療の基幹病院として順調に発展し、地域社会の要請に応えるべく最新レベルの医療サービスを提 供することにも十分な配慮をしてまいりました。 また、国際医療協力隊の派遣、世界各地域の種々の難病に対する国際医療協力に早くから取り組み、わが国の医科大学 の中ではトップクラスの実績を持っております。 しかしながら、この様な積極的な教育、学術及び医療活動を維持継続していくためには巨額の資金が必要で、学納金、 国庫補助金、附属病院の医療収入などの収入だけでは健全な経営は不可能であり、教育、研究、診療活動を萎縮させる恐 れがあります。 このために、本学では文部科学省の許可を得て学術振興基金の募集を行っており、広く本学教職員、卒業生、学生の父 兄をはじめ、民間企業、篤志家の多くの皆様のご支援をお願い申し上げる次第であります。 日進月歩の医学の進歩に即応した最新の教育、研究及び診療環境を維持するにとどまらず、未来に向けてさらなる貢献 と飛躍を目指して、全学を挙げて努力いたし、社会的使命を果たし得たいと念願しております。 本趣旨にご理解、ご賛同を頂き、ご協力を賜りますれば誠に幸甚に存じます。 学校法人金沢医科大学 理事長 竹 越 襄 募集要項 学術振興基金は次の要領で広く一般の方々からご協力をお願いしております。 1. 目 的: 金沢医科大学の教育・研究の振興と医 療の充実のため活用させていただきます。 2. 目標額: 10 億円 3. 募集先: 在学生、同窓生及びその父兄、教職員、 一般有志者並びに医学研究機関及び医療関係企 業・団体等 4. 学術振興基金へのご寄付は、「特定公益増進法人寄 付金(個人のご寄付)」及び「受配者指定寄付金(法 人のご寄付)」による所得税、法人税の優遇措置を 受けることが出来ます。 5. 応募方法: 寄付申込書等を本学教育研究事業支 援課あてにご請求ください。折り返し、手続方法、 税務に関することなどについてご説明いたします。 TEL 076-286-2211 内線 2720 ∼ 2724 FAX 076-286-8214 金沢医科大学教育振興資金・金沢医科大学学術振興基金寄付者ご芳名(過去 1 年間の分、敬称略) 鈴木 比佐(大阪府) 政岡 陽文(富山県) 前川 裕(富山県) 中島 研一(福岡県) 太田 卓(香川県) 土屋 英治(愛知県) 山地 博(香川県) 岡本 芳郎(滋賀県) 木内 夏生(千葉県) 望月 和子(群馬県) 森永 哲文(広島県) 髙橋 龍二(東京都) 平川 知之(石川県) 医療法人 柳沢活道ケ丘診療所(京都府) 医療法人 仁医会 釜石のぞみ病院(岩手県) 医療法人中村皮フ科(三重県) 日本メドトロニック㈱(東京都) 【募金】 90 金沢医科大学報 金沢医科大学創立 40 周年記念事業募金のお願い 本学は平成 24 年に創立 40 周年を迎えることになります。これを記念して、平成 26 年度末までを「第一次 5ヵ年 計画」の期間とする下記の金沢医科大学創立 40 周年記念事業を計画いたしました。 1.金沢医科大学グランドデザイン第 1 次 5ヵ年計画 (1 )アナトミーセンターの建設 (2 )臨床教育研修センター(仮称)の建設 (3 )医学教育棟の建設 (4 )病院 1 号棟の建設 2.金沢医科大学氷見市民病院整備支援事業 これらの事業を主体とした創立 40 周年記念事業には多額の費用が予測されており、皆様のご協力をいただきた く下記のとおり募金を展開することになりました。絶大なご支援をお願い申し上げます。 趣意書 金沢医科大学は、昭和 47 年(1972 年)に当時予測された医師不足を改善するための国の施策のもと金沢市に近 い内灘の地に開学いたしました。 日本海側ではただ一つの私立医科大学であり、開学以来多くの関係者の努力や皆様からのご支援によって、 来る平成 24 年(2012 年)には開学 40 周年を迎えることになります。 本学は、 「良医を育てる」 「知識と技術をきわめる」 「社会に貢献する」という建学の精神のもとに、開学以来、 教育、診療、研究活動を通じて広く医学・医療の発展と次世代の医学・医療の担い手の育成に努力してまいり ました。その結果、開学以来 3,200 名を超える医師と 2,000 名に及ぶ看護師を世に送り出し、社会に大いに貢献 してきたところです。 皆様ご存じのように、わが国の医科系大学は国立、公立、私立の大学があり、本学は私立の医科大学であります。 国立および公立の大学は公的資金によって運営されておりますが、私立の大学は私的な財産の寄付で運営され ており、現在のきびしい国庫から私立医科大学の帰属収入に対する補助金の比率は 4%程度という状況であるの が現実です。そのような中で本学は、社会への貢献を目指して良き医療人の育成、優れた研究、高度医療と安 全かつ良質の診療活動を行ってきております。 私どもは、今後も建学の精神にのっとり、社会への貢献を真摯に考えてこれを達成してゆくために、本学の 長期構想について検討し、事業計画として金沢医科大学グランドデザイン計画を立ち上げました。さし当って 金沢までの新幹線が開業する平成 26 年度末(2014 年度末)までを第 1 次 5ヵ年計画の期間として、新アナトミー センター、臨床教育研修センター (仮称)、医学教育棟、病院 1 号棟などの建設を検討し、実現させる態勢を立ち 上げております。これらは大学の長期構想の線上での計画であり、もちろん経費の節約や財政措置を考えつつ、 資金確保のため広くご寄付をお願い申し上げる次第です。 皆様方には本学の社会貢献にどうかご理解をいただきご協力、ご支援をいただきたくお願い申し上げます。 平成 23 年 4 月吉日 学校法人 金沢医科大学 理事長 竹 越 襄 学 長 勝 田 省 吾 募集要項 寄付金の性格により手続上、個人対象の場合と法人対象の場合に区別されております。 1. 基金目標額 2. 募 集 期 間 3. 申 込 方 法 4. 税制上の待遇 15 億円 平成 22 年 11 月 1 日∼平成 25 年 10 月 31 日 個人用、法人用、それぞれの寄付申込書の所定の欄に必要事項をご記入の上、教育研究事業 支援課へご提出願います。 特定公益増進法人寄付金制度と受配者指定寄付金制度により、税制面での優遇があります。 詳細については、金沢医科大学総務部教育研究事業支援課へお問い合わせください。 TEL 076(286 )2211 内線 2720∼2724 FAX 076(286 )8214 第 152 号/ 2012.11 91 金沢医科大学報 創立 40 周年記念事業募金寄付者ご芳名(敬称略) (平成 24 年 4 月 1 日から平成 24 年 9 月 30 日までで掲載の承諾を得た方のみ) 平成 24 年 9 月 30 日現在 募金総額 427,301,000 円 募金者数:個人 474 件、 法人 183 件 〈個 人〉 竹越 襄(石川県) 川上 重彦(石川県) 奥名 洋明(石川県) 木村 晴夫(石川県) 浅野 稔(広島県) 伊川 廣道(石川県) 生駒 尚秀(石川県) 石田 徳人(神奈川県) 今村 吉克(石川県) 魚谷 儀一(石川県) 及川陽三郎(石川県) 大澤 学(石川県) 岡宗眞一郎(三重県) 小野木 豊(石川県) 葛西 款(宮城県) 兼氏 歩(石川県) 河西 研一(静岡県) 岸邊 美幸(石川県) 北村 修(石川県) 日下 一也(石川県) 鍬先清一郎(長崎県) 河野 美幸(石川県) 小西 啓子(富山県) 小堀 泰史(石川県) 紺家千津子(石川県) 酒井 博史(石川県) 坂野 邦雄(石川県) 佐藤 博之(福井県) 柴垣 芳明(富山県) 東海林博樹(石川県) 新谷 博明(石川県) 曽根 純之(秋田県) 髙田 稔(石川県) 竹内 洋子(石川県) 田代 秋一(富山県) 谷口 芳子(静岡県) 辻本 幹夫(石川県) 堤 理華(石川県) 寺島賢二郎(山形県) 百成 富男(石川県) 中川 邦子(石川県) 中田 興満(石川県) 中村 和子(石川県) 中山 治樹(京都府) 西川 正(石川県) 西本 雅彦(京都府) 羽根 淳治(東京都) 原 靖(埼玉県) 疋島 寛(石川県) 藤井 正則(富山県) 舟坂 雅春(富山県) 堀井 勲(富山県) 舛井 昭秀(石川県) 松岡 初文(三重県) 髙島 茂樹(石川県) 山下 公一(石川県) 篠原 治道(富山県) 相川 広一(石川県) 浅野 定弘(滋賀県) 池田 崇之(石川県) 石井 正憲(北海道) 石橋 隆治(石川県) 岩井 邦充(石川県) 薄田 勝男(石川県) 王 璐(石川県) 大橋 力(石川県) 岡本 真一(石川県) 御舘 將夫(石川県) 笠間 孝一(石川県) 金子 尚仁(山形県) 川原 範夫(石川県) 岸本 一夫(兵庫県) 北村 佳子(石川県) 久能 正之(福岡県) 小泉 尚子(福井県) 神戸 晃男(石川県) 小林 勝雄(新潟県) 小室 明人(石川県) 齋藤 人志(石川県) 坂口 治(長野県) 坂元 仁志(石川県) 真田 洋子(石川県) 芝本 利重(石川県) 定舎 良一(石川県) 新冨 芳治(鹿児島県) 台蔵 晴久(石川県) 髙橋 基浩(石川県) 竹上 勉(石川県) 多田 博行(長野県) 玉川 泰浩(奈良県) 津田 志朗(石川県) 坪内 譲(石川県) 寺田 為義(富山県) 土岐 宗利(群馬県) 中川 秀昭(石川県) 永田 勝宏(石川県) 中村 常之(石川県) 辺本智恵美(石川県) 西部 明子(石川県) 野澤 幸雄(石川県) 浜江紀美代(石川県) 原澤 博文(三重県) 氷見 祐二(石川県) 藤井 道孝(山梨県) 古府 伸也(石川県) 堀越健太郎(群馬県) 舛井 美紀(石川県) 松下外志雄(石川県) 松本 忠美(石川県) 宮村 栄一(石川県) 坂本 滋(石川県) あいはら友子(東京都) 安土 幸恵(富山県) 池田 法子(石川県) 石垣 靖人(石川県) 出雲 栄(石川県) 上田 正博(石川県) 浦田 哲郎(富山県) 大井手弘純(東京都) 大山 充徳(群馬県) 奥田 隆彦(大阪府) 恩道 正博(石川県) 梶川 昌幸(富山県) 亀井 淳平(石川県) 神林 敦彦(岩手県) 北岡 和代(石川県) 北森久美子(石川県) 久保 江理(石川県) 小泉 雅紀(奈良県) 小坂 健夫(石川県) 小林 誠(石川県) 小森 明彦(滋賀県) 佐伯 牧彦(新潟県) 坂口友紀子(石川県) 佐川 元保(石川県) 佐野 泰彦(石川県) 渋谷 進(茨城県) 庄野紀代美(石川県) 杉森 端三(石川県) 髙木 俊宏(石川県) 高橋 喜統(石川県) 武田 久美(石川県) 立原 弘章(千葉県) 唐 尚子(北海道) 土田 英昭(石川県) 津本 明信(石川県) 寺中 信夫(石川県) 利波 久雄(石川県) 中川 博幾(福井県) 中谷 渉(石川県) 中村 利美(石川県) 奈良崎友子(石川県) 西部 泰弘(石川県) 橋本 外次(石川県) 浜崎 孝子(石川県) 原島 完司(石川県) 平山恵美子(石川県) 藤井 衛之(石川県) 古本 郁美(石川県) 本田 俊幸(石川県) 升谷 一宏(石川県) 松田 健志(石川県) 中農 理博(石川県) 大島 譲二(埼玉県) 飯塚 秀明(石川県) 青野 允(北海道) 雨池ゆかり(富山県) 池田 昌弘(石川県) 石﨑 宏(石川県) 出雲 淳子(石川県) 上田 善道(石川県) 浦野 豊(長野県) 大久保優子(石川県) 岡田 正人(石川県) 奥村 信一(石川県) 加賀谷文秋(秋田県) 梶波 康二(石川県) 川﨑 康弘(石川県) 菊池 哲(静岡県) 北川 純子(石川県) 木下 英理(石川県) 熊井 惠美(北海道) 小泉 由美(石川県) 小島ひとみ(富山県) 小平 俊行(石川県) 小柳久美子(東京都) 竿下 純子(富山県) 坂田 慎一(富山県) 鷺谷 昌夫(埼玉県) 三治 秀哉(石川県) 島田 賢一(石川県) 庄野 浩史(石川県) 鈴木 孝治(石川県) 高瀬 悦子(富山県) 田川 俊範(石川県) 武部 秀人(石川県) 田中 惠子(石川県) 津川 龍三(石川県) 土屋 英治(愛知県) 鶴見 隆史(東京都) 土井 悠人(富山県) 長江 康(埼玉県) 中川美枝子(石川県) 中平 雄二(大阪府) 中村ひろみ(石川県) 西尾 明子(石川県) 西前 忠英(大阪府) 八田 稔久(石川県) 浜崎 優子(石川県) 東 妙美(石川県) 福村 敦(石川県) 藤田 知三(福井県) 堀 有行(石川県) 牧野田 知(石川県) 町野 千秋(東京都) 松田 久夫(石川県) 勝田 省吾(石川県) 吉田 勝明(神奈川県) 小田島粛夫(石川県) 朝倉 善史(石川県) 有沢 晴美(富山県) 池田 行雄(石川県) 石田 豊司(石川県) 今田 直孝(富山県) 植村 功(東京都) 衛藤 眞理(大分県) 大笹 清則(富山県) 岡野喜久一郎(山口県) 小田 公子(大阪府) 影近 謙治(石川県) 門平 充弘(石川県) 川嶋 政広(石川県) 菊池 博幸(宮城県) 北川 秀機(富山県) 清川 悦子(石川県) 黒澤 明充(山形県) 甲野 裕之(石川県) 後藤 知子(石川県) 小堀三栄子(石川県) 小山 吉昭(富山県) 坂井 恵子(石川県) 坂田 真一(石川県) 佐藤 勝明(石川県) 篠田 謙一(東京都) 清水 豊(石川県) 白濱 芳男(大阪府) 瀬戸 恵美(新潟県) 高田 智子(石川県) 田口 久雄(石川県) 武部瑠里子(石川県) 谷口 充(石川県) 辻村亜希子(石川県) 堤 幹宏(石川県) 寺井 明夫(石川県) 百成智津枝(石川県) 中川 淳(石川県) 中島 素子(石川県) 中村 晃(石川県) 中村 行男(福井県) 西尾 眞友(石川県) 西村 憲司(石川県) 花田 一美(福岡県) 林 哲朗(石川県) 東 伸明(石川県) 藤井 寛三(山口県) 舟木 洋(石川県) 堀 愉(石川県) 政氏 藤玄(石川県) 松井 優子(石川県) 松田 博男(石川県) 【募金】 松葉慎太郎(石川県) 水谷 謙二(静岡県) 宮下あき子(石川県) 宮東 利恵(石川県) 村井 幸美(石川県) 元雄 良治(石川県) 森田 礼時(石川県) 安原 稔(石川県) 山下 敏彦(北海道) 山本 健司(石川県) 横山 仁(石川県) 米田 正明(石川県) 92 金沢医科大学報 松原 純一(岐阜県) 溝口 義人(福岡県) 宮下 裕至(石川県) 宮村 利雄(石川県) 村上 英徳(石川県) 森 茂樹(石川県) 森永 哲文(広島県) 柳田 善為(石川県) 山下 昌信(石川県) 山本 千勢(石川県) 吉田 和幸(石川県) 和田 正美(石川県) 〈法 人〉 ㈱アートフード(石川県) ㈱アクト(石川県) 粟津歯科医院 久保伸一郎(石川県) 石川日野自動車㈱(石川県) ㈱井上誠昌堂(富山県) 医療法人 霞水会 土浦厚生病院(茨城県) 医療法人 川上医院(福井県) 医療法人 沢村内科(大阪府) 医療法人 原外科医院(福岡県) 医療法人 古野整形外科麻酔科クリニック(福岡県) 医療法人 明峰会(福井県) 医療法人 悠々会 内田クリニック(埼玉県) 医療法人社団 秋山クリニック(石川県) 医療法人社団 沖野会(石川県) 医療法人社団 喜生会 木戸クリニック(富山県) 医療法人社団 広栄会 厚木循環器・内科クリニック(神奈川県) 医療法人社団 中央会 金沢有松病院(石川県) 医療法人社団 東野会東野病院(石川県) 医療法人社団 ふらの西病院(北海道) 医療法人社団 三浦内科医院(新潟県) 医療法人社団 藤聖会 八尾総合病院(富山県) 医療法人社団 光仁会 木島病院(石川県) ㈲インターニクス北陸(石川県) ㈱エネサーブ北陸(福井県) 小川医院(石川県) ㈱金沢ニューグランドホテル(石川県) 金沢医科大学北辰同窓会(石川県) 金沢社会保険病院(石川県) ㈱カワサキマシンシステムズ(大阪府) ㈱紀伊國屋書店(東京都) クリタ・ケミカル北陸㈱(富山県) 公立羽咋病院(石川県) 国民健康保険 志雄病院(石川県) ㈱坂田亀巣堂(石川県) 社会保険 高岡病院(富山県) 鈴木建設㈱(石川県) ㈱損害保険ジャパン(石川県) 大和電建㈱(福井県) 医療法人 白百合会 武生記念病院(福井県) ㈱辻さく(石川県) ㈱トーショー (東京都) ㈱中島建築事務所(石川県) ㈱ニチイ学館 金沢支店(石川県) 日本海ビューティ㈱(石川県) 野村證券㈱金沢支店(石川県) 浜本造園(石川県) ㈱ビー・エム・エル(東京都) 丸岡 秀裕(東京都) 南 暢彦(石川県) 宮下 理恵(富山県) 宮本 文夫(石川県) 村木 靖(石川県) 森 豊茂(石川県) 森本 茂人(石川県) 柳川 尚樹(富山県) 山下 美里(石川県) 山元 康徳(石川県) 吉田 純子(石川県) 渡邉 直人(石川県) 三浦 智子(石川県) 南野 桂三(大阪府) 宮永 亨(富山県) 向 千春(富山県) 村下 智子(石川県) 森河 裕子(石川県) 八木 茂夫(石川県) 山口 克宏(宮城県) 山田 聖(兵庫県) 湯浅 幸吉(石川県) 吉冨 泰央(石川県) 渡邉 将隆(新潟県) 水株 正紀(石川県) 宮井 公一(富山県) 宮東 剛文(石川県) 向 義博(富山県) 村田大一郎(静岡県) 森田 展代(富山県) 安原 真理(石川県) 山下 和夫(石川県) 山之内菊香(富山県) 由利 健久(石川県) 米倉 秀人(石川県) 渡辺 祐介(愛知県) ㈱アイビックス北陸(石川県) 赤門ウイレックス㈱(愛知県) ㈱朝日商会(石川県) ㈱アドマック(石川県) ㈱イーピーミント(東京都) 石井電機商会(石川県) ㈶石川県予防医学協会(石川県) ㈱石川コンピュータ・センター (石川県) 医療法人 恵徳会 小田代病院(鹿児島県) 医療法人 手島会 手島病院(大阪府) 医療法人 太白会 シーサイド病院(山口県) 医療法人 かぶとやま会 久留米リハビリテーション病院(福岡県) 医療法人 敬仁会 函館おしま病院(北海道) 医療法人 財団五省会(富山県) 医療法人 道坤会(青森県) 医療法人 土佐楠目会(高知県) 医療法人 林病院(福井県) 医療法人 福仁会(福井県) 医療法人 松髙眼科医院(長野県) 医療法人 睦会 ムツミ病院(京都府) 医療法人 メディトラスト やの医院(福岡県) 医療法人 悠久会 大牟田共立病院(福岡県) 医療法人 玲心会(鹿児島県) 医療法人社団 和楽仁(石川県) 医療法人社団 上田医院(島根県) 医療法人社団 映寿会(石川県) 医療法人社団 勝木会 やわたメディカルセンター(石川県) 医療法人社団 加藤クリニック(石川県) 医療法人社団 金原皮膚科医院(石川県) 医療法人社団 くすのきこどもクリニック(北海道) 医療法人社団 志貴野会(富山県) 医療法人社団 親和会 山田温泉病院(富山県) 医療法人社団 ときわ会 常願寺病院(富山県) 医療法人社団 博洋会(石川県) 医療法人社団 福間産婦人科クリニック(静岡県) 医療法人社団 ふたば(群馬県) 医療法人社団 裕祐会 丸岡耳鼻咽喉科(東京都) 医療法人社団 三秋整形外科医院(石川県) 医療法人社団 持木会(石川県) 医療法人社団 安田内科病院(石川県) 医療法人社団 ヤベツ会 なかでクリニック(石川県) 医療法人社団 皆成会(群馬県) 医療法人社団 正啓会 成和病院(富山県) 医療法人社団 三医会 三輪病院(富山県) ㈱浦建築研究所(石川県) ㈱エスアールエル(東京都) ㈲大山商店(石川県) ㈱岡村製作所 北陸支店(石川県) 温泉リハビリテーションいま泉病院(富山県) ㈱片岡(石川県) 金沢医科大学看護同窓会(石川県) 金沢医科大学後援協力会(石川県) 金沢医科大学看護学部後援会さくら会(石川県) 金沢医大後援会橘会(石川県) 金沢中央農業協同組合(石川県) 河北郡衛生㈱(石川県) 岸建販㈱(石川県) 北川瀝青工業㈱(石川県) クックランチサービス(石川県) ㈱クリーンテックサービス(石川県) 公立穴水総合病院(石川県) 公立宇出津総合病院(石川県) 公立松任石川中央病院診療部(石川県) ㈱コーシン(石川県) 越屋メディカルケア㈱(石川県) 財団医療法人 中村病院(福井県) ㈱佐波(石川県) 耳鼻咽喉科なかいずみクリニック 中泉 俊彦(石川県) ㈱ジャパンビバレッジセントラル 金沢支店(石川県) ㈱人材派遣北陸(石川県) ㈱スズケン(石川県) ㈱園田装飾工業(石川県) ㈱大学タクシー (石川県) 大生食品工業㈱(石川県) 高桑美術印刷㈱(石川県) 県北医療センター 高萩協同病院(茨城県) ㈲茶谷造園(石川県) ㈱ツーテック(石川県) ㈱東芝北陸支社(富山県) ㈱トーケン(石川県) 冨木医療器㈱(石川県) 富山県済生会高岡病院(富山県) 中林食料品店 中林逸子(石川県) 成和フード㈱(石川県) 日栄商事㈱(石川県) ニプロファーマ㈱(大阪府) 日本メジフィジックス㈱(東京都) 能登印刷㈱(石川県) ㈱パースジャパン(東京都) ㈲八田物産(石川県) ㈱林寺メディノール(石川県) ㈱半田(石川県) ㈱福井銀行(福井県) 福井県済生会病院(福井県) 第 152 号/ 2012.11 金沢医科大学報 93 福井順化商事㈱(福井県) フクダ電子㈱(東京都) 富士ゼロックス北陸㈱(石川県) フジテック㈱中部支社 名古屋支店(愛知県) 富士フイルム RI ファーマ㈱(東京都) 双葉タイヤ㈱(石川県) ㈱米心石川(石川県) ㈱ホギメディカル(東京都) ㈱北栄(石川県) 北辰同窓会群馬県支部(群馬県) ㈱北陸銀行(富山県) 北陸コカ・コーラボトリング㈱(富山県) 北陸中日新聞 内灘専売所 欠新聞店(石川県) 国家公務員共済組合連合会 北陸病院(石川県) 北陸リネックス㈱(石川県) ㈱北國銀行(石川県) 北國新聞内灘中央販売㈱(石川県) ㈱本田商会(石川県) 前田印刷㈱(石川県) ㈱マルシン(石川県) 丸善㈱ 金沢支店(石川県) ㈱マルナカストア(石川県) 丸和電業㈱(石川県) 三島石油㈱(石川県) 三谷産業イー・シー㈱(石川県) 三菱電機㈱北陸支社(石川県) 三菱電機ビルテクノサ−ビス㈱ 北陸支社(石川県) 三菱電機プラントエンジニアリング㈱ 北陸支社(富山県) 都商事㈱(石川県) 宮武食品(石川県) 向病院 向 歩(石川県) ㈱村井(石川県) 村中医療器㈱(大阪府) 名工建設㈱ 北陸支店(石川県) 明祥㈱(石川県) ㈱モス ホテル日航金沢(石川県) ㈱山武 ビルシステムカンパニー 北陸支店(石川県) ㈲菊亭(石川県) ㈲丸一冷菓(石川県) 米沢電気工事㈱(石川県) 菱機工業㈱(石川県) 歴史の 1 コマ 40 年前の内灘(1971 ) 1971 年、金沢医科大学の建設工 事が始まった頃の写真で、本号表 紙写真と同じ角度から撮影したも のである。 中央に走る細いあぜ道状態の「医 科大通り」。その手前の河北潟放水 路にはまだサンセットブリッジは 存在しない。医科大通りの右手に、 大学の開学に向けて本部棟と基礎 研究棟(当時は歯学部棟)の建築が 始まっている。大学 2 丁目、大清台 は未開発で畑や鶏小屋が点在して いる。鶴ケ丘には県営住宅などが 半数くらい建ち始め、向陽台、緑 台も未開発の状態である。 金沢医科大学と内灘町とが発展 を続けた 40 年の歳月の重みが見て 取れる。 (学報編集委員会) 第 152 号/ 2012.11 94 金沢医科大学報 学報 152 号全目次 ■金沢医科大学創立 40 周年記念事業一覧 金沢医科大学創立 40 周年記念行事 …………………………… 3 記念式典、記念講演会、記念祝賀会、施設見学会、その他の事業 3 ■学事 平成 24 年度医学部編入学生入学宣誓式 ……………………… 24 平成 24 年度新任教員オリエンテーション …………………… 24 平成 24 年度医学部編入学試験 ………………………………… 25 平成 25 年度医学部入学試験説明会 …………………………… 25 平成 25 年度医学部特別推薦入学試験(AO 入試) ……………… 25 平成 24 年度医学部オープンキャンパス ……………………… 26 平成 24 年度看護学部オープンキャンパス …………………… 27 第 56 回教育懇談会 ……………………………………………… 28 平成 24 年度医学部第 2 学年看護体験実習・報告会…………… 28 <学生のページ> 医学部第 2 学年看護体験実習レポート ………………………… 29 看護学部 華中科技大学同済医学院における看護実習 ……… 31 医学部学生のメディカルホームステイ報告…………………… 32 2012 年バーモント大学からの交換留学報告 ………………… 35 人命救助に対して学生表彰……………………………………… 36 ソノマ大学夏期語学研修報告…………………………………… 37 クラブ紹介:軽音楽部…………………………………………… 39 第 41 回内灘祭「ぼく“touch ”はっぴー」 ……………………… 40 ■国際交流 中国・西安外事学院学生が来学 看護学部学生との文化交流 42 第 25 回 JAPAN TENT …………………………………………… 43 留学生情報 ……………………………………………………… 44 Kaleidoscope …………………………………………………… 44 ■学術 〈予告〉第 13 回 KMU 研究推進セミナー ……………………… 45 金沢医科大学医学会第 38 回総会、第 48 回学術集会 ………… 46 第 14 回日本褥瘡学会学術集会 ………………………………… 48 平成 24 年度北陸高度がんプロチーム養成基盤形成プラン … 48 松井優子講師 平成 23 年度日本褥瘡学会大浦賞受賞 ………… 49 山﨑松美助教 平成 23 年度日本看護研究学会奨励賞受賞 …… 49 競争的研究資金等に係る平成 24 年度内部監査 ……………… 50 科学研究費助成事業説明会……………………………………… 50 平成 25 年度科学研究費助成事業公募要領等説明会 ………… 50 北國がん基金研究助成授与される……………………………… 51 ひらめき☆ときめきサイエンス………………………………… 52 産学官連携:平成 24 年度医療機器開発マッチングフォーラム、DSANJ 疾患別商談会、BioJapan 2012 World Business Forum に参加 … 54 大学院医学研究セミナー………………………………………… 55 ■病院 表紙写真 金沢医科大学報 第 152 号 「道 程」 『僕の前に道はない 僕の後ろに道は出来る』 高村光太郎の「道程」にある一節である。 40 年前大学がこの地に開学した当時は、畑と鶏小 屋しかなかった。 40 年を経て、道ができ、橋ができて、大学も町も 大きく発展した。その伝統を大切にして、さらなる躍 進を期待したい。 金沢医科大学病院第 33 回連携病院会議 ……………………… 59 平成 24 年度医療監視 …………………………………………… 59 平成 24 年度医療安全教育講演会 ……………………………… 60 石川県腎友会「第 13 回命のキャラバン」運動への協力 ……… 60 第 19 回緩和ケアオープンカンファレンス 第 54 回がん診療連携 拠点病院研修会………………………………………………… 61 第 55 回がん診療連携拠点病院研修会 ………………………… 61 第 9 回能登地区がん診療連携協議会 第 56 回がん診療連携拠点 病院研修会……………………………………………………… 62 第 57 回がん診療連携拠点病院研修会 ………………………… 62 平成 24 年度診療報酬改定の本学病院への影響と対策に関する 職員研修会……………………………………………………… 63 <研修医の頁> 第 10 回臨床研修指導医養成のためのワークショップ ……… 64 臨床研修医募集に係る 5 年生対象診療科合同説明会及び交流会 65 臨床研修医のための CPC(臨床病理検討会) ………………… 65 ■金沢医科大学氷見市民病院:新病院開院一周年記念事業、 平成 24 年度医療安全に関する職員研修会、互助会:地引網・ バーベキュー大会、氷見レジデントキャンプ 2012 ……… 66 ■能登北部地域医療研究所:医学を学ぶための第一歩を地域 医療から学ぶ、対談「能登の地域医療を守るため」 ……… 69 ■図書館:データベース利用講習会、新着図書の紹介……… 72 ■管理・運営 石川県警察本部から本学法医学へ感謝状授与………………… 77 メンタルヘルス講演会…………………………………………… 77 各後援団体から創立 40 周年記念事業に寄附目録贈呈 ……… 78 訃報………………………………………………………………… 79 第 20 回河北郡市消火技術競技大会 …………………………… 79 互助会:夏のバス旅行…………………………………………… 80 ■随想 白山日帰り登山−国際交流番外編−…………………………… 81 ■資料 規程の改正・制定………………………………………………… 83 教授会……………………………………………………………… 83 平成 24 年度教育職員国際学会発表一覧(上半期) …………… 85 人事………………………………………………………………… 87 ■本学スタッフ・本学卒業生の学術新刊著書 「アドバンスド創傷ケア」 (紺家) ……………………………… 42 「褥瘡ガイドブック」 (松井) …………………………………… 68 「ビジュアル脳神経外科 5 頭蓋底①」 (三輪) ………………… 76 □金沢医科大学教育振興資金・金沢医科大学学術振興基金募金 89 □金沢医科大学創立 40 周年記念事業募金のお願い・寄付者芳名 90 (撮影アドバンスドエアー 2012.7.16 ) (たかむら・こうたろう:明治 16 年∼昭和 31 年、詩人・彫刻家。 詩集「道程」 、 「智恵子抄」が著名。 ) 本号 93 頁に、この空撮とほぼ同じ角度から撮った 40 年前の内灘の 空撮写真を掲載した。 (学報編集委員会) 平成 24 年 11 月 30 日発行 発行者 金沢医科大学理事長 竹 越 襄 編 集 金沢医科大学概要・学報編集委員会 監 修 山下 公一 編集委員長 米倉秀人 副委員長 原 亮 岩淵邦芳 委 員 利波久雄 川﨑康弘 元雄良治 北村 修 八田稔久 上田善道 甲野裕之 坂井恵子 竹田浩一 木村晴夫 森 茂樹 坂尾光一 笠間孝一 丹羽 修 坂野邦雄 宮下あき子 上田正博 上端雅則 廣瀬信雄 岡山 均 坂口友紀子 中谷 渉 相野田紀子 事務局 丸谷 良 中川美枝子 中嶋秀夫 辻本幹夫 佐野友美 森川仁八 発行所 金沢医科大学出版局 〒 920-0293 石川県河北郡内灘町大学1−1 TEL 076(286)2211 金沢医科大学報 HP アドレス http://www.kanazawa-med.ac.jp/~press/gakuho/ 印刷 能登印刷株式会社
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