2016 / May No. 35 Science, Products, and Information サーモフィッシャーサイエンティフィック ライフサイエンス情報誌 NEXT Interview R N A 触 媒「フレキシザイム 」が 変 革 する 創 薬と世 界 観 1 兆 種 の 擬 天 然 ペ プ チドライブ ラリー、そしてミラーワールドへ 菅 裕明 氏( 東 京 大 学 大 学 院 理 学 系 研 究 科 化 学 専 攻 生 物 有 機 化 学 教 室 教 授 ) P. 04 Platinum SuperFi DNA Polymerase P. 06 GeneArt Lentiviral CRISPR シリーズ P. 07 TaqMan Array Gene Signature 96-Well Plate P. 08 SureCast Gel Handcast P. 09 Novex WedgeWell Tris-Glycine gels P. 13 NanoDrop 超微量分光光度計 & Qubit 3.0 Fluorometer P. 14 Orbitrap Fusion Lumos トライブリッド質量分析計 P. 17 オプティカルボトムプレート Interview インタビュアー:サーモフィッシャーサイエンティフィック 橋本裕子 10 倍の 1 兆種類あれば 多様性は充分に確保 「フレキシザイム」が RNA 触 媒 変 革する創 薬と世 界 観 薬へのさらなる貢献を目指します。2 つ目はD- ム、試験管内翻訳系、遺伝暗号のリプログラ アミノ酸やNメチルアミノ酸を繋ぐ翻訳系の組 ミング 、環 状 ペプチド合 成など、独自開 発の み立て。3 年前には 2 つ繋げることすらできな 技術は他の追随を許しません」 と続けます。そ かったという茨の道です。 「 将来は L 体核酸モ して経営は信頼するビジネスパートナーに任 ノマーをポリメリゼーションできる D 体からな せていると話します。 化学的な視点で 生物学へ切り込む 1 兆 種 の 擬 天 然 ペ プ チドライブ ラリー 、 そしてミラーワールドへ 2000 年初頭に過熱した RNA 触媒の開発。そ の頃 、多くの分 子が 考 案されました。その中 菅 裕明 氏 で、天 然には存 在しない酵 素 活 性を有し、応 (東京大学大学院理学系研究科化学専攻生物有機化学教室教授) 用の広さが群を抜くと誰もが認めるのが、東 京大学の菅裕明氏が開発した「フレキシザイ ム」。この触媒を核に、ベンチャー企業「ペプチ ドリーム社」 を立ち上げ、常識を超える多様性 を秘めた擬天然ペプチドライブラリーを試験 管 内で合 成 、提 供しています。それは今や世 界中の製薬企業の注目の的となり、事業は拡 大し続けています。異端だった時代、そして先 端から眺める風景は、菅氏にどのように投影 し、そして変わってきたのでしょうか。 RNA 触媒「フレキシザイム」が 与えるインパクト 確な目的意識を持って、最短距離で進んでき たわけではないようです。高校時代はジャズ フュージョンを中心にギターの技巧磨きに明 け暮れ、岡山大学の工学部で化学を専攻した のも 「他の科目に比べ、やや興味をひかれた」 程度と振り返ります。しかし最初の転機は、修 士課程で 1 年間留学したスイスローザンヌ大 学で訪れます。他の分野と交わることで玉虫 色の輝きを放つ有 機 化 学の本 来の姿を目の 当たりにしました。そして他 分 野との境 界 領 域に有機化学の未来を感じ、MIT の正宗悟先 生のもとで生物学と化学の境界領域を学ぶこ とを決意します。この時のテーマは、酵素活性 を持つ「 抗 体 触 媒 」の開 発 。畑 違いの免 疫 学 や生 物 学 の 実 験 手 法を独 学で 学び 、基 質 の 遷移状態に強く結合して反応を促す抗体を探 し続けましたが、あえなく惨敗。 「 4 年間続けま したが 、あんなにがっかりしたことはありませ に送り出されたフレキシザイムとは、フレキシ ん」 と苦笑します。 ブルにどんなアミノ酸でも tRNA に付 加でき その 頃 、世 界もこの 領 域 の 有 望 性に気 づき、 の配列で繋げることはもちろん、N-メチルア ミノ酸や D- アミノ酸などの非天然アミノ酸を 特定のコドンに割り当て、ポリペプチドに取り 込ませることができます。菅氏は、生物共通の 遺 伝 暗 号を試 験 管 内で書き換える、 「遺伝暗 号リプログラミング」 を可能にしたのです。 しかもこのフレキシザイムは、サイエンスの面 白さだけでなく、応 用 性の広さが 高く評 価さ れています。2 0 0 6 年に立ち上 げたペプチド リーム社は、新薬のシーズ探索を主な標的に、 フレキシザイムを駆 使して 1 兆 種 類を超える ペプチドからなるライブラリーを顧 客 企 業に 提供しています。環状化や主鎖修飾など多く の独自技術を積み上げ、高い生体内安定性と 生理活性を持つ特殊ペプチドの合成へと、常 にライブラリーの質を高めています。 「 1 兆種類のペプチドには、必ず目的の活性を 示す分子が含まれるはず。根拠は抗体の多様 page 02 順 風 満 帆 な 印 象を受 けますが 、始 め から明 追随を許さないレベルまで完成度を高めて世 る RNA 触媒のこと。天然アミノ酸を思い通り 多く含まれるライブラリーを合成すること。創 できる」 と数値の裏付けを語り、 「フレキシザイ るDNA ポリメラーゼや RNA ポリメラーゼを作 りだし、自然界とは真逆の L 体の DNA や RNA を作れば 、完全鏡像異性体のミラーワールド が到来するはず」 と壮大な夢を膨らませます。 「研究テーマを決める時、応用についてまず考 えます。応 用 先は目指さないと生まれません が 、それだけを狙ってもブレークスルーは簡 単には生まれません。サイエンスとして面白く、 優れた応用に耐えるテーマを見つける目利き が大事だと思っています」。 異端は認められた時、 先端に変わる 若手へのメッセージは、 「 異端は認められた時 に先端に変わる」 と明解です。 「異端をやる勇 気が 何よりも大 事 。そのユニークさを多くの 人が理解した時、異端は一気に先端に変わり ます。しかも古い分野にも異端はあります。一 時期は創薬シーズとして非常に期待を持たれ ていたペプチド化学ですが、一度は創薬業界 から廃れかけていました。そのペプチドを第 3 の創薬シーズとして再度復活させたいという 願いが『 ペプチドリーム』という社名には込め られているのだから」。まだまだ新たな企業化 のカードを温めているという言う菅氏。新たな 「ケミカル バイオロジ ー 」が 確 立していく中 、 「 異 端 」を見 極 め 、質 の 高い 科 学 へ 昇 華させ 菅 氏が 次の標 的に選んだのが RNA 触 媒 。マ るエネルギーは尽きないようです。 サチューセッツ総 合 病 院でショスタック教 授 のもと R N A 進 化 工 学 の 技 術を習 得した 後 、 ニューヨーク州 立バッファロー大 学に構えた 研 究 室で 7 年 間の努 力の末 、フレキシザイム を誕生させます。 「しかし真のブレークスルーは、帰国後に応用 先を絞ったことで生まれました。激化するタン パク質工学の開発競争を生き抜くため、研究 室員と徹底的に議論したんです。試験管内翻 訳系には時間と労力が必要で、合成量では競 合する細胞内合成系にはかないません。そこ で、短いペプチドの多種大量合成に舵を切り ました」 と、いくつもの転機を明かします。 菅 裕明 (すが ひろあき) 目指すはサイエンスの 面白さと応用性 1 9 8 6 年 岡 山 大 学 工 学 部 卒 業 、9 4 年 米 国マサ チューセッツ工 科 大 学 化 学 科で Ph.D. を取 得 後 、 博士研究員を経て、米国ニューヨーク州立バッファ ロー大学化学科で助教授、テニュア准教授を経て、 2003 年に帰国、東京大学先端科学技術研究セン 性です。私たちの体は 10 の 11 乗種類の抗体 将来の目標は 2 つ。1 つ目は合成したペプチド を備え、どんな外敵にも対処しています。その を自由に修飾し、高活性の擬天然ペプチドが page 03 ター准教授、教授、2010 年より現職。 User's Voice 大 木 理 恵 子 氏( 国立研究開発法人国立がん研究センター研究員)、浅 野 良 則 氏( 早稲田大学先進理工学研究科博士課程) がん抑制遺伝子 p53 の新規標的遺伝子 IER5 はがん細胞のストレス回避にはたらく 発現解析は SuperScript Reverse Transcriptase( RT )で効率よく Platinum SuperFi DNA Polymerase いるほか、発現を抑制するとがん細胞の増 め、cDNA テンプレートの品 質は、その後 Taq の 100 倍を超えるフィデリティを実現 ! 殖が抑制されることがわかりました。 「さら の実験を左右しかねません。実際にかなり に興 味 深いことに、I E R 5 による H S F 1 活 分解が進んだマウス膵臓の RNA サンプル 性化メカニズムを詳細に解析すると、脱リ で検証したところ、他社酵素よりも逆転写 ン酸 化で活 性 化することが わかったんで 反応が 進むことを確認しました(表)」 と続 す。質 量 分 析( LC-MS )から、リン酸 化 部 位の同定もできました。これまで HSF1 は、 POINT リン酸 化レベルの高い状 態で活 性 化する Invitrogen™ Platinum™ SuperFi™ DNA Polymeraseは、プルーフリーディング活性を有するDNA ポリメラーゼです。 Taq ポリメラーゼの 100 倍以上という非常に高いフィデリティを達成し、ロング PCR や GCリッチ領域の PCR 反応でも高収量をもたらします。 さらに阻害物への耐性が高く、幅広いサンプルに対応します。 ● 卓越したフィデリティ: Taq ポリメラーゼの 100 倍以上 ● 高い特異性: 信頼の Platinum™ ホットスタート技術 ● 困難なターゲットの増幅: 添付の GC Enhancerを使えば、GCリッチなターゲットを効率よく増幅 ● 高収量: ロング PCR でも高収量を維持 ● 簡便性: 室温での反応液調製。SuperFi NEW! 図 1 数 種 類 の D N A ポリメラーゼ Platinum SuperFi N 社酵素 フィデリティを比較 T 社酵素 次 世 代 シーケンサを用 い て 各 酵 R 社酵素 素 で 増 幅した P C R 産 物 のエラー A 社酵素 率を確 認 。グ ラフは 、Ta q D N A p o l y m e r a s e のエラー 率を基 準 K 社酵素 Q 社酵素 にした 相 対 的 なフィデリティ値を Taq 比 較しています。S u p e r F i D N A 0 50 100 150 200 Polymeraseは、他酵素よりも格段 GC Enhancer で GCリッチ領域に対応 ! き起こす 転 写 因 子として 知られる、が ん 脱リン酸 化でリン酸 化レベルが 低 下した 抑 制 遺 伝 子 p53 。その標 的となる遺 伝 子 状 態でも活 性 化するという報 告は初めて は多岐にわたります。 「私たちは 10 年ほど でした」。これまで複数の p53 標的遺伝子 前に 235 個の p53 標的遺伝子を同定しま の機能を明らかにしてきた大木氏。 「機能 した」と語るのは、国立がん研究センター 未 知の遺 伝 子の研 究は、結 果が 伴うとは 主 任 研 究 員 の 大 木 理 恵 子 氏 。大 木 氏 は 、 限らず、難しい面もありますが、研究者とし p53 の研究を 20 年に亘って続け、今回新 て挑戦すべきこと」 と語ります。 した。 「 p53 遺伝子の発現に強く依存する、 発現解析のcDNA 合成は 機能不明な p53 標的遺伝子 IER5 に着目 SuperScript RTで しました。そして、IER5 は熱ショックタン 各臓器でのIER5遺伝子の発現量の パク質( HSP )の転写因子であるHSF1と 阻害剤への高い耐性 結合、活性化させることで、低酸素や栄養 D N A 結 合ドメイ ン を 付 加 す る こと で 、 SuperFi DNA Polymerase は、PCR 阻害 不足といったストレスからがん細胞を保護 していることがわかりました」 と語ります。 物質に対する耐性が 改善しました。例えばヘ パリン ( 0.15 µg/µL )、キシラン ( 0.5 µg/µL )、 未知なる遺伝子 IER5と 計 測 はリアルタイム P C R システムで 行 い 、c D N A 合 成 に は 、1 5 年 ほ ど 前 から Invitrogen™ SuperScript™ RTを使 用してきたと語る大 木 氏 。 「ここぞという 時には信 頼できる酵 素ですね。新 発 売の SuperScript Ⅳ RT は、収量が低い RNA がん細胞増殖との関わりが明らかに や、分 解した R N A でも逆 転 写できる点を 今回の研究で、IER5 は腎がん、大腸がん、 期 待しています。RN A が 分 解しやすい 臨 フミン酸( 0.15 ng/µL )存在下でも高収量を 維持します。 膵がんなど様々ながんで発現が 上昇して に高いフィデリティを示しました。 Fidelity compared to Taq ことが 知られていましたが 、今回のように たにがん増殖に必要な遺伝子を発見しま Green Buffer を使用し、直接ゲルへロード Taq ポリメラーゼの 100 倍を超えるフィデリティを実現 ! 細 胞 周 期の停 止やアポトーシスなどを引 床サンプルを発現解析する機会が 多いた けます。 新たな分子標的薬の開発につながる成果 「今後、IER5に関する動物モデルの作出や HSF1 の活 性 化に関 与する低リン酸 化の 作用機序を詳細に調べ、IER5 や HSF1 が 関わるHSP 発現経路とがん化との関わり を解明していきたい」 と大木氏。今回の研 究を共に担当した浅野良則氏も 「 IER5 の 機 能を阻 害する化 合 物を開 発すれば 、が ん治療の分子標的薬の創出につながりま す。臨 床 研 究につなげていきたい」 と語り ます。p53 遺 伝 子が 関わるが ん化の分 子 メカニズム解 明に向けたさらなる挑 戦 が 続きます。 使用酵素 C T値 SD SuperScript Ⅳ RT 31.93 0.000 SuperScript Ⅱ RT 31.41 0.009 T 社逆転写酵素 36.53 0.482 逆転写酵素の比較 分解が進んだマウス膵臓の RNAを逆転写後、各サンプル におけるGAPDH 遺伝子発現をリアルラタイムPCRで測定、 C T値を比較しました。 20kbを超えるロングリードに対応 ! 図 2 GCリッチ領域の増幅 図 3 長鎖 DNAの増幅 ヒトgDNA( 50ng )を鋳型に、GCコンテンツの 0.2-20kb のヒトgDNAフラグメントをSuperFi DNA Polymeraseで増幅。20kBを超える長い DNAフラグメントも高収量で増幅できました。 異なる8 カ所の領域を増幅しました (サイズは、 500-800bp )。GCコンテンツ70%と76%の反 応では 、GC Enhancer を使用することで、他 10 分間で全てを逆転写する SuperScript Ⅳ Reverse Transcriptase のフラグメントと同等に高収量でした。 高性能 SuperScript Ⅲ Reverse Transcriptase の品質を全て引き継ぎ、さらに確実性 を高めた逆転写酵素です。 製品名 サイズ 製品番号 Platinum SuperFi DNA Polymerase 100 ユニット 12351-010 ¥17,000 Platinum SuperFi Green DNA Polymerase 100 ユニット 12357-010 ¥17,000 Platinum SuperFi PCR Master Mix 100 反応 12358-010 ¥43,500 Platinum SuperFi Green PCR Master Mix 100 反応 12359-010 ¥43,500 M ORE INFO 価格 2016 年 6 月 30 日まで キャンペーン中!! 別サイズや製品詳細はこちらから→ www.thermofisher.com/platinumsuperfi page 04 30%OFF ● わずか 10 分間の反応時間 ● 反応阻害剤に対する高い耐性 ● 分解したRNAでもOK ● 優れた熱安定性 (最高 55 ℃) 製品名 サイズ 製品番号 SuperScript Ⅳ Reverse Transcriptase 2,000 ユニット 18090010 価格 ¥13,100 10,000 ユニット 18090050 ¥53,700 10,000 ユニット×4 18090200 ¥170,000 SuperScript Ⅳ First-Strand Synthesis System 50 反応 18091050 ¥79,200 200 反応 18091200 ¥269,300 page 05 NEW! GeneArt Lentiviral CRISPR シリーズ TaqMan Array Gene Signature 96-Well Plate カスタムサービスも開始 ! ゲノム編集ツールがますます使いやすく 研究対象のパスウェイ遺伝子群をまとめて発現解析 ! POINT POINT 高いノックアウト効率でのスクリーニング、遺伝子導入が難しい細胞でのゲノム編集を実現する、 Applied Biosystems™ TaqMan™ Array Gene Signature 96-Well Plate Invitrogen™ GeneArt™ Lentiviral CRISPR シリーズに、新しくカスタムサービスがラインナップされました。 ご希望の gRNAをコードするレンチウイルスライブラリーを使いやすいフォーマットで提供します。 は、生 体プロセスやパスウェイ、または疾 患 関 連の遺 伝 子セットをまとめて解 析するため ● 幅広い細胞に導入可能:レンチウイルスを使うので、分化した神経細胞や初代培養細胞にも感染可能 各プレートには、選定遺伝子とともに、内在性コントロール遺伝子も分注済なので、一度の ● 簡単操作:レンチウイルスにCas9 や、各キナーゼに対するガイドRNA 遺伝子をパッケージング済み 実験で関連遺伝子を網羅的に解析できます。 の製品です。該当する遺伝子解析セットをApplied Biosystems™ TaqMan™ Gene Expression Assaysから選定し、96ウェルフォーマットのプレートに分注してお届けします。 ● 効率的: 96ウェルのアレイフォーマットを使えば、時間のかかるシーケンシングとsgRNA 同定ステップを省略可能 ● 特異的: 薬剤耐性遺伝子を共導入するので、目的細胞を簡単にセレクションできます ● 1 枚から購入可能: 実験計画やスケールに合わせて選べます。 ● 簡単な操作: 96ウェルプレートにプライマー・プローブを分注後、乾燥させた状態でお届 けします。後は、マスターミックスとテンプレートと水を添加して実験を開始できます。 使いやすいレンチウイルスフォーマット サービス内容 [ Cas9 プロテイン発現用フォーマット] カスタムサービス pLenti-Cas9-P2A-Bsd psi PRE cPPT P2A EFS Cas9 WPRE Bsd LTR LTR ヒトコドンに最適化されたS.pyogenes Cas9タンパク質を発現 遺伝子数 ∼ 3 遺伝子 96 遺伝子∼ ウイルスストック様式 個別 プール 遺伝子セット カスタム gRNA 数/遺伝子 カスタム 1 プレートで様々なカテゴリーの 各製品の説明と遺伝子セットを分かりやすく解説 遺伝子セットを解析 ウェブサイトで、製 品プレートごとのカテゴリーの説 明と遺 伝 子セット をいつでも確認できます。 □ 生体プロセス…血管新生、DNA 修復、 アポトーシスなど □ パスウェイ… ABCトランスポーター、CREB 、EGF 、p53 、BRCA1など ウェブでの 確認が 簡単に! □ 疾患関連…アルツハイマー、がん (腺がん、乳がんなど)、糖尿病など □ 内在性コントロールセット…ヒト、 マウス、ラットなど Blasticidin 耐性遺伝子とCas9は、自己切断 2A ペプチドを介して接続 ・クローニング ・プラスミド精製 [ sgRNA 発現用フォーマット] 網羅的解析も簡単 ・レンチウイルス作製 サービス内容 ・レンチウイルス濃縮 cPPT PRE psi sgRNA Scaffold Pol lll term U6 WPRE FES LTR 準備は、各プレートにマスターミックスとサンプルと水の混合液を加え ・タイター測定 pLentiCRISPR-EFS-Puro Puro Unique sgRNA LTR U6プロモーターと特異的 sgRNAを接続 EF-1aプロモーターとPuromycin 耐性を接続 ご提供物 問合せフォーム 納品形態 チューブ 納期 7 週間∼ るだけ。後はリアルタイム PCR システムにセットすれば 実 験 解 析をス タートできます。 9 週間∼ ※タイター ( TU/mL ) やウイルス液量については、お問い合わせください。 充実の内在性コントロール遺伝子プレート 実験の正確性を左右する内在性コントロール遺伝子の選択用セットです。 GAPDH やアクチンを始め 32 種類の内在性コントロール遺伝子を一度 配列確認済みライブラリーもさらに充実 ! に検証できます。 製品ページの一例 上の画面はヒト14-3-3で誘導される細胞内シグナリング解析用プレートの説明ページです。各カテ ゴリーごとに関連する遺伝子や疾患、パスウェイの説明やアッセイ数とその内容や内在性コントロー ルについて記載されています。プレートのレイアウトもこのページで確認できます。 ヒトキナーゼに加え、 ヒトGPCR や全ゲノムライブラリーもラインアップ中。製品フォーマットは、アレイ型とプール型から選べます。 配列確認済みライブラリー Human Kinase Human GPCR Human Whole Genome 生物種 製品名 ヒト TaqMan Array Human Endogenous Control Plate, 96-well 製品番号(Standard 用) 4396840 製品番号( Fast 用) 4426700 TaqMan Array Human ABC Transporters 4414166 4418811 遺伝子数 約 850 約 800 約 450 約 400 約 18,000 TaqMan Array Human Alzheimer's Disease 4414070 4418715 ウイルスストック様式 アレイ プール アレイ プール プール TaqMan Array Human GPCR Pathway 4414137 4418782 TaqMan Array Human Immune Response 4414073 4418718 TaqMan Array Human Inflammation 4414074 4418719 TaqMan Array Human p53 Signaling 4414168 4418813 TaqMan Array Human Voltage-Gated Ion Channels 4414099 4418744 TaqMan Array Mouse Endogenous Control Plate, 96-well 4426701 4426699 TaqMan Array Mouse ABC Transporters 4414107 4418752 4414078 4418723 4418724 遺伝子セット 固定 固定 固定 固定 固定 gRNA 数/遺伝子 3∼4 ∼ 10 3∼4 ∼ 10 ∼ 10 ∼400 GPCRs×10 gRNAsの ∼18,000 genes×10 gRNAsの 含有率 80% 以上 含有率 80% 以上 目安数値 サービス内容 - ・レンチウイルス作製 ・タイター測定 ∼800 Kinases×10 gRNAsの 含有率80% 以上 ・レンチウイルス作製 ・レンチウイルス濃縮 ・タイター測定 - ・レンチウイルス作製 ・タイター測定 ・レンチウイルス作製 ・レンチウイルス作製 ・レンチウイルス濃縮 ・レンチウイルス濃縮 TaqMan Array Mouse Alzheimer's Disease ・タイター測定 ・タイター測定 TaqMan Array Mouse Immune Response 4414079 TaqMan Array Mouse Lipid Regulated Genes 4415461 4418846 TaqMan Array Rat Endogenous Control Plate, 96-well 4426698 4426697 TaqMan Array Rat Inflammation 4414081 4418726 TaqMan Array Rat Phosphodiesterase 4414082 4418727 ご提供物 なし なし なし なし なし 納品形態 96wellプレート チューブ 96wellプレート チューブ チューブ 納期 4 週間∼ 4 週間∼ 4 週間∼ 4 週間∼ 9 週間∼ やウイルス液量については、お問い合わせください。一部準備中の製品がございます。 ※タイター ( TU/mL ) マウス ラット ※ 価格はいずれも、1プレート38,700 円です。 ※上記リストは一部です。全製品、対象の遺伝子セットやその説明はこちらから→ www.thermofisher.com/jp-taq-pl page 06 page 07 NEW! SureCast Gel Handcast Novex WedgeWell Tris-Glycine gels 100% No Leak! 液漏れなしのゲル作製キット 未体験の深さで、トリス- グリシンゲルの新たな可能性を引き出す NEW! POINT POINT タンパク質解析用アクリルアミドゲルの作製キットです。 Invitrogen™ Novex™ WedgeWell™ Tris-Glycine gelsは、ラエムリ法などに 使えるポリアクリルアミドゲル電気泳動( PAGE )用プレキャストミニゲルです。 液漏れのないゲル作製ステーション、耐久性の高いガラスプレートを含み、 あらゆるタイプのタンパク質に柔軟に対応し、高い解像度でバンドを分離します。 ワンタッチで使いやすい工夫が随所に施されています。 ロードボリュームも60 µLまで拡張しました! ●リークフリーデザインで、ゲル作製の負担を軽減 ●くさび型ウェル: ウェルあたりのサンプルアプライが、60 ●使いやすい特別仕様のガラスプレート ● 高 性 能 : 優れた解 像 度と鮮 明 度でタンパク質バンドを分 離 ●便利なサンプルアプライサポートコーム ● 長期保存 : Invitrogen™ SureCast™ Gel Handcast は、 4 ℃で最大 12ヶ月まで保存可能 ● 迅速な分離 : 60 分未満の一定電圧下で、タンパク質を素早く分離 ●フレキシブル : ネイティブおよび変性タンパク質の両サンプルに対応 ●試薬も含むシリーズ 液漏れしない工夫とストレスフリーのワークフロー 1 Novex WedgeWell Tris-Glycine Gel 2 ゲル作製ステーションに専用ガラスプレートをワンタッチで装着 タンパク質分解能 3 ステーションを斜めに置き、ゲル溶液を流し込む コームを泳動槽に設置し、簡単にサンプルをアプライ サイズ 製品番号 SureCast™ Gel Handcast Bundle A(作成キットと試薬を含むトータルセット) 1式 HC1000SR 38 Superclonal™ 二次抗体の数 8 ¥71,700 ABfinity™ ウサギ 使いやすい標識済みの 一次抗体の数 網羅的 ! 50 研究領域に対応 page 08 がん研究のための抗体数 ∼ 90 分 くさび型ウェル ( 60 µLまで) 標準ウェル ( 37 µLまで) ミニ:8×8 cm 、1 or 1.5 mm 厚 ゲルの大きさ ミニ:8×8 cm 、1 mm 厚 有効期限 12か月 8 週間 パック サイズ 2 枚か10 枚 10 枚 ミディ:8×13 cm 、1 mm 厚 製品詳細はこちらから→ www.thermofisher.com/novexwedge 280 Alexa Fluor™ 二次抗体の数 Alexa Fluor™ 二次抗体を 幹細胞研究用の抗体数 19 1,100 リコンビナントモノクローナル抗体の数 ウェル型 (アプライ量) +++ 抗体一覧はこちらから→ www.thermofisher.com/antibodies 抗体がサポートする 代表的なアプリケーションエリア数 • ELISA • Western blotting • Luminex™ • IF/ICC • Immunohistochemistry(IHC)• High Content Analysis(HCA) • Flow • IP/Co-IP ∼ 60 分 INFO お探しの抗体は何ですか ? 豊富な Invitrogen™ 抗体なら、ぴったりの抗体が必ず見つかります。 バリデーション済みの 一次抗体と二次抗体 の数。続々追加中! 平均ランタイム M ORE 価格 Novex Tris-Glycine Gel NEW! +++ ゲル品質 製品名 42,000 µLまで可能 神経科学のための抗体数 蛍光染色用Alexa Fluor™ の異なる色数 60,000 ウェブ上の 豊富なバリデーションデータ数 page 09 記載した論文数 18,000 カスタム抗体の プロジェクト数 「 再 生 医 療 研 究の未 来へ」 特別対談 メリットをもたらします。 Eric 確かに前駆細胞を生体内で成熟させる方法は、 有用そうですね。米国の研究グループが膵臓の 前駆細胞を生体環境下で成熟させて、グルコー 「 第 16 回日本再生医療学会」報告 ス感受性を確認したとの報告もあるそうです。 「知 2016 年 3 月に開催された再生医療学会は、 再生医療に関する、それぞれの国の のシンホニー」をメインテーマに次世代の再生 強みや弱みはなんだと思いますか? 医療を見据えた数々の研究発表がありました。 再生医療の普遍化へ向けて力強く歩む、この分 野の展開に今後も目が離せないようです。 正木氏 サーモフィッシャーサイエンティフィックは、最 日本では研究費のソースが限られているため 新の次世代シーケンサや細胞イメージングプ に規制も画一化してしまうので、海外の研究 ラットフォームを始め、再生医療研究をサポート 正木英樹 するベンチトップ機器や実験器具など、様々な 製品を展示しました。またランチョンセミナーで は、東京大学医科学研究所の正木英樹氏と米 Eric Roos 氏 東京大学医科学研究所幹細胞治療研究センター Strategic Alliances Leader, Cell Therapy, Thermo Fisher Scientific 幹細胞治療分野 国本社のEric Roosが講演。どちらも多くの方 者や企業の多様性がうらやましいですね。 Eric 米 国では、政 府からの研 究 費だけでなく、企 にご参加いただき、活発な意見交換がありまし 業やベンチャーキャピタルなどが 柔軟に投資 た。各ランチョンセミナーの内容とセミナー後 の2 人の対談をご報告します。 ランチョンセミナーへのコメントを ランチョンセミナー① お願いします。 多能幹細胞に Bcl-2を導入するとキメラ形成 できることを発見しました。これはプライムド 型のヒトES/iPS 細胞であっても胚盤法補完 に用いられる可能性を示します。同様の方法 「幹細胞研究における生体環境利用の有用性」 演者:正木英樹氏(東京大学医科学研究所幹細胞治療分野) Pdx1-/膵臓欠損ラット 胚盤胞 正木氏らのグループでは、生体環境を利用した多能性幹細胞から GFP-マウスES 細胞 (C57BL/6) の立体臓器および機能的な細胞の作製に取り組んでいます。特定 ラット体内で C57BL/6マウス ES 細胞由来の膵臓を作製 の臓器を形成できないように遺伝子改変した動物胚に正常な多能 性幹細胞を移植することで、完全に移植細胞から成る臓器を作製で きることを過去に報告しています。現在は、異種環境下で作製した 膵島を自家移植することで、拒絶反応なしに病態を治療できる検証 を進めています。例えば 、膵島欠損ラットの胚盤胞に、マウスの ES や iPS 細胞を注入することで、ラットの体内でマウスの膵臓を丸ごと ラット-マウスキメラ Eric 膵臓から 膵島を分離 STZ 誘導性糖尿病 モデルマウス ( C57BL/6 ) の 腎皮膜下へ移植。 作成でき (胚盤胞補完法)、さらにこの膵臓を糖尿病マウスへ移植 すると血糖値が正常化することにも成功しています。セミナーでは、 iPS 細胞からの機能的な分化細胞の作製や、培養下で分化誘導し た細胞の性質評価が可能になることなど、臓器作製以外の面でも 生態環境を利用することが有用であることを紹介しました。 ※本セミナーのプレゼン資料をwebからダウンロードできます。ご希望の方はこちらから→ www.thermofisher.com/jp-jsrm15-dl ランチョンセミナー② CTS Product Platform and the Importance of Raw Material Sourcing, Quality, Experience and Scale in the Translation of Cell Based Therapeutics 演者:Eric Roos( Global Strategic Alliances, Cell Therapy, Thermo Fisher Scientific ) Day-1 用研究を進める研究者のサポートを精力的に行い、絶え間なく進化す Day-13 Day-49 CART-19 +5% ICSR 幹細胞を使う臨床研究では、細胞培養関連製品の品質管理やその原 材料について、厳しく規制されることが想定されます。それらに対応す CART-19 + 5%ヒト血清 る製品群( Gibco™ CTS™ )や品質管理体制、製品化のための大量 生産プロセスに対応する幅広い製品群を紹介しました。また急性白血 おいて、従来のヒト血清添加培地よりも高い効果をもたらすゼノフリー T 細胞培養添加液、CTS Immune Cell SR( ICSR )製品についてモ デルマウスでの実験例を紹介しました (図)。従来の培養液よりもICSR で培養した方が、白血病マウスの生存率が高かったことを示しました。 page 10 の医療への応用について聞かせてください。 正木氏 もちろん最 終 目 標は移 植 医 療への応 用です が 、ヒト細 胞を用いて胚 盤 胞 補 完 法を行うこ とは現在のところ規制されておりますので、他 の動 物で予 備 実 験を行っています。セミナー で話した通り、げっ歯類とそれ以外の動物か 化できる可能性もあります。 Eric 臓器移植への適用は非常にニーズが高いと思 いますが、その前にドラッグスクリーニングにも 使えそうですね。 正木氏 再生医療の 10 ∼ 15 年後の ら作成した iPS 細胞や ES 細胞では多能性状 ええ、 ドラッグスクリーニングや毒性試験等に 態が異なっています。げっ歯類の ES/iPS 細胞 も有用だと考えています。そのためにも、膵臓 は、着床前多能性状態(ナイーブ )なので、胚 だけでなく、肝臓や腎臓などの研究も並行し 盤胞に注入すればキメラを形成します。しかし て進めています。 胞は、そのままではキメラ形成が 不可能な着 床後多能性状態(プライムド型)にいます。そ こでヒトES/iPS 細胞をナイーブ化する研究を 進めています。一方で、マウスのプライムド型 正木氏 いるはず。とても高性能なカメラが目の代わりを 特に肝 臓は再 生 能 力 が 高いので 、再 生 医 療 研究では重要ですよね。臓器全体でなくても、 小さなピースがあれば、様々な実験で応用で したり、腕や足の一部がロボットと入れ替わった り。入れ替えなくても、ロボットスーツで力仕事 を簡単にできるようになっているかもしれませ んね。このような技術と比較しても優位でなくて は、再生医療は残らないのではないでしょうか。 正木氏 体内の白血病細胞を蛍光量で可視化しています。 未来は、どうなっていると思いますか? 再生医療に限らずいろんな技術開発が進んで Eric 5%ヒト血清のみ CART-19T 細胞投与におけるICSR 培養の高い効果 従来のヒト血清添加培地、もしくは ICSR 添加培地で、CART-19 発現 T 細胞を培養 後、白血病モデルマウスに投与し、13 日目と49 日目で腫瘍を比較しました。その結果、 ICSRで培養したT 細胞を投与した方が高い抗腫瘍効果を示しました。測定は、ヌード マウスに100 万個のルシフェラーゼ発現 NALM-6 白血病細胞を投与後に実施。マウス 若手研究者も多く、法改正やインフラ整備な ど政府からの支援も手厚いので。 胚盤胞補完を行うことで標的臓器だけをヒト きそうですね。 病の治療法として、米国で注目を集めるがん免疫療法についても紹介。 CD19を標的とするキメラ抗原受容体( CAR )改変 T 細胞の体外培養に 臓器の研究にとても興味を持ちました。将来 かし日本の再生医療研究は、世界中からとて も注目されていますよ。この分 野を専 攻する キメラ形成も検証中です。前駆細胞によって げっ歯類以外のヒトを含む動物の ES/iPS 細 サーモフィッシャーサイエンティフィックは、先端科学や医療等への応 る再生医療分野へ信頼性の高い製品の提供しています。今後、多能性 正木先生の研究は非常にユニークで、ヒト化 で、さらに少し分化が 進んだ前駆細胞からの したり、クラウドファンディングも盛んです。し Eric iPS 細胞から機能的な肝細胞を分化誘導する のは培養下では非常に難しいですが、in vivo maturationを行えば 生体と同等の機能を発 揮させることができます。iPS 細胞を使う再生 医療研究において、生体環境の利用は様々な page 11 融合分野の技術開発が面白そうですね。神経 細 胞とカメラをつないだり、生 物 系と機 械 系 の材料をつなぎ合わせ、それぞれの優れた点 を高め合うなど。柔 軟な発 想で、予 想だにし ない技術開発が実現しそうです。 NanoDrop 超微量分光光度計 & Qubit 3.0 Fluorometer 理想は 2 台。核酸やタンパク質の定量・定性に便利な光度計 User's Voice 荒 川 和 晴 氏( 慶應義塾大学先端生命科学研究所) クマムシの乾眠や高機能繊維クモ糸の解析から、生物の本質へ迫る 2 種類の光度計で、ハイスループット解析は着実に す。しかしそれだけでは、ずっと抱き続け 効率よく研究を進めるポイントの 1 例を説 てきた「 生 物とは何か」 という問いに答え 明します。 と無 生 物の境 界を見 極めるため 、長 期 間 「真の意味」でゲノムを解読する の乾燥状態を無生物の様に耐えて (乾眠)、 「クモの糸の解析では、1,000 種類のクモ 生き続 けるクマムシの 研 究を始 めました。 を世界中から採集して糸の遺伝子をRNA 研 究 室で 大 量 飼 育できる環 境を整え、ク マムシの耐性の基盤となる生物学的特徴 をオミックス解 析から研 究しています」 と 語ります。 2 種類の光度計で、 様 々な生 物 のオミックス解 析(ゲノム、 ト 核酸の純度と濃度を正確に把握 うとする慶 應 義 塾 大 学の荒 川 和 晴 氏 。細 胞シミュレーションのため の 基 盤 技 術 開 発を推進する「 E-Cell プロジェクト」の一 員としても、多くの研究成果を挙げてきま した。近 年 、革 新 的 研 究 開 発 推 進プ ログ ラム( ImPACT )の一 環として、クモの糸 の 構 造 解 析にも取り組 んでいます。この 糸 は 軽くて 強く、しかも衝 撃を吸 収 する 車やロケットの材 料への活 用が 期 待され ています。 生物をきちんと理解したい シンプル 不要 スピーディ & 低濃度の 貴重な RNA サンプル測定には、微量で測 重 宝します」。すでにこの 1 年 間で 5 0 0 種 類 のクモ糸 の 遺 伝 子 配 列を読み取り、物 性との関係を解析中とか。 「しかも1 頭のク 「クマムシだけでなく、各メンバーは異な モが 使う糸は 1 種類ではありません。放射 る生 物を対 象に複 数 のオミックス解 析を 状に伸ば す縦 糸や、縦 糸を円 形につなぐ 進めています。そのためラボの次世代シー 横 糸 、映 画『 スパイダーマン 』の手から出 置として 、U V ベ ース の T h e r m o 高感度 Scientific™ NanoDrop™ 特異的 DNA 測定に最適 (<100 ng/µL) & 超 微 量 分 光 光 度 計と蛍 光 ベー miRNAなど、 目的分子を A260/A280比や スのI n v i t ro g e n ™ Q u b i t ™ 特異的に測定 スペクトルを確認 F l u o ro m e t e r を提 供しています。 NanoDrop 超微量分光光度計は、 わずか数 µL の微量なサンプル中の 核 酸 やタンパク質を定 量 。Q u b i t 3.0 Fluorometer は、測定分子を 専 用 の 蛍 光 試 薬 でラベルし、夾 雑 物中でも目的分子を特異的に定量 します。それぞれの特徴を生かして 使い分けることで、実験の正確性と 効率化が図れます。 異常な純度比や 気泡の混入を アラートで警告 夾雑物による NanoDrop One 超微量分光光度計 測定誤差なく 超高濃度の Qubit 3.0 Fluorometer DNAも測定 (>27,500 ng/µL) 正確測定 製品名 サイズ 製品番号 価格 NanoDrop One 超微量分光光度計 1台 A30221 ¥1,750,000 ¥2,050,000 ケンサは 毎 週 稼 働させ 、デ ータを取って る糸のように、クモ自身が移動をする際の 丈夫な『 牽引糸 』など、多くのクモは 7 種類 NanoDrop One C 超微量分光光度計 1台 A30222 コンピューターで 解 析 する日 々 です 。実 Qubit 3.0 Fluorometer 1台 Q33216 ¥201,000 験から解析まで、ハイスループット解析が 程 度の糸を状 況に応じて使い分けていま Qubit 3.0 Quantitation Starter Kit 1 セット Q33217 ¥221,100 行えることが 、私たちのラボ室の強み」 と す」。このように多様なクモの糸の遺伝子 Qubit 3.0 NGS Starter Kit 1 セット Q33218 ¥216,100 荒 川 氏は語ります。サンプル測 定には、2 は単 一の遺 伝 子から派 生してきましたが 、 種 類 の 光 度 計 、T h e r m o S c i e n t i f i c ™ ちょっとしたアミノ酸配列の違いで大きく N a n o D r o p ™ 超 微 量 分 光 光 度 計と 物性が 変わるそうです。 「そこが 非常に興 Invitrogen™ Qubit™ Fluorometerを 味 深 い 点 」と荒 川 氏 。 「これまでのゲノム FLUORESCENCE IQ QUIZ 使っています 。 「 特に実 験の初 期 段 階の 解読は、単に配列を読み取るだけ。いわば 蛍光観察クイズに答えて オリジナル T シャツをゲット! DNA や RNA の精製後は、どちらも使いま 『 塩 基 配 列の写 経 』でした。クモの糸の遺 すね。NanoDrop 超微量分光光度計で複 伝子解析では、ゲノム情報とその実体であ 数の波長における吸光度から純度と濃度 る糸タンパク質の物 性との関 係 性を読み コンピューターの 中で 生 物を作ると面 白 を測定し、Qubit Fluorometer でターゲッ 解こうとしています。それが『 真の意 味で そうだと思い 慶 應 義 塾 大 学へ入 学 。荒 川 ト分子の濃度を測定します。次世代シーケ のゲノム解 読 』につながるはず 」。幅 広い 氏は、得 意な情 報 科 学からのアプローチ ンサのライブラリー調製でも、正確な濃度 応用が期待されるクモの糸から、遺伝子情 で、ゲノム情 報を基に細 胞シミュレーショ 測 定 が 必 要となるので 、高 感 度 の Q u b i t 報と生 物 機 能 の 関 係を紡ぎだし、生 物 の ンモデルを構 築する研 究で 学 位を取りま Fluorometer で定量します」と、少人数で 根幹に迫る研究が続けられています。 n tN s eA I G re P P CAM 伸長性の高い繊維として衣料だけでなく、 から解 読 中です。RNA 抽 出から配列アセ ンブリングまで 1 週 間 程 度で 済 みますが 、 定できるNanoDrop 超微量分光光度計が ミドリムシ や バ クテリア 、クマ ムシ など 、 ローム)から、新しい視点で生物を捉えよ 希釈や 試薬添加・反応が ベンチトップ 型 のサンプ ル 定 量 装 られないと感じたと話します。 「 そこで生物 ランスクリプトーム、プロテオーム、メタボ POINT 蛍光観察にまつわる基礎知識を問う、 IQクイズに挑戦してみませんか ? 参加者から抽選で 30 名様に 「 Molecular Probes 蛍光教室」 オリジナル Tシャツをプレゼント! ぜひご参加ください。 (火)∼ 2016 年 7 月 29 日 (金) 応募期間: 2016 年 4 月 26 日 詳しくはこちらから→ www.thermofisher.com/imagingbasics クマムシとは ? めざせ ! 蛍光博士 レベル 緩歩動物門に含まれる、水生の無脊椎動物。極寒や長期の乾燥、大量の放射線、真空でも 延命する地球上で最強動物と言われている。 ( 参考記事: 「宇宙生物学とクマムシと私」) 荒川研究室で飼育しているクマムシを綴る 「クマムシ日記」 では、動画も公開中( 2015 年 5 月 8 日の日記)。動く姿がとってもキュートです。研究室では、写真のヨコヅナクマムシ以外 に、 ドゥジャルダンヤマクマムシ、南極昭和基地で見つかった Acutuncus antarcticus の 三種類を飼育中。www.kumamushikansatsu.com(クマムシ日記) page 12 page 13 User's Voice 植 田 幸 嗣 氏( 公益財団法人がん研究会ゲノムセンター がんオーダーメイド医療開発プロジェクト・プロジェクトリーダー) プロテオミクスが支える未来のがん個別化医療 オービトラップ質量分析計で多検体解析でも安定した分解能と感度を確保 ゲノムプロジェクトが 次々と華やかな成 果 ね。特に血清や血漿など、複雑な生体サンプ を同 定したそうです。患 者さんへの負 担が 糖鎖解析で医薬品の品質を保証 を挙げる中 、2005 年に東 京 大 学 医 科 学 研 ルを 200-300 人 分 連 続 分 析しても感 度や 少ない 採 血で行う「リキッドバイオプシー」 究所内に「先端臨床プロテオミクス共同研 分解能が 落ちないのは素晴らしいと思いま は、各分野で注目されていますが、タンパク 植 田 氏 が 開 発した 糖 鎖 質 量 分 析 技 術 究ユニット」を立ち上げた植田氏。彼は今や す。臨 床プロテオミクスでは多 検 体 分 析が 質 解 析 の 利 点は早 期 診 断 が 可 能な点だと 植田氏は答えます。 日本のプロテオーム研究を牽引する存在で できることが 一番重要です。Q-TOF 型でも す。国内外の研究室から、バイオマーカーや 高感度な質量分析装置はありますが 、検出 新 薬 の 標 的 探しを目 的に質 量 分 析 の 依 頼 器が 汚れて感度、特に分解能がすぐに低下 Erexim 法は LSIメディエンス社で実用化さ れ、抗体医薬品をはじめとしたバイオ医薬品 の品質管理、開発支援受託事業として広く 使用されています。 「 製薬業界では糖鎖エン トランスオミクスからのアプローチ ジニアリングが特にホットな分野。抗体医薬 が殺到。自身は、血中にごく微量含まれるエ してくるのが問題」 とその特徴を語ります。 一方、ゲノミクスの大家であり、恩師でもあ クソソームを標 的に、が んのマーカー探 索 品などは、その糖鎖構造で薬効や安全性が 植 田 氏が 、が んのマーカー探しの材 料とし る中村祐輔氏と共同で進めるのが 、がんペ を進めます。植田氏に「右腕」と位置付ける 大きく変 化します。私 達は定 量 質 量 分 析 技 て注目するのは、エクソソーム。血中を循環 プチドワクチンの開 発 。中 村 氏より次 世 代 術を応用してタンパク質医薬品上糖鎖の精 するエクソソームのタンパク質プ ロファイ シーケンサでがん細胞から洗い出した遺伝 密な定量プロファイルを提供しています。例 ルは、オリジナルのが ん 細 胞と非 常に良く 子変異リストを受けとり、植田氏は、同一患 えば 、目的の糖鎖構造、夾雑物、ヒト型以外 似ており、が んに特 異 的なタンパク質を検 者組織からHLA 抗原を精製し、質量分析に の糖鎖の存在比率などです。副作用への影 植 田 氏 は 、質 量 分 析 を 武 器 に 、早 期 診 断 出しやすいとのこと。 「ただし血 液には、抗 かけます。変 異リストと突き合わせ、どの変 響も注 目されており、医 薬 品はバイオシミ 用 や 予 後 予 測 用 、薬 効 予 測 用 のマーカー 体やアルブミンなど、数十 mg/mL オーダー 異 領 域が 1 細 胞あたり何コピー、細 胞 表 面 ラー(後発医薬品)のシェア拡大も相まって や、治療標的を探索してきました。日常的に の多量の夾雑タンパク質が 含まれています。 に抗 原として提 示されているか確 認します。 品質管理の面でも競う時代ですね」 とトレン 数百人規模のサンプルを解析していると話 マーカー候 補となるエクソソーム中の微 量 生体内で実際に免疫細胞の標的となる腫瘍 します。 「 2011 年頃からサーモフィッシャー を同定する なタンパク質( ng/mL-pg/mL ) 特異的なペプチド ( neoantigen )でワクチ の オー ビトラップ 質 量 分 析 計( T h e r m o のは至難の業。それを乗り越えるため、サイ ンを作れば 、効果の高いがんの個別化医療 広がり続ける質量分析の可能性 S c i e n t i f i c ™ LT Q O r b i t r a p Ve l o s ™ ズや膜表面の生化学的な性質を利用したエ が 期待できます。ゲノミクスとプロテオミク プロテオミクスを含むさまざまなアプローチ 質量分析計について伺いました。 プロテオミクスでがんと闘う であるうえ、患者ごとにタイプが異なります。 でしょうか。質 量 分 析データの解 析は至 難 「 今は一 度 の 測 定で 1 つの 項 目を測 定する の業です。 1つのタンパク質が 数 十 ∼ 何 百 シングルマーカーしか承 認されていません ものペプチドフラグメントに分かれ、全体で が 、今後は一度に多項目を同時定量するマ 何百万のシグナルがひしめく世界。今は、質 ルチマーカー検 査の時 代がくると想 定して 量 分 析 計 が 産 み 出す膨 大なデ ータのうち、 ドを語ります。 います。その時は質量分析計の出番」 と、が 昔ながらのデータベース検索で同定できる んの 個 別 化 医 療 の 将 来 像を描きます。 「基 わずかな情報しか活かせていないことを考 礎 研 究 でも臨 床 研 究 でも、幅 広 い 成 果 が えると、まだまだ宝の山ですね」 と語る植田 見込めるので、需要は増していくはず。ソフ 氏。機器をとりまく人材の力を強化して、質 を使い始めました。Q-TOF 型よりも優 ETD ) クソソーム精製カラムを開発しました」 と語 スを組み合わせることで生まれた最先端の により、が んのマーカーが 続 々と報 告され トウェアも充 実し、昔よりユーザーフレンド 量分析からプロテオミクスの可能性を広げ れた分解能とずば抜けた安定性が魅力です ります。すでに 4 , 0 0 0 種 程 度のタンパク質 トランスオミクスアプローチです。 ています。しかしが んはヘテロな細 胞 集 団 リー。今 後 必 要なのは、インフォマティクス 続けます。 Orbitrap Fusion Lumos トライブリッド質量分析計 革新的なトライブリッド構造で NEXT NEWS NEW! 「定量生物学」を実現 日本プロテオーム学会 2016 年大会 ̶̶ トランスオミクスが拓く地平 ̶̶ 日本プロテオーム学会は、プロテオーム分析技術の開発普及、ヒトやモデル生物のプロテオーム研究の推進を図るため、産官学の研究 者が集う学会です。今年は、 「トランスオミクスが拓く地平」 をテーマに、ゲノム、 トランスクリプトーム、プロテオーム、メタボロームと言っ た、複数のオミックス解析を結びつける「トランスオミクス」の大きな可能性を探ります。サーモフィッシャーサイエンティフィックは、本学 会に出展およびランチョンセミナーを実施します。 POINT Thermo Scientific™ Orbitrap Fusion™ Lumos™ トライブリッ ド質量分析計は、優れた四重極テクノロジー、独自の Orbitrap アナラ イザー、多段階 MS/MS 解析を可能にするデュアルリニアイオントラップ を搭載した高性能質量分析計です。プロテオミクスやタンパク質の翻訳 後修飾の同定から、網羅的脂質プロファイリングなどの低分子解析まで、 これまでにない精度の高いデータを提供し、定量生物学を促進します。 会期 2016 年 7 月 28 日(木)、29 日(金) 大会長 服部成介(北里大学薬学部教授) 会場 北里大学薬学部 白金キャンパス HP http://jpros2016.umin.jp/ 弊社の展示やランチョンセミナーの情報は、ウェブのイベントページで随時更新しています。 質量分析計のお問い合わせはこちらから→ TEL.0120-753-670 page 14 page 15 ハイコンテント解析 Q&A オプティカルボトムプレート 細胞イメージングを定量化してみませんか ? 細胞イメージングやハイコンテント解析に最適 細胞の反応は、すべて同じように動くことはなく、個々の細胞ごとに微妙に違う反応が生じています。従来のアッセイ系で多数の細胞を計測する場 合、全体量としての変化を追うことしかできませんでした。しかしハイコンテント解析を行えば、一つひとつの細胞イメージの定量化を、個々の細胞 POINT の詳細な反応から、それが集団としてどのように動いていくかまで、数値結果の統計的な解析で詳細に検討できます。サーモフィッシャーサイエン ティフィックは、スクリーニングや細胞解析に対するイメージング定量化のためのハイコンテントスクリーニング( HCS )プラットフォームとして細 胞イメージアナライザーを提供しています。最大 1,536ウェルプレートの細胞イメージを迅速に定量化します。このコーナーでは、弊社 2 人の細胞 解析アプリケーションスペシャリスト (小山良代・久慈武信)が、広まりつつある細胞イメージングのハイコンテント解析の疑問に答えます。 製品詳細とデモ依頼はこちらから→ www.thermofisher.com/HCS Thermo Scientific™ Nunc™ オプティカルボトムプレートは、高品質ポリスチレンまた はガラスを使った薄層のクリアボトムからできています。高解像度の細胞観察に適し、自家 蛍光が低いため蛍光観察にも最適です。また多様なマルチウェルプレートがあるので、検体 数の多いハイコンテントアナリシスにも柔軟に対応。さらに ANSI/SBS 規格準拠でオート メーションに対応し、快適なハイスループット解析を実現します。 ● クリアな底面で細胞イメージング解析に最適 ● ポリスチレン製( 0.25mm ) とガラス製( 0.19mm )の 2 種類の底面 1 細胞イメージングアナライザーによる 4 ハイコンテントスクリーニングとは ? アプリケーションサポートで ● オートメーション対応( ANSI / SBS 規格準拠) 一番大変だったこと、喜ばれたことは ? 小山: 細胞イメージングアナライザーとは、蛍光顕微鏡と画像解析を組 小山: 大変だったことは、非常に微量な存在率の細胞( 0.01% 以下)の み合わせたシステムであり、蛍光標識した細胞を自動撮影し、その蛍光 定 量 化 。細 胞 画 像が 1000 枚を超え、機 器が 自動で解 析してくれると 強度や細胞形態情報などを数値化します。数千∼数万種レベルの条件 いっても時間が非常にかかったので ( 1 時間程度)。一番喜ばれたことは、 を一括して客観的に評価するスクリーニングアッセイが行えます。 細胞内のたんぱく質の共局在情報など、他の手法では得られなかった 実験例 クリアボトムで、蛍光観察に最適 画像は、黒のオプティカルボトムプレートで細胞培養 し、蛍 光 染 色したデ ータです。上は C e l l L i g h t 蛍 光 ボトムがクリアで、細胞観察用の材質を使用しているので、 タンパク質標識を用いて A549 細胞のミトコンドリア ハイコンテント細胞イメージング等で鮮明な画像が得られます。 ( 赤 )、ゴルジ体(緑)、核(青) を染色。また下は HeLa 細胞のゴルジ体(赤)、ER(緑)、核(青) を染色した画 画像から情報が得られたときですね。 像です。細胞の観察・撮影は Invitrogen™ EVOS™ オプティカルボトムプレート ( OBP ) 5 ブラックプレート (ソリッド) ポリスチレンクリアプレート FL Autoを使用。 A549 これから流行りそうなアプリケーションは ? 久慈: コロニー (スフェロイド) など、3D 培養された細胞をハイコンテン 2 ト解析し、従来の 2D 培養細胞と比較検討するアッセイや、非染色のま アナライザーに内蔵の 底厚:0.25 mm (高質 PS ) / 0.19 mm (ガラス) ま細胞解析がどこまでできるかというアプリケーションにも、今後挑戦 バイオアプリケーションとは ? していきたいですね。 底厚:1.0-1.2 mm ボトムが薄層でクリア ボトムもフレームと同色 Mitochondria-RFP/Golgi-GFP/ NucBlue Live ReadyProbesを使用 久慈: 目的ごとに適切に組み合わせた画像解析アルゴリズムを選択する ことで、パッケージとして読み込めるアプリケーションです。自分の実験系 6 にマッチするバイオアプリケーションを選択するだけで、必要なすべての 細胞観察可能 こういう方(研究者)にお勧めです ! 下方/上方向カウント可能 蛍光観察不可 蛍光観察不明瞭 上方向カウントのみ 低解像度 Hela 解析パラメータを調整でき、従来機器のようにスクリプトやプログラムを 書き込むことなく簡単に最適な定量化が行えます。 小 山: 細 胞を扱うすべての 研 究 者 の 方にお勧 めです。おそらく普 段 ハイコンテント細胞イメージングに最適 使っている顕微鏡よりも、短時間で多数の画像を撮影できるので、顕微 鏡の代わりに使っても便利です。これで画像を撮って数値化しておけ ば、いつかきっと役立つ日が来ます ! 手軽に始めたい方には、Thermo Scientific™ CellInsight™ CX5 HCS プラットフォームがお勧めです。 Golgi-RFP/ER-GFP/ NucBlue Live ReadyProbesを使用 上位機種と同じソフトやカメラを使っています。また新製品のCellInsight CX7 HCS プラットフォームは、共焦点撮影が行えるので、3D 培養細胞 3 の解析にも適しています。 お勧めのアプリケーションは ? NEW! 久慈: Neuronal Profiling ̶̶ 神経細胞解析に特化したアプリケー ションです 。神 経 突 起 の 詳 細 な 解 析 や 、細 胞 内 の 複 数ターゲットの Overlapまで解析できる非常に優れたアルゴリズムを持ちます。ただし CellInsight CX7 HCS プラットフォーム その分設定が複雑な部分があり、マニア向けかもしれません。 CellInsight CX5 ハイコンテントスクリーニングプラットフォーム 製品名 表面処理 材質 サイズ(個×包) 製品番号 価格 Nunc マイクロウェル ポリマー底 96ウェル オプティカルボトムプレート Nunclon Delta PS / PS 10 × 3 165305 ¥49,770 Nunc マイクロウェル ポリマー底 96ウェル オプティカルボトムプレート Poly-D-Lysine PS / PS 5×4 152037 ¥35,280 Nunc マイクロウェル ポリマー底 96ウェル オプティカルボトムプレート Collagen PS / PS 5×4 152036 ¥35,280 Nunc マイクロウェル カバーガラス底 96ウェル オプティカルボトムプレート Non-treat PS /カバーグラス 1×6 164588A ¥22,800 Nunc マイクロウェル カバーガラス底 96ウェル オプティカルボトムプレート CC2 PS /カバーグラス 1×6 160376 ¥24,000 PS / PS 10 × 3 142761 ¥64,500 Zebratox ̶̶ 我々アプリケーション担当もほとんど使う機会がありま Nunc 384ウェル オプティカルボトムプレート Poly-D-Lysine PS / PS 5×4 152029 ¥50,820 せん。あまりに限定用途すぎて、特定のアッセイ以外使い道がありません。 Nunc 384ウェル オプティカルボトムプレート Collagen PS / PS 5×4 152041 ¥50,820 だれか使ってください。 Nunc 384ウェル オプティカルボトムプレート Non-treat PS /カバーグラス 1×6 164586 ¥25,200 スフェロイドの共焦点画像 Nunc 384ウェル オプティカルボトムプレート Nunclon Delta ※上記製品の色は、すべてブラック。ホワイトプレートも提供しています。 ※上記リストは一部です。全製品やその説明はこちらから→ www.thermofisher.com/jp-nunc-mp page 16 ※ Nunclon Deltaは、接着細胞のための親水性表面処理です。 page 17 い つ 行く? どうする ? 海 外 留 学 Technical Review 血球計算盤より再現性高く、Countess Ⅱ FL 自動セルカウンターで計測 末梢血単核球の細胞数カウントを正確、簡単に 新鮮な状態で採取した末梢血単核球( PBMC )細胞の健全性を、一般的な血球計算盤で評価する場合、測定に個人差が 生じがち です。なぜなら計算盤による測定は操作が 煩雑で、しかも明視野観察では複雑な組成の血液細胞の境界が 不鮮明となるからです。 Invitrogen™ Countess™ Ⅱ 自動セルカウンターを使えば、短時間で再現性良く計測できます。ここでは、本装置による明視野測 定と、蛍光色素を使った生死判定法をご紹介します。 Title Name 2 つのリサーチの進め方を学んだ 米国での 12 年間 Number 17 河 上 裕 氏(慶應義塾大学医学研究科委員長、医学部先端医科学研究所 「臨床での問題を基礎研究へフィードバックし、その成果を臨床 彼は医学生物学の重要な問いに答えるためには、コンピューター けることが Rosenberg 博士から学んだトランスレーショナルリ を駆使した新しい網羅的な解析技術を開発することが必要とい サーチ」 と慶應義塾大学の河上裕氏は開口一番語ります。今、世 つも言っていました。今では当たり前となったシステム生物学で 界が注目する腫瘍免疫研究の第一人者として、 トランスレーショ す。実際、ここでは後のヒトゲノムプロジェクトの成功につながっ PMBC は、株化細胞よりも明視野にお テニスに明け暮れた大学時代 生細胞または死細胞 ? 学部に入学しました。しかし大学時代の半分以上はテニス部の で( 図 1 )、 トリパンブ ルー 染 色 でも血 活動に費やしていました」 と笑う河上氏。テニス部で教わった元 球計算盤による同定が 難しくなります。 C o u n t e s s Ⅱ 自動セルカウンターは、 自動でフォーカスや照明を設定するの で再 現 性 高く細 胞を区別します(図 2 )。 またゲート設 定により、細 胞 調 製 段 階 で発生するデブリを計測から除けます。 慶應義塾大学塾長小泉信三氏の「スポーツが与える3 つの宝」の 教えを、今も教授室に掲げています。それは 「練習ハ不可能ヺ可 死細胞またはデブリ? 能ニス」 「フェアプレイの精神」 「 友」。河上氏は、 「 スポーツだけで PMBCは、不鮮明で小さく同定が難しく、デブリ等との区別 図2 Countess Ⅱ 自動セルカウンターによるPMBCの計測 細胞液にトリパンブルーを混合後、スライドに注入して計 なく、人生全般に通じるのでは」 と話します。 も煩雑で測定に個人差が生じがちです。 測。ゲーティングすることで、5 µm 未満のデブリは計測から 免疫とがんの研究へ 図 1 計測盤によるトリパンブルー染色したPMBCの計測 排除できます。緑丸は生細胞、赤丸は視細胞。迅速なオート フォーカス後、肉眼でも確認できます。 [蛍光観察によるPBMCカウント] 図 3 PBMCの生死判定におけるCountess Ⅱ 自動カウン A ターとフローサイトメトリーの比較 Count( 10 3) コントロール( A ) または熱 処 理した( B )P B M C を 5 µ g / m L の A c r i d i n e O r a n g e および 3 µ g / m L の E t h i d i u m H o m o d i m e r- 1 で 染 色 。各 サンプ ルを I n v i t r o g e n ™ とCountess Ⅱ FL Attune™ NxT Flow Cytometer(左) 自動セルカウンター (右) で測定。 [結論] Fluorescence intensity B の当たりにして、研究の重要性に気づきます。当時急速に研究が 発展していた免疫とがんに興味を持ち入局した血液感染リウマ チ内科では、患者さんを診た後、夜遅くまで研究を続けるも、成 果がでない日々。見かねたスーパーバイザーから研究に専念し てこいと海外留学を勧められます。29 才の時でした。当初 3 年の 予定が 、なかなか大きな成果をあげられず、気がつけば 12 年間 も米国で研究生活をすることになります。 「 がん免疫研究」の世界的権 Steven Rosenberg 博士のラボ。 威です。 「 私のテーマの一つは、ヒトがん細 胞を認 識する T 細 胞 受容体の遺伝子解析。そのために1989 年にカリフォルニア工科 物学的手法を駆使して 「 T 細胞が認識するヒトがん抗原の遺伝子 クローニング」 に取り組みます。そして 1994 年、ついに新規がん 抗原遺伝子の論文を発表し、世界の注目を集めます。当時、今話 も単離して 題の DNA 突然変異由来のがん抗原( neoantigen ) います。この研究は、ヒト腫瘍免疫を分子レベルで解析すること を可能にし、その後の腫瘍免疫研究の道を拓く成果でした。 一貫したヒト免疫学と腫瘍免疫学の研究 現在、腫瘍免疫学は新しい時代を迎えています。免疫チェックポ いるからです。河上氏は、今、世界中が注目する腫瘍免疫のフロ ントラインで、研 究チームを率いています。新しい T 細 胞 療 法や 免疫チェックポイント阻害剤の開発、その適用を見極めるバイオ マーカーの同定や免疫状態のサブセット分けによる個別化・複合 がん免疫療法の開発など精力的に研究を進めています。 若い人へのメッセージ 「徹夜してもあまり苦にならない好きなことを、それぞれが見つけ ることで、単核球のみを正確に計測できまし Count 文も準備したのに、結局、半年間の実験が 水の泡になりました」 と淡々と当時を振り返ります。 療が効かなくなった患者を救い得る免疫療法が続々と出てきて 留学の大半を過ごしたのは、米国 NIH 国立がん研究所 (NCI) の ること。自分自身の頭で考え、日々の努力を継続すること」。それ た(図 3 )。今回の染色法以外にも、SYTO 9 、 が河上氏からのメッセージです。若き日、Caltech での成果は世 Invitrogen™ 7-AAD 、および Invitrogen™ SYTOX™ Red Dead Cell Stainなどの蛍 に出なかったけれど、その後、数多くの成果をあげてきました。学 も活かされたの 生時代に教わった「スポーツが 与える 3 つの宝」 ではと思われます。 光試薬が使え、幅広い応用に対応します。 Fluorescence intensity M ORE 室で研究不正問題が起こり、全ての実験が凍結されました。 「論 イント阻害剤や培養 T 細胞を用いた養子免疫療法など、標準治 DNAシーケンスゲルを作り続けた日々 動セルカウンターと蛍 光 染 色を組み合わせ INFO んね」 と笑います。ところがほぼ 実験も終了していた時に、研究 しかしNIH に戻った河上氏は、今度は Caltech で学んだ分子生 医学部卒業後、多くの患者を治せる医師を目指して内科に進み PBMC サンプルには、赤血球や血小板やデ ブリ等が含まれますが、Countess Ⅱ FL 自 のシーケンス用ゲルを作り実験を続けました。本当に自慢できる くらいゲル作りは上手になりましたが、今では使い道がありませ T 細胞認識ヒトがん抗原のクローニングに成功 ! ますが、血液内科医として、何人もの救えない若い患者さんを目 PMBC を熱 処 理の有 無で 2 サンプル準 備し、2 色の蛍 光 色 素で細 胞を染 色 、測 定しました。総 細 胞 数は、Invitrogen™ Acridine Orange( Ex/Em:500/526 nm )染色細胞をカウント。この色素は、細胞膜透過性で dsDNAに結合すると緑色蛍光を発します。死細 胞数は、Invitrogen™ Ethidium Homodimer-1( Ex/Em:528/617 nm )染色細胞をカウント。この色素は、DNAに結合前は弱蛍光 性で、結合後に強い赤色蛍光を発します。その結果、フローサイトメトリーの一致することを確認しました (図 3 )。 た蛍光色素を用いたDNAシーケンサーの開発が進められていま した。しかし、それはまだ最適化されておらず、当時はアイソトー プ標識でシーケンスを読む時代で、私も半年間、毎日 10 台以上 「もともと数学・工学系でしたが、人体を学んでみたいと思い、医 ける細 胞 の 境 界 が 不 鮮 明となりが ち 大学( Caltech )の Leroy Hood 博士のラボに国内留学しました。 で検証する、そしてまた基礎研究に戻る。このサイクルを回し続 ナルリサーチを牽引する河上氏の研究の原点を探ってみました。 [ 明視野観察によるPBMCカウント] 細胞情報研究部門教授) 1980 年慶應義塾大学医学部卒業後、同大学病院研修医、国立大蔵病院内科、慶應義塾大 学血液感染リウマチ内科助手として勤務後、85 年から米国南フロリダ大学免疫学教室、87 製品の詳細情報やデモのお申込みはこちらから→ www.thermofisher.com/countess page 18 年から97 年まで NIH 国立がん研究所 (NCI) 、89 年にはカリフォルニア工科大学生物学教 室に国内留学。97 年から慶應義塾大学医学部先端医科学研究所細胞情報研究部門教授、 Dr. Rosenbergとのスナップショット。帰国前に、彼のオフィスで( 1997 年)。 2005年から2015年まで同研究所所長、2015年から慶應義塾大学医学研究科委員長 page 19 INFORMATION 2016 / May / No.35 T h e r m o S c i e n t i f i c ™ 、A p p l i e d B i o s y s t e m s ™ 、I n v i t r o g e n ™ 、 Gibco™ 、Ion Torrent™ ブランドは、 サーモフィッシャーサイエンティフィックの ブランドです。サーモフィッシャーサイエ ンティフィックは、豊富な製品ラインアッ プ、絶え間ないイノベーション、充実した サポートで、全世界 50,000 人の従業員 が、お客様のご成功を強力に支援します。 また、Molecular Probes™ 、Novex™ 、 Ambion™ 製品は、Invitrogen ブランド としてご提供して参ります。 今後とも変わらぬご愛顧のほどよろしく お願い申し上げます。 www.thermofisher.com/brands NEXT 5 月号はいかがでしたか ? 特集は、東京大学教授の菅裕明氏。フレキシザイム開発に至る異端の日々、ペプチドリーム社設立への想い、科学の先端 から眺める未来について伺いました。人気の留学記は注目を集める腫瘍免疫研究を牽引する慶應義塾大学の河上裕教授。 ユーザーボイスも新たな抗がん剤へのアプローチや注目を集めるエキソソームの質量分析、そしてクマムシのオミックス解 析なバラエティに富んでいます。新製品やテクニカルレビューと共にお楽しみください。読者アンケートで、10 名様に Quo カード当たります。ぜひご協力ください。アンケートはこちらから→ www.surveymonkey.com/s/NEXT35 photographs: mitsuhiro koyama( p.02-03 ), ryoichi morikawa( p.10-11 ) art direction & design: masami furuta, yuka uchida( opportune design ) science writing: momoyo matsuyama, hiroshi mizuno edition: yuko hashimoto NEXT バックナンバーは、こちらから→ www.thermofisher.com/NEXT ●記載価格は2016年 5月現在の価格です。●消費税は含まれていません。●価格は予告なしに変更する場合がありますのであらかじ めご了承ください。●最新の価格および在庫数は、弊社ホームページ右上の"製品価格と在庫の検索"でご確認いただけます。●研究 用にのみ使用できます。●診断目的およびその手続き上での使用は出来ません。●記載の社名および製品名は、弊社または各社の商 標または登録商標です。●販売条件はこちらをご覧ください。www.thermofisher.com/TC For Research Use Only. 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