平成28年 9 月 1 日 議員視察報告書 赤穂市議会 議長 家 入 時 治 様 議員氏名 〃 〃 田 竹 家 端 智 孝 内 友 江 入 時 治 下記のとおり、行政視察に参加しましたので報告します。 記 1.実 施 日 平成28年8月17日(水)~平成28年8月19日(金) (3日間) 2.調査市及び主な調査項目(詳細については別紙のとおり) (1)秋田県五城目町(平成 28 年 8 月 17 日(水)) *廃校舎利用(レンタルオフィス)について *古民家活用事業(シュアビレッジ)について *議会運営全般について (2)秋田県大館市(平成 28 年 8 月 18 日(木)) *資格取得支援について *「ふるさと名物応援宣言」の取り組みについて ・宣言に至る経緯、官民の取り組み状況、今後の課題等について *議会運営全般について (3)秋田県能代市(平成 28 年 8 月 19 日(金)) *「イクメン」を増やす取り組みについて ・父子健康手帳の配布状況について(経緯・実績等) *奨学金の若者定着への活用について *議会全般について 視察地:秋田県五城目町 平成28年8月17日(水) 目 的 人口減少期において、公共施設の再利用と空き家対策は大きな課題となっている。人 口減少の著しい町では、知恵を絞り行動を起こして対策を推進しているため調査を行う。 説明内容 1.廃校舎利用(レンタルオフィス)について 2013年3月に138年続いた小学校が少 子化により廃校になり、校舎を図書館、公民館 利用などが検討された。2013年10月にレ ンタルオフィス施設として補助率100%で改 修して「夢のある場所」に生まれ変わり、起業 やコミュニティ活動を支援する「地域活性化支 援センター」として開設した。 * オフィス 11室 月額 20,000円 * 事業支援棟 1棟 月額 30,000円 〇開設にこぎつけた職員の活動 2011年に企業誘致係を新設し、2012年に専門家と共に町の可能性を調査した。 結果、働ける人が足りない、土地がない、地理的に不利などから、大きな企業や工場誘 致は難しいと判断した。 ご縁を大切にした誘致活動 町内外の企業を訪問 千代田区を拠点に営業 〇開設後の取り組み ◇いなかソンin五城目を開催し、全国のIT技術者と住民が連携しアプリケーション を開発 ◇県内企業等を対象にした運動会を開催「大人の運動会」 ◇センターを開設した結果、20年以上企業誘致の成果がなかった町に「地域支援セン ター」を開設して11社が入居。さらに2014年5月から地域おこし協力隊として有 能な若者3人が東京から五城目町に移住してきた。 この3人は雇用ではなく、3年間の協力隊として謝礼月額20万円を支給している。 結果年間約5,000人が訪問する施設となっている。また、「遊びに来たい」 「移住し たい」という若者が増えてきた。 Q&A Q レンタルオフイッスの今後の募集予定は? A Q A 職員室・食堂など公募する。 東京千代田区とのご縁とは何ですか? 平成元年に姉妹提携をし、千代田区に東京事務所を設置している。 2.古民家活用事業(シェアビレッジ)について 〇シェアビレッジ町村 この事業は、入居企業が連携して取り組んだ古民家再 生プロジェクトで「年貢(年会費)を納めて村民(会員) になる。」 第二の田舎を求めて築133年の茅葺古民家、維持管 理が困難で解体を検討していた家を再生し、みんなで支 えて行こうとするプロジェクト。 年貢(年会費)を納めて村民(会員)になった人は、 15年3月に寄付金の募集を始めてからすでに 1,100人超、利用する村民は古民家に宿泊しながら かまどでご飯を炊いたり、古民家の修繕活動をしたり、 町の見どころを訪れたりと、田舎暮らしを体験でき、地 域住民との交流の拠点にもなり五城目町と都市部をつなぐ新たな窓口として注目されてい る。 年貢→年会費3,000円を払えば誰でも村民になり、自分の好きな時にシェアビレッジ へ行き、畑仕事をしたり、竈でご飯を炊いたりイベント参加、宿泊ができる。 寄合→村民だけが集まる定期開催懇親会、都市部(東京・神奈川県)で開催している寄合 にも参加できる。 里帰り→村民同士が仲良くなることで生まれるのが「里帰り」 。仲良くなった村民同士で年 一回の村祭り(一揆)や稲刈りイベントに参加できる。 Q&A Q 茅葺古民家は誰の目に留まったか? A レンタルオフィスの代表者丑田さんが「解体寸前」 の状況をみて再利用に「年貢制度」を立ち上げる。 所 感 五城目町は、学校改築の失敗をまちづくり課が活性化事業に上手く活用している。まち づくり係長の営業マン的取り組みが人を呼び込み、そのご縁が更に人を呼び込むという好 循環を生み、現役世代がまちの創世を牽引しているのを強く感じた。職員の適材適所と任 務の明確化が重要であり今後人事課へ提案し反映していきたい。 説明者 五城目町まちづくり課 柴田係長 視察地:秋田県大館市 平成28年8月18日(木) 目 的 定住を推進するには、雇用の確保が重要である。中小企業や地場産業を活性化するため の施策として、資格取得支援やふるさと名物応援宣言の取り組みを調査する。 説明内容 1.資格取得支援について 資格取得支援は、仕事に役立つ資格を取得する際の経費の2分の1(1人最大10万 円)を補助する。 申請者・・・経費と負担した市内中小企業者 対象者・・・市民で資格取得年度当初における満年齢が65歳未満 (①在職者 ②求職者 ③高校生) 対象資格・・・国家資格及び国家検定(技能検定) 対象経費・・・資格取得に必ず要する受講料・受験料・登録料 申請期限・・・資格を取得した日から6か月以内 手続き ・・・補助金交付申請書に下記の書類を添えて商工課商工係へ退出 これまでに443名の資格取得に向けた取り組みを後押し 補助額16,291千円 主要支援資格(上位) ・フォークリフト運転技能講習 ・大型特殊自動車運転免許 ・大型自動車免許 ・高所作業者運転技能講習 Q&A Q 免許証の取得ができないとき補助費用はどうなる? A 費用返納はない 2.「ふるさと名物応援宣言」の取り組みについて ・宣言に至る経緯、官民の取り組み状況、今後の課題等について ふるさと名物応援宣言をする対象を何にするか、どのように支援していくのか、とい った内容について、地域資源を活用する事業者や該当事業者を支援する関係団体など、 地域における多様な関係者の意見を聴取するなど地域の実情に応じ決定していく。 ふるさと名物応援宣言概要については、地域産業資源を活かした「ふるさと名物」を テコに地域活性化を図るため、市区町村が「ふるさと名物宣言」する等の関与により地 域ぐるみの取り組みを促進する。 活性化の事例 ①高知県馬路村のゆず加工品 ②愛媛県今治市の今治タオル 集中的な国の支援は「情報発信」「人材育成」「補助金」 ※補助金の活用 事業計画を作成し事前に国の認定を受ける必要がある。 ※今後の展開 成功事例の「見える化」 国・県で活用するメニュー ふるさと納税の返戻品活用 他の地域資源の発信 所 感 大館市は、地元企業への支援について「人材確保の面から一歩を踏み出し、地元企業へ 従業員が資格を取得するときの経費をサポート」を積極的に取り組み、ふるさと名物応援 宣言については、地域を上げて支援を行う地域産業資源を活用した商品を特定し、地域ブ ランドの育成・強化に向けた継続的な取り組を行っている。 赤穂では、「忠臣蔵」「塩」「水」「牡蠣」などブランド化できるものがあり、ふるさと名 物応援宣言や国への申請による補助金活用を民間に周知できているのか気になる。国の制 度を広く周知し活用することを求めたい。 説明者 大館市 産業部商工課 谷部課長、菅原係長、大森主任 視察地:秋田県能代市 平成28年8月19日(金) 目 的 少子化、人口減少対策は全国的な課題であり、子育て支援に男性がどれだけかかわれる のか。また、高校・大学卒業者が地元で働き定着できるような施策を調査する。 説明内容 1.「イクメン」を増やす取り組みについて ・父子健康手帳の配布状況について(経緯、実績等) 政 策 地域で育み社会で支える子育て・子ども支援 基本構想でめざす姿や態度 (1)安心して子育てができ、子育てに喜びを感じられること (2)地域や社会で子どもを守り育てる意識が浸透し、子育てを支え合うこと (3)地域住民と子どもの交流があり、子どもが心身ともに元気で健やかに成長すること (市民協働会議1年間に5回から10回開催) 効果を高めるための取り組み・実現したい取り組み 事業者等 ◇子育て家族にサービスを上乗せするなど、子育てを応援する 行政機関 ◇子育て家庭を応援する制度を検討 支援事業 ①能代すくすくまごころパス事業 ②めんChoc誕生事業 ③父子手帳の配布 配布実績 H26 H27 H28 246 285 96 Q&A Q すくすくまごころパス事業は大型スーパーでも有 効か? A 大型スーパーは取扱わない Q めんChoc誕生事業で一番の人気商品は? A 絵本がオリジナルで赤ちゃんの名前入りです。 (物語の中の名前も) Q 1冊値段は? A 3千円~5千円となる 2.奨学金の若者定着への活用について 能代市奨学金制度と能代市ふるさと人材育成・定住促進奨学金制度の2つの奨学金制度 がありました。 ※奨学金制度は、将来有能な市民を育成するため優良な学生、 ・生徒であって、経済的理 由により修学が困難な者に対し奨学金を貸与するというもので、昭和35年から実施し ており、募集対象は能代市住民の子弟となっている。 ※ふるさと人材育成・定住促進奨学金制度は、H21年度から実施しているもので、能 代市・山本郡への定住を促進するため優良な学生であって経済的な理由により修学が困 難な者に対し、就学金を貸与する。制度は償還時に地元に居住している場合は、償還金 の一部が免除になるという条項がある。 〇奨学金制度 高校生10名 大学等13名 月2万円~4,5万円(償還20年以内) 〇ふるさと人材育成・定住促進奨学金制度 大学等 20名 月4,5万円 償還は貸与期間の3倍の期間 (両奨学金制度への併願申請は可能、重複での奨学金貸与不可) 所 感 父子健康手帳の配布は、父として自覚を持ち子育てのやり方の参考にでき、イクメンを 増やすことにつながる。子育て世代を企業・商店・行政が率先してサポートし子どもは能 代市の宝物ととらまえている。 ふるさと人材育成・定住促進奨学金制度は、地元に帰りやすい仕組みづくりであり若者 の定住の一助になると考えられる。 説明者 能代市 子育て課 工藤課長 三熊課長補佐 教育委員会 伊藤課長 大郷司主査
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