地方都市行政視察について

平成27年度厚生委員会地方都市行政視察調査報告書(案)
1.視察先及び調査内容
視察日
平成 27 年 10 月 20 日(火)
平成 27 年 10 月 21 日(水)
視察先
三重県
四日市市
愛知県
大府市
調査内容
地域包括ケアシステム構築について
大府健康長寿サポート事業について
2.調査結果
三重県四日市市
1.市の概要
四日市市は、三重県の東北部に位置し、古くから「四日の市」に象徴され
る商業の町として、また東海道五十三次の43番目の宿場町として繁栄し、
陸海交通の要衝でもあった。
明治から昭和にかけては、伊勢湾で最初の開港場である四日市港を中心に
萬古焼(窯業)、菜種油等の地場産業のほか、紡績、ガラス、化学、電気な
どの近代工業が盛んとなり、市勢は大きく発展した。特に昭和30年代には、
わが国初の石油化学コンビナートが臨海部に形成され、わが国有数の工業都
市にまで発展した。この過程で発生した公害問題は、全国に先駆けて硫黄酸
化物にかかる総量規制を導入するなど懸命の努力によって改善され、現在で
は良好な環境を取り戻している。
また、平成17年2月に隣接する楠町と合併し、平成20年4月1日に保
健所政令指定都市へと移行した。このような歩みを礎に、三重県下最大の都
市として、また国際港湾都市にふさわしい発展を遂げるため、恵まれた立地
条件と、これまでの蓄積を生かし、より快適で豊かな生活が営める、住みよ
い活力のある都市の実現を目指したまちづくりにまい進している。
人口 312,106 人 世帯数 132,551 世帯 面積 206.44 k ㎡(H27.4.1 現在)
予算規模は一般会計1,183億9,000万円(平成27年度)。
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2.調査の経過
四日市市内の「ライフサポート三重西」事務所会議室及び、
「いきいき安
心生活館ぬくみ」において、事業の概要説明を受け質疑応答を行った。
説明担当:ライフサポート三重西運営委員会役員
社会福祉法人青山里会職員
四日市市健康福祉部介護・高齢福祉課職員
3.説明内容
《ライフサポート三重西》
(1)相互支援システム構築への取り組み
①地域の現状
戦後、日本初のコンビナートが立地し四日市港を中心に産業都市とし
て発展した。そうした中、昭和40年代に工場従事者のための団地が内
陸部に多く建設され、その多くが建設後40~50年を経過しているが、
住民の多くは入れ替えや世代交代がなく、そのまま高齢化することとな
った。
②取り組みの契機
住民の高齢化が地域の課題となる中、相互支援システム構築の取り組
みに向け、以下の3点が契機となった。
・三重西地区では自治会をまとめる連合自治会において、高齢者対策
を目的とする「シニア部」が創設された。(23年度)
・同時期に社会福祉法人による高齢者孤立化防止拠点として「いきい
き安心生活館ぬくみ」が設置・活動を開始した(23年度末)
・平成24年度に人(推進者、協力者の協働)、物(団地内の事務所の
確保)、金(地域支えあい体制づくり事業補助金の活用)がうまく連
動した。
③事業の趣旨
「自らの生活は自らが守る」
「住民が互いに助け合うライフサポート事
業により安心して住みつづけることができるまちづくりを行う」とする
2点を活動の趣旨としライフサポート三重西の事業が発足した。
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(2)事業の概要
①運営経費
運営経費は活動の趣旨に賛同した会員の会費(年額2000円)及び
サービスの対価で賄う独立採算制とし自治会会計から切り離し特別会計
を設置する。
②運営方法
運営は会員より選出した運営委員会を中心に行うことで、透明性、継
続性、個人情報の保護を確保する。また、三重西連合自治会の一事業で
あることから、自治会と運営委員会の役員による経営会議にて経営全般
の協議を行う。
③事務所
三重団地集会所に隣接した施設を市から借用し使用する。
④活動内容
ア)高齢者の日常生活を支援する活動
イ)障害者の日常生活を支援する活動
ウ)地域の福祉向上のための活動
エ)その他この事業の趣旨に合致した活動
⑤サービスの提供方法
ア)サービスの受給・提供は会員相互に事務局を介して行う。
イ)サービス希望者の資格は、原則65歳以上の高齢者及び障害者
手帳所持者でサービスが必要なもの
ウ)サービス提供者は提供可能なサービスを申請し、事務局で認定
され登録されたもの
⑥実施サービス及び提供料
サービス内容
利用料金
サービス内容
利用料金
①ゴミ出し(一般)
1 回 50 円
⑤話し相手
1 時間
600 円
1 時間 600 円
⑥救急車付添
1 時間
600 円
②庭掃除
1 時間 600 円
⑦通院付添い
1 回 2000 円~
③出前
1 個 50 円
⑧戸内外作業
1 時間
④買い物送迎
1 回 400 円
(粗大ごみ補助)
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600 円
(3)取り組みの効果
・社会福祉法人と自治会が協働したことにより、三重西地区における
地域社会づくりのための基盤づくりが一挙に進展した。
・ライフサポート三重西の活動が地域社会づくりに寄与しつつある。
(4)今後の課題
・地域社会づくりのための研究を関係団体と研究し、事業に反映させ
るための仕組みづくり
・本事業が、同様の環境にある地域へ普及し、協働できるような連携
体制の構築
《いきいき安心生活館ぬくみ》
(1)取り組みの概要について
・
「いきいき安心生活館ぬくみ」は社会福祉法人の独自事業として設置・運
営している。(社会福祉法人内では地域福祉担当が管轄している。)
・四日市市では全国的に問題になっているような死後発見などの孤立死の
例は少ないが、一人暮らし高齢世帯は確実に増加している。
・そうした中、
「孤立化防止」をキーワードに、平成20年度に老人保健事
業推進費等補助金(620万円程度)を活用し研究を行った。
⇒孤立化とは:「つながりがない」「支援がない」「排除されている」
「放任されている」「無視されている」状態をいう。
・研究の実施にあたり「孤立化」をキーワードにアンケートを実施した。
⇒対象:ひとり暮らし高齢者、高齢夫婦のみ世帯
調査方法:民生委員による配布・回収
回収状況:配布数 2,000、回収数 1,798(回収率は 89.9)
・調査結果を分析すると 90%は「問題ない」との回答であったが、これは
逆に 10%、実数にして 180 人に問題があるということであり、現場とし
てはこのことを再認識しなければいけない。
・このことから、集まったデータをもとに事例検討を行いその結果、地域
に孤立化防止拠点の設置を進めるべきとの結論に達した。
また、拠点には以下の3点を機能を備えることとした。
①総合相談機能の確保
⇒顕在化していない問題の掘り起しをめざす
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②地域住民が集える場所としての機能
⇒コミュニティレストランとして人が集まりやすい形を実現
③食の確保について対応できる機能
⇒高齢者(特に男性)にとっては一番深刻な問題の解決
(2)今後の展開や課題について
・場所がなかなか決まらないなど、開設までに3年かかった。行政・地域
の協力が不可欠である。
・他の地域も含めどれだけ事業を展開していけるかが重要。本施設につい
ても経費は法人の持ち出しとなっており、行政の補助が必要と考える。
・社会福祉法人として地域事業地域還元の理念はあるが、継続性という観
点から考えると財政基盤の安定が重要であり、行政の補助は必要。
・きっかけづくりや、住民主体で運営する施設の開設及び初期運営のサポ
ートが、本来の社会福祉法人の守備範囲と考えている。法人として拠点
の整備・開設は今後も進めて行きたいが、地域の高齢者を支えていくと
いうことを考えると「ライフサポート」のような組織がないと難しい。
⇒「ぬくみ」は通所型施設として、
「ライフサポート」は訪問型施設とし
て互いに連携していくことが重要である。
⇒この施設はモデル事業として位置づけであり、これをもとにさまざま
な形で広がっていけばよい。他の法人ともノウハウを提供し合い、様々
な取り組みが広がればよいと考えている。
4.主な質疑応答(概要)
《ライフサポート三重西》
問:立ち上げに際し、行政や福祉サービスに詳しいキーパーソンがかかわ
っていたのか。
答:市幹部OBと元市議会副議長が運営委員として参加している。他に民
生委員、保護司、自治会長など、それぞれの分野の知識を生かしている。
問:他の地域で同様の事業を立ち上げる場合もキーパーソンとなる人材を
育てることや発掘することが大事と考えるがどうか。
答:行政に詳しいことなどは、事を成していくときに近道ではあるが、そ
れよりも熱心な福祉マインドを持つことが大事と考えている。
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問:四日市の自治会の組織率はどのくらいか。
答:8割程度ではないか。
問:そのように高い組織率の中で、あえて自治会と別組織とした理由は。
答:継続性の問題と、自治会は役員が頻繁に交代するという点による。主
体的に事業を進めて行く意識を持つ人でなければ、なかなかできない。
問:自治会との関係は。
答:連合自治会とは経営会議を通じて関係を持っている。また、回覧など
自治会を活用できるところは活用している。
問:会員になった方がいいと思われる方が会員になっていない場合、声掛
けや勧誘をするのか。
答:事業開始時に声掛けを行った。その後も関係は広がっている。
《いきいき安心生活館ぬくみ》
問:施設の利用者数はどのくらいか。
答:1 日当たり20名程度の利用がある。
問:拠点機能の中心を「食」とした理由は何か。
答:介護保険の谷間の部分として、買い物や調理といったことが深刻な問
題となる。また、食べることは人間の最後までの楽しみであり、そこを
大事にしようと考えた。
問:相談内容から医療との連携を図るケースはあるのか。
答:ソーシャルワーカーが相談対応し、必要に応じて看護師や医療サービ
スにつないでいくケースはある。
問:このスペースの夜間の活用は行っているのか。
答:ライフサポートと連携して、月に1回程度男性のための映画会を開催
するなどのイベント的な利用はあるが、通常では活用していない。
今後はモーニングや夕食の展開なども考えられる。
問:配食サービスは展開しているのか。
答:ライフサポートと連携により「出前」として行っている。
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愛知県大府市
1.市の概要
大府市は、愛知県の西部、知多半島の北端に位置している。
市域の北部が名古屋市に、東部が三河地方に接し、南部が知多半島に臨み、
古くから交通の要衝として発展してきた。現在では国道155号・366号、
県道57号などの主要道が市内を横断し、北部には伊勢湾岸自動車道、国道
23号が東西に走り、西部には知多半島道路が南北に走っている。また、市
域の丘陵部は、戦後愛知用水が開通によりその大部分が急激に園芸用地や住
宅地へと変貌を遂げたが、市北部の丘陵部などには広大な森林も残されてい
る。
昭和45年9月1日に県下24番目の市として市制施行以来、
「健康都市」
をまちづくりの基本理念に掲げ、その実現に向けて着実に歩み続けてきた。
市制施行当時に4万9千人弱であった人口は恵まれた立地条件に加え、豊か
な自然を生かした良質な住宅環境を整備してきた結果、現在では8万9千人
を超えるまでになっている。
市制施行45周年を迎えるにあたり「いままでも これからも 一生元気」
をキャッチフレーズに掲げ、
「このまちに生まれてよかった」
「このまちで暮
らしてきて幸せだった」と思える、元気と活力にあふれるまちづくりを進め
ている。
人口 89,664 人 世帯数 36,934 世帯 面積 33.66 k ㎡(H27.10.1 現在)
予算規模は一般会計265億6900万円(平成27年度)
2.調査の経過
大府市議会全員協議会室において、事業の概要説明を受け、質疑応答を
行った。
説明担当:健康文化部健康推進課職員
健康都市推進室職員
オブザーバーとして市議会厚生文教委員長
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3.説明内容
(1)健康都市のあゆみ
昭和45年の市制施行後、第1次総合計画から一貫して健康都市の実現
をまちづくりの基本的な理念としている。
昭和62年には他の自治体に先駆けて「健康」をキーワードにし、長寿
社会に向けて市民の体力づくり、保健活動の向上を目指す「健康づくり都
市」を宣言している。また、宣言から20年が経過した平成18年には、
健康づくりへの取り組みを確固たるものとするため、WHO健康都市連合
に加盟し、昨年7月まで日本支部長市を務めた。また同年10月に香港で
開催された健康都市連合国際大会において、
「教育現場におけるフッ化物洗
口」の取り組みが評価され、クリエイティブデベロップメント賞を受賞し
た。
平成20年度に「健康都市おおぶ」にふさわしい理想の長寿社会の実現
を目指し、国立長寿医療研究センター総長をはじめ各分野の有識者5名の
委員からなる「大府長寿社会懇話会」を設置した。この懇話会から心身と
もに健康で幸せに暮らす高齢者を「幸齢者」とする提言を受け、おおぶ「幸
齢」作戦を展開している。
(2)健康づくり施策について
①
病気等の予防に対する事業について
・健診は保健センターや地区公民館で実施し、国保に関する受診率は、
平成25年度は 54.2%(県内の市で2位)、平成26年度は 55.6%(1.4
ポイント増)となっている。
・平成 19 年度から 14 回の妊産婦健診と中学生までの医療費を無料化し
ている。予防接種については法定接種のほか、風疹、高齢者インフルエ
ンザ、高齢者肺炎球菌について、希望者に対し自己負担 1000 円で実施
している。
・市内の保育園、幼稚園、小中学校において、週1回のフッ化物洗口を
実施しており、実施前に比べ虫歯が半減している。(この取り組みが健
康都市連合国際大会で評価された。)
・「脳とからだの健康チェック」は、平成 23 年度に長寿医療研究センタ
ーと共同で、市内在住の65歳以上のほぼ全員(約 13,000 人)に案内
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を出し、5,111 人が健康チェックに参加した。平成 25 年度には、未受
診者と新たに 65 歳以上になった人に勧奨している。
・平成 27 年度から、長寿医療研究センターと連携し認知症ゼロをめざす
取り組み「認知症不安ゼロ作戦」を展開している。
・生活習慣病予防についても男性はメタボ対策、女性はロコモ対策が重
要であり、男女によってアプローチの仕方に違うことを念頭に置き、取
り組んでいる。
・市民一人ひとりが心身ともに健康であるための具体的な活動として、
健康づくり推進員によるウォーキング指導や、スポーツ推進員によるニ
ュースポーツの紹介・普及などに努めている。
・ハード面では歩行者専用道路「ウォーキングトレイル」や地域多目的
グラウンドの整備、公園などへの健康遊具の設置を進めている。
②
健康づくり事業について
・至学館大学と連携した食生活改善推進員養成講座「おおぶ食育大学」
を開催している。
・「おおぶで食活(食農入門講座)」として、高校性以上39歳未満の若
い世代を対象として、農業体験と料理、仲間づくりにチャレンジしてい
る。
・小学生料理コンクール「ビストロおぶちゃん」を開催し、優秀作品は
保育園、小中学校の給食等のメニューとしている。
・心の健康推進事業として笑いを含めた文化事業推進し、
「大府の笑学校」
(小学生の落語会)などを実施している。
・各公民館においては笑いを取り入れた健康講座を開催し、保健師や歯
科衛生士、管理栄養士が出向いて身近な健康づくりの紹介を行っている。
③健康のための啓発・イベントについて
・平成18年に市民公募の中から選ばれた健康づくりマスコット「おぶ
ちゃん」によるイベント会場などにおける啓発を実施している。
・今年度から実施している「おおぶ一生元気ポイント」は、対象となる
健康事業に参加することでポイントがたまる事業で、たまったポイント
は市内の協力店での還元や、1月に実施される抽選会での抽選券と引き
換えることが出来る。今年度から開始した事業であり、市民への周知と
協力店の確保に努めている。
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・ほかにも「おおぶ元気創造大学」や「大府シティ健康ウォーキング大
会」など、様々な事業を通じ健康の啓発を行っている。
(3)新たな取り組みについて
市内の南側「あいち健康の森」周辺には、
「国立長寿医療研究センター」、
愛知県民の健康づくりや介護予防を統括する「あいち健康プラザ」、県内の
小児・産児の救急を担う「あいち小児保健医療総合センター」、年間 250 万
人の集客がある産直施設「げんきの郷」や、
「認知症介護研究・研修大府セ
ンター」などの福祉・健康長寿に関連した施設が集積している。どれもが
日本有数の機関であり、ウェルネスバレー構想を策定し各機関と連携して、
誰もが健康で住みやすい幸齢社会を創造することを目標としている。
(4)関係機関との連携について
①国立長寿医療健康センターとの連携プロジェクト
・長期縦断疫学研究事業
・在宅医療ネットワーク構築事業
・認知症地域資源活用モデル事業
・地域見守り支援システム実証事業
・認知症有病率調査事業
・介護予防実態調査分析支援事業
・認知症疾患医療センター指定に伴う連携事業
・脳と体の健康チェック事業
・認知症介護予防スタッフ養成事業
・認知症不安ゼロ作戦
②あいち健康プラザとの連携プロジェクト
・県民トータルケア実施調査事業(国保)
・特定健診・特定保健指導事業(国保)
・特定健診・特定保健指導データの提供(国保)
・介護予防としてのサルコぺニア事業への協力
・介護予防教室での講師対応
・生活習慣病予防・ヘルスアップ事業
(5)長寿サポート事業について
①事業の経緯
これまでの連携から、長寿医療研究センターからの依頼があり、市民
の認知症介護予防への取り組みも見込めるため、共催で実施している。
なお、市の介護予防事業は別途実施している。
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②事業の実施方法・予算
長寿医療研究センターの施設において実施し、予算についても長寿医
療研究センターの全額負担となっている。
③事業内容
(平成 25 年度)
・認知症予防プログラム
・複合型プログラム
・運動機能向上プログラム
・脳とからだの健康チェック追跡調査
他
④事業の効果
・市民に最先端の認知症、介護予防事業を提供
・教室参加者が自主グループを結成し、教室修了後も活動を継続
・マスコミで度々取り上げられることで、参加者の認知症介護予防意欲
が向上
・長寿医療研究センターとの連携強化
⑤今後の課題
・共催のため直接的な市のかかわりが少ない
・健康長寿塾以外の事業は未継続
・市が実施している介護予防事業との連携や事業の位置付けが未整理
・市側の長期的な戦略が不足
4.主な質疑応答(概要)
問:認知症不安ゼロ作戦の今後の展開はどのようになるのか。
答:単年度ではなく3年先を見て認知症ゼロ作戦を展開している。今年度
については「脳とからだの健康チェック」の実施が中心となる。来年度
はこのデータを分析・評価し、再来年度大府市に見合った認知症ゼロプ
ログラムを策定する計画となっている。
問:認知症に対する様々な取り組みの効果はどのようなものか。
答:200人の軽度の認知症の方を対象に、しっかり運動を行った群と、
そうでない群との変化を検証した結果、しっかり運動した群に効果が見
られたとの研究結果を長寿健康研究センターから得た。高齢者でも自分
に見合った運動をすることが、軽度の認知症を防ぐことに効果があると
の報告を受けた。
問:長寿サポート事業のうち「健康長寿塾」以外は未継続となっているが、
その理由は何か。
答:市の事業としてではなく、自主グループとしての活動に移行し継続し
ている。
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問:昭和62年の健康づくり都市宣言以来、健康づくりを前面に打ち出し、
継続的に実施してきている。長く続いている秘訣などを教えてほしい。
答:歴代の市長が健康に対し、非常に熱心であった。他の要因として、国
の施設があり長寿医療が国の予算として多く投入されたことが弾みと
なって、大府市の健康都市としての基盤ができたと考えている。
問:食生活改善推進委員の現状と活動はどういったものか。
答:平成3年頃は100名程度いたものが、今年度当初23人となってい
る。活動としては公民館で教室を年間12回程度開催し、特に減塩に対
する啓発を行っているほか、各種イベントで啓発活動を実施している。
問:国立長寿医療研究センターとの連携プロジェクトとしての先駆的な取
り組みに、市として協力してきた中で、成果・結果等は共有されている
のか。
答:結果は共有している。また、それが全国的に有用なものであれば、全
国的に発信することも将来的には考えている。
問:国や県の様々な施設が集中した理由は何か。
答:名古屋から近いという立地条件や、大きな企業の工場や本社があるこ
と、また中部病院を中心とした非常に大きな県有地があったことなど、
様々な要因があると考えている。
問:健康づくりのハード面の整備において、庁内で推進していくために他
部署との連携、かかわりはどのようになっているのか。
答:2年前から健康都市推進室が設置され、この部署が核となって庁内調
整や健康についての施策を考えていくこととなっている。
問:健診の自己負担についてはどのようになっているのか。
答:がん検診については、胃がんが 1,300 円、子宮が 1,000 円、食道がん
は 1,200 円、大腸がんが 400 円となっている。
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