APPLICATION NOTE Automated Liquid Handling Authors: Erik Splinter Elzo de Wit Max van Min Cergentis, Utrecht The Netherlands Michiel Reesink PerkinElmer, Inc. Waltham MA Automated Targeted Locus Amplification (TLA) Technology For Targeted Complete Gene Sequencing Using the JANUS NGS Express Workstation Introduction TLA テクノロジーは NGS のターゲットシーケンスにパラ ダイムシフトをもたらします。TLA テクノロジーは選択さ れた興味のある遺伝子座(Locus)内のヌクレオチドの物 理的近接を利用しています。 DNA はクロスリンクされ、断片化され、ライゲーションされます。遺伝子座の増幅には興味のある遺伝子座に特異的な 1 つ もしくは数個のプライマーペアを使用します。 興味のある遺伝子は特異的なプライマーペアを用いた TLA により増幅され ます。作製されたアンプリコンは標準的な NGS ライブラリー作製手順で処理されます。NGS と TLA エンリッチメントのコンビ ネーションはとても柔軟で興味のある遺伝子の配列を簡便に明らかにすることができます。また遺伝子多型(SNV や structural variants)を同定することも可能です(Figure 1)。したがいまして、TLA テクノロジーは包括的な遺伝子融合のシー ケンスや導入遺伝子とその組み込み部位を明らかにするためのターゲットシーケンスにユニークなアドバンテージをもたら します。 JANUS NGS Express はコンパクトで柔軟、そして使い勝手の良いベンチトップシーケンサー用のライブラリー作製システム です。1 度に最大 24 サンプルまで効率的に作製できるようにデザインされています。ライブラリー調製の自動化は面倒な マニュアル作業を省略し、高い安定性と品質をもたらします(Figure 2)。 Materials and Methods TLA のワークフローは下記の通りです:1)DNA のクロスリ ンク、2)クロスリンクされた DNA の断片化、3)ライゲーショ ンによる DNA 断片の環状化、4)興味のある遺伝子座に特 異的なプライマーペアによる環状化 DNA の増幅(Figure 3)。TLA テンプレートの作製には 3 日間必要で、4 日目に、 Figure 1. TLA によるターゲット増幅とシーケンスの概要。TLA は増幅 TLA 増幅と NGS ライブラリー調製を行います。マニュアル するために興味のある遺伝子に特異的な短い遺伝子座に相補的なプ と自動化それぞれのプロトコルのハンズオンタイム(自動 ライマーペアが必要です。作製されたアンプリコンは NGS でシーケンス 化に関しては遠心操作と DNA 濃度測定の自動化を含める されます。 場合と含めない場合の両方)を Figure 4 に示します。このア プリケーションノートではヒトの Coriell 12878 細胞株におけ る BRCA1 遺伝子の解析に TLA プロトコルを用いました。 インプットマテリアルとして凍結細胞(5x10^6 viable)を使用 し、10 ug の TLA テンプレートが得られました。テンプレート の品質評価は PerkinElmer 社製 LabChip GX システムで行 いました(Figure 5)。増幅はそれぞれ 600 ng の TLA テンプ レートと BRCA1 遺伝子にかかる 4 つのプライマーペアで行 いました(Figure 6)。 これらのライゲーション後のフラグメントを用いて illumina 社製 Nextera XT でライブラリーを作製したところ 4~10 ug の収量(24 サンプルの平均は 7 ug)がありました。ライブラ Figure 2. JANUS NGS Express Workstation. リーはリード長 2 x 150 bp でメイトペアシーケンスを用いて illumina 社製 MiSeq でシーケンスしました。 TLA はターゲットアンプリフィケ ーションと興味のある遺伝子座 の完全なシーケンスのために、 遺伝子座に特異的な配列を使 用します。 最初にゲノムDNAはクロスリン クされます。 クロスリンキングするとそれぞ れの遺伝子座にある配列は物 理的に結合されます。 クロスリンクされた DNA は断片 化された後、再度ライゲーション により結合されます。 その結果、同じ遺伝子座に由来 する DNA 断片から構成される 環状の DNA 断片ができます。 個々のゲノムの複製物の折れ たたみやクロスリンキングの確 率的変動により多様な組み合 わせの環状 DNA をもたらしま す。 これらの環状 DNA は特定の配 列の遺伝子座に対応するリバ ースプライマーで増幅されま す。 その結果、興味のある配列が 完全に増幅され NGS テクノロジ ーでシーケンスすることができ ます。 TLA テクノロジーは仮説に基づ かないターゲットシーケンスを 可能です。興味のある遺伝子 座または腫瘍など不均一なサ ンプルにおける全シーケンスと 多形を検出が可能です。 TLA テクノロジーはマルチプレッ クスシーケンスにも対応していま す。複数の遺伝子座はそれぞれ 特異的なタグで解析され、1 度の 解析でそれぞれ増幅、シーケン ス可能です。 Figure 3. TLA プロトコル Results Figure 7 は BRCA1 遺伝子上におけるシーケンスカバー 率と BRCA1 上で同定された SNV が示されています。 BRCA1 上の平均カバー率は 4580 で中央値は 1863 で した。全遺伝子の 99%は 100 回以上読まれていました。 生成されたシーケンスデータは同じ細胞株に対する illumina のプラチナゲノムを比較しました。104 この SNV のうち、103 個が同定されました。 Conclusions JANUS NGS Express の自動サンプル調製により高い 収量と品質の TLA ライブラリーが作製され、良好なシ ーケンスデータが得られました。自動化 TLA テクノロジ Figure 4. マニュアルプロトコルと自動化プロトコル(自動遠心と自動 DNA 濃度測定がある場合とない場合)のハンズオンタイム。 ーはヒトの Coriell 12878 細胞株における BRCA1 遺伝 子の迅速なターゲットシーケンスを可能としました。 TLA テンプレートと増幅のワークフローや自動化プロト コルはどの遺伝子が対象であっても変わりません。使 用されるプライマーのセットが異なるだけです。また、マ ルチプレックスにも対応しています。このようにして自 動化 TLA テクノロジーはどのような遺伝子の組み合わ Figure 5. BRCA1 のライゲーション後の TLA プロダクトの LabChip GX によ る電気泳動パターン(5 倍希釈)。 せに対しても迅速で安定、柔軟なターゲットシーケンス を可能にします。 Figure 6. BRCA1 遺伝子において 4 つの Primer ペアがターゲット増幅に用 いられた位置。 Figure 7. BRCA1 遺伝子上におけるシーケンスのカバー率。色のついた棒 グラフはリファレンスゲノムに対する異型または同型接合 SNV を示します。
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