平成 26 年度 学校関係者評価報告書

平成 27 年 4 月 30 日
平成 26 年度 学校関係者評価報告書
学校法人中村学園
静岡福祉医療専門学校
自己点検・学校評価推進室
公益社団法人静岡県職業教育振興会による「静岡県版ガイドライン」をベースにして本学独自の自己点
検・評価を実施し、まとめた平成 27 年 3 月 24 日付「自己点検・評価報告書」を元に、学校関係者評価を
行いました。
なお、下記の一部の項目についてはすでに改善のための方策を実施しております。
平成 26 年度学校関係者評価委員及び事務局
<関連団体>
鳥羽 茂氏
特定非営利活動法人 静岡県ボランティア協会 事務局長
<病院関係>
柳田 和夫 氏
医療法人社団 和紘会 やなぎだ眼科医院 院長
(代理) 仲本 和弘 氏 同 事務局長
<卒業生>
川崎 誠之 氏
社会福祉法人 駿河会 特別養護老人ホーム晃の園 相談員兼ケアマネジャー
榑林 崇 氏
社会福祉法人 清水福祉会 特別養護老人ホーム柏尾の里 生活相談員・社会福祉士
<事務局:本学教員>
中村 徹
理事長・校長
有賀 浩
教頭・教育部長
冨田 順子
教務課長・医療情報秘書科 学科長
後藤 明子
子ども心理学科 学科長
磯野 博
総合福祉学科 学科長
三嶋 秀子
介護福祉学科 学科長
1.教育理念・目標 【現状と問題点】 ・常に教員自らが校訓と「建学の精神」
、そして創設者が残してくださった「激」
を顧みて「挨拶を基調とした全人教育」に当たっているが、学生の社会人基礎力は
低下しており、挨拶や時間厳守といった基本に関する指摘を受けることが増えてき
ている。 ・学園創立60周年記念誌を完成させ、すべての教職員・学生、1 期・2 期前の同
窓生、法人役員、関連団体に広く配布した。 ・本学オフィシャルサイト(ウェブ)
、ホームルーム・教員室に「建学の精神」
「校
訓」を掲示。また各学科の教育方針を当該クラスの掲示板に明示している。 ・朝礼においては理事長・校長から教職員に対して、また担任教員から学生ヘは日々
のショートホームルームを通して、挨拶を基調とした全人教育を徹底。 ・全ての合格者に対し「建学の精神」
「校訓」
「教育の理念」の理解を入学前の課題
学校法人 中村学園 静岡福祉医療専門学校
とした。 ・AO 入学選考の事前指導、進路面談、ステップアップレッスンにおいて、アドミッ
ションポリシーの理解を指導。 ・現場での実習、ボランティアを通して、目指す職種やそのやりがいを理解し、自
分自身が働くことを意識し、その意義を考える機会としている。 【改善のための方策】 ・日々の学生生活において学生にわかる言い方で指導していくことに加え、実習、
就職活動といった学生生活の節目、節目において学生個々の目的や力量に応じた指
導を行い、社会人基礎力を高めていく。 ・あいさつをはじめ、学生が本学の理念や校訓を常に意識し、職業人として必要な
基礎力を身につけられるよう指導が必要。また、教育目標が実現できているか定期
的な点検を行っていきたい。 ・教員自身が学生指導指針である「学生の手引き」を十分理解した上で教育活動を 行う。 ・挨拶の指導、清掃(学びの環境を自らの手で整理する)指導を徹底する。 ・ボランティア活動に関し、より早い時期に参加できるよう検討する。 【関係者評価】 ・下校時、清掃時に爽やかな挨拶ができている。学校の教育方針を受けて、日常の
指導の賜物なのだろうと感心する。福祉を学ぶものとしてだけではなく、教育する
上での基礎の部分に、人間性を高めることを盛り込み、実践されていることが評価
できる。 ・全ての合格者に対し、
「建学の精神」
「校訓」
「教育の理念」の理解を入学前の指
導に盛り込んでいることに感心。このような指針のような物は、社会に出てからも
学生方の心の支えになる。素晴らしいこと。 ・技術における即戦力が強みの専門学校が、人間性にまで磨きをかければそれこそ
即戦力になる。 ・卒業後も学校より情報が伝わって来る、専門学校は卒後のサポートが魅力。その
点を外部にもっと伝えていくべき。 ・実習生の受け入れについて、社会人基礎力、学生の姿勢・能力にもよるが実習生
それぞれに事前の指導強化をお願いしたい。 2.教育活動 【現状と問題点】 ・
「職業実践専門課程」において、総合福祉学科、介護福祉学科、子ども心理学科
に続き医療情報秘書科が認定された。 ・来年度から医療情報秘書科に薬局事務コースを設置する。 ・カリキュラム以外の各種の地域活動に学年を越えて参加し、地域住民や関係団体
から高い評価を得ている一方、
「読む」
、
「書く」
、
「話す」といったすべての基本と
なる学力に格差が広がっており、実習、就職活動において入り口の段階から困難を
抱える学生が増えてきている。 ・学ぶ分野が多岐にわたっているため、学生は学習の整理が難しい。 ・授業に対し受け身な学生が多く、グループワーク等苦手な学生が見受けられる。 ・資格取得に関して、合格に複数回の受験が必要な学生が増えている。 ・数多くの資格取得に挑戦するが、その多さに負担を感じる学生やモチベーション
の維持が難しい学生も見受けられる。
(その一方で、難易度の高い検定においては
昨年度より合格率をあげることができた) ・ひとりひとりの学生のレベルに合わせて指導しているが、基礎学力の差や家庭環
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境など、これまでの環境にも配慮しながらの指導が必要となってきている。 【改善のための方策】 ・学生が主体になり新たな地域活動を開拓すると同時に、単発的になっている電子
情報の学生とコラボした地域活動を模索していく。 ・
「読む」
、
「書く」
、
「話す」といった基礎学力に関しては、一朝一夕に体得できる
能力ではなく、B 検3級の合格を最低ラインとしながら、入学前から個々に合った
指導を行っていく。 ・教育目標を学生が意識し、学外活動にも積極的に参加できるよう指導を促したい。
・日頃より人前に立ち活動する機会を増やしたい。 ・文書表現技法に関する科目の検討および、文書表現の機会を増やす。 ・資格の数が多いことが就職の場面においてそれほどアピールになっていない面も
あり、コアとなる資格に集中することや能力に合わせた受験方法など検討する。 ・学生個々に応じた指導が必要である。 【関係者評価】 ・
「読む」
「書く」
「話す」といった全ての基本となる学力に差がついていること、
授業に対して受身の学生が多いといったことは、深刻な問題。職員としても記録内
容の充実につながる。学生のうちに整えてもらわないと、社会に出てからは業務に
追われるのでスキルアップが基本となり難しい。この問題について、実際にどのよ
うな努力をしたか、また、する予定かを明確にしなければいけない。 ・提案として、新聞のコラムや社説欄を毎日読み、感想を書くことを習慣化する。
感想を元に話し合い、自分の価値観と他人の価値観を対比させるなど、地道な活動
だが、継続的な活動が力になるのではないか。 ・タブレットなど、学生のうちに教育ツールとして上手に取り入れることも必要。
福祉医療の現場でも公的機関への書類作成等 ICT がどんどん導入。活用するに苦痛
になる職員もいる。 ・資格挑戦について、数を絞り深く追及する学びはどうか。 3.学生受入れ 【現状と問題点】 ・定例のオープンキャンパス以外に、職業観を身に付けるための体験授業や出前授
業などに積極的に参加した。 ・子ども心理学科については、一定の入学予定者を確保できたが、総合福祉学科、
と介護福祉学科、医療情報秘書科については新入生数が定員に満たなかった。介護
系については時代の風も感じる。 ・医療系の専門学校が増えたことや、多くの専門学校が医療事務系の学科を持つよ
うになったことでライバル校が増えている。 ・子ども心理学科の新入生の多くは、将来保育士または幼稚園教諭になりたいとい
う夢を持ち入学してきているため、先生というイメージが先行しないよう、入学前
より入学前指導を取り入れている ・薬局事務コースを新設するにもかかわらず、オープンキャンパスの体験メニュー
に盛り込むことができず、十分宣伝できなかった。 【改善のための方策】 ・本学園 2 つの専門学校にまたがる分野として医療界及び医療関連の ICT 企業ニー
ズを調査し、新しい学科・コースとして企画、独自性を打ち出し、新規学生獲得を
目指す。医療機関との連携も深める。 ・学校行事以外でも学生が母校に出向き、恩師や後輩などに対して専門学校の意義
や本学の特徴などを話す機会を見つけ、学生に積極的に参加するよう指導してい
く。 学校法人 中村学園 静岡福祉医療専門学校
・学校側としては、他団体との連携、教育における連携、団体で動く接点が少ない
のが現状。産学連携=人材育成には必須。卒業生の社会的評価を学生にフィードバ
ックしたい。 ・オープンキャンパスをより魅力ある内容にするため、体験授業の種類を増やすと
共に、キャッチコピーにも工夫を凝らす。 ・オープンキャンパスの体験メニューに薬局事務に特化した内容を盛り込む。 ・時代の風に負けず、魅力的な職業であることや、魅力的な学校、学科であること
を目指す。 ・子どもの現場で働くということは、一般的に想像されること以上に必要な能力が
ある。早期に学生一人ひとりが自らの課題を見つけ、在籍中に改善できるよう、入
学前からの指導は今後も継続したい。 ・ライバルとの差異化について、分析・検討する。
(医療情報秘書科については、
就職活動時の事前研修参加可能なタイミングについて検討が必要) 【関係者評価】 ・中高生への働きかけ更に注力を。駅に近い立地が大きなメリット。高校に対して、
団体+卒業生を関わらせた売り込みをすべき。 ・ライバル校増加も現場として感じている。ドクターズクラークのような難易度の
高い検定取得を目指し、他校との差別化を図ることは良いこと。ド病院も進化し続
け多様化しているため、新しい勉強への取り組みによる差異化は今後も重要。 ・学校と組織のつながり強化を希望。社会福祉法人の協議会からは、組織としての
つながりがないのが現状。組織として経験が豊富なので、人材を育て増やすために
も、今後老施協としても組織的につながりを深めたい。もっと学校が求めている声
も欲しい。 ・現場では職員が体を痛めての離職が多いのが現状。福祉用具の導入、各種リフト
の導入をし、事故が多いので注意点を理解させるためにも学生のうちから触ってお
いて欲しい。 ・
「職業観を身につけるための体験授業や出前授業などに積極的に参加した」とあ
るが、このような活動は今後も積極的に実施すべき。専門学校から高校等へダイレ
クトにコンタクトを取ることは抵抗がある場合、福祉では社会福祉協議会など他団
体を巻き込みながら活動の主催をすると良いのではないか。活動自体にも厚みが出
て、高校の進路の先生に訴えやすいのでは。 4.教職員組織 【現状と問題点】 ・日々の学生指導や実習指導など、担任や担当が一人で抱えこまず、学科内で共有
するよう心掛けた。 ・授業時間外に個別指導を実施し、技術向上を目指した。また、教職員自らが技術
の向上を目指し、生きた現場の状況を伝えた。 ・初任者研修を実施するにあたり、他学科との連携が不十分だった。 【改善のための方策】 ・実習巡回のため定例の学科会議が開催できないことも多いが、教員間の風通しを
良好に保ち、学生指導に関する情報や悩み、課題などを共有していけるよう今後も
心掛けていく。 ・各教員がそれぞれ異なる実習を担当しているため、全体の把握が難しい。教員同
士アンテナを立て、互いの業務内容を理解し、協力体制をつくっていきたい。 ・教員の積極的な研修参加、地域社会との連携、学生指導が望まれる。 【関係者評価】 ・授業+学生指導に加えて、実習巡回の多さ。教員が生き生きとしていることが重
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要。ストレス溜めず健康的に仕事できるように、課題へのチームアプローチが必須。
チームで動いて質を上げることに注力してほしい。 5.施設・設備等 【現状と問題点】 ・医療的ケアの機器など、高額な施設・設備が導入されたので、安全かつ効率的な
活用を心掛けている。学生も授業時間以外での自主トレーニングなど、積極的に施
設・設備などを活用している。 ・使いやすさを考慮し、オルガンを使用したピアノ技術の向上を目指してきたが、
実習先ではピアノの使用を求められることが多く、ピアノの経験がない学生がタッ
チの違いから弾くのに苦労している。 ・研究発表会などが時期的に重なるなか、インターネットが使える環境が現状不足
している。 【改善のための方策】 ・今後も必要なものは導入を検討し、計画的な施設・設備などの充実に心掛けてい
く。学生の施設・設備などの活用頻度は高いが、一部の学生に偏る傾向があるので、
多くの学生が積極的に活用できるように指導していく。 ・インターネットが使える環境の整備、拡張を希望。 【関係者評価】 ・最新鋭の機器を揃えるという事は大切なこと。お金をかければよいという発想で
はなく、他団体の協力を得られれば揃うものもあるはず。 ・技術の向上は施設設備あってということもある。医療的ケアの設備、ピアノ、パ
ソコンは使いこなせるように、今後も設備とともに指導も進めて欲しい。 ・パソコンは入力時間の短縮・情報共有等、現場においてフル活用。学生のうちか
ら学んでおいてほしい。 6.学生生活支援 【現状と問題点】 ・心に問題を抱えた学生が増えている中、担任の個別対応により、多くの場合学生
生活が困難となる前に対応ができるようになってきた。また、進路が決まらない学
生に対するキャリアカウンセリングにも効果が出ており、今年度も就職率 100%が
目前である。 ・社会人基礎力を身につけ、卒業後自立した社会人になれるよう生活指導を含めて
指導している。特に気になる学生については、学生の体調把握や食生活についても
指導している。 ・交友関係やアルバイトへの偏り等での理由による欠課・欠席が目立った。 【改善のための方策】 ・今後も教員間の密な情報交換、悩みや問題を抱える学生の早期発見、早期対応に
より、退学者ゼロを目指し、あわせて年度内での就職率 100%を目指していく。 ・基礎生活が整わない者には、健康管理、身の回りの整理整頓、マナーについて今
後も特に指導をしていく。 ・教員自らが学校は知識を伝えるだけではないことを意識し指導に当たる必要があ
る。 ・学校生活における目標の明確化と、将来像実現への指導を徹底する。 ・個別のカウンセリングなどを強化する。 【関係者評価】 ・きめ細やかな学生への対応が受け取れる。進学先はお金で左右されることもある
現実。経済的事由を抱える家庭が多いので、厳しい状況にある学生へ独自の奨学金
等手厚い支援も必要か。 ・独自の奨学金制度は取り入れているが、社会情勢や家庭環境等から真のニーズに
学校法人 中村学園 静岡福祉医療専門学校
合わせた支援策を考えるのは非常に難しい。今後も検討していかなければならな
い。 ・こころの問題を抱えた人は社会的にも増えていて深刻な問題。教員がカウンセリ
ングやこころのケアに関する校外研修に参加するなど取り組みとして非常に良い。
その他、カウンセリングとまではいかなくても、学生と話す機会を多く設け、一人
でも心が軽くなるようフォローしている点を評価したい。 7.管理・運営 【現状と問題点】 ・成績等、学生指導情報については鍵付きロッカーにて厳重に管理している。 ・電子データ化された個人情報は、パスワード及び暗号化により保全。 ・図書室にある古くて不要になった什器備品を処分・整理した。 ・教務上の実務、とりわけ実習関係の実務に滞りや遅延が生じる場合があり、改善
が求められる。また、社会人講座の準備などの負担が一部の教員に偏ることもあり、
改善が求められる。 【改善のための方策】 ・教務上の実務に関しても、教員間でお互いの業務内容、その進行状況を確認し合
い、遅延や滞り、そして負担の斑がない仕事づくりを目指していく。 ・学科長は全体把握に努めるとともに、実習の領域を超えた知識を各教員が持つこ
とと、情報交換が必要。 ・図書室は学生が使用するだけでなく、オープンキャンパスで使用する教室でもあ
るため、日頃から整理整頓及び定期的に不要物を処分していきたい。 【関係者評価】 ・個人情報管理というハード面については徹底されていて評価できる。授業の進め
方、学生の理解度といったソフト面については、授業運営や教務上の問題、各学科
の特性もあると思うが今後も注力を必要とする。 ・情報に対して必要かどうかの取捨選択も社会に出たらとても大切なこと。学生の
うちから学ばせておくべき。 8.財務 【現状と問題点】 ・予算の編成及び執行に関する規定は、寄附行為及び経理規程に定めている。 ・予算の編成は、法人組織の経理部で予算枠を示して、予算単位で事業計画と予算 案を策定している。 ・予算の執行にあたっては事業執行部署と財務経理部でチェックする体制を構築し ている。 ・法人寄附行為に基づく監査は規定に基づき行われ、その結果を理事会及び評議員 会へ報告している。 ・法人において財務情報公開規程を整備し、所管部署を定め、開示請求に対応でき る体制を整えている。 【改善のための方策】 ・学生募集において、学生増を図るため、広報活動に一層の重点を置く。また、単
位制・夜間学科や短期講座を導入するなど、非18歳人口や社会人が学びやすい教
育環境を整備する。 【関係者評価】 ・法規定に基づいて執行しているので、この点については今後も継続を。また、学
生募集については、充足することで財務の安定がある。引き続き学生募集の努力を。
・学生募集について様々な取り組みを考えている姿勢を評価。今後も幅広い教育ニ
ーズに応えられる学校を目指し努力していただきたい。 以 上 学校法人 中村学園 静岡福祉医療専門学校