台湾治安情報月報

台湾治安情報月報
=2011年1月号=
JSS台湾治安情報月報 2011 年 1 月号
※ 地名について
台湾では、改正された「地方制度法」が2010年12月25日に施行されたため、
台北県が「新北市」に、高雄県・市が「高雄市」に、台中県・市が「台中市」に、
台南県・市が「台南市」になりました。
本報では、事件発生の時期に合わせて2010年12月24日以前の事件には旧地名
を用いています。来月号から、新地名で統一します。
【治安情勢】
=2010年犯罪統計(全土)=
1月12日、台湾警政署(警察庁に相当)は2010年の犯罪統計を発表した。
それによると、2010年の刑事事件発生件数は37万3,924件(前年比1万2,151件
減少)、検挙件数は29万8,370件(前年比1万3,278件減少)、検挙率は79.8%(前
年比0.9%減少)となり、暴力事件と窃盗事件の検挙件数は、それぞれ4,681件(前
年比1,045件減少)と9万2,755件(前年比9,469件減少)となった。
全体的な事件発生件数は減少しているものの、18歳未満の児童・少年による殺
人、窃盗、バイク盗が増加しており、未成年による犯罪増加が懸念されている。
【JSSコメント
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コメント】
① 刑事事件発生件数は、1994年の55万0,109件をピークに毎年減少している。
② 台湾の2010年末の人口は2,316万2,123人で、犯罪発生率(人口10万人当たりの発
生件数)は1,614件となり、2009年の犯罪発生率1,670件から減少した。
=タクシー運転手による窃盗団を摘発(台北市)=
1月5日、台北市警察局はタクシー運転手により組織された窃盗団を摘発した。
この窃盗団は酔客に狙いを定め、バイクに乗って酔客を探す役、徒歩で近づい
てバッグを奪う実行役、逃走用の車の運転役など、任務を分担して犯行を繰り返
していた。
同市警察局は、被害者から得た情報などから逃走に利用された車のナンバーを
分析したところ、タクシーに使用されているナンバーであることを突き止め、今
回の摘発となった。
警察の取調べにより、色を塗り替えたタクシーが犯行に利用され、窃盗団全員
がタクシー運転手であることが判明した。また、彼らのアジトから携帯電話、腕
時計、中国元、米ドル、日本円などを押収し、少なくとも40人が被害に遭ったと
見ている。
【JSSコメント
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コメント】
① 年末から春節(旧正月。今年は2月3日)にかけては、飲酒する機会が普段以上に増
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えるため、ひったくりやスリなどが多発する時期でもある。男性といえども、夜間に酩酊
状態で独り歩きをしていれば犯罪者に狙われるリスクが高まる。
② 台湾では、前科者がタクシー運転手をしていることも少なくない。最近は、不景気のた
めにタクシーの売り上げが減少していると言われ、本件のように再び犯罪に手を染める
者もいる。
=電気修理工を装った侵入盗(台北県)=
1月17日午後12時頃、台北県蘆州で電気修理工を装った男が、同県内の民家に
侵入し、室内に置かれた大型金庫を破壊して中にあった現金105万台湾元(約300
万円)と250万台湾元(約716万円)相当の金製ネックレスを盗んだ。
同県警察署は監視カメラの映像から男を特定し、2日後の19日に窃盗容疑で30
歳の男を逮捕した。
【JSSコメント
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コメント】
① 一見して、電気や水道、下水などの修理工と思しきいでたちで、近所の住民の目を欺
いて侵入する空き巣や、家人を欺いて玄関ドアを開けさせる強盗はどの国でも見られ
る。修理や点検の必要があると言われても、心当たりのない業者が来訪してきた場合
には、基本どおり、ドアを閉めたまま対応し、不審な点があれば管理室や該当する業者
の派遣先に確認する必要がある。
② 集合住宅に居住する場合は、玄関側だけでなくベランダ側から侵入される可能性にも
配意し、必要に応じてサッシや窓に防犯フィルムや補助鍵の設置を検討することをお勧
めする。
=少年が警察官を襲い拳銃を奪う(台北県)=
12月19日午前3時頃、台北県警察署土城分局の警察官2人がパトロール中に不審
な少年グループを発見し、尾行していたところ、1人が少年らに気づかれて取り
囲まれ、殴る蹴るの暴行を受けた。別の警察官が救出しようとしたところ、少年
らは取り囲んでいた警察官の拳銃を奪って逃走した。
現場付近の監視カメラの映像から、同日中に少年3人を特定して身柄を確保す
るとともに、3人の供述を基に拳銃も回収した。
【JSSコメント
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コメント】
○ 最近、台湾では、取締りや職務質問などに来た警察官を襲撃する事件が相次いでい
る。外出中に職務質問をしている警察官を見かけた際には、距離を置き近づかない方
が無難である。
=カラオケ店で刃物と拳銃を使用し喧嘩(新北市)=
12月26日午前3時頃、新北市三重にあるカラオケ店で些細なことから10人の少
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年たちが喧嘩となり、改造拳銃を持ち出した少年が発砲したところ暴発して自身
の指先を負傷した。また別の少年は抗争中に刃物で胸を刺され重傷を負った。店
からの通報で現場に駆け付けた警察官が10人全員の身柄を拘束した。
同市警察署の取調べによると、2つの少年グループによる喧嘩で、それぞれ別々
の黒社会組織の手下であることが判明した。
【JSSコメント
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コメント】
○ 新北市三重、板橋など台北市周辺にあるカラオケ店でのトラブルが目立ってきてい
る。駐在員および出張者は、予期せぬトラブルに巻き込まれることもあるため、深夜か
ら早朝の時間帯にカラオケ店へ出入りすることは、避けた方がよい。
=大陸人と見られる犯人による拉致強盗(台中県)=
12月19日午後9時頃、台中県潭子郷で中古車販売と修理業を営む男性宅に覆面
の男2人が侵入し、天井に向けて拳銃を発砲して35万台湾元(約99万円)を奪っ
た上、男性を連れ出した。2人は去り際に拳銃で夫人を脅して、警察へ通報しな
いように念を押した。
21日には、男性宅に身代金として中国元45万元(約545万円)を用意するよう
に電話があり、夫人は、すぐに準備できた中国元8万元(約100万円)を指定され
た銀行口座に入金した。
23日未明になって、男性自身から「解放された」という連絡が入り、男性は帰
宅後に自ら警察へ通報した。
警察では、拉致事件として捜査を開始し、犯人が身代金を中国元で要求してき
たことと、振込先を大陸系銀行に指定していることから、大陸人が犯行にかかわ
っていると見て捜査を進めている。
【JSSコメント
JSSコメント】
コメント】
○ 大陸と台湾の間では、「三通」によって、人や物の往来が活発化し、2010年、大陸人
の台湾訪問者数は、前年比67%増加して163万0,735人となり、今まで台湾訪問者数ト
ップだった日本人の数を超えた。しかし、本件のような強盗などの犯罪を目的として往
来している者も少なくない。
=病院のバイク置き場で窃盗犯を逮捕(台中市)=
12月16日午前6時頃、台中市警察署第一分局に台中医院から「敷地内を不審な
男がうろついている」との通報を受け、同市警察官が現場に駆け付けると、ビニ
ール袋を持った男がバイク置き場付近をうろついていた。男の姿は前日に同医院
で発生した窃盗事件の犯人の特徴と酷似していたが、警察官が同院内の監視カメ
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ラにより確認していたところ、男がバイクの荷台の中の荷物を取り出して、その
まま立ち去ろうとしたため、窃盗容疑で現行犯逮捕した。
警察の取調べに対して男は、「昨日、窃盗に成功したので、今日も金目の物が
ないか探していた」と供述した。
【JSSコメント
JSSコメント】
コメント】
○ 駐停車中の車やバイクに置かれた荷物を狙った窃盗も多く確認されているため、短期
間でも車やバイクなどから離れる際には、車内および荷台やカゴの中には荷物を残さな
いように習慣づけるべきである。
=中学生3人が早朝にスーパーマーケットを襲う(台中市)=
台中市内の中学生3人が12月26日午前5時頃に、スーパーマーケットに侵入し、
食料品や飲料品を飲み食いした挙句に、売上金が入ったままのレジスターを運び
出そうとしていたところを、同店の防犯システムによる通報で駆け付けた警察官
に逮捕された。
中学生3人は、前日に学校が終わってから、制服のまま遊び回っていたとのこ
とで、遊ぶ金欲しさの犯行と思われる。
同市警察署は、3人を少年裁判所へ移送したと発表した。
【JSSコメント
JSSコメント】
コメント】
○ 台湾では、少年による暴力事件が減少傾向にあるものの、窃盗事件は増加傾向にあ
り、2010年の統計で前年比6.6%増加している。
=現金とバイクを奪う強盗(台中市)=
12月29日午前7時頃、台中市で男性がバイクにエンジンをかけた途端、ヘルメ
ットとマスクで顔を隠した男が近づき、男性に金を出すように脅してきた。
男性が所持していた2,000台湾元(約5,700円)を渡したものの、男は現金を掴
むと同時に男性を突き飛ばして、バイクを奪い逃走した。
同市警察局は、同一犯と見られる犯行が数件確認されていることから、市民に
注意を呼びかけている。
【JSSコメント
JSSコメント】
コメント】
○ 邦人駐在員の家族が、外出や買物などの際にバイクを使うことは少ないと思われる
が、台湾では、毎年約5万台のバイクが窃盗被害に遭っている上、交通事故の際に大
きなけがを負うこともあるので、マイカーやタクシーを利用することが望ましい。
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=バイクを取りに戻って来た強盗を逮捕(花蓮県)=
1月3日午後8時頃、花蓮県花蓮市で、衣服店前をバイクで通りかかった男が、
店員の姿が見えないため現金を奪おうとして店舗へ入った。しかし、奥から女店
主が出て来たため、男は女店主に近づき身動きを取れなくした。女店主は抵抗し
ているうちに気を失ったため、男はレジから現金1万台湾元(約2万8,400円)を
奪い、タクシーで逃走した。
意識を取り戻した女店主から通報を受けた警察が店舗周辺を捜索したところ、
店舗前に犯人の物と思われるバイクが放置されていたため、警察官は、そのまま
付近に張り込んで翌4日午前2時頃に、バイクを取りに戻ってきた男を逮捕した。
警察の取調べに対して男は、「現金を盗んだ後、早く逃げようとタクシーを利
用した。ホテルで食事をした後にバイクを忘れたことに気がついて戻った」と供
述した。警察は強盗罪で男を送検した。
【JSSコメント
JSSコメント】
コメント】
○ 年末から春節にかけて、強盗やスリ、ひったくりなど各種の犯罪が増加するので、この
時期は普段以上に防犯意識を高める必要がある。
=自動車盗グループを摘発(彰化県)=
彰化県警察署は、12月25日までに43歳の男を主犯とする自動車盗グループ6人
を摘発したと発表した。
警察によると6人は、2009年末から犯行を始め、標的となる車の選定、窃盗、
解体・組立、転売と役割分担して台湾全土で犯行に及んでいたが、100台以上の
車を盗んだ上、解体や部品の交換などをして新品同様に組立て直して転売をし、
これまでに5,000万台湾元(約1億3,500円)以上を得ていた。
【JSSコメント
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コメント】
① 台湾で自動車盗は2005年までは毎年5万件程度発生していたが、2010年は1万
7,128件まで減少している。
② 車上狙いや自動車盗対策としては、路上駐車を避け、警備員の常駐する駐車場でな
るべく人気の多い場所に駐車すること、大音響を発する防犯アラームを搭載することな
どが有効である。
=詐欺の指名手配犯が改造拳銃で抵抗(台南市)=
12月28日、台南市東区の路上で、同市警察官がパトロール中に詐欺の指名手配
犯を見つけ職務質問したところ、男が持っていた改造拳銃で威嚇してきたため、
警察官は警告のため7発の空砲を発砲した。しかし、男は怯むことなく、さらに
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抵抗を続けたため、警察官は男の踵を撃って、動きを止めて逮捕した。
警察は、男を詐欺と拳銃所持の容疑で送検した。
【JSSコメント
JSSコメント】
コメント】
○ 当局による拳銃の押収数量は2004年をピークに減少傾向にあるものの、本件のよう
に改造拳銃で武装する犯罪者は依然として多く見られる。
=携帯電話店を狙った連続強盗(高雄市)=
1月7日午後7時頃、高雄市内の携帯電話店にヘルメット姿の男が拳銃を手に侵
入し、店員に持っていた紙袋に現金を入れさせるとすぐに店から逃走した。侵入
から逃走までわずか18秒の犯行であった。
同市警察署では、同事件発生後に現場付近の商店に対して注意を促していたが、
12日、別の携帯電話店でも、同じ格好をした男による強盗被害に遭った。
同市警察署は、2件の犯行手口と店員が目撃した犯人像が一致していることか
ら同一犯による犯行と見て捜査を進めている。
【JSSコメント
JSSコメント】
コメント】
○ 万一、強盗の現場に居合わせてしまった場合、出入口が近ければ素早く店外へ逃
げ、そうでなければ犯人の顔を見ないようにしてレジからなるべく離れた場所で姿勢を
低くしているのが無難である。
以上
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