まちづくりマネージャー実践高度化研修レポート

街元気プロジェクト2007 まちづくりマネージャー実践高度化研修 受講後レポート
街元気プロジェクト2007
まちづくりマネージャー実践高度化研修レポート
氏名
Ⅰ章
橋本道雄
わがまち大船北
Ⅰ -1 . 大 船 北 市 街 地 再 開 発 計 画 概 要
JR東海道線、横須賀線「大船駅」北口駅前周辺の再開発地域(神奈川県横浜市栄
区 笠 間 2 丁 目 界 隈 )。こ の 大 船 北 市 街 地 再 開 発 計 画 は 、都 市 計 画 方 針 を 作 成 す る に あ た
り、横浜市の上位計画に従って計画されている。その上位計画の概要は以下のとおり
である。
①ゆめはま2010プラン(平成6年3月)
横 浜 市 の 基 本 計 画 で あ る「 ゆ め は ま 2 0 1 0 プ ラ ン 」に お い て 、
「 大 船 」地 区 は「 地
域拠点」の1つに位置づけられている。
・地域拠点
主要な鉄道駅の周辺を、市民の日常生活の身近な拠点として機能強化し、地域特
性に応じた計画的で個性的な街づくりを進める。
日常の生活行動の利便性を高め、生活ニーズの多くが充足できるよう、商業、サ
ービス、文化機能などの立地を促進する。
拠点機能を強化するため、大船などをはじめとする地域拠点においては、再開発
や区画整理事業等を推進し、多様な機能の集積を図る。
駅前広場や駐車場、地区幹線道路などの整備を行うことにより、地域拠点の交通
利便性を高めるとともに、駅周辺の混雑の緩和を図る。
② 大 船 駅 周 辺 地 区 都 市 (ま ち )づ く り 基 本 計 画 ( 平 成 1 5 年 3 月 )
神奈川県・横浜市・鎌倉市により、大船駅周辺地区の総合的なまちづくりに向けて
まとめられたものであり、当地区の位置づけは下記のとおり。
・北地区商業拠点
仲通り商店街の北に位置する商業拠点にふさわしい商業施設の導入に努めるとと
もに、大東橋周辺地区と連携を図りながら魅力ある空間づくりをめざす。
③横浜国際港都建設計画・都市再開発の方針(平成15年3月)
2号再開発促進地区
・ 特に一体的かつ総合的に市街地の再開発を促進すべき相当規模の地区として、次
のとおり、指針を設定する。
・
地区名
大船駅北地区
・
面積
約4.0ha
(当該区1.7ha)
1
・
地区の再開発、整備の主たる目標
地域拠点にふさわしい土地利用の高度化と商業・業務施設、公共施設、都市住
宅等の整備を図る。
・
用途、密度に関する基本的方針、その他の土地利用計画の概要
地域の商業・業務施設及び地域に不足している公共施設、都市型住宅等を整備
し、土地の高度利用を図る。
・
建築物の更新の方針
老朽木造密集市街地及び既存大型店舗を含む範囲で再開発等により商業・業務
施設、公共施設、都市型住宅等複合機能の整備を図る。
・
都市施設、地区施設の整備方針
都市計画道路、交通広場、駅施設、歩行者プロムナード、ペデストリアンデッ
キ等の整備を図る。
以上に羅列した上位計画を踏まえた大船北市街地再開発地区都市計画の方針は次
のとおりと定めた。
・都市整備の目標
大 船 駅 北 第 二 地 区 は 、横 浜 市 か ら 南 西 約 14 .5k m 、栄 区 西 方 の 柏 尾 川 流 域 に あ り 、
JR東日本「大船駅」の北側に位置している。
本 地 区 は 、都 市 計 画 道 路 3 ・3 ・1 7 下 永 谷 大 船 線 沿 い に あ り 、バ ス タ ー ミ ナ ル に 隣
接して、店舗やスポーツ施設など大規模な土地利用と小規模な店舗、住宅施設
が混在しているが、大船駅北口にふさわしい公共施設の整備と土地利用がなさ
れていない。
本地区計画は、大船駅周辺の総合的な整備の一環として、地区の活性化、土地
の高度利用を図る再開発事業等を促進し、商業施設や住宅等の再整備を行うと
ともに、横浜市の地域拠点にふさわしい市街地環境を創出することを目的とす
る。
・土地利用の方針
駅に近接する立地特性を活かして、賑わいのある商業機能や利便性の高い都市
型住宅を整備するとともに、バス乗降場、駐輪場などの公共的機能を整備し、
建物の共同化等により、土地の高度利用や建築物の不燃化等を促進する。併せ
て、歩行者空間を整備し、横浜市の地域拠点として安全で快適な都市空間を整
備する。
・公共施設の整備の方針
駅舎、バス乗降場、駐輪場などの公共的施設と商業施設や住宅などの諸施設が
適切に機能するための整備を推進し、かつ、安全かつ快適に施設相互を連絡で
きる歩行者動線の整備を図る。
都市計画道路に面して歩道上空地を整備するとともに地区内に広場を整備する。
・建築物等の整備の方針
建築物等の共同化等により、歩行者空間を創出しつつ、周辺環境に配慮した高
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度利用を促進する。建築物の用途の制限、建築物の敷地面積の最低限度、壁面
の位置の制限、建築物の高さの最高限度及び建築物等の形態又は意匠の制限に
ついて必要な基準を定める。
市街地再開発事業における公共施設の整備については、平成17年3月30日に
「市街地開発事業において整備する公共施設等の設計に関する技術指針」
( 横 浜 市 )が
制 定 さ れ 、技 術 指 針 に 基 づ く 手 続 と し て 、昨 年 1 0 月 2 日 に「 開 発 構 想 書 」を 提 出 し 、
正式協議を開始した。
Ⅰ -2 . 大 船 北 市 街 地 再 開 発 計 画 現 状 と 課 題
昨 年 、平 成 1 9 年 1 0 月 2 日 に 開 発 構 想 書 を 提 出 し て 、正 式 協 議 を 開 始 し た も の の 、
当該地区には、既に、約5000坪を有する商業施設をはじめとして、盛業中のテナ
ントビルや駐車場、駐輪場が営業している。
そのため、再開発というよりも、むしろ再々開発としての開発物件であり、通常、
土地の高度化利用により、保留床を処分して再開発資金を捻出するところ、従前資産
が、既存建物費(従前資産)を大きく見積もるため、権利変換値が望ましい数値とな
らず、再開発事業そのものに、効果的な見通しがつきにくく、実際、開発構想書を提
出するまでに、既に20年近く歳月を要してきた。
いかにして事業性を高くし、権利変換値の向上を獲得するかが最大の焦点である。
また、JR大船駅の北口が開設され、毎日14万人の乗降客のうち、35%の5万
人が当該地区を通過するポテンシャルの高い立地であり、商業構成や、環境構成、交
通利便性など、社会的な要求をいかに満たしていくかという課題を内包している。
つまり。現状としては課題の山積みであり、行政との正式協議の始まりとともに、
今後ますます、課題や検討事項が増えていくことだろうと認識している。
Ⅰ -3 . 大 船 北 市 街 地 再 開 発 計 画 活 性 化 の 動 き
開発構想書を提出受理され、大船北市街地再開発準備組合としては、正式協議の開
始を受けて、にわかに活気付いてきたという状況になりつつある。
現在、毎月2回の全体集会を定期開催し、コンサルタントを含む、関係者と理事長
等を含むメンバーでの週1回の定例会を開催し、情報の共有化と検討事項の整理や前
検討を行っている。
組合側の時間管理、スケジュール感と行政の遅々としたスケジュール感のずれが気
になるものの、とにかく5年ないし6年後の開業を目標として、活気付いてきた感覚
は感じている。
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特に、横浜市都市整備局のメンバーとは、方向を共有し、より良い街づくりを達成
したいという一点では、一致しており、行政内部のネゴシェイターとしての期待も高
まっている。
Ⅰ -4 . 大 船 北 市 街 地 再 開 発 計 画
■ 建築物の概要
・階 数 ・ 高 さ
・地 上 9 階
高さ約38m
・建 築 面 積
・約
・延 床 面 積
・約 4 3 , 0 0 0 ㎡
6,420㎡
・商 業 床 面 積
・約 2 1 , 0 0 0 ㎡
・商 業 駐 車 場 部 分 床 面 積
・約 1 5 , 0 0 0 ㎡
・住 宅 部 分 床 面 積
・約
5,500㎡
・そ の 他 部 分 床 面 積
・約
1,500㎡
・容 積 率
・約 4 0 0 %
・建 築 工 期
・約 2 0 ヶ 月
■ 事業収支計画案
収
項目
支
金 額( 億 円 )
比率
項目
出
金 額( 億 円 )
比率
公共施設管理者負担金
53. 6
38%
施設建築物等工事費
98. 4
70%
一 般 会 計 補 助 金
31. 3
22%
公 共 施 設 整 備 費
17. 2
12%
保 留 床 処 分 金
56. 5
40%
そ
25. 8
18%
141 .4
100 %
141 .4
100 %
合計
Ⅱ章
入
わたしの取り組み
Ⅱ -1 . 私 の 取 り 組 み の 概 要
4
の
合計
他
費
用
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私の主業務は、第一に、再開発事業を円滑に推進することである。行政、地権者、
そして地域の方々のとりまとめを行いながら、みんなに愛される街づくりを目指さな
ければならないと考えている。
さらに、具体的な分野で言うならば、商業ゾーンの開発であり、創造である。
過去、いくつかの商業施設の開業という業務を担当してきた実績を活かして、今回
の施設開発にも寄与したいと考えている。
従前資産の合計が60億円という、きわめて価値の高い物件であり、未来に継続し
ていく施設開発でなければならないと肝に銘じている。
商業施設の理屈を押し通すのではなく、近隣の商店街とも連携し、共存共栄を目的
とした、新しい形の再開発を実施したい。
また、いわゆる「ハコモノ」ではなく、時代にマッチした、適切な規模で、効果効
率よい再開発事業を目指したい。
Ⅱ -2 . 研 修 を 受 講 し た 動 機
2 0 0 6 年 2 月 1 5 日 、1 6 日 と 街 づ く り プ ロ ジ ェ ク ト の 研 修 に 参 加 し て 、初 め て 、
青森を訪れ、青森の街づくりに接した折に、加藤博先生に出会いました。
熱く語る先生の情熱、艱難辛苦を物とせず、突き進むエネルギー、そして、誰より
も青森を愛する姿を目の当たりにして、感動し、大船に戻って後も、加藤先生のパワ
ーを思い出しては、日々自分に叱咤激励しておりました。
そんな私にとって、1週間もの長い期間を、加藤先生とともに、実践研修を受講で
きるという本企画は、なんら躊躇のない、即日申し込むべきものであったわけです。
加藤先生を間近で拝見し、肌で感じ、そのエネルギーはもちろんのこと、交渉力や
指導力、そういったものを学ぶ事ができたらという思いが動機である。
Ⅱ -3 . 問 題 意 識
再開発事業は既に、新たなステージへと進んでいます。つまり、元々は古い木造住
宅が所狭しと立ち並び、消防自動車すら走れない区域を、道路整備し、かつ、高度化
利用により、住商混合での街づくりを推進したものだったのですが、その再開発は、
既に、1970∼80年頃からの手法であり、考え方であったわけです。
我々大船地域もまさに、今から35年前に、木造住宅から、5階建てのビルに姿を
変えて、地域とともに歩んできたわけなのです。
すでに、十分に容積率を消化している。
あるいは、道路もそれなりに機能しているという現立地では、従来型の再開発手法
では、なかなか、納得できる回答が見えないということになるのです。
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新しい、ただ単に建物だけを大きくすれば良いということではなく、少子高齢化に
よる人口減少と消費人口の高齢化、消費市場の減少、流通販路の複雑化、趣味の多様
化等と複雑に絡むファクターを、一つ一つ精査して、これからの20年、30年を見
据えた開発がもとめられているという大きな問題意識を持ちつつ、現職を推進してい
る。
Ⅲ章
研修の実施内容
Ⅲ -1 . コ ン パ ク ト シ テ ィ 「 青 森 」
盛りだくさんで中身の濃い1週間の研修は、以下のとおりプログラムされていた。
この研修により、本当に、現場での激しさと情熱を改めて実感する事ができた。
■研修スケジュール
9 月 24 日 ( 月 )
9 月 25 日 ( 火 )
9 月 26 日 ( 水 )
9 月 27 日 ( 木 )
9 月 28 日 ( 金 )
9 月 29 日 ( 土 )
9 月 30 日 ( 日 )
13:00
ガイダンス、自己紹介
14:00
佐々木誠造青森市長との懇談会
15:00
現地自由視察
18:30
タウンマネージメント会議メンバー交流会
10:00
お店巡りツアー参加
13:30
商工会議所「ブランド戦略セミナー」
15:00
「一店逸品運動」作業部会
18:30
商店街スタンプ事業の運営委員会に参加
10:30
㈱アサクラ朝倉社長との意見交換会
13:00
(財)千葉県産業振興センターとの打合会
14:00
スタンプ事業「加入促進セミナー」
9:00
福岡県大川市の視察対応
14:00
青森銀行新町支店長との情報交換会
15:00
再開発ビル「アウガ」對馬常務との情報交換会
7:30
「まちづくりあきんど隊」朝会議
11:00
青森市経済部長との意見交換会
14:00
タウンマネージメント会議
17:00
AOMORI 春 フ ェ ス テ ィ バ ル よ さ こ い 部 会
19:00
ユビキタス実行会議
9:00
パサージュ広場協議会
11:00
周辺の郊外大型店視察
10:00
研修成果報告、総括後解散
すべてのプログラムにおいて、大いに参考になり、また、持ち帰って活用する具体
例 も 多 か っ た と 総 括 す る が 、特 に 、現 職 の 再 開 発 、あ る い は 商 業 運 営 と い う 視 点 か ら 、
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特にセレクトして、次の3点について、書き綴りたい。
Ⅲ -2 . 再 開 発 商 業 施 設 「 ア ウ ガ 」
平 成 1 3 年 1 月 に 青 森 駅 前 再 開 発 ビ ル と し て 、ア ウ
ガは開業した。
駅 前 に あ っ て 、そ の 奇 抜 な デ ザ イ ン は 、ひ と き わ 目
を引いて建っている。
総 床 面 積 5 5 ,5 5 1 ㎡ 、地 下 1 階 地 上 9 階 の 建 物
で あ る 。地 階 は 新 鮮 市 場 、1 階 か ら 4 階 に フ ァ ッ シ ョ
地 階 は新 鮮 市 場 ・レストラン
ン ・雑 貨 な ど の テ ナ ン ト が 入 居 し 、 5 階 か ら 上 に は 、
青 森 市 男 女 共 同 参 画 プ ラ ザ ・カ ダ ー ル ( A V 多 機 能 ホ
ー ル 、イ ン ナ ー パ ー ク 、託 児 室 )青 森 市 つ ど い の 広 場 、
青森公立大学、そして青森市民図書館が入っている。
1 8 年 度 に は 、来 館 者 数 6 3 6 万 人( 年 間 )で あ り 、
図書館利用者も一日当たり2200人を超えている
1階 はシティファッション
という。
駐 車 台 数 は 5 2 2 台 、再 開 発 総 事 業 費 は 1 8 4 億 6
千万円。
9 月 2 7 日 、そ の ア ウ ガ に お 邪 魔 し て 、青 森 駅 前 再
開 発 ビ ル 株 式 会 社 ・代 表 取 締 役 常 務 對 馬 郁 夫 様 と お 会
2 階 は カ ジュ ア ル& ビ ュ ー ティ ー
いして、直接お話を伺った。
ファッションテナントのオーナーに販売について
や 、流 行 ト レ ン ド に つ い て ア ド バ イ ス し て い ま す と い
う 、對 馬 常 務 は 、6 3 歳 と は 思 え な い 、セ ン ス の い い
フ ァ ッ シ ョ ン で 、我 々 と 面 談 し て く だ さ っ た 。平 成 1
3階 はアクティブファッション
5 年 に は 年 間 2 2 億 だ っ た 売 上 が 、現 在 2 8 億 5 千 万
円 に 上 昇 し 、ま も な く 3 0 億 円 を 突 破 す る と 見 込 ま れ
ているらしい。
元 々 、不 動 産 と し て の 管 理 運 営 を し て い た の を 、常
務 が 着 任 さ れ て か ら 、P M 方 式 に 変 え 、テ ナ ン ト オ ー
、4階 ファミリー
ナ ー に リ ク エ ス ト し た り 、売 上 の 悪 い 店 を 積 極 的 に 入
れ替えたりという動きを強化したそうだ。
フ ロ ア ご と の コ ン セ プ ト も 見 直 し て 、1 階 は シ テ ィ
フ ァ ッ シ ョ ン 、こ こ は ほ ぼ コ ン セ プ ト ど お り に 仕 上 が
っ た ら し い 。2 階 は カ ジ ュ ア ル & ビ ュ ー テ ィ ー 、3 階
はアクティブファッション、4階はファミリー。
し か し 、1 階 以 外 は 、未 完 成 で あ り 、こ の 先 を 期 待 し て 欲 し い と お っ し ゃ っ て い た 。
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郊外店とは確かに競合してはいるが、確実な営業を貫いていれば、大丈夫だと自信
も勝算もあるように感じられた。
また、日常的には、ビル内の巡回を積極的に行い、販売員や店長さんとの会話を大
切にしていると話されていた。
Ⅲ -3 . ㈱ ア サ ク ラ
9月26日の午前には、株式会社アサクラの代表取締役社長浅倉満様とのお時間を
頂戴して、実際に青森市内で商業推進されているお立場でのお話を聞く事ができた。
冒 頭 か ら 『 お 客 様 を 幸 せ に な っ て い た だ い て 、 従 業 員 も 幸 せ に な る 』『 食 を 売 る の
ではなく、心を満たす、元気になっていただく、安らいでいただく』が大切と話され
る浅倉社長。
東北地方初のドトールコーヒーを展開し、31アイスクリーム、大戸屋、おむらい
す亭などのフランチャイズを八戸市や青森市で展開されている。
非常に前向きなご発言が続き、お話を聞いていると、こちらまで元気が出てくるよ
うな明快さである。
フランチャイズでのロイヤリティーも外注費と考えれば高くないと認識されてい
て、それよりも、カスタマーサービスの度合いを上げる事が最重要と話される。ドト
ールコーヒー八戸店は毎年「優秀賞」を授与されているという。
地方だからという言い訳ではなく、地方だから地方らしく、そして勝ち残ると話し
てくださった。
商業者の視点から伺う話は、大船のテナントミックスを考える上でも参考になる事
が多く、より顧客を向いてのスタンスが何よりも大切だということを改めて感じた。
また、加藤先生が良く話される内容とも一致するのだが、量販店は消費者を対象と
し て い る 、商 店 は 生 活 者 を 対 象 と し て い る と い う 名 言 と オ ー バ ー ラ ッ プ し て 聞 こ え た 。
Ⅲ -4 . ユ ビ キ タ ス 社 会 の 実 験 事 業
ユビキタス=いつでもどこでも。
S C S = ソ ー シ ャ ル ・ キ ャ ピ タ ル・サ ー ビ ス 。概 念 は 社 会 的 つ な が り と か 社 会 全 体 の 人
間関係の豊かさを意味する。
携帯電話を活用した、地域情報の受発信システムといえるシステムの実験が青森で
始まる。
その会議にも出席した。
29日の夜の会議だった。
ユビキタスシステムそのものについては割愛するが、この19時から始まる会議の
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熱気がうれしかった。
単独の商店街組合だけではない、青森あきんど隊、新町商店街、昭和通商店街、ニ
コニコ通り商店街、中心商店街女性部、いろは通り商店街、さらには、青森市役所の
担当、NPO青森編集会議の方たちが、青森市のことを真剣に考え、討論し、未来志
向なのが一番感動したことである。
今回は実験ということで、平成20年の春で一旦打ち切る企画らしいが、今後も青
森でのユビキタスが発展し、日本のモデルになることを期待したい。
Ⅳ章
研修成果の活用
Ⅳ -1 . 活 用 実 績
本研修を終えて、早速に実践したことは、①定例会の司会進行を務めること。があ
げられる。青森に一週間滞在して、何よりも、印象的だったのは、講師、いや、師匠
の加藤博先生の『生き様』だったと思う。
誰よりも、青森を愛している生き様。
誰よりも、幅広く、一日中、深く、青森のことを考え抜いている生き様。
誰よりも、早く行動していき、継続していく生き様。
この加藤博先生の生き様から、自分を見つめなおしたときに、なんて手抜きだった
ことかと反省させられた。
お湯は100℃になって初めて沸騰する、99℃とは似て非なるものである。さし
づめ、私は99℃以下で、沸騰しないと嘆いていたように感じた。
本気で、100℃、100%やりきったときに、世の中は動くのだろう。
そう考えた青森研修の後、まず再開発関連のすべての会議を、自ら進行司会するよ
うに変えた。
誰よりも、熱く、情熱を持って会議を主催するということ、これが活用実績の第一
である。
第二に、朝会議の採用、コンサルタントとの会議を毎週火曜日の8時とした。あい
にく、都内まで1時間かかるので、これ以上は早く出来ないのだが、コンサル事務所
で 、モ ー ニ ン グ コ ー ヒ ー を 飲 み な が ら 、効 率 よ く 、打 ち 合 わ せ が で き る よ う に な っ た 。
これはあきんど隊朝会議を真似したものである。
Ⅳ -2 . 今 後 の 活 用 案
第一に行政との信頼関係の構築。青森で学んだことのひとつに、行政との協力体制
が大きく印象的でした。
ともすれば、対立軸にたってしまうような事が起こりうる、大船再開発の現状を反
省し、青森のように、商人と行政が一致して同じ方向を見られるようにして行く。
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第二に、朝会議の徹底。
第三は、對馬常務に教えていただいたことでもあるのだが、伊勢丹や高島屋などへ
の視察の習慣化、あちらこちらのトレンドを見て、体感して、その肌で感じる感性を
磨いていくということ。
第四は、ユビキタスなど商業活性、地域活性のためのITの活用についての研究。
第五には、やはり、人間力のアップである。一日にはならないとは思うが、加藤裕
先生のように魅力的な人間力の醸成こそが、より良い街づくりには欠かせない要素だ
と痛感した。
Ⅴ章
本研修全体で得たこと
Ⅴ -1 . 私 の 決 意
今 回 、青 森 で 、一 週 間 、1 4 3 時 間 も の 長 い 滞 在 を 経 験 し 、し か も そ の ほ と ん ど を 、
箕面市の日永田氏、広島市の山根氏、そして加藤博先生と過し、決して、孤軍奮闘し
ているわけではないということを痛切に感じ気づきました。
街を創っていくということは、何よりもすごいエネルギーを必要としてはいますが
も時折、非力さや、孤独感を感じ、遅滞したり、放置したりしている自分がありまし
た。
しかし、自分たち以上に苦戦を乗り越えている仲間の存在の大きさをひしひしと感
じた一週間だったと思います。
これからは、日本中に同じように、苦戦しながらも、やがて誕生していく街に情熱
を燃やして、滞ることなく、牛歩の歩みであったとしても前進している仲間がいると
いうことを意識し、私自身、大船の未来をイメージして、飛躍前進を継続して行こう
と決意を新たにいたしました。
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