小規模地熱バイナリー発電設備実証試験の開始について(PDF:229.8KB)

平 成 25 年 2 月 28 日
九州電力株式会社
川崎重工業株式会社
小規模地熱バイナリー発電設備実証試験の開始について
鹿児島県指宿市の九州電力株式会社山川発電所(定格出力:3万kW)構内
において、九州電力株式会社と川崎重工業株式会社は、小規模地熱バイナリー
発電設備(定格出力:250kW)を設置し、2 月 26 日に実証試験を開始いた
しました。今後、約2年間の実証試験を行い地熱への適用可能性について検証
を行います。
なお、本設備は、川崎重工業株式会社が工場の排熱等の有効活用を目的に開
発したグリーンバイナリータービンを採用しており、地熱への適用が可能にな
れば、地熱資源が賦存する離島等への導入が期待できます。
〔添付資料〕「小規模地熱バイナリー発電設備」の概要
「地熱バイナリー発電方式」の概要
以
上
添 付 資 料
「小規模地熱バイナリー発電設備」の概要
●設備概要
定 格 出 力
250kW
媒 体
代替フロン
熱 源
地熱熱水
幅×奥行き×高さ
約13m×約9m×約7m
●設備外観
●スケジュール
項目
年度
設備設計・製作
据付・試運転
実証試験
2011
2012
2013
2014
備 考
[検証項目]
・熱回収技術
・スケール対策
・腐食対策
・設備性能
・経済性
添 付 資 料
「地熱バイナリー発電方式」の概要
バイナリー発電とは、加熱源により沸点の低い媒体を加熱・蒸発させてその蒸気で
タービンを回す方式である。加熱源系統と媒体系統の二つの熱サイクルを利用して発
※
電することから、バイナリーサイクル(Binary -Cycle)発電と呼ばれている。
地熱発電にバイナリーサイクルを導入すると、従来方式では利用できない低温の蒸
気・熱水を有効に利用することができる。
今回の山川発電所の実証試験においては、地下に還元する熱水を気水分離して加熱
源とし、媒体サイクルには代替フロンを使用している。
※Binaryとは「2つの」という意味であり、Binary-Cycleは熱サイクルを二つ利用しているということ。
バイナリー系統フロー図
従来方式
蒸気
従来発電
気
水
分
離
器
蒸気・熱水サイクル
蒸気
気
水
分
離
器
媒体サイクル
媒体蒸気
媒体:代替フロン(HFE)
沸点:34℃
熱
水
熱水タンク
蒸
気
+
熱
水
蒸気・熱水サイクル
熱
水
気
水
分
離
器
熱水タンク
蒸気タービン
蒸
発
器
タービン発電機
(一体型)
熱水
予
熱
器
蒸
気
+
熱
水
発電機
冷却ファン
空冷式復水器
冷
却
用
空
気
冷却水
水冷式復水器
冷却塔
蒸気井
還元井
加熱源系統
熱媒循環ポンプ
媒体系統
蒸気井
還元井