Kohnan Wind Orchestra 港南吹奏楽団通信 しおかぜ 発行者 第39号 港南吹奏楽団理事長・常任指揮者 玉 谷 敏 弘 2009年4月1日(水)発行 エイプリルフール 4月1日は「エイプリルフール」だ。日本では「四月馬鹿」。嘘ついてもいい(ただし,害のない嘘に限る)とされ る日ということは誰もが知っているが,エイプリルフールについての起源はよくわかっていないらしく様々な説が ある。 調べたところによれば,昔のヨーロッパでは3月末ごろが一年の始まりとされ,4月1日までの間,「祭り」を開 催していた。あるとき,フランスの王様が1月1日を新年とする暦を採用したところ,これに反発した民衆が,4月 1日を「嘘の新年」として「馬鹿騒ぎ」をはじめたらしい。その王様はそのことに激怒し,町で「嘘の新年」を祝って いた人々を逮捕して片っ端から処刑してしまった。フランスの人々はこの事件に非常にショックを受けて王様へ の抗議と,この事件を忘れないために,その後も毎年4月1日になると盛大に「嘘の新年」を祝うようになってい った。というのが「エイプリルフール」の始まりという説がある。 本当かどうかはわからないらしいが,そういうことなら,エイプリルフールを受け入れてもいいかなと思った。 そもそも僕は嘘が嫌いだし,エイプリルフールなんて趣味悪い日を一体誰が作ったんだろう,くらいに思って いたから。 イスラム教ではコーラン(イスラム教の教典)に著しく反するので,エイプリルフールで嘘をつくのは禁止されて いるそうだ。(ちなみに僕はイスラム教徒ではありません) いい嘘ってあるのか?だまされて喜ぶ人はいないと思うんだけどな。 と思っていたら,そのフランスの起源説には続きがあった。 実は,そのとき処刑された中に13歳の少女も混じっていて,その少女の死を悼み(いたみ),13年に一度の 4月1日は,『嘘の「嘘の新年」』として,その一日は「何があっても絶対に嘘ついてはいけない日」とされていた そうだ。 断然こっちのほうがいい習慣だと思うのだが,これは次第に忘れられてエイプリルフールだけが残ったそう だ。 ところで,絵画の世界には「だまし絵」「錯視」といったものがあるが,音楽はどうだろうか。 当然,耳の錯覚というものは存在するけど,それが音楽の世界に組み込まれているものはあるのだろうか。 現代の音楽には音のモワレ効果(右図参照)と呼ばれているものもあるし,無限音階 (いつまでも終わりのない音階。CDも出ている。)なんてものもある。古くは,差音(2つの音の周波数の差の周 波数の音が聞こえる心理現象)を利用しているパイプオルガンの低音や,2拍子に聞こえる3拍子(ヘミオラ)な ども,やはり「錯覚」の原理を利用したものだ。シンコペーションも錯覚の一種と呼べなくもない。 と,ここまできて思う。人間って実は,すごく上手にだまされると,嬉しいというか,楽しくなるもんなのかも・・・。 そんな素敵な嘘,ついてみたい。つかれてみたいなあ!(笑)
© Copyright 2024 Paperzz