200604-kyoukaikiji1

第14回 西東京ラグビースクール
文◎藤本幸俊
お父さん方の自律的運営がユニーク
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京王線の聖蹟桜ヶ丘の駅のすぐ裏側にある多摩川の河川敷グ
ラウンドが、西東京ラグビースクールの練習場所です。2 月のあ
る日曜日の朝、そこを訪れた第一印象は、
「コーチ(お父さん方)
が多いな」でした。
「成り立ちが、お父さんたちで運営していこう、ということで
始まってますからね。新しく入った子のお父さんには、必ず運営・
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指導に携わりませんかと声をかけていますし。ラグビー経験者
導者が中心にいたり、長年、地域のラグビーの普及に携わって
は半分くらいでしょうか」と総務の中村さん。
こられているベテランのコーチがいたり、求心力の存在がたい
1994年に設立された西東京ラグビースクールは、今年でまだ
ていみえました。しかしここは、手づくり感にあふれた、お父
12年目と若い。スクール生は、幼稚園から中学生まで70 名弱です。
さん方の横の連携が特徴です。
このコーナーで取材にうかがうスクールには、カリスマ的な指
とはいえ、指導・運営の役職は 32 にも細かく分かれ、それぞ
れをお父さん方が分担して、しっかりとした運営がなされてい
ます。それだけに自由な発想で、フットワークが軽いという印
象です。
香港遠征などダイナミックな活動
子どもたちの「楽しみ」を第一に考える西東京ラグビースク
ールは、イベントにも工夫をこらします。2004年には、香港に
海外遠征。日本のラグビースクールとしては 2 番目だそうです。
「お父さんたちは若いサラリーマンが多いから、商社など国際
的な仕事の人もいます。ネットワークを駆使して、旅行代理店
を通さず、宿の手配から全部自分たちでやりました。この数年
お父さんたちも子どもといっしょにラグビーを学ぶ
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この日は小学校3年生から6年生までいっしょに
中学生。スクラムのための姿勢づくり
わるそうです。
「だからボールを持った選手が
つかまったときに、ボールを次に
展開するスピードが他のチームよ
り速い。いい状態のときのうちの
チームは、コンタクトのところで
相手がボールを見失うくらいの速
さで展開するからトライまでもっ
ていけます。トライの数が多いの
以内にまた実現したい」。コーチのひとりである照沼さんがそう
が特徴です。ただし状態がよくないと、いくら展開しても前進
説明してくれました。香港では、7 人制の世界大会として有名な
できませんが(笑)」
「香港セブンズ」の直前に行われた「インターナショナル・ユー
西東京ラグビースクールでは、小学校の4年生くらいから、
ス大会」に出場したそうです。
コンタクトしてもボールを動かす、ボールを止めない、といっ
また 3 月 19 日には、日本協会の協力のもと今度で3回目とな
たことを常に意識させて練習するそうです。
る「はじめてのラグビー教室」をスクール単独で主催。「ラグビ
練習中の子どもたちは、本当に楽しそうでした。小学校低学
ー未経験の子どもたちが、けっこう集まってくれると思いますよ。
年の子どもたちがボールを使って基礎的な練習をしているとき「ホ
最終的にラグビースクールに入らなくても、ボールに触れて遊
ントのラグビーがしたい!」と駄々をこねている子どもがいま
んでほしい。ここは河原でけっこう気持ちがいいから、親子で
した。やはり楽しい、やりたい、という欲求こそから、強さと
楽しんでもらえるんじゃないかな」(照沼さん)
いうものも生まれてくるのだと感じました。
プレーを継続し、観ても楽しいラグビーを
パスの練習
幼稚園∼小学校低学年の練習
西東京ラグビースクールのもうひとつの特徴が「ノンストッ
プラグビー」というプレースタイル。
「ひとことでいえばランニングラグビーですね。ラックやモー
ルにならないように、コンタクトしてもボールを動かす。攻撃
のスピードを落とさず、ボールを止めないのが理想です」
こちらも照沼さんに説明していただきました。
「西東京ラグビースクールでは、なるべくスペースを見つけて
展開していくラグビーを目指しているんです。相手ディフェン
スとコンタクトが起こっても、ガットやリップで味方についな
いでいく。そうしたなかでどうしても前進できなくなったとき
にラックやモールができる、というわけです。
子どもですから成長期だし、特に、小学校の低学年は神経系
が発達する時期。ボールを
持って走る、ということを
中心にやっています。ラッ
クやモールは、成長期を過
ぎてから学べばいい、そう
考えているのです」
ガットとは、ボールを味
方のお腹のなかに入れてや
るようにして手渡しするこ
と。リップは、ボールを持
っている味方が相手に当た
って、後ろを向いて相手か
中学生にタックルの仕方をていねいに指導
ら抱えられているところに
走り寄り、ボールをもぎと
ること。リップした選手は、
ターンして前に走れ、と教
思いきり走り回る中学生
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