目 次 ダイジェスト版・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・1 Ⅰ まえがき・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・3 Ⅱ 1 2 Ⅲ 派遣国の教育概要・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・4 フィンランドの教育概要 イギリスの教育概要 調 査 研 究 を 進 め る に あ た っ て ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ 10 1 事前研修会のシニアアドバイザーの講義内容要約 2 日本国内における派遣テーマに関する課題 3 派遣テーマに対する訪問国の概要 4 調査・研究テーマの設定理由とその背景 Ⅳ 1 2 3 4 5 調 査 結 果 ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ 18 訪問先の概要 効 果 的 な ICT の 活 用 に つ い て 情報活用能力の育成 校務の情報化について 教育の情報化の支援体制 1 2 3 4 全 体 の 考 察 と ま と め ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ 34 効 果 的 な ICT 活 用 情報活用能力の育成 校務の情報化について 教育の情報化の支援体制 Ⅴ Ⅵ 研 修 成 果 の 活 用 レ ポ ー ト ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ 38 1 授業での活用事例(小学校算数) 2 授業での活用事例(小学校算数) 3 授業での活用事例(小学校体育) 4 研修での活用事例(小学校における情報活用能力の育成に関する取組) 5 研修での活用事例(小学校における研修) 6 研修での活用事例(高等学校における研修) 7 研修での活用事例(教育センターでの研修) 8 研修での活用事例(教育委員会での研修) Ⅶ 新 た な 可 能 性 を 求 め て ( シ ニ ア ア ド バ イ ザ ー の 立 場 か ら 見 た 考 察 )・・・・・・・・55 Ⅷ 派 遣 団 名 簿 ・※個人情報保護の観点から、掲載を差し控えます。 ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ 61 Ⅸ 1 2 Ⅹ 研 修 日 程 概 要 ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ 62 日程 行程図 あ と が き ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ 65 資料編 資 料 1 ~ 資 料 7 ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ 1 ~ 24 実施要項等 平 成 24 年 度 教 育 課 題 研 修 指 導 者 海 外 派 遣 プ ロ グ ラ ム 実 施 要 項 ・・・・・・・・・ ・・・ 1 平 成 24 年 度 教 育 課 題 研 修 指 導 者 海 外 派 遣 プ ロ グ ラ ム 実 施 計 画( 別 紙 1 )・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ 3 平 成 24 年 度 教 育 課 題 研 修 指 導 者 海 外 派 遣 プ ロ グ ラ ム 事 前 研 修 会 日 程 表 ・・・・・・・・ 6 平 成 24 年 度 教 育 課 題 研 修 指 導 者 海 外 派 遣 プ ロ グ ラ ム 事 後 研 修 会 日 程 表 ・・・・・・・・ 7 平成24年度教育課題研修指導者海外派遣プログラム 派遣テーマ:学校教育の情報化・ICTの活用(H-1) ダイジェスト版 派 遣 国:フィンランド イギリス 派遣期間:平成24年9月24日(月)~10月5日(金) ◇調査研究項目 1 効果的なICT活用 2 情報活用能力の育成 3 校務の情報化 4 教育の情報化の支援体制 ◇調査結果 1 効果的なICT活用 フィンランドにおいては、各教室にICT機器が設置され、教育用コン テンツを自治体が収集・管理し、日常の授業に活用している。また、学校間での遠隔授業や欠席者への授業提供を行っ たりするなど先進的な取組もみられた。イギリスにおいては、学校による違いはあるが、数多くのICT機器が実際に活 用され,主にドリル学習に使用していた。中学校より必須教科としてICTがある等、教員のICT活用能力が高く、教材の 開発も行っていた。また、SNSを活用して、時と場が制限されずに学習できるシステムが整えられている。 2 情報活用能力の育成 フィンランドの情報教育は,初等教育では各教科で取り扱われ、中等教育から必修となる。ICT機器の導 入は地域、学校により差がある。今後は、個々に情報端末を持たせる予定で、高等学校の卒業認定試験で もインターネットが使用される等、生徒のコンピュータリテラシー習得の動機は高まっていく。イギリス では、コンピュータについては中学校から必修で、普通教室には電子黒板が常設してある。中学校では5 つものコンピュータ室を設置してある学校もあり、日常的にコンピュータに触れたり、インターネットや ワープロをはじめとしたコンピュータソフトを使用している。また、タブレットやDS、PSPなどを小グルー プで使用していた。 3 校務の情報化 両国ではWilma、Fronter、SIMSなどの校務システムが整備され、校務や学習支援がICT化し、活用されて いた。校務システムを活用することで教職員の校務に対する負担も減り、保護者も我が子の学校での様子 を把握しやすくなっている。 4 教育の情報化の支援体制 フィンランドでは、自治体の規模による格差が生じており、ICT教育の支援体制については、その差が大 きく、小さな自治体では、ICT機器の整備も十分とは言えない。イギリスでは、ICT支援員の配置を積極的 に行っている。国として授業へのICT支援を積極的に行っていこうという姿勢があるようで、3人のICT支 援員を配置しているところもあった。このことにより、生徒及び教員は、安心してICTを活用した授業に臨 むことができる。 ◇主な考察 1 効果的なICT活用 フィンランドにおいては、ICT機器を通して児童・生徒と同じものを提示することにより学習活動が身近なものに感 じられるとともに、取り組むべき活動に具体性をもたせることができる。日本においても教育用コンテンツ整備に向け、 現在設置されている機器を最大限に活用した授業の工夫と、学校や教員間のネットワークの構築が今後一層必要である と思われる。イギリスにおいては、教員のICT活用能力が高い。今後も各教員が、数多くの機器やソフトを使いこなす ための研修やICT機器の授業での活用実績の集積を行う必要があるだろう。 2 情報活用能力の育成 両国では、国民のほとんどがコンピュータを使えるようになって義務教育を終了するということであり、 我が国においても学習指導要領に示されているように,義務教育におけるコンピュータリテラシーの習得 は必須であると考えられる。日本でもまず、学習環境に「数」をそろえて、生徒が日常的に使える機会を 増やすべきであると考える。 3 校務の情報化 日本では成績処理などは学校独自のものや市として統一されたものが使われている。また、学校のホー ムページにアクセスし、文書をダウンロードしたり、閲覧した感想をメールで送ったりすることが行われ ている。今後一層、現状のシステムを発展させて、両国のような双方向性の機能をもつ、校務支援のシス テムとなるよう改善することが望まれる。そのためにも情報セキュリティーの徹底などの条件整備ととも に、教員個々のICT活用能力を高める努力が必要となってくる。また,ICT支援員の配置も欠かせなくなる と思われる。 -1- 4 教育の情報化の支援体制 日本の教育の情報化の支援体制という観点では、フィンランドに近い状況である。必ずしもICT支援員を 配置することだけが、学校におけるICT教育の充実を図る解決策ではないことを示唆している。日本におい てもそれぞれの自治体や学校の実情に合った支援体制の在り方があり、学校と関係機関で研究や協議を行 い、より良い支援体制の在り方を検討すべきであると考える。 ◇調査結果を学校現場で生かすために ○ 現状のICT機器の効果的な活用のための研修や実践の集積 ○ 学校間や自治体規模でのICT活用リーダーの養成とネットワークの構築 ○ 授業・家庭学習や家庭等との情報を共有するための機器やコンテンツ、ソフトの収集・整備・配置 日程 発着・滞在地 9/24 11:00 成田発 ○移動(飛行機 調査施設および調査内容等 約10時間) (月) 17:00 トゥルク着 ○ヘルシンキ経由トゥルクへ(飛行機 18:00 9/25 9:00 トゥルク ○移動(専用バスにてホテルへ) ①ヴァハ ヘイッキラ 小学校 訪問 (火) 11:15 ②ICT トップセンター 訪問 午 後 約1時間) 学校概要説明 研修制度説明 ○オリエンテーション 高橋純シニアアドバイザーより指導助言 調査研究内容の確認 授業参観 質疑応答 質疑応答 施設見学 係打合せ スケジュール確認 9/26 9:00 トゥルク (水) 10:25 ③カーリナ 高校 訪問 市の取組説明(教育長) 学校概要説明 授業参観 質疑応答 ④ピーッキオ 総合学校(小中一貫校) 訪問 学校概要説明 授業参観 質疑応答 午 後 9/27 午 前 トゥルク発 ⑤コティマキ 総合学校(小中一貫校) 訪問 ○移動(専用バス 約2時間半) 学校概要説明 授業参観 質疑応答 (木) 午 後 ヘルシンキ着 ⑥シルタマキ 総合学校(小中一貫校) 訪問 学校概要説明 授業参観 質疑応答 9/28 午 前 ヘルシンキ (金) 午 後 ⑦フィンランド国家教育委員会 訪問 国の教育方針説明 質疑応答 ⑧ルースブオリ 中学校 訪問 学校概要説明 授業参観 質疑応答 給食試食 9/29 午 前 ヘルシンキ発 ○教育文化施設 見学(専用バス) (土) 午 後 ロンドン着 9/30 午 前 ロンドン ○移動(飛行機 約3時間) ○研修成果のまとめ 研修資料等の収集・整理 (日) 午 後 10/1 午 前 ロンドン ○教育課題に関する調査研究 ⑨エルサム 小学校 訪問 学校概要説明 (月) 午 後 ⑩国立コンピュータ教育指導者協会(NAACE)講演 10/2 午 前 ロンドン 英国のICT教育の概要 ⑪スカーギル 小学校 訪問 (火) 14:30 ○研修成果のまとめ 16:00 10/3 午 前 ロンドン (水) 13:15 16:00 授業参観 NAACEの活動について 質疑応答 学校概要説明 授業参観 質疑応答 質疑応答 研修資料等の収集・整理 ⑫英国日本協会 講演 日本協会の歴史と役割について 質疑応答 ○研修成果のまとめ ⑬ブリトンズ アカデミー 中学校 訪問 学校概要説明 授業参観 質疑応答 生徒との懇談 ⑭ハバリング地区 教育委員会 訪問 地区のICTに関する取組説明 質疑応答 ⑮ハバリング地区 ICTリーダー会議 出席 10/4 10:20 ロンドン発 高橋純シニアアドバイザー「日本の小学校におけるICT教育の実情」発表 ○移動(飛行機 約3時間) (木) ○ヘルシンキ経由成田へ(飛行機 10/5 9:00 成田着 (金) 10:30 ○到着後入国審査 ○派遣団解散 等 -2- 約10時間) Ⅰ まえがき H-1団 団長 辻 雅代 平成24年9月24日(月)、シニアアドバイザーを含む19名のH-1団は、快晴の成田空港 を飛び立ち、一路フィンランドへと向かいました。「学校教育の情報化・ICTの活用」を団 のテーマとし、フィンランドとイギリスの2カ国を視察するという、またとない機会をい ただき、団員一同期待に胸をふくらませての出発でした。 最初の訪問地トゥルク市に降り立ち、古都に映える美しい紅葉を目にしたときは、翌日 からの研修に向け、改めて身の引き締まる思いがしたことを今でも鮮明に思い出すことが できます。その後ヘルシンキ、ロンドンと移動しながら15か所もの学校・教育機関を公式 訪問しましたが、団員は疲れも見せず、シニアアドバイザーの高橋純先生のご指導ご助言 のもと常に意欲的に調査・研究を進め、実り多い研修とすることができました。その成果 をこの報告書にまとめています。今後、多くの教育関係者に活用していただければ幸いで す。 フィンランドでは、機器の導入は日本の先を行くもののICTの活用についてはまだ模索 中であり、各学校の裁量に任されているとのことでした。そうした中、優れた指導力を持 つ先生が効果的にICTを活用している授業を参観させていただき、ICTの導入にあたっては、 教師の高い指導力が前提であるという当然のことに気づかされました。 また、イギリスでは、「ICTの活用については日本の3歩先を進んでいる。」と高橋先生 に伺ったとおり、日本が今後進むべき方向を具体的に見せていただいた気がします。21世 紀を生きる子どもたちにとってICT機器が生活に欠かせないものになることは必定であり、 授業への興味関心を喚起するために導入するのはもちろんですが、まずは学校で実際に機 器に触れて慣れさせるという側面も重要ではないかと感じました。 これからの学校教育において、ICTの活用は時代の要請でもあります。一朝一夕にでき るものではありませんが、子どもたちの未来を思い描きながら、できることから進めてい くことが教員の責務である、との思いを強くした今回の視察でした。 最後になりましたが、本研修の企画・運営全般に渡ってお世話いただいた教員研修セン ターの皆様、示唆に富む指導助言をいただいたシニアアドバイザーの高橋先生、多人数の 訪問を温かく受け入れてくださった学校や教育機関の方々、添乗員の高尾様や現地通訳の 方々など、お世話になったすべての方に対し、団員一同心から感謝を申し上げます。 -3- Ⅱ 1 派遣国の教育概要 フィンランドの教育概要 (1)基本政策 フィンランドの教育政策において中心基盤となるのは、「教育の平等」である。 年齢、居住地、性別、母国語などに関わらず、すべての国民に平等な機会が提供さ れている。そのため、教育は就学前から大学院卒業まで学費が無料である。就学前 教育、義務教育の基礎教育、後期中等教育までは福祉サービスや給食も無料で、就 学前教育から基礎教育までは必要な教材や教科書も無料である。また、フィンラン ドの公用語はフィンランド語とスウェーデン語であり、この他にもサーメ語など, マイノリティー言語で教育を受けられる学校がある。 (2)教育制度 ① 就学前教育(Preprimary Education) 誕生から6歳まで、デイケア・センター(保育園)や個人宅での小規模なファ ミリー・デイケア・グループに通うことができる。出費は親の収入によって異な る。どこで就学前教育を提供するかは自治体が決定する。2001年から6歳児は無 料で就学前教育を受けられるようになった。2004年には、6歳児の95%が就学前 教育を受けている。 ② 基礎教育(Basic Education) 7歳~16歳 普通7歳で入学だが、6歳でも8歳でも許可される。最初の6年の指導はクラ ス担任が行い、残りの3年は教科担任によるものである。卒業は9学年だが、希 望によって10学年が用意されている。また、卒業認定は総合的に決定され、原級 留置された者は10年生プログラムが用意されている。2010年には双方で1.3%の 生徒がいた。 学校の一年は8月中旬から6月初めまでの190日。週5日、週授業時数は学年 や選択授業によって異なるが19~30時間となっている。一クラスの人数に制約は ない。カリキュラムの核は国家教育委員会によって作成されるが、自治体が各地 方のカリキュラムを決定する。さらに各学校は地方の特色や生徒の実情によって カリキュラムを改編することができ、教員は自分の指導方法を選択し、指導教材 は自分で選択する自由をもっている。 -4- ③ 後期中等教育(Upper Secondary Education) 義務教育を修了した生徒たちは、高等学校(General Upper Secondary School) または、職業訓練学校(Vocational Upper Secondary Education and Training) への進学を選択できる。高等学校の生徒の選抜はそれまでの学業成績を主に行わ れる。職業訓練学校の選抜は、実務経験やそれに準ずる要素により行われ、必要 に応じて入学試験や適性試験が行われる。2001年では高等学校へ進学した生徒が 54%、職業訓練学校が36%であったが、2010年では後期中等教育へ進学した生徒 95.9%のうち、高等学校が47.6%、職業訓練学校が48.3%というように、最近は 職業訓練学校へ進学を希望する者が増えている。後期中等教育は、単位制を採用 することで高等学校と職業訓練学校での学習と実習を組み合わせた学習もでき る。高等学校の終わりには全国統一の大学入学資格試験が控えている。職業訓練 学校教育を受けている生徒もこの大学入学資格試験を受験することができる。 ④ 高等教育(Higher Education) 高等教育には大学(Universities)とポリテクニック(Polytechnics)があり、 より専門的な教育を提供している。大学は学術的な研究や指導を強調し、ポリテ クニックは実用に向けた教育内容になっている。 (3)教員資格 教員には二つの資格がある。 ① 学級担任(Classroom Teacher)教員 基礎教育における低学年(1~6年生)を受け持ち、すべての教科を教え、 生徒の学力向上と人格形成の全責任をもつ。 ② 教科担任(Class Teacher Studies)教員 基礎教育における高学年(7~9年生)対象の教科を担当し、後期中等教育の 教科も併せて教える。 上記のすべての教員は、修士課程の資格をもたなければならない。 -5- フィンランドの教育制度(フィンランド国家教育委員会資料より) 2 イギリスの教育概要 (1)教育制度 就学前教育については、法律で規定されたいろいろな教育・保育の方法ないし様 式が存在する。まず、公立・公営の就学前機関としては次の3つがある。 ① Nursery School(ナーサリースクール)2~5歳児未満を対象とする保育学校 ② Nursery Class(ナーサリークラス)主として3~5歳児を対象とする初等学 校付設の保育学級 ③ Reception/First Class(レセプション/ファーストクラス)初等学校入学直 前の幼児を早期に受け入れる初等学校付設の保育学級 これらの他、就学前児のための社会福祉施設として、地方の社会サービス当局管 轄の保育所Day Nursery(デイナーサリー)、子どもを持つ親がボランティアとして 協力して自分たちの子どものグループを作り、遊びを通して子どもたちの保育を行 うPlaygroup(プレイグループ)、3~4歳児を自宅で有料で保育する託児員の制度 Childminding(チャイルドマインディング)がある。 -6- 学校制度は初等学校6年(5~11歳)、中等学校7年(11~18歳)を基本として いる。中等学校については、義務教育段階の5年間と義務教育後の2年間、シック スフォーム(Sixth Form)に分けられる。現在、中等学校のほとんどは能力混合の 総合制中等学校(Comprehensive School)であるが、選抜制のグラマースクールや モダンスクールが残っている地域もある。公立・公営学校の他に、我が国でいう私 立学校である独立学校(Independent School)があるが、その形態は多様である。 プレ・プレパラトリースクール(~8歳)、プレパラトリースクール(8~11もし くは13歳)、パブリックスクール(11もしくは13~18歳)が代表的である。 義務教育後の中等教育については、大学など高等教育機関への進学を目指す者の ためのシックスフォーム課程(独立している場合はシックスフォーム・カレッジと いう)に進む場合の他、職業教育を提供する継続教育カレッジ、シックスフォーム と継続教育カレッジの双方の性格を備える機関としてのターシャリー・カレッジ (高等専門学校)や成人教育機関であるコミュニティー・カレッジ(成人教育学校) に進む場合がある。 シックスフォームに進学するためには、学外試験委員会による中等教育修了一般 資格試験:GCSE(General Certificate of Secondary Education)において一定の 成績を収めていることが要件とされるのが一般的である。継続教育カレッジに進学 する場合の資格要件はない。 中央の教育行政については2007年に、それまでの教育技能省から初等中等教育を 中心とする「子ども・学校・家庭省」と高等教育・研究開発・技能訓練を中心とす る「研究・大学・技能省」に再編された。義務教育段階の国の教育課程の基準(ナ ショナル・カリキュラム)はもともと1988年教育改革法により創設されたが、現行 では1966年教育法の定める目標を達成するために子ども・学校・家庭省により策定 されている。 ナショナル・カリキュラムは基本的に公立・公営学校を対象としている。現在は 12の必修科目(英語、数学、理科、歴史、地理、技術、情報、音楽、美術、体育、 外国語、公民)(初等学校は10教科)で構成されており、それぞれその教科につい ての習熟の程度を表す到達目標とそれに沿った指導内容を表す学習プログラムが示 されているが、学習プログラムは、具体的な教授方法などは示すことのない大綱的 なものである。また、各教科の配当時間も示していない。 -7- 教育課程については、国の基準をもとに、各学校の学校理事会(親代表、教職員 代表、地域代表、後援理事、校長で構成される)が編成する権限をもっている。 2008年からは、中等学校に導入された新しいナショナル・カリキュラムにより教 員が工夫できる自由はさらに拡大した。 ナショナル・カリキュラムは、下の表のように複数学年にまたがる4つのキース テージ(Key Stage)に段階分けされている。 キーステージ 学 KS4 年 年 齢 第10~11学年 14~16 KS3 第7~9学年 11~14 KS2 第3~6学年 7~11 第1~2学年 5~7 中等教育 初等教育 KS1 そのうち中核教科(英語、数学、理科)については各キーステージの最終学年に 全国テスト(SATあるいはナショナル・カリキュラムテストとよばれる)が実施さ れる。2009年度からは、14歳時の全国テスト実施は義務でなくなる。義務教育の最 終段階である16歳時には、ナショナル・カリキュラムの全国テストは行われず、中 等教育修了一般資格試験:GCSE(General Certificate of Secondary Education) や職業試験などの外部の試験団体による教科ごとの資格試験を受ける。したがって、 キーステージ4ではこれらの試験に対応した科目の学習が中心となる。イギリスで は各課程修了者に対して、修了証もしくは卒業証書を出すという制度はなく、中等 学校では、生徒はこのような試験を科目ごとに受験して資格(A'~G8段階の評定 評価)を取得するのである。 大学入学のためにはシックスフォーム在学時に受ける、一般教育資格上級レベル 試験:GCE・Aレベル(General Certificate of Education-Advance Level)試験で 各大学により定められた科目に合格することが要件となっている。シックスフォー ムでは、GCE・Aレベル試験に対応した科目の履修が中心となる。 イギリスの大学は、中世からの伝統を受け継ぐオックスフォード大学・ケンブリ ッジ大学をはじめ、現在では100校近い数が存在している。イングランドの大学で は、通常、学士の学位には3年、修士の学位には学士取得後1~2年、博士の学位 には同じく学士取得後3年が必要とされる場合が多い。 -8- (2)教員養成 イギリスの教員養成には、大学の教職課程以外に、次の3つのコースがある。 ① 大学を卒業した者が、1年のPGCE(Post Graduate Certification in Educatio n)と ② 呼ばれる教員養成コースをとる。 S.C.I.T.T.(スキット)プログラムといわれる、奨学金制コースを 取る。このスキット開催校は数が限られてくるが、開催校に応募し、試験を経て 合格すれば1年間のコースを受けられる。このコースは実習に基づくコースで、 学校で働きながら、レクチャーも受け、教員を目指す。 ③ G.T.P.(Graduate Training Program)に応募する。これは実際に学校で 働きながら教職免許を取るコースで、州によって年間受け入れる人数が決まって いる。筆記試験、面接などに合格すれば、このコースを受けることができる。受 け入れてくれる学校側の推薦が必要である。(応募の段階ですでにその学校で勤 務していることが望ましい) (3)学校経営 イギリスでは、日本と違い、学校経営者としての校長の役割が非常に大きなもの となっている。具体的には、児童生徒一人あたりの予算の配当を受け、その範囲内 で、教員の採用から校舎の修繕まで、すべて予算書を作成して実施していく。正規 の教員の採用人数、アシスタントの教員をどのくらい採用するか、一クラスの児童 生徒数を何人にするか、教育目標などは、すべて校長が立案し、学校理事会に提案 する。 イギリスの教育制度(諸外国の教育改革、2010:文科省より) -9- Ⅲ 1 調査研究を進めるにあたって 事前研修会のシニアアドバイザーの講義内容要約 (1)はじめに 本訪問団では、ヨーロッパの2ヶ国を訪問する。最初の訪問国であるフィンラン ドは、PISAにおいて好成績であり、教育方法にも定評がある。日本ではあまり紹介 されていないが、ICTも当然活用されている。次の訪問国である英国は、ICT活用に より教育方法の改善を試みてきた国であり、世界で最もICT活用が進んだ国として 定評がある。両国のICTの活用方法や役割を理解し、比較することで、日本におけ るICT活用を検討していきたい。この際に、配慮すべきは、日本の教育制度や教員 の学習指導は、長きにわたり改善が積み重ねられており、OECD等の調査からも、国 際的に高い評価を得ていることである。単純に、他国は優れていて、日本が劣って いるとは考えず、日本の長所をより活かし、弱点を把握していく冷静さが必要であ る。 (2)フィンランドの教育制度及び教育の情報化 「PISAからみるできる国・頑張る国2」(OECD)によれば、1970年までは社会階 級の違いで受けられる教育が異なるシステムであった。1970年代以降の改革で、全 国共通のカリキュラムなどが策定された。そして、2001年のPISA調査で国際的に注 目された。在学率、公平性、効率性、学業成績の公平・平等といったことが基盤と なっている。25歳から34歳の38%が高等教育の学位を取得しており、60%以上が高 等教育を受けている。ほぼ全ての子どもが任意の就学前教育を受け、90%以上が後 期中等教育を卒業するなど、充実した教育制度を持っている。 小学校は6年間であり、1学級15~30名の児童がいる。1/3以上が50人以下、4 %が500人以上児童数の学校となっており、学校の規模は小さい。初等教育への投 資は、適切な学習スキルが身に付くなど、全体として後の学年で報われることが明 らかであり、重視されている。中学校は3年間であり、留年はほとんどない。 世論調査によれば、教職は最も評価されている専門職である。給与は平均レベル であるが、給与よりも、社会的名声、学校での専門職としての自律性、社会や公共 の利益に尽くす教職の精神といったことにやりがいを感じている。終身雇用の教員 になるためには修士号が必要である。ヘルシンキ大学の教員養成学部では定員120 - 10 - 名に対して、2300名が応募するという人気ぶりである。教職は、他の高度な技能を 有する専門職と同じ扱いであり、保護者は教員を信頼している。 「教科書制度と教育事情」(国立教育政策研究所)によれば、教科書は、ナショ ナルカリキュラムに基づいて作成されている。教科書(書き込まない)、学習書(書 き込みができる)、CD-ROM版、教師用指導書、参考資料・統計、コンピュータ利用 手引き書などが用意されている。法的に利用義務はないが中核教材として、使用し ない教師はまずいないとされる。 フィンランドにおけるICT活用は、日本ではあまり紹介されていないが「フィン ランドにおけるICTの活用による生涯学習支援」(みずほ情報総研)において、学校 教育におけるICT活用の経緯が示されている。これによれば、1994年頃からICT活用 による学習に力を入れ始め、「どのようにICTを利用したら自分のためになる勉強を することができるか」をポイントとして始まり、1997年頃から「テクノロジーに堪 能な教員が中心となりICTを利用した授業を共同展開」、2000年頃から「学校全体に ICTを利用した授業を展開」、2004年頃に「ICTを活用した教育体制が確立」とされ ている。 「自宅、学校でコンピュータを利用していると回答した生徒の割合」(OECD PISA2009 Database)によれば、フィンランドは、自宅でコンピュータを活用して いる生徒の割合は、ほぼ100%(日本は約75%)、学校でコンピュータを活用してい る生徒の割合は約88%(同77%)である。日本と比較して、自宅でも学校でもコン ピュータがよく利用されている。 また、ICT活用に取り組んでいる学校の例として、「高い質を保証するフィンラン ドの教育システム」(松下慶太)において、Sampo Upper Secondary Schoolが紹介 されている。2007年のデータであるが、この学校は教育の情報化の拠点となる学校 であり、全ての普通教室にパソコン、プロジェクタ、OHP等が整備され、学校各所 にノートパソコンがあり、貸出も行われていること、学校内に無線LANが整備され ていること、e-Learningによって教室内の授業を外部へ積極的に発信していること、 教員向けICT活用能力養成コースがあることなどが示されている。 (3)英国の教育制度及び教育の情報化 英国の教育制度の特徴として、次のような点があげられる。 ① 1988年「ナショナルカリキュラム」の導入 - 11 - ② 全国学力テスト ・2、6、9年生の時に英語、数学、理科で行い、結果は公開される ③ 学校選択 ・定員はあるが、学校を選択できる ・保護者は、選択するために学力テストやOfstedの結果を見る ④ 学校運営 ・校長に人事権と予算権がある ・教員は新聞広告(TES)を見て応募する ⑤ 校長 ・理事会で選ばれる。同じくTESをみて応募する ・校長資格を取得する必要がある ⑥ 教員養成 ・半年以上の教育実習と長い ・一般の大学を出ても1年間の養成コースがある また、政権交代により、教育に関わる機関について、次のような変更があった。 ① 子ども学校教育省 → 教育省に変更 ② 資格カリキュラム開発機関(QCDA)廃止 ③ 英国教育工学通信協会(Becta)廃止 ④ 全国教員協議会(GTCE)廃止 ⑤ 教職員開発機関(TDA)廃止 ⑥ 青少年学習支援機関(YPLA)廃止 ⑦ 学校支援スタッフ協議団体 廃止 教育の情報化に中心的に関わっていたBectaが廃止され、同時に教育の情報化に 関する予算も大幅に削減された。これらにより、現状、英国の学校における情報化 は、国主導で情報化が行われるというより、熱心な地域を中心に進められているよ うな状態と考えられる。 教科指導における教員によるICT活用は、電子黒板と、デジタルコンテンツや実 物投影機を用いて教材等の拡大提示が行われている。ほぼ全ての教室に電子黒板が 常設されており、毎時間のように活用されるのが普通となって数年が経過している。 授業展開はある程度規格化されており、それに応じて、ICT機器が活用されている。 - 12 - 授業の前半では、動機づけや復習、新出事項の説明など、教員にとって見通しが持 ちやすいために、事前に用意されたデジタルコンテンツが拡大提示されることが多 い。提示するデジタルコンテンツは、ナショナルカリキュラムと連動してインター ネット上で無料で提供されているものが活用されることが多く、算数など一部の教 科では、商品のデジタルテキストが拡大提示されることもある。授業の中頃では、 個別学習が行われ、この間、教員によるICT活用はほとんどない。授業の最後には、 まとめが行われるが、ここでは実物投影機を用いて、ノートといった個別学習での 成果が拡大提示されることが多い。 いわゆる情報教育として、教科「ICT」が小学校からある。ワープロや表計算、 プレゼンソフトなどの習得、プログラミング等が行われる。ただし、政権交代の影 響で、現在、教科の廃止やカリキュラムの変更等が話題となっており、今後が注目 される。 校務情報化として、時間割といった教務処理、成績処理や学校評価等のためのシ ステムは、既に定着している。学校評価等ではExcelを活用することもあるが、教 務処理や成績処理等では専用のソフトウエアが活用されることが多い。英国の学校 では、既に当たり前のように日常的に活用されており、あまりに当たり前すぎるた めに、質問をしても、先方は聞かれている意味すらわからないこともある。こちら から質問したいポイントを、日本事情等の背景も含めて丁寧に尋ねる必要がある。 地方教育委員会(LA)やICTテクニシャンによる支援が充実している。学校はLA とサービス提供の契約を結び、対価を支払うといった形式が多い。LAはワンストッ プサービスで、学校の要望に応えるといった努力が行われている。学校は、LAでは なく、民間企業と契約することも可能であることから、LAは競うように様々なサー ビスを行っていることもある。また、中等学校では校内に数名のICTテクニシャン と呼ばれる技術支援員がいることが普通であり、教員自身がコンピュータやプリン タの設置や整備等をすることはない。小学校においても、数校に1名の割合で配置 されている。 (4)おわりに 電子黒板やパソコンといったICT活用を視察する際は、その画面に映っている内 容を確認することが重要である。電子黒板といった大型提示装置だけでは、学習指 導にならない。実物投影機で教科書を映したり、パソコンからデジタルコンテンツ - 13 - を映したりして、学習指導が行われている。児童生徒がパソコンを活用している場 合でも、プレゼンを作成するためにプレゼンソフトを活用しているのか、ドリル問 題を解いているのかでは意味が変わってくる。ICT機器だけではなく、そこで活用 されているコンテンツにも注意を払う必要がある。 2 日本国内における派遣テーマに関する課題 インターネットがグローバルな情報通信基盤となり、パソコンや携帯電話等も広く 普及したことによって、誰もが情報の受け手だけではなく、送り手としての役割も担 うようになった。このような経済・社会、生活・文化のあらゆる場面で情報化が進展 するユビキタス社会では、大量の情報の中から必要な情報を取捨選択したり、情報の 表現やコミュニケーションの効果的な手段として、情報通信技術を活用したりする能 力が求められている。さらに、それらの情報通信技術を効果的に活用して、多様な情 報を結び付けたり、情報を共有しながら協働的に作業したりすることで、新たな知識 や情報などの創造・発信や問題の解決につなげていくといった、情報社会の進展に主 体的に対応できる能力が求められている。 国のIT戦略も、「e-JAPAN政策」から「u-JAPAN政策」へと進展し、情報インフラの 整備から「ユビキタスネットワークの整備」「ICTの利活用」「利用環境の整備」へと その目標も移行してきた。このような社会状況の中、文部科学省の「初等中等教育に おける情報化に関する検討会報告書」において、教育の情報化における柱として「情 報活用能力の育成」「教科指導におけるICT機器の活用」「校務の情報化」の3つが示 され、平成22年10月に「教育の情報化に関する手引」が作成された。 情報活用能力では、「情報活用の実践力」「情報の科学的な理解」「情報社会に参画 する態度」の3つが挙げられ、情報活用能力の育成を通じて、子どもたちが生涯を通 して、社会の様々な変化に主体的に対応できるための基礎・基本の習得を目指してい る。そして、子どもたちの情報活用能力を育成するためには、学校教育におけるすべ ての教科・領域で情報教育を推進していく必要がある。 しかし、学校教育現場の現状は、十分な情報インフラの整備がなされていない自治 体もまだまだ多く見られる。さらに、急激な社会情勢の変化に学校現場が対応しきれ ず、ICTを活用できる教員の育成が追いつかない面も見られる。このような現状の中、 単に情報インフラの整備を待つのではなく、教員の情報活用能力の向上を図る研修を - 14 - 充実させたり、ICT機器の利活用方法をマニュアル化して誰もがICT機器を活用できる ようにしたりする等、今あるICT機器を有効活用し、教育の情報化を推進していく必 要がある。そのためにも、各国の情報教育や情報インフラの整備状況、ICT機器の利 活用状況等を参考にして日本の教育現場に応じた教育の情報化を考え、各学校の現状 に合わせた実践を推進していくことが求められている。 3 派遣テーマに対する訪問国の概要 (1)フィンランド ① 教育の平等と決定権 フィンランドの教育施策において中心基盤になるのは、年齢、居住地、経済状 況、性別、母国語などに関わらず、すべての国民に教育を受ける平等な機会を提 供していることである。就学前から後期中等教育まで、福祉サービス、給食、必 要な教材や教科書も無償を原則としている。 また、教育は非常にフレキシブルであり、外部からの学校監査というしくみは なく、教育委員会は間接的指導を行っているだけで、主に制度や核となる国のカ リキュラムを示すという位置づけである。つまり、カリキュラムの核は、国家教 育委員会によって作成され、ねらいや基準が定められているが、これに肉付けし て具体的な特色や教育の提供をするのが学校と自治体という仕組みになってい る。さらに、教員たちは、それぞれが自分の指導法をオリジナルに組み立てて授 業を作り、指導教材を選択して取り入れる自由度の高さがある。このように、教 育システムがフレキシブルに現場主義になってきた背景には、中央集権から地方 に権限を委譲してきたことが要因としてあげられる。 ② 統一された学年度と全国統一の大学入学資格試験 学校の一年は8月中旬から6月の初めまでの190日間であり、学校は週5日、 一週間の授業時数はおよそ19~30時間となっている。 また、高等学校の終わりには、全国統一の大学入学資格試験があり、必須の4 科目、二つの公用語(フィンランド語とスウェーデン語)等の科目の試験を受け る。 ③ ICT整備の状況 フィンランドでは、パソコン一台あたりの生徒数はヨーロッパでの平均並であ - 15 - る。 (1~6年生では、一台あたり6名、7~9年生では、一台あたり5名)最近 はタブレットパソコンの導入が進んでいるが、その活用法等については、現在い くつかのパイロット校を指定し、研究を進めており、成果の上がったものについ ては、他の学校への普及を図っているが、なかなか広がっていないのが実情であ る。 (2)イギリス ① 教育課程のなかの情報教育の位置づけ イギリスにおいては、1970年代半ば以降の教育改革の中で、国際的学力水準の 維持・向上を目指して、教育の情報化が進められた。また、1988年には、教育改 革法が施行され、全国共通のNC(ナショナル・カリキュラム)が作成されたり、 全国学力テスト(2・6・9年次に英語・数学・理科を実施、結果は公開が原則) が実施されたりするなか、すべての義務教育学校にインターネット環境のインフ ラが整った。さらに、1997年から国際的にリードする教育水準を目指して、教育 の情報化が推し進められ、2003年頃には義務教育学校の全教室に電子黒板が完備 された。 近年、政権交代がなされたことで、情報教育においては公的機関であったイギ リス教育工学通信協会(Becta)が廃止されたことが大きい。イギリス教育工学 通信協会の廃止に伴い、教育コンテンツや校務支援、ICT関連機器等に関する資 料や情報の提供、教育実践や研究内容の普及に努めているのが、国立コンピュー タ教育指導者協会(NAACE)である。ICT活用能力の向上を図りながら、学校教育 の支援を行う取組の一環として学校に付与されるアワード(ICTマーク)認定に 関わる役割をBectaより引き継いで担っている。 ② ICT整備の状況 近年、国策としての教育の情報化推進は、達成されたという考えから、教育に 関する予算のなかの、ICT活用のための予算及び校務の情報化のための予算の削 減がされてきている。しかしながら、先進的な地域においては、支援員の配置に より、適切な管理・支援を受けながら、ネットブック、タブレットパソコン、DS、 PSPなどの小型携帯情報端末を使用した教育方法の改善や開発・実践がされてい る。また、支援員の派遣だけではなく、教員の資質の向上を目指して、教員向け 研修コースや開発トレーニングについても継続して取り組んでいる。 - 16 - 4 調査・研究テーマの設定理由とその背景 日本社会における情報化は、超高速インターネット回線やWi-Fi等の無線スポット、 情報通信端末の普及拡大により、急速に進展してきている。そのような状況の中、教 育にも速やかに情報化を推し進め、教育の質を向上させることが求められている。そ のため、我が国でも、「教育の情報化ビジョン(2010~11)」、「フューチャースクール 推進事業(2010~)」、 「学びのイノベーション事業(2011~) 」、新学習指導要領に対 応した「教育の情報化に関する手引き(2009)」など、様々な政策提言がなされてい る。つまり、情報化社会にいち早く対応し、教育の情報化を進め、教育の質を高める ことが、教育現場においても急務であると言える。 そこで、 「学校教育の情報化・ICTの活用」というテーマの下、 「効果的なICT活用」、 「情報活用能力の育成」、「校務の情報化」、「教育の情報化の支援体制」の4つの視点 を柱として、教育の情報化において先進的な実践が定着しているフィンランドとイギ リスについての調査・研究を行う。フィンランドでは、TOP-Keskus(トップセンター) やフィンランド国家教育委員会、イギリスでは、NAACEやハバリング地区教育委員会 などの教育関係機関を、また、英国日本協会などの団体、そして両国の様々な学校を 訪問し、各機関での教育の情報化に関する取組や、各学校における授業や児童生徒の 活動を視察するとともに、情報収集、教職員との意見交換をすることで、そこから得 られる知見の活用を考える。 フィンランドは、PISA型学力の調査において、毎回ほとんどトップの成績を上げて いることは周知の事実であり、教育制度が高い評価を受けている。また、イギリスは 先進的にICTを教育に取り入れ、国家をあげてのICT政策にも定評がある。教育制度や 教育行政、学校運営のシステムは、フィンランド、イギリス共に日本のそれとは異な るが、両国の取組の変遷や実態を調査し考察することで、今後の学校教育の情報化が どのようになされるべきか、大きな示唆を得ることができると考える。 H-1団各班の研究テーマを踏まえながら、日本とフィンランド、イギリスの現状 の違いをしっかりと理解した上で、その中から日本の教育現場に取り入れ、活用でき るものにはどのようなものがあるのかを探りたい。実際に、視察したり質疑応答をし たりして見聞を深めていく中で、現地を訪れたからこそ得られる情報を日本に持ち帰 り、研修成果を学校や地域で報告するとともに、自らが率先して実践活用していくこ とが今回の訪問のねらいである。 - 17 - Ⅳ 1 調査結果 訪問先の概要 (1)フィンランドの訪問先概要 ① ヴァハ ア 児童数 イ 特色 ヘイッキラ学校(Vaha - Heikkilan Koulu) 400名 ・語学学習に熱心に取り組んでいる。 ・トゥルクにおけるICT先進校であり、教室にはプ ロジェクタとスクリーンが常設されている。 ② 施設外観 カーリナ高校(Kaarinan Lukio) ア 生徒数 415名 イ 学校の特色 ・1975年創立。16歳~19歳の生徒が在籍している。 ・音楽・芸術コースがある。高校2年生で社交ダ ンスコースを学ぶことができる。 ・2年間で教室以外で学習するような共通施設を 6カ所も設けるなど、生徒が学習しやすい環境 施設外観 づくりに力を入れている。 ③ ピーッキオ総合学校(Pikkio Comprehensive School) ア 児童生徒数 イ 特色 7~16歳 約700名 ・将来の学習環境の進化を探る実験校としての役 割があり、学校の情報化の在り方を研究する役 割も担っている。 ・個人的な学習支援の充実を図っている。 - 18 - 施設外観 ④ コティマキ総合学校(Kotimaki Comprehensive School) ア 在籍学年 イ 特色 1学年から9学年まで ・2005年に開校した新しい学校で、全ての教室にプ ロジェクタ、パソコン、オーディオ機器が整備さ れている。 ・地域に開放する施設があり、開かれた学校作りに 施設外観 取り組む。 ⑤ シルタマキ総合学校(Siltamaki Comprehensive School) ア 児童数 約240名 イ 学校の特色 ・7歳から11歳の生徒が在籍する学校である。 ・全教室に電子黒板が整備されている。 ・プロジェクト学習を推進し、ミュージカル「Magic 施設外観 Forest(魔法の森)」をとおして、様々な教科の学習や活動を行っている。 ・ストレスフリー教室と称した、音響や照明などの学習環境を整えたパソコン 教室を整備している。 ・ヨーロッパ連合のパイロット校として3D教材の実践検証を行っている。 ⑥ ルースブオリ中学校(Ruusuvuoren Koulu) ア 児童生徒数 イ 学校の特色 372名 (中学校 6~9学年) ・フィンランドでは小中一貫校が多くなっているが、 本校は中学校である。 ・授業は週に26時間行っている。数学、国語は4時 施設外観 間必須である。コンピュータの操作を学ぶ授業もあるが、選択で生徒の3分 の1が受講している。コンピュータの使用については他の教科の中で包括し て行っている。スマートボードはすべての教室にあるわけではない。コンピ ュータルームは予約制で週に3回、30分ずつ使うことができる。 - 19 - ・美術室、体育館等どの教室にもプロジェクタが常設されており、すぐに利用 できるようになっている。 ⑦ トップセンター(TOP-Keskus) ア 施設の特色 トゥルク市傘下の組織であり、ICTに関する教員研 修に特化した施設である。1987年設立。幼稚園から高 校までトゥルク市内の教職員のICT活用を支援してい 施設外観 る。スタッフは7名であり、元校長など教育関係者は 2名、その他はデジタル関係の文化・物理学・教育学・経済学を学んで入所し たなど経歴は様々である。 ⑧ フィンランド国家教育委員会 (Opetushallitus-Finnish National Board of Education) ア 教育行財政制度 教育委員会が教育制度全般に責任を担っている。また、教育と学術研究のほ か、芸術や文化的な分野まで幅広く所管しており、教育費については、初等教 育から高等教育まで原則的に無償となっている。 (2)イギリスの訪問先概要 ① エルサム小学校(Eltham Church of England Primary School) ア 児童数 315名 イ 学校の特色 ・英国国教会(Church of England)学校として設立 され、その後、公費助成を受けて公立校となって 施設外観 いる。 ・キーステージ1(5~7歳)、キーステージ2(7~12歳)で構成され、レ セプションクラスごとに校舎が分かれている。また、全ての教室に電子黒板 が設置されている。(10年間で導入) - 20 - ② スカーギル小学校(Scargill Junior School) ア 児童数 290名 イ 学校の特色 ・7才から11才までの児童がおり、全校で10学級ある。 ・ロンドン東部のハバリング地区にあり、ICTマーク、 施設外観 ICTインパクト、ヘルシースクール等を受賞している。 ・ICT教科主任やICT専門のティーチングアシスタントが在籍し、ICTを活用し た学習支援に力を入れている。 ③ ブリトンズアカデミー中学校(THE BRITTONS ACADEMY) ア 児童生徒数 イ 学校の特色 約1,000人 ・11歳から16歳の生徒が在籍する学校であり、各学 年6学級から8学級である。 ・アカデミーの称号を受けて1年、公立校で自主運 施設外観 営の認められた学校である。 ・およそ70人の教員が勤務している。教員として採用されるためには、ICTに 関する研修を受けなければならない。他にも特別支援担当者や理科技士、セ ラピストなど、支援員として約100名が勤務している。 ・ICTサポーターは、シニアテクニシャンであるパソコン等のハードウェア面 を担当する者が1名、音楽機器等を担当する者が1名、音響・照明等を担当 する者が1名、合計3名おり、それぞれが分担して仕事を行っている。 ・校内に110台の監視カメラを設置し、セキュリティ対策を行っている。 ④ 国立コンピュータ教育指導者協会(NAACE) (National Assoc. of Advisors for Computers in Education) ア ⑤ 講演者 ジャン・ウェッブ氏 英国日本協会(Japan Society of the UK) ア 講演者 ヘイリー・ポッター氏 - 21 - ⑥ ハバリング地区教育委員会 (THE HARVERING LEARNING AND DEVELOPMENT CENTRE) ア 施設の特色 総合研究センター内にあり、教員研修や自治体の 職員研修等が行われている。センターには、企業の 施設外観 研究部門も入っている。 ハバリング地区には、小学校59校(5~11歳、幼稚園併設校もある)、中学 校18校(11~16歳、11~18歳の学校もある)、特別支援学校3校、通常の学校 での教育が困難な子ども対象の教育機関が4校あり、児童生徒が約3万人いる。 ⑦ ハバリング地区ICTリーダー会議 ア 会議の概要 (ア)目的 ハバリング地区内の小学校、中学校、特別支援学校のICTリーダーが集ま り、情報交換や研究協議等を行い、教育のICT化の推進を図る。 (イ)主催(Hsis) Havering School Improvement Services (ウ)実施場所 CEME(総合研究センター) (エ)参加者 ハバリング地区内の小学校、中学校、特別支援 学校のICTリーダー (オ)内容 ・ICTを使った教育実践報告 ・日本における教育の情報化の現状と課題 ・企業からの商品等の紹介 ・各種研修等の案内 - 22 - 会議の様子 2 効果的なICTの活用について (1)教員による効果的なICT活用 ① フィンランド ほぼ全ての教室に、プロジェクタ、スクリーン、パソコン、実物投影機が常設 されている。 ヴァハ ヘイッキラ学校では、実物投影機で児童のノートをスクリーンに映し 出して一斉授業が進められていた。まず、宿題 の答えを確認するために、児童のノートを実物 投影機に映し出し、全体で確認を行っていた。 その後、教員が教科書を映し、ポインターで指 しながら解説を行った。また、教員が実際にノ ートに記入しているところを映すことにより、 学習プロセスを示していた。このように実物投 実際に書くところを提示 影機を使って児童や教員の記述を提示することにより、全体への学習の共有化が 図られていた。しっかりと学習内容を習得させ るためにICTを日常的に使っている様子であっ た。 イマージョン教育(第二言語による学習)の 授業でも映像を見たり、ビデオ内容の確認をし たりする際にプロジェクタやパソコンを活用し ていた。また、Skype等を使って、遠隔授業が盛 イマージョン学習 んに行われている。たとえば、警察官など外部 のゲストティーチャーと実際にやりとりをしな がらの授業を複数の学校で同時に受けることが できたり、履修希望者の少ない授業を共同で行 っていたりする。さらに、病気の子どもが自宅 や病院で教室と同じ授業を受けることもでき 遠隔授業の様子 る。 - 23 - ピーッキオ総合学校では、電子黒板が設置さ れている教室で、テキストが映され答え合わせ が行われていた。 パイロットスクールであるシルタマキ総合学 校では、人体の3D教材についての説明も受け た。3D教材を使うことで理解が深まり、児童 は立体的に人体の内部の様子を図に描けるよう 電子黒板の活用 になったと説明があった。 ルースブオリ学校(中学校)では、Fronterというソフトを用いた授業が行わ れていた。このソフトで宿題も出すことができる。問題は既成のものがあるが、 教員が手を加えることも可能であり、生徒は家庭でもオンライン上で問題を解い てそのまま提出できる。 ② イギリス イギリスでは、個に応じた学習課題を追究した授業が行われている。電子黒板 の活用はもとより、小グループを編成し、それぞれの課題追究のために、諸種の 端末機(ノートパソコン、iPad、PSP、任天堂DS、Bee-Botなど)を活用させてい た。 エルサム小学校では、教員が電子黒板に 手書きをしながら授業を進めたり、事前に 作成した画面を電子黒板に提示しながら授 業を進めたりしていた。 授業の基本的な流れは、最初に一斉指導 をし、その後グループ別の学習(児童の実 態に応じた課題)を行い、最後に一斉指導 電子黒板の活用 に戻ってまとめる、という形態で進められている。授業導入や終末で、教材を提 示する際に電子黒板を利用し、グループ学習の場面で端末機器を利用していた。 ブリトンズアカデミー中学校では、全教室にブロードバンド回線、電子黒板、 プロジェクタ、教員用パソコンが設置してあり、いつでもICTが活用できる体制 が整っていた。 - 24 - (2)児童・生徒による効果的なICT活用(習得学習において) ① フィンランド シルタマキ総合学校では、照明や音響効果によ るストレスフリー教室が設けられていた。BGMが流 れるその教室で、児童が電子黒板を操作する授業 が行われていた。教材は、渡り鳥の学習から始ま った。まず、美術の授業で、児童が実際に描いた 足し算の立式 絵に鳥を加えた。その画像を使って、算数の授業が行われた。次に、画像を動か しながら、ショートムービーの物語を作成した。また、同じ画像を用いて、季節 の変化や自然観察の授業が行われた。 ② イギリス 多くの小学校で、ゲーム型のコンテンツを授業で 使っており、児童は楽しみながらスキル学習をして いた。 スカーギル小学校では、算数の授業で小グループ に分かれ、別々のデバイスで学習をしていた。それ ぞれの課題に沿って電子黒板やiPad、DS等を使い、 計算の練習を行っていた。プログラムによって動く iPadを使った計算練習 学習用ロボットBee-Botは、多くの学校で使われている機器である。 また、国語の授業では、DSを使いスペリングの学習をしていた。クラス全員が DSの通信機能でつながっていて、チェックしあっていた。 Bee-Botを使って iPad版のBee-Bot - 25 - かけ算の練習 3 情報活用能力の育成 (1)教育課程における情報教育の位置づけ ① フィンランド ヴァハ ヘイッキラ学校(小学校)では、コンピュータの操作に関する授業は 週1時間、1年生から行われる。5・6年生は自由選択で、さらに週1時間増や すことが可能である。選択授業に参加した児童は、教員の助手をしながら、コン ピュータの操作・特性などについてさらに学ぶことができるようになっていた。 コンピュータの操作に関する授業のカリキュラムは学校独自で作成されていて、 評価は行われていない。コティマキ総合学校では、情報教育について、低学年で はカリキュラムには位置付けされていない。しかし、必要に応じて教科の中で弾 力的に扱われている。7年生になると情報教育が必修となり、半年間、週2時間 行われる。その後は選択科目として履修可能である。シルタマキ総合学校では、 ミュージカルを中心にクロスカリキュラム的な 学習内容が組み立てられ、その中でICTを使っ た学習が行われていた。児童は過年度の作品等 を見て、まねをしながら更に良い作品をつくり あげることが、さらに次年度に続くといった、 良い循環が成立していた。また、児童の思いや 願いを実現させるために、機器の操作やソフト ミュージカルの授業風景 の操作への個別対応をするために大学生などの補助員を活用していた。トゥルク 市のトップセンター(研修センター)では、国から援助を受け、主に幼稚園の教 員を対象にパソコンの使い方を教えるなど、幼稚園に対する情報教育を推進して いる。 ② イギリス エルサム小学校では、創造的な活動のツールとしてICT機器を活用し、子ども たちがデジタルを使った創造物をつくりあげていくことで、情報活用能力も自然 に育てられるというビジョンのもとに、プロジェクトを設定しカリキュラムが作 成されていた。ブリトンズアカデミー中学校では、教科としてのICTの授業は、 中学1・2年生では週2時間、その後は選択科目として週3時間のカリキュラム となっている。ハバリング地区教育委員会の説明では、小学校対象に「Switched - 26 - On ICT」を提供している。教材はパッケージになっており、各教科の中で活用す ることができるようになっている。また、編集が可能なTaskカード(ワークシー ト)がついており、自己評価や他者評価ができる仕組みがある。この教材を利用 することで、児童生徒の情報活用能力が高まることが期待できるとの説明があっ た。 (2)活用されている情報機器 ① フィンランド ピーッキオ総合学校では、各教室にプロジェ クタとスクリーンまたは電子黒板が設置されて いた。さらに、新しくデザインされた教室の机 では、ワイヤレスで充電できタブレットパソコ ンなどを自由に活用できるように工夫されてい 机のワイヤレス充電器とタブレ ット た。 ② イギリス スカーギル小学校では、算数の授業で、小グループに分かれ、別々のデバイス で学習していた。電子黒板やiPadを使い、数字を選んで合計をあわせる足し算の 学習を行っていた。国語の授業では、物語の映像を見た後に、続きの話を小グル ープごとにロールプレーして、その様子をグループごとに配ってあるUSBビデオ で撮影していた。また別のクラスでは、DSを使いスペリングの学習をしていた。 クラス全員がDSの通信機能でつながっていて、チェックしあっていた。理科の授 業では光の屈折を専用のソフトを使って学習していた。体育の授業ではPSPにカ メラを付けたものを各グループに配付し、マット運動の様子を撮影し、お互いの 前転の動きの修正を行っていた。 - 27 - (3)授業の実際 ① フィンランド コティマキ総合学校では、6・7年合同の英 語の授業において、インターネットを利用して 各国について調べ、それを翻訳ソフトを使いな がら一人一人が英語でレポートにまとめていた。 ルースブオリ中学校では、化学の授業では、一 人一人の生徒の多様な課題に対し、Fronterとい 6、7年生の英語 うソフトを用いて取り組んでいた。また、6年 生のスペイン語の授業では、研修旅行で訪れる スペインの文化・気候・生活などについてイン ターネットを活用し調べていた。表現力の育成 を図るため、パワーポイントを使用し調べた内 容をまとめ、他の生徒に発信する活動も行われ プレゼンテーションの授業 ていた。 ② イギリス エルサム小学校では、キーステージ2(7か ら12歳)の国語(英語)の授業において、教員 による読み聞かせが行われていた。児童の一人 が教員用机のパソコンを操作し、取り込んでい る画面を電子黒板で表示していた。キーステー 国語(英語)の授業 ジ1(5から7歳)の国語(英語)の授業では、グループ別に活動しており、パ ソコンを使って個別学習をしているグループ、 図書を使っているリーディングをしているグル ープ、ノートを使ってライティングをしている グループがそれぞれの場所で活動していた。ス プログラミング学習用ロボット - 28 - カーギル小学校では、基礎的なプログラミング技術習得のために、学習用ロボッ トBee-Botを用いて授業を行っていた。このBeeBotはイギリスでよく活用されている機器であ り、児童が自ら作成した目的地に向かうプログ ラムをBee-Botの動きで確認していた。ブリトン ズアカデミー中学校では、音楽室において、プ ロロジックというソフトを使って録音作業を行 っていた。イギリスでは作曲が人気で、多くの CAD/CAMの実習画面 生徒が自宅のパソコンを使ってネット配信しているとのことである。また、技術 の授業では、CAD/CAMを活用した製作実習が行われており、実社会と結びついた ICT教育が行われていた。ハバリング地区教育委員会の説明では、実践例として、 6年生がウェブサイトを作りながら、アニメーション作成ソフト(We are animater)を使ってビデオや音楽の編集を行い、実際に情報発信をした取組や5 年生の国語で広告作成ソフト(We are adviser)を使って、広告を作成した例な どが報告された。 4 校務の情報化について (1)フィンランドの校務情報化の状況 ① 小学校 事前にプリントアウトされた名簿に出席や忘れ物の状況等をチェックし、それ をインターネット上にアップしている。そのため担任やその他の教科担当者およ び保護者が、児童の学習状況を掌握しやすくなっている。校務システムは市販品 を市が買い取りを行い、市内のすべての学校に配布している。フィンランドの85 %の学校で成績処理等も含めてこのシステムを取り入れている。使っているソフ トはスターソフト(Wilma社製)(図1)であった。 ② 中学校 校務用ソフトではFronter(図2)がe-learing用に活用されている。英語の教 材として、また宿題に使われていた。課題に対して生徒が書き込み、教員が評価 して戻していた。そのため、能力にあわせて子どもに課題を与えることができる。 自分の課題や今までの学習の過程をデータベース化することができるので、どの - 29 - ように勉強してきたのか確認することができる。ネットワーク上でテストを行い、 生徒が入力した解答を、教員がチェックをして、生徒に戻していた。教員が練習 問題を作成することも可能であり、点数に応じた評価をし、その評価を生徒に示 すことができる。Wilmaは教員と保護者の直接の連絡だけでなく、学習の状況(成 績、出欠、忘れ物等)をネット上でみることができる。また、欠席した生徒は、 どのような授業をしたのかアクセスするとわかるようになっている。 図1 Wilma のトップページ 図2 Fronterのトップページ 教員同士のメッセージの交換ツールとして使われたり、保護者に対し学校の様 子についてコメントをつけて伝えたりすることも可能である。 ③ フィンランド全体の状況 フィンランド国家教育委員会によれば、学校では、出席管理や評価が電子化さ れている。現在は情報管理などは学校ごとにまかされているが、情報開示のレベ ルを全国で統一していく方向で考えている。 (2) イギリスの校務情報化の状況 ① 小学校 児童に関する個人情報の管理や、出席および宿題の管理等はSIMSを使っている。 情報モラルに関するページも備えている。Fronterを使用し、保護者は学校での 活動(行事やクラブの紹介等)を逐次把握できるようになっている。保護者全員 にユーザーIDとパスワードを割り振り、ホームページをとおして、情報の受信と 発信を安全に自由にやりとり(学習内容や成績等)ができるようになっている。 ただし、家庭状況(パソコンやプリンターがない)により、文書(紙)での情報 の提供も行っている。 ② 中学校 SIMSで、校務処理、成績処理、評価について、保護者との情報共有を行ってい る。特に評価については、情報をまとめ、発信を専門に行うアセスメントマネー - 30 - ジャーがいる。保護者にも学校のパソコンを貸し出し、すべての家庭でパソコン を使えるようにして、学校との連携を図っている。校長は生徒の様子および学習 状況を見ることができる。特別支援の生徒、優秀な生徒、福祉のサービスを受け ている生徒などの様子を特に注視している。 ③ イギリス全体の状況 国立コンピュータ教育指導者協会によれば、eメールを使って学校によっては 成績をすべて電子版で送っているところもある。迅速に保護者に情報を発信する ことができるため、携帯のテキストメッセージも多く活用されている。成績、出 欠、保護者宛の連絡については文書(紙)で出すところと電子化されているとこ ろと両方がある。SIMSというソフトを使い、うまく機能している。 5 教育の情報化の支援体制 (1)フィンランドにおける教育の情報化の支援体制 ① 研修について トゥルク市のトップセンター(TOP-Keskus)では、幼稚園から高等学校まで トゥルク市内の教員のICT活用を支援している。ここでは、主に教員研修 (Teacher Training)、能力開発(Development)、オンラインサポート(Online Service)の事業を展開している。 教員研修は、参加者の要望に合わせて実施しており、教員は職務として研修に 参加している。研修予算は国と市が負担し、企業と も提携しているため、多くの場合参加費用は無料で ある。研修内容は機器操作に関することが主で、基 礎から応用までワークショップにより実施している 場合が多い。また、個人的に研修を受けたり、相談 研修の様子 したりすることも可能である。 能力開発は、国から援助を受けている事業であり、具体的な手法として主に遠 隔授業を通じて行われる。遠隔授業の計画は、学校間で行い、子どもたちの要望 を取り入れて実施する場合もある。また、専門家を呼んで、授業を担当していた だくこともある。遠隔授業の実施にあたっては、センターの指導員の支援を受け ることができる。 - 31 - オンラインサポートでは、教員が情報を得たり、発信したりすることのできる サイトを運営している。また、著作権を気にすることなく、テレビ番組を学校で 利用することができるようになっていたり、教科書会社が作成したコンテンツを 学校予算で購入したりすることも可能である。さらに教員向けには、電子メール、 ブログ、ホームページ作成環境が提供されている。 カーリナ市では、年間30時間(1回あたり3時間程度)の研修を学校で行って おり、新しいICT機器が導入されてもそれぞれの教員が対応できるようにしてい る。 ② ICT支援員について 国家教育委員会ICT教育担当者の話によると、大きな自治体では、既にICT支援 員を配置しているところもあるが、小さな自治体では、財政上の理由から、配置 することが困難な状況にあり、ICTに詳しい教員がいない可能性が高く、パソコ ンの修理も教員自らが行っているところもある。 ③ その他 国家教育委員会ICT教育担当者の話によると、フィンランドでは、いくつかの パイロット校を指定し、ICT活用による教育の情報化についての研究を進めてお り、成果の上がったものについては、他の学校への普及を図っている。 これらの予算については、昨年(2011年度)は高等学校へ、今年(2012年度) は小中学校へ予算措置をした。なお、高等学校を先行させたのは、5~6年先に 大学受験資格のための試験をインターネット上で実施することを予定しているか らである。 (2)イギリスにおける教育の情報化の支援体制 ① 研修について ICT教育が盛んなハバリング地区教育委員会が実 施する研修では、小グループで20分程度のプレゼン テーションを行い、アイディアを出し合う研修や、 テレビ会議によるオンラインでのネットワークミー 会議の様子 ティングを取り入れている。 国立コンピュータ教育指導者協会(NAACE)によると、教員の力量を高めるた めに、継続した研修を教育委員会が提供している。また、教員同士が実際に会っ - 32 - て、短い時間でプレゼンテーションする(Teach Meet)ことでアイデアを共有す るなどしている。さらに、教員向けの無料の講習会の拡大と併せて有料講習の充 実も図っている。 ② ICT支援員について エルサム小学校のICT支援員は、ティーチングアシスタントとして、授業の支 援の他にコンテンツ作成の補助なども行っている。このような制度を活用するこ とで、ICTの活用に自信がない教員にも直接支援を行っている。 スカーギル小学校には、ICT教科主任やICT専門のティーチングアシスタントが おり、ICTを活用した学習支援に力を入れていた。ICT専門のティーチングアシス タントの主な業務は、授業でのICT機器活用の支援や休み時間に児童がICT機器を 使えるようにするための準備、学校のホームページの管理や校務処理を行うこと である。また、メンテナンスや校務処理システムの管理も専門の会社に任せてお り、教員の負担は少ない。 ブリトンズアカデミー中学校では、およそ70人の教員が勤務しているが、教員 として採用されるためには、ICTに関する研修を受けなければならない。他にも 特別支援担当者や理科技士、セラピストなど、支援員として約100名が勤務して いる。中でも、ICT支援員は、シニアテクニシャンとして、パソコン等のハード ウェア面を担当する者が1名、音楽機器等を担当する者が1名、音響・照明等を 担当する者が1名、合計3名おり、それぞれが分担して業務を行っている。 NAACEのICT教育の支援とは、あくまでも授業への支援を行うことが主であるが、 近年では多くの民間企業の協力により、技術面の支援も実施している。 ③ その他 学校のICT活用の評価の一つとして、NAACEが認証しているICTマークの取得が ある。①リーダーシップ②マネージメント③その学校におけるICTカリキュラム 開発の方法④校内の教員トレーニング⑤教材等リソースの管理、の5項目につい て、アセッサーという評価委員が評価し、合格すればICTマークを取得すること ができる。このことにより、英国における学校のICT活用の推進を図っている。 - 33 - Ⅴ 1 全体の考察とまとめ 効果的なICT活用 フィンランドにおいては、各教室にプロジェクタ・スクリーン・パソコン・実物投 影機が設置されており、日常の授業に活用されている。OHPが設置されている教室も あり、以前から映像をICT機器を通して投影してきた足跡が伺われた。テキストやノ ートなど児童・生徒と同じものを提示することにより学習活動が身近なものに感じら れるとともに、取り組むべき活動に具体性をもたせることができる。また、インター ネットを通して、教育用コンテンツを自治体のICTセンターが収集・管理し、多くの 教員が活用できるよう整備されていたり、学校間での遠隔授業や欠席者への授業提供 を行ったりするなど先進的な取組もみられた。このような取組を行うためには、現在 設置されている機器の目的や効果を考え、ICTを最大限に活用した授業の工夫と、学 校や教員・関係機関とのネットワークの構築が今後一層必要であると思われる。また、 各教員が数多くの機器やソフトを活用できるための研修やICT機器の授業での活用実 績の集積を行う必要があるだろう。 イギリスにおいては、学校による違いはあるが、電子黒板・iPad・DS・PSP・Bee— Bot等の数多くのICT機器が実際に活用されていた。また、中学校より必須教科として ICTがある。そのため教員のICT活用能力が高い。また、Fronter(ソフト名)を活用し、 Web上から課題(宿題)をだしたりする等、学校だけでなく時と場が制限されずに学習 できるシステムが整えられている。このようにICT活用により、子どもは学習に興味・ 関心を高め、継続してスキル学習にも取り組むことができている。ICTを活用し、子 どもが楽しみながら進んで学習できる授業や学習法を研究しなければならないと考え る。 2 情報活用能力の育成 フィンランドでは幾分日本に似た状況であり、情報教育については初等教育段階に おいて柔軟に各教科の中で取り入れられている。中等教育段階から情報教育が必修に なり、インターネットでの検索やプレゼンテーションの作成等の授業が行われていた。 ICT機器の導入は地域、学校により温度差があって、電子黒板の導入は進んでいると ころとそうでないところがあるという説明があった。しかし、コンピュータ室はなく - 34 - していく方向であり、各教室で個々に情報端末を持たせ、無線LANを用いて授業をし ていく予定であるという説明もあり、これから急速に学びの道具としての活用が進ん でいくと思われる。また、高等学校で年に3回行われる高校卒業認定試験でもインタ ーネットが使用される予定であり、生徒のコンピュータリテラシー習得の動機はます ます高まっていくと考えられる。 次に、イギリスでは、コンピュータの使用については中学校から週に1時間必修で リテラシーの学習をしており、道具として特に意識せずとも使用できるようになって いる。我々の訪問した学校では、普通教室には電子黒板が常設してあり、普段から、 授業において生徒は慣れ親しんでいる。また、コンピュータ室は必ずあり、特に中学 校では5教室ものコンピュータ室を設置している学校もあった。生徒は日常的にコン ピュータに触れ、インターネットやワープロをはじめとしたコンピュータソフトを使 用している。また、小学校ではタブレットやDS、PSPなどを小グループで使用してお り、機器を道具として日常的に使用していることがわかった。イギリスでは政権交代 により、Bectaが廃止されるなど、教育の情報化の停滞が懸念されているが、現状で も日本の数歩先を行っている。日本でもまず、学習環境における「数」をそろえて、 生徒が日常的に使える機会を増やすべきであると考える。 以上より言えることは、フィンランド、イギリス両国では、国民のほとんどがコン ピュータを使えるようになって義務教育を終了するということであり、我が国におい ても学習指導要領に示されているように義務教育におけるコンピュータリテラシーの 習得は必須であると考えられる。 3 校務の情報化について 両国では、Wilma、Fronter、SIMSなどの校務システムが整備され、校務や学習支援 がICT化し、当たり前のように活用されていた。 校務システムを活用することで教職員の校務に対する負担も減り、保護者も我が子 の学校での様子を把握しやすくなっていると考える。 日本では、成績処理などは学校独自のものや市として統一されたものが使われてい る。また、学校ホームページにアクセスし、文書をダウンロードしたり、閲覧した感 想をメールで送ったりすることが行われている。今後は、さらにそれらの現状のシス テムを発展させて、両国のような双方向性の機能をもつ、一貫した校務支援のシステ - 35 - ムになるように改善することが望まれる。 このようなシステムを取り入れていくのであれば、保護者への通知、情報セキュリ ティーの徹底などの条件整備とともに、教員個々のICT活用能力を高める努力が必要 となってくる。それらを運営していくために両国のように支援員の配置も欠かせなく なると思われる。 4 教育の情報化の支援体制 フィンランドでは、地方分権が進んでおり、各自治体の教育委員会や各学校に教育 の内容や方法などの権限が委ねられている。従って、ICT教育についても、予算を含 め、活用の方法なども教育委員会や学校が独自に決めることができる。 しかし、自治体の規模による格差が生じており、特にICT教育の支援体制について は、その差が大きいようである。比較的大きな自治体では、学校にICT支援員が配置 されているところもあり、校内でICT支援を受けられるようになっている。しかし、 小さな自治体では、パソコンの修理を教員自らが行っている学校もあり、ICT機器の 整備も十分とは言えない状況のようである。 このような状況は、日本においても当てはまると思われる。特に、小中学校では、 それぞれの市町村の財政状況や教育委員会の考え方によって、教育の情報化への取組 状況に差が生じていると思われる。 イギリスでは、ICT支援員の配置を積極的に行っている。フィンランド同様、ICT教 育に関する予算措置等は、各自治体の教育委員会や各学校に委ねられているが、根底 には、国として授業へのICT支援を積極的に行っていこうという姿勢があるようだ。 視察した学校の中には、3名のICT支援員を配置しているところもあり、それぞれの 役割を明確にし、ハードウェア、ソフトウェアの両面からの支援を行っていた。この ことにより、生徒及び教員は、安心してICTを活用した授業に臨むことができるよう である。 このように、ICT支援という視点では、フィンランドとイギリスでは異なった制度、 考え方をしているが、学校におけるICT教育を積極的に取り入れていこうとする姿勢 は共通している。また、両国では、今後もICTによる教育の充実を推進しようと考え ており、そのための具体的なビジョンを描いている点も共通している。 現在の日本は、教育の情報化の支援体制という観点では、フィンランドに近い状況 - 36 - である。フィンランドのある学校では、 「スキルのある教員が他の教員に教える方が、 ICT教育全体の効果を高められる。」という考えのもと、ICT教育の活動や研修の計画 を行っており、必ずしもICT支援員を配置することだけが、学校におけるICT教育の充 実を図る解決策ではないことを示唆してくれた。日本においてもそれぞれの自治体や 学校の実情に合った支援体制の在り方があり、学校と関係機関で研究や協議を行い、 より良い支援体制の在り方を検討すべきであると考える。 - 37 - Ⅵ 1 研修成果の活用レポート 授業での活用事例(小学校算数) (1)単元名:かけざん (2)目 的:教員がICT機器を活用して「わかる授業」を実践することにより、児童が 学習課題をつかみやすくなり、意欲的に学習に取り組むことを目指す。 (3)対 象:2年生児童 (4)研修内容 ① 効果的なICT活用に向けて 本時は、既習したかけ算九九を使って発展問題で活用 する学習である。問題を児童に提示するために、実物投 影機と電子黒板を接続した。図や写真ではなく、実物の チョコレートを大きく提示することで、児童がさらに意 欲的に学習に取り組めるように活用した。 ② 実物投影機を活用 導入 たくさんのチョコレートを実物投影機を使って電子 黒板の画面に大きく映し、本時の学習課題「かけ算を つかってチョコレートの数をもとめよう。」を児童に提 示した。目の前にある本物のチョコレートが大きく画 面に映った時、児童の反応が良く、写真ではなく本物 を大きく映すことの効果があった。実物投影機のズー ム機能を使い、後ろの席の児童にも画像が見えるよう に配慮した。児童は、非常に集中し、本時の学習課題を 拡大掲示 理解することができた。 ③ 展開 既習したかけ算九九を使って、ノートに式と答えを書き、その説明を個人で考 えさせた。そして、児童がペアでお互いの考えを交流し、その後、学級全体で考 えを深めた。学級全体交流では、チョコレートの縦と横の数に着目し、「4こず つが5つあるから、4×5になる。 」「5こずつが4つあるから5×4になる。」 - 38 - と、電子黒板の画面に書き込みながら児童は説明することができた。本物のチョ コレートを大きく映すことで 縦と横の数を数えるとい う考えを共有し、全児童が画面に集中して、友達の説 明を聞くことができた。 次に、2種類のチョコレートの数を、かけ算を使っ て求める発展問題に挑戦させた。教員が児童の目の前 でチョコレートの数を操作したことにより、さらに児 童の意欲は高まった。新しい問題に興味をもち、集中 して考え、答えを求めることができた。 ④ 考えを交流① 終末 かけ算九九を使って、チョコレートの数を求める方 法を考え、求めることができた。「○こずつがいくつ あるのか。」を見つけることにより、かけ算九九を使 って求めることができることに、児童は自分で気がつ くことができた。 本時のチョコレートの問題に興味が高まり、「さら に難しい問題を解きたい。」「また、チョコレートの 問題を解きたい。」という感想をもつ児童が多くいた。 ⑤ 考えを交流② 考察 本物を大きく映すことが児童の意欲を非常に高め、学習課題をつかませること に有効であることが、本実践によりわかった。特に、児童全員が集中して画面を 見て考える様子などから、効果的なICT機器の活用であったと言える。また、児 童が自分の考えを電子黒板に書き込み、それを説明することにより、思考を学級 全体で共有することができた。同じ式でも、分け方が違うことに気がつき、児童 同士のよい学びとなった。 フィンランドやイギリスでは、各教室に実物投影機、プロジェクタ、スクリー ンが常設されている。このように、ICT機器をいつでもすぐに活用できる環境が あれば、教員は、必要な時に効果的な教材を児童に提示することが簡単にできる。 このことが児童の学習のつまずきをなくし、学力向上へつながると考えられる。 - 39 - 2 授業での活用事例(小学校算数) (1)単元名:面積 (2)目 的:算数科においてICTを活用することで、児童の数学的思考力を高め、 自ら考え説明する力を育てる。 (3)対 象:5年生児童 (4)研修内容 ① 自校のICTの整備状況 坂出市では、平成21年度に全ての小学校に1台の電 子黒板、各教室にはコンピュータ、実物投影機、52イ ンチの大型テレビが導入されている。 ② 算数科におけるICTの活用 ア 教室のICT 自力解決を促す 自力解決を行うためには、既習内容をしっかり理解しておくことが大切であ る。しかし、児童の中には、十分覚えていない子も多い。最近学習した内容に ついては一人一人がノートを振り返ったり、教科書を振り返ったりすることが できる。しかし、前年度までに学習した内容が必要な場合もある。そこで、前 年度の教科書を教員が用意しておき、実物投影機で見せた。教科書を振り返る ことで、学習したという実感がわき、ポイントを拡大して見せることで、もう 一度全員で確認できた。 イ 自分の考えを説明する 自分で作った考えを説明するときにも実物投影機を 活用した。実物投影機には児童が自分のノートを見せ ながら話ができるという利点がある。自分のノートを 見せているので、説明しやすかった。聞いている児童 自分の考えを説明 も実際にかいている様子を見ることができ、理解しやすかった。 黒板には、教員が児童の考え を整理しながらかいた。教員が 意図をもって整理するため、そ れぞれの考えの良さを見つけた - 40 - 思考を大切にした板書 り、つなげたりすることがしやすくなり、児童の思 考を助けることができた。 また、実物投影機で説明し映っていることを実際 に他の児童がもう一度移動させたり、付け加えたり して説明もした。画面に残っている思考の跡をもと に説明することにより、より多くの児童がわかりや すく説明することができ、他の児童の考え方を互い に共有することができた。 さらに、実物投影機での提示はノート指導にも役 児童のノート 立つ。自分のノートを映すので、より分かりやすいノートにしようと相手意識 をもってかいた。そして、上手にかいた児童のノートを実際に見ることで、他 の児童も分かりやすいかき方を理解し、学級全体のかく力が高まった。 ウ 実感する 自分たちが学習してきたことを実感するために、 NHKデジタル教材(マティマティカ2『三角を四角く』 のクリップ)を活用した。鈍角三角形を極限まで細か く切って変形を行う考え方である。児童では考えつか 動画の視聴 ない方法である。 クリップの方法で鈍角三角形にも公式が使えること を確認した後、実際に3つの三角形を比べた。底辺と 高さに目をつければよいことを理解してきた児童は、 NHKの番組 三角形をひっくり返すと、すぐに「あっ、同じや。」という声が出るほど実感 できるようになった。 (5)考察 ① ICTを活用し、児童のノートを実際に映すことで、相手意識をもって自分の考 えを表現しようとする児童が増えてきている。また、児童が自分の考えや友達の 考えを説明するなどの言語活動が活発になり、児童の思考力、表現力の育成につ ながった。 ② フィンランドやイギリスのようにより良いコンテンツを共有し、使い方の研修 を重ねていくことで、さらに児童の思考力を高める授業が展開できると考える。 - 41 - 3 授業での活用事例(小学校体育) (1)単元名:器械運動(マット運動) (2)目 的:体育科の学習で、児童がICT機器を活用することを通して正しく運動を する能力を高める。 (3)対 象:小学校5年生 (4)内容 ① 校内にあるICT機器の活用 フィンランドでは、各教室にパソコン、プロジェクタ、実物投影機が常設され ていた。また、イギリスでは児童一人一人にPSPやDS、iPadなどのツールが与え られていて、それを基礎的な学習スキルを高めるために活用されていた。さらに、 児童の創造力を高めていくためのツールとしてもICT機器を活用していた。現在 の本校の状況では、個人がICT機器を活用することができるほど準備することは できない。そこで、イギリスで児童がICT機器を活用していた授業場面を参考に、 校内にあるICT機器を活用する学習を実践した。デジタルビデオを校内で多くの 台数そろえることはなかなか難しい面はあるが、デジタルカメラであれば、複数 台準備をすることは可能であると考えられる。そこで、本実践ではデジタルカメ ラの動画機能を活用することにした。 ② 体育科における特性 児童は自分が運動をしている時の動きを客観的に見ることはできない。しかし、 その動きをデジタルカメラの動画機能を活用して撮影し、その動画を見ることで 自分の動きを客観的に確認することができる。 ③ 展開 今回の実践では、自分で設定した課題に応じた 練習を工夫するために、同じ技に挑戦している2、 3人の少人数で互いに撮影し合った。そのため、 デジタルカメラをそのグループの数に合わせて準 備をし、撮影に臨ませた。事前に撮影方法と再生 方法については指導をし、グループで互いに教え 動画で確認 合いながら進めるようにした。 撮影後には、撮影者とともに自分の動きを動画で確認し、自分の動きや技の改 - 42 - 善点、動きの高まりについて確認したり、 話し合ったりさせた。客観的に動きを確認 することで、自分でも改善点を考えること ができ、また、アドバイスし合うことがで きるよさがある。意図的にではあるが、言 語活動を充実させることにもつなげてい る。 ④ 2人で確認 発展 体育館での実践であれば、大型テレビまたは、パソコンとプロジェクタを設置 することで、映像を全体で共有することも可能である。また、見本となる映像を 提示したり、児童自身がその映像を選択して見たりすることもできる。この実践 での活用の広がりを創造することができる。 (5)考察 日本では、イギリスのように一人に1台の機器がある状態にはまだない現状であ る。そこで、現在あるICT機器の機能を工夫して使用することが、情報活用能力を 高めるとともに、各教科での身に付けさせる力を定着させることにつながる。イギ リスのようにICT機器の数が十分とは言えないが、現在校内にある資源としてのICT 機器をいかに活用していくのかが課題となると考える。 本実践では、体育科でのICT機器の活用をテーマに掲げて取り組んだ。今回は器 械運動での実践であったが、陸上運動や表現運動など他領域での実践も可能である。 また、現在重視されている言語活動の充実を図ることにもつながり、学習場面に ICT機器を活用する場面を取り入れることが有効であると考える。児童は、ICT機器 を使用する学習を好む傾向がある。しかし、単に使用するのがよいというのではな く、ICT機器を使う目的を明確にもたせ、それぞれの学習場面で使用するよさを感 じさせることが大切である。今回の実践で、児童はICT機器を使うことにより、自 分の動きを客観的にとらえることができるというよさを感じ取ることができた。そ のよさを感じる体験の積み重ねが児童の情報活用能力の育成にもつながっていくと 考える。 - 43 - 4 研修での活用事例(小学校における情報活用能力の育成に関する取組) イギリスの中学生に「なぜ普通のノートではなく、コンピュータを学習に使ってい るのか」とインタビューしたところ、「紙のノートに書くよりも、コンピュータを使 ってまとめた方が効率的である」という返答が返ってきた。文字の文化の違いもある が、その入力の早さは、手書きの場合と変わらず、様々な情報をコンピュータ上で収 集し、それを利用して自分の考えをまとめている姿を多く見ることができた。これは、 日本国内で言われている、情報活用能力と変わらないことであると考えられる。また、 フィンランドとイギリスの中学校では、個人の情報端末を校内で利用しながら、必要 な情報モラルについて指導している様子を視察することができた。そこで、これらの 事実をもとに小学校への訪問指導で、発達段階を考慮した情報活用能力の育成につい て協議を行った。 (1)授業の中での操作技術の指導について(小学校第3学年 算数) 本時の学習は、図形(三角形、四角形)のまとめをコンピュータを使用して行う 授業であった。本校では、児童一人一人に学習用アカウントが配付されており、生 徒は、そのアカウントを使って、ネットワークにログインし学習している。操作は マウスだけで可能である。児童はマウスを操作して、教材ソフトを使ってドリル教 材に取り組んでいた。本時の時点では、ローマ字の学習が行われていないため、キ ーボードを使った文字入力が難しいこともありマウスを使った操作が中心となる。 この授業の協議の結果は以下のとおりである。 ① 本校では小学1年生から、コンピュータを使用する ときには個人用のアカウントがあり、そのアカウント を使って学習が進められている。ネットワークの基本 的な使い方が自然と身についている。また、操作が分 からない児童は、自然とまわりの児童に聞きながら操 ログインの様子 作を進める環境ができているため、積極的にコンピュ ータを操作することができていた。 ② マウスの操作について、複数の児童が誤ったクリッ ク操作をしており、学習が進まない児童が見受けられ た。学習自体は教材ソフトを操作することで進むので、 - 44 - マウスの誤操作例 このような時に適切な操作技術の指導が必要であろう。 ③ 教師がプレゼンテーションソフトを利用して作成した三角形と四角形のまとめ のスライドは、コンピュータ室だけでなく教室でも活 用できる。教室でプロジェクタを利用して日常的に提 示することが、児童がICT機器を目にする機会を増や し、様々なICTの活用法を考える元になると考えられ る。 (2)情報モラルの学習(6年生 自作教材の活用 総合) 本校では、グループウエアを利用して、調べ学習のまとめや、校内でのメールや 掲示板の利用をしている。本時の学習は、「掲示板の正しい利用法」として、掲示 板上での発言トラブルに関してであり、将来使用するであろう、インターネット上 での掲示板の適切な利用についての学習であった。この学習の協議は以下の通りで ある。 ① 6年生になると、携帯電話を使い始める児童が増え、メールなどを使い始める。 家庭で使用している児童にとっては、現実味がある学習になるが、使っていない 児童にとっては、自分のこととして捉えられずに終わってしまう可能性がある。 ② 小学校段階では「ネチケット」の中でも、著作権や引用などまとめ学習でイン ターネット上の情報を利用するときの約束の学習に重点を置いた方が、児童のほ とんどが関係することなので自分のこととして捉えやすくなるのではないだろう か。 (3)考察 小学校では情報について学習する教科は存在しないため、意図的に各教科の学習 の中で、児童にICT機器を使用させる、学校全体の情報教育の計画が必要である。 さらに、中学校の技術・家庭科では、基本的なコンピュータ操作やアプリケーショ ン操作についての指導はしないため、小学校段階でしっかりと指導する必要がある ことから、イギリスで視察してきた、すべての教科の中で情報活用能力の育成がで きる、「Switched on ICT」のような教材の開発が望まれる。また、教員も児童も日 常的にICT機器に触れる機会を増やすことが、児童の情報活用能力の育成につなが っていくのではないかと考えられる。 - 45 - 5 研修での活用事例(小学校における研修) (1)研修名:ICT研修連続講座(全3回) (2)目 的:電子黒板の活用方法や活用事例を学び、実際に授業に生かそうとする 気運を高めるとともに技能の向上を図る。 (3)内 ① 容 第1講座「デジタル教科書の操作方法や授業での効果的な活用法について」 講師:教科書会社担当者 演題:「デジタル教科書」でできること 内容:・デジタル教科書の現状 ・小学校デジタル教科書の紹介と実践事例 ・デジタル教科書の特徴 ・中学校デジタル教科書の紹介 ・今後の展望 ② 第1講座の様子 第2講座「具体的な実践事例から学ぶICT機器の活用と工夫について」 講師:小学校教諭 演題:ICTを活用する授業づくり 内容:・情報活用能力の向上について ・ICT活用の実際 ・効果的な活用と課題について ③ 第3講座「電子黒板の基本操作について」 講師:電子黒板メーカー担当者 演題:プロジェクタ型電子黒板の操作に学ぶ 内容:・電子黒板の活用について ・今後のサポートについて (4)考 察 第3講座の様子 本研修は、電子黒板の導入に向けた連続講座として実施した。教育の情報化を推 進するにあたり、ソフト面とハード面双方の充実は不可欠である。これまで、ICT の活用に向けた事例や機器の効果とその利便性について学んできたが、実際に触れ てみることでその効果が手に取るようにわかるとともに、今後活用していこうとい う意欲にもつながった。しかし、イギリスのように各教室に電子黒板が常設されて - 46 - いないと活用の範囲は限られてしまい、本来の効果を発揮することが困難である。 日本の現状を見ると、電子黒板を常設している学校は、まだ限られている。一方、 フィンランドでは、電子黒板の導入状況は日本と変わらないが、プロジェクタとス クリーンは、ほぼすべての教室に常設されており、その機器が効果的に活用されて いた。このことから、日本におけるICT機器も、活用の仕方次第で、十分効果を発 揮することがわかる。大切なのは、どの場面で、どの機器を活用して児童生徒に提 示していくかである。また、教科書や図・表などの資料を拡大して提示することに ついて、教育効果を期待することはフィンランドもイギリスも同様である。必要な 部分のみを取り出して拡大し、拡大したところをもとに、より効果的な発問を投げ かけるスキルが、今後求められる。 学習のねらいにせまるために、どこで活用するのかを十分に検討していかなけれ ば、よりよい効果を発揮することはできない。その明らかな取組をフィンランドで の学びとしていかしていきたい。 今後のICT機器に関する展望としては、イギリスのようなタブレット端末等の普 及とともに、学習者用のデジタル教科書の導入によりさらなるデジタル教科書全体 の拡充が見込まれる。 6 研修での活用事例(高等学校における研修) (1)研修名 Prezi を使ってのICT教育事情の報告 (2)目的 県内ではまだ使用頻度の低いプレゼンテーションソフトPreziを使い研 修報告を行う。イギリスとフィンランドのICTを活用した教育事情を理解 し、ICT教育機器が普及していない県内高校での授業改善につながる活用 方法等を考える。 (3)対象 本校教職員110名 (4)内容 Prezi編集中の画面 スタート画面 - 47 - ① 訪問国について フィンランドとイギリスで撮影した写真を使い、地理的な位置関係や街の様子 等を紹介した。さらに気候風土や食文化の話もした。 ② 訪問国の教育制度 フィンランドでは教育無償化が進んでおり、 幼稚園から大学院まで授業料は無料である。さ らに教材、給食も無償で提供されている。教育 制度は日本と似通っている部分もあり、ICTに関 訪問国紹介 しても日本と一部同様なところもある。 イギリスではキーステージという発達段階を4~5年ごとの年代に区切った教 育システムが組まれている。二国の教育制度表を使い、上記のような日本との違 いについて説明した。 ③ 日本と岐阜県のICT教育の普及の現状 統計を使い日本と岐阜県のICTについての現状を再確認した。日本での校内LAN 整備率は平均83.6%、岐阜県は95.9%で全国1位である。電子黒板のある学校の 割合は平均72.5%で、本県は74.4%である。校務支援システムの整備状況では、 平均67.5%で、本県は76.9%、デジタル教科書の整備状況は平均22.6%で、本県 は23.3%である。国内における岐阜県のICT普及に関してはかなり整備が進んで いると思われる。しかし、電子黒板の割合などではほとんどが小中での普及であ り、高校の教員は電子黒板を触ったこともなければ、中には見たこともないもの もいるのが現状である。さらに、学校に1台あっても、この統計には載るので、 イギリスやフィンランドの様に、全教 室への普及の具合とはかけ離れている と思われることを話した。 (参考資料:ICT教育環境整備ハンド ブック2012 発行・一般社団法人 日本教育工学振興会) ICTに関する統計 - 48 - ④ 訪問の目的 調査研究テーマ「学校教育の情報化・ ICTの活用」の下、4つの課題「効果的な ICT活用」「情報活用能力の育成」「校務の 情報化」「教育の情報化支援」を持って研 修に臨んだことを伝えた。 ⑤ 目的とICT活用の様子 ICTの活用 訪問させていただいた学校の授業の様子を紹介した。特にIWBの設置状況や使 用の状態が分かる写真を提示しながら説明した。プロジェクタやパソコンが教室 常設であることが当たり前であるということを伝えた。 ⑥ 効果的なICT 任天堂DSやソニーのPSPを使った授業や、 ビデオ撮影しながら体育の授業を行う様子 を写真や動画を使って紹介した。 (5)考察 効果的なICTの写真と動画 ICT教育に関しては二国が大きくリードしていることを伝えることができた。国 内においては義務教育学校でICTの普及が進んでいるが、高校ではかなり遅れてい る現状を再認識することができた。今後、効果的な授業を行う上で、ICTを効率良 くいかに取り込んでいくかを職員全員で考える絶好の機会となった。 7 研修での活用事例(教育センターでの研修) (1)研修名 Cabinet操作研修出前講座 (2)目 千葉市で導入された校務システムを安全かつ有効に活用するため、特に 的 グループウェア機能と成績処理、出席簿の活用の仕方について研修を通し て教職員の幅広い活用化を図る。 (3)対 象 出前講座の依頼のあった学校 (4)研修内容 ① 教育の情報化について 文部科学省の「教育の情報化に関する手引」より、校務の情報化の目的は、校 - 49 - 務が効率的に遂行できるようになることで,教職員が児童生徒の指導に対してよ り多くの時間を割くことが可能となること。また,各種情報の分析や共有により, 今まで以上に細部まで行き届いた学習指導や生徒指導などの教育活動が実現でき るなど,様々な恩恵を受けることができることなどを説明した。 ② Cabinet(千葉市教育情報ネットワーク)のシステムについて 千葉市では、平成23年の2月よりCabinet新統合システムが導入された。シン クライアント式になっており、情報は千葉市のサーバーに一括されて管理され ている。1台で学習システムと校務システムを切り替えて使用することができ る。個人情報に関わる名簿や成績処理については、校務システム内で処理を行 わなければならない。そのために、情報セキュリティー上、校務システムは職 員室のLANケーブルを接続しないと使えないようになっている。 ③ 海外の教育の情報化の実情について 今回、フィンランド・イギリスの両国を訪問する機会をいただいたことにより、 海外での校務システムについての実情を説明することができた。両国の校務シス テムは、使用しているソフト会社の違いはあるにせよ、機能は大体同じである。 児童生徒の出欠がパソコンで管理され、保護者が子どもの出欠状況を確認できる。 教員は授業が始まるとまず出席の確認をして、授業中または授業後にパソコンに 個々の児童生徒の履修内容・出欠状況・学習状況を入力・更新する。保護者は家 や職場のパソコンから我が子の出席状況を確認でき、欠席していてもどのような 授業をしたのかがアクセスするとわかるようになっている。 e-learing的に使われている校務用ソフトでは、宿題にも活用できるようにな っている。出された課題に対して、生徒が書き込み、教員が評価して生徒に戻す。 このことにより、教員は生徒の能力に合わせて課題を与えることができ、また生 徒は、自分の課題や学習の過程がデータベース化されるのでどのように学習して きたのかを確認できる。 ④ Cabinet校務システム操作研修 千葉市が導入したグループウェアの主な機能を教職員一人一人が実際に操作す ることによって、校務システムの日常的な活用を図っていく。操作研修内容は以 下の通りである。 - 50 - ア グループウェア機能の操作について 「電子掲示板」「メッセージ機能」「電子会議室」「施設利用予約」「学校行事 予定」 「ライブラリ」の使い方を、実際にパソコンを操作させて研修を行った。 イ 校務データベース機能の操作について 「出席簿」「通知表作成」「成績処理」「指導要録」「保健帳票」の入力の仕方 や便利な機能の紹介を、操作研修をとおして行った。クラス設定がきちんと行 われていれば、それぞれがリンクされているので、使い方の幅が広がっていく ことを伝えた。 (5)考察 Cabinet校務システム操作研修出前講座の内容に、海外の教育情報化の実情を入 れた。海外では日本よりも格段に校務システムの活用が進んでいることに影響を受 けて、校務システムを利用していこうとする意識が高まったと感じられる。 8 研修での活用事例(教育委員会での研修) 市内全校における教育の情報化の推進を図ることをねらいとして、教育委員会が Webサイトを開設している。コンテンツの内容については、下記のとおりである。 (http://www.edulab.kashiwa.ed.jp/) ① ② ③ ④ ⑤ ⑥ ⑦ (1)ブログ 市内における研修会の報 告や各校でのICTを活用し た授業の様子、教員や児童 生徒対象のアンケート調査 の結果等をブログにして適 時知らせている。 - 51 - (2)授業支援 学習活動に役立つ外部サイトのリンク集を 小学校、中学校、特別支援学級に分けて作成 している。情報モラルやリテラシーの市内標 準カリキュラムやフラッシュカード、社会科 の地域教材等、教育委員会自作のコンテンツ も提供している。 (3)WEB作成支援 学校ホームページ(学校ブログ を含む)の作成方法や利用できる 素材、アップロードの手順等を紹 介し、地域や保護者に向けて開か れた学校づくりを支援している。 (4)校務支援 児童生徒名簿や出席簿、教員の 出勤関係、各校の行事予定や日報 作成、事務室や保健室等の校務に 役立つファイルを提供することで、 校務の効率化を支援している。 - 52 - (5)導入機器関係 コンピュータ室や普通教室に導 入された機器の使い方を導入年度 ごとに紹介することで、授業での ICTの活用を促進している。停電時 等のトラブル対処方法についても 掲載している。 (6)各種マニュアル コンピュータや電子黒板等の機 器の操作方法、インターネットや メール、グループウェア等の操作 方法に関するマニュアルについて、 ダウンロードして活用できるよう にしている。 (7)パソコン研修 校内研修や自主研修に役立てる ことを目的とし、夏季休業中及び 冬季休業中に行った情報活用講座 の内容と研修テキストを公開して いる。現在までに33講座分の資料 を提供している。 (8)考察 ① 教育の情報化の推進を図るためには、コンピュータや周辺機器等のハード面と、 アプリケーション等のソフト面の整備に加え、教員の育成が不可欠である。しか し、教員の技能や指導力の向上を図る研修の実施については、回数や参加人数に 限度がある。そこで、様々な情報をWebサイトに構築し、いつでも必要な情報を 入手することのできる環境を設定することは、市内全体の教育の情報化を推進す る上で効果があると考える。 - 53 - ② 上記Webサイトの作成は、ICT教育支援員が行っている。また、ICT教育支援員 は、各校での授業支援も行っており、市内の教育の情報化の推進に大きく貢献し ている。今後も引き続き、ICT教育支援員の配置に向けた予算を確保することが 必要とされる。 ③ 情報モラルの授業において、上記Webサイト内にある児童生徒用電子掲示板に 教育委員会から遠隔で入り込み、 「荒らす」ような書き込みを行う実践を行った。 ネットワークを利用する際の留意点について、体験活動を通して考えさせること ができた。今後、教育委員会が様々な授業における遠隔授業(ネットによる協働 学習)を企画し、組織的に運営することが課題である。 - 54 - Ⅶ 新たな可能性を求めて(シニアアドバイザーの立場から見た考察) H-1団 シニアアドバイザー 高橋 純 (1)はじめに フィンランドは、PISAにおいて好成績であり、教育方法にも定評がある。一方、 英国は、ICT活用により教育方法の改善を試みてきた国であり、世界で最もICT活用 が進んだ国として定評がある。このような特徴のある両国の学校でのICT活用につ いて、教員によるICT活用、児童生徒によるICT活用に分けて、視察結果から比較・ 検討を行う。そして、これらの結果から、我が国におけるICT活用の課題について 考察を行う。 (2)教員による教科指導等のためのICT活用 ① 両国のICT活用法及び環境の比較 両国共に、教科書や教材等の拡大提示が、主な教員によるICT活用法であった (表1)。フィンランドでは実物投影機による教科書やノートの拡大提示、英国で はパソコンによるデジタル教材の拡大提示が多く、あらゆる教科指導で行われて いた。また、フィンランドにおいては、外国語の授業等で、テレビ会議による遠 隔講義が一部で行われていた。 フィンラン ド ・教科書やノート,教材等の拡大提示 活用法 ・テレビ会議による遠隔授業 活用されている教科等 ・教科書等の拡大提示は,あらゆる教科等で ・大型提示装置 (プロジェクタ,OHP,電子黒板) ・PC 機器 ・実物投影機 ・LAN 環境整備 ・ほぼ全ての教室への常設 表1 英国 ・教材等の拡大提示 ・あらゆる教科等で ・大型提示装置(電子黒板) ・PC ・実物投影機 ・LAN ・全ての教室への常設 教員によるICT活用に関する両国の比較 ICT環境については、フィンランドでは主にプロジェクタ、英国では電子黒板 というようにICT機器の種類こそ異なるが、ほぼ全ての教室に常設されていた。 教員は、教室にICT機器が据え付けられているために、スイッチ一つで教材や教 具等を拡大提示できていた。 ② 我が国における効果的なICT活用法の普及に向けて 我が国の教員による効果的なICT活用法を考える上で、フィンランドが参考 になる。フィンランドでは、主に一斉指導のためのICT機器といえるプロジェク - 55 - タが、ほぼ全ての教室に整備されていた。実際に参観した算数や、歴史の授業で は、我が国のような個も大切にした一斉指導スタイルで、プロジェクタと実物投 影機を使って、ノート等を拡大提示していた。このようなICT活用は、我が国の 伝統的な学習指導法とも一致し、多くの教員からも賛同が得られるだろう。我が 国におけるICT活用の普及につながりやすいと思われる。 次に、我が国での教員研修を考えるならば、こちらもフィンランドの教員らの 拡大提示のレベルの高さが参考になる。漠然と教科書全体を拡大提示するのでは なく、必要な部分のみが映されるといった「拡大率」が高いケースが多かった。 つまり、学習指導上のねらいが、焦点化され、スクリーン上からも明確に伝わっ ていた。また、単に解答そのものを映すのではなく、その解答の導き方やノート 等の使い方といった学習スキル等も含めて伝えようとしている場面が多かった。 教員は、教材や教具等のどこを拡大提示すれば、わかりやすい説明になるか、子 どもの興味関心が高められるかといったことを、よく理解した上で、ICT機器を 活用していた。フィンランドの教員らが、単にICT機器の操作スキルの習得だけ でなく、そもそもの授業づくりや教材研究等をしっかりと行っているからと考え られる。 我が国においても、このような事例は、むしろICT機器の操作は得意ではない が、学習指導に定評があるベテラン教員によく見られる。こういったICT活用の ノウハウを伝えていく教員研修が我が国でも必要となる。ICT機器の機能をいく ら習得しても、それだけで、よい授業になる訳ではない。授業づくりや教材研究 等と、ICT機器の活用をミックスさせた研修が必要といえる。 ③ 我が国の普通教室でのICT機器の常設に向けて 両国でみられたような拡大提示のためのICT活用は、今回視察した両国に留ま らず、筆者が視察した経験のあるドイツ、韓国、中国、香港、シンガポール等で も広く行われている。我が国でも、かなり広まりつつあるが、普通教室へのこれ らの機器の普及は、デジタルテレビで40.5%、プロジェクタで7.9%、電子黒板 で5.6%程度(文部科学省 2012)であり、諸外国に比べて整備が十分とは言えな い状況にある。したがって、我が国の普通教室でのICT機器の整備を考えるなら ば、まずは拡大提示するためのICT機器の常設を目指すべきと思われる。 拡大提示のためのICT機器として、電子黒板やプロジェクタといった大型提示 - 56 - 装置に加えて、パソコンや実物投影機といったコンテンツを供給する機器の両方 が必要となる。この際に参考になるのはフィンランドの整備であろう。フィンラ ンド国家教育委員会によれば、ICTにかける予算は不足しており、電子黒板も、 児童100名に対して0.8台とほとんど整備されていないとのことであった。この状 況は我が国と似ている。 しかし、フィンランドでは、視察した6校のほぼ全ての教室に、プロジェクタ が整備されていた。電子黒板ほど高価ではないが、同じような拡大提示の効果が 得られ、安価なプロジェクタを、全ての教室に常設する方針と考えられる。予算 に余裕があるならば英国のように電子黒板を整備する方法が最もよいのは言うま でもないが、高価な機器よりも、まずは台数を確保し、全ての教室に整備する方 針は参考にすべきだろう。 (3)児童生徒による情報教育等のためのICT活用 ① 両国のICT活用法及びICT環境の比較 各国で学校種の区切りは異なるが、便宜上、おおよそ中学校・高校と、小学校 と分けて検討する(表2)。 フィンランド 活用法 情報教育に関する 教科 中学・高校 機器 環境整備 活用法 小学校 情報教育に関する 教科 機器 環境整備 英国 ・木材加工における設計 ・作曲・演奏活動 ・VLEによる知識定着(ドリル等を含む)学習 ・スマートフォンのセキュリティ対策学習 ・ワープロによるレポート等の作成 ・ワープロによるレポート等の作成 ・プレゼンテーション等の作成 ・プレゼンテーション等の作成 ・インターネット等による調べ学習 ・インターネット等による調べ学習 ・ある.現在,教科,カリキュラム等の見直しが行われ ・中学校(7年生)からある ており,将来はわからない. ・ノートパソコン ・ノートパソコン(私有の例もあり) ・デスクトップパソコン ・デスクトップパソコン ・スマートフォン(私有) ・タブレット端末(テストケースとして) ・私有のスマートフォンの活用(BYODに向けて) ・私有(BYOD)によるノートパソコンの整備 ・有線・無線LANの整備による普通教室を含む校内全 ・有線・無線LANの整備による普通教室等での 域での活用 活用 ・コンピュータ制御によるレーザー加工機器といった社 ・VLEによる個別学習環境の整備 会でも活用されている機器の整備 ・ビデオ制作といった創作活動 ・ビデオ撮影による演劇等のセルフチェック ・知識定着(ドリル等を含む)学習 ・アニメーション作成といった創作活動 ・ワープロによるレポート等の作成 ・基本的な操作技能の習得 ・プレゼンテーション等の作成 ・インターネット等による調べ学習 ・一般にはない.学校の裁量で独自教材で行わ ・ある. れる. ・iPad, ニンテンドーDS, PSPなどの小型端末 ・デスクトップパソコン ・ノートパソコン ・デスクトップパソコン ・Bee-Bot(プログラムによって動く学習用ロボット) ・コンピュータ室といった特定の部屋が中心. 表2 ・有線・無線LANの整備による普通教室を含む校内全 域での活用 児童生徒によるICT活用に関する両国の比較 - 57 - 中学校・高校で、両国に共通する生徒によるICT活用は、調べたり、まとめた り、伝えたりするためのインターネット、プレゼンテーションソフト、ワープロ ソフトの利用であった。その他に、フィンランドでは、VLE(バーチャル学習環 境:e-learningのような環境)でのドリル等の知識定着学習などが行われており、 数年後に始まるとされる大学入学資格試験のコンピュータテスト化に備えて、生 徒が熱心にノートパソコンを使いながら各教科等の授業を受けている様子が観察 できた。また、英国では、木材加工や作曲・演奏活動にICTを活用するといった 実社会とのリンクを強く意識した活用も行われていた。我が国と比較しても、中 学校・高校では、生徒がかなり熱心にICT機器を活用していた。 小学校について、フィンランドでは、一部でアニメーション作成等が行われて いた。しかし、情報教育に関する授業の実施は学校裁量とのことで、多くの学校 は慣れ親しむ程度が目標であった。一方、英国では、iPadや、ニンテンドーDSな どの情報端末が活用されており、発表活動のビデオ撮影やドリル学習等に活用さ れていた。ドリル学習では、友達の端末に答えを転送する機能を用いて答え合わ せや競争もしていた。しかし、筆者は、英国の小学校を毎年訪ねているが、情報 教育に関する教科があるとはいえ、このような児童のICT活用は、視察した地区 の学校以外で見ることはほとんどなく、かなり先進的な事例と言える。 両国を通して、小学校の児童によるICT活用は、中学校・高校における生徒の ICT活用に比べると、洗練されていたり、系統性、継続性を感じたりするような 活用は少ないように思われた。あらゆる教科の多くの時間で活用するのではなく、 授業の目的や必要性に応じて一部の時間で活用するスタイルであるといえる。ま た、教員の考え方で実践が行われたり行われなかったり、ICT環境の条件の影響 も受けやすいようであり、試行錯誤も見られた。 ② 我が国における児童生徒による効果的なICT活用の普及に向けて 我が国においても、児童生徒があらゆる教科や時間でICTを活用するのでは なく、まずは教科の特性等に応じた活用を考える必要がある。両国が行っていた ように限られた教科或いは時間でのワンポイントのICT活用が見込まれるだろ う。 その際の児童生徒のICT活用は、両国とも、インターネットでの検索、ワー プロ、プレゼンテーション、木工におけるコンピュータ制御といった社会人も行 - 58 - っているようなICT活用が多かった。こういった活用は、現在の日本の学習指 導要領や同解説でも数多く示されている。我が国でも、こういった学習活動が積 極的に行われることが望まれる。 また、最も実用度が高く普及が進んでいた活用に、ドリルといった知識定着の ためのICT活用があった。我が国においても、CAIやe-learingとして、多くの成果 がある。これら成果を着実に活かしていく必要がある。 ③ 我が国における児童生徒向けのICT環境の整備に向けて 児童生徒向けのICT環境整備について、両国ともBYOD(Bring Your Own Device :私的デバイス利用)が話題であった。 フィンランドの高校では、これまで学校が整備してきたコンピュータを取りや めて、生徒は100ユーロ(1万円)程度の自己負担で、自分のノートパソコンを 購入していた。実際のパソコンの価格は300~400ユーロであり、この差額は税金 で負担するとのことであった。本整備と引き替えに、校内に整備していた数百台 の生徒用のパソコンを廃止したため、かかる費用は、従来と同程度とのことだっ た。生徒が購入するノートパソコンには、セキュリティソフトを初期導入してお くなど実用度が高かった。そして、より実際的で日常的なパソコンを活用した学 びの実現といった効果が強調されていた。 英国の学校では、政権交代等による予算の削減で、現在のICT機器が老朽化し た後には、同規模の再整備ができないことを見越しており、BYODの検討を始めて いた。つまり、将来的には、生徒が自分のノートや教材を自分のお金で買うよう に、パソコンも生徒自身が購入する時代が来ると予想していた。現在は、生徒の ほぼ100%が私有するスマートフォンの校内への持ち込みを許可して、その授業 での活用ルールや課題などの検討を行っていた。 我が国においても、普通教室における児童生徒向けのICT機器の整備を行おう とすれば、予算が不足することであろう。両国において試行されているBYODの例 がそのまま適用できるとは思えないが、普通教室での教科等の学習においても、 気軽に情報端末が使えるようにすることは必須と考え、既存の予算の有効活用や 条件整備等を行っていく必要がある。 また、このようなノートパソコンといった情報端末が校内で活用されると、無 線LAN環境は必須のインフラとなる。両国で訪問した多くの学校では、校内の至 - 59 - る所で無線LANが使えるような整備が行われていた。一方、我が国では、都道府 県や市町村等の情報セキュリティに関するルールによって、学校に無線LANを設 置できない地域もある。同様に工事費用も課題となる。有線の校内LANの更新時 などに、計画的に、ルール変更等も含めて、整備を進めていく必要がある。 (4)まとめ 両国のICT活用に関する視察から、我が国が取り組む必要のある、特に短期的な 課題についてまとめたい。 a) 校内の様々な箇所で、ICT活用が行われていた。我が国においても、コンピ ュータ室といった特別な教室のみならず、普通教室等へのICT環境整備が必要 である。 b) 教員によるICT活用として、教科書や教材等の拡大提示は定着していた。我 が国においても、全ての教室にプロジェクタや実物投影機といったICT機器を 「常設」し、授業づくりとICT活用をミックスさせた教員研修を充実させてい く必要がある。 c) 児童生徒によるICT活用は、中学校や高校を中心に、1)ワープロ、プレゼ ンや検索、2)タブレット等のビデオやデジカメ機能の活用、3)習熟や定 着のためのドリル学習、が行われていた。活用法は、教科、教員の考え方やIC T環境によって大きく変わり、試行錯誤も行われている状態といえるが、かな り熱 心に生徒がICT機器を活用し、スキルも高かった。こういったICT活用は、 我が国の現行の学習指導要領や同解説にも示されていることから、着実に実施 していく必要がある。その前提として、普通教室向けの情報端末の整備・充実、 校内全域の無線LAN環境の構築といったICT環境整備を行っていく必要がある。 参考文献 文部科学省(2012) 学校における教育の情報化の実態等に関する調査 http://www.mext.go.jp/b_menu/toukei/chousa01/jouhouka/kekka/k_detail/1323243.htm - 60 - Ⅷ 派遣団名簿 ※個人情報保護の観点から、掲載を差し控えます。 班・係 都道府県 氏 名 所属名称・職名 指定都市 団 長 滋賀県 辻 雅代 滋賀県教育委員会事務局教職員課 主幹 副団長 鹿児島県 堀之内 尚郎 鹿児島県教育庁 高校教育課 主任指導主事(兼)高校振興係長 総 務 北海道 前多 香織 石狩市立紅南小学校 教諭 写 真 茨城県 木村 勤 利根町立布川小学校 教諭 総 務 茨城県 高崎 満 牛久市立牛久第三中学校 教諭 班 長 栃木県 日下田 静夫 栃木県教育委員会事務局学校教育課 副主幹 資 料 千葉県 佐和 伸明 柏市教育委員会 指導主事 会 計 岐阜県 森 保 岐阜県立岐阜工業高等学校 教諭 班 長 岐阜県 大森 賢一 岐阜県立斐太高等学校 教諭 会 計 滋賀県 小泉 英之 守山市立吉身小学校 教諭 班 長 滋賀県 大野 勝 豊郷町立日栄小学校 教諭 会 計 鳥取県 松浦 厚志 鳥取市立東郷小学校 教諭 総 務 香川県 川井 一代 坂出市立東部小学校 指導教諭 資 料 愛媛県 鳥生 健吾 今治市立立花小学校 教諭 写 真 愛媛県 立花 卓 松山市立久米中学校 教諭 資 料 福岡県 光益 ゆかり 糸島市立福吉中学校 教諭 班 長 千葉市 網野 一志 千葉市教育センター 指導主事 資 料 千葉市 石井 義史 千葉市立磯辺第三小学校 教諭 高橋 純 富山大学 准教授 シニアアドバイザー - 61 - Ⅸ 1 研修日程概要 日程 月 日 発着地・滞在地 現地時間 9/24 成田発 11:00 ○ 移動(飛行機 トゥルク着 17:00 ○ ヘルシンキ経由トゥルクへ(飛行機 (月) 主 な 活 動 内 容 約10時間) 約1時間) 18:00 ○ 移動(専用バスにてホテルへ) 9/25 トゥルク 9:00 (火) ① ヴァハ ヘイッキラ学校 訪問 学校概要説明 授業参観 質疑応答 11:15 ② ICT トップセンター 訪問 研修制度説明 午後 質疑応答 施設見学 ○ オリエンテーション 高橋純シニアアドバイザーによる指導助言 合せ 9/26 トゥルク 9:00 (水) 調査研究内容の確認 係打 スケジュール確認 ③ カーリナ高校 訪問 市の取組説明(教育長) 授業参観 学校概要説明 質疑応答 10:25 ④ ピーッキオ総合学校(小中一貫校) 訪問 学校概要説明 午後 授業参観 ⑤ コティマキ総合学校(小中一貫校) 訪問 学校概要説明 9/27 (木) ○ 移動(専用バス ヘルシンキ着 午後 ⑥ シルタマキ総合学校(小中一貫校) 訪問 ヘルシンキ 午前 約2時間半) 授業参観 質疑応答 ⑦ フィンランド国家教育委員会 訪問 国の教育方針等の説明 午後 質疑応答 ⑧ ルースブオリ中学校 訪問 学校概要説明 (土) 質疑応答 午前 (金) 9/29 授業参観 トゥルク発 学校概要説明 9/28 質疑応答 授業参観 質疑応答 ヘルシンキ発 午前 ○ 教育文化施設 見学(専用バス) ロンドン着 午後 ○ 移動(飛行機 - 62 - 約3時間) 給食試食 月 日 発着地・滞在地 現地時間 9/30 ロンドン 午前 ○ 研修成果のまとめ 午後 ○ 教育課題に関する調査研究 午前 ⑨ エルサム小学校 訪問 (日) 10/1 ロンドン (月) 主 学校概要説明 な 午後 活 動 内 容 研修資料等の収集・整理 授業参観 質疑応答 ⑩ 国立コンピュータ教育指導者協会(NAACE)講演 英国のICT教育の概要 NAACEの活動について 質疑応答 10/2 ロンドン 午前 (火) ⑪ スカーギル小学校 訪問 学校概要説明 授業参観 14:30 ○ 研修成果のまとめ 質疑応答 研修資料等の収集・整理 16:00 ⑫ 英国日本協会 講演 協会の歴史と役割について 質疑応答 17:30 ○ 研修成果のまとめ 10/3 ロンドン 午前 (水) ⑬ ブリトンズ アカデミー中学校 訪問 学校概要説明 授業参観 質疑応答 生徒との懇談 13:15 ⑭ ハバリング地区教育委員会 訪問 地区のICTに関する取組の説明 質疑応答 16:00 ⑮ ハバリング地区ICTリーダー会議 出席 川井一代指導教諭模擬授業実施 高橋純シニアアドバイザーによる「日本の小学校 におけるICT教育の実情」の説明 10/4 ロンドン発 10:20 ○ 移動(飛行機 (木) 10/5 (金) 約3時間) ○ ヘルシンキ経由成田へ(飛行機 成田着 9:00 ○ 到着後入国審査 10:30 ○ 派遣団解散 - 63 - 等 約10時間) 2 行程図 (1)フィンランド (2)イギリス 【9月24日(月)~9月29日(土)】 【9月29日(土)~10月5日(金)】 - 64 - Ⅹ あとがき H-1団 副団長 堀之内尚郎 まずは、このような貴重な研修の機会を与えていただいた独立行政法人教員研修センタ ー並びに、本調査研究の実施にあたり、事前の日程調整から、当日の指導助言まで、適切 な指導をしていただいたシニアアドバイザーの富山大学准教授高橋純先生、現地でお世話 いただいた各学校、教育機関の関係者、添乗員の日本旅行高尾誠様、現地通訳の方々をは じめ、関係者の皆様に団員一同心から感謝申し上げます。 今回のH-1団の研究テーマである「学校教育の情報化」は、今後、日本の教育現場に おける学校運営や教科指導において、欠くことのできない重要な課題となっており、世界 の中で、最も進んだ取組を行っているフィンランドとイギリスにおいて、12日間15か所を 訪問し、ICT活用が、実際にどのように行われているかを調査できたことは、誠に貴重な 研修の機会となりました。 研修にあたって、シニアアドバイザーの高橋先生から、「今回の研修の目的は、日本の 教育制度が海外に比べて劣っているということではなく、これまでの長い歴史の中で積み 重ねられた日本の教育制度に、海外の優れた仕組みや実践をいかに取り入れるかという視 点で、研修を進めてほしい。」との言葉をいただきました。すべての団員が、あらためて 日本の教育制度に自信と誇りを持つとともに、取り入れるとすれば、何をどのように取り 入れるべきかとの共通の視点で調査を進めることができました。 特に、フィンランドトゥルク市のヴァハ ヘイッキラ学校では、机は日本と同じ一斉に 黒板を向く形態で、教科書や資料をプロジェクタに大きく映しながら、先生の発問に子ど もたちが応えていくという形式で、教員は、投影した教材などについて、教育的な意図を 持って焦点化するなど、効率的でわかりやすい授業が展開されており、今後の日本の教科 指導が進むべき方向性を拝見させていただいたのではないかと考えております。 今回の研修はこれまでに例のない、12日間で2か国15か所の研修となり、団員の健康管 理などを含め、すべての日程を終了することができるのか不安もありましたが、全員体調 を崩すことなく、結果的に多くの調査を行うことができました。参加した団員の研修に対 する使命感や責任感の強さにあらためて敬意を表すとともに、ここにその研修成果として とりまとめられた報告書が、各地域における学校教育の情報化の推進・充実に役立つこと を心から願っております。 - 65 - 資料編 資料1 【 ト ッ プ セ ン タ ー ( TOP-Keskus)】 ○ 資料2 資料3 ・・・・・・・・・・1 ICT教 育 利 用 計 画 書 (2012-2016) 【 フ ィ ン ラ ン ド 国 家 教 育 委 員 会 ( 国 立 教 育 研 究 所 )】・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ 6 ○ フィンランドの学校インフラに関する事業 ○ 国 家 教 育 委 員 会 ( FNBE) の ICT業 務 ○ 市販デジタル教材 【 国 立 コ ン ピ ュ ー タ 教 育 指 導 者 協 会 ( Naace)】 ○ ICTフ レ ー ム ワ ー ク ○ ICTフ レ ー ム ワ ー ク の 5 分 野 ・・・・・・・・・・8 ・初期基礎段階において ・小中学校において ・高校において ○ 資料4 【スカーギル小学校】 ○ 資料5 資料6 ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ 13 指導案・年間指導計画 【ブリトンズアカデミー中学校】 ○ 校内掲示物 ○ 携帯機器規定 【ハバリング地区教育委員会】 ○ 資料7 デジタルリテラシー ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ 16 ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ 21 自 己 評 価 フ レ ー ム ワ ー ク と ICTマ ー ク 【英国日本協会】 ○ 英国日本協会とは ○ ジャパン・イギリスライブ ○ 日英学校間交流 ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ 22 資料1 ICT(情報通信技術)教育利用計画書 2012 – 2016 教育オンラインサービスおよびソフトウェア 教 育 オ ン ライ ン サ ービ ス の 技術 的 実 装と ワ ーク ス テ ー ショ ン の ソフ ト ウ ェア の イ ンス ト ー ル は IT事 業 部 が担 当 す る 。教 育 で 使用 さ れる ソ フ ト ウェ ア や サー ビ ス の一 部 は 基本 維 持 費 に 含ま れ て いる が 、 教育 局 の 費用 負 担に よ る も のも 一 部 にあ る 。 シス テ ム は IT 事 業 部 に よる 管 理 だが 、 多 くの シ ス テム の 所有 権 は ユ ーザ ー 、 すな わ ち 教育 局 に あ り 、 教 育 オ ン ライ ン サ ービ ス に つい て は 主に TOPセ ン タ ー 、 ワー ク ス テー シ ョ ンの ソ フ トウ ェ ア に つ いて は 教 育機 関 に ある 。 教育オンラインサービスとソフトウェア edu.turku.fi ブログサービス Moodle 学習プラットフォー ム ホームページ 公開スペース 教育オンライン上の Digi-tv 電子教材 Wilma (ヴィルマ) 教員と生徒の 電子メール ソフトウェア -1- ICT(情報通信技術)教育利用計画書 2012 – 2016 認証 ログインを要求する教育サービスへは、教育のOPAS(オパス)IDでログ インする。IDは、基礎学校の生徒に対してはすでに入学申し込みの際に 作成する。また、高校や職業教育機関でも、IDは教育課程の始めから使 用されている。幼児教育および基礎教育の1~2年生では、共用IDを使用しても よいが、少なくとも3年生には個人IDの使用を開始する。ログインを要求する教 育サービスのうち、電子メールとそのアドオン、学習プラットフォーム、電子教材は小学校のう ちに使用を開始する。 教育サービスには、2011年に基礎教育、高校、職業教育機関の学生および教員向けにユ ーザーIDとパスワードの一元管理("Econ")が導入されており、同じIDとパスワードの組み 合わせでさまざまな学習サービスやアプリケーションにアクセスできる。幼児教育職員および幼 児の(共通IDによる)システムへの大規模な増加は、生徒管理システムが異なるためまだ実施さ れていない。 Edu.turku.fi 教 育 オ ン ラ イ ン サ ー ビ ス の ポ ー タ ル サ イ ト edu.turku.fi( 旧 tkukoulu.fi))は、教育オンラインサービスへのパスであり、教育機関 ではトップページとして機能するよう設計されている。下記に別途一覧 にしたサービスのほかに、ウェブサイトと連動したLinkkiVinkki( リ ンッキ・ヴィンッキ) ラ イ ブ ラ リ や 、 画 像 や 動 画 を 含 む Koulun kokoelmahuone( コ ウ ル ン ・ コ コ エ ル マ フ オ ネ ) が あ る 。 ウ ェ ブ サ イ ト は TOPセンターが運営している。 教育局の行政サイトは、ウェブサイトwww.turku.fiにある。また、職員の間ではイントラ ネットサービスのNeTkuが使用されている。 電子教材 教育局では、教育機関で使用するさまざまな電子教材を幅広く調達して いる。調達の一元化は、教育において可能な限り幅広く電子教材が使用 できるようにすることを目的としている。現在、その範囲は基礎教育に 著しく集中している。これは財源上の制限だけではなく市場の状況によ るものであり、後期中等教育や幼児教育向けの製品はそれらよりはるか に少ない。教材へは、主に教育のOPAS- IDか、別途ログインすることな く、直接教育オンラインからアクセスできる。教材は、生徒や教員の自宅からも使用できるもの が大半である。 www.//edu.turku.fi/oppimateriaalit -2- ICT(情報通信技術)教育利用計画書 2012 – 2016 また、地域的に調達した電子教材も複数の部門にある。 幼児教育のMollaプロジェクトでは、電子教材が一つの開発領域となっている。 学習プラットフォーム 教育局では学習プラットフォームを使用している。現在使用されているのはMoodleで、基礎教育、 高校、後期中等職業教育、成人教育、教員用にそれぞれ独自のものがある。学習プラットフォー ムは、今後調達する電子教材への最初のパスともなる。 http://moodle.edu.turku.fi/ IPTV 教育オンラインのデジタルTVサービスは、Kopiosto(コピオスト)と教育文化省間の契約、およ び適用法によって許容される限度内で、基礎学校、高校、職業教育機関で使用されている。サー ビスは、生放送も録画番組も対象とする。一時的保存のほか、より恒常的なアーカイブサービス (2年または永久)も使用されており、教材センターが管理している。 http://iptv.eciu.turku.fi/ ブログサービス 教育のWebサーバーには、地域的にWord Pressシステムがインストールされており、全教員が自 分のブログを設置できる。ブログサービスは、プロジェクトや学校のウェブサイトのプラットフ ォームとしても使用できる。 http://blog.edu.turku.fi/ ホームページ公開スペース 教員は、教育Webサーバーusers.edu.turku.fiにホームページ公開スペース を保有している。サーバーで公開されるページは教育に関するものでなけ ればならず、広告などは許可されない。 学校および保育園には、Webサーバーinfo.edu.turku.fiに、独自のウェブ サイト作成のための公開スペースがある。また、さまざまなプロジェクト等で、このサーバーか ら公開スペースを取得できる。部門独自のウェブサイト設置は任意だが、ウェブサイトを作成す る場合は、最新の内容に保たなければならない。 全部門の公式の連絡先カードは、市および市政の通信を担当するウェブサイト、turku.fiにある。 教員と生徒の電子メール 教員は他の市職員と同様、turku.fiの電子メールを使用する。学生は、マイクロソ フトのLiveサービスのSkyDrive(オンラインストレージスペース)およびOffice Web Apps(クラウドサービスとして提供されるOfficeのライトバージョン)も含む、 edu.turku.fiの電子メールを使用している。前述のサービスは、利用可能となり次 第、Office 365サービスに置き換える。 -3- ICT(情報通信技術)教育利用計画書 2012 – 2016 Wilma Wilma(ヴィルマ)は、基礎教育および後期中等教育の生徒管理システム、MultiPrimus(ムルテ ィプリムス)の教員、保護者、学生向けWebユーザーインターフェースである。これは評点や学習 計画のほか、学校と家庭、および学校と学生間の連絡にも使用される。 2011年9月23日付教育局長決定により、Wilmaは遅くとも基礎教育の5年生から生徒が使用する。1 ~5年生のいつから使用を開始するかは校長が決定する。 ソフトウェア ワークステーションの基本インストールには、さまざまなユーティリティが幅広くある。これら の一覧はhttp://edu.turku.fi/tvtにある。また、コンピューターには教育機関が個別に調達し たソフトウェアがインストールされている。ソフトウェアが有償の場合、通常その費用は教育機 関が負担するが、ソフトウェアが基本維持費に含まれるか、市政で一元的に調達したソフトウェ アの場合はその限りではない。 教 員 が 教 育 で 必 要 と す る ソ フ ト ウ ェ ア は 、 IT事 業 部 の サ ー ビ ス デ ス ク が そ の 教 員 の コンピューターにインストールする。ただし、許諾には問題がないものとする(オ ープンライセンスまたは購入済み有償許諾)。何らかの理由でソフトウェアのイン ス ト ー ル に 問 題 が あ る 場 合 、 IT事 業 部 は 、 問 題 解 決 の た め TOPセ ン タ ー ま た は 教 育 局 の 教 育 ICTグ ル ー プ に 連 絡 を と る 。 基 本 的 な 考 え 方 と し て は 、 教 育 機 器 の ソ フ ト ウェアの必要性は、教育によって決定される。教員が業務で必要なソフトウェアの すべてを使用しており、機器投資が最も効率よく活用されていることが目標である。 開発項目 教育ネットワークサービスの新規調達の際は、教育ネットワークを介したログインが基準となる。 また、学生が自宅からもすべての教育サービスにアクセスできるようになることが目標である。 学生の自宅利用が可能になることにより、利用効率や、教職員が自宅から教育を準備できる可能 性が向上する。教育利用には、おもにWebを媒介して作動するソフトウェアを調達する。 教育分野における電子教材の利用は計画的に増加させていく。基礎教材の可用性は一元調達によ り改善し、限定的な個別調達によってそれらを補完する。教育では、ネット上で多数提供されて いる無償の教材も活用する。教材のリンクはLinkkiVinkkiサービスに集められている。 長期的目標は、全科目・分野およびさまざまな学年を網羅する、時代に即した電子教材の総体を 達成することである。既製の教材は、質が高く、現在の学習理解に即したものを調達しなければ ならない。それを、独自に作成した資料とフレキシブルに関連付ければよい。 -4- ICT(情報通信技術)教育利用計画書 2012 – 2016 教材は、使用されている学習プラットフォームと連動して機能する。タブレット機器における電 子教材の機能性にはまだ不備があるが、それには注目するに足る理由がある。調達した教材に職 員が慣れれば、利用率は初めから可能な限り高くなる。 既製の教材だけでなく、教員自身が作成した電子教材の必要性は保たれる。ソーシャルメ ディアの時代において最も自然なのは、コミュニティツール(例:Wiki)や共同作業の状 況(ワークショップ)、またそれらの組み合わせを活用することである。ツール はま た 、 自己の教育準備や共同計画に使用される。ソーシャルメディアツールは、特にWiki、ブロ グ、マインドマップ、共有ドキュメントといった学生の作業にも非常に適している。研修 によって教員がこれらのツールに習熟し、強力に活用できるようにする。また、地域的に 必要なサービスの実施にも努め、外部サービスへの登録に関連するデータ保護や年齢制限の問題 を回避する。 公的助成で作成された教材は、オープンなWebサーバー、または学習プラットフォームで全員に オープンな領域を使用することにより、全員が使用できるようにする。それは同時に事業の開放 性を向上させ、トゥルク教育部門のパブリックイメージを向上させる。著作権をめぐる問題を明 確にするため、プロジェクト従事者が作成した教材については、譲渡合意書を作成する(ひな型 は付録5を参照)。 使用している電子教材の質や量は定期的に評価する。数的追跡はTOPセンターが実施し、質はア ンケート手法で調査する。 要約 調達を要する教育ネットワークサービスへは教育IDでログインする。 全科目・分野、さまざまな学年を網羅した、時代に即した電子教材の総体を構築する。 電子教材は学習プラットフォームと連動して機能する。学生や教員は、自宅からでも資料 を使って作業できる可能性を持つ。 職員は、調達した電子教材に習熟する。 ネット上の無償教材は効果的に活用する。 共同でソーシャルメディアツールの活用に力を入れる。教員は教材の準備や業務計画に、 学生は学業においてツールを活用する。 ニーズに応じて、ソーシャルメディアのサービスを地域的にも実施する。 公的助成で作成された教材は、学習プラットフォームのオープン部分やWebサーバーによ って全員が使用できるようにする。 使用している教材の質と量を計画的に評価する。 -5- 資料2 フィンランド フィンランド 国立教育研究所 国立教育研究所 フィンランドの学校インフラに関する事実 設備 小中一貫学校:1~6 学年では生徒 6 人に対してコンピュータ 1 台、7~9 学年では生徒 5 人に対してコンピュータ 1 台 高等学校:生徒 4 人に対してコンピュータ 1 台 接続 小中一貫学校:50%の学校に 30Mbps 以上のブロードバンド接 続が備わっている 高等学校:70%の学校に 30Mbps 以上のブロードバンド接続が 備わっている 学習と能力向上のために フィンランド 国立教育研究所 バーチャル学習環境 小中一貫学校の 1~6 学年、76% 小中一貫学校の 7~9 学年、90% 高等学校、95% 電子白板(IWB) 小中一貫学校の 1~6 学年、生徒 100 人に対して 0.8 枚の IWB 小中一貫学校の 7~9 学年、生徒 100 人に対して 1.6 枚の IWB 高等学校、生徒 100 人に対して 1.6 枚の IWB フィンランドの学校での VIE、IWB、コンピュータの使用率はあま り高くない 学習と能力向上のために -6- フィンランド 国立教育研究所 FNBE の ICT 業務 学習環境パイロット(ICT の革新的使用、毎年 30~40 の新たなプ ロジェクト)の支援 コンピュータ購入のサポート(~2007 年、および 2011~2012 年)。 小規模セクタのデジタル学習資料 Linkkiapaja と呼ばれる、フィンランドの無料のデジタルコンテン ツの検索エンジン。現在 3,500~4,000 項目が利用可能 教師の実地訓練の資金援助。今のところ注目されていないが、ICT のコースもある 教育ポータル www.edu.fi 学習と能力向上のために フィンランド 国立教育研究所 市販デジタル学習教材 フィンランド語の二大出版社、Otava と WSOY スウェーデン語の一社 中小企業数社 20,000~30,000 品目が入手可能だが、学校での使用率はあま り高くない。 Kasallinen tieto-ja viestintatekniikan opetuskayton suunnitelma(情報・コミュニケーション技術の教育的使用に関 する国家計画) http://www.edu.fi/download/135308_TVT_opetuskayton_suunn itelma_Eng.pdf 学習と能力向上のために -7- デジタルリ テラシー プログラミングなど スキル -8- 技術理解 コンピュータサイエンスなど デジタルウ ィズダム 安全で責任のある 使用 世界における 技術 第三ミレニアム学習 フレームワークの各分野では、 様々なツールやその背後にあ る技術、並びにその進歩や影 響について学習する。 文化、教育学、ツール、高 次思考能力の開発s 第三ミレニアム学習 知識、スキル、理 解の分野(案) 知識の拠点 Naace ICT フレームワーク 資料3 -9- スキル 世界におけ る技術 技術理解 技術 (コンピュータ、および コンピュータ内蔵装置) 情報(データ)記憶技術 プログラムとプログラミング ネットワークとワールドワイ ドウェブ 技術の進歩 環境問題 健康と安全 情報の共有とデータセーフティー 情報とデータの所有権 技術の認識 技術が家庭、学校、職場で どのように役立つか ウェブページの特徴の 基本 ウェブペ-ジの操作 技術が人々の生活や世界 をどのように変化させてき たか 安全で責任感 のある使用 オンライン・オフラインでの デジタルコミュニケーション 情報の共有 メディアの作成 コントロール 実社会データの収集 問題解決 スキルを伝授する自信と能 力の開発 敬意と礼儀 責任感のある使用 オンラインセーフティー オフラインセーフティー オンラインID 情報発見 学習補助に ICTを使用 コンテンツの作成と共有 ゲーム ICTの生活への影響 デジタル リテラシー 初期基礎段階 Naace ICT フレームワークの5分野 - 10 - スキル 世界におけ る技術 技術理解 技術 (コンピュータ、およびコン ピュータ内蔵装置) 情報/データ記憶 シーケンス(アルゴリズム) プログラムとプログラミング ゲーム・アプリの作成 ネットワーク、インターネットおよ びワールドワイドウェブ 技術、コンピュータおよびコンピ ューティングの進歩 環境問題 健康と安全 情報の共有とデータセーフティー 情報とデータの所有権 協調 コミュニケーション ウェブデザイン 創造産業(メディア・ゲーム制 作など) 電子商取引 ICT専門職 他の職業でのICTの使用 技術の進歩と影響 安全で責任感 のある使用 オンライン・オフラインでのデジ タルコミュニケーション 情報の共有(プレゼンテーショ ンなど) メディアの作成、編集 シミュレーション モデリング コントロール プログラミング 実社会データの収集、分析、評 価(データロギングなど) 問題解決 技術伝授能力 敬意と礼儀 責任感のある使用 オンラインセーフティー オフラインセーフティー オンラインID ソーシャルネットワーキング コンテンツの作成と共有 ゲーム 学習および情報の発見、検 索、認証のためのICTの使用 ICTの社会に対する影響 (ICT進歩の範囲、規模、性質 など) デジタル リテラシー 小中学校 Naace ICT フレームワークの5分野 - 11 - スキル 世界におけ る技術 環境問題 技術理解 電子機器 ネットワーク データ記憶 プログラミング アルゴリズム ゲーム・アプリの作成 ICTシステムのライフサイクル システムデザイン ユーザー中心のデザイン 内蔵システム 業界基準 データの構成とデータ基準 コンピューティングの進歩と影 響 法的問題/法律 著作権 データ保護 ハッキング ビジネスソフトウェア 産業界での問題解決のための プログラミングの利用 伝授可能な技術 協調 コミュニケーション ウェブデザイン 創造産業(メディア・ゲーム制作 など) 電子商取引 職業関連学習/訓練 ICT専門職 ITC関連職 作業手順/ツールの進歩と影響 安全で責任感 のある使用 デジタルコミュニケーション オンラインコミュニケーション メディアの作成 メディアの編集 モデリング―CAD モデリング―ゲーム モデリング―表計算 コントロール、データロギング、 プログラミング 問題解決 敬意と礼儀 責任感のある使用 オンラインセーフティー オフラインセーフティー オンラインID ソーシャルネットワーキング デジタルコミュニケーション コンテンツの作成と共有 ゲーム 学習および情報の発見、検索、 認証のためのICTの使用 ICTの社会に対する影響 (ICT進歩の範囲、規模、性質な ど) デジタル リテラシー 高校 Naace ICT フレームワークの5分野 - 12 - 協調 電子的安全性 創造力 機能的スキル 批判的思考と評 価 デジタルリテラシー 効果的なコミュニケ ーション 情報の発見、選 択能力 文化的、社会的 理解 デジタルリテラシー - 13 - 評価 月曜日 ダグラス先生 児童は座席に着かせる。残 りの時間は私の授業につい てくるように言う。児童が ついてくるのが難しくなっ たらペースを下げる。10 の 位の四捨五入を解くときに 「その数字はどの 2 つの 10 の倍数にはさまれているで しょう?(例えば、16 は 10 と 20 にはさまれている)」 と尋ねる。児童が理解でき るように、黒板に線を引き、 2 つの 10 の倍数を線で分割 する。 様々な数字で繰り返す(5 を含む数字を使用する)。 児童に自信がついたら 1000 の位の四捨五入に進む。必 要なら、学習と理解を助け る た めに 数 直 線 を 使 用す る。 週間算数計画 メンタルウォームアップ 開始活動 数字を 10 の位、100 の位、 1000 の位に四捨五入できる か?児童をカーペットのと ころに連れて行き、「四捨 五入ってどういう意味でし ょう?」と尋ねる。話し合 ってから、電子白板に 72 を 表示させる。 児童はこの数字を 10 の位 に四捨五入する。答えを言 う 。 「ど う や っ て 解 いた の?」と尋ねる。それから 「100 の位に四捨五入する とどうなるかな?」と尋ね る。 LA 児童は問題を終わらせる。 残りの児童には 324÷5 を見せ、自分の白板 上で解かせる。児童に「余りはでますか? 分 数で 答 え ら れ ま す か ? 答 え は 何 で す か?」と尋ねる。先生は児童の方法をまね て、分数の解答を示す。別の幾つかの数字 でやってみる。 MA 児童は問題を終わらせる。 HA 児童は分数を終わらせる。 6 年生 クーパー先生 宿題 LI 教育インプット 書くこ 児童をカーペットに座らせ、今日は割り算 (÷)を勉強すると伝える。 「この記号(÷) とによ はどういう意味でしょう?同じ意味の言葉 る割り は他にありますか?」と尋ねる。「割り算 算を使 についてどんな点を学びたいですか?」と える 尋ねる。教師は、将来の参考にこれを黒板 か? に書く。 教師は黒板に 426÷2 と書く。児童は自分の 白板上でこれを解く。教師は「どうやって 解いたの?どんな方法を使ったの?」と尋 ねる。児童は使用した方法を答える。-教 師はそれを自分の白板に表示させる。必要 なら繰り返す。236÷2 を児童の解答用に表 示させる。「どうやって解いたの?どんな 方法を使ったの?」と尋ねる。153÷3 でも う一度やってみる。児童は白板上で解き、 必要なら電子白板に正しい解法を書き写 す。 ダグラス先生 もし、グループとして解けない問題があっ たら座席に戻って似たような問題を解いて ください。(すべての桁が割り切れる問題 (最初の例)を数問と、真ん中の数字の余 り 1 が次の桁に繰り越される問題を数問)。 児童が理解できたら、カーペットに戻る。 425÷2 を児童に解かせる。「答えは整数で すか?残りはどうしますか?これを何と言 いますか?」と尋ねる。話し合う。 秋季 ミニ討論会 黒板にレベル 3 試験問題を示す。 それを児童に読み、「どうすれば 解けますか」と尋ねる。一緒に考 え、関連する質問を尋ねる。別の 文章題を出題する。 ダグラス先生 最初の答えをグループとして出 す。児童に「この答えをさらにど うしたらいいですか?どうすれば いいですか?」と尋ねる。個々の 生徒は各ステップを説明する。児 童全員が説明し終わったら、残り の解答を生徒自身が解く。助けが 必要な児童には、一対一で援助す る。助けが必要な児童が複数いる なら、グループとして援助する。 一定の段階で児童を止めて、「ど のように解いたらいいのでしょう か?どんなステップが必要です か?余りがある場合にはどうした らいいですか?」と尋ねる。 SEN/LA MA LA1: MA 割り算の解答と余りを児童に教え 児童は Target る。解答は 2、3、5 で割り切れる。 Maths Y6 、 10 ページ、セクシ LA2: ョン C を終わ Target Maths Y6、6 ページ、セク らせる。 ション A から、余りを伴う解答と 余りを伴わない解答を児童に教 合格基準 正解を出せる。 える。 整数の割り算 ができる。 合格基準 正解を出せる。 余りを出せる。 整数の割り算ができる。 分数で解答で 余りを出せる。 きる。 W/C 2012 年 9 月 24 日 他の問題も考え る(問題の一つ は、四捨五入が 必要なものとす る)。 児童はペアにな り答えを考え る。一定の時間 が経過したら、 児童が解答する に必要なことに ついて話し合 う。 討論会 児童全員を集め て「どこが簡単 でしたか?どこ が難しかったで すか?」と尋ね る。 話し合ってか ら、「リストか ら削除したいも 合格基準 正 解を 出 せ の が あ り ま す か?リストに加 る。 整 数 の 割 り えたいものがあ 算ができる。 りますか?」と 余 り を 出 せ 尋ねる。 る。 分 数 で 解 答 電子白板にレベ ル 4 の問題を表 できる。 分 数 の 割 り 示す。(試験レ 算ができる。 ベルのもの) HA, G&T MA 児 童 は Target Maths Y6、 10 ペ ー ジ、セクショ ン B を終わら せる。 資料4 - 14 - 詩―想像 映画の物語―ピアノ 物語―タイムスリップ 英語 説明 台本朗読 広告&投書 60 年代の作品のプロモーション広告に関す るアイデアが思い浮かぶか? 60 年代の作品の広告を作れるか? 演劇 難しい役柄を演じることができるか? 登場人物の役割を演じることができるか? 一人芝居とは何かを説明できるか? 一人芝居を演じることができるか? 60 年代の作品の広告について説明できるか? 織物 様々な生地について説明し特定できるか? 様々な生地の型を取ることができるか? 型を重ねることができるか? 様々な生地でコラージュを作れるか? アンディ・ウォーホルの作品を研究できるか? アンディ・ウォーホルのスタイルでスケッチできる か? 季節に合わせた織物ができるか? 自分のラグを作れるか? ろう染めを試せるか? ソフトスカルプチャーを作れるか? 芸術 歴史 1948 年以降の英国 1948 以降、英国で生じてきた変化について説明できる か? これらの出来事を年表に示せるか? 1948 以降の生活を調べるのに使用できる資料を見定め られるか? 1948 年以降の 10 年毎に生じた変化を調査できるか? 当時と現在の子供の生活の類似点/相違点について説明 できるか? スカーギル中学校の変遷について説明できるか? 1948 年以降、英国の人口がどう変化したかを説明でき るか? 1948 年以降、ライフスタイルがどう変化したかを説明 できるか? 1948 年以降、ファッション、音楽、テクノロジーにど んな変化が生じてきたかを調査できるか? デザイン技術 楽器 異なる音の出し方を探究できるか? 既存の楽器を評価できるか? 様々な音を出せる楽器を作るために様々な材 料を使えるか? 自分の楽器のデザインの簡単な説明を完成さ せることができるか? 自分の楽器として様々なデザインをスケッチ できるか? 自分の楽器を作るために使用するのに適切な 材料を選択できるか? 自分の楽器を作れるか? 高品質の製品を作るために自分のデザインに 適切な変更を加えることができるか? 自分や他人の楽器を評価できるか? バッジを付けた自画像 ピーター・ブレーク 1961 年 高等学校 一学年一学期 地理 環境の持続可能性 地元の問題に関するインタビューを行えるか? 環境と人々に対する影響を確認するために現場訪 問を行えるか? 訪問講演者に対して賢明な質問ができるか? 地域の物理的特性および人間特性がこの問題にど のような影響を与えている可能性があるかを理解 しているか? この問題に関して様々な人々の意見を理解してい るか? 所見を適切に述べ、問題の解決方法を提案できる か? 科学 我々は広告業者である。 既存の広告を調査、評価できるか? 広告を効果的にするのに何ができるかを理解してい るか? チーム内で役割を割り当てることができるか? 自分の広告計画を立てることができるか? 広告を撮影できるか? 広告にバックグラウンドミュージックや音響効果を 付けることができるか? 広告を編集できるか? 自分や他人の広告を評価できるか? ICT 我々は環境保護主義者である。 シミュレーション・ソフトウェアに精通できるか? シミュレーション・ソフトウェアに精通し続けること ができるか? 自分の疑問を調査できるか? 自分のビデオを記録し、ナレーションできるか? 自分のビデオをアップロードし、ディスカッションフ ォーラムにリンクさせることができるか? 音の変化 音がどのようにできるかを特定できるか? 音が出るとき、何かが振動していることを理解している か? 音が個体、液体、気体中を進むことを理解しているか? 音量を減らす素材を調査できるか? 音程を理解しているか? 何が音程に影響を与えるかを調査できるか? ライフサイクル 植物の繁殖部分を特定できるか? 顕花植物のライフサイクルを理解しているか? 種子の飛散を理解しているか? 受粉を理解しているか? 発芽を理解しているか? 人間のライフサイクルを理解しているか? - 15 - 四則、桁値、比率と比例、形状、割合、データ処理、分数、 小数、度量衡、倍増率、および数学の使用と応用。 数学 すべての ICT 機器を他のカリキュラムに使用できる か? ICT(その 2) ダンス―シティライフ 様々なムードや感情を表現したり伝えることができる か? ダンスを練習し、磨きをかけることができるか? 演技を改善するための意見が言えるか? 体育(屋内) 手足の機能的使用 様々な移動、跳躍を試せるか? 押し、引きの動作で機能は改善されるか? バランスを試すために器具を使用できるか? 上下運動で移動できるか? 一連の上下運動を考え出せるか? 手や他の体部で器具を握る他の方法を試せるか? 跳躍やバランスと回転運動を組み合わせて一連の運動 を作れるか? 器具を使った自分の運動を作れるか? ホッケー コントロールパス、レシーブ、シュート、ドリ ブル技術を駆使できるか? ミニゲームができるか? ボールパスのタイミングや方法を効果的に選 択できるか? ボールをキープできるか? 様々なポジションを理解しているか? 攻撃、防御技術を駆使できるか? チームの一番良い点を説明し、改善方法を提案 できるか? 体育(屋外) フランス語 薬物の使用と誤用 メディアが麻薬をどのように描写している かを理解しているか? 合法的ドラッグと違法ドラッグとの違いを 調査できるか? タバコの影響と危険を理解しているか? 麻薬の影響と危険を理解しているか? 周りの圧力と決定を調査できるか? 人々には選択肢があることを理解している か? PSHEE バッジを付けた自画像 高等学校 一学年一学期 Scene of Plage (海辺の景色) 今までの知識で新たな単語の意味を特定できるか? 動作やパントマイムで単語を覚えられるか? 簡単な文章の書き方が分かるか? フランスの海辺の特徴を知っているか? フランス語の詩が作れるか? フランス語の詩を朗読できるか? En route I’ecole (学校に行く途中) アルファベット文字と地元の幾つかの地名を特定し、 発音できるか? 登校中の類似点と相違点を特定できるか? 見本にならって単語、句、文を書けるか? 繰り返しや言い直しをお願いできるか? 登校に関するプレゼンテーションを作れるか? 宗教 スターズ・ホールド・ユア・ファイアーズ―共演― y5 曲の演奏 ジャーニー・イントゥー・スペース(y6、y5、夏季) 音がテクスチャーを作りだせることを理解してい るか? 音のコントラストを見極められるか? ムードを作り出すために音の高低を付ける方法を 調査できるか? 意図した効果を生み出すために音を注意深く選ぶ ことができるか? ある絵画のサウンドスケープを作ることができる か? ある絵画を見て作曲できるか? 自分の曲を録音 検討できるか? 無声映画 意味を伝えるためにテンポと音程をどのように変 化させられるかを理解しているか? 音を表す記号を作れるか? 無声映画のサウンドトラックを演奏できるか? 演劇のサウンドトラックを作曲できるか? 他人の作品を評価できるか? 自分のグループと共演できるか? 無声映画の台本を作れるか? 無声映画のサウンドトラックを作れるか? 自分のサウンドトラックと映画を録画できるか? 自分の無声映画を編集できるか? 音楽 コンビーフ・フリッター レシピーを読めるか? レシピーのとおりに料理できるか? 理料 イースターとイエスの生涯 キリスト教におけるイエスの重要性を理解している か? イースターの形成における「枝の主日」の意義を理 解しているか? 最後の晩餐のような特別な行事におけるシンボルや 儀式を知っているか? クリスチャンにとって聖金曜日の意義を理解してい るか? キリストの復活の主な出来事を述べることができる か? キリストの昇天以降どのようにキリスト教が始まっ たかを説明できるか? 資料5 ブリトンズアカデミー 教 育 と 学 習 憲章 計 画 以下を確認するため、授業前には必ず計画を立てる。 生徒が学習すべき点を明確に理解している。 合意された教育計画に沿って授業を行う。 全生徒が計画上の目標を達成できるように適切なレベ ルで授業を行う。 生徒の学習スタイルや能力に関係なく、全生徒の必要に 合った授業を行う。 各授業は開始部分、主活動、および討論会を含む。 授業には適宜、個人による調査、創造的思考、内省的学 習、チーム作業、自己管理、効果的な参加といった SEAL (社会的感情的側面の学習)の様々な面を取り入れる。 授業では、生徒が参加できるよう ICT 要素を活用する。 授業では識字能力に関する学校全体の努力を支援する。 宿題は学校の方針に従って出され、採点され、授業中に生徒のシステム管理ソフトに記入される。 教え方 各授業に必要な教材は事前に準備する。これには、基本 的な装備品一式を持参していない生徒のための準備も 含まれる。 すべての授業には目標と学習の目的があり、それらを生 徒と共有する。 すべての授業には、生徒参加の授業開始部分がある。 授業の主活動部分は通常幾つかの細かいステップに分 かれており、各ステップを滞りなく完了させる。 双方向的な教育法方法を採用する。教師は教室内を移 動し、生徒の学習を支援する。 すべての授業の終了時に、学習した点を復習し、次の 授業で学ぶ点を指摘したり次のステップに進むよう学 習者を励ますための討論会を実施する。 学習の評価 話し合いを刺激し、生徒に参加させ、学習を評価する ために、授業全体にわたり質問を巧みに用いる。 全生徒の成績評価は学校の成績方針(努力、達成、目 標―EAT)に従って行う。 全生徒の学力は学校の方針に従って評価し、 どうすれば 次のレベルもしくは評点に進めるかを生徒が理解でき るよう適切なフィードバックを行う。 教師は学習目的や様々な学習結果を参考にして、各授業 の理解と習熟度を巧みに試さなければならない。 行状 毎回の授業で生徒の出席を記録し、欠席を確認し、合意 された学校手順に従ってフォローアップする。 すべての授業で座席計画を実施する。複数の教室を使用 する教員は、その教室を主に使用する教師が定めた室内 レイアウトに従うが、その教師と相談の上レイアウトを 変更できる。 生徒に優れた成績、努力もしくは改善が見られたなら ば報奨を与える。 全生徒は、きちんと正しい制服を身に着けて教室を出 る。 教師は成績評価方針に関して、生徒学習憲章を適宜参 照しなければならない。 行状に関する方針は、すべての人が互いに敬意を示す 協力的な環境を目指すものでなければならない。 環境 各教室には、生徒の親しみ深い成績評価表、格言や教室 の規則など、最新の内容を展示しなければならない。ま た、生徒の優秀作品や次のレベルに進む方法なども展示 しなければならない。 教室は明るく、清潔で整理整頓されていなければなら ず、生徒学習憲章や賞、基準、罰、評価のポスターが 見やすい場所に展示されていなければならない。 - 16 - ブリトンズアカデミー 携帯機器規定 背景 個人および学校の携帯機器は、担任教師の指示に従い、教育および学習目的でのみ使用できる。この規定は携帯 機器の取扱いおよび使用のあらゆる面を包含する。アカデミーの利用規定(AUP)も適用される。学校の利用規 定は学校が提供するすべての機器、すべての個人機器、および学校が提供するすべてのインターネット接続に適 用される。生徒は、AUP が、家庭や学校を問わずあらゆる場所での電子携帯機器の使用に適用されることを銘記 すべきである。 一般方針 親/保護者からの文書による通知がない限り、全生徒は電子的資料にアクセスできる。 学校の利用規定は使用時間や使用場所を問わずすべての携帯機器に適用される。 学校提供の携帯機器 所有権と管理-学校の機器 学校の所有物である各電子携帯機器は大切に使用しなければならない。生徒は、損害が生じた際にはその補償の 責任を負う(技術者の作業時間に対する支払を含む)。 学校の携帯機器に関し、生徒は教員の指示なく、以下の行為を行ってはならない。 方法を問わずハードウェアを改造する 機器にシールや装飾を施す 別の生徒と機器を交換する 上記機器を廃棄もしくは販売する アプリケーションを追加もしくは削除する 機器上に iTune 等のアカウントなどを作成する 環境設定、特にネットワーク環境を変更する 別のコンピュータ上で機器を削除する 機器を学校外のコンピュータと同期させる ブラウザの履歴を消去すること。 機器の利用パスワードを変更もしくは無効化すること。 学校は校内のバックアップおよび同期設備を提供し、生徒は自分の機器をバックアップするために同期すること ができる。 - 17 - アプリケーション 学校により認可された、もしくは職員の指示によるアプリケーションのみ使用できる。学校は、教育的価値のあ るアプリケーションのみサポートする。 家庭での使用 両親が携帯機器同意用紙を完全に記入した場合、その生徒に対し、機器を自宅に持ち帰ることが許可される場合 がある。 注)上記の許可は、何時であれ学校により取り消される場合がある。 学校のアプリケーションに対する損害 時折、使用者の責によらず電子携帯機器に突発的な問題が生じることがある(コンピュータ・クラッシュ、ソフ トウェア・エラーなど)。学校 ICT チームは、上記の問題を解決する点で生徒を援助する。上記の問題の解決に 対する費用は請求されない。 事故による損害と怠慢 事故は起こりえるものである。しかしながら、事故と怠慢には違いがある。機器の保証は、通常の磨耗、および 機器の通常の使用により生じる故障を対象としている。機器の故障が生徒の意図もしくは怠慢によるものとみな される場合、学校の ICT チームによる調査の後、生徒に対して処罰および修理/交換費の請求がなされる場合が ある。 各ハードウェア関連のサポート事例は記録に残される。平均を大幅に上回る技術支援を必要とする生徒に対して は自宅での使用が禁止される可能性が高い。 機器の紛失および盗難 機器を紛失した場合、生徒もしくは両親は直ちにそれを学校に報告しなければならない。生徒は教師もしくは担 当者に知らせることができ、学校職員がその教師もしくは担当者を援助する。機器の紛失に関係する各状況の詳 細は個々に調査される。 機器の盗難 学校における生徒の安全を確保することは常に非常に重要であり、この心構えが登下校中の生徒の安全に資する ことを期待している。生徒の安全は常に最優先事項である。生徒が窃盗などの危険な状況に直面した場合、犯罪 者に機器を渡し、警察に通報することが勧められている。生徒は登下校の際に、学校の携帯機器を目立たない場 所に入れて持ち運びしなければならない。 - 18 - 報告手順 機器の盗難が報告された場合、警察に通報し、生徒もしくは両親はその報告の写しを学校に提出しなければなら ない。窃盗に関する明白な証拠が存在せず、もしくは生徒の怠慢により機器が紛失した場合、生徒と両親はその 機器の再購入に必要な全費用を負担する。 金銭的責任 授業時間外は、機器は学校の保険契約の対象とはならない。いかなる損失もしくは損害も両親が負担する。 個人の携帯機器 個人の携帯機器については、 生徒は自宅で機器を充電し、学校には完全に充電された状態で持参すべきである。 生徒は充電器やシンクケーブルを学校に持参してはならない。 生徒は自分の機器を他の WiFi ネットワークに接続してもよいが、学校はこれに対して技術支援を一切行 うことはできない。 両親は自分のネットワークのコンテンツフィルタリングや制限に関して責任を負う。 生徒は、教師の許可がある場合には授業中に個人の携帯機器を使用してもよい。これらの機器を使用する際には 周りからよく見える状態にしなければならず、使用後、生徒のバッグに戻さなければならない。生徒が教師の許 可なく個人の携帯機器を使用する場合、その機器は没収される。生徒が機器の引き渡しを拒む場合、学校の懲罰 規定が適用される。 生徒は、個人の携帯機器を教育目的およびレクリエーション目的で昼食時や休憩時間に使用してもよい。機器は 授業開始前までに片付けなければならない。 生徒が自分の携帯電話などの機器で不適切なマテリアルにアクセスしていることが判明した場合、それらのマテ リアルが削除され、学校への持参が禁止される可能性がある。適切であれば、追加的な公式措置が講じられる可 能性もある。 カメラ 生徒は教師の許可なくカメラ(携帯機器に内蔵されているカメラを含む)を使用すべきではない。教師による明 白な許可がなければ、いかなる状況であれ遊び場やトラックでカメラを使用すべきではない。カメラは校内の壁 コンセントに接続してはならない。 - 19 - 充電 携帯機器は自宅で充電すべきであり、使用していない時には節電のため電源を切っておくべきである。携帯機器 は学校の壁コンセントに接続してはならない。 安全 学校は携帯機器の損害や損失を防ぐためにできるだけのことを行うものの責任を負うことはできないため、両親 には携帯機器に家計保険を掛けておくことが勧められている。両親は、生徒が故意もしくは偶然に不適切なサイ トにアクセスすることがないようノートパソコンにフィルターをインストールしておくべきである。生徒には、 自分のプライバシーや学習内容を保護するために自分のノートパソコンについてパスワードを設定することが 勧められている。学校はこのパスワードの記録を保管すべきである。 電子的安全性 学校の電子的安全性目標を支援し、利用規定への順守を検証するために、生徒の携帯機器に対して無作為のブラ ウザ履歴、コンテンツおよび設定の抜き取り検査を行う。不適切なマテリアルや許可されていない設定変更が判 明した場合、IT 懲罰手順が実施される。 ブラウザ履歴を消去したことが判明した生徒は、利用規定違反を犯したものとみなされる。 生徒は、ブラウザ履歴、E メール、ドキュメント、アプリケーションおよび音声/動画コンテンツなど自分の機器 のコンテンツすべてについて責任を負う。不適切なマテリアルを受け取った場合には、教師に報告すべきである。 そのマテリアルに対する報告がなされなかった場合、生徒にはその存在について説明する義務が生じる。 懲罰手順 携帯機器の不適切な使用などの問題が生じたとき、生徒に以下の措置が取られる可能性がある(但し、取られる 可能性のある措置は以下に限定されない)。 校内での個人的使用の禁止(生徒個人の機器については強制的に午前 8 時 30 分に預かり、午後 3 時 10 分に返却する) ネットワーク/インターネットへのアクセス禁止 学校でのコンピュータの使用禁止 生徒個人の機器について、強制的に午前 8 時 30 分に預かり、午後 3 時 10 分に返却 両親への連絡。 機器の学校への持ち込みの禁止 学校懲罰規定の実施 警察への連絡 - 20 - ハバリングスクール 向上サービス - 21 - Supporting Schools to Succeed 学校の成功を支援する www.havering‐sis.org 2日分の費用 以下は追加オプションです。 ・ICTの支出総額を調査し、現在と将 来のICT支出総額に関する明確な指 針を提供するための所有者分析を全 額負担します。 ・ICTのビジョンを作成するため、教員、 地方自治体の長、生徒との話し合い の場を持ちます。 このプログラムには以下が含まれます。 ・SRFを使用した各学校もしくは学校グループの分析( 「Hsis SRFクイック分析 評価・計画ツール」を使用)。 ・SRFの特徴である、必要を扱うための一年間の運用計画を含め、三年間の戦 略改善計画の作成。 より積極的で前向きなICT改善計画を実施したいと思っていま すか?ICTの自己評価フレームワーク(SRF)に関心があります か?中期的にICTマーク認定を受けたいですか? ICT学校改善計画と自己評価フレームワー ク(SRF) © LB Havering 1. リーダーシップと管理 ICTに関する共有ビジョンを開発、情報交換する。 ITCマーク認定 持続的ICT戦略を計画する。 効果的な情報管理戦略を開発する。 次世代学習 2. 計画 生徒のICT能力発達のための計画を立てる。 カリキュラム支援のため、新技術に対応できるICTの使用を計画する。 生徒のICT経験が漸進的で、理路整然としており、バランスよく、一 貫したものにする。 ICTが学習と授業に与える影響を識別、評価する。 3. 学習 学習と教育の質を向上させるためにICTの使用を計画する。 ICTの使用に対する生徒の期待に応える。 ICTが学習に与える影響を考慮する。 4. ICT能力の評価 生徒の、学習の助けとしてのICT能力を評価する。 カリキュラム全体における学習と教育を計画する際に、評価による証 拠とデータを使用する。 ICTを使用した特定教科の学習状況を評価する。 5. 専門能力開発 学校や個々のスタッフに対するICT訓練の必要を見極め、対処する。 ICTを使用する際、全教員に対して効果的な方法を共有しつつ、品 質サポートと訓練活動を実施する。 学校の発展の重要な部分として、専門能力開発を検討、監視、評価 する。 6. ソース 学習および教育の一環として、ICTを戦略的必要に合わせて効果的 に使用する。 学校改善戦略に合わせた適切なICTソースを購入、配置、検討する。 生徒や教員に役立つ技術支援を効果的に管理する。 自己評価フレームワークとICTマーク ロンドン市 ハバリング 資料6 資料7 - 22 - - 23 - - 24 - 実 施 要 項 等 平成24年度教育課題研修指導者海外派遣プログラム 実 施 要 項 ・・・・・・1 平成24年度教育課題研修指導者海外派遣プログラム 実施計画(別紙1 ) ・・・・・・3 平成24年度教育課題研修指導者海外派遣プログラム 事 前研 修 会 日 程表 ・・・・・・6 平成24年度教育課題研修指導者海外派遣プログラム 事 後研 修 会 日 程表 ・・・・・・7 平成24年度教育課題研修指導者海外派遣プログラム 実 施 要 項 1 目的 教育現場が抱える重要な教育課題に対応する研修指導者を養成するため、当該課題に ついて先進的に取り組む諸外国に各地域の指導者を派遣し、その成果を教育委員会が実 施する研修内容に活かし、教員研修の一層の充実を期する。 2 主催 独立行政法人教員研修センター 3 共催 文部科学省 4 研修概要(派遣テーマ、趣旨、目的・視点、派遣予定地域、派遣予定期間など) 別紙1のとおりとする。 5 参加者 (1)参加者資格 小学校、中学校、高等学校、中等教育学校、特別支援学校及び幼稚園の教職員並び に教育行政機関の職員であって、派遣テーマに関して、地域の中核的な役割を担う指 導者となる者 (2)参加者の推薦手続 ① 参加者の推薦は、各都道府県・指定都市教育委員会(以下「推薦者」という。 )に おいて、参加候補者を取りまとめ、 「インターネット受講者推薦登録システム」によ り、平成24年5月2日(水)までに、独立行政法人教員研修センター(以下、 「セ ンター」という。 )に行うこと。 ② 推薦者は、参加候補者からの「参加申込書」 (別紙様式1)をセンターに提出する こと。 ③ 都道府県教育委員会は、指定都市を除く市町村教育委員会からの参加候補者を併 せて推薦すること。 ④ 推薦者は、別紙1の派遣テーマの趣旨及び目的・視点等に留意のうえ、推薦を行 うこと。なお、派遣団ごとの人数を調整する必要がある場合、第一希望または第二 希望のテーマの派遣団に配属されないこともありうることに留意すること。 (3)参加者、所属団の決定 センターは、上記(1) (2)を踏まえ、派遣団ごとの人数を調整し、参加者及び所 属団を決定し、推薦者に通知する。 (4)所属団の決定後の提出書類 ① 参加者は、 「平成24年度教育課題研修指導者海外派遣プログラムにおける調査を 希望する課題等について」 (別紙様式2)を作成し、平成24年6月29日(金)ま でに、センターに提出すること。 ② 推薦者は、 「研修成果活用の計画書」 (別紙様式3)を作成(参加者ごとに作成す るものではない)し、平成24年7月31日(火)までにセンターに提出すること。 -1- 6 事前研修会、事後研修会 参加者は、センターの実施する事前研修会及び事後研修会に出席すること。 事前研修会:平成24年8月に2日間実施。 開催通知は参加者決定時に通知する。 事後研修会:平成25年1月~2月に2日間実施。 開催通知は11月に通知予定 7 研修の中止、研修期間中の一時帰国 やむを得ない理由で、研修を中止して帰国する場合や、一時的に帰国する場合は、推 薦者及びセンターの許可を受けなければならない。 8 研修成果の報告等 派遣団は、帰国後、別に定めるところにより「研修成果報告書」を作成し、センター に提出すること。 9 派遣経費の取り扱い (1)海外派遣に要する経費のうち、 「研修に直接必要な経費」の一部(20万円)をセンターが 負担する。 なお、 「研修に直接必要な経費」とは以下のものをいう。ただし、日本国内の宿泊費 ・交通費は、 「研修に直接必要な経費」に含まないものとする。 ア 渡航費(空港施設利用料、空港税等を含む) イ 食事料(国家公務員の旅費に関する法律に基づく日当相当として算出) ウ 宿泊費 エ 交通費(国外のものに限る) オ 調査研究に要する経費 (学校・教育関係機関等訪問にかかる経費等) (2)参加者の決定以降に、参加者が辞退等を行った場合、辞退等に伴い発生した費用 は、原則として推薦者または参加者の負担とすること。 10 その他 (1)団長及び副団長の派遣経費については、センターが負担する。 (2)派遣テーマに関し専門的知識を有する者( 「シニアアドバイザー」という)を参加さ せる場合の派遣経費については、センターが負担する。 (3)推薦者は、参加者が作成する提出資料の内容確認を行い、必要に応じ指導を行った 上で提出すること。 (4)推薦者は、参加者に対し研修に係る必要経費、都道府県等の補助額、自己負担額等 を説明した上で推薦すること。 (5)本研修終了後、参加者からアンケート等を行う。また、研修終了から一定期間(約 1年)経過後に、参加者に研修の成果活用に関する事後アンケート調査を行う。 (6)この要項に定めるほか、当該研修に関し必要な事項は、センター理事長が定める。 -2- C-2 C-1 B-2 B-1 A-2 A-1 2 2 2 派遣 団数 団名 趣旨 派遣予定国 11/18(日)~11/29(木) 12日間 ○複数言語(公用語及び第二言語としてのドイツ語、母国語 等)を対象とした言語教育システムや初等・中等教育における オーストリア 教員養成等の視察 ○本派遣テーマに資する言語教育や教員養成・現職教員研修 の在り方に関する調査研究 PISA型学力の 育成 PISA型学力では、「読解力」、「数学的リテラシー」、「科学 的リテラシー」の向上が求められている。新学習指導要領に おいても、知識・技能の習得、それを活用するために必要な 思考力・判断力・表現力等の育成を重視し、課題解決的な学 習や探究的な活動の充実を図っている。PISA調査の上位の 国における取組みを調査し、成果と課題について把握・分析 し、そこから得られる知見の活用方法等を考える。 フィンランド ○PISA型学力の基礎ならびにPISA型学力の意味に関する正し フィンランド い理解をねらいとした視察 ○日本型コンピテンシーの在り方に関する考察 ○生きる力の育成やPISA型学力の向上のための取組及び実 態に関する調査 ○未来の学力を踏まえた日本の教育の方向性を検討 10/15(月)~10/26(金) 12日間 10/29(月)~11/9(金) 12日間 10/20(土)~10/31(水) 12日間 10/1(月)~10/12(金) 12日間 10/3(水)~10/13(土) 11日間 派遣期間 別紙1 ○学校経営の概要、学校評価を活用した学校改善の仕組み、 サポートスタッフを活用した授業づくり・学校経営の仕組み、教 イギリス 職員育成の仕組み等に関する調査 ○日本における学校経営の改善にとって具現化可能な方策の 検討 ○学力向上に向けた学校経営の改善支援の評価活動を含む 仕組みに関する訪問調査(支援を行う諸機関及び支援を活用 アメリカ する学校) ○日本あるいは各地域の学校経営改善への還元策の検討 目的・視点 言語は知的活動の基盤であるとともに、コミュニケーション や感性・情緒の基盤でもあり、豊かな心を育む上でも、言語 言語力・コミュニ 能力を高めていくことが重要であるとされている。このことか ケーション力の育 ら、諸外国の学校における言語能力やコミュケーション能力 成 の育成の取組について調査し、成果と課題について把握・分 ○各教科等における言語活動の充実において、個の学習及び 析するとともに、そこから得られる知見の活用方法等を考え 他者との関わりの中での授業展開を重視している学校教育事 フィンランド 情を視察 る。 ○日本における学校教育において参考とすべき内容に関する 考察 学校の自主性・自律性を高め、保護者や地域に開かれ、信 頼される学校づくりを進めるために、実効性のある学校経営 の改善が求められている。学校経営をより効果的・効率的な 学校経営の改善 ものとするための改善方策について、諸外国の学校における 学校経営の改善や学校評価等の取組について調査し、成果 と課題を把握・分析するとともに、そこから得られる知見の活 用方法等を考える。 派遣テーマ 平成24年度教育課題研修指導者海外派遣プログラム 実施計画 ※1 参加者の所属団は、希望する派遣テーマを参考に調整させていただきますが、推薦時に希望した派遣テーマに配属できない場合もあります。 ※2 訪問先は主に学校又は教育行政機関等です。具体的な訪問先は、事前研修会開催前に教員研修センターのホームページに掲載する予定です。 -3- F-2 F-1 E-2 E-1 D-1 2 2 1 派遣 団数 団名 学校安全・防災 教育の推進 学校においては、児童生徒の発達段階に応じて、社会や 職業への円滑な移行を図るために、必要な知識・技能や勤 労観・職業観等を育成し、児童生徒が将来の基盤を築き、自 キャリア教育の充 立して生きていくことができるようにするキャリア教育を充実さ 実 せることが求められている。このことから、諸外国の学校にお けるキャリア教育の現状や取組を調査し、成果と課題につい て把握・分析し、そこから得られる知見の活用方法等を考え る。 生徒指導・教育 相談の充実 学校においては、事件・事故・自然災害等に対応した総合 的な学校安全計画や危機等発生時の対処要領の策定によ る的確な対応及び地域との連携による学校安全体制の整 備・強化が重要な課題となっている。子どもたちの健やかな 成長を目指す基盤としての安全で安心な環境を確保するた め、諸外国の学校における学校安全・防災教育、安全防災 管理・組織活動等の取組を調査し、成果と課題を把握・分析 し、そこから得られる知見の活用方法等を考える。 学校においては、児童生徒に望ましい生活習慣を身に付 けさせる教育や規範意識を培うための教育の充実及び児童 生徒の悩みに対して適切かつ可能な限り迅速に対応するこ とが求められている。このことから、諸外国の学校における生 徒指導・教育相談等の現状や取組を調査し、成果と課題に ついて把握・分析し、そこから得られる知見の活用方法等を 考える。 趣旨 派遣テーマ 10/8(月)~10/19(金) 12日間 ○キャリア教育の充実のための教育課程や教育活動の在り方、教 職員の資質能力の向上、学校外との連携、教材の開発等に関す る訪問調査 イギリス ○訪問調査を通して得た知見の日本あるいは各地域への還元策 を検討 ○各学校段階におけるキャリア教育のカリキュラム及び実践の視 察 11/12(月)~11/23(金) ○カリキュラム実施状況と結果及びキャリア発達の捉え方に関する オーストラリア 12日間 調査 ○日本における教育現場への活用可能性の検討 10/8(月)~10/19(金) 12日間 ○コミュニケーションスキルやソーシャルスキルの育成に関する実 践視察 アメリカ ○怒りのコントロール、アサーショントレーニング、ミデュエーション を通した体験的な学びの探究 10/8(月)~10/19(金) 12日間 ○規範意識を培うための学校、家庭、社会が有する社会構造及び それらを支える価値規範(文化構造)を踏まえた教育制度と地方文 ドイツ 化に関する視察及び分析 ○日本あるいは各地域が抱える課題に対する解決策の検討 派遣期間 10/15(月)~10/26(金) 12日間 派遣予定国 ○学校安全・防災教育を積極的に推進し、成果を上げている国の 関係機関及び団体・学校への訪問 アメリカ ○日本における学校安全・防災教育の推進に有益と考えられる施 策や教育内容等を学ぶ 目的・視点 平成24年度教育課題研修指導者海外派遣プログラム 実施計画 ※1 参加者の所属団は、希望する派遣テーマを参考に調整させていただきますが、推薦時に希望した派遣テーマに配属できない場合もあります。 ※2 訪問先は主に学校又は教育行政機関等です。具体的な訪問先は、事前研修会開催前に教員研修センターのホームページに掲載する予定です。 -4- J-2 J-1 I-2 2 2 1 H-1 I-1 1 G-1 派遣 団数 団名 派遣期間 子どもたちの「生きる力」を育むためには、学校・地域・家庭 等が教育におけるそれぞれの役割と責任を自覚し、相互に 連携・協力に努めることが不可欠である。このことから、諸外 学校と地域等の 国の学校における社会体験活動や、地域・家庭・各種団体 連携 等と学校との連携の在り方、行政機関の支援体制等の現状 や取組を調査し、成果と課題について把握・分析し、そこから 得られる知見の活用方法等を考える。 障害の程度や重複化、発達障害を含む多様な障害への対 応等、特別支援教育の更なる充実が求められている。このこ とから、諸外国の学校における校内支援体制、家庭や関係 特別支援教育の 機関及び他校種との連携、並びに専門的な相談・助言体制 充実 等、計画的・組織的な支援の在り方について現状や取組を 調査し、成果と課題について把握・分析し、そこから得られる 知見の活用方法等を考える。 イギリス フィンランド 10/29(月)~11/7(水) 10日間 11/19(月)~11/30(金) 12日間 ○基礎学力の向上や市民性の教育における学校・地域・PTA・教 会の連携に関する視察及び調査 イギリス ○子どもの問題行動を解決するための連携に関する現地視察 10/9(火)~10/20(土) 12日間 ○学校と地域の連携・協働の在り方に関する視察及び調査 10/29(月)~11/9(金) ○社会体験活動、学校支援ボランティア、学校支援地域本部、コ オーストラリア 12日間 ミュニティスクール等の視察及び調査からの考察 ○学校現場におけるインクルーシブ教育及び社会的企業の法制 化された状況での障害者福祉の実態調査 韓国 ○訪問国の実態調査からの今後の日本の特別支援教育の在り方 の探究 ○子どもへの支援の充実を図るための、教育理念や教育形態及 び運用に関する実態と取組の調査 フランス ○学校を含めた教育機関で取り組んでいる指導上の工夫とその課 題に関して、日本の現状との相互比較を通して検討 ○学校教育の情報化・ICT活用を通した教育方法及び校務効率 化等の状況調査(イギリス) ○教育方法に定評のあるICT活用の状況調査(フィンランド) ○両国比較を通して見る日本における望ましい学校教育の情報 化・ICT活用の在り方の検討 9/24(月)~10/5(金) 12日間 派遣予定国 社会の情報化の急速な進展に伴い、ICTを活用した21世 紀にふさわしい学校や授業の在り方についての検討が求め られている。このことから、諸外国の学校におけるICTを活用 学校教育の情報 した「分かる授業」の実現、児童生徒の情報活用能力の育 化・ICTの活用 成、校務の情報化など、学校教育の情報化の推進方策等に ついて、諸外国における現状や取組を調査し、成果と課題の 把握・分析を通して、そこから得られる知見の活用方法等を 考える。 目的・視点 10/29(月)~11/9(金) 12日間 趣旨 国民の誰もが身近にスポーツに親しむことができる生涯ス ポーツ社会の実現や児童生徒の体力・運動能力の向上、心 身の健康に関する関心が高まっている。このことから、諸外国 ○スポーツ(身体活動)を通じた教育に関してカナダの実態と取組 スポーツ・健康教 の学校における学校・家庭・地域等が協働して行う体力・運 の調査 カナダ 育の推進 動能力の向上策、地域スポーツクラブとの連携、心身の健康 ○日本あるいは各地域の学校体育への還元策の検討 教育及び健康相談等の現状や取組を調査し、成果と課題に ついて把握・分析し、そこから得られる知見の活用方法等を 考える。 派遣テーマ 平成24年度教育課題研修指導者海外派遣プログラム 実施計画 ※1 参加者の所属団は、希望する派遣テーマを参考に調整させていただきますが、推薦時に希望した派遣テーマに配属できない場合もあります。 ※2 訪問先は主に学校又は教育行政機関等です。具体的な訪問先は、事前研修会開催前に教員研修センターのホームページに掲載する予定です。 -5- 平成24年度 教育課題研修指導者海外派遣プログラム 事前研修会日程表 1日目 日 程 8:45~9:00 研 修 内 容 (15) 団長・副団長・シニアアドバイザー受付 9:00~9:55 (55) 団長・副団長・シニアアドバイザー事前協議 9:30~10:00 (30) 団員受付 10:00~10:10 (10) 10:10~10:40 (30) 10:40~10:50 (10) 開会式 研修オリエンテ-ション 10:50~11:50 (60) 講義〔教員研修センター主任指導主事〕 11:50~12:00 (10) 分科会の日程説明・移動 休 憩 12:00~13:00 (60) 自己紹介等 13:30~15:00 (90) 講義〔シニアアドバイザー〕 15:10~15:20 (10) 全体会場 昼休憩 13:00~13:30 (30) 15:00~15:10 (10) 会 場 分 科 会 派遣日程の説明〔担当旅行社〕 休憩 分科会場 (各団別) 調査・研究テーマの協議 15:20~17:00 (100) 係別協議 2日目 日 程 研 修 内 容 副団長打合せ 8:50~9:00 (10) 9:00~12:00 分 (180) 科 調査・研究テーマの班別協議とまとめ 会 12:00~13:00 (60) 13:00~14:00 (60) 14:00~14:10 (10) 14:10~15:30 (80) 15:30~15:40 (10) 会 場 事務局 分科会場 (各団別) 昼休憩 研修成果報告書の内容等の協議 休 憩 分 科 会 渡航手続き等〔担当旅行社〕 閉会式 -6- 分科会場 (各団別) 平成24年度 教育課題研修指導者海外派遣プログラム 事後研修会日程表 1日目 日 程 研 修 内 容 11 : 00 ~ 12 : 00 (60) 団長、副団長、シニアアドバイザー打合せ 12 : 00 ~ 13 : 00 (60) 会 場 事務局 昼休憩 13 : 00 ~ 13 : 10 (10) 開会式(各団で実施) 13 : 10 ~ 14 : 10 (60) シニアアドバイザーによる海外研修の振り返り 14 : 10 ~ 14 : 20 (10) 休憩 分科会場 (各団別) 14 : 20 ~ 17 : 00 (160) 研修成果の活用レポートの協議とまとめ 2日目 日 程 9 研 修 内 容 8 : 50 ~ : 00 (10) 副団長打合せ 9 : 00 ~ 12 : 00 (180) 研修成果報告書の協議とまとめ① 12 : 00 ~ 13 : 00 (60) 会 場 事務局 分科会場 (各団別) 昼休憩 13 : 00 ~ 14 : 20 (80) 研修成果報告書の協議とまとめ② 14 : 20 ~ 14 : 30 (10) 休憩 14 : 30 ~ 14 : 50 (20) シニアアドバイザーからのまとめ 14 : 50 ~ 15 : 00 (10) 閉会式(各団で実施) -7- 分科会場 (各団別)
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