ARM ツール用 FLEXnet ® v4.3 ライセンス管理ガイド Copyright © 2002-2004, 2006-2008, 2010 ARM. All rights reserved. ARM DUI 0209IJ ARM ツール用 FLEXnet ライセンス管理ガイド Copyright © 2002-2004, 2006-2008, 2010 ARM. All rights reserved. リリース情報 本書には以下の変更が加えられています。 変更履歴 日付 発行 機密保持ステー タス 変更点 2002 年 7 月 A 非機密扱い 初版 2003 年 1 月 B 非機密扱い 第2版 2003 年 5 月 C 非機密扱い 第3版 2004 年 1 月 D 非機密扱い RealView Developer Suite v2.1 向けリリース 3.1 2004 年 12 月 E 非機密扱い RealView Developer Suite v2.2 向けリリース 3.2 2006 年 3 月 F 非機密扱い RealView Development Suite v3.0 向けリリース 4.0 2007 年 3 月 G 非機密扱い RealView Development Suite v3.1 向けリリース 4.1 2008 年 8 月 H 非機密扱い RealView Development Suite v4.0 向けリリース 4.2 2010 年 5 月 28 日 I 非機密扱い ARM ソフトウェア開発ツール向けリリース 4.3 著作権 または ™ のマークが付いた言葉およびロゴは、この著作権情報で別段に規定されている場合を 除き、ARM の EU またはその他の国における登録商標および商標です。本書に記載されている他 の製品名は、各社の所有する商標です。 ® 本書に記載されている情報の全部または一部、ならびに本書で紹介する製品は、著作権所有者の 文書による事前の許可を得ない限り、転用・複製することを禁じます。 本書に記載されている製品は、今後も継続的に開発・改良の対象となります。本書に含まれる製 品およびその利用方法についての情報は、ARM が利用者の利益のために提供するものです。した がって当社では、製品の市販性または利用の適切性を含め、暗示的・明示的に関係なく一切の責 任を負いません。 本書は、本製品の利用者をサポートすることだけを目的としています。本書に記載されている情 報の使用、情報の誤りまたは省略、あるいは本製品の誤使用によって発生したいかなる損失・損 傷についても、ARM は一切責任を負いません。 ARM という用語が使用されている場合、"ARM または必要に応じてその子会社 " を指します。 ii Copyright © 2002-2004, 2006-2008, 2010 ARM. All rights reserved. Non-Confidential ARM DUI 0209IJ 機密保持ステータス 本書は非機密扱いであり、本書を使用、複製、および開示する権利は、ARM および ARM が本書 を提供した当事者との間で締結した契約の条項に基づいたライセンスの制限により異なります。 製品ステータス 本書の情報は最終版であり、開発済み製品に対応しています。 Web アドレス http://www.arm.com ARM DUI 0209IJ Copyright © 2002-2004, 2006-2008, 2010 ARM. All rights reserved. Non-Confidential iii iv Copyright © 2002-2004, 2006-2008, 2010 ARM. All rights reserved. Non-Confidential ARM DUI 0209IJ 目次 ARM ツール用 FLEXnet ライセンス管理ガイド 序章 本書について ............................................................................................... xiv フィードバック .......................................................................................... xviii 第1章 はじめに 1.1 1.2 1.3 1.4 1.5 1.6 1.7 第2章 ライセンスの請求 2.1 2.2 第3章 ライセンスの請求に必要な情報 .................................................................. 2-2 ライセンスウィザード v4.x からの ARM Web ライセンスのポータルへのアク セス ............................................................................................................. 2-7 ノードロックライセンスのインストール 3.1 3.2 ARM DUI 0209IJ サポートされているプラットフォーム ....................................................... 1-2 ツールのライセンスオプション .................................................................. 1-4 ライセンスエントリの形式 ......................................................................... 1-5 ノードロックライセンス方式（Windows のみ）......................................... 1-7 フローティングライセンス方式（Windows および Unix/Linux）................ 1-8 ARM ライセンスウィザード ..................................................................... 1-12 ARM Web ライセンスのポータル ............................................................. 1-13 ARM ライセンスウィザードを使用したノードロックライセンスのインストー ル ................................................................................................................ 3-2 ノードロックライセンスの手動インストール ............................................ 3-4 Copyright © 2002-2004, 2006-2008, 2010 ARM. All rights reserved. Non-Confidential v 目次 第4章 フローティングライセンスサーバの設定 4.1 4.2 4.3 4.4 第5章 ライセンスサーバを使用するためのクライアントの設定 5.1 5.2 第6章 7.3 7.4 7.5 7.6 7.7 ライセンスが見つからないという内容のエラーが発生します。................. 7-3 ノードロックツールでエラーが発生し、FLEXnet エラー -8 の "Invalid license key (inconsistent authentication code)"（無効なライセンスキー（認証コード が一致していません））が表示されます。................................................... 7-4 ライセンスソースへのアクセス順序を変更するにはどうすればよいですか ? . 7-5 ライセンスウィザードの［Diagnose license management problems］オプ ションの機能について教えて下さい。........................................................ 7-7 フローティングライセンスのチェックアウト時間を最適化するにはどうすれ ばよいですか ? ........................................................................................... 7-8 リモートライセンスサーバを使用することはできますか ? ..................... 7-10 FLEXnet エラー -15 の "Cannot connect to license server system"（ライセン スサーバシステムに接続できません）が表示されます。どうしてでしょうか ? ................................................................................................................ 7-11 サーバの設定のトラブルシューティング 8.1 8.2 8.3 vi FLEXnet ではどのようにしてライセンスファイルが検索されますか ? .... 6-3 複数の製品で FLEXnet を使用することはできますか ? ............................ 6-5 ライセンスを結合するにはどうすればよいですか ? ................................. 6-6 製品のシリアル番号はどこに記載されていますか ? ................................. 6-7 ライセンスを別のコンピュータに移動するにはどうすればよいですか ? . 6-8 ARM 開発ツールでは BORROW をサポートしていますか ? .................... 6-9 ARM ライセンスではキューイングがサポートされていますか ? ............ 6-10 lmhostid ユーティリティが見つからないのはなぜですか ? ..................... 6-11 クライアントの設定のトラブルシューティング 7.1 7.2 第8章 Windows 環境でのクライアントライセンスの設定 ................................... 5-2 Unix または Linux 環境でのクライアントライセンス ................................ 5-7 ライセンスに関するよくある質問 6.1 6.2 6.3 6.4 6.5 6.6 6.7 6.8 第7章 サーバソフトウェアのインストール .......................................................... 4-2 サーバライセンスのインストール .............................................................. 4-5 ライセンスサーバの起動 ............................................................................ 4-9 ライセンスサーバのシャットダウン ........................................................ 4-14 サーバのデバッグログに "Invalid license key (inconsistent authentication code)"（無効なライセンスキー（認証コードが一致していません））と表示さ れます。 ...................................................................................................... 8-3 複数のバージョンが混在したライセンスファイルのライセンスが発行される 順序を定義できますか ? ............................................................................. 8-4 使用されているフローティングライセンスの数を確認するにはどうすればよ いですか ? .................................................................................................. 8-6 Copyright © 2002-2004, 2006-2008, 2010 ARM. All rights reserved. Non-Confidential ARM DUI 0209IJ 目次 8.4 8.5 8.6 8.7 8.8 サーバのデバッグログに "(armlmd) cannot open lock file"（（armlmd）がロッ クファイルを開けません）または "cannot communicate with lmgrd"（lmgrd と 通信できません）と表示されます。 ........................................................... 8-7 ライセンスサーバデーモンのどのバージョンを使用すればよいですか ? .. 8-8 ライセンスされた特定の機能へのユーザのアクセスを制限するにはどうすれ ばよいですか ? ............................................................................................ 8-9 サーバログに "DENIED" メッセージが表示されるのはなぜですか ? ....... 8-12 サーバのデバッグログファイルのサイズはどのように管理できますか ? 8-13 用語集 ARM DUI 0209IJ Copyright © 2002-2004, 2006-2008, 2010 ARM. All rights reserved. Non-Confidential vii 目次 viii Copyright © 2002-2004, 2006-2008, 2010 ARM. All rights reserved. Non-Confidential ARM DUI 0209IJ 表の一覧 ARM ツール用 FLEXnet ライセンス管理ガイド 表 2-1 ARM DUI 0209IJ 変更履歴 ........................................................................................................................ ii ホスト ID を取得するためのコマンド ....................................................................... 2-5 Copyright © 2002-2004, 2006-2008, 2010 ARM. All rights reserved. Non-Confidential ix 表の一覧 x Copyright © 2002-2004, 2006-2008, 2010 ARM. All rights reserved. Non-Confidential ARM DUI 0209IJ 図の一覧 ARM ツール用 FLEXnet ライセンス管理ガイド 図 図 図 図 図 図 図 図 1-1 1-2 2-1 2-2 4-1 4-2 5-1 5-2 ARM DUI 0209IJ 単一サーバモデル ................................................................................................... 1-10 3 台のサーバモデル ................................................................................................ 1-11 Action Selection 画面 ................................................................................................ 2-7 Local machine host ID 画面 ...................................................................................... 2-8 ［Configuration using Services］の選択 .................................................................... 4-9 サーバ設定のダイアログボックス .......................................................................... 4-10 Action Selection 画面 ................................................................................................ 5-3 ［ライセンスをインストール］ダイアログ ................................................................ 5-4 Copyright © 2002-2004, 2006-2008, 2010 ARM. All rights reserved. Non-Confidential xi 図の一覧 xii Copyright © 2002-2004, 2006-2008, 2010 ARM. All rights reserved. Non-Confidential ARM DUI 0209IJ 序章 本章では、『FLEXnet ARM® ツールライセンス管理ガイド』（本書）について紹 介します。以下のセクションから構成されています。 • • ARM DUI 0209IJ 「本書について」（ページ xiv） 「フィードバック」（ページ xviii） Copyright © 2002-2004, 2006-2008, 2010 ARM. All rights reserved. Non-Confidential xiii 序章 本書について 本書では、FLEXnet（以前は FLEXlm）について紹介します。これは、Flexera Software Inc. が販売するライセンス管理システムです。ARM は、このライセ ンスシステムを使用して、ARM 提供のソフトウェア製品とモデルの使用を管 理しています。 本書では ARM の Web ライセンスのポータルの使用法については説明しませ ん。ライセンスの生成と取得の方法に関するマニュアルが、ポータルで提供 されています。ARM Self-Service Portal, https://silver.arm.com にアクセスして下さい。 対象読者 本書は、ARM が提供し、FLEXnet によってライセンス管理された製品をイン ストールするすべての方を対象としています。本書では、使用可能なライセ ンスの種類と、発生する恐れがある問題の解決方法について説明します。 注 本書には、特定のオペレーティングシステムまたは特定のライセンスの種類 だけに適用される説明が含まれている個所があります。参照している説明が、 お使いのシステムまたはライセンスの種類に当てはまることを必ず確認する ようにして下さい。使用できるライセンスオプションの詳細については、製 品マニュアルを参照して下さい。 本書の構成 ARM ツールでノードロックライセンスが提供されている場合は、以下をお読 み下さい。 • • ライセンスの請求方法については、第 2 章 ライセンスの請求を参照し て下さい。 ライセンスのインストール手順については、第 3 章 ノードロックライ センスのインストールを参照して下さい。 フローティングライセンスを使用している場合は、以下をお読み下さい。 xiv • ライセンスの請求方法については、第 2 章 ライセンスの請求を参照し て下さい。 • ライセンスサーバの設定手順については、第 4 章 フローティングライ センスサーバの設定を参照して下さい。 Copyright © 2002-2004, 2006-2008, 2010 ARM. All rights reserved. Non-Confidential ARM DUI 0209IJ 序章 • フローティングライセンスを使用するようにクライアントを設定する方 法については、第 5 章 ライセンスサーバを使用するためのクライアン トの設定を参照して下さい。 本書は以下の章から構成されています。 第 1 章 はじめに ライセンス管理ソフトウェアおよび使用可能なライセンスオプ ションの概要を説明します。 第 2 章 ライセンスの請求 ライセンスの請求に必要な情報、および ARM の Web ライセンス のポータルを見つける方法の詳細について説明します。 第 3 章 ノードロックライセンスのインストール ARM ライセンスウィザードを使用して、または手動で、ノード ロックライセンスをインストールする方法について説明します。 ノードロックライセンスを使用しない場合は、この章を読む必 要はありません。 第 4 章 フローティングライセンスサーバの設定 FLEXnet サーバソフトウェアとサーバの設定について説明しま す。フローティングライセンスを使用しない場合は、この章を読 む必要はありません。 第 5 章 ライセンスサーバを使用するためのクライアントの設定 サーバから ARM 製品のライセンスを取得するようにクライアン トコンピュータを設定する方法について説明します。フローティ ングライセンスを使用しない場合は、この章を読む必要はあり ません。 第 6 章 ライセンスに関するよくある質問 ライセンスに関するよくある質問が記載してあります。 第 7 章 クライアントの設定のトラブルシューティング クライアントの設定に関する多くの問題について説明します。 第 8 章 サーバの設定のトラブルシューティング サーバの設定に関する多くの問題について説明します。 用語集 ARM DUI 0209IJ 本書で使用されている特殊な用語について説明します。 Copyright © 2002-2004, 2006-2008, 2010 ARM. All rights reserved. Non-Confidential xv 序章 表記規則 表記規則は次のとおりです。 italic 重要事項、重要用語、相互参照、引用箇所を斜体で記載し ています。 bold メニュー名などのユーザインタフェース要素を太字で記載 しています。また、必要に応じて記述リスト内の重要箇 所、ARM プロセッサの信号名、重要用語、および専門用 語にも太字を使用しています。 monospace コマンド、ファイル名、プログラム名、ソースコードな ど、キーボードから入力可能なテキストを示しています。 monospace コマンドまたはオプションに使用可能な略語を示します。 コマンド名またはオプション名をすべて入力する代わり に、下線部分の文字だけを入力することができます。 monospace italic 引数が特定の値で置き換えられる場合のモノスペーステキ ストの引数を示しています。 monospace bold サンプルコード以外に使用される言語キーワードを示して います。 <と> コードまたはコードの一部のアセンブラ構文で置換可能な 項が使用されている場合に、その項を囲みます。以下に例 を示します。 MRC p15, 0 <Rd>, <CRn>, <CRm>, <Opcode_2> 参考資料 ここでは、ARM およびサードパーティから入手できる出版物を示します。 ARM マニュアルの入手方法については、ARM Information Center, http://infocenter.arm.com を参照して下さい。 ARM の出版物 ARM Web ライセンスのポータルを使用する方法を説明したマニュアルは、 ポータルから入手できます。 xvi Copyright © 2002-2004, 2006-2008, 2010 ARM. All rights reserved. Non-Confidential ARM DUI 0209IJ 序章 ARM Technical Support Knowledge Articles, http://infocenter.arm.com/help/topic/com.arm.doc.faqs/index.html も参照して下さ い。 他の出版物 Flexera が提供する最新版の『FLEXnet エンドユーザガイド』を ARM Technical Support Knowledge Articles, http://infocenter.arm.com/help/topic/com.arm.doc.faqs/index.html の Tools Licensing セクションからダウンロードできます。使用しているライセンス ユーティリティと互換性があるバージョンを使用して下さい。 マニュアルは ARM 製品に付属する PDF ファイルとしても提供されています。 詳細については、ARM 製品の『スタートガイド』を参照して下さい。 ARM DUI 0209IJ Copyright © 2002-2004, 2006-2008, 2010 ARM. All rights reserved. Non-Confidential xvii 序章 フィードバック ARM では、本製品および本書に関するフィードバックをお待ちしておりま す。 本製品に関するフィードバック 本書、ARM の Web サイトのツールの使用許諾に関する FAQ、および 『FLEXnet エンドユーザガイド』を読んでも、ライセンス管理に関する問題を 解決できない場合は、[email protected] まで電子メールにてお問い合わ せ下さい。このとき、迅速かつ適切な対応をさせて頂くために、以下の情報 をご用意下さい。 • お名前と会社名 • 製品のシリアル番号 • 使用している製品リリースとバージョン番号の詳細 • 使用しているプラットフォームの詳細（プロセッサ、オペレーティング システムの種類とバージョンなど） • ARM 製品で表示されるかライセンスサーバログに記録されたライセン スエラーメッセージ • ライセンスファイルのコピー Windows 環境に ARM ライセンスウィザードのバージョン 4.x をインストール している場合は、ライセンスの診断情報の出力を送信して下さい。 lmtools.exe ライセンス管理 GUI を Windows にインストールしてある場合は、 ［Individual Daemon］オプションのテキストボックスに armlmd コマンドを入 力して実行したときの［Server Status］タブの出力を送信して下さい。また、 compiler や ModLib_DSM2_CORTEXR4 など、動作していない特定のライセンスされ た機能に関しては、［Server Diags］タブの出力を送信して下さい。 内容に関するフィードバック 内容に関するご意見につきましては、電子メールを [email protected] まで送信し て下さい。その際には、以下の内容を記載して下さい。 xviii • • タイトル 文書番号（ARM DUI 0209IJ） • • オンラインでご覧の場合は、該当するトピック名 PDF 版の文書をご覧の場合は、問題のあるページ番号 • 問題点の簡潔な説明 Copyright © 2002-2004, 2006-2008, 2010 ARM. All rights reserved. Non-Confidential ARM DUI 0209IJ 序章 また、補足すべき点や改善すべき点についての全般的なご提案もお待ちして おります。 関連項目 ARM DUI 0209IJ • ARM Infocenter, http://infocenter.arm.com/help/index.jsp • ARM Technical Support Knowledge Articles, http://infocenter.arm.com/help/topic/com.arm.doc.faqs/index.html • Keil Distributors, http://www.keil.com/distis Copyright © 2002-2004, 2006-2008, 2010 ARM. All rights reserved. Non-Confidential xix 序章 xx Copyright © 2002-2004, 2006-2008, 2010 ARM. All rights reserved. Non-Confidential ARM DUI 0209IJ 第 1章 はじめに 以下の各トピックでは、ライセンス管理ソフトウェアの概要について説明し ます。 • 「サポートされているプラットフォーム」（ページ 1-2） • • • • 「ツールのライセンスオプション」（ページ 1-4） 「ライセンスエントリの形式」（ページ 1-5） 「ノードロックライセンス方式（Windows のみ）」（ページ 1-7） 「フローティングライセンス方式（Windows および Unix/Linux）」（ペー ジ 1-8） • • ARM DUI 0209IJ 「ARM ライセンスウィザード」（ページ 1-12） 「ARM Web ライセンスのポータル」（ページ 1-13） Copyright © 2002-2004, 2006-2008, 2010 ARM. All rights reserved. Non-Confidential 1-1 はじめに 1.1 サポートされているプラットフォーム ARM 製品をインストールする前に、インストール先のプラットフォームでこ の製品がサポートされていることを確認する必要があります。また、ARM ソ フトウェア用のライセンスサーバを設定する場合も、ライセンス管理ユー ティリティが、各サーバでサポートされていることを確認する必要がありま す。 1.1.1 クライアントのプラットフォーム 注意 サポートされていないクライアントプラットフォームを使用しようとすると、 予期しない動作が発生する場合があります。 ARM ソフトウェアでは、次のうちの 1 つまたは複数の環境のクライアントコ ンピュータで実行できるライセンスが提供されます。 • Microsoft Windows 注 ライセンスサーバコンピュータで Windows 95、98、または Me を使用す ることは、推奨もサポートもされていません。 • Sun Solaris • Red Hat Enterprise Linux 上記環境のうち正確にどの種類（Windows Vista や Red Hat Enterprise Linux WS など）がサポートされるのかは、各ソフトウェアツールによって指定されま す。最新のプラットフォームサポート情報については、www.jp.arm.com の製品 ページで確認して下さい。 1.1.2 ライセンスサーバのプラットフォーム 注意 サポートされていないサーバプラットフォームを使用しようとすると、ライ センスエラーが発生する場合があります。 製品のマニュアルで、どのオペレーティングシステムのバージョンがサポー トされているかを確認して下さい。 1-2 Copyright © 2002-2004, 2006-2008, 2010 ARM. All rights reserved. Non-Confidential ARM DUI 0209IJ はじめに ARM 開発ツールでサポートされる、すべてのプラットフォーム用のライセン ス管理ユーティリティは、ツールソフトウェアに付属しています。ライセン ス管理ユーティリティをお持ちでない場合は、ARM ライセンスサポート （[email protected]）までお問い合わせ下さい。 ライセンスサーバのプラットフォームは、ツールのプラットフォームと同じ である必要はありません。例えば、開発ツールを Windows 環境にインストー ルして、Solaris 環境のライセンスサーバを使用することができます。詳細に ついては、使用している製品のマニュアルを参照して下さい。 ARM アプリケーションのフローティングライセンスを管理するには、該当す るすべてのコンピュータに TCP/IP ソフトウェアをインストールして、設定お よび実行する必要があります。 ARM DUI 0209IJ Copyright © 2002-2004, 2006-2008, 2010 ARM. All rights reserved. Non-Confidential 1-3 はじめに 1.2 ツールのライセンスオプション ARM ツールのライセンスは、Flexera Software FLEXnet テクノロジを使用して 管理されています。つまり、ツールを使用するには、有効なライセンスファ イルをインストールする必要があります。以下のライセンス方式を使用でき ます。 • 「ノードロックライセンス方式（Windows のみ）」（ページ 1-7） • 「フローティングライセンス方式（Windows および Unix/Linux）」（ペー ジ 1-8） 注 すべての製品で、すべてのライセンスオプションがサポートされているわけ ではありません。一部の製品では、製品を使用するために、追加のハード ウェアドングルが必要な場合もあります。サポートされているライセンスオ プションの詳細については、製品の『スタートガイド』を参照して下さい。 1-4 Copyright © 2002-2004, 2006-2008, 2010 ARM. All rights reserved. Non-Confidential ARM DUI 0209IJ はじめに 1.3 ライセンスエントリの形式 ノードロックライセンスまたはフローティングライセンスは、次のいずれか の形式です。 INCREMENT feature armlmd version expiry_date ... UPGRADE feature armlmd version expiry_date ... 各フィールドの意味は、次のとおりです。 feature ライセンスされた機能の名前。 version ライセンスされた機能のバージョン番号。以下のいずれかの形 式です。 a.b a.byyyymm 各項目には以下の意味があります。 a ライセンスされた機能のメジャーバージョン番号。 b ライセンスされた機能のマイナーバージョン番号。 yyyy 年。 mm 月を示す数字。 例えば、1.0201011 は、ライセンス機能のバージョン 1.0 のサポー トで、期限が 2010 年 11 月であることを意味します。 この期限と expiry_date が組み合わされて、ライセンスの有効期 限が決められます。 通常は、インストールとパッチの使用が可能な期間を制限する S&M（Service and Maintenance）契約を結んだ場合に使用されま す。 expiry_date 指定された機能のライセンスが期限切れになる日付。以下のい ずれかの値です。 • permanent • dd-mmm-yyyy（例えば 31-May-2012） これによって、ライセンスの種類が決まります。 version に埋め込まれた日付はパッチの使用資格を制御しますが、expiry_date フィールドはツールの使用可能期間を制限します。 ARM DUI 0209IJ Copyright © 2002-2004, 2006-2008, 2010 ARM. All rights reserved. Non-Confidential 1-5 はじめに 1.3.1 ライセンスの種類 以下のライセンスの種類がサポートされています。 永久 永久ライセンスには、有効期限日がありません。例えば、fromelf ユーティリティでは、永久ライセンスの形式は次のようになり ます。 INCREMENT fromelf armlmd 4.1201105 permanent ... 2010 年の 5 月にライセンスを取得した場合、2011 年 5 月までに リリースされる新しいパッチを使用できます。 ライセンスの期間が S&M（Service and Maintenance）契約によっ て制限されていて、期限が過ぎた場合、使用している製品の バージョンは期限内に入手したパッチも含めて、通常どおりに 機能し続けます。ただし、期限日以降のパッチも使用する場合 は、別の S&M ライセンスの購入が必要になります。2 年間のラ イセンスを購入した場合、新しいライセンスは次のようになり ます。 UPGRADE fromelf armlmd 4.1201305 permanent ... 2010 年の 5 月にライセンスを取得した場合、4.1201305 はパッチ のダウンロードと使用を 3 年間許可することを意味します。 期限付き 期限付きライセンスには、特定の有効期限日があります。以下に 例を示します。 INCREMENT fromelf armlmd 4.1201105 01-May-2011 ... これは、fromelf のバージョン 4.1 パッチを 5 月末まで使用できる ものの、2011 年 5 月 1 日より後は、ライセンス期限切れエラーに なることを意味しています。 注 期限付きライセンスは、永久ライセンスに更新できます。 1.3.2 関連項目 • • 「ノードロックライセンス方式（Windows のみ）」（ページ 1-7） 「フローティングライセンス方式（Windows および Unix/Linux）」（ペー ジ 1-8） 1-6 Copyright © 2002-2004, 2006-2008, 2010 ARM. All rights reserved. Non-Confidential ARM DUI 0209IJ はじめに 1.4 ノードロックライセンス方式（Windows のみ） ノードロックライセンスでは、ツールが特定のコンピュータ（厳密には特定 のホスト ID）にロックされます。ホスト ID を確認する方法については、「ホ スト ID」（ページ 2-2）で説明しています。ノードロックライセンスは、製品 を 1 台のコンピュータにインストールし、その製品を 1 人のユーザが使用す る場合に適切なライセンスです。 ツールライセンスは、特定のホスト ID に関連付けられています。ホスト ID の ために使用したデバイスが停止すると、ライセンスが提供されたその製品は 使用できなくなります。使用するホスト ID を変更するには、ARM が提供する 代替ライセンスが必要になります。 例 1-1 は、標準のノードロックライセンスの一部を示しています。このライセ ンスでは、指定された ARM アプリケーション（fromelf）を 1 台の特定のコン ピュータで使用することが許可されます。このコンピュータは 001F12FEAB43 と いう hostid 値によって特定されます。 例 1-1 標準のノードロックライセンスの抜粋 INCREMENT fromelf armlmd 4.1 permanent uncounted 6AB6805Z33A6 \ HOSTID=001F12FEAB43 ISSUER="ARM Limited" \ NOTICE="For support see http://www.arm.com/support/" \ SN=ABCDE-12345-ZYXWV SIGN="9280 B58A 6ED0 814C 4D0C C3AD \ 5D85 ABC7 5FDF 5555 7772 F529 52E4 0C52 C836 1812 4492 3263 \ 61F4 5E7B 373F A4F4 0E6C 824B CB71 B8D8 2DB8 3D39 994F 7E1E" \ SIGN2="ED41 1634 F698 AC5E 6645 E5B4 CEDA 97D1 A5D2 93E1 6E01 \ 937F CDD7 27A9 921B 1C0C F281 4DDE F1A2 6A20 9308 C5E1 4613 \ 8C4F AA7E A3BC 2ACE C483 0F2D B7CB" ... 1.4.1 関連項目 • ARM DUI 0209IJ 「ライセンスエントリの形式」（ページ 1-5） Copyright © 2002-2004, 2006-2008, 2010 ARM. All rights reserved. Non-Confidential 1-7 はじめに 1.5 フローティングライセンス方式（Windows および Unix/Linux） フローティングライセンス方式は、ノードロックライセンスより柔軟性があ りますが、管理作業が多くなります。通常、このライセンスは、購入したラ イセンス数よりも潜在的なユーザ数の方が多い場合に使用されます。 フローティングライセンスで管理された ARM 製品のインストール環境は、 以下のコンピュータで構成されています。 クライアント ARM 開発ソフトウェアがインストールされたコンピュータ。購 入したライセンスより多いクライアントを配置できます。ライセ ンスのユーザ数のすべてが使用されると、現在のユーザのうち のいずれかが製品の使用を中止するまでは、新たなユーザが製 品を使用できなくなります。 サーバ ライセンスおよびライセンスサーバユーティリティがインス トールされたコンピュータ。ライセンスサーバはクライアントと して使用することもできますが、これは一般的な操作モードで はありません。 ライセンスサーバは、一度に使用できるライセンス提供製品のコンポーネン ト数を、購入したライセンスの最大数を超えないように制御します。 例 1-2 のライセンスの抜粋は、標準のフローティングライセンスの一部を示 しています。この例では、完全修飾された SERVER 名は cumulus.mycompany.com で、ホスト ID は 785f2170 であり、ポート 8224 が使用されています。3 サーバ ライセンスは、ライセンスの最初に SERVER 行が 3 行あります。このライセンス では、特定の ARM アプリケーションの使用が最大 10 人の同時接続ユーザに 許可されており、各ユーザはアプリケーションを実行するためのパーミッ ションをライセンスサーバから取得しています。ツール群の各部分のライセ ンスは柔軟に管理されているため、このフローティングライセンスでは、一 度に 10 人までのユーザが armar 機能を使用する一方で、別の 10 人のユーザが fromelf 機能を使用することができます。製品ライセンスによっては、同時接 続機能の使用を制限していることもあるので、詳細についてはお使いのツー ルのマニュアルを参照して下さい。 例 1-2 標準の単一サーバフローティングライセンスの抜粋 SERVER cumulus.mycompany.com 785f2170 8224 VENDOR armlmd USE_SERVER INCREMENT fromelf armlmd 4.1 permanent 10 7E338B2771EA DUP_GROUP=NONE \ ISSUER="ARM Limited" NOTICE="For support see \ 1-8 Copyright © 2002-2004, 2006-2008, 2010 ARM. All rights reserved. Non-Confidential ARM DUI 0209IJ はじめに http://www.arm.com/support/" SN=ABCDE-98765-ZYXWV SIGN="8674 \ FEE3 5830 D004 2F8D 8C07 E75C 84AA 14EB 37A0 9AD7 4D73 D34A F83A \ EE22 B1F1 3579 54C8 54BA D9D7 5B87 E024 632C B7E0 1DF2 8526 2312 \ 27F2 DD78 C020 ABB9" SIGN2="1E17 F524 7987 9CD4 3BC2 FB34 E2FB \ 04AA 2C79 4B4C 776D 0FC3 9797 7653 2FBA 044B 2854 608B D8B9 \ 6F8A 7B69 3BFA 4AE4 2234 B9A0 0ACA 3E21 1CF8 0F58 54FE" INCREMENT armar armlmd 4.0 permanent 10 8EE2C29A2DB3 DUP_GROUP=UHD \ ISSUER="ARM Limited" NOTICE="For support see \ http://www.arm.com/support/" SN=ABCDE-98765-ZYXWV SIGN="2B77 \ 780F 37C5 CAD3 ED05 AECA 0424 0876 6E3D 2EAC 64EB C78E 7015 6E99 \ 2119 08ED 4889 AF20 CD05 9E76 EA75 72FE 0154 CC8F CD78 AA01 \ 1824 C650 A7B5 0696" SIGN2="20EA 4015 0356 5FF8 2DE5 083A 2C9F \ 5645 B14E 220C 00E1 8970 F32E B873 AC7E 182A 20EF 27EA 7BB8 \ B25E 08DB 70D3 AB8B 7847 DB87 B88A 5700 A079 BEB7 E3D2"... Windows および Unix/Linux ライセンスサーバとクライアントは、すべてのイ ンストールにおいて混在することができます。クライアントコンピュータは、 LAN（ローカルエリアネットワーク）経由でサーバコンピュータにアクセス できる必要があります。 注 WAN（ワイドエリアネットワーク）上でのフローティングライセンスの使用 はサポートされていません。パフォーマンス上の理由から、ライセンスサー バとクライアントを同じ LAN（ローカルエリアネットワーク）上に配置する ことを強く推奨します。 ARM ソフトウェアライセンスでは、単一サーバと 3 サーバのフローティング ライセンスのインストールをサポートしています。 1.5.1 単一サーバモデル ライセンスファイルは、単一サーバのホスト ID に対してロックされ、ライセ ンスのプロセスが制御されます。単一サーバのフローティングライセンスモ デルでは、サーバコンピュータが常に実行されており、しかもクライアント コンピュータがサーバコンピュータにローカルエリアネットワーク経由でア クセスできる必要があります。 ネットワークまたは単一サーバが停止した場合、再び起動されるまでは、ラ イセンスを提供されたツールを使用できません。 図 1-1 （ページ 1-10）に、単一サーバモデルを示します。サーバでは、対応す るサーバの詳細が含まれるライセンスファイルが、ライセンスサーバのプロ セスによってロードされます。クライアントは、ライセンスサーバとライセ ARM DUI 0209IJ Copyright © 2002-2004, 2006-2008, 2010 ARM. All rights reserved. Non-Confidential 1-9 はじめに ンスが発行されるポートを参照するように設定する必要があります。この設 定を行うには、クライアントの ARMLMD_LICENSE_FILE 環境変数を port@server に 設定することを推奨します。図 1-1 の例では、環境変数を 8224@Server_A に設定 する必要があります。 Client Server_A 図 1-1 単一サーバモデル 1.5.2 3 台のサーバモデル ライセンスファイルは、3 台の個別のライセンスサーバのホスト ID に対して ロックされます。そのため、1 台のサーバで障害が発生しても、ユーザはライ センスをチェックアウトすることができるため、製品のライセンス提供の信 頼性が高くなります。3 サーバフローティングライセンスモデルでは、以下の ことが必要です。 • ライセンスサーバの起動時に、3 台のサーバすべてが使用可能であるこ と。最初の起動の後は、サーバのいずれかを停止させることができま す。 • 最低でも 2 台のサーバコンピュータが常に実行されていること。 • どのサーバもローカルエリアネットワーク経由で相互にアクセスできる こと。 • クライアントコンピュータもローカルエリアネットワーク経由でこれら のサーバコンピュータにアクセスできること。 3 台のサーバモデルには以下のような制限事項があります。 • • 単一サーバシステムよりも設定が複雑です。 3 台のサーバが必要です。 • 2 台のサーバが常に実行されている必要があります。 3 台のサーバモデルは、複雑度が高くなるため、サーバの稼働に多くのユー ザが依存している職場で 10 個以上のライセンスを管理する場合に適していま す。 1-10 Copyright © 2002-2004, 2006-2008, 2010 ARM. All rights reserved. Non-Confidential ARM DUI 0209IJ はじめに 図 1-2 に、3 台のサーバモデルを示します。各サーバで、3 台のサーバの詳細 がすべて含まれる同一のライセンスファイルが、ライセンスサーバのプロセ スによってロードされます。クライアントは、すべてのライセンスサーバと ライセンスが発行されるポートを参照するように設定する必要があります。 この設定を行うには、ARMLMD_LICENSE_FILE 環境変数を設定することを推奨しま す。 Server_A Server_B Client Server_C 図 1-2 3 台のサーバモデル 図 1-2 の例では、Windows で環境変数を 8224@Server_A;8224@Server_B;8224@Server_C に設定する必要があります。リスト内 の最初のサーバである Server_A はマスタサーバで、他の 2 台のサーバを起動 する前に起動する必要があります。 オペレーティングシステムによって、環境変数で使用する区切り文字が異な る場合があります。Windows 環境の区切り文字はセミコロン（;）ですが、 Unix/Linux 環境ではコロン（:）になります。 1.5.3 関連項目 • • ARM DUI 0209IJ 「ライセンスエントリの形式」（ページ 1-5） 第 5 章 ライセンスサーバを使用するためのクライアントの設定 Copyright © 2002-2004, 2006-2008, 2010 ARM. All rights reserved. Non-Confidential 1-11 はじめに 1.6 ARM ライセンスウィザード ARM ライセンスウィザードは、ライセンスを請求またはインストールするた めのユーティリティで、Windows のみに対応しています。このユーティリ ティは、一部の ARM 製品に付属しています。詳細については、ARM 製品の 『スタートガイド』を参照して下さい。ライセンスウィザードを使用して、以 下のことができます。 • ARM Web ライセンスのポータルにアクセスする • • ノードロックライセンスをインストールする フローティングライセンスを使用するように Windows クライアントを設 定する 本書では、ARM ライセンスウィザードのバージョン 4.x の使用方法について 説明します。ARM 開発ツールのインストール時に、License Wizard バージョン 4.x 以前がインストールされることがあります。そのような場合、古い License Wizard の使用方法の詳細については、ツールと共に提供されるライセンス管 理マニュアルを参照して下さい。 1.6.1 関連項目 • • • 1-12 「ライセンスウィザード v4.x からの ARM Web ライセンスのポータルへの アクセス」（ページ 2-7） 「ARM ライセンスウィザードを使用したノードロックライセンスのイン ストール」（ページ 3-2） 「Windows 環境でのクライアントライセンスの設定」（ページ 5-2） Copyright © 2002-2004, 2006-2008, 2010 ARM. All rights reserved. Non-Confidential ARM DUI 0209IJ はじめに 1.7 ARM Web ライセンスのポータル ARM では、お使いの ARM ツールの FLEXnet ライセンスの生成および表示に 使用できる Web ベースのシステムを提供しています。このシステムを使用す ると、シリアル番号の入手後すぐにツールのライセンスを取得できます。 ARM Web ライセンスのポータルの使用方法の詳細は、この Web サイトのメ インページに記載されています。 注 1.7.1 • ライセンスファイルのコピーをコンピュータに保存する場合は、通常テ キスト形式で保存する必要があります。リッチテキスト形式（.rtf）な ど、他のファイル形式を使用すると、ライセンスファイルが読み出せな くなったり、それ以降、ライセンスエラーが発生するようになることが あります。 • OptimoDE® テクノロジに基づくツール群の新しいライセンスを要求する 場合には、ARM Web ライセンスのポータルを使用することはできませ ん。 関連項目 • • ARM DUI 0209IJ 「サーバライセンスのインストール」（ページ 4-5） ARM Self-Service Portal, https://silver.arm.com Copyright © 2002-2004, 2006-2008, 2010 ARM. All rights reserved. Non-Confidential 1-13 はじめに 1-14 Copyright © 2002-2004, 2006-2008, 2010 ARM. All rights reserved. Non-Confidential ARM DUI 0209IJ 第 2章 ライセンスの請求 以下の各トピックでは、ARM ソフトウェアのライセンスの請求方法について 説明します。 「ライセンスの請求に必要な情報」（ページ 2-2） • • ARM DUI 0209IJ 「ライセンスウィザード v4.x からの ARM Web ライセンスのポータルへの アクセス」（ページ 2-7） Copyright © 2002-2004, 2006-2008, 2010 ARM. All rights reserved. Non-Confidential 2-1 ライセンスの請求 2.1 ライセンスの請求に必要な情報 ARM にライセンスを申請するには、以下の情報を用意しておく必要がありま す。 • 製品のシリアル番号 • ホスト ID 2.1.1 製品のシリアル番号 通常、製品のシリアル番号の形式は xxxxx-xxxxx-xxxxx です。x は英数字を表し ます。一般に、シリアル番号は、製品の外箱に貼られているシール、製品 パッケージに同梱されているカード、または製品ダウンロードへのリンクが 記載された電子メールに記載されています。 注 評価版の場合、シリアル番号の形式は LMxxx-xxxx-xxxxxx になります。x は英数 字を表します。LM の直後の文字数は異なる場合があります。一部の古いバー ジョンの ARM 製品の場合、シリアル番号の形式は、xxxxx-xxxxx-xxxxxxxxxx ま たは xxxxx-xxxxx-xxxxx-xxxxx になります。 2.1.2 ホスト ID ホスト ID は、特定のコンピュータに固有の識別子です。FLEXnet では、特定 のクライアントコンピュータやサーバコンピュータにライセンスをロックす るために使用されます。ライセンスの生成時に提供されたホスト ID が正しく ない場合、生成されたライセンスでは製品を使用できません。 ホスト ID を取得する手順は、ライセンスの種類、ハードウェアプラット フォーム、および使用するオペレーティングシステムによって異なります。 ARM ライセンスウィザードバージョン 4.x を使用している場合、ウィザード によって有効なホスト ID が特定されます。 ネットワークアダプタカードに対するノードロック ノードロックライセンスは通常、コンピュータのネットワークカードの物理 アドレス（MAC アドレスとも呼ばれます）に対してロックされます。ネット ワークカードを交換する場合は、ARM に新しいライセンスを申請する必要が あります。 2-2 Copyright © 2002-2004, 2006-2008, 2010 ARM. All rights reserved. Non-Confidential ARM DUI 0209IJ ライセンスの請求 ライセンスを複数のコンピュータで使用する必要がある場合は、USB や PCMCIA ネットワークカードなどの携帯式ネットワークカードにライセンス をロックすることができます。当然、同時に複数のコンピュータ上でソフト ウェアを使用することはできません。 ネットワークカードのアドレスをノードロックライセンスのホスト ID として 使用できるようにするには、Windows システムに以下のいずれかをインス トールする必要があります。 • SNMP サービス • NETBEUI 転送プロトコル • NW Link（IPX/SPX）転送プロトコル 指定した条件が満たされない場合は、ネットワークカードの ID が返されない か、不正な ID になる恐れがあります。 コンピュータのネットワークカードのアドレスを取得するには、コマンドプ ロンプトでコマンド「ipconfig /all」を入力し、ネットワークカードの Physical address 行を探します。 Description ...........: 3Com 10/100 Mini PCI Ethernet Adapter Physical Address ......: 00-00-12-42-41-BC ホスト ID は、Physical Address から "-" を取り除いたものです。この例では、 0000124241bc となります。または、FLEXnet ソフトウェアをコンピュータにイ ンストールしている場合は、コマンドプロンプトで代わりに「lmutil lmhostid」と入力することもできます。 注 ARM DUI 0209IJ • ネットワークカードの物理アドレスをホスト ID として使用するには、 仮想ネットワークアドレスや他のデバイスのアドレスではなく、実際の ネットワークカードのアドレスを選択する必要があります。仮想ネット ワークカードのアドレスを使用することは、再起動後にアドレスが変更 されないという保証がないため、適切ではありません。 • コンピュータに省電力モードが用意されている場合には、ライセンスが ロックされているネットワークデバイスがシャットダウンされないよう にして下さい。 Copyright © 2002-2004, 2006-2008, 2010 ARM. All rights reserved. Non-Confidential 2-3 ライセンスの請求 ハードディスクボリューム番号に対するノードロック C ドライブのハードディスクボリューム番号をノードロックライセンスのホ スト ID として使用することもできます。しかし、ハードディスクを交換また は再フォーマットした場合、ARM に新しいライセンスを申請する必要がある ため、推奨される方法ではありません。ただし、お使いのコンピュータが ラップトップ型で、ドッキングおよびドッキング解除時に異なるネットワー クカードを使用する場合は、ハードディスクのシリアル番号をホスト ID また は携帯式ネットワークカードのホスト ID として使用して、アプリケーション を常に確実に使用できるようにします。 ハードディスクボリューム番号を取得するには、コマンドプロンプトでディ レクトリを C ドライブに変更し、コマンド「vol」を入力します。このコマン ドにより、次のような値が返されます。 ボ リ ュ ー ム シ リ ア ル番号は 789A-D123 で す ホスト ID は、ボ リ ュ ー ム シ リ ア ル番号から "-" を取り除き、先頭に DISK_SERIAL_NUM= を加えたものです。この例では、DISK_SERIAL_NUM=789ad123 となります。また、 既に FLEXnet ソフトウェアをコンピュータにインストールしている場合は、 代わりに「lmutil lmhostid -vsn」と入力してこの情報を取得することもできま す。 注 FLEXnet ソフトウェアでチェックされるハードディスクは、コンピュータに 搭載されている 1 つ目の固定ドライブです。FLEXnet では、このドライブが C ドライブと見なされます。ネットワークドライブや他の固定ドライブをホス ト ID として使用することはできません。 ハードディスクのボリュームシリアル番号は、評価バージョンのライセンス では使用できません。 フローティングライセンスサーバのホスト ID 必要なホスト ID は、ARM からライセンスが提供されたソフトウェアを実行 するクライアントコンピュータではなく、ライセンスサーバに属します。既 に FLEXnet サーバソフトウェアをサーバにインストールしている場合は、 lmutil lmhostid を使用してホスト ID を取得できます。FLEXnet サーバソフト 2-4 Copyright © 2002-2004, 2006-2008, 2010 ARM. All rights reserved. Non-Confidential ARM DUI 0209IJ ライセンスの請求 ウェアをまだインストールしていない場合は、表 2-1 に記載されている標準 的なオペレーティングシステムのコマンドを使用して、適切なホスト ID を取 得できます。 表 2-1 ホスト ID を取得するためのコマンド OS コマンド サーバホスト ID の種類 Windows ipconfig /all ETHERNET ホスト ID は 12 文字の 16 進 数の物理アドレスとして返さ れます。ホスト ID は、物理ア ドレスから "-" を取り除いた ものになります。 Linux /sbin/ifconfig eth0 ETHERNET 12 文字の 16 進数の "HWaddr" を返します。ホスト ID は、 HWaddr からコロン ":" を取 り除いたものになります。 Solaris /usr/bin/hostid LONG 8 文字の 16 進数のホスト ID を返します。 コメント 注 ARM DUI 0209IJ • ARM ソフトウェアツールによっては、フローティングライセンスを使 用できない場合があります。 • 3 サーバ（冗長サーバ）ライセンスを請求している場合は、3 台のサー バごとに異なる有効なホスト ID が必要です。これらのサーバで、同じオ ペレーティングシステムが稼働中である必要はありません。 • 3 サーバライセンスを請求する際は、ライセンスの請求時に最初にマス タサーバのホスト ID を指定する必要があります。 • Windows ライセンスサーバでは、ボリュームシリアル番号をホスト ID として使用することはできません。 • Linux では、サーバのホスト ID として使用されるデバイスは eth0 に配置 される必要があります。このアドレスは、Linux ラップトップを使用し、 ライセンスをスタンドアロンコンピュータ間で転送する場合などに、リ ムーバブル USB ネットワークデバイスに割り当てることもできます。 • HP-UX ライセンスサーバはサポートされなくなりました。 Copyright © 2002-2004, 2006-2008, 2010 ARM. All rights reserved. Non-Confidential 2-5 ライセンスの請求 2.1.3 関連項目 • • • 2-6 「ARM Web ライセンスのポータル」（ページ 1-13） 「ライセンスウィザード v4.x からの ARM Web ライセンスのポータルへの アクセス」（ページ 2-7） 「ライセンスを別のコンピュータに移動するにはどうすればよいですか ?」（ページ 6-8） Copyright © 2002-2004, 2006-2008, 2010 ARM. All rights reserved. Non-Confidential ARM DUI 0209IJ ライセンスの請求 2.2 ライセンスウィザード v4.x からの ARM Web ライセンスのポータルへのア クセス Windows ツールのインストール環境に ARM ライセンスウィザードバージョ ン 4.x が含まれている場合には、これを使用して ARM Web ライセンスのポー タルに直接アクセスできます。ポータルからライセンスを入手して、Windows クライアントまたはライセンスサーバにインストールできます。 1. Windows の［スタート］メニューから ARM ライセンスウィザードを起 動します。オプションは、Windows の［スタート］メニューの該当する ARM 製品のセクションにあります。詳細については、ARM 製品の『ス タートガイド』を参照して下さい。 2. ［Next］をクリックして、図 2-1 に示されている Action Selection 画面を 表示します。 図 2-1 Action Selection 画面 3. ARM DUI 0209IJ ［Obtain license］を選択して、［Next］をクリックします。これにより、 Web ブラウザが起動し、ARM Web ライセンスのポータルの「ようこそ」 ページが表示されます。ポータルの使用方法については、ポータルで入 手できるマニュアルを参照して下さい。 Copyright © 2002-2004, 2006-2008, 2010 ARM. All rights reserved. Non-Confidential 2-7 ライセンスの請求 注 ライセンスウィザードは、Web ブラウザのウィンドウの陰に隠れてしま うことがあります。License Wizard に戻るには、Windows のタスクバーに ある［ARM ライセンスウィザード］ボタンをクリックします。 4. ライセンスウィザードには、そのウィザードが実行されているコン ピュータの有効なホスト ID が表示されます。図 2-2 にその例が示されて います。 図 2-2 Local machine host ID 画面 2-8 5. ライセンスをロックするホスト ID を選択し、［Copy to clipboard］をク リックします。このようにすると、Web ライセンスのポータルでホスト ID を簡単に入力できます。 6. Web ライセンスのポータルからライセンスを入手したら、ライセンスを ローカルに保存します。 • ノードロックライセンスを使用している場合は、ライセンスウィ ザードを使用してライセンスをインストールし、ライセンス環境 を設定できます。 • ライセンスウィザードを通じて入手したサーバライセンスをイン ストールするには、別の手順を実行する必要があります。 Copyright © 2002-2004, 2006-2008, 2010 ARM. All rights reserved. Non-Confidential ARM DUI 0209IJ ライセンスの請求 2.2.1 関連項目 • • • ARM DUI 0209IJ 「ARM Web ライセンスのポータル」（ページ 1-13） 「ARM ライセンスウィザードを使用したノードロックライセンスのイン ストール」（ページ 3-2） 「サーバライセンスのインストール」（ページ 4-5） Copyright © 2002-2004, 2006-2008, 2010 ARM. All rights reserved. Non-Confidential 2-9 ライセンスの請求 2-10 Copyright © 2002-2004, 2006-2008, 2010 ARM. All rights reserved. Non-Confidential ARM DUI 0209IJ 第 3章 ノードロックライセンスのインストール 以下の各トピックでは、ARM Web ライセンスのポータルからライセンスを取 得した後に、ARM ソフトウェア製品のノードロックライセンスをインストー ルする方法について説明します。 • 「ARM ライセンスウィザードを使用したノードロックライセンスのイン ストール」（ページ 3-2） • 「ノードロックライセンスの手動インストール」（ページ 3-4） 注 一部の ARM ソフトウェア製品には ARM ライセンスウィザードは用意されて いませんが、インストール時にライセンス環境を設定することはできます。 ライセンス環境を後で手動で設定する場合には、このインストール手順を省 略しても構いません。詳細については、「ノードロックライセンスの手動イン ストール」（ページ 3-4）を参照して下さい。 ノードロックライセンスを使用しない場合は、この章を読む必要はありませ ん。 ARM DUI 0209IJ Copyright © 2002-2004, 2006-2008, 2010 ARM. All rights reserved. Non-Confidential 3-1 ノードロックライセンスのインストール 3.1 ARM ライセンスウィザードを使用したノードロックライセンスのインス トール ARM ライセンスウィザードは、Windows 対応のグラフィカルツールで、 ARM ライセンス環境を設定するのに役立ちます。一部の ARM 製品に付属し ています。ARM ライセンスウィザードがない場合は、ライセンスを手動でイ ンストールする必要があります。詳細については、「ノードロックライセンス の手動インストール」（ページ 3-4）を参照して下さい。 注 バージョン 4.x より古いバージョンの ARM ライセンスウィザードを使用して いる場合は、ご使用の開発ツール付属の対応するマニュアルを参照して下さ い。 ノードロックライセンスをインストールする最も簡単な方法を以下に示しま す。 1. インストール時に、ARM ライセンスウィザードが通常は自動的に起動 します。 注 起動しない場合は、Windows の［スタート］メニューで、該当する ARM 製品のセクションから手動で起動できます。詳細については、 ARM 製品の『スタートガイド』を参照して下さい。 3-2 2. ［Next］をクリックして Action Selection 画面を表示します。詳細につい ては、「Action Selection 画面」（ページ 2-7）を参照して下さい。 3. ［Install license］を選択します。 4. ［Next］をクリックします。 5. ノードロックライセンスのインストールに関する情報を確認します。ご 使用の種類のライセンスに必要なタスクを完了した後、［Next］をク リックします。 6. ［参照］をクリックして、取得した永久ライセンスファイルを見つけて 選択します。 7. ［追加］をクリックし、コンピュータに使用できるライセンスソースの リストにライセンスファイルを追加します。このファイルが、インス トールされている ARM ツールのライセンスのサブディレクトリに存在 Copyright © 2002-2004, 2006-2008, 2010 ARM. All rights reserved. Non-Confidential ARM DUI 0209IJ ノードロックライセンスのインストール しない場合は、ライセンスファイルをその場所にコピーするかどうかを 確認するメッセージが表示されます。すべての ARM ライセンスファイ ルを 1 つのディレクトリに保管して、簡単に管理できるようにすること を推奨します。 3.1.1 8. ［Next］をクリックします。 9. ［Finish］をクリックします。この手順により、ウィザードで行った変更 が ARM ライセンス環境に反映されます。 • 「ノードロックライセンス方式（Windows のみ）」（ページ 1-7） 関連項目 ARM DUI 0209IJ Copyright © 2002-2004, 2006-2008, 2010 ARM. All rights reserved. Non-Confidential 3-3 ノードロックライセンスのインストール 3.2 ノードロックライセンスの手動インストール ARM ライセンスウィザードを使用せずに、ノードロックライセンスを自分で インストールすることもできます。 手動でノードロックライセンスをインストールするには、以下の手順に従い ます。 3.2.1 1. 第 2 章 ライセンスの請求の説明に従って、ARM の Web ライセンスの ポータルからライセンスを取得します。 2. ライセンスファイルを license.dat という名前で保存し、ARM 製品をイ ンストールした場所に置きます。後で見つけやすくするために、ライセ ンスファイルはインストールディレクトリのルートに保存することを推 奨します。 3. ARMLMD_LICENSE_FILE という Windows 環境変数を作成するか変更して、 ARM 開発ツールをインストールした場所を指すようにします。詳細につ いては、「Windows 環境でのクライアントライセンスの設定」（ペー ジ 5-2）を参照して下さい。 関連項目 • 3-4 「ノードロックライセンス方式（Windows のみ）」（ページ 1-7） Copyright © 2002-2004, 2006-2008, 2010 ARM. All rights reserved. Non-Confidential ARM DUI 0209IJ 第 4章 フローティングライセンスサーバの設定 以下の各トピックでは、FLEXnet サーバソフトウェアのインストールとクラ イアントコンピュータの設定について説明します。 「サーバソフトウェアのインストール」（ページ 4-2） • • • • 「サーバライセンスのインストール」（ページ 4-5） 「ライセンスサーバの起動」（ページ 4-9） 「ライセンスサーバのシャットダウン」（ページ 4-14） 注 フローティングライセンスを使用しない場合は、FLEXnet サーバソフトウェ アは必要ありません。この場合は、本章を読む必要はありません。 ARM DUI 0209IJ Copyright © 2002-2004, 2006-2008, 2010 ARM. All rights reserved. Non-Confidential 4-1 フローティングライセンスサーバの設定 4.1 サーバソフトウェアのインストール フローティングライセンスによって、ライセンス管理された ARM 製品を使 用できるようにするには、FLEXnet サーバソフトウェアをライセンスサーバ にインストールして、サーバを起動しておく必要があります。 注 コンピュータがライセンス管理サーバとしてだけ機能している場合は、ARM ソフトウェア製品をサーバにインストールする必要はありません。 フローティングライセンスをサポートする各 ARM 製品では、サポートされ るすべてのライセンスサーバ用のソフトウェアが提供されています。 FLEXnet ファイルは、通常、以下のいずれかの場所にあります。 • DVD-ROM またはダウンロードしたパッケージ内。詳細については、 ARM 製品の『スタートガイド』を参照して下さい。 • 製品のインストール環境のフォルダ内。詳細については、ARM 製品の 『スタートガイド』を参照して下さい。 • 製品をダウンロードした Web サイト。 ARM ライセンスサーバユーティリティが見つからない場合は、以下のいずれ かを実行して下さい。 • 次の ARM サポートサイトからファイルをダウンロードします。 http://www.arm.com/support/downloads/flexnet.html • ARM ライセンスサポートに電子メールで問い合わせます。 [email protected] ライセンス管理ユーティリティとしては、次のものがあります。 armlmd ARM ベンダデーモン lmgrd FLEXnet サーバデーモン lmutil FLEXnet ライセンスユーティリティ lmtools.exe FLEXnet ライセンスユーティリティ用のグラフィカルユーザイン タフェース。 lmtools は、Windows 上でのみ使用できます。 4-2 Copyright © 2002-2004, 2006-2008, 2010 ARM. All rights reserved. Non-Confidential ARM DUI 0209IJ フローティングライセンスサーバの設定 Windows では、すべてのユーティリティが .exe というファイル名拡張子を 持っています。ただし、Windows エクスプローラで既知のファイルの種類の 拡張子を非表示にするよう設定していると、拡張子は表示されません。 4.1.1 Windows 環境でのサーバソフトウェアのインストール Windows ライセンスサーバでサーバソフトウェアをインストールするには、 以下の手順に従います。 1. 2. ARM アプリケーションの FLEXnet ファイルをサーバ上のディレクトリ （例えば C:\FLEXnet）にコピーします。 このディレクトリを PATH に追加します。 3 サーバ構成を使用している場合は、この FLEXnet サーバソフトウェアのイ ンストール手順を各 Windows サーバで実行する必要があります。 4.1.2 Unix/Linux 環境でのサーバソフトウェアのインストール ライセンスサーバソフトウェアは通常、お使いの ARM 製品でサポートされ るバージョンと同じバージョンのプラットフォームでサポートされます。た だし、例外がいくつかあります。詳細については、「ライセンスサーバデーモ ンのどのバージョンを使用すればよいですか ?」（ページ 8-8）を参照して下 さい。 また、ライセンスサーバユーティリティは、お使いの製品をダウンロードし た Web サイトからも入手できます。ARM ライセンスサーバユーティリティを 利用できない場合は、ARM ライセンスサポートまでお問い合わせ下さい。 Unix および Linux サーバでサーバソフトウェアをインストールするには、以 下の手順に従います。 1. 該当するプラットフォームのディレクトリから、ライセンスサーバコン ピュータにファイルをコピーします。コピー先のディレクトリが、環境 変数 PATH に存在する必要があります。リモートでマウントされたディス クにライセンスサーバソフトウェアをインストールすることは、ネット ワークへの依存度が高まるため、お勧めできません。 2. ライセンスサーバコンピュータで、ディレクトリをライセンスユーティ リティのディレクトリに変更し、以下のように入力します。 sh ./makelinks.sh ARM DUI 0209IJ Copyright © 2002-2004, 2006-2008, 2010 ARM. All rights reserved. Non-Confidential 4-3 フローティングライセンスサーバの設定 3 サーバ構成を使用している場合は、この FLEXnet サーバソフトウェアのイ ンストール手順を各 Unix/Linux サーバで実行する必要があります。 4-4 Copyright © 2002-2004, 2006-2008, 2010 ARM. All rights reserved. Non-Confidential ARM DUI 0209IJ フローティングライセンスサーバの設定 4.2 サーバライセンスのインストール ライセンスは通常は、ARM の Web ライセンスのポータルからユーザ自身が 取得します。詳細については、 「ライセンスウィザード v4.x からの ARM Web ラ イセンスのポータルへのアクセス」（ページ 2-7）を参照して下さい。 このライセンスを FLEXnet 管理ツールのライセンス発行のために既に使用し ているライセンスサーバに追加する場合は、すべてのツールに対して同じ ユーティリティを使う必要があります。そのため、すべてのライセンスサー バユーティリティが、使用しているさまざまなツールのいずれかによって提 供されている最新バージョンにアップグレードされていることを確認する必 要があります。 OptimoDE テクノロジに基づく各種ツールのサーバライセンスをインストール する場合は、他の ARM 製品と手順が少し異なります。 注意 ライセンスファイル内に既に存在する項目は、サーバ名とポート番号以外は 編集しないで下さい。それ以外のものを編集してしまうと、ライセンスファ イルが無効になります。 ライセンスファイルを使用できるようにするには、次のように変更する必要 があります。 1. 3 サーバ構成を使用している場合は、ライセンスファイルをこのサーバ または 3 台のサーバすべての既知の場所に移動します。ライセンスファ イルの移動先として適切な場所は、例えばライセンスサーバソフトウェ アと同じディレクトリです。 ここでは、ライセンスファイル名として license.dat を使用します。本書 全体で、ライセンスファイルのことを示す場合に、この名前を使用しま す。このファイルに別の名前を付ける場合は、license.dat を使用する ファイル名に置き換えて下さい。 ARM DUI 0209IJ 2. license.dat ファイルを変更するために、テキストエディタを開きます。 3. ライセンスファイル中の this_host を対応するサーバ名に置き換えます。 3 サーバ構成を使用している場合は、this_host、this_host2、および this_host3 を、ホスト ID と一致するサーバ名に置き換えます。最初にリ ストされているサーバがマスタサーバです。この編集は、3 台のサーバ すべてに対して行う必要があります。 Copyright © 2002-2004, 2006-2008, 2010 ARM. All rights reserved. Non-Confidential 4-5 フローティングライセンスサーバの設定 注 ライセンスファイルのホスト ID が不適切な場合またはサーバホスト ID が変更された場合は、ARM に新しいライセンスファイルを申請する必 要があります。 4. 各ホスト ID の後ろにポート番号を追加します。デフォルトでは、この ポート番号は 8224 になります。ポートを定義していない場合は、オペ レーティングシステムによって 27000 ～ 27009 の範囲で 1 つ選択されま す。このポート番号は、サーバが再起動されると変更されることがあり ます。 5. 編集済みのライセンスファイルをプレーンテキストファイルとして保存 します。 注 ライセンスファイルの編集中にミスを犯した場合、オリジナルのライセ ンスファイルを ARM Web ライセンスのポータルから再度ダウンロード することができます。 例として、Web で生成されたライセンスファイルに次の行が含まれる場合に ついて説明します。 SERVER this_host 001002A34BC5 synchrotron という名前のライセンスサーバでポート番号 8224 を使用するに は、この行を次のように変更する必要があります。 SERVER synchrotron 001002A34BC5 8224 許可されていない限りライセンスファイルを編集することはできませんが、 特定の要素（オプションファイルやベンダのデーモンへのパスなど）を追加 することはできます。詳細については、『FLEXnet エンドユーザガイド』を参 照して下さい。 4.2.1 OptimoDE ライセンスのインストール ARM の Web ライセンスのポータルを使用して OptimoDE ライセンスファイル を取得することはできません。代わりに、次のようにする必要があります。 1. 4-6 ライセンス要求ワークシートの OptimoDE_License_Request_Worksheet.txt に 記入する必要があります。このワークシートは、ソフトウェアのダウン ロードに同梱されています。 Copyright © 2002-2004, 2006-2008, 2010 ARM. All rights reserved. Non-Confidential ARM DUI 0209IJ フローティングライセンスサーバの設定 2. 記入済みのワークシートを [email protected] に送信しま す。 3. すると、ライセンスファイルが生成されて、電子メールで送付されま す。OptimoDE ツール用のライセンスファイルをサーバにインストール できるようにするには、あらかじめファイルを変更しておく必要があり ます。 4. 3 サーバ構成を使用している場合は、ライセンスファイルをこのサーバ または 3 台のサーバすべての既知の場所に移動します。ライセンスファ イルの移動先として適切な場所は、例えばライセンスサーバソフトウェ アと同じディレクトリです。 ここでは、ライセンスファイル名として license.dat を使用します。本書 全体で、ライセンスファイルのことを示す場合に、この名前を使用しま す。このファイルに別の名前を付ける場合は、license.dat を使用する ファイル名に置き換えて下さい。 5. license.dat ファイルを変更するために、テキストエディタを開きます。 6. ライセンスファイル中の SERVER 行で、unnamed を対応するサーバ名に置き 換えます。3 サーバ構成を使用している場合は、unnamed をそれぞれ、ホ スト ID と一致するサーバ名に置き換えます。最初にリストされている サーバがマスタサーバです。 注 ライセンスファイルのホスト ID が不適切な場合またはサーバホスト ID が変更された場合は、ARM に新しいライセンスファイルを申請する必 要があります。 7. ライセンスサーバのポート番号は、ライセンスファイル内で 1727 に設 定されており、各 SERVER 行に記載されます。この値を変更するときには、 1727 を目的のポート番号に置き換えます。ポートを指定しない場合、値 1727 を削除します。オペレーティングシステムによってデフォルトの ポート番号が 27000 ～ 27009 の範囲で 1 つ選択されます。このポート番 号は、サーバが再起動されると変更されることがあります。 8. DAEMON 行で、path_to_armlmld を armlmd ベンダデーモンの絶対パスに置き 換えます。ここで指定するパスに環境変数を含めることはできません。 また、パスはローカルマシン上に存在する必要があります。パスに空白 が含まれる場合は、空白を二重引用符で囲みます。 ARM DUI 0209IJ Copyright © 2002-2004, 2006-2008, 2010 ARM. All rights reserved. Non-Confidential 4-7 フローティングライセンスサーバの設定 9. 編集済みのライセンスファイルをプレーンテキストファイルとして保存 します。 注 ライセンスファイルの編集に失敗した場合は、ライセンスが記載された 電子メールからオリジナルのライセンスファイルを取得できます。 4-8 Copyright © 2002-2004, 2006-2008, 2010 ARM. All rights reserved. Non-Confidential ARM DUI 0209IJ フローティングライセンスサーバの設定 4.3 ライセンスサーバの起動 どのようにライセンスサーバを起動するかは、使用しているプラットフォー ムによって異なります。 注 4.3.1 • ライセンスサーバを実行中のシステムに新しいライセンスを追加する場 合は、サーバを停止し、新しいライセンスファイルを指定して、サーバ を再起動する必要があります。詳細については、「ライセンスサーバの シャットダウン」（ページ 4-14）を参照して下さい。この操作を行わな いと、新しいライセンス情報がライセンスデーモンで認識されないこと があります。lmreread コマンドの使用は推奨しません。 • 3 台のサーバ構成を使用している場合は、マスタサーバを起動してか ら、セカンダリサーバを起動する必要があります。マスタサーバは、ラ イセンスファイルの最初にリストされています。 グラフィカルユーザインタフェースからの Windows サーバの起動 グラフィカルユーザインタフェースを使用して、Windows サーバでライセン スサーバソフトウェアを設定して起動するには、次の手順に従います。 1. lmtools.exe プログラムを起動します。詳細については、 「サーバソフト ウェアのインストール」（ページ 4-2）を参照して下さい。 2. ［Server/License File］タブで、図 4-1 に示す［Configuration using Services］オプションを選択します。 図 4-1 ［Configuration using Services］の選択 ARM DUI 0209IJ Copyright © 2002-2004, 2006-2008, 2010 ARM. All rights reserved. Non-Confidential 4-9 フローティングライセンスサーバの設定 3. ［Config Services］タブをクリックして、図 4-2 に示すダイアログボック スを表示します。この例では、標準のパスが入力されたダイアログボッ クスが示されています。 図 4-2 サーバ設定のダイアログボックス 4. 必要なファイルを指定するパスを入力します。または、［Browse］ボタ ンをクリックしてファイルを検索し、選択します。以下のパスを指定す る必要があります。 • 実行可能ファイル lmgrd.exe • ライセンスファイル license.dat • ログファイル（この例の場合は debug.log） 注 サーバログファイルは肥大化することがあるため、場合によっては、サ イズ制限の対策を講じる必要があります。詳細については、「サーバの デバッグログファイルのサイズはどのように管理できますか ?」（ペー ジ 8-13）を参照して下さい。 5. 6. 7. 4-10 サーバコンピュータの電源投入時にサーバソフトウェアが自動的に起動 されるようにするには、以下の手順を実行します。 a. ［Use Services］チェックボックスを選択します。 b. ［Start Server at Power Up］チェックボックスを選択します。 ［Save Service］をクリックします。 メッセージが表示されたら、FLEXnet License Manager サービスの保存を 確認します。 Copyright © 2002-2004, 2006-2008, 2010 ARM. All rights reserved. Non-Confidential ARM DUI 0209IJ フローティングライセンスサーバの設定 8. ［Start/Stop/Reread］タブをクリックし、FLEXnet License Manager サービ スが選択されていることを確認します。 9. ［Start Server］をクリックして、ライセンスサーバソフトウェアの実行 を開始します。 10. ライセンスサーバが正常に起動したかどうかを、次のようにして確認し ます。 a. ［Server Status］タブをクリックします。 b. ［Perform Status Enquiry］をクリックします。 c. 11. ステータス情報に、ライセンスサーバとベンダのデーモンが共に 稼働状態であることが表示されます。その後に、ライセンスされ た機能の使用状況リストも表示されます。ライセンスサーバエラー があれば、ステータス情報に表示されます。 ライセンスサーバの起動後は、メモ帳などのテキストエディタを使用し て、サーバのデバッグログファイルの内容を確認できます。 サーバのグラフィカルユーザインタフェースの詳細については、以下を参照 して下さい。 • Flexera Software のドキュメント • 4.3.2 『FLEXnet End User Guide』 コマンドラインからの Windows サーバの起動 コマンドラインを使用して Windows システムでライセンスサーバを起動する には、次の手順に従います。 1. ライセンスサーバソフトウェアがインストールされているディレクトリ に移動します。 2. 次のように入力します。 lmgrd -c license_file_name -l logfile_name 各パラメータには以下の意味があります。 license_file_name ライセンスファイルの完全修飾パス名を指定します。 logfile_name サーバのデバッグログファイルの完全修飾パス名を指定しま す。 ARM DUI 0209IJ Copyright © 2002-2004, 2006-2008, 2010 ARM. All rights reserved. Non-Confidential 4-11 フローティングライセンスサーバの設定 注 サーバログファイルは肥大化することがあるため、場合に よっては、サイズ制限の対策を講じる必要があります。詳細に ついては、「サーバのデバッグログファイルのサイズはどのよ うに管理できますか ?」（ページ 8-13）を参照して下さい。 3. 4.3.3 ライセンスサーバの起動後は、メモ帳などのテキストエディタを使用し て、サーバのデバッグログファイルの内容を確認できます。 Unix サーバまたは Linux サーバの起動 Unix サーバまたは Linux サーバでライセンスサーバソフトウェアを起動する には、ライセンスサーバソフトウェアを含むディレクトリに移動し、次のよ うに入力します。 nohup lmgrd -c license_file_name -l logfile_name 各パラメータには以下の意味があります。 license_file_name ライセンスファイルの完全修飾パス名を指定します。 logfile_name サーバのデバッグログファイルの完全修飾パス名を指定します。 ネットワーク問題を避けるため、デバッグログファイルはロー カルストレージデバイスに配置する必要があります。 注 サーバログファイルは肥大化することがあるため、場合によっ ては、サイズ制限の対策を講じる必要があります。詳細について は、「サーバのデバッグログファイルのサイズはどのように管理 できますか ?」（ページ 8-13）を参照して下さい。 注 lmgrd の実行には root ユーザの特権は必要ないので、サーバに root 特権は与え ずに、特権を持たないユーザとして起動することを推奨します。 ライセンスサーバの起動後、以下の例のように入力します。 tail -f logfile_name ライセンスサーバからの最新の出力が表示されます。 4-12 Copyright © 2002-2004, 2006-2008, 2010 ARM. All rights reserved. Non-Confidential ARM DUI 0209IJ フローティングライセンスサーバの設定 Unix/Linux システムでライセンスサーバを起動および設定する方法の詳細に ついては、以下を参照して下さい。 • Flexera Software のドキュメント • ARM DUI 0209IJ 『FLEXnet End User Guide』 Copyright © 2002-2004, 2006-2008, 2010 ARM. All rights reserved. Non-Confidential 4-13 フローティングライセンスサーバの設定 4.4 ライセンスサーバのシャットダウン 例えば新しいライセンスを使用したり、変更されたオプションファイルを使 用したりするために、ライセンスサーバのシャットダウンが必要になる場合 があります。ライセンスサーバの停止方法は、使用しているプラットフォー ムによって異なります。 注 Windows ではタスクマネージャ、Unix/Linux では kill -9 コマンドを使用し て、ライセンスサーバデーモンを終了しないで下さい。プロセスが正常に終 了しないことがあるからです。その結果、サーバの再起動時に問題が発生す る可能性があります。サーバを強制的にシャットダウンする必要がある場合 には、必ず lmgrd を停止してから armlmd を停止します。 4.4.1 Windows サーバの停止 グラフィカルユーザインタフェースを使用して、Windows ライセンスサーバ を停止するには、次の手順に従います。 1. lmtools.exe プログラムを起動します。詳細については、 「Windows 環境で のサーバソフトウェアのインストール」（ページ 4-3）を参照して下さ い。 2. ［Start/Stop/Reread］タブをクリックします。 3. ［Stop Server］ボタンをクリックして、ライセンスサーバをシャットダ ウンします。 4. サーバログを使用している場合は、ログにサーバがシャットダウンした ことが記録されます。 グラフィカルユーザインタフェースではなくコマンドラインを使用する場合 は、「Unix サーバまたは Linux サーバの停止」の指示を参照して下さい。 4.4.2 Unix サーバまたは Linux サーバの停止 Unix サーバまたは Linux サーバを停止するには、ライセンスサーバソフト ウェアをインストールしたディレクトリに移動します。コマンドプロンプト で次のように入力します。 lmutil lmdown -q -c license_file_name 4-14 Copyright © 2002-2004, 2006-2008, 2010 ARM. All rights reserved. Non-Confidential ARM DUI 0209IJ フローティングライセンスサーバの設定 各パラメータには以下の意味があります。 license_file_name サーバの起動に使用したライセンスファイルの完全修飾パス名 を指定します。 4.4.3 3 台のライセンスサーバの停止 3 ライセンスサーバ構成を使用している場合、lmtools.exe GUI またはコマンド ライン上での lmutil lmdown のいずれかを使用して、いずれかのサーバを シャットダウンすると、指定されたライセンスファイルに列挙されたサーバ すべてが、1 分経過後にシャットダウンされます。 3 台のうち 1 台だけをシャットダウンするには、停止するサーバ上で Windows ではタスクマネージャ、Unix/Linux では kill -9 コマンドを使用します。サー バを 1 台だけシャットダウンすることは、短時間の停止を除き、稼働するの が 2 台だけになるので、お勧めできません。そのような場合、ライセンスエ ラーの危険が高くなります。 マスタサーバだけをシャットダウンすると、残りの 2 台の間で新しいマスタ サーバが確立されます。その結果、ライセンス取得のパフォーマンスが低下 します。クライアントが元のマスタサーバからライセンスを取得できなくな るので、ARMLMD_LICENSE_FILE 環境変数に列挙された 2 台のサーバのいずれかか らの取得を試みる必要があるからです。 ARM DUI 0209IJ Copyright © 2002-2004, 2006-2008, 2010 ARM. All rights reserved. Non-Confidential 4-15 フローティングライセンスサーバの設定 4-16 Copyright © 2002-2004, 2006-2008, 2010 ARM. All rights reserved. Non-Confidential ARM DUI 0209IJ 第 5章 ライセンスサーバを使用するためのクライアント の設定 以下の各トピックでは、ARM ツールのライセンスをサーバから取得するため にクライアントコンピュータを設定する方法について説明します。 • 「Windows 環境でのクライアントライセンスの設定」（ページ 5-2） • 「Unix または Linux 環境でのクライアントライセンス」（ページ 5-7） 注 これらのトピックは、「第 4 章 フローティングライセンスサーバの設定」で 説明されている手順に従って 1 台または複数台のサーバが既に設定されてい ることを想定して記述されています。 フローティングライセンスを使用しない場合は、ライセンスサーバは必要あ りません。この場合は、本章を読む必要はありません。 ARM DUI 0209IJ Copyright © 2002-2004, 2006-2008, 2010 ARM. All rights reserved. Non-Confidential 5-1 ライセンスサーバを使用するためのクライアントの設定 5.1 Windows 環境でのクライアントライセンスの設定 Windows クライアントでは、次のいずれかの方法で、環境変数 ARMLMD_LICENSE_FILE を設定できます。 • ARM ライセンスウィザード • コントロールパネル クライアントでは、使用している ARM ツールがサポートされている必要が あります。クライアントライセンスを設定する方法は、使用している Windows プラットフォームによって異なります。 注 一部の ARM ソフトウェア製品には ARM ライセンスウィザードは用意されて いませんが、インストール時にライセンス環境を設定することはできます。 コントロールパネルを使ってライセンス環境を後で手動で設定する場合には、 このインストール手順を省略しても構いません。 5.1.1 ARM ライセンスウィザード ARM ライセンスウィザードでは、フローティングライセンスを使用するよう に Windows 2000、XP、および Vista のクライアントを設定できます。 フローティングライセンスを使用するように Windows クライアントを設定す るには、以下の手順に従います。 1. 2. 5-2 Windows の［スタート］メニューで ARM 製品のオプションを選択して、 ARM ライセンスウィザードを起動します。詳細については、ARM 製品 の『スタートガイド』を参照して下さい。 ［Next］をクリックして、図 5-1 （ページ 5-3）に示されている Action Selection 画面を表示します。 Copyright © 2002-2004, 2006-2008, 2010 ARM. All rights reserved. Non-Confidential ARM DUI 0209IJ ライセンスサーバを使用するためのクライアントの設定 図 5-1 Action Selection 画面 ARM DUI 0209IJ 3. ［Install license］を選択します。 4. ［Next］をクリックします。 5. フローティングライセンスのインストールに関する情報を確認します。 ご使用の種類のライセンスに必要なタスクが完了したら、［Next］をク リックします。 6. 図 5-2 （ページ 5-4）に示す［ライセンスをインストール］ダイアログ が開きます。 Copyright © 2002-2004, 2006-2008, 2010 ARM. All rights reserved. Non-Confidential 5-3 ライセンスサーバを使用するためのクライアントの設定 図 5-2 ［ライセンスをインストール］ダイアログ 7. ［ライセンスをインストール］ダイアログのテキストフィールドに、 「server port@server name」と入力します。27000 ～ 27009（最初と最後の ポート番号を含む）の範囲にあるデフォルトのサーバポートを使用して いる場合は、ポート番号を省略します。3 台のサーバ構成を使用してい る場合は、3 台のサーバをこのテキストボックスで指定する必要があり ます。その際、マスタサーバを先頭に指定する必要があります。各エン トリは、セミコロン（;）で区切る必要があります。 または、テキスト入力ボックスの右にある［...］ボタンをクリックし て、該当するサーバの詳細事項を記載したローカルまたはリモートのラ イセンスファイルを参照し、［追加］をクリックします。メッセージが 表示され、ライセンスサーバへの参照を使用するのか、またはライセン ス環境変数にライセンスファイル自体を追加するのかを選択できます。 サーバの参照を使用することを推奨します。server port@server name とい う形式の名前またはライセンスファイルが、ライセンスソースのリスト に追加されます。ライセンスサーバまたはライセンスソースを複数使用 している場合は、ライセンスのインストール手順を各サーバまたはソー スに対して繰り返します。 図 5-2 では、8224@my_server が使用可能なライセンスソースとして既に追 加されているため、使用可能なライセンスソースのリストにこの名前が 表示されています。2 つ目のライセンスソースである @another_server は、 ポート番号なしの状態で追加されています。つまり、27000 ～ 27009 の 5-4 Copyright © 2002-2004, 2006-2008, 2010 ARM. All rights reserved. Non-Confidential ARM DUI 0209IJ ライセンスサーバを使用するためのクライアントの設定 範囲にあるデフォルトのポートが使用されている、ということです。 ファイル C:\Program Files\ARM\licenses\license.dat はまだ追加されていな いため、テキストボックスのみに表示されています。 エントリをハイライトして［Delete］をクリックすると、ライセンス ソースのリストからエントリを削除できます。 8. 9. 5.1.2 ライセンスソースの追加後、［Next］をクリックします。 ［Finish］をクリックします。この手順により、ウィザードで行った変更 が ARM ライセンス環境に反映されます。 コントロールパネルの使用 サポート対象の Windows 環境では、コントロールパネルを使用して環境変数 を設定できます。 注 システム環境変数を設定するには管理者特権が必要です。 コントロールパネルを使って環境変数を設定するには、以下の手順に従いま す。 1. ［スタート］® ［コントロールパネル］をクリックして、コントロール パネルを開きます。 2. コントロールパネルの［システム］アイコンをダブルクリックします。 このアイコンを簡単に見つけるには、コントロールパネルの表示をクラ シック表示に切り替えます。 3. Windows 2000 または XP では［詳細設定］タブ、Windows Vista では［シ ステムの詳細設定］タスクをクリックして、［環境変数］ボタンをク リックします。 4. 新しいシステム環境変数 ARMLMD_LICENSE_FILE を作成し、値を設定します。 この値には、server port@server name という形式の有効な情報を含める必 要があります。サーバで 27000 ～ 27009 の範囲のデフォルトのポートが 使用される場合、環境変数ではポート番号は省略できます。以下に例を 示します。 • 単一サーバフローティングライセンスを使用している場合は、環 境変数の値を次のように設定します。 8224@my_server ARM DUI 0209IJ Copyright © 2002-2004, 2006-2008, 2010 ARM. All rights reserved. Non-Confidential 5-5 ライセンスサーバを使用するためのクライアントの設定 • 3 サーバライセンスを使用している場合または複数のライセンス サーバを参照する必要がある場合は、環境変数の値を次のように 設定します。 8224@my_serverA;8224@my_serverB;@my_serverC マスタサーバが最初に表示されます。この例では、my_serverA で す。このサンプルではデフォルトのポート番号が使用されているた め、my_serverC のエントリの前にポート番号は付けません。 5.1.3 関連項目 • 「フローティングライセンス方式（Windows および Unix/Linux）」（ペー ジ 1-8） 5-6 Copyright © 2002-2004, 2006-2008, 2010 ARM. All rights reserved. Non-Confidential ARM DUI 0209IJ ライセンスサーバを使用するためのクライアントの設定 5.2 Unix または Linux 環境でのクライアントライセンス Unix または Linux のクライアントでは、環境変数 ARMLMD_LICENSE_FILE に server port@server name 形式の情報を含める必要があります。サーバで 27000 ～ 27009 の範囲のデフォルトのポートが使用されている場合、ポート番号は省略でき ます。 サーバからライセンスを取得するように Unix または Linux のクライアントを 設定する方法は以下のとおりです。 • シェルコマンド • .flexlmrc 注 一部の ARM ソフトウェア製品では、インストール時にライセンス環境を設 定することができます。これらの方法を使ってライセンス環境を後で手動で 設定する場合には、このインストール手順を省略しても構いません。 5.2.1 シェルコマンド csh または tcsh を使用している場合は、次のように入力して単一サーバの環境 変数を設定できます。 setenv ARMLMD_LICENSE_FILE 8224@my_server bash または sh を使用している場合は、次のように入力します。 ARMLMD_LICENSE_FILE=8224@my_server export ARMLMD_LICENSE_FILE 3 サーバライセンスを使用している場合、または複数のライセンスサーバを 参照する必要がある場合は、複数のサーバに関する情報を環境変数として追 加できます。例えば、csh または tcsh では次のように入力します。 setenv ARMLMD_LICENSE_FILE 8224@my_server1:8224@my_server2:@my_server3 この例では、my_server3 についてはポート番号が省略されていますが、これは デフォルトのポート番号が使用されているためです。3 サーバライセンスを使 用している場合、マスタサーバは my_server1 です。どのような場合でも、上記 の環境変数設定を起動スクリプトに追加して、ログイン時にライセンスが自 動的に設定されるようにすることを推奨します。 ARM DUI 0209IJ Copyright © 2002-2004, 2006-2008, 2010 ARM. All rights reserved. Non-Confidential 5-7 ライセンスサーバを使用するためのクライアントの設定 5.2.2 .flexlmrc ホームディレクトリの .flexlmrc ファイルを編集して、以下の行を追加し、ク ライアントライセンスを設定できます。 ARMLMD_LICENSE_FILE=value ここで、value は環境変数に設定する値、例えば 8224@my_server です。 5-8 Copyright © 2002-2004, 2006-2008, 2010 ARM. All rights reserved. Non-Confidential ARM DUI 0209IJ 第 6章 ライセンスに関するよくある質問 以下の各トピックでは、ライセンスに関する問題の中でも、特定のライセン ス設定に依存しない問題について説明します。 • 「FLEXnet ではどのようにしてライセンスファイルが検索されますか ?」 （ページ 6-3） • • • • • 「複数の製品で FLEXnet を使用することはできますか ?」（ページ 6-5） 「ライセンスを結合するにはどうすればよいですか ?」（ページ 6-6） 「製品のシリアル番号はどこに記載されていますか ?」（ページ 6-7） 「ライセンスを別のコンピュータに移動するにはどうすればよいですか ?」（ページ 6-8） 「ARM 開発ツールでは BORROW をサポートしていますか ?」（ペー ジ 6-9） • 「ARM ライセンスではキューイングがサポートされていますか ?」（ペー ジ 6-10） • 「lmhostid ユーティリティが見つからないのはなぜですか ?」（ペー ジ 6-11） ARM DUI 0209IJ Copyright © 2002-2004, 2006-2008, 2010 ARM. All rights reserved. Non-Confidential 6-1 ライセンスに関するよくある質問 注 ツールライセンスに関連した問題についての追加の質問と解答は、ARM の Web サイト（http://www.arm.com/support/）に記載されています。 6-2 Copyright © 2002-2004, 2006-2008, 2010 ARM. All rights reserved. Non-Confidential ARM DUI 0209IJ ライセンスに関するよくある質問 6.1 FLEXnet ではどのようにしてライセンスファイルが検索されますか ? ライセンス管理された ARM ソフトウェアによって検索される場所は、環境 変数 ARMLMD_LICENSE_FILE に格納されています。ARMLMD_LICENSE_FILE は、ファイ ル名、ディレクトリ名、または port@server 値が含まれるように設定できま す。ディレクトリ名を指定する場合は、最後のディレクトリ区切り文字（ス ラッシュ "/" または円記号）を含めないようにして下さい。有効なライセンス が見つかるまで、指定された場所が順番に検索されます。ディレクトリ名が 検出されると、そのディレクトリ内で、.lic 拡張子の付いた各ファイルが検 索されます。ライセンス取得済み ARM ツールの場合は、FLEXnet の標準環境 変数である LM_LICENSE_FILE の内容を検索する前に、ARMLMD_LICENSE_FILE の内容 が検索されます。 6.1.1 ARM ライセンスの検索アルゴリズム ライセンスファイルの検索時にライセンス取得済み ARM 製品で使用される アルゴリズムの概要を以下の例 6-1 に示します。 例 6-1 検索アルゴリズム if （ARMLMD_LICENSE_FILE 環境変数が設定 さ れ て い る ） { ARMLMD_LICENSE_FILE で機能 を 検索。 if （機能が見つ か っ た） { 検索 を 終了 } } if （LM_LICENSE_FILE 環境変数が設定 さ れ て い る ） { LM_LICENSE_FILE で機能 を 検索。 if （機能が見つ か っ た） { 検索 を 終了 } } else { c:\FLEXlm\license.dat を 検索 （Windows） /usr/local/FLEXlm/licenses/license.dat を 検索 （Unix/Linux） if （機能が見つ か っ た） { 検索 を 終了 ARM DUI 0209IJ Copyright © 2002-2004, 2006-2008, 2010 ARM. All rights reserved. Non-Confidential 6-3 ライセンスに関するよくある質問 } } ラ イ セ ン ス が見つ か ら な か っ た と い う エ ラ ー を 出力。 6-4 Copyright © 2002-2004, 2006-2008, 2010 ARM. All rights reserved. Non-Confidential ARM DUI 0209IJ ライセンスに関するよくある質問 6.2 複数の製品で FLEXnet を使用することはできますか ? これまで FLEXlm として知られていた FLEXnet は、ライセンス管理に広く使 用されている製品であり、複数の製品で FLEXnet を使用できます。フロー ティングライセンスを使用している場合、FLEXnet ライセンスサーバデーモ ンの lmgrd の最新バージョンは、以前のバージョンを使用してビルドされたベ ンダデーモンと下位互換性があります。 注 異なるバージョンの FLEXnet と共に提供されている複数の製品では、すべて の製品に最新バージョンの FLEXnet サーバデーモンの lmgrd を使用する必要 があります。 複数のベンダのライセンスを同時に使用する方法の詳細については、ツール に付属の『FLEXnet エンドユーザガイド』を参照して下さい。 複数のライセンスファイルを結合できる場合があります。詳細については、 「ライセンスを結合するにはどうすればよいですか ?」（ページ 6-6）を参照し て下さい。 ARM DUI 0209IJ Copyright © 2002-2004, 2006-2008, 2010 ARM. All rights reserved. Non-Confidential 6-5 ライセンスに関するよくある質問 6.3 ライセンスを結合するにはどうすればよいですか ? 複数のライセンス取得済みアプリケーションを使用している場合、または既 存のライセンスに新機能を追加している場合は、ライセンスファイルを結合 することができます。 『FLEXnet エンドユーザガイド』には、ライセンスファイルの結合例が記載さ れています。 注 ConnectLM も、ライセンスを結合するためのツールを提供しています。FAQ の『How do I merge my license files』, http://infocenter.arm.com/help/topic/com.arm.doc.faqs/ka3935.html を参照して下さい。 6.3.1 ノードロックライセンスの結合 ノードロックライセンスは、同じホスト ID に対して生成された場合に結合す ることができます。 複数のノードロックライセンスを 1 つのファイルに結合する場合は、個別の ライセンスファイルからすべての INCREMENT 行をコピーし、新しいライセンス ファイルに貼り付けます。 6.3.2 フローティングライセンスの結合 フローティングライセンスは、以下の場合に結合することができます。 1. 各ライセンスファイルの SERVER 行の数が同じ場合 2. 1 つのライセンスファイル内の各 SERVER 行のホスト ID フィールドが、別 のライセンスファイル内の各 SERVER 行のホスト ID フィールドと完全に 一致する場合 2 つのフローティングライセンスファイルを結合するには、テキストエディ タを使用して一方のライセンスファイルを開き、もう一方のライセンスファ イルの内容をそのテキストエディタにコピーしてから、重複している SERVER 行と VENDOR 行を削除します。 lmgrd と、各ベンダデーモン（ARM 製品に付属の armlmd など）には、常に最 新のバージョンを使用するようにして下さい。 6-6 Copyright © 2002-2004, 2006-2008, 2010 ARM. All rights reserved. Non-Confidential ARM DUI 0209IJ ライセンスに関するよくある質問 6.4 製品のシリアル番号はどこに記載されていますか ? 通常、製品のシリアル番号の形式は xxxxx-xxxxx-xxxxx です。x は英数字を表し ます。一般に、シリアル番号は、製品の外箱に貼られているシール、製品 パッケージに同梱されているカード、または製品ダウンロードへのリンクが 記載された電子メールに記載されています。 注 評価版の場合、シリアル番号の形式は LMxxx-xxxx-xxxxxx になります。x は英数 字を表します。LM の直後の文字数は異なる場合があります。一部の古いバー ジョンの ARM 製品の場合、シリアル番号の形式は、xxxxx-xxxxx-xxxxxxxxxx ま たは xxxxx-xxxxx-xxxxx-xxxxx になります。 ARM ソフトウェアをインストールした後は、インストールしたライセンス ファイルにシリアル番号が埋め込まれています。SN=xxxxx-xxxxx-xxxxx という文 字列を検索して下さい。SN= というラベルの後に続くテキストがシリアル番号 です。 OptimoDE® 製品のシリアル番号は、install_directory/installed_oip/*.isn 内の ファイルに含まれています。 ARM DUI 0209IJ Copyright © 2002-2004, 2006-2008, 2010 ARM. All rights reserved. Non-Confidential 6-7 ライセンスに関するよくある質問 6.5 ライセンスを別のコンピュータに移動するにはどうすればよいですか ? ARM ツールのライセンスを、そのライセンスを生成したコンピュータから社 内の別のコンピュータに移動するには、ARM から新しいホスト ID で新しい ライセンスファイルを取得する必要があります。 通常、ホスト ID は Ethernet カードの MAC アドレスから生成されます。ほとん どの製品のノードロックライセンスでは、MAC アドレスの代わりにハード ディスクのボリューム番号を使用できますが、これは推奨されません。詳細 については、 「ライセンスの請求に必要な情報」（ページ 2-2）のホスト ID の 説明を参照して下さい。 再ホストのライセンスの詳細については、ARM の Web サイトで、テクニカ ルサポート FAQ の「ライセンス管理について」 （http://www.jp.arm.com/tec_support/license_faq.html）を参照して下さい。 6-8 Copyright © 2002-2004, 2006-2008, 2010 ARM. All rights reserved. Non-Confidential ARM DUI 0209IJ ライセンスに関するよくある質問 6.6 ARM 開発ツールでは BORROW をサポートしていますか ? ライセンス管理された ARM ツールでは、FLEXnet BORROW 属性の使用がサポー トされていません。 ライセンスサーバが属するネットワークからソフトウェアツールを切り離し て使用する場合は、追加ライセンスが必要になります。 企業のネットワークから離れた場所で ARM ツールを使用する必要のあるコ ンピュータの場合は、取り外し可能なネットワークカードの MAC アドレス にロックされているノードロックライセンスを取得することが推奨されます。 こうすることにより、別のコンピュータをリモートで使用することになった 場合に、ユーザ間でカードを移動できるようになります。 お使いの ARM ソフトウェアでノードロックライセンスがサポートされてい ない場合は、新しいフローティングライセンスが必要になります。これによ り、ツールと同じコンピュータ上でサーバを実行できるようになります。た だし、これは通常推奨されません。 ARM DUI 0209IJ Copyright © 2002-2004, 2006-2008, 2010 ARM. All rights reserved. Non-Confidential 6-9 ライセンスに関するよくある質問 6.7 ARM ライセンスではキューイングがサポートされていますか ? ARM フローティングライセンスでは、製品と共に提供された適切なバージョ ンの FLEXnet サーバソフトウェアと一緒に使用する場合に、ライセンス キューイングがサポートされています。 サーバがライセンスの要求を受け取っても、そのライセンスの指定された ユーザ数に達している場合、その要求はキューに入ります。キューに入った 要求は、ライセンスのユーザ数に空きが出たときに受け入れられます。サー バログに DENIED メッセージが表示されますが 詳細については、「サーバロ グに "DENIED" メッセージが表示されるのはなぜですか ?」（ページ 8-12）を 参照して下さい。クライアント側に対応するライセンスエラーはないので、 ライセンスキューイングがエンドユーザに意識されることはありません。 注 ARM Developer Suite™（ADS）のライセンスと新しい ARM ツールライセンス の組み合わせがサーバ上でホストされている場合、ライセンスキューイング は失敗します。ライセンスキューイング機能が必要な場合は、ADS ライセン スを別のサーバに移動する必要があります。詳細については、「ライセンスを 別のコンピュータに移動するにはどうすればよいですか ?」（ページ 6-8）を 参照して下さい。 6-10 Copyright © 2002-2004, 2006-2008, 2010 ARM. All rights reserved. Non-Confidential ARM DUI 0209IJ ライセンスに関するよくある質問 6.8 lmhostid ユーティリティが見つからないのはなぜですか ? Unix または Linux を使用している場合は、makelinks.sh スクリプトが実行され ていない可能性があります。このスクリプトは、lmutil プログラムへの一連の リンク（lmhostid 用のリンクも含む）を作成します。このスクリプトは、お使 いのプラットフォームの該当するディレクトリに置かれています。このディ レクトリの場所については、ARM 製品の『スタートガイド』を参照して下さ い。 Windows を使用している場合、makelinks.sh スクリプトは使用できません。代 わりに、以下の手順に従います。 ARM DUI 0209IJ 1. コマンドプロンプトを開きます。 2. ライセンスユーティリティがインストールされているディレクトリに移 動します。これは通常、C:\FLEXlm です。 3. コマンドプロンプトで「lmutil lmhostid」と入力します。 Copyright © 2002-2004, 2006-2008, 2010 ARM. All rights reserved. Non-Confidential 6-11 ライセンスに関するよくある質問 6-12 Copyright © 2002-2004, 2006-2008, 2010 ARM. All rights reserved. Non-Confidential ARM DUI 0209IJ 第 7章 クライアントの設定のトラブルシューティング 以下の各トピックでは、ノードロックライセンスシステムまたはフローティ ングライセンスシステムにおけるクライアントの設定に関する問題について 説明します。 • 「ライセンスが見つからないという内容のエラーが発生します。」（ペー ジ 7-3） • 「ノードロックツールでエラーが発生し、FLEXnet エラー -8 の "Invalid license key (inconsistent authentication code)"（無効なライセンスキー（認 証コードが一致していません））が表示されます。」（ページ 7-4） • 「ライセンスソースへのアクセス順序を変更するにはどうすればよいで すか ?」（ページ 7-5） • 「ライセンスウィザードの［Diagnose license management problems］オプ ションの機能について教えて下さい。」（ページ 7-7） • 「フローティングライセンスのチェックアウト時間を最適化するにはど うすればよいですか ?」（ページ 7-8） • 「リモートライセンスサーバを使用することはできますか ?」（ペー ジ 7-10） ARM DUI 0209IJ Copyright © 2002-2004, 2006-2008, 2010 ARM. All rights reserved. Non-Confidential 7-1 クライアントの設定のトラブルシューティング • 7-2 「FLEXnet エラー -15 の "Cannot connect to license server system"（ライセン スサーバシステムに接続できません）が表示されます。どうしてでしょ うか ?」（ページ 7-11） Copyright © 2002-2004, 2006-2008, 2010 ARM. All rights reserved. Non-Confidential ARM DUI 0209IJ クライアントの設定のトラブルシューティング 7.1 ライセンスが見つからないという内容のエラーが発生します。 ライセンス取得済み ARM 製品の実行時に、ライセンスを取得できないとい うメッセージが表示される場合があります。 7.1.1 FLEXnet エラー -1 の "Cannot find license file"（ライセンスファイルが見つかりません） が表示されます。 ライセンスファイルが見つからないという内容の FLEXnet ライセンスエラー が表示される場合は、エラーメッセージで示されたライセンスの検索パスに 有効なライセンスファイルがないことが原因として考えられます。 コンピュータで Windows を実行しており、ノードロックライセンスを使用し ている場合は、ARM ライセンスウィザードを使用して永久ライセンスファイ ルをインストールします。詳細については、「ARM ライセンスウィザードを使 用したノードロックライセンスのインストール」（ページ 3-2）を参照して下 さい。 Windows 上でフローティングライセンスを使用している場合でも、ARM ライ センスウィザードを使用できます。詳細については、「Windows 環境でのクラ イアントライセンスの設定」（ページ 5-2）を参照して下さい。コンピュータ で UNIX または Linux を実行している場合は、永久ライセンスファイルを使 用するようにクライアントを手動で設定する必要があります。詳細について は、 「Unix または Linux 環境でのクライアントライセンス」（ページ 5-7）を参 照して下さい。 7.1.2 FLEXnet エラー -5 の "No such feature exists"（選択された機能は存在しません）が表示 されます。 選択した機能が存在しないことを示すライセンスエラーメッセージが表示さ れた場合は、対応する行がライセンスファイルに存在しないコンポーネント の使用を試みた可能性があります。例えば、以前に評価ライセンスで ARM ツールを使用した後に、完全バージョンをインストールしたことが考えられ ます。完全バージョンのツールライセンスを使用するためにクライアントコ ンピュータを再設定しないと、評価バージョンのライセンスの有効期限が切 れる前であっても、完全バージョンを使用することはできません。使用する ライセンスは、コンピュータにインストールしたツールの種類と互換性があ る必要があります。この問題を解決するには、古いライセンスや有効期限の 切れたライセンスを削除してから、新しいライセンスを使用するようにクラ イアントコンピュータを再設定します。詳細については、第 5 章 ライセンス サーバを使用するためのクライアントの設定を参照して下さい。 ARM DUI 0209IJ Copyright © 2002-2004, 2006-2008, 2010 ARM. All rights reserved. Non-Confidential 7-3 クライアントの設定のトラブルシューティング 7.2 ノードロックツールでエラーが発生し、FLEXnet エラー -8 の "Invalid license key (inconsistent authentication code)"（無効なライセンスキー（認証 コードが一致していません））が表示されます。 ライセンスファイルが破損したり、許可されていない方法で移動または変更 されたりした場合は、このエラーが報告されます。このエラーが発生した場 合は、クリーンバージョンのライセンスファイルを再インストールします。 例えば、ARM の Web ライセンスのポータルから元のライセンスを取得でき ます。詳細については、 「ライセンスウィザード v4.x からの ARM Web ライセン スのポータルへのアクセス」（ページ 2-7）を参照して下さい。 7-4 Copyright © 2002-2004, 2006-2008, 2010 ARM. All rights reserved. Non-Confidential ARM DUI 0209IJ クライアントの設定のトラブルシューティング 7.3 ライセンスソースへのアクセス順序を変更するにはどうすればよいですか ? 複数のライセンスソースがある場合は、それらのライセンスソースがクライ アントコンピュータによって使用される順序を変更することができます。例 えば、それぞれが独自のライセンスファイルを持つ 2 台のライセンスサーバ があり、指定された製品バージョンの有効なライセンスの数が一方のサーバ で多いとします。このライセンス数が多いサーバを優先的に使用します。 7.3.1 ライセンスウィザードの使用 Windows を使用している場合は、次のようにライセンスウィザードを使用し て、クライアントコンピュータを設定できます。 1. 「ARM ライセンスウィザード」（ページ 5-2）の説明に従って、はじめの 手順を実行します。 2. 手順 6 まで実行すると、「［ライセンスをインストール］ダイアログ」 （ページ 5-4）に記載されているような［ライセンスをインストール］ダ イアログが表示されます。 3. 一覧内のいずれかの既存のエントリを選択し、必要に応じて［Up］ボ タンまたは［Down］ボタンをクリックして、一覧内の順序を変更しま す。 4. 操作が完了したら、［Next］をクリックします。 5. ［Finish］をクリックして、ARM ライセンス環境を変更します。 Windows システムでライセンスウィザードを使用できないか、UNIX または Linux システムを使用している場合は、クライアント上で ARMLMD_LICENSE_FILE 環境変数の値を手動で編集して、ライセンスソースの検索順序を変更する必 要があります。 7.3.2 手動での環境変数の変更 サポートされているバージョンの Windows を使用している場合は、Windows のコントロールパネルを使用して、ARMLMD_LICENSE_FILE 環境変数を変更できま す。詳細については、「Windows 環境でのクライアントライセンスの設定」 （ページ 5-2）を参照して下さい。 ARM DUI 0209IJ Copyright © 2002-2004, 2006-2008, 2010 ARM. All rights reserved. Non-Confidential 7-5 クライアントの設定のトラブルシューティング UNIX または Linux を使用している場合は、コマンドラインから ARMLMD_LICENSE_FILE 環境変数を変更しなければならない場合があります。また は、新しいシェルを起動するときに環境変数を自動的に設定することもでき 「Unix または Linux 環境でのクライアントライセンス」 ます。詳細については、 （ページ 5-7）を参照して下さい。 7-6 Copyright © 2002-2004, 2006-2008, 2010 ARM. All rights reserved. Non-Confidential ARM DUI 0209IJ クライアントの設定のトラブルシューティング 7.4 ライセンスウィザードの［Diagnose license management problems］オ プションの機能について教えて下さい。 ARM ライセンスウィザードのこのオプションでは、コンピュータ上のライセ ンス設定を分析するスクリプトが実行されます。これにより、ライセンス環 境の問題を特定できるようになります。 ARM DUI 0209IJ Copyright © 2002-2004, 2006-2008, 2010 ARM. All rights reserved. Non-Confidential 7-7 クライアントの設定のトラブルシューティング 7.5 フローティングライセンスのチェックアウト時間を最適化するにはどうす ればよいですか ? ライセンスサーバを使用すると、クライアントコンピュータが ARM 開発 ツールの実行可能ファイルを起動するたびに、ライセンスを取得するための ライセンスチェックアウト要求がネットワーク経由でライセンスサーバに送 信されます。ライセンスサーバからフローティングライセンスをチェックア ウトするようにクライアントコンピュータを設定するには多くの方法があり ます。チェックアウト要求にかかる時間が最小限に抑えられるように、シス テムを設定する必要があります。以下に設定方法を示します。 • ARMLMD_LICENSE_FILE 環境変数を使用し、ライセンスサーバを指すように します。この環境変数は、まず ARM ライセンスユーティリティによっ て使用されるので、LM_LICENSE_FILE（一般的な FLEXnet の環境変数）で はなく ARMLMD_LICENSE_FILE を使用することを推奨します。 • ARMLMD_LICENSE_FILE には、ライセンスファイルのローカルコピーを指定 するのではなく、port@server を設定します。これにより、ツールがライ センスサーバの名前を探すためにライセンスファイルのローカルコピー を処理することによって発生する遅延がなくなります。この変数は、複 数の場所を指定する場合にも使用できます（Windows の場合はセミコロ ン、UNIX または Linux の場合はコロンで区切られた一覧を使用しま す）。有効なライセンスが見つかるまで、それらの場所が順番に確認さ れます。 • ネットワークに問題があるかどうかを確認します。すべてが正常に動作 している場合、ライセンスの取得は、ライセンスが存在するサーバに ping を実行するのとほぼ同じ時間で完了します。 チェックアウトに時間がかかる場合は、ドメイン名の解決に関する問題 が原因である可能性があります。この場合は、ライセンスの検索パス で、サーバ名の代わりにサーバの IP アドレスを指定すると問題を解決 できることがあります。 • 特に複数のサーバを指すように ARMLMD_LICENSE_FILE 環境変数を設定した 場合は、サーバに問題があるかどうかを確認します。サーバログを調べ ると、これを確認できる場合があります。 ライセンスの検索パスのいずれかが、現在はライセンス管理ソフトウェ アが動作していないサーバを指している場合は、ライセンス要求がタイ ムアウトし、検索パスに指定されている次の場所に移動するまで FLEXnet が待機するため、遅延が発生します。 7-8 Copyright © 2002-2004, 2006-2008, 2010 ARM. All rights reserved. Non-Confidential ARM DUI 0209IJ クライアントの設定のトラブルシューティング このような遅延を引き起こす誤ったエントリが存在せず、参照するすべ てのサーバが実行されていることを確認する必要があります。 この問題を一時的に回避するために、ARMLMD_LICENSE_FILE 環境変数に指 定されているサーバの順序を変更することができます。詳細について は、「ライセンスソースへのアクセス順序を変更するにはどうすればよ いですか ?」（ページ 7-5）を参照して下さい。 • 環境変数 TCP_NODELAY を 1 に設定します。これにより、FLEXnet ライセン スサーバシステムでライセンス要求を処理するパフォーマンスが向上し ます。 注意 この環境変数を設定すると、ネットワークトラフィックが増加する場合 があります。 7.5.1 関連項目 • 『How can I improve the build time of my application?』, http://infocenter.arm.com/help/topic/com.arm.doc.faqs/ka4022.html ARM DUI 0209IJ Copyright © 2002-2004, 2006-2008, 2010 ARM. All rights reserved. Non-Confidential 7-9 クライアントの設定のトラブルシューティング 7.6 リモートライセンスサーバを使用することはできますか ? クライアントマシンがワイドエリアネットワーク（WAN）を介してリモート ライセンスサーバからライセンスを取得することは、技術的には可能ですが、 サポートされている ARM 開発ツールの操作のモードではないため、実行し ないことを強く推奨します。ライセンスシステムを設定する際には、クライ アントマシンがローカルのライセンスサーバ（ユーザのコンピュータが接続 しているローカルエリアネットワーク（LAN）上のサーバ）にアクセス可能 であることを確認して下さい。 WAN サーバを使用すると、サーバへの接続に関する追加のネットワーク遅延 が発生し、ARM ビルドツールによってコードをビルドするための時間が大幅 に増加します。多くの場合、発生した時間遅延が大きいと、ビルドは失敗し やすくなります。また、ライセンストラフィックが増えるため、WAN での全 般的なトラフィックも大幅に増加し、より一般的なネットワーク上の問題も 発生する可能性があります。 7-10 Copyright © 2002-2004, 2006-2008, 2010 ARM. All rights reserved. Non-Confidential ARM DUI 0209IJ クライアントの設定のトラブルシューティング 7.7 FLEXnet エラー -15 の "Cannot connect to license server system"（ライ センスサーバシステムに接続できません）が表示されます。どうしてでしょうか ? フローティングライセンスによって ARM ソフトウェア製品を使用している 場合は、FLEXnet サーバソフトウェアを実行しているサーバとクライアント が通信可能な状態にある必要があります。通常、この通信が確立できない場 合、クライアント上の FLEXnet エラーコード -15 が報告されます。この一般的 な原因は、以下のとおりです。 • アプリケーションプログラムによって、不正なライセンスファイルが参 照されています。 • ライセンスファイルで指定されたライセンスサーバが起動されていませ ん。 • 誤った port@host 情報を使用しています。 • • • ライセンスファイルで指定されたベンダのデーモンが実行されていませ ん。 ライセンスファイルのホスト名がシステムによって認識されません。 クライアントコンピュータとサーバコンピュータ間のネットワークがダ ウンしています。 これらの問題を解決するには、ライセンスサーバが起動されていることを確 認します。詳細については、第 4 章 フローティングライセンスサーバの設定 を参照して下さい。クライアントが正しく設定されていることも確認する必 要があります。詳細については、第 5 章 ライセンスサーバを使用するための クライアントの設定を参照して下さい。ARM テクニカルサポート Web サイト のツールの使用許諾に関する FAQ にも、有益な情報が記載されています。 サーバまたはクライアントコンピュータでテストの実行を試行し、エラーの 原因を識別できます。 1. lmutil lmdiag ユーティリティの実行を試行します。このユーティリティ は、主にこの問題を解決するために開発されました。 ARM DUI 0209IJ 2. アプリケーションが正しいライセンスファイルを参照しているかどうか を確認します。 3. ベンダデーモン armlmd が実行されていることを確認します。UNIX また は Linux の場合はサーバで ps を使用し、Windows の場合はタスクマネー ジャを使用して、このデーモンを検索できます。 4. 問題が報告されているかどうか、特にベンダのデーモンが終了したこと を示すメッセージが表示されているかどうかを確認するには、サーバロ グファイルを参照します。 Copyright © 2002-2004, 2006-2008, 2010 ARM. All rights reserved. Non-Confidential 7-11 クライアントの設定のトラブルシューティング 5. サーバコンピュータで lmutil lmstat -a を実行して、ベンダデーモンが機 能しているかどうかを確認します。 6. クライアントマシンで lmutil lmstat -a を実行して、ネットワーク上のク ライアントからベンダデーモンへの接続を確認します。 上記のテストを実行してもライセンスエラーの原因がわからない場合は、 ping などのユーティリティを使用して、クライアントコンピュータがサーバ と TCP/IP 経由で通信できるかどうかを確認します。失敗する場合は、サーバ とクライアントとの間の通信がブロックされている可能性があります。 7.7.1 ファイアウォール ライセンスサーバとクライアントの間にファイアウォールが存在する場合が あります。その場合は、ライセンスデーモン lmgrd と armlmd 用の固定ポートに 対するアクセスを許可するように、ファイアウォールを設定する必要があり ます。サーバライセンスファイル上部の以下に示す部分を、独自の値に置き 換えて変更することにより、これらのポートを定義します。 SERVER myserver server_hostid 8224 VENDOR armlmd port=portnumber 7.7.2 サブネット ライセンスサーバとクライアントが異なるサブネットに属する場合は、サー バの完全修飾ドメイン名または IP アドレスを使用すると、問題が解決するこ とがあります。通常は、IP アドレスを使用すると、ドメイン名の解決に起因 する問題を回避できます。 7.7.3 サーバのホスト名の長さ ライセンスファイルで使用されるサーバのホスト名の長さには制限がありま す。FLEXlm 8.1b 以前の場合、この制限は 32 文字です。これよりも新しい FLEXnet のバージョンを使用している場合、この制限は 64 文字です。ライセ ンスサーバ名が長すぎる場合は、ライセンスファイルとクライアントのライ センス環境変数で、ホスト名の代わりにサーバの IP アドレスを使用する必要 があります。 7-12 Copyright © 2002-2004, 2006-2008, 2010 ARM. All rights reserved. Non-Confidential ARM DUI 0209IJ クライアントの設定のトラブルシューティング 7.7.4 断続的なエラー 自動ビルドスクリプトを使用する場合など、サーバの負荷が高い状態では、 断続的なライセンスエラーが発生する場合があります。このようなエラーの 原因としては、断続的なネットワークエラーが考えられます。現在のバー ジョンの ARM 開発ツールでは、このような一時的なネットワークの中断か らの回復が改善されています。旧式のツールを使用している場合は、問題を 回避するため、ビルドスクリプトに再試行機能を追加することを検討して下 さい。 ARM DUI 0209IJ Copyright © 2002-2004, 2006-2008, 2010 ARM. All rights reserved. Non-Confidential 7-13 クライアントの設定のトラブルシューティング 7-14 Copyright © 2002-2004, 2006-2008, 2010 ARM. All rights reserved. Non-Confidential ARM DUI 0209IJ 第 8章 サーバの設定のトラブルシューティング 以下の各トピックでは、フローティングライセンスシステムの設定に関する 問題について説明します。 ARM DUI 0209IJ • 「サーバのデバッグログに "Invalid license key (inconsistent authentication code)"（無効なライセンスキー（認証コードが一致していません））と表 示されます。」（ページ 8-3） • 「複数のバージョンが混在したライセンスファイルのライセンスが発行 される順序を定義できますか ?」（ページ 8-4） • 「使用されているフローティングライセンスの数を確認するにはどうす ればよいですか ?」（ページ 8-6） • 「サーバのデバッグログに "(armlmd) cannot open lock file"（（armlmd）が ロックファイルを開けません）または "cannot communicate with lmgrd" （lmgrd と通信できません）と表示されます。」（ページ 8-7） • 「ライセンスサーバデーモンのどのバージョンを使用すればよいですか ?」（ページ 8-8） • 「ライセンスされた特定の機能へのユーザのアクセスを制限するにはど うすればよいですか ?」（ページ 8-9） Copyright © 2002-2004, 2006-2008, 2010 ARM. All rights reserved. Non-Confidential 8-1 サーバの設定のトラブルシューティング • 「サーバログに "DENIED" メッセージが表示されるのはなぜですか ?」 （ページ 8-12） • 8-2 「サーバのデバッグログファイルのサイズはどのように管理できますか ?」（ページ 8-13） Copyright © 2002-2004, 2006-2008, 2010 ARM. All rights reserved. Non-Confidential ARM DUI 0209IJ サーバの設定のトラブルシューティング 8.1 サーバのデバッグログに "Invalid license key (inconsistent authentication code)"（無効なライセンスキー（認証コードが一致していません））と表示されま す。 ライセンスキーが無効であることを示すエラーメッセージは、通常、ライセ ンスファイルの中で、ユーザが変更すべきではない部分を変更したときに表 示されます。例えば、3 つのサーバライセンスを所持しており、3 つの SERVER 行のうち 2 つをコメント化したとします。ライセンスファイルで編集 を許可されている部分は、ホスト名とライセンスサーバデーモンのポート番 号、およびデーモンのパス名（デフォルトで path_to_armlmd に設定されている 場合）のみです。オプションファイルへのパスや SORT 構文などの、特定のコ ンテンツを追加できます。『FLEXnet エンドユーザガイド』を参照して下さ い。 無効なライセンスキーというメッセージは、インストールしたライセンス ファイルの形式と互換性がない、FLEXnet ライセンスサーバソフトウェアの 古いバージョンが実行されていることに起因している場合があります。この 現象は、開発ツールを新しいバージョンにアップグレードした場合に発生す ることがあります。 ライセンスサーバソフトウェアと ARM ソフトウェア開発ツールのバージョ ンの互換性については、ARM テクニカルサポート Web サイトで、FAQ の 「ライセンス管理について」 （http://www.jp.arm.com/tec_support/license_faq.html）を参照して下さい。 ARM DUI 0209IJ Copyright © 2002-2004, 2006-2008, 2010 ARM. All rights reserved. Non-Confidential 8-3 サーバの設定のトラブルシューティング 8.2 複数のバージョンが混在したライセンスファイルのライセンスが発行され る順序を定義できますか ? ライセンスがサーバによって発行される順序を制御できるかどうかは、使用 しているライセンスサーバソフトウェアのバージョンによって異なります。 8.2.1 FLEXnet v10.8 ライセンスサーバソフトウェア FLEXnet ライセンスサーバソフトウェアのバージョン 10.8 を使用している場 合、ライセンスサーバの起動時にライセンスファイルを解析する際のライセ ンスファイルのソート順序はデフォルトで定義されています。1 つのライセン スファイル内のデフォルトの基本的なソートの規則は、最も高い優先度から 最も低い優先度の順で、以下のとおりです。 1. INCREMENT エントリはアルファベット順でソートされます。 2. 非カウント INCREMENT エントリはカウント INCREMENT エントリより先に発 行されます。 3. 古いバージョンの INCREMENT が新しいバージョンより先に発行されます。 注 FLEXnet のマニュアルには、新しいバージョンが古いバージョンよりも 優先されると記載されていますが、Flexera のサポート部門は、この記 載が誤りであることを認めています。 4. 最新の START= date が指定されているライセンスは、古いライセンスより 先に発行されます。 ライセンスの順序を定義するには、必要な INCREMENT 行に SORT=nnn エントリを 追加します。このとき、nnn は 000 ～ 255 の整数を意味します。SORT 値が小さ くなると、優先度は高くなります。デフォルトのソート値は 100 です。SORT が ユーザによって定義されていないときにこの値が使用されると、100 より小 さい値を含む行は未変更の行より先に表示され、100 より大きい値を含む行 は未変更の行の後に表示されます。 例えば、バージョン 3.1 および 4.0 のライセンスファイルに compiler INCREMENT エントリがある場合、以下のように SORT 属性を 3.1 INCREMENT に追加する と、3.1 ライセンスが確実に最初に使用されるようにできます。 INCREMENT compiler armlmd 3.1 permanent 5 271940CDEFA0 \ SORT=010 DUP_GROUP=UHD ISSUER="ARM Ltd" ... 8-4 Copyright © 2002-2004, 2006-2008, 2010 ARM. All rights reserved. Non-Confidential ARM DUI 0209IJ サーバの設定のトラブルシューティング 8.2.2 FLEXlm v9.2 以前のバージョンのライセンスサーバソフトウェア バージョン 9.2 以前のバージョンの FLEXlm ライセンスサーバソフトウェアを 使用している場合、異なるバージョンのツールのライセンスの発行順序は指 定されていません。すなわち、古いライセンスが使用可能な場合でも、古い バージョンの開発ツールが新しいバージョンのライセンスをチェックアウト してしまう可能性があります。オプションファイルを使用して、どのユーザ がどのバージョンのツールライセンスにアクセスできるかを制限できます。 詳細については、「ライセンスされた特定の機能へのユーザのアクセスを制限 するにはどうすればよいですか ?」（ページ 8-9）を参照して下さい。 ARM DUI 0209IJ Copyright © 2002-2004, 2006-2008, 2010 ARM. All rights reserved. Non-Confidential 8-5 サーバの設定のトラブルシューティング 8.3 使用されているフローティングライセンスの数を確認するにはどうすれば よいですか ? 使用されているフローティングライセンスのユーザ数を確認するには、サー バで、適切な引数を使用して lmutil lmstat コマンドを実行します。ライセンス サーバのログは、使用状況の分析には適していません。これは、サーバの負 荷が高くなった場合や、特定の種類のライセンスファイル設定を使用した場 合に、不完全な結果や誤解を招く結果が提供されることがあるためです。 lmutil lmstat コマンドを実行すると、どのユーザがライセンスコンポーネン トのどのバージョンを使用しているか、およびそのライセンスがいつ取得さ れたかを示すテキストを出力できます。適切な引数を選択することにより、 ライセンスの使用状況のスナップショット情報を収集できます。例えば、-i を指定すると、指定した機能の FEATURE 行または INCREMENT 行の情報が 返されます。また、-a を指定するとすべての情報が返されます。データをさ らに詳しく分析する場合は、構文解析したテキストを出力することにより解 析できます。lmutil lmstat コマンドについては、別の箇所で詳しく説明されて います。『FLEXnet エンドユーザガイド』を参照して下さい。 ライセンス環境が頻繁に変化する場合は、使用状況データの時間分解能が増 加すると、サーバの負荷も増加することを考慮して下さい。lmutil lmstat コマ ンドを実行すると、特に -a スイッチを使用した場合は、サーバの CPU リソー スが非常に多く使用されることがあります。1 分間に 1000 チェックアウトを 超えるなど、サーバの負荷が非常に高い場合は、正確なデータが生成されま せん。これは、データの収集期間中にすべてのトランザクションを記録でき ないためです。 8-6 Copyright © 2002-2004, 2006-2008, 2010 ARM. All rights reserved. Non-Confidential ARM DUI 0209IJ サーバの設定のトラブルシューティング 8.4 サーバのデバッグログに "(armlmd) cannot open lock file"（（armlmd）が ロックファイルを開けません）または "cannot communicate with lmgrd"（lmgrd と通信できません）と表示されます。 ロックファイルに関するエラーは、UNIX または Linux システムで、前の armlmd ライセンスデーモンのインスタンスが正常にシャットダウンされな かった場合に最もよく発生します。ライセンスサーバで実行できる armlmd の コピーは、常に 1 つのみです。このデーモンの別のコピーを起動しようとする と、エラーが発生します。 ARM ライセンスデーモン armlmd が起動すると、/var/tmp/lockarmlmd という ファイルが作成されます。lmgrd が異常終了した場合は、armlmd がまだ実行中 であるためロックファイルが解放されません。この問題を解決するには、次 の手順に従います。 1. すべてのライセンスデーモンプロセスを検索します。以下のコマンドを UNIX または Linux で使用すると、この操作を実行できます。 ps -a | grep daemon_name ここで、daemon_name は lmgrd または armlmd です。 2. lmgrd を先にシャットダウンして下さい。 3. 次に、以下のコマンドを使用してこれらのプロセスを終了します。 kill PID ここで、PID はライセンスデーモンのプロセス ID です。 4. /var/tmp/lockarmlmd がまだ存在する場合は削除します。 5. ライセンスサーバを再起動する準備ができました。 Windows を使用している場合は、タスクマネージャを使用して、lmgrd プロセ スまたは armlmd プロセスを検索します。lmgrd を先にシャットダウンして下さ い。プロセスを選択して、［プロセスの終了］をクリックします。 ARM DUI 0209IJ Copyright © 2002-2004, 2006-2008, 2010 ARM. All rights reserved. Non-Confidential 8-7 サーバの設定のトラブルシューティング 8.5 ライセンスサーバデーモンのどのバージョンを使用すればよいですか ? ライセンスサーバソフトウェアは、次の 2 つの部分で構成されています。 • ARM ライセンスサーバベンダデーモンの armlmd • FLEXnet ライセンスサーバデーモンの lmgrd lmgrd は最新バージョンにアップグレードできますが、armlmd は、インストー ルした最新の ARM ソフトウェアと共に提供されたバージョンを使用するこ とが推奨されます。lmgrd や armlmd など、最新のライセンスサーバユーティリ ティは、ARM のインストールメディア、ダウンロードサイト、または ARM ライセンスサポートから入手できます。 ARM ライセンスデーモンの古いリリースは、lmgrd の新しいリリースと上位 互換性があります。例えば、armlmd バージョン 9.2 を lmgrd バージョン 10.8.5 と 共に使用できます。ただし、最新の ARM ライセンスユーティリティを使用 することが推奨されます。 注 ライセンスサーバで Solaris 5.6 を実行している場合、FLEXnet バージョン 9.0 ユーティリティを使用することはできません。この場合は、バージョン 9.2 ユーティリティ以降を使用する必要があります。 本バージョンの FLEXnet が収録された製品 DVD-ROM または CD-ROM を 持っていない場合は、armlmd ベンダデーモンを含む新しいユーティリティの 提供を ARM に依頼できます。 このマニュアルの執筆時点（2009 年 6 月）の最新の ARM ライセンスデーモ ンのバージョンは 10.8.5 でした。 8-8 Copyright © 2002-2004, 2006-2008, 2010 ARM. All rights reserved. Non-Confidential ARM DUI 0209IJ サーバの設定のトラブルシューティング 8.6 ライセンスされた特定の機能へのユーザのアクセスを制限するにはどうす ればよいですか ? フローティングライセンスの管理者は、オプションファイルを使用して、次 の操作を行うことができます。 • 指定したユーザに対して特定の機能を制限する • クライアントコンピュータに対して特定の機能を制限する • 特定のユーザまたはコンピュータに特定のタイプのライセンスが発行さ れないようにする これは、2 つ以上のバージョンの ARM ツールを使用可能にするライセ ンスを取得し、どのユーザがどのバージョンにアクセスできるようにす るかを制御する場合に、特に便利です。 オプションファイルを使用するには、オプションファイルを作成し、オプ ションファイルを使用できるようにライセンスサーバを設定する必要があり ます。 8.6.1 オプションファイルの作成 オプションファイルはテキストエディタで作成できます。オプションファイ ルには .opt 拡張子を使用することを推奨します。オプションファイルを作成 したら、各 ARM ライセンスサーバにコピーします。 重要な構文の一部を示すために、サンプルのオプションファイルを例 8-1 （ページ 8-10）に引用します。この例では、以下のことを前提としています。 ARM DUI 0209IJ • ライセンスファイルに RealView Development Suite v4.0 と ADS v1.2 の両 方のユーザが含まれています。 • 定義済みユーザを含む 2 つの定義済みプロジェクトグループとビルドコ ンピュータのセットがあります。 • 管理者は、指定された機能のユーザ数をグループ単位で制限し、特定の ユーザおよびクライアントについて RealView Development Suite v4.0 コン パイラのユーザ数も予約します。 • 特定のユーザは RealView Development Suite v4.0 コンパイラライセンスを 取得できません。 Copyright © 2002-2004, 2006-2008, 2010 ARM. All rights reserved. Non-Confidential 8-9 サーバの設定のトラブルシューティング 以下の許可と制限が要求されます。 • host_group buildbox のビルドコンピュータでは、バージョンに関係なく、 常に 2 ユーザのコンパイラライセンスが許可されます。 • グループ project_talisker（user1 ～ user5）のユーザは、最大 3 ユーザに いずれかのバージョンの fromelf ライセンスが与えられます。 • グループ project_macallan のユーザは、常に 1 ユーザだけコンパイラバー ジョン 4.0 を使用できます。 • User7 は、グループ project_macallan に属していても、バージョン 4.0 の コンパイラライセンスを取得することはできません。 例 8-1 は、これらの制限に準拠したオプションファイルを示しています。 例 8-1 オプションファイル # ラ イ セ ン ス オ プ シ ョ ン フ ァ イ ル の サ ン プ ル （ARM Limited） # ------------------------------------------# こ の サ ン プ ル は、 ラ イ セ ン ス 環境で の必要に合わ せ て # 変更す る 必要が あ り ま す。 # グ ル ー プ と ホ ス ト 名の大文字 と 小文字の区別は オ フ に し ま す # （有効な の は FLEXnet 10.x だ け で す。 FLEXlm 9.x で は、 グ ル ー プ と ホ ス ト 名の # 大文字 と 小文字の一貫性 を 保 ち 、 以下の行 を コ メ ン ト ア ウ ト # し ま す。） # GROUPCASEINSENSITIVE ON # グ ル ー プ を こ こ で定義 し ま す # --> 使用す る形式 ： GROUP group_name user_list # GROUP project_talisker user1 user 2 user 3 user4 user5 GROUP project_macallan user6 user7 user8 # ホ ス ト グ ル ー プ を こ こ で定義 し ま す # --> 使用す る形式 ： HOST_GROUP group_name host_list # HOST_GROUP buildbox buildpc01 buildpc02 # 使用制限 を 以下に定義 し ま す # --> 使用す る形式 ： OPTION feature[:keyword=value] type {name | group_name} # RESERVE 2 compiler HOST_GROUP buildbox MAX 3 fromelf GROUP project_talisker 8-10 Copyright © 2002-2004, 2006-2008, 2010 ARM. All rights reserved. Non-Confidential ARM DUI 0209IJ サーバの設定のトラブルシューティング RESERVE 1 compiler:version=4.0 EXCLUDE compiler:version=4.0 GROUP project_macallan USER user7 オプションの構文は以下のとおりです。 • RESERVE などの一部のオプションでは、ユーザ数を指定する必要があり ます。 • RESERVE オプションは、定義されたユーザ数を予約します。必要に応じ て、機能の正確なバージョンを指定できます。 • MAX オプションは、指定された機能のユーザ数に制限を設定します。 • EXCLUDE オプションは、ユーザまたはグループをライセンスの使用から 除外します。これによって、ユーザを含めるすべての設定が無効になり ます。 これ以外にも使用可能なオプションがあります。これらのオプションについ ては、その構文と共に別途説明されています。『FLEXnet エンドユーザガイ ド』の第 5 章を参照して下さい。 8.6.2 オプションファイルを使用するためのライセンスサーバの設定 ライセンスサーバを設定するには、以下の手順に従います。 ARM DUI 0209IJ 1. オプションファイルを VENDOR 行または DAEMON 行で呼び出すには、 ARM ツールライセンスファイルを編集する必要があります。例えば、オ プションファイルの名前が armlmd.opt の場合は、ライセンスファイルに VENDOR armlmd option=armlmd.opt を追加する必要があります。 2. 複数のサーバがある場合は、各 ARM ライセンスサーバでライセンス ファイルの変更を繰り返します。 3. ライセンスサーバを再起動します。 4. 設定が正常に行われた場合は、サーバログを参照すると、オプション ファイルが使用されていること、およびオプションファイルで定義され た制限が実行されていることを確認できます。 Copyright © 2002-2004, 2006-2008, 2010 ARM. All rights reserved. Non-Confidential 8-11 サーバの設定のトラブルシューティング 8.7 サーバログに "DENIED" メッセージが表示されるのはなぜですか ? DENIED は、必ずしもエラーメッセージではありません。実際の問題を示し ているのは、クライアント側で対応するライセンスエラーが報告されている 場合のみです。この実際のエラーは、クライアントによってツールが起動さ れ、その有効なライセンスファイルが見つからず、エラーがクライアントに 報告された場合に発生することがあります。 指定されたユーザ数に達し、要求がキューに入っている場合も、DENIED メッセージが表示される場合があります。詳細については、「ARM ライセンス ではキューイングがサポートされていますか ?」（ページ 6-10）を参照して下 さい。 ただし、複数のバージョンのツールの結合されたライセンスファイルを使用 している場合にも、このメッセージが表示されることがあります。例えば、 RealView Development Suite v4.1 と RealView Developer Suite v3.1 の両方のコン ポーネントでフローティングライセンスを使用しているとします。ユーザが RealView Development Suite v4.1 コンパイラライセンスを要求し、ライセンス サーバによって RealView Developer Suite v3.1 コンパイラライセンスが最初に 見つかると、バージョン不一致で要求は拒否され、サーバのデバッグログに 記録されます。ただし、サーバはこの後も使用可能なライセンスを検索し、 RealView Development Suite v4.1 ライセンスを見つけます。ユーザにはそのライ センスがチェックアウトされます。 サーバのデバッグログには、最初のライセンスエラーの通常のシーケンスに 続いて、以下のような正常なチェックアウトが表示されます。 6:35:09 support 6:35:09 6:35:09 (armlmd) DENIED: "compiler" user@mycomputer (License server does not this version of this feature (-25,334)) (armlmd) OUT: "compiler" user@mycomputer (armlmd) IN: "compiler" user@mycomputer 最初の DENIED の直後に正常なチェックアウトが表示されます。 サーバログにこのようなメッセージが表示されないようにするには、サーバ のオプションファイルでコマンド NOLOG DENIED を実行します。オプションファ イルについては、別途詳しく説明します。『FLEXnet エンドユーザガイド』を 参照して下さい。 8-12 Copyright © 2002-2004, 2006-2008, 2010 ARM. All rights reserved. Non-Confidential ARM DUI 0209IJ サーバの設定のトラブルシューティング 8.8 サーバのデバッグログファイルのサイズはどのように管理できますか ? 使用量の多いライセンスサーバを管理する場合は、ライセンスサーバデバッ グログが比較的短期間のうちに、管理できないほど大きくなることがありま す。ログファイルの容量が 1GB を超えると、ライセンスユーティリティでエ ラーが発生する原因となりかねません。サーバのデバッグログファイルのサ イズは以下の方法で管理できます。 • 「メッセージの非表示」 • 「ライセンスサーバの再起動」 • 「新しいサーバのデバッグログの開始」 8.8.1 メッセージの非表示 サーバのデバッグログファイルで特定の種類のメッセージが記録されないよ うにするには、オプションファイルで NOLOG ディレクティブを使用します。記 録する機能を無効にできるのは、ライセンスのチェックアウトとチェックイ ン、拒否されたメッセージとキューに入れられたメッセージです。サーバの デバッグログのメッセージを通常は非表示にしている場合は、問題をトラブ ルシューティングできるように、メッセージを再有効化する必要が生じるこ とがあります。オプションファイルの構文については、別のドキュメントで 詳しく説明されています。『FLEXnet エンドユーザガイド』を参照して下さ い。 8.8.2 ライセンスサーバの再起動 ライセンスサーバを再起動すると、新しいライセンスサーバデバッグログ ファイルが開始されます。メモリリークなど、長時間経過してからでないと 気付かないような問題が疑われる場合は、サーバを再起動すると、これらの 問題を特定できる可能性があり便利です。通常は、サーバがシャットダウン してから再起動するまでに数秒かかります。詳細については、第 4 章 フロー ティングライセンスサーバの設定を参照して下さい。 8.8.3 新しいサーバのデバッグログの開始 lmswitch コマンドを使用すると、ライセンスサーバを再起動せずに、新しい サーバのデバッグログを作成できます。定期的に（1 週間に一度など）新しい デバッグログを作成すると、ライセンスサーバの動作に関するレコードを継 続的に整然と把握できるようになります。このコマンドは、Windows または UNIX/Linux のコマンドラインで使用できます。ライセンスサーバユーティリ ティがインストールされているディレクトリにディレクトリを変更して、以 下のようにコマンドを入力します。 ARM DUI 0209IJ Copyright © 2002-2004, 2006-2008, 2010 ARM. All rights reserved. Non-Confidential 8-13 サーバの設定のトラブルシューティング lmutil lmswitch -c license_file_name armlmd new_logfile_name 各パラメータには以下の意味があります。 license_file_name 使用するライセンスファイルの完全修飾パス名を指定します。 new_logfile_name 新しいサーバのデバッグログファイルの完全修飾パス名を指定 します。 サーバのデバッグログが new_logfile_name に切り替わることを示すメッセージ が表示され、元のログファイルが閉じられます。new_logfile_name の冒頭に、 前のサーバのデバッグログファイルの名前が示されます。 8-14 Copyright © 2002-2004, 2006-2008, 2010 ARM. All rights reserved. Non-Confidential ARM DUI 0209IJ 用語集 この用語集の項目は、原語のアルファベット順に記載されています。 クライアント ARM ソフトウェアツールを実行しているコンピュータ。「ホスト」とも呼ば れます。 偽造防止オプション（CRO） 偽造防止オプションを使用すると、Public Key Encryption を使用してライセン スキーを暗号化することができます。 CRO 「偽造防止オプション」を参照してください。 FLEXlm 「FLEXnet」を参照してください。 FLEXnet Flexera Software が販売するライセンス管理テクノロジであり、ARM アプリ ケーションの使用を管理するために使用されます。以前は「FLEXlm」と呼ば れていました。 ホスト 本書では、「ホスト」とは ARM アプリケーションまたは FLEXnet を実行する コンピュータを意味します。他のコンテキストでは、データやその他のサー ビスを別のコンピュータに提供するコンピュータを意味します。「クライア ント」とも呼ばれます。 ARM DUI 0209IJ Copyright © 2002-2004, 2006-2008, 2010 ARM. All rights reserved. Non-Confidential Glossary-1 用語集 ライセンス管理ソフトウェア ソフトウェアアプリケーションプログラムの使用を制御するソフトウェア。 例えば、あるプログラムを、1 台の特定のコンピュータだけで使用できるよ うにライセンス設定したり、ネットーワーク上で制限された数のユーザに よって同時に使用できるようにライセンス設定したりできます。 「FLEXnet」も参照してください。 マスタサーバ 3 台の冗長なサーバ構成で、ライセンスを発行するサーバ。マスタサーバは他 の 2 台のセカンダリサーバより前に起動する必要があり、ライセンスファイ ルおよびクライアントライセンス環境変数で先頭に記載する必要があります。 マスタサーバで障害が発生すると、他の 2 台のセカンダリサーバのいずれか がマスタサーバになります。 オプションファイル プレーンテキストファイルであり、フローティングライセンス管理者は、こ のファイルを使用して、ライセンスが提供されたソフトウェアの特定の機能 またはバージョンへのユーザアクセスを制御することができます。また、ラ イセンスサーバデバッグログに書き込まれる情報を制限することもできます。 永久ライセンス ARM アプリケーションを使用可能にするライセンス。 「ライセンス管理ソフトウェア」も参照してください。 プラットフォーム 最低限の仕様を満たすコンピュータハードウェアの特定の種類と、指定され たリリース以降の特定のオペレーティングシステムを組み合わせたもの。 サーバ クライアントコンピュータにフローティングライセンスを発行するコン ピュータ。ARM ライセンスは 1 台のサーバ、または 3 台の（冗長な）サーバ 構成のいずれかで使用することができます。 サーバのデバッグロ グ ライセンスサーバのプロセスによりオプションで作成されるプレーンテキス トファイル。デフォルトでは、診断情報およびライセンス使用状況の情報が 記録されます。サーバのデバッグログは、FLEXnet のサーバレポートログと は別物です。 サーバログ Glossary-2 「サーバのデバッグログ」を参照してください。 Copyright © 2002-2004, 2006-2008, 2010 ARM. All rights reserved. Non-Confidential ARM DUI 0209IJ
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