「業界指定講習会」での質問表に対する回答集 本回答集は、11/23-25 東京および大阪で開催されました“第一回「IBHRE検定試験」受験のため の「業界指定講習会」”において受講者から寄せられました質問事項に対して、当日の各講師から 頂いた回答をまとめたものです。 Q1.今回の講習会でのテキスト訂正部分を全部教えてください。確認のため宜しくお願いします。 今回の講習会テキストの訂正部分をまとめた正誤表のようなものをいただくことはできないで しょうか? A1.下の正誤表をご参照ください。 テキスト テキストⅠ,Ⅱ ページ 裏表紙住所 誤 文京区本郷 2-29-5 -6 正 文京区本郷 2-39-5 テキストⅡ P5 答4.解説 10 10-3 テキストⅡ P5 答4.解説 10-9 10-6 テキストⅡ P13 答9.解説 ウェンケバッハインターバル(WI) ウェンケバッハウィンドウ(WW) テキストⅡ P13 答9.解説 WI WW テキストⅡ P19 答13. 心拍数は 200∼300%増加 心拍数は 100∼200%増加 テキストⅡ P19 答13. 運動により 200∼300%増加 運動により 100%∼200%増加 テキストⅡ P76 答 35. 高度房室ブロックとは、3:1 伝導 高度房室ブロックとは、2:1 伝導 テキストⅡ P106 答 5 c)破損又は偽破損 c)断線又は偽破損 テキストⅡ P122 問 8 上のリズムから生じると考えられる 下のリズムから生じると考えられる テキストⅡ P126 問 10 ○200ms↑×175ms ×160ms ○200bpm↑×175bpm ×160bpm ×145ms ×145bpm テキストⅡ P139 問 19 ICD は機器は固定パルス幅の ICD は機器は固定パルス幅の テキストⅡ P139 問 19 解説 図) Tilt=V1-V2/V1×100 図) Tilt=(V1-V2)/V1×100 テキストⅡ P140 問 19 ◆本設問の解答は a)および d)の ◆本設問の解答は a)および d)の2つ 2つではないでしょうか? ではないでしょうか? (削除) テキストⅡ P140 問 19 a)送出ショックエネルギーの減少 a)蓄積ショックエネルギーの減少 テキストⅡ P142 答 21 解説(下) 図) Tilt=V1-V2/V1×100 図) Tilt=(V1-V2)/V1×100 テキストⅡ P142 答 21 解説(下) 図) Tilt=V1-V3/V1×100 図) Tilt=(V1-V3)/V1×100 Q2.講習会 1 日目の講義は CDR 試験問題の範囲でしょうか。 A2.試験範囲には含まれません。 CDR 認定制度は、ペースメーカ/ICD関連情報担当者が、その機器や関連機器の適正使用と使 用上の安全確保のために知識・情報の提供、収集、伝達を行なう業務を遂行するにあたり、適切 な倫理観と機器操作に関連した専門知識を有している事を認め、その習熟度の向上を目指すこと を目的とした認定制度です。 IBHRE検定試験においては、その専門知識を検定するもので、第一日目の講習は、その範囲に 含まれない部分をカバーする目的で行われました。 Q3.規約も自主規制なのか? A3.その通りです。 私たち、医療機器業界は健全な商慣習を確立するために業界全体が守るべき次の自主規制ルー ルを有しています。すなわち、 (1)倫理綱領 (2)企業行動憲章 (3)医療機器業プロモーションコード (4)医療機器業公正競争規約 の4つです。このうち、医療機器業公正競争規約のみが、景品表示法という法律に基づき、公正取 引委員会により認定を受けた「法的根拠」を有し、「拘束力」と、違反者には所定の「罰則」を課せら れます。この3つが規約以外の自主規制ルールと異なる特徴です。 Q4.適正使用の為の立会いは、新規に納入した物品の型式や仕様が異なる場合、それぞれ別個 に4回/4ケ月のルールが適用となるのでしょうか? A4.適用があるか否は、具体的な状況により異なります。 (理由) 1)別個に4回/4ケ月のルールの適用が認められる場合 ①当該医療機器の型式や仕様が変更され、薬事法上の一部変更を伴い添付文書等 の記載内容が改訂されるとき ②マイナーチェンジにとどまり、薬事法上の一部変更を伴う添付文書等の記載内容の 改訂がなされないときでも、使用方法の改善等が図られ、使用に際して医療機関等 への取扱操作説明等が必要なとき 2)別個に4回/4ケ月のルールの適用が認められない場合 ①添付文書の記載内容の改訂もなく、ユーザー向け案内文書の変更もなく、何ら医療 機関等に対する情報提供の必要が認められないとき ②製品を実際の使用前に(患者さんのいないところで)十分な説明を行うことで済ま されるとき Q5.トラッキングされた患者様の情報(チェックデータ・設定・シリアルナンバー・モデルナンバー) を社内のパソコンでデータ化し運用することは法的に問題ないのでしょうか?もちろん、データの 持ち出しは不可で、患者様の利益を目的とした運用です。 A5.ご質問の「患者様の情報」は、個人が特定できる情報であるという前提でご回答します。 個人情報保護法は、個人情報を取得した目的の範囲内で利用することを求め、本人の同意なく目 的外で利用することはできません。薬事法第77条の5を根拠とするトラッキング制度は、対象医療 機器の不具合などに関連する安全情報を迅速かつ的確に患者様へ届けることを目的として、連絡 先等に関する記録の作成・保存を義務付けた制度です。したがって、この目的の範囲内であれば、 書面で取得した情報を電子化して運用することは問題ないといえます。ただし、個人情報保護法 は、安全管理措置をとることを義務づけておりますので、当該目的を達成するために必要としない 人が利用できたり、アクセスできる運用は、安全管理措置義務違反と判断される可能性があります。 取り扱う情報は、高度にプライバシーが保護されるべき疾病情報を含みますので、厳格なセキュリ ティ管理のもと運用されるべきです。また、フォローアップ間隔を調べ、長期にわたってフォローア ップが行われてない患者様にフォローアップを促すなどの利用方法は、患者様の利益につながる とはいえ安全情報の提供とは異なりますので、トラッキングデータの運用としては問題です。 トラッキングデータは、あくまで安全情報の提供の際にのみ利用しなければなりません。 Q6.安全管理と品質管理の情報入手元として学会・文献とあるが、海外学会や文献の情報も安全 管理部門や品質管理部門へ報告する必要があるか? A6.自社製品に関連するものであれば必要です。また、各行政の立ち入り調査・指導として、それ ぞれの情報の入手先をGVP(主として),GQP上の管理マニュアルで設定するように指導されてい ます。 これは、学会が多数存在しているため、自社の製品に関与する適当な学会を指定しておくとよいこ とを示しています。 参照される、法的根拠は、以下の通りです。 1.施行規則第253条第2項第二号ハ 2.GVP省令第8条 また、不具合報告の手引書第 5 版 21 ページ参照(医機連発行) Q7.『業界指定講習会』の試験対策講座テキスト(テキストⅡ)に出題されている想定問題は、実際 のIBHRE検定試験の問題としても出題されるのでしょうか? A7.当センターは、IBHRE 検定試験内容には関与しておりません。従いまして、具体的な検定試 験内容についてはわかりません。 試験対策講座テキスト(テキストⅡ)で紹介されている問題は解答を導くための考え方を会得する 目的で紹介された例題です。 Q8.試験はペースメーカ、ICD,CRT(D)など別々になっているのか教えてください。 A8.:当センターは、IBHRE 検定試験内容には関与しておりません。 従いまして、具体的な検定試験内容についてはわかりません。 Q9.テキストⅡ P.7 のリードインピーダンスは断線に際して中間的な値を取ることがあるのか (解説 6-2) A9.完全断線の場合、抵抗値は無限大となりますが、不完全断線の場合、異常値とは断定しがた い抵抗値を示すことがあります。3∼4 本のコイルを同時に巻いたマルチファイラー構造の場合、1 本の導線が断線しても残りの複数の導線で導通が保たれていますので、正常値とあまりかわらな い、あるいは中間的な値を示す場合があります。 Q10.テキストⅡ P.25 問 1 の VVIR ペースメーカを植え込んだとあるが、質問との関連がわからな い 臨床ペーシング講座 問 1. VVIR ペースメーカの交換 OPE でわざわざアップグレードして、DDIR にする必要があるのでしょうか?DDI の方が生理的ですがリードの追加を考えるとリスクもあると思う のですが A10.この問題の意図は次のように考えられます。 VVIR ペースメーカを植込んだ完全房室ブロックの患者の交換手術が行われた。設問にあるデー タでは、心房の心内心電図が示されています。ここから、交換術において心房リードが新たに追加 されたことが分かります。また、心内心電図から心房(粗)細動であることも分かります。したがって、 ここでは、心房(粗)細動をともなう完全心ブロックの患者に対する適切なペーシングモードが何で あるかを考えるところにあります。 デュアルチャンバーペースメーカにおいて VVIR は否定され、完全心ブロックであるため AAIR が 否定されます。また、心房細動が合併していることから VDDR モードも最適とはいえません。したが って、本症例における最適なモードは、DDIR ということになります。 Q11.プラセボ効果とは何ですか A11.プラセボ(placebo)は、日本語では「偽薬、擬薬」と訳されます。臨床治験薬と薬効や安全性 などのデータを比較するために用いられるもので、通常、治験薬と色や形は似ていながらも、有効 成分が含まれないものを使用します。広義には薬以外に、本物の治療のように見せて実質上の治 療の機序が含まれないあらゆる治療にも用いられ、植込みデバイスの臨床試験においても、デバ イスは植え込まれてもその治療が使用されない治療群をプラセボ(群)あるいはコントロール(群)と 呼ばれます。 このプラセボ(群)の患者さんにおいて、実際には治療が行われていないにも関わらず治療を受け たという意識から治療効果が出ることがあり、これをプラセボ効果といいます。 Q12.除細動器の放電可能回数の計算式を教えてください A12.各製造販売業者にお問い合わせください。 Q13.問 31.コントロールされた心室レスポンスというのは AMS 作動にはいっているということでしょ うか?R 波のセンシングフェラーがあってもコントロールされているレスポンスということでよいのです か? A13.ここで言う「コントロールされた」というのは、心房細動の発生によりモードスイッチして心房非 トラッキングモードとなっているという前提で、心室レスポンスが DDI により制御(コントロール)され ている、という意味と考えます。 Q14.テキストⅡ P36 問 7 心房アンダーセンシングではレートの上昇はないのになぜ動悸を感 じるのか? A14.問題の趣旨は次の通りと考えられます。 DDD ペースメ−カ植込み患者の動悸症状に対して診断が行われた。植込みデバイスによる診断 機能では、PVCのイベント数が増加していたが、ホルター心電図ではPVCが認められなかった。 その原因については、既にテキストのなかで解説されております。 設問中の「動悸」に関しては、不整脈が疑われ診断が行われましたが、根本原因を推察する情報 は設問からは明らかになっていないと考えられます。 Q15.テキストⅡ P150答4 ①の最適値は? A15.CRTの植込み適応基準のひとつに体表面心電図における幅の広いQRS(≧130ms)があ り、これが心室間伝導遅延時間を表す基準となっています。実際の手術の際にも植え込まれたリ ード間の心内心電図から左右の心室興奮時間差によりリード留置部位の評価が行われ、一般的 には 100ms 以上あればよいと考えられています。 Q16.CDR test 中に電卓は使用できるのですか?レートの計算時。 Q17.Test 時にレート定規やデバイダーは使用できるか? A16及びA17.電卓、レート定規及び電卓は持ち込めません。また、使用できません。それらを使 用しなくとも回答ができるようになっています。因みに、試験会場での受付終了後、携帯電話や筆 記用具を含め全ての荷物をロッカーに預けることになります。試験監督員より「受験セット」(ペンや メモ用紙等)が配布されます。
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