Biofach 2009 ドイツ・ニュルンベルク

Biofach 2009
ドイツ・ニュルンベルク
2009 年 2 月 19 日~22 日
プレスリリース
Biofach 2009: 売行き好調のオーガニックワイン
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差別化商品としてのオーガニックワイン
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国際オーガニックワインアワードのワインが会場に
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オーガニックワインに関する EU の新たな指令
有機産品を対象とした世界をリードする見本市 Biofach と自然化粧品や健康をテーマにし
た見本市 Vivaness に、2009 年は約 2900 の出展社と新たに 45,000 人以上の来場が期待さ
れている。オーガニックワインは、2008 年にワインホール 4A に新たな専用展示スペース
を確保し、2009 年も世界をリードする見本市 Biofach で、成長するオーガニックワインの
多様性、品質、味わいを存分に示してくれそうだ。2008 年には 23 カ国から 347 のワイン
出展社が、承認された有機栽培による最高のワインを入場者に紹介したが、2009 年には出
展社数で 10%の伸びが見込まれている。国際オーガニックワインアワードは、世界中のワ
イン醸造業者が受賞を望む賞であるが、その受賞ワインが会場で試飲できる。
「新ワインホールに対する好意的反響は、オーガニックワインのグレードアップに対する
我々の決定が正しかったことを明確に示している。2009 年もオーガニックワインは Biofach
で最も魅力的な面を我々に味合わせてくれるものと確信している」と、Biofach と Viavaness
のプロジェクト責任者ウド フンケは言う。
Biofach 2008 で採光の多い新ホールに出展したのは、オーガニックワインだけでなく、有
機栽培のオリーブオイルもこのワインホール 4A に出展された。2009 年の入場者はここで、
改めて有機オリーブオイルを味見し、堪能することができる。またすでに2回目となるオ
リーブオイルバーでのベスト有機オリーブオイル賞が授与される。
オーガニックワインに関する詳しい情報は、会議プログラムの一環で行われるフォーラ
ムやステージで得ることができる。ホール 4A のレストランでは、一流のシェフたちが
入場者に美食を提供する。国際オーガニックワインアワード受賞者のワインは、ワイン
ホール試飲ゾーン内のワインカウンターで試飲できる。ワインアワードに関する詳しい
情報は以下の URL を参照:www.biofach.de/weinpreis
レストランや酒店ではオーガニックワインが増加
認証された有機栽培による葡萄で作られたワインの販売は、エネルギーコストや食費の
高騰にもかかわらず、極めて好調に推移している。オーガニックワインの傾向は、この
ところすべての販売経路で見られ、老舗のスーパー部門での有機品種に限らず、大きく
伸びている。「飲食業界でも需要が増え、従来のワイン専門店も広い分野で有機が話題
になっている」と業界通でワインの輸入業者であるオルジンゲンのペーター リーゲル
は言う。ザールブリュッケンのワイン取扱い業者、クリストーフ L ピストリウスも同
様に見ている。「ワイン業者の隠蔽体質は、真の利益を前にして消滅し、最近は非常に
よいイメージになっている」。
大型チェーン店やディスカウントストアーは、有機食品部門でのワインの良好な反響に
従い、以前よりは長期的視点を持つようになった。
「有機は差別化できる部門になった。
しかし、オーガニックワインにとって、ワインブランドとしての流通の確立はもっと困
難であることも、また明らかである。これは特に個々の銘柄の入手が限定されているこ
とによる」と業界専門家でワイン販売業者のトラーベン・トラールバッハのラルフ ヒ
ンツは述べる。この点は今すぐにでも変えなければならないだろう。すでにフランス、
スペイン、イタリアのような国では、大きな協同組合や生産者共同体が存在し、広大な
葡萄畑を有機の経営に切替えている。しかし、ここではまだ大型チェーン店への出荷を賄
うだけの、品質的に納得のいくベースワインが不足することが結構ある。
産地およびフェアトレードが重要
消費者は、ワインの産地がどこで、だれがどこでどのように生産したかということをます
ます知りたがっている。しかし、ドイツの市場では国内産のオーガニックワインが優先的
に好まれることは一般的にない。スペイン産やイタリア産は引き続き増えているし、フラ
ンス産オーガニックワインの需要は多少減少を甘受せざるを得ないが、南アフリカやチリ、
アルゼンチン産も非常によく売れているというのが業界専門家の見方である。ここに、昔
からの有機ショップやスーパーならびに専門店で、海外産を取り扱う可能性がまだある。
しかし、従来の食品小売店は、この状況について一部異なった見方をしている。
「需要の大
きいワインを国別に挙げると、ドイツ、イタリア、フランス、スペインで、海外や東欧諸
国は現在、まだ大きな意味もっていない。東欧産は消費者の間でまだ信頼感が足りない」
とハンブルクの市場通、イレーネ ベッカー・フォルクマン女史は言う。ここで大きな
例外となっているのがフェアトレードである。「フェアトレードは消費者意識の中でコ
ーヒー、バナナ、チョコレートに次いで、今やワインにも広がっている。これで得をし
たのが、すでにフェアトレードの販売網を確立した南アフリカ産ワインだ」こう説明す
るのは、ラドルフツェルの食品小売店向けワイン納入業者、ディルク ホークスである。
ドイツ市場での売れ筋:南欧ワイン
ドイツ市場の国際オーガニックワイン部門で最も売れているのが南欧産ワイン。イタリ
アワインでは、特に良く購入されるのがプロセッコ、ピノ グリジオ、メルロー。フラ
ンス産では、主にメルロー、カベルネ ソーヴィニヨンが良く売れている。一方、スペ
イン産は、テンペラニーヨ品種に特に人気がある。ドイツ産では、リースリング、シル
ヴァーナー、ミュラー・トゥルガウ、ドルンフェルダー、そしてシュペートブルグンダ
ーが主流だが、レーゲントも増えている。
人気を博す最高級品や高級ワイン
オーガニックワインは、ドイツではこの間にすでに高額分野でも定着してきており、
「10
ユーロ以上のワインが非常に良く売れる」と市場ウォッチャーのペーター リーゲルは
言う。しかし、最も売れるのは 4.99 ユーロまでのワインである。僅かな例外として、
食料品店の棚に 2.99 ユーロ以上でオーガニックワインが売られている。消費者は、有
機品質ならワインでも多少の高値を徐々に受け入れてきている。国内産の場合、もう少
し上で、5.99 ユーロぐらいまで行くかもしれない。
ワインセラー内での発効から瓶詰めまでの工程に関する EU の新たな指令
認定分野では業界は、オーガニックワインに対するセラー指令に関して 2009 年に予定され
ている EU の決定を緊張の面持ちで待っている。業界通は、これら指令がエコワイン、ビ
オランド、ネイチャーランド、ビオオーストリア、ビオスイスまたはナチュール・エ・プ
ログレなどの団体のむしろ厳しい命令に準拠していることを期待している。しかし、EU 当
局は、Demeter ないしは BiodynamicⓇに対する新たな指針に合わせているのかもしれない。
最近、オーストリアで開催された第 11 回 Demeter International の総会では、アルゼンチ
ン、ブラジル、ニュージーランドを含む 17 カ国から 30 人の代表が、Demeter のシール付き
の認定されたビオディナミワインの最低基準を決定した。その指針の核心は可能な限り自
然なワイン製造である。全世界的なビオディナミのブドウ栽培と気候の相違に配慮して、
亜硫酸塩や糖分の添加が調整され、酸化調整の可能性も定義されている。