講義資料[PDF:337KB]

ホテルのミッション
株式会社プリンスホテル
茅野 泰幸
ホテルとは
• 大辞林
西洋式の設備を備えた宿泊施設。洋風の旅館
• 旅館業法
ホテル営業→洋式の構造及び設備を主とする施設を設け、
宿泊料を受けて人を宿泊させる営業
旅館営業→和式の構造及び設備を主とする施設を設け、
宿泊料を受けて人を宿泊させる営業
• Merrium-Webster
an establishment that provides lodging and usually
meals, entertainment, and various personal services
for the public
1
日本のホテルは西洋人の受入から始まった
旅館業法のホテルの構造用件
→西洋人の生活様式、プライバシー、衛生面に配慮
寝具は洋式のもの
出入り口及び窓はかぎをかけることができる
客室と他の客室、廊下等との境は壁造りである
洋式浴室又はシヤワー室を有する
洗面設備を有する
便所は水洗式かつ座便式のもの
アンダーライン部分は旅館の構造要件にはないもの
ホテルと旅館の客室数の推移
ホテル客室数
旅館の客室数
1,200,000
1,000,000
800,000
600,000
400,000
200,000
19
62
年
19
65
年
19
68
19 年
71
年
19
74
年
19
77
年
19
80
年
19
83
年
19
86
年
19
89
19 年
92
年
19
95
年
19
98
20 年
01
年
20
04
年
20
07
年
0
2
総客室数の推移
ホテル客室数
ホテル及び旅館の客室数
1,800,000
1,600,000
1,400,000
1,200,000
1,000,000
800,000
600,000
400,000
200,000
2007年
2004年
2001年
1998年
1995年
1992年
1989年
1983年
1986年
1980年
1977年
1974年
1971年
1968年
1965年
1962年
0
旅館について
• 1963年のホテル客室数(15900室)は旅館の3%
• 旅館の成長と繁栄
国内観光の成長・団体旅行が盛んに
日本人の温泉好き
旅館のホテル化
• 90年代後半から旅館は減少
団体旅行から個人旅行に
日本人の生活様式の変化
• 旅館の再活性化
自然環境、伝統文化を活かす
個人客・外国人の受入、泊食分離
3
日本のホテル小史
• 19世紀後半の開国→外国人受入のためのホテル整備
M26貴賓会
M45ジャパンツーリストビューロー
• 日露戦争後と第1次世界大戦後に外客が急増
• S5 政府の外客誘致機関「国際観光局」の設置
「国際観光ホテル」整備に政府援助 S15年までに純洋
室ホテル室数は5656室と倍増
• 東京オリンピックと大阪万博を契機にホテル整備が進む
• 90年代以後外資系ホテルチェーンの進出
ホテルのサービス
宿泊
レストラン・バー・ラウンジ
ルームサービス
宴会・会議・イベント
(MICE)
• 観光情報提供、ビジネス
サポート
• 健康、美容、リラクゼー
ション
• 送迎
•
•
•
•
4
ホテルを利用した「週末断食」プラン
• エクササイズをする環境
ジム、スタジオ、プール
• リラックスできる環境
客室、サウナ、ジャグジー、スパー、エステサロン
• 食事環境
朝昼晩の健康ドリンク、回復食の提供
• 医師、看護師によるセミナーとウォーキングレッ
スン
• 同じ目標を持った人たちが集まることによる達成
率の向上
ホテルのタイプとブランド
• Full-service (都市型多機能)
• Select-service
• Limited-service (宿泊特化型)
• Luxury
• Midprice
• Economy/Budget
• Extended Stay
→コンセプトを分けたブランドマネジメント
5
プリンスホテルのブランド
プリンスホテルのブランド戦略
• ザ・プリンス
プリンスホテルのフラッグシップ(4ホテル)
• グランドプリンスホテル
都市型で多目的かつ多機能なホテル
コンベンション、インセンティブが開催可能で、様々
なタイプの客室を揃える(5ホテル)
• プリンスホテル
カジュアルあるいはシンプルでありながら、心落ち
着き満足できる快適なサービス・クオリティー (38
ホテル)
6
ホテルの経営組織
支配人(GM)
管理部
企画・マーケティング
宿泊部
宴会部
食堂部
ホテルのシステム
Central Reservation System (CRS)
↓
プロパティマネジメントシステム
客室予約 チェックイン チェックアウト
客室清掃 レストラン その他のオペレーション
調達 会計
→ 業務分析、 レベニューマネジメント、
顧客管理にも活用
7
客室予約・販売チャネル
• 自社チャネル
予約センター、自社ウェッブサイト、各ホテルの
予約係からの予約
• エージェント
団体、パッケージツアー、企業、一般個人
• ウェッブエージェント
個人対象のウェッブサイト販売専門エージェント
• 予約方法
インターネット(オンライン、リクエスト)、GDS、
電話、ファックス
レベニュー・マネジメント
・ 需要が超過する時期に、料金や予約対象をコント
ロールすることにより、より価値の高い顧客に販売
する
• レジャー需要、ビジネス需要などマーケットセグメ
ント毎の需要特性を考えたレートコントロールを行
う
• 最低宿泊日数などの規制を行い予約が少ない日
の稼働率を高める
• 予約状況の推移や過去のデータなどを用いて稼
働を予測し、レートや規制を変えていく
8
室料
マーケットセグメンテーションと
価格設定の考え方
需要曲線
P3
P1
P2
室数
Q3
Q1
Q=ホテルの
総客室数
顧客満足度(CS)
• CS調査
コメントカード、インターネットによるアンケート、
口コミサイトのチェック、ミステリーショッパー(覆
面調査)
• フィードバック、好事例紹介、表彰、ES向上
• Customer SatisfactionからCustomer Delightへ
サービスへの「感動」が、高いロイヤルティ・リ
ピーターを創り出す
ー西武グループのグループ宣言ー
「私たちは、『お客様の行動と感動を創り出す』
サービスのプロフェッショナルをめざします。」
9
リゾートホテル(戦前)
• 明治期 在留外国人の避暑・保養のためのホテル
M11 箱根富士谷ホテル
M26 日光金谷ホテル
M27 軽井沢・万平ホテル
雲仙のホテル
• 昭和始めに政府国際観光局が「国際観光ホテル」整備を
推進し、多くのリゾートホテルがつくられた
蒲郡ホテル、上高地帝国ホテル、雲仙観光ホテル、
川奈ホテル、志賀高原温泉ホテル、赤倉観光ホテル 他
リゾートホテル(戦後)
• スキー場、ゴルフ場などアウトドア・レジャー開発と併行し
てホテルを整備
(苗場、志賀高原、軽井沢、富良野)
• レジャー支出(スポーツ部門)が近年減少
余暇市場 96年91兆円→08年73兆円(レジャー白書)
• スノースポーツ人口
98年1820万人→07年960万人→08年1130万人
• ゴルフプレー人口
01年1340万人→07年830万人→08年950万人
• 外国人の利用は増加
10
リゾートの再活性化
自然環境・景観保全と自然体験・教育への利用
健康・リラクゼーション(スパー、デトックス)
アクティビティや着地型ツアーの充実
家族、シニア、外国人マーケットの拡大
地域ぐるみでの対策、コラボレーション
需要変動(週末集中対策、通年観光)
休暇制度改革
リゾート会議の誘致
•
•
•
•
•
•
•
•
日本の将来人口
140000
合計 : 人口(千人)
120000
100000
80000
60000
40000
20000
0
2005
2010
2015
2020
2025
2030
2035
2040
2045
2050
2055
年
国立社会保障・人口問題研究所推計
11
アイルランド
米国
日本
南アフリカ共和国
中国
豪州
香港
韓国
英国
ロシア
モロッコ
メキシコ
マレーシア
マカオ
ポルトガル
ポーランド
ベルギー
ブルガリア
フランス
ハンガリー
トルコ
ドイツ
チュニジア
チェコ
タイ
スペイン
スウエーデン
スイス
シンガポール
サウジアラビア
クロアチア
ギリシャ
カナダ
オランダ
オーストリア
エジプト
ウクライナ
インドネシア
イタリア
アラブ首長国連邦
2008
2007
2006
2005
2004
2003
2002
2001
2000
1999
1998
1997
1996
1995
1990
1985
1980
1975
1970
1965
1955
訪日外国人数の推移
9,000,000
8,000,000
7,000,000
6,000,000
5,000,000
4,000,000
3,000,000
2,000,000
1,000,000
0
世界の国・地域の外国人訪問者数
2007年
90000
80000
70000
60000
50000
40000
30000
20000
10000
0
12
Hospitality Business
• Hotel, Hospital の語源はラテン語のhospes(ゲス
トを迎える主人)や中世のhospice (困窮者を受け
入れる宗教施設)
例 Hospice de Beaune
• Hospitality
「おもてなし」 の意
• Hospitality Industry
宿泊、飲食または娯楽を旅行者に提供する産業
(Kotler: Marketing for Hospitality and Tourism)
日本のホスピタリティ産業
• チップ制はないが、高いレベルのホスピタリティ・
サービス
• 国際水準に向上しつつあるアジア諸国
• 欧米より安価な高級ホテル料金
• 外国人が不自由なく旅行できる外国語環境に
• 需要の平準化・休暇制度の改革が必要
• コンセプトの明確化
高コスト・高価格だがきめ細かなこだわりのサービス
クオリティは確保しつつ、ローコスト・リーズナブルな料金
のサービス
13
THANK YOU
14