CSRレポート2011(14.5MB)

CSR Repor t 2011
マクドナルド CSRレポート
企業概要
日本マクドナルド株式会社
所 在 地
〒163-1339 東京都新宿区西新宿6-5-1
店 舗 数
3,298店(2011年12月31日現在)
新宿アイランドタワー
売 上 高
5,350億円(直営店・フランチャイズ店合計売上)
従業員数
電
話
03(6911)5000(代表)
設
立
1971(昭和46)年5月1日
資 本 金
1億円(2011年12月31日現在)
事業内容
ハンバーガー・レストラン・チェーンの経営
並びにそれに付帯する一切の事業
日本マクドナルド株式会社役員
正社員/3,241名
(役員・契約社員などを除く)
パートタイマー/161,066名
(直営店・フランチャイズ店合計)
(2011年12月31日現在)
日本マクドナルドホールディングス株式会社役員
代表取締役会長 兼 社長 兼 最高経営責任者(CEO)
代表取締役会長 兼 社長 兼 最高経営責任者
(CEO)
原田
泳幸(永幸)
取締役上席執行役員
宮下
建治
取締役上席執行役員
アンドリュー R. ブラフ
取締役執行役員
奥田
一隆
取締役上席執行役員
菱沼
秀仁
取締役(社外)
高橋
鉄
取締役執行役員
佐藤
仁志
常勤監査役
石井
隆朗
取締役
(社外)
デビッド G. ガーランド
監査役(社外)
又市
義男
取締役
(社外)
アンドリュー V. ヒプスレイ
監査役(社外)
江前
公秀
取締役
(社外)
川村
明
監査役(社外)
ケビン M. オザン
常勤監査役
石井
隆朗
監査役
(社外)
又市
義男
監査役(社外・独立役員)
江前
公秀
監査役
(社外)
ケビン M. オザン
原田 泳幸
(永幸)
(2012年3月29日現在)
(2012年3月29日現在)
経 営 方 針
会社経営の基本方針
当社は、今後も持株会社としてハンバーガービジネスで培った資産を有効活用し、経営の効率化
と機動性の強化を通して企業価値の向上を図ることにより、長期的かつ安定的なグループ企業の
成長を図ります。
会社の利益配分に関する基本方針
業績、配当性向、
キャッシュ・フローのバランスを統合的に勘案し、
自己資本比率、株主資本利益率
(ROE)などの財務指標を妥当な水準に維持しながら、安定的な配当の継続を基本に利益還元に
努めます。
中期的な会社の経営戦略
グループ各社を統轄する当社は、
グループ運営の効果を最大とすべく常に組織編成を見直し、
グ
ループ企業へのサポートを行っています。中期的には基幹事業であるハンバーガーレストラン事
業に経営資源を集中していきます。
2
M cDonald s CSR R e p o r t 2 0 1 1
トップメッセージ
4
コーポレートファクト
6
マクドナルドと社会
8
特集
すべてはお客様の「笑顔」のために。 10
Contents
カスタマー
16
ピープル
24
コミュニティ
30
エコロジー
36
パートナー
42
コーポレートガバナンス
46
第三者意見
編集方針
本レポートでは、マクドナルドが取り組む6つの領域から
なるCSR(企業の社会的責任)活動を報告しています。
50
報告の対象範囲ほか
報告対象組織:日本マクドナルド株式会社
(一部日本マクドナルドホールディングス株式会社を含む)
マクドナルドのCSRに対する考え方や実践している取り
報告対象期間:2011年1月1日〜2011年12月31日
組みを開示することで、多くのステークホルダーの皆様
報告対象分野:社会責任領域全般(経営・社会・環境)
とともに持続可能な社会をつくっていきます。
次回発行予定:2013年3月
本レポートで報告する取り組みについては、
ステークホル
作成部署および連絡先:コーポレート・リレーション本部
ダーの皆様により理解していただくために、2011年に実
〒163-1339 東京都新宿区西新宿6-5-1
施した取り組み以外の事例も記載しています。
新宿アイランドタワー
また、マクドナルドのWEBサイトでは、本誌のデータなど
電話03(6911)5000(代表)
に加え、関連情報の開示も行っています。
McDonald s CSR Report 2011
3
トップメッセージ
2011年は、東日本大震災や原発事故、節電などによる社会情勢の変化により、厳しい事業環境と
なりまし た 。日 本 マ クドナ ルド は 、こ の 状 況 下 で 創 業 4 0 周 年 を 迎 えまし た が 、こ れ まで
積み上げてきた成長戦略を基盤として、
マクドナルドファミリーが一丸となって事業活動に取り組み、
既存店売上高において、
対前年比で8年連続プラスを達成しました。
■昨年は、創業40周年という節目の年であり、
さらなる飛躍へのスタートの年として、以下の4つの
戦略を実行いたしました。
●店舗投資の拡大(大型ドライブスルー店舗、
厨房機器の生産能力)
●フランチャイズ化の推進
●人材育成の強化
●独自性のあるメニュー戦略
○店舗投資の拡大:
●
お客様のニーズに対応し、
改装・新店を含め大型ドライブスルー店舗151店舗を展開
●
厨房機器への投資による生産能力の向上
○フランチャイズ化の推進:
●
フランチャイズ店舗比率は62%に上昇
○人材育成の強化:
「グローバルで活躍できる人材を、日本で一番多く育てるエクセレントカンパニーを目指す」
●
ことを人材育成理念とし、グローバルな人材の育成を進めるほか、女性の積極的な登用、
後継者の継続的な育成を推進
○独自性のあるメニュー戦略:
「Big America」、
「iCon Chicken」
シリーズなど、
マクドナルドらしいメニューの提供
●
「月見バーガー」、
「グラコロ」、
「チキンタツタ」などの人気メニューを計画的に展開
●
●
100円・120円マック商品の強化、
スペシャリティコーヒーの全国展開
「チキンマフィン」、
「ツナマフィン」、
「マックホットドッグ チリ」を新しい朝食メニューとして提供
●
4
McDonald s CSR R e p o r t 2 0 1 1
■社会貢献活動では、継続的に行っている教育、スポーツ支援活動およびチャリティー活動に
加え、東日本大震災への支援活動を実施しました。
●
トレーマットやポスターを使用したお客様への節電啓発
●
アルバイト従業員16万人を対象とした節電キャンペーン
●
東日本大震災義援金の寄付:日本マクドナルドより日本赤十字社へ1億円
米国マクドナルドより国際赤十字社へ200万ドル
※店頭でお預かりした義援金1億2,292万円は、
日本赤十字社へ寄付させていただきました。
●
東京/東北電力管内の店舗をはじめとする、
全店での節電対策
●
食育を中心とした教育支援活動
●
子どもからプロまでの幅広いスポーツ支援活動
●
ドナルド・マクドナルド・ハウス支援を中心としたチャリティー活動
■2012年の主要戦略
「革新的手法でさらなる成長のステージへ」が 本年のテーマです。これまでの戦略を継続し、
「 店 舗 開 発 戦 略 の 推 進 」、
「フラン チャイズビジ ネス の 強 化 」、
「 人 材 育 成 の 強 化 」、そして
「メニュー の 強 化 」を主 要 戦 略として取り組 みます。マクドナルドファミリー の 一 人 ひとりが
戦略実行の質とスピードを向上させ、
チャレンジ精神と、
常に前進する姿勢を持って取り組むことにより、
最高のQSCとともにお客様の期待を超えた価値を提供してまいります。
企 業 の 成 長 は 、社 会 に 対する責 任 の 拡 大 を 意 味します。
お客様をはじめとした、
マクドナルドを取り巻くすべてのステーク
ホルダーの 皆 様との 関 係を第 一 に 考え、社 会 貢 献 活 動を
はじめとするCSR活動に取り組んでまいります。
本レポートをお読みいただき、
マクドナルドについて
さらにご理解を深めていただければ幸いです。
代表取締役社長
McDonald s CSR Report 2011
5
コーポレートファクト
(企業実績)
経営における基本的な考え方
2011年の概要
日本マクドナルド株式会社は、創業以来、基本理念
東日本大震災とその後の連鎖的な環境変化によ
であるQSC&V(Quality:品質、Service:サービ
り、厳しいビジネス環境にありました。政府による
ス、Cleanliness:清潔さ、Value:価値)に基づ
電力使用制限が解除された9月以降は顕著に業
き、お客様に最高の店舗体験を提供することを通
績が回復し、既存店売上高において8年連続で前
じて、
お客様にとっての「お気に入りの食事の場と
年を上回ることができました。
スタイルであり続けること」を基本方針としてい
商品戦略としては、
「Big America」の展開、
アイ
ます。
コンチキンシリーズを提供するとともに、ブレッ
QSC&Vとは、お客様に提供する4つの価値を表
クファストの新メニューやコンビメニューの提供
しており、
最高のおいしさと品質の商品、
スピーディ
などを行いました。
で心地よいサービス、そして清潔で快適な環境に
また、
フランチャイズ化の推進を継続的に図るとと
より、お客様に最高の店舗体験を提供することを
もに、大型ドライブスルー店舗の拡大、既存店の厨
意味しています。最高のQSC&Vをお客様に提供す
房機器能力の向上を図り、
すべての商品を高い品
ることを通じて、企業価値の向上とステークホル
質で提供するための戦略的投資を進めました。
ダーの皆様への貢献を追求していきます。
経常利益の推移
全店売上高の推移
(直営店・フランチャイズ店合計)
一店舗あたりの売上高の推移
(億円)
(百万円)
(億円)
4,941
5,183
271
5,319 5,427 5,350
276
232
155
130
138
163
142
182
156
2007 2008
6
2009
2010
M cDonald s CSR R e p o r t 2 0 1 1
2011
2007
2008
2009
2010 2011
2007
2008 2009
2010
2011
2011年の実績
2012年の戦略
2010年に実施した433店舗の戦略的閉店、
フラ
2012年のテーマは「革新的な手法でさらなる成
ンチャイズ化および東日本大震災などの影響に
長のステージへ」です。今年の主要な戦略は下記
より、厳しい状況ではありましたが、全店売上高
の4つになります。
は5,350億円となりました。既存店売上高では対
●店舗開発戦略の推進
前年比で+1.0%となり、8年連続で前年を上回
大型ドライブスルー店舗、
新デザイン店舗の拡大
りました。また、既存店来店者数でも対前年比で
●フランチャイズビジネスのさらなる強化
+2.1%となっています。2011年の連結業績で
フランチャイズ比率70%へ拡大を継続
●人材育成の強化
は、営業利益281億円(+0.2%)、経常利益276
億円(+1.7%)、当期純利益132億円(+69.1
すべてのポジションでの後継者育成の強化
●メニューの強化
%)
となり、営業利益、経常利益、当期純利益とも
上場以来最高を更新しました。
コーヒー戦略の推進
ビーフ、
チキンメニューの継続的提供
世界のマクドナルド独自メニューの展開
業績レコードハイライト
12月 創業以来の「月間全店売上高」の最高記録を達成
(518億9,400万円)
既存店売上高対前年比
(
5
0
-10
-15
1.0
1.1 4.5
-6.3
(億人)
8.63
店舗数の推移
(直営店・フランチャイズ店合計)
(店)
3,746 3,754 3,715
9.24
9.38
9.25
2008 2009
2010
2011
9.03
3,302 3,298
4.0
-0.7
-5.6
10.2
-25
-35
)
レジカウント数/直営店・
フランチャイズ店合計
-2.3 -0.3
-20
-30
ファミリーが一丸となり、戦略を推進します。
全店来店者数の推移
(%)
-5
基 本 理 念であるQ S C & V のもと、マクドナルド
5.5
-12.1
3.3
-4.4 3.4
97 98 99 00 01 02 03 04 05 06 07 08 09 10 11
2007
2007
2008 2009
2010
2011
McDonald s CSR Report 2011
7
マクドナルドと社会
マクドナルドは、企業の社会的責任(Corporate Social Responsibility)
として、
「コーポレートガバナンス」を基盤とし、
「カスタマー
(顧客)」
「パートナー」
「コミュニティ
(社会貢献)」
「エコロジー
(環境)」
「ピープル
(従業員)」
の6つの領域に重点を置いたCSR活動を行っています。
これら6つの領域のCSR活動を軸に、お客様やサプライヤー・フランチャイ
ジーなどのパートナー、株主・投資家、従業員、地域社会や環境など、マクド
ナルドを取り巻くステークホルダーの皆様とのコミュニケーションを図りな
がら、
社会の期待に応えていきたいと思います。
今後も、
「食のリーディングカンパニー」として、持続可能な社会の構築に向
けて、
ステークホルダーの皆様とともに成長していく企業を目指します。
カスタマー
ピープル
パートナー
コーポレート
ガバナンス
エコロジー
8
McDonald s CSR R e p o r t 2 0 1 1
コミュニティ
マクドナルドを取り巻くステークホルダー
マクドナルドは、全国で約3,300店舗を展開し、16万人もの雇用を生み出し、
年間延べ15億人のお客様に食を提供しています。私たちは社会に与える影響
を認識し、
ステークホルダーとの対話を通じてその責任を果たしていきます。
お客様
パートナー
行政
環境
株主
地域社会
従業員
McDonald s CSR Report 2011
9
特集
す べ て は お 客 様 の「
お客様の「笑顔」を支える品質
マクドナルドは、常にお客様に最高の店舗体験
を提供し、
お客様にとって「お気に入りの食事の
場とスタイルであり続けること」を使命としてい
ます。この基盤が、
「QSC&V(Quality:品質、
Service:サービス、Cleanliness:清潔さ、
Value:価値)」であり、創業以来変わらない理
念です。
おいしい商品を提供すること、
ご利用い
ただく店舗のつくりやデザイン、店舗で働く従業
員やクルー一人ひとりもその重要な要素です。
その中でも、安全で安心いただける商品を提供
することが最も重要であると考え、お客様から
は見えにくい店舗設備や機器、商品の原材料の
調達、加工、物流にいたるまで、一貫した品質・
衛生・安全管理を徹底し、
フードセーフティ
(食の
安全)
に努めています。
お客様に安全でおいしい商品をお届けし、
お客
様の笑顔に接することは、私たちの誇りであり、
喜びです。
その思いを胸に、
これからも一人ひと
りが真摯に取り組んでいきます。
おいしさと
安全のために
10
M c Donald s CSR Re p o r t 2 0 1 1
笑 顔 」の た め に 。
おいしさと
マクドナルドの
安全のために
フードセーフティ
McDonald s CSR Report 2011
11
特集
す べ て は お 客 様 の「 笑 顔 」
お いしさと安 全 の ヒミツ
農場
Q
ハンバーガーに使われるビーフはどこからきているの?
A
オーストラリア産・ニュージーランド産100%ビーフを使用しています。
餌となる牧草から厳しく管理されたクリーンな飼育環境で、
健康に育てられた牛だけを使用しています。
個体識別番号と農場識別番号が
データ化された電子タグ
飼育記録・獣医治療の記録もデータ化
● 牛1頭ごとに生まれてすぐタグをつけ管理
品質管理の
ポイント
● 飼育記録
● 生産者による牛の健康や安全性の証明書
農場の所在地
生産者の連絡先
● 農場識別番号
●
●
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M cDonald s CSR R e p o r t 2 0 1 1
どんな餌を食べて育ったか
● 健康状態
● 農薬や獣医薬品使用の履歴
●
生産者は牛の健康や安全性を
証明して出荷
オーストラリア産・ニュージーランド産ビーフの
安全性について
政府と生産者が一体となり、国をあげて食肉の安全確保に取り
組んでいます。食肉の安全と品質保証に関しては、法律や義務
として制度化され、その安全性は、国際獣疫事務局(OIE)に世
界的にも認められています。
」の た め に 。
ツ 1 0 0 %ビ ーフ パ ティ
1次加工
Q ビーフの安全性や品質はどのように管理され出荷されているの?
A
食肉加工場は、
受入れから出荷まで世界最高水準の
厳しい管理がなされています。政府の検疫検査官が常駐し、
検査をクリアした食肉だけが日本に出荷されます。
世界最高水準のオーストラリア規格に
基づく検査
オーストラリア検疫検査局衛生証明書
※1
※2
● マクドナルドの基準に基づく監査(GMP ・HACCP・BSE
品質管理の
ポイント
防御策、
動物福祉)
● HACCP管理(食品の安全に影響を与える危害を最小限にするための衛生管理システム)
● モニタリング検査(衛生検査、動物医薬品・飼料添加物など)
● 出荷前の細菌検査(O157
※1 GMP:製造・品質管理規範
13
マクドナルドだけのさらに厳しい検査
M c Donald s CSR Re p o r t 2 0 1 1
※3
など)、異物検査
※2 BSE:牛海綿状脳症
※3 O157:腸管出血性大腸菌
マクドナルドは、農場から店舗までのサプライチェーン全般で品質・安全管理を徹底し、
フードセーフティ
品質管理は、
原材料のトレーサビリティ確立はもちろん、農場から店舗にいたるまでの一貫した衛生管理
ここではビーフパティを例に、
マクドナルドの品質管理のポイントをご紹介します。
すべての原材料は、
マクドナルドが世界で積み上げてきた豊かな経験に基づくグローバル共通の規格と明確な製品仕様にしたがって、指定工場で
2次加工
Q
100%ビーフパティへの加工はどのように行っているの?
A
厳しい規格やマクドナルド独自の検査に合格した指定工場で、
徹底した品質管理のもとビーフパティをつくっています。
全工程において厳しい温度管理
人の目で厳重にチェック
金属探知機による異物混入検査
● 製品仕様書に基づき製造
品質管理の
ポイント
● サプライヤー品質管理システム
(マクドナルド独自の品質管理プログラム)
● 定期的な外部監査
● HACCPによる製造工程の衛生管理
● 出荷前の細菌検査と製品評価
M c D o n a l d s C S R R e p o r t 2 01 1
14
ィの向上に取り組んでいます。
理、店舗の調理機器やオペレーションまでの全工程をその対象としています。
で製造されています。
配送
Q
A
お店
できあがったビーフパティはどのようにお店まで
運ばれてチェックされているの?
工場から冷凍の状態で出荷されたビーフパティは、
保管・配送時の管理はもちろんのこと、
お店で調理されるときの
温度から衛生面まで、
管理を徹底しています。
QIP
(クオリティ・インスペクション・
プログラム)
チェックを実施
ドライバーによる温度管理
内部温度を毎日チェック
● マクドナルド独自の物流品質管理プログラム
品質管理の
ポイント
● 定期的な外部監査
● 商品入荷時、
マクドナルド基準に基づく
品質検査プログラム
● フードセーフティプログラム
品質管理の
ポイント
● 店舗重点検査
● MFY
(メイド・フォー・ユー)
オペレーション
● HACCPによる調理条件の確保
McDonald s CSR Report 2011
15
カスタマー
すべてのお客様にとってマクドナルドが「お気に入りの食事の場とスタイルであり続けること」―
これがマクドナルドのミッションです。
最高のおいしさと品質の商品はもちろん、
お客様のさまざまなニーズにお応えする店舗づくり、
新しい驚きと楽しさのあるメニューやサービスを追求しています。
16
M cDonald s CSR R e p o r t 2 0 1 1
カスタマー
カスタマー
マクドナルドは、
お客様へ最高の店舗体験を提供するために、
「Q(品質)S(サービス)C(清潔さ)
」を基本とし、
「V
(価値)
」を創造しています。
マクドナルドのQSC&V
マクドナルドは、
クイックサービスレストランとし
その上にさまざまなV(Value:価値)
を創造して
て、お客様に最高の店舗体験を提供するため、
います。QSC&Vの追求によって、お客様にとっ
基本理念であるQSC(Quality:品質、Service:
てお気に入りの食事の場とスタイルであり続け
サービス、Cleanliness:清潔さ)の徹底に努め、
ることが可能になると考えています。
Quality
品質
マクドナルドでは、
レギュラーメニューを
「世界共通の品質」で提供。
このおいし
さを維持向上するために、品質管理を
徹底しています。
Value
価値
Q(品質)、S(サービス)、C(清潔さ)の
実行の上に創造するのがV
(価値)
。
お客様の「満足」につながるものす
べ てが バリュー と考 え 、徹 底 し た
QSCの実践を心掛けています。
Service
サービス
「マクドナルドに行けば何か楽しいこと
がある」と感じていただけるようなお店
づくりに取り組んでいます。
Cleanliness
清潔さ
店舗・厨房の清潔さの徹底はもとより、
マニュアルの業務項目や厨房機器の設
計にまで活かされ、
実践されています。
McDonald s CSR Report 2011
17
カスタマー
店舗からみるフードセーフティ
食に携わる企業としてマクドナルドに関わるすべての従業員は、
フードセーフティ
(=食の安全)
を
お客様に最高のおいしさと品質の商品を提供できることを誇りとしています。
最優先とし、
フードセーフティの基本
フードセーフティを最優先するために
マクドナルドが世界で積み上げてきた豊かな経
マクドナルドでは、食の安全を最優先するため
験に基づく
「マクドナルドグローバル基準」に、
日
に、
フードセーフティにおける確認プロセスを設
本国内の法律やガイドライン、
科学的知見や社会
けています。本社・関係本部は営業に必要な原材
的環境からつくられた「日本マクドナルドローカ
料、機器、
プロモーションを 提供 する立場。店
ル基準」を併せ、
運用しています。
この厳しい基準
舗・営業はそれを 実行 する立場。品質管理統
のもと、品質・衛生管理を徹底するための食品管
括部は製品やルールが基準に適合するかモニタ
理システムの整備に努めています。
リングし、現場で正しく実行されていることを 検
証 する立場。それぞれの役割と責任を実行し、
▶食品管理システムの基準
確認しあうマネジメントシステムを構築して、食
の安全の維持、向上に努めています。
より高度な衛生管理を目指して
日本マクドナルド
ローカル基準
科学的な知見、
社会的環境などからの
品質・安全に関わる自主基準
マクドナルドの衛生管理は、HACCP(危害分析
重 要 管 理 点 )、G M P( 製 造・品 質 管 理 規 範 )、
SSOP(衛生標準作業手順)
をもとに組み立てら
れています。衛生管理の確認にはフードセーフ
ティチェックリストを使って記録・保管を行い、使
日本国内の関連法規
用する機器・設備のメンテナンスをプランドメン
食品衛生法、
日本農林規格
(JAS)
、
公正競争規約、
健康増進法など
テナンスカレンダーを用いて計画的に行ってい
ます。
これにマニュアルに則した正しいオペレー
+
ションの実施を合わせることでフードセーフティ
を確保します。
マクドナルド
グローバル基準
製品、原材料、オペレーション、設備など
製品仕様書やマニュアルに記載
フードセーフティチェックリスト
(2011年4月〜6月版)
18
M cDonald s CSR R e p o r t 2 0 1 1
設備・機器は常に適切な状態で使用
社員・クルーに対する教育
フードセーフティの徹底
店舗では、手洗いや健康チェック、食材の管理
正確なオペレーションの実行に加え、衛生検査
や調理、設備や機器のオペレーションを正確に
やモニタリングも実施し、店舗でのフードセーフ
実行することが求められます。
こうしたオペレー
ティ徹底に努めています。さらに、
フードセーフ
ションを確実にするため、海外のマクドナルドと
ティにおいて最も重要なのは、実行する一人ひと
協 力した各種のトレーニングプログラムを社
りの知識と理解です。食品管理システムとお客様
員・クルーの教育に活用しています。
とりわけ、
に安全な商品を提供するという高い意識、
この2
食品衛生やオペレーションについては、
その目的
つがそろって初めてフードセーフティを高いレベ
と理由を理解しながらトレーニングしているた
ルで維持することができます。マクドナルドのす
め、
実行の確実性と精度が向上します。
べての社員・クルーは、安全でおいしい商品を届
けたいという気持ちを持ってお客様をお迎えし
ています。
食に関する情報の発信
マクドナルドでは、公式サイト
(パソコン・モバイル)
で食に関してお客様が必要な情報、お知りになりた
トレーニングの様子
い情報の提供に努めています。
●商品のアレルギー情報やエネルギー・栄養成分に関する情報
アレルギー情報は、食品衛生法で表示が義務付けられている7品目と、表示が推奨されている18品目を対象にしていま
す。商品のパッケージにあるQRコード※1を携帯電話※2からご利用になると、
「いつでも、
どこでも、誰でも」簡単にご覧い
ただけます。
また、バランスのよい食生活にお役立ていただけるよう、1日に必要な栄養のうち、
マクドナルドの商品でどれ
だけ補えるか(充足率)
を性別や年齢別にチェックできる「栄養バランスチェック」機能も提供しています。
●主要な原材料7種類の原産地情報
牛肉、
豚肉、
鶏肉、
鶏卵、
えび、
じゃがいも、
魚の7種について
「外食における原産地表示に関するガイドライン
(農林水産省)
」
に準じてご紹介しています。
パッケージに印刷されたQRコード
※1 QRコードは(株)
デンソーウェーブの登録商標です
栄養バランスチェック
※2 QRコード対応の携帯電話でご利用いただけます
原材料の原産地情報
※サイト画像はイメージです
McDonald s CSR Report 2011
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カスタマー
店舗の展開
お客様のお気に入りの食事の場とスタイルであり続けるために、
常に先行してお客様のニーズを反映した店舗の展開に努めています。
ゴールドスタンダード店舗化の推進
マクドナルドは、
クイックサービスレストランとし
て、最高の店舗体験を提供することにより、お客
様のお気に入りの食事の場となるように、お客
様一人ひとりのニーズやライフスタイルの変化
に合わせたサービスや店舗空間の提供に取り組
んでいます。
それが、マクドナルドのグローバル基準に合わ
せた「ゴールドスタンダード」と呼ばれる大型ド
ライブスルー店舗です。世界中のマクドナルドで
ゴールドスタンダード店舗外観
培った店舗と設備のノウハウを活かし、
お客様に
とって居心地が良く、ニーズに即したサービスを
提供できるゴールドスタンダード店舗を、郊外を
中心に拡充しています。
●ドライブスルー
ドライブスルーでご注文されるお客様に、より
スピーディーにご利用いただくために、注文する
場所を2カ所に増やし、さらに会計する場所と、
商品をお渡しする場所を分割したシステムを導
入しました。
今後もドライブスルーを中心とした新店開発を
ドライブスルー全体
継続的に強化していきます。
分割された会計口と商品お渡し口
20
M cDonald s CSR R e p o r t 2 0 1 1
並列型の2カ所のご注文口
縦列型の2カ所のご注文口
お客様に心地よい空間を提供するために
●カウンターと厨房
●客席
ご注文を受けてからスムーズに商品を提供する
お客様のお気に入りの場としての空間づくりを
ために、
カウンタースペースを充分に確保した設
目指して、車椅子やベビーカーの利用にも配慮
計を採用しています。厨房では、
どのような状況
し、余裕を持った客席のレイアウトや、素材、色調
でも常にクイックサービスで商品を提供できるよ
を含めた内装設計を行っています。
う、充分な生産能力のある機器・設備を導入して
います。
カウンター
厨房
客席
新世代デザイン店舗の展開
2010年4月より都心を中心に展開している新世
2011年は都心型新世代デザイン店舗として六
代デザイン店舗は、
「心地よく洗練された空間の
本木ヒルズ店、
また関西初の新世代デザイン店
提供」をコンセプトに開発された店舗形態です。
舗として関西国際空港店がオープンしました。
六本木ヒルズ店
デザートカウンター
関西国際空港店
McDonald s CSR Report 2011
21
カスタマー
商品の展開
おなじみの味「レギュラーメニュー」
と新しい驚きを体験していただける新商品。
そして楽しさのあるさまざまな企画と、
より便利なサービスを提供します。
マクドナルドならではのメニュー戦略
お客様にメニューを提供する際に常に心がけて
ものと考えています。
「チキン」に つ いては 、
いるのは、
「おいしいメニュー」とともに「最高の
「 チ キンとい え ば マクドナ ルド 」を 目 指し 、
店舗体験」を提供することです。マクドナルドが、
「iCon'Chicken」シリーズを継続して発売しま
レギュラーメニューのほか、期間限定で多彩なメ
した。
ニューを提供しているのも、お客様に常に「うれ
また、1971年の創業時よりお客様にご愛顧い
しい驚き」を提供したいという思いからです。
ただいている「ビッグマック」を創業価格200円
2011年はマクドナルドらしい「ビーフ」や「チキ
で販売するなど、創業40周年を記念した「1971
ン」を素材としたメニューを提供してきました。
キャンペーン」も展開しました。
「ビーフ」では、2010年にご好評いただいた
定番の人気メニューでは、期間限定で2年ぶりに
「Big America」を引き続きシリーズ化して展開
「グラコロ」シリーズが復活したほか、前年に引
しました。ハンバーガーの原点に立ち返り、
ビー
き続き「チキンタツタ」も登場しました。
フのおいしさをお客様に楽しんでいただけた
▶2011年に販売した主な商品の一覧
テキサス2バーガー
アイダホバーガー
マイアミバーガー
マンハッタンバーガー
イタリアンハーブ
カリフォルニアコブ
アイコンチキンスナック
New
定番の
人気メニュー
チキンタツタ
ビッグマックを創業価格200円で販売
22
M cDonald s CSR R e p o r t 2 0 1 1
チーズ グラコロ
グラコロ
チキンタツタ和風おろし
トマトクリーム グラコロ
お客様視点のマーケティング
おいしいメニューを提供するだけでなく、
ご利用い
Place to go)と便利さ
(Super Convenience)
ただくさまざまなお客様の立場にたって、
真心のこ
を提供したいという思いからさまざまな企画や
もったサービスを実践し、お客様に楽しさ(Fun
サービスの展開を行っています。
go
Fun place to
オリジナルグッズのプレゼント
メニューに付加価値をつけることで、
お客様により楽しんでいただ
けるよう、2008年よりバリューセットのLLセットご購入で、
マクドナ
ルド限定コークグラスを期間限定でプレゼントしています。
2011年は従来のイメージを一新した「コカ・コーラ缶」のデザイン
で、
お客様から大変ご好評いただきました。
ハッピーセット
マックでDS
「ハッピーセット」はフードメニューとドリンクにマクドナルドオ
リジナルのおもちゃがセットになった子どもたちに大人気のメ
ニューです。
おもちゃは2〜4週ごとに展開され、食べる楽しさ
だけでなく、おもちゃを通じてご家族やお友達とのコミュニ
ケーションにも一役買っています。
また、子どもたちが手にするおもちゃは、食品の厳しい品質管
理と同様に、
グローバルの
安全管理基準を独自に設
けています。
「夢」を応援するプロジェクト
マクドナルド店 舗 内で、ニンテンドー
DS ®をお持ちのお客様に、市販ソフトの
体験版やキャラクター、マクドナルドオリ
ジナルゲームの配信などを行っていま
す。
また、
ゲームに連動したクーポンも配
信しています。
2010年に引き続き、
スポーツを楽しむ
子どもたちの夢を応援する活動の一環
として、野球を通じて日本に元気と夢を
お届けする『ビッグな夢を見よう。』プロ
ジェクトを立ち上げ、読売巨人軍の試合
に連動したキャンペーンを展開しまし
た。
期間限定でオープンした
「ハッピープラレール店」
©TOMY「プラレール」は株式会社タカラトミーの登録商標です。
ience
Super conven
BBモバイルポイント
24時間営業
外出先でもインターネットを
気軽にご利用い ただけるよ
う、店内にソフトバンクテレコ
ムが提供する公衆無線LAN
「BBモバイルポイント」を設
置しています。
ライフスタイルの多様
化に合わせ、24時間
営 業 店 舗を拡 大して
います。
多様な会計ツール
電 子マネーの 決 算サービスとして、
「i D 」、
「E d y 」、
「WAON」を導入。
また、マクドナルドの商品券「マック
カード」も販売しています。
ケータイ会員サービス
携帯電話やスマートフォンでクーポンがご利用いただける「マクドナ
ルド会員アプリ」を積極的に提供しています。現在、2,800万人以上
のお客様にご登録いただいており、定期的に最新クーポンやキャン
ペーン情報をお届けしています。
(2011年12月31日現在)
McDonald s CSR Report 2011
23
ピープル
マクドナルドの成長は、
16万人の「人」に支えられています。
そのため、
働く人の成長へ投資を続けています。
人材育成の強化に加え、
差別のない雇用、
ダイバーシティ推進、
残業のない企業文化に取り組んでいます。
24
McDonald s CSR R e p o r t 2 0 1 1
人材育成
ピープル
「グローバルで活躍できるビジネスパーソンを、
日本で一番多く育てる
エクセレントカンパニーを目指す」
という理念の実現に取り組んでいます。
人材育成に対する考え方
Step 1
SOC Guide
マクドナルドは「グローバルで活躍できるビジネ
(覚える)
スパーソンを、
日本で一番多く育てるエクセレン
トカンパニーを目指す」
という人材育成の理念の
もと、社員やクルーへの積極的な投資を行い、
「人」の成長を強力にサポートしています。企業
の成長を支えるのは「人」であり、一人ひとりの
Step 3
eSMARTに
よる教育
Step 2
Self Check
Self Study
(テスト)
(練習する)
成長が企業の成長へとつながるという考えから、
マクドナルドビジネスはピープルビジネスである
ととらえています。
「ハンバーガー大学」➡P.29参照 を中心としたマネ
ジメントスキルを学ぶ研修システムと、店舗での
日々のOJT(オン・ザ・ジョブ・トレーニング)
を通
食品管理の教育
して、役割やキャリアプランに応じた成長へ継続
マクドナルドでは、食に携わる企業の責務とし
的に取り組める環境を構築しています。
て、食品管理の教育に力を入れて取り組んでい
ます。食品管理に携わる専門スタッフが、店舗訪
全従業員への一貫した教育
問や講習会の開催を通して、知識や作業手順の
マクドナルドでは、
クルーから店舗社員、
オフィス
確認だけでなく、高い意識を持って行動できる教
スタッフまで、一貫した最適な教育システムを確
育を行っています。
立しています。
クルーとして店舗勤務を開始する
オリエンテーションから、
自身の職務に合わせて
教育システムの展開
常に成長し続けることができます。マクドナルド
地域社会への貢献という観点から、
これまでマク
で働く人は、学生・留学生・主婦など多様な社会
ドナルドが培ってきた教育のノウハウをさまざま
的背景を持っているため、教育ツールにも独自
な組織や機関に提供しています。
の工夫を行っています。
例えば、
「 職場体験学習」では、中学生を店舗に
受け入れ、社会で働くことの大切さや社会の成り
●eSMART を活用した教育
立ちを学ぶ機会を提供しています。
また、
「 東京
クルーが主体的に学べる教育ツールとして、
ニン
都教職員10年経験者研修」では、小・中・高等学
テンドーDS を教材として使った「eSMART」を
校の先生を対象に、チームビルディングをテー
2009年より導入しています。楽しく主体的に、店
マとした研修を実施しています。
®
舗オペレーションや接客方法を学ぶことができ
るため、
トレーニング時間の短縮や習熟度の向
上において大きな効果をあげています。
東京都教職員10年経験者
研修受講者数
※1999年から2011年の累計
406名
※
McDonald s CSR Report 2011
25
社員とのリレーション
ピープル
企業の成長を支えるのは、
「人」そのものです。
さまざまな能力を持った社員が
活躍できる体制づくりと、
ワークライフバランスを推進しています。
人事評価制度
社員雇用における考え方
マクドナルドは、
「人」を大切な財産と考えていま
マクドナルドの人事制度PDS(Performance
す。
「お客様の満足度をより向上させる」という
Development System)は、人材育成と評価
ゴールを共有する社員の育成が、企業を成長さ
(処遇)
という2つの側面で、マクドナルドの人材
せます。
育成の根幹を担っています。
「個人が仕事を通じ
採用にあたっては、年齢、学歴、前職などの差別
て成長する」というマクドナルドのピープルビジ
なく、
年間を通じて応募を受け入れており、
クルー
ネスの理念に基づいたユニークで効果的な制
経験者や高卒者などの社員採用も、積極的に
度です。
行っています。
▶PDSの目的
ダイバーシティの推進
より高いパフォーマンスの組織をつくるために
は、人種や性別、年齢などの違いを尊重し、
さま
ざまな能力を持った社員が活躍できる体制をつ
くることが重要です。
特に、女性社員の活性化は、企業競争力の向上
において最も重要な機会と位置づけています。
女性社員のリーダーシップ強化を目指して構築
されたJWLN(ジャパン・ウイメンズ・リーダーシッ
1
個人の業績目標を会社戦略に連動した内容に
する
2
目標の達成レベルと行動レベルを明確にし、
こ
れに基づいた評価を実施する
3
個々の能力開発と継続的な業績目標の達成を
実現する
4
昇進可能な社員を見極めるプロセスを提供する
5
中長期的な個人のキャリアプランを明確にする
プ・ネットワーク)は、2008年発足以来、
「女性活
用と言えばマクドナルド」を目標に、
フォーラム開
催などさまざまな活動に取り組んでいます。
オペレーション・コンサルタント/
マネージャー以上の女性比率
店長の女性比率
17.0%
10.5%
▶男女別社員数(直営店)
(人)
5,151
806
936
15.8
3,682
3,241
4,215
3,492
2,875
2,507
2007
2008
2009
2010
2011
71%
58%
46%
40%
38%
M cDonald s CSR R e p o r t 2 0 1 1
女性店長
17.0
12.9
12.0
13.4
13.5
2010
2011
12.3
10.5
734
4,335
▶直営店100店舗あたりの
障がい者雇用数
(人)
4,369
807
26
(%)
■男性
877
直営店舗数の比率
▶女性管理職比率(直営店)
■女性
5,141
(2011年実績)
6.1
2009
6.9
2010
オペレーション・コンサルタント/
マネージャー以上
2011
9.9
2007
2008
2009
海外研修制度
海外研修制度「RM50プログラム」は、
「Think
募によって選抜された人材が、
国内研修を経てカ
Global, Act Local」を体現できるグローバルな
ナダなどに3〜6カ月間派遣され、
現地にて、
店舗
人材の育成を目指して、
より多くの店長やアシス
マネージャーやエリアマネージャーとともに勤務
タントマネージャーにキャリア開発の機会を提供
します。帰国後は海外での学びを毎日の店舗運
することが目的です。
営に活かし、
能力アップにつなげています。
2009年にスタートしたこのプログラムでは、公
▶RM50プログラムの概要
Step1
Step2
選
考
Step3
国内研修
期
公募により優秀な
人材を選考
アフターコース
期 間:3〜6カ月
研修先:カナダなど
間:1〜3カ月
①ハンバーガー大学コース
②店舗実習
③英語コミュニケーション
④研修ゴールの設定
Step4
海外研修
期
①研修報告
②自店舗での目標設定
③研修効果測定
①店舗勤務
(マネージャー業務)
②店舗コンサルティング業務
③エリア会議、
イベント参加
ワークライフバランス
間:3〜6カ月
従業員満足度調査
より質の高い仕事をするためには、社員一人ひ
マクドナルドでは、毎年、
フランチャイズ企業も含
とりの仕事と生活のバランスが重要です。マクド
めた全クルーと社員を対象に、従業員満足度調
ナルドでは出産・育児休暇や、介護勤務をはじめ
査を実施しています。人材育成の強化、残業時間
各種制度を整え、
ワークライフバランスの充実を
の削減、海外研修制度や福利厚生制度など、
さま
サポートしています。
ざまな人事施策を充実させた結果、従業員満足
また、
「残業のない企業文化」という目標を掲げ、
度スコアは上昇しています。
積極的な残業時間削減の活動を進めています。
出産・育児休暇利用者数
79名
育児短時間勤務利用者数
79名
▶従業員満足度調査の結果
日本マクドナルド
(株)全社員
月間残業時間
(満足度)
100
平均5.0時間
89
(2011年実績)
▶ワークライフバランスをサポートする充実した
福利厚生プログラム
レジャー
ファイナンシャル
サポート
ファミリー
サポート
メディカル
サポート
特別有給
休暇制度
住宅
サポート
コミュニケーション
チーム
ビルディング
自己啓発
■店舗社員
92
92
93
■クルー
92
86
75
50
2009
2010
2011
McDonald s CSR Report 2011
27
クルーとのリレーション
ピープル
学生だけでなく、異なる文化・習慣を持つ留学生や主婦など、
多様な社会的背景の
クルーたちにとって、学びや自己実現ができる職場を目指しています。
「多様な働き方」の実現
クルーが活用できるコミュニケーションツール
多様な社会的背景を持つ16万人のクルーが働
会社戦略としての取り組みや戦略をクルーの目
くマクドナルドでは、それぞれのライフスタイル
線でわかりやすく伝えることで、
よりマクドナル
に合った多様な働き方を支援しています。柔軟な
ドブランドを好きになってもらうための情報配
シフト制度に加え、初めてビジネスを体験する学
信や、仕事への理解促進を図っています。冊子
生から留学生・主婦などの一人ひとりに合わせ
とクルー専用WEBサイトの2つの媒体を使い、
て成長を実現できる教育が、最大の強みです。
それぞれの特性に合わせた効果的なコミュニ
ケーションを実施しています。
▶クルー在籍数(直営店・フランチャイズ店)
(人)
151,142
2007
165,148
169,963
162,167
161,066
2008
2009
2010
2011
▶クルー男女比率
■男性
■女性
▶クルー年代構成比
■10代
■40代
■20代
■50代
3%
■30代
■60代〜
WEB Smile
携帯でもアクセスが
可能な専用WEBサイ
ト。タイムリーな情
報配信に加え、全
国 のクル ー 同 士
での意見交換や
他店舗の事例
などを確認で
きます。
クルー・店舗
●店舗の取り組み
●クルーの声
●お客様の声
2%
マクドナルド
本社
●商品の最新情報
●各種イベント情報
●CSR に関する情報
●お客様の声 など
10%
37%
63%
36%
11%
Smile
クルー向けの社内誌。商品の特性
や戦略の背景を詳細に説明するこ
とで、深い理解を促し、
より良い店
舗体験の提供につなげています。
38%
(2011年実績)
クルーの自己実現を応援
クルー一人ひとりが目標を持ち、
マクドナルドで働くことを誇りに思えるように、
クルーの可能性を引き出す自己実現の場を
提供しています。
28
●AJCC(All Japan Crew Contest)
●VoM(Voice of McDonald s)
お客様へのサービスや調理オペ
世 界 中 のマクドナルドが
レーションのみならず行動や能
参加する、
クルーのための
力を含めて競い、日本一のク
歌のコンテスト。このコン
ルーを決定する全国大会を毎年
テストをきっかけに、歌手
開催。
クルーのモチベーション
としてデビューした方もい
の向上に大きく役立っています。 AJCC受賞者
ます。
M cDonald s CSR R e p o r t 2 0 1 1
VoM参加者
ピープル
ハンバーガー大学
日本一の教育機関として、幅広く教育・研修のカリキュラムを実施しています。
店舗でのOJTとハンバーガー大学を中心とした研修の両輪で、
ステップアップを図っています。
ハンバーガー大学で学べること
ハンバーガー大学とは
「ハンバーガー大学」は、マネジメントスキルを
ハンバーガー大学では、
マクドナルドの基本理念
学ぶ独自の人材教育機関です。米国マクドナル
であるQSC&V(Quality:品質、Service:サービ
ドが1961年に創立し、
コーポレートユニバーシ
ス、Cleanliness:清潔さ、Value:価値)の実現
ティの先駆けとされています。日本では、1971
のために、マネジメントスキルを学びます。その
年に国内1号店のオープンに備え、その1カ月
過程で、ビジネスマナー、コミュニケーション能
前に開校しました。当時より「人材教育の充実」
力、職業人意識という社会人としての基礎力も
を重視し、人材教育を実施してきました。
身につけることができます。
学習方法は「Pride, Fun, Learn(誇りを持って
楽しく学ぶ)」を理念として、受講者の主体性を
受講者数
7,994名
重んじています。
ワークショップを中心とした受
講者同士で学び合うクラスを糧として、店舗で
(2011年実績)
しっかりと実践し、お客様の満足度を向上させ
ることがトレーニングのゴールです。
▶ハンバーガー大学を通じた人材育成の仕組み
ハンバーガー大学での研修
クルー
ディストリクトマネージャー
︵DM︶
ディレクターオブオペレーション︵DO︶
オペレーション・コンサルタント
︵OC︶
ビジネス・コンサルタント
︵BC︶
を受けます。その後、研修
店長
︵ストアマネージャー︶
ファーストアシスタントマネージャー
セカンドアシスタントマネージャー
マネージャートレーニー
スウィングマネージャー
ザ・ジョブ・トレーニング)
クルートレーナー
クルー
店舗に勤務する新入社員
は、
まず店舗でOJT(オン・
正社員
とOJTを交互に繰り返しな
がらスキルアップを図って
いきます。
店舗でのOJT
McDonald s CSR Report 2011
29
コミュニティ
マクドナルドは多くの人に支えられている企業であり、
社会に対して
さまざまな貢献をする責任があります。
明るい未来へつながる社会を目指して、
子どもたちの健全な成長を応援する社会貢献活動を中心に取り組んでいます。
30
M cDonald s CSR R e p o r t 2 0 1 1
コミュニティ
社会貢献の考え方
多くの人に支えられている企業として、
社会貢献活動 ― 特に未来の社会を担う
子どもたちの 食・からだ・こころ の健全な成長を目指した取り組みに力を入れています。
社会貢献の考え方と主な領域
マクドナルドの社会貢献活動は、創始者である
ドは、教育支援、チャリティー、
スポーツ支援、エ
レイ・A・クロックの「私たちをいつも支えてくだ
コロジーの4つの分野を軸にした活動を展開し
さっている地域の皆様へお返しをする義務があ
ています。
る」という言葉を原点にしています。マクドナル
4つの分野
教育支援(食育支援)
子どもたちに、バランスよく食を選べるようになってほ
しいから。マクドナルドは、専門機関や学校と連携しな
がら、食育支援活動を推進しています。
チャリティー
お店に来られない子どもたちにもハッピーを。病気と
闘う子どもたちとその家族のための滞在施設「ドナル
ド・マクドナルド・ハウス」を支援しています。
スポーツ支援
勝っても負けてもいつだって全力投球。
そんな子どもた
ちの夢や情熱を応援するために、
マクドナルドはさまざ
まなスポーツ支援活動を行っています。
エコロジー
ずっと遠い未来にも、 おいしい を届けたいから。
マク
ドナルドは、
できることから、地球環境保全活動を続け
ています。 ➡P.36参照
McDonald s CSR Report 2011
31
コミュニティ
教育支援(食育支援)
マクドナルドは、年間延べ15億人以上のお客様に食を提供する企業の責務として、
食育支援活動に積極的に取り組んでいます。
小・中学校を対象とした食育支援
ル指導案を無料で提供しています。
バランスの取れた食事や規則正しい生活習慣
子どもたちにとって身近で大切な6つのテーマを
は、成長期にある子どもたちにとって、健全な心
選び、
0〜5時間の時間割で構成。
食生活に欠か
身を育むうえでとても重要なことです。
せないポイントをわかりやすく解説しています。
マクドナルドでは、子どもたちが楽しく食べる喜
びを知り、食に関する正しい知識と習慣を身に
付けてほしいと願い、
まずは義務教育機関であり
WEB教材「食育の時間」
http://www.chantotaberu.jp/
機会均等の場である、
小・中学校の食育支援を教
育支援の一環とし、
継続的に取り組んでいます。
●小・中学生のための食育「食育の時間」
小・中学生にバランスの良い食生活の重要性や
食事を楽しむことの大切さを知ってもらうことを
WEB教材「食育の時間」
目的に、
WEB教材「食育の時間」を開発し、
2005
年からインターネット上で配信しています。
教育機関に無料提供している
DVD付きモデル指導案「食育の時間」
また、2007年より外部機関と連携し、
「食育授業
支援事務局」を設置。全国の先生方の授業づくり
▶「食育の時間」に関する実績(2011年)
のさまざまなサポートをしています。
その一環とし
て、食育の授業を実施する全国の教職員に対し、
教具の貸し出しや、
「食育の時間」DVD付きモデ
「食育の時間」が活用された
授業実施回数
651回
▶小・中学校のための食育支援体制
学校
マクドナルド
●授業内容の決定・
実施・ご意見
●「食育の時間」企画・運営
●「食育の時間」DVD付き
モデル指導案制作
●食育授業支援事務局設置
8万3,260名
●教育関係者からの授業相談、
授業実施サポート
●授業教具の貸出し など
32
M cDonald s CSR R e p o r t 2 0 1 1
1万6,400名
2007〜2011年延べ数
食育授業支援事務局
●「食育の時間」DVD付きモデル指導案の提供
「食育の時間」の授業を受講した
児童・生徒数
「食育の時間」を活用した授業の様子
親子を対象とした食育支援
●DSマックアドベンチャー
ニンテンドーDS®を活用した食育コンテンツ「DS
マック アドベンチャー」を全国の店舗で夏休みを
中心に期間限定配信しました。
「DSマック アドベンチャー」は、
食の安全に関する
クイズや、チーズバーガーづくりのゲームを通じ
て、
「食」を学んでいただけるマクドナルドのオリジ
ナルコンテンツです。気軽に楽
しく学ぶことで、親子で一緒に
「食」について考えるきっかけに
なればと願い、
開発しました。
ハンバーガーづくり体験
DSマック アドベンチャー
●親子参加型食育イベントの開催
「食」を通じた親子のふれあいとコミュニケー
ションの機会にしていただきたいと考え、食育イ
ベントを開催しました。食べ物の栄養やバランス
良く食べることの大切さを、
ドナルドと一緒に楽
しく考えたり、食の安全に欠かせない手洗いの
重要性やマクドナルドで実践している手洗い方
法を学ぶプログラムを実施。
また、お子様には、
ドナルドの食育教室
職場体験学習
本物のキッチンでのハンバーガーづくりも体験
マクドナルドでは、中学校生徒を対象とした職場
いただきました。参加された保護者の方々から
体験プログラム「マック・ディスカバリー」を全国
は、わかりやすくためになる内容で、良い思い出
のおよそ6割にあたる店舗で実施しています。地
づくりにもなったとご好評をいただきました。
域にあるマクドナルドの店舗で働くことを通し
▶親子参加型食育イベントの実績(2011年)
キッズ応援プロジェクト
●父の日イベント
〜ハンバーガーをつくってお父さんへ贈ろう〜
●夏休みイベント
〜「DSマック アドベンチャー」親子体験イベント〜
●勤労感謝の日イベント
〜お父さんお母さんへ感謝をこめてハン
バーガーをつくろう!〜
※親子そろってご参加いただきやすい時期とテーマに合わせて
実施しました
て、仕事の楽しさや大変
さを経験するほか、
チーム
ワークやコミュニケーショ
ンといった対人能力など
を学べるプログラムとなっ
ています。
マクドナルドオリジナル職場体験教材
「マック・ディスカバリー」
また、文部科学省が推奨する「キャリア・スタート・
ウィーク
(中学校の5日間の職場体験)」にも協力
しています。
McDonald s CSR Report 2011
33
コミュニティ
チャリティー/地域貢献活動
病気と闘う子どもたちとその家族のための滞在施設「ドナルド・マクドナルド・ハウス」への
継続的な支援を中心としたチャリティー活動や、地域と連携した社会貢献活動に取り組んでいます。
チャリティー活動
「ドナルド・マクドナルド・ハウス」への支援を通じて、
●ドナルド・マクドナルド・ハウスとは
病気と闘う子どもとその家族を応援しています。
入院するお子様に付き添うご家族のための滞在
店頭のレジ前に設置した募金箱やトレーマット、
施設「ドナルド・マクドナルド・ハウス」は、現在、世
WEBサイトなどを通じて、お客様へチャリティー
界31カ国に310カ所、
日本国内には、2001年に
への呼びかけを行っています。また、継続的な
国内第1号ハウスとしてオープンした「せたがや
寄付のほか、チャリティーキャンペーンやチャリ
ハウス」のほか、宮城県、高知県、大阪府、栃木
ティーイベントの実施、従業員によるボランティ
県、北海道、東京都に計8カ所あります。
これまで
ア活動や募金、社内教育・研修の一環として行わ
に延べ21,560家族にご利用いただいています。
れるハウスでの体験プロ
「ドナルド・マクドナルド・ハウス」の運営は、お客
グラムなど、
多岐にわたる
様からの店頭での募金のほか、賛同してくださる
サポート活動に取り組ん
企業やサポーターなど、多くの皆様のご厚意に
でいます。
より支えられています。
2011年12月、国
内8カ所目となる
「 東 大 ハウス」が
東京大学医学部
附属病院(東京都
文京区)敷地内に
オープン
▶ドナルド・マクドナルド・ハウスへの主な寄付
●店舗の募金箱にお寄せいただいた募金
●マクドナルドからの寄付
●チャリティーキャンペーンやイベントなどでの募金
●クルー、社員、オーナー・オペレーターからの寄付
2011年募金総額
1億5,709万9,310円
地域連携の社会貢献
マクドナルドでは、創業以来、地域社会の一員と
の子育て支援事業にも協力し、
「買い物優待サー
して、
さまざまな社会貢献活動を行っています。
ド
ビス」の加盟店となり割引サービスなどを実施し
ナルドと一緒に食育や日常生活に必要なルール
ています。
やマナーを楽しく学べるプログラム「ハロードナ
ルド!」を実施しています。
また、県警・教育委員
会と連携した新入学児童への防犯笛の提供や、
子どもが街頭で犯罪に巻き込まれそうになった
ときなどに駆け込むことのできる場所として、
「こ
ども110番」への参加も行っています。そのほ
か、地域美化活動への積極的な参加や、自治体
34
M cDonald s CSR R e p o r t 2 0 1 1
2011年は全国の新入学児童
のおよそ73%を対象に、約80
万個の防犯笛を配布しました。
今後も拡大を図っていきます。
行政や市民団体主催の清
掃活動に参加し、地域の
美化活動に貢献していま
す。
コミュニティ
スポーツ支援
子どもたちの夢や希望、情熱を応援するために、
マクドナルドでは
さまざまなスポーツ支援を実施しています。
スポーツ支援
地域に密着した「グラスルーツ(草の根活動)」、
ピックなどの「グローバル」を対象とし、包括的な
野球やサッカーなどの「プロスポーツ」、オリン
スポーツ支援活動に取り組んでいます。
●グラスルーツ(草の根活動)
学童軟式野球大会や全日本少年サッカー大会、
ジュニアゴルフなど、
スポーツを楽しむ子どもたちをサポートし
ています。
高円宮賜杯全日本学童軟式野球大会 マクドナルド・トーナメント
「小学生の甲子園」とも呼ばれ、全国から約15,000のチームが参加する小学生の野球
大会です。マクドナルドは1986年より、地方予選大会から全国大会まで、大会を大きく
サポートしています。
●プロスポーツ
子どもたちの夢や希望を応援する活動の一環として、
プロ野球や Jリーグなど、
プロスポーツへのサポートを行
っています。
Jリーグサポート
「WOW F.C.」
プロジェクト
2011年、Jリーグとオフィシャルスポンサー契約を締結。選手へのサポートだけでなく、応援する人も一体となって
楽しめるマクドナルドならではの一大プロジェクト
「WOW F.C.
(フットボールクラブ)
」。
今後もサッカー界の発展に
つながる活動を展開していきます。
日本全国のサポーターと一緒に、
Jリーグを盛り上げました。
❶WOWプレーヤーズアワード
J1リーグ戦の全試合を対象に、決
勝ゴールを決めた選手を表彰。さ
らに月間、年間でのベストプレー
ヤーも表彰。
❷ビッグマックWOWスタジアム
J1リーグ戦で毎節、全9スタジアム
の観戦者全員に「ビッグマッククー
ポン」を進呈。
❸JチケットWOWチャレンジ
マクドナルド店舗にて、J1・J2リー
グ戦全試合の観戦ペアチケットが、
抽選で当たるキャンペーンを実施。
❹JサポーターWOWパーティー
マクドナルド店舗にて、全38クラブ
の Jリーグ選手とサポーターの方々
が交流できるイベントを開催。
JサポーターWOWパーティー
(FC東京)
JサポーターWOWパーティー
(鹿島)
●グローバル
オフィシャルパートナーとして世界レベルでのサポートを行っています。
FIFAワールドカップ™
FIFA ワールドカップ™の
オフィシャルパートナー
として、2002年日韓大
会から「エスコートキッ
ズ」を主催しています。
オリンピック
世界中の人々に夢と感動を与えるスポーツ
の祭典を、
モントリオール大会が開催された
1976年から、
オフィシャルスポンサーとして
サポートしています。1997年以降はワールドワイドスポンサーとし
て、
さらにサポートを強化。
今後も継続してサポートしていきます。
McDonald s CSR Report 2011
35
エコロジー
いつまでもおいしく楽しくハンバーガーを味わっていただくために、
エネルギーや廃棄物管理、
環境負荷削減など、
未来の地球環境を守るさまざまな取り組みを推進しています。
36
McDonald s CSR R e p o r t 2 0 1 1
環境との関わり
エコロジー
地球のことを考えて行動する アースコンシャス の考え方を、
原材料の調達から店舗運営まで取り入れています。
アースコンシャス
(Earth Conscious)
−環境に対する考え方
なく、世界中のマクドナルドが参加するグローバ
ルな活動であり、サプライヤーやフランチャイ
マクドナルドはレストランビジネスを展開するう
ジーなども含めたマクドナルドファミリーとして
えで、
さまざまな環境局面と関わりを持っていま
幅広く実施するものです。
す。環境問題は、廃棄物の増加、地球温暖化、生
環境問題はさまざまな広がりを持っていますが、
物多様性の保全など多岐にわたるため、原材料
原材料調達の分散化や地球温暖化に対して、
グ
の調達から加工、物流、店舗運営まで事業がどの
ローバルに展開するマクドナルドファミリーがひ
ように環境にインパクトを与えるのか、広い視野
とつの信念のもとに取り組むことにより、大きな
に立って考える必要があります。
成果が期待できます。
マクドナルドではこの問題に取り組むために、
アースコンシャスの考え方のもとにあるもの、そ
「地球のことを考えて行動する」という アースコ
れは「10年先も、
100年先もおいしい商品をお届
ンシャス の考え方を基本にして、環境活動を進
けしたい」
という思いにほかなりません。
常にこの
めています。
この活動は日本マクドナルドだけで
思いを持ち、
幅広い環境活動を行っていきます。
▶2011年環境バランスシート
INPUT
オフィス
電気
配 送
店 舗
物流 60,223千トンキロ
75万kWh
照明/空調/OA機器
物流燃料
電気
761百万kWh
ガス
3,817万㎥
水道
632.3万㎥
資材
657.6万t
調理設備/冷凍・冷蔵設備/
照明・看板/空調
OUTPUT
CO2排出量
廃棄物
125.4千t
電気
30.5万t-CO2
ガス
9.4万t-CO2
リサイクル
燃料
1.6万t-CO2
排水
24.6千t
569万㎥
McDonald s CSR Report 2011
37
エコロジー
省エネルギーへの取り組み
店舗を中心に、取引先や従業員、
また自治体などの協力のもと、
地球温暖化の防止に向けた取り組みを継続的に行っています。
省エネルギーへの取り組み
お客様と従業員への節電啓発活動
2011年は、東日本大震災の影響による電力不
東日本大震災の影響による2011年夏季の全国
足に対応するため、店舗・本社だけでなく取引先
的な電力不足予想に対する節電対策の一環と
や従業員も一丸となって消費電力削減に取り組
して、お客様への節電啓発活動にも取り組みま
みました。継続的に行っているエネルギー管理
した。マクドナルドの節電アクションをわかりや
や機器メンテナンスを徹底するとともに、照明の
すいイラストでご紹介するとともに、節電に対す
消灯、空調の温度管理、LED照明の導入を行い
る意識を高めていただこうと、節電デザインのト
ました。特に、東京電力・東北電力管内の店舗で
レーマットを全国の店舗で使用しました。東京
は、
15%以上の電力削減を目標に実施しました。
電力・東北電力および関西電力管内の店舗で
は、節電デザインのポスターを掲示し、主な節電
LED照明の導入
マクドナルドではLED照明の導入を進めていま
内容のご紹介と節電へのご理解・ご協力をお願
いしました。
す。東日本大震災による既存店への対策も含
め、全国で643店舗に拡大しました。1店舗あた
りの照明電力使用量で約44.5%の削減となっ
ています。
節電デザインのトレーマット
節電デザインのポスター
また、全国のマクドナルドで働く16万人のクルー
(および店舗マネージャー)への節電啓発として、
「節電キャンペーン」を実施しました。家庭内で
LED照明を導入している店舗
の節電意識を高めることを目的に特設サイトを
立ち上げ、節電アクションチェックシートなどを
大阪府とのCO2削減実証事業
盛り込んで、正しく効果的な節電への取り組み
環境省が進める「平成21年度チャレンジ25地域
を推奨しました。
より楽しく積極的に取り組める
づくり事業」において、マクドナルドは大阪府の
よう、全国を313のエリアに分け、家庭内での
共同事業者として、CO2排出量の25%削減に向
15%削減の達成率を競う対抗戦施策も併せて
けた実証事業を、2010年より大阪府内4店舗 ※
実施しました。
で開始し、
検証を継続しています。
※梅田茶屋町店、枚方バイ
パス店、
ビオルネ枚方店、
1号線出屋敷店の4店舗
において実施
節電キャンペーン特設サイト トップページ
梅田茶屋町店
(大阪市北区)
38
M cDonald s CSR R e p o r t 2 0 1 1
節電アクションチェックシート
参考:経済産業省節電アクションサイト
省エネルギーの取り組みの実績
東日本大震災の影響により、照明消灯などによ
の 排 出 量 で み ると、標 準 店 舗 1 店 舗 あ たり
る節電対策、エネルギー管理の再確認と徹底、
レジカウ
121.3t-CO2/年で対前年比23.6%減、
LED照明導入などの設備投資を全店舗と本社
ント数あたりでは43,052t-CO2/億レジカウント
オフィスで実施しました。その結果、標準店舗1
であり、
これも対前年比で11.9%減となっていま
店舗あたりの使用量対前年比は電気19.8%
す。
これはエネルギー消費効率が大きく改善さ
減、
ガス22.1%減となり、電気、
ガスともに対前
れたことを示しています。
年比で大幅な削減を実現しました。
これをCO 2
●CO2排出量推移
ガス
53,056
51,079
157.7
25.8
電気
CO2排出量
店舗平均(t-CO2/年)
50,596
149.2
153.1
41.1
46.0
レジカウント原単位
(t-CO2/億カウント)
●水道使用量推移
8.2
50,849
158.8
37.4
37.6
全店舗
(百万㎥/年)
7.8
48,868
155.9
店舗平均
(千㎥/年)
6.8
6.5
6.3
43,052
2.8
2.8
121.3
2.6
28.6
131.9
108.1
107.1
118.5
121.2
92.7
1990
2007
2008
2009
2010
2011
標準店舗1店舗あたりの排出量では121.3t-CO2/年であ
2.2
2.3
2009
2010
1.9
2.2
1990
2007
2008
2011
電気、
ガスの削減対策の実施効果として、機器設備の運
り、記録を取り始めてから最も低い結果となりました。
レ
転効率の向上により、水道の使用量においても削減効果
ジカウント原単位の値においても同様に、
これまでで最
がみられ、全店舗における水道使用量でも対前年比で
も低い43,052t-CO2/億レジカウントとなっています。
3.1%減となりました。
●電気使用量推移
●ガス使用量推移
844.6
855.6
店舗平均
(千kWh/年)
全店舗
(百万kWh/年)
872.3
834.5
57.6
店舗平均
(千㎥/年)
全店舗
(百万㎥/年)
65.2
53.6
42.9
761.3
38.2
348.8
285.8
286.6
289.2
289.0
21.8
231.7
17.8
12.2
270.0
1990
19.5
14.9
9.5
2007
2008
2009
2010
2011
1990
2007
2008
2009
2010
11.6
2011
節電や省エネルギー対策の強力な推進に加え、消費効
GHP(ガスヒートポンプエアコン)
を中心とする空調機の
率の低い小型店舗の閉店、標準店舗の増加により店舗
温度設定の管理強化、厨房機器を中心とするガス機器の
の消費効率が向上し、標準店舗1店舗あたり231.7千
運用管理の徹底により、標準店舗1店舗あたり11.6千
kWh/年で過去最も良い結果となりました。
㎥/年の消費量となりました。
McDonald s CSR Report 2011
39
廃棄物削減への取り組み
エコロジー
廃棄物の発生を抑えること、
廃棄物をリサイクルすること、
双方の取り組みを進めています。
廃棄物削減への取り組み
●食品リサイクル
効率的な資源利用を実施するために、無駄を出
店舗から出る食品廃棄物を資源として再生利用す
さないという発生抑制の考え方に基づき、廃棄
る、
食品リサイクルの検証を進めています。
関東エ
物対策に取り組んでいます。既に店舗システムと
リアの60店舗では、
回収した食品廃棄物を肥料や
して定着した、食品廃棄物発生抑制を可能とし
飼料にリサイクルするとともに、関西エリアの30
たキッチンシステム「メイド・フォー・ユー」やレジ
店舗では、廃棄物のバイオガスへの変換によるリ
袋を廃止した簡易包装などが主な対策です。
サイクルを行っています。
今後は、店舗オペレーションにおける廃棄物発
食品リサイクルには、廃棄物の回収方法やリサイ
生抑制の見直しや意識の向上を図り、行動につ
クル施設の条件など、解決すべき課題はあります
ながる対策を実施していきます。
が、
食品リサイクルの実現に向け、
取り組みを進め
ていきます。
1店舗あたりの平均廃棄物排出量
37.9t/年
食品リサイクル率
47.6%
肥料・飼料化による
リサイクル処理量
706t/年
バイオガス化による
リサイクル処理量
210t/年
(2011年実績)
廃棄物削減への取り組みの実績
●店舗平均廃棄物排出量推移(t/年)
●全店総廃棄物排出量推移(千t/年)
食品廃棄物
紙製廃棄物
プラスチック製廃棄物
ダンボールほか
122.3
122.9
125.0
128.3
49.1
52.6
53.1
53.1
51.6
25.6
23.7
28.1
28.4
28.4
125.4
食品廃棄物
紙製廃棄物
プラスチック製廃棄物
38.9
32.6
32.7
33.6
13.1
14.0
14.3
6.8
6.3
7.6
ダンボールほか
37.9
16.1
15.6
8.6
8.6
1.1
1.1
7.4
6.7
3.5
3.7
3.6
2.0
1.7
0.9
40.2
39.9
40.3
43.1
41.8
10.7
10.7
10.8
13.1
12.6
2007
2008
2009
2010
2011
2007
2008
2009
2010
2011
小型店舗などの計画的閉店もあり、総排出量は対前年比で2.3%削減しました。2011年は微量ながら全体的に減少した
ことが特徴です。食品廃棄物については、標準店舗1店舗あたりで比較すると対前年比3.1%減となっており、発生抑制の
効果がみられます。
●食品廃棄物リサイクル率推移
リサイクル率
(%)
食品リサイクル法に基づく業界目標リサイクル率40%
41.0
42.5
44.1
44.4
47.6
2011年のリサイクル率は47.6%で前年から3.2%増えまし
た。
これはリサイクル量の増加と、廃棄物自体の減少(発生
抑制)
によるものです。
2007
40
2008
2009
M cDonald s CSR R e p o r t 2 0 1 1
2010
2011
エコロジー
自然保護への取り組み
ハンバーガービジネスと地球環境がともに発展していくために、
マクドナルドでは
生物多様性の保全や自然との共生に取り組んでいます。
生物多様性の保全への考え方
▶地球との関わり方概念図
マクドナルドは、
お客様に安全でおいしい商品を
● 自然資源の恵み
お届けするために、世界各地から自然資源の恵
みを受けています。マクドナルドビジネスを継続
的に発展させていくためにも、
グローバルなサプ
ライチェーンの中で、
自然環境に配慮した原材料
を調達し、
適正な管理のもと使用しています。
マクドナルド
共存
地球
生物多様性の保全や啓発に向けて、国際NGOで
ある「コンサベーション・インターナショナル」を
はじめとし、市民団体や政府などとパートナー
シップを組んでいます。
● 適正な管理による原材料調達
● 生態系の保護・保全
● 生物多様性の啓発
コンサベーション・インターナショナルについて
コンサベーション・インターナショナル(CI)は、世界40カ
2011年、CIは日本国内におけるさまざまな保全の取り組
国以上で、約900名のスタッフが生物多様性保全に取り
みに活用してもらえるよう、国際基準からみた重要な国内
組む国際環境NGOです。CIは「科学」、
「パートナーシッ
の自然地域である「KBA(Key Biodiversity Area)」※2を
プ」、
そして「現場での実践」の3つを柱とし、保全活動を展
発表しました。
開しています。CIは将来世代へ豊かな自然を引き継ぐこと
2011年から2020年は国連が定める「生物多様性の10
のできる社会を実現し、人の幸福に貢献します。CIは、創
年」です。
ますます企業や市民の社会的責任が重要にな
立からこれまでの25年で1億ヘクタール以上(日本の国土
るなか、CIはこれからもグローバルな視点で人と自然の
の2倍以上)におよぶ地域を保護してきました。保全活動
共存を目指し、
より大きな規模で保全活動を展開してい
には、
政府や企業、
ほかのNGOや地元住民とのパートナー
きます。
シップが不可欠です。近年では、途上国における森林保全
および森林再生事業を通じた生物多様性の保全とCO2の
削減を達成すると同時に、地元住民に持続的な発展をも
たらすプロジェクトの実施や、政府への政策提言に力を入
れています。
また、生物多様性ホットスポット※1である日本
列島での保全プロジェクトも行っています。
※1 もともとの生物多様性が非常に豊かでありながら、
7割以上がすでに失われ
た危機的地域
※2 http://kba.conservation.or.jp/
コンサベーション・インターナショナル・ジャパン
http://www.conservation.or.jp/
インドネシアで現地の人々に環境教育を実施している様子
フィリピンのルソン島における植林プロジェクト用の育苗施設
© Conservation International photo by Anton Ario
© Conservation International photo by Yoji Natori
McDonald s CSR Report 2011
41
パートナー
フランチャイジーおよびサプライヤーとの適切な関係構築のもと、
一体となってマクドナルドビジネスを展開していきます。
株主の皆様には、
適正な利益還元と積極的な情報発信に努めています。
42
M cDonald s CSR R e p o r t 2 0 1 1
パートナー
サプライヤーリレーション
マクドナルド独自の高い基準をクリアし、
安全でおいしい商品をお客様にお届けするために、
なくてはならない大切なパートナーとして、
サプライヤーとのさまざまな連携を図っています。
サプライヤーとの関係
全管理体制の強化など、重要な内容に関しては、
サプライヤーは、
マクドナルドとともに、基本理念
「グローバル・サプライチェーン・マネジメント・
である「QSC&V(Quality:品質、Service:サー
トレーニング会議」も実施しています。
ビス、Cleanliness:清潔さ、Value:価値)」を共
有し、
すべての原材料の供給を行う重要なパー
トナーです。サプライヤーには、食の安全に関わ
る法律や基準、
マクドナルド独自の厳しい基準を
満たす検査、児童労働および差別の禁止など雇
用に関する項目が記載された「サプライヤー行
動規範」の遵守をお願いしています。
サプライヤーミーティング
サプライヤーとのコミュニケーション
公正な取引
業務上必要となる機密情報などの取り扱いにつ
サプライヤーとの取引においては、法規制を遵
いても、相互に理解・納得できるよう、密接なコ
守し、社会的な公正に反することのない関係の
ミュニケーションを図っています。パートナーとし
構築に努めています。
また、公平性を維持するた
ての信頼関係を構築するため、
サプライヤーミー
め、原材料の調達に関しては、第三者による監査
ティングなどを開催しています。
また、全体の安
を定期的に実施しています。
▶マクドナルドとサプライヤーとの関係
「安全」を追求するために
玩具やグッズなどの製造メーカー
グローバルの安全基準を設定
容器包装製造メーカー
すべての人が使いやすいデザインや、
環境などへの配慮
マクドナルド
原材料加工メーカー/原材料生産者
(
トレーサビリティシステム
産地を特定し、原材料から最終製品までの全
工程を対象に、
生産履歴を追跡するシステム
)
店舗設備や運営に関わる資材の業者
CO2削減など環境面への配慮
M c D o n a l d s C S R R e p o rt 2 0 1 1
43
パートナー
フランチャイジー
居心地の良い店舗空間をつくり、
お客様に商品やサービスを提供するためのパートナーとして、
マクドナルドはフランチャイジーの信頼・協力関係の強化に継続的に取り組んでいます。
▶マクドナルドとフランチャイジーの関係と役割
フランチャイジーへの考え方
マクドナルドとフランチャイジーは、
お客様に「最
ノウハウと環境の提供
高の店舗体験」をしていただくという共通の理
念に向け、それぞれの役割を明確化し、
ビジネス
マクドナルド
を遂行しています。
また、店舗の枠を超えた人材
戦略的投資
交流や、エリア全体、マクドナルド全体を見据え
コンサルテーション
た経営戦略により、
ともにビジネスの成長とマク
イノベーション
ブランド
ドナルドブランドの向上を図っています。
フランチャイジーとのコミュニケーション
商品
ビジネスの要として、
フランチャイジーとの円滑
なコミュニケーションに取り組んでいます。定期
的に開催している「タウンホールミーティング」
は、事業戦略を共有する重要な場となっていま
人材
店舗
す。
また、世界中のマクドナルドフランチャイジー
が一堂に会する情報交換の場として「ワールド
ワイドコンベンション」も隔年で開催しており、
ビ
ジネスパートナーであるフランチャイジーを全面
フランチャイジー
的にサポートしています。
QSC&V の向上
店舗への投資
人材への投資
店舗の運営
▶フランチャイズ店舗比率
直営店
フランチャイズ店
タウンホールミーティング
58%
46%
40%
38%
42%
54%
60%
62%
2008
2009
2010
2011
人材マネジメント
質の高い商品・サービスを提供するために、
また日
本一の教育機関として、
人材育成を強力にサポー
トしています。
さらに、女性の活躍推進
➡P.26参照
などの取り組みも、
協業して進めています。
44
M cDonald s CSR R e p o r t 2 0 1 1
パートナー
株主・投資家
マクドナルドのオーナーとして、
ビジネスを支えていただいている株主の皆様、
また投資家の
皆様との良好な関係を継続できるよう、
コミュニケーションの強化に取り組んでいます。
株主・投資家への考え方
利益の還元
日本マクドナルドは、28万名を超える多くの株主
日本マクドナルドは、株主・投資家の皆様に対し
の皆様、投資家の皆様によって支えられていま
て業績、配当性向、
キャッシュ・フローのバランス
す。株主・投資家の皆様には、適切なリターンと
を統合的に勘案し、安定的な配当の継続を基本
情報発信を行うことにより、充分な理解とご支援
に利益還元に努めています。
また、株主の皆様に
をいただけるよう努めています。
は全国の店舗で利用できる優待食事券を年2回
配布しています。
発行可能株式総数
480,840,000株
発行済株式総数
132,960,000株
株主数
283,881名
(2011年12月31日現在)
▶所有者別株式分布状況(2011年12月31日現在)
証券会社
金融機関など
0.18%
1.42%
その他国内法人
株主とのコミュニケーション
すべての株主の皆様に適時適切かつ公正に情
報を提供するため、WEBサイトを利用した情報
の開示とコミュニケーションを図っています。
セー
ルスをはじめとする各種財務データの開示のほ
か、定時株主総会や決算説明会などのIRイベン
1.12%
ト情報の発信も行っています。
株主・投資家の皆様へ
個人・その他
http://www.mcd-holdings.co.jp/
42.11%
海外法人など
55.14%
McDonald s CSR Report 2011
45
コーポレートガバナンス
企業活動の基盤としてコーポレートガバナンスを経営の重要課題ととらえ、
迅速かつ的確な意思決定、
透明性の高い企業活動、
コンプライアンス、
リスク管理体制の強化を図っています。
46
M cDonald s CSR R e p o r t 2 0 1 1
コーポレート
ガバナンス
ガバナンス体制
経営における迅速で適時的確な意思決定を行うため、
コーポレートガバナンスの強化に取り組んでいます。
コーポレートガバナンス
取締役会と執行役員
経営の重要課題のひとつとして、
コーポレートガ
日本マクドナルドホールディングス
(株)は、取締
バナンスの強化に取り組み、
「立法・行政・司法」
役会を設置しており、社外取締役3名を含む6名
の三権分立的な視点から各機関・機能間におけ
の取締役(2011年12月31日現在)
で構成され
る高レベルの「チェック アンド バランス」体制の
ています。
また、企業経営の効率化と規律強化、
確保を目指しています。
また、
すべてのステーク
透明性を向上させるため、取締役会とは別に執
ホルダーの利益のため、積極的な投資や前例に
行役員制度を設け、業務執行機能の強化と業務
とらわれない柔軟な発想と実践など、広い視野
執行責任の明確化を図っています。
から常に新しい取り組みを続けています。
監査役会
主な取り組み
日本マクドナルドホールディングス
(株)は、監査
●会社法の求める内部統制システムの構築
機能として監査役会を設置しており、1名の常勤
●日本版SOX法などへの適切な対応
監査役と3名の非常勤監査役の計4名(社外監査
●社外第三者として、
弁護士、
監査法人の活用
役3名のうち独立役員1名)
(2011年12月31日
●CEO直轄の独立した内部監査室の設置
現在)
で構成され、経営に関する監視を実施して
います。
▶日本マクドナルドホールディングス
(株)のガバナンス体制
株主総会
監査
監査役会
取締役会
助言
監査
社外弁護士
会計監査人
内部監査室
CEO
監査
EMT
エグゼクティブ・
マネジメント・チーム
会計監査/
助言
執行役員
各部門
コンプライアンス委員会
助言
コンプライアンス・
ホットライン
McDonald s CSR Report 2011
47
コーポレート
ガバナンス
コンプライアンス
マクドナルドに関わるすべてのスタッフに対する教育・啓発を継続し、
事業領域全般を常に検証することで、
コンプライアンスの徹底を図っています。
コンプライアンス体制
コンプライアンス・ホットラインの設置
法令違反や企業倫理などからの逸脱を未然に
コンプライアンスに関わる通報や相談窓口とし
防止し、
リスクを回避することを目的にコンプラ
て、
「コンプライアンス・ホットライン」を運用し
イアンス委員会を設けています。法務ガバナン
ています。社員のみならず、パート従業員、取引
ス本部担当執行役員を委員長とし、コーポレー
先など、グループ関係者とその家族が利用で
トリレーション本部をはじめとする関係各部か
き、全社的なコンプライアンス強化につなげて
ら委員会メンバーを選任し、各本部にはコンプ
います。
ライアンス責任者を配置してその実行にあたっ
ています。
▶コンプライアンス・ホットラインのしくみ
教育・啓発の取り組み
質問・懸念などを持つ
本人・関係者
●従業員を対象とした研修・セミナーの定期的
な開催
●ハンバーガー大学でのトレーニングプログラム
●イントラネットを利用した啓発
③調査
問題解決
対応
●eラーニングによるコンプライアンス教育
直属の上司
または
適切なマネージャー
⑤
④調査報告
●教育用冊子「クイズで学ぶコンプライアンス」
の配布
コンプライアンス・ホットライン
(第三者機関)
●労務監査室の設置とワークライフバランス
にも配慮した労務管理
●第三者
(社外弁護士)
による
チェック アンド バランス
⑥適宜報告
問題解決
対応
⑦
反社会的な勢力との絶縁
マクドナルドは、総会屋・暴力団などの反社会的
勢力とは絶縁しており、今後も、
これら反社会的
勢力からの不当な要求に対しては断固としてこ
れを拒否します。
暴力団などが商品クレームなどを口実として脅
しをかけ、不法な金銭的利益を得ようとする行
為に対しては、マクドナルドは「暴力団に金を出
さない」
「暴力団を利用しない」を原則として、
対応していきます。
(業務上の行動規範より)
48
M cDonald s CSR R e p o r t 2 0 1 1
②調査依頼
「業務上の行動規範」
コンプライアンス
委員会
①通報
相談
コーポレート
ガバナンス
リスクマネジメント
災害、事故、不祥事など、あらゆる事態に対応するリスク管理体制を構築し、
継続的な事業活動の遂行に取り組んでいます。
リスク管理体制
お客様サービス室
大規模な災害、事故や不祥事などのリスク発生
お客様からのお問い合わせやご意見などに迅
時には全社横断的な緊急対策本部を適時に設
速に対応するために「お客様サービス室」を設
置する体制をとっています。
また、店舗からの通
けています。いただいたご意見に対しては関係
報が経営陣に遅滞なく報告され、迅速な対応と
各部門と連携し、根本的な課題解決を図ってい
解決を図ることを目的に、緊急通報体制として
ます。
「エマージェンシーホットライン」を24時間体制
今後も商品やサービスと、お客様の満足度向上
で設置しています。
を目指し、いただいたご意見・ご要望について
さらに、
さまざまな事象に対する危機管理規定を
真摯に受け止め、対応していきます。
設け、
リスクレベルに応じた適切なリスク管理体
制を構築しています。
▶緊急事態発生時の対応フロー
店 舗
1. 人的・物的被害発生
● 入院を伴うお客様や従業員のケガ
2. ライフラインが停止し、営業ができない
● 交通事故(人身のみ)
、
火災による被害発生
3. 震度6以上の地震の発生地域
● 事件(傷害・強盗・侵入盗・爆弾予告など)
の発生
お客様対応
● 保健所からの訪問
(定期訪問を除く)
、
食中毒の疑い、感染症の発症
マクドナルド本社
電話
● その他お問い合わせなど
● 労務問題に関するトラブル
(対従業員・労基署)
● 営業停止(半日以上の場合)
電話
メール
エマージェンシー
ホットライン
24
● 個人情報の漏洩
(個人情報保護法違反)
関係各部
(24時間対応)
︵ 時間対応︶
● 行政機関からの改善指導、
営業停止命令
● 対応苦情
24H対応
お客様サービス室
オフィサー
その他の緊急事態
● 品質苦情
お客様
受付時間 9:00〜17:00
大地震・台風
EMT
エグゼクティブ・
マネジメント・
チーム
関係各部
1.FAX
2.メール
3.電話
緊急対策
本部
●エマージェンシーホットライン 店舗からの通報が経営陣に遅滞なく報告される緊急通報システム。店舗で発生した事故や全社的な緊急対応が必要となる事案に対して、
24時間休みなく対応する体制をとっている。
東日本大震災への対応
マクドナルドでは、震災当日に緊急災害対策本部を立ち上げ、以下の対応を行いました。
本業における取り組み
●3月11日
緊急災害対策本部を設置
●3月12日
全店
(約3,300店舗)
の外部照明の一部および看板など点灯の中止
●3月14日
東京電力の電力供給エリアの営業時間を短縮
●3月15日
全店約3,300店舗
●5月16日
夏の節電計画発表……………東京電力・東北電力管内店舗 消費電力15%以上削減、本社屋25%削減
●6月28日
夏の節電啓発活動発表………節電デザインのトレーマット2,000万枚を全店導入
店舗内客席照明50%消灯、壁面照明用ダウンライト消灯
期間7/1〜9/30
期間7/1〜9/30
節電デザインのポスターを東京電力・東北電力・関西電力管内店舗導入
期間7/1〜9/30
夏の節電キャンペーン発表 … 全国マクドナルドクルー16万人(および店舗マネージャー)対象、期間7/1〜9/30、各家庭で電力消費
削減15%以上目標
➡P.38参照
本業以外の取り組み
●3月14日
義援金の寄付
(日本マクドナルドより日本赤十字社へ1億円、米国マクドナルドコーポレーションより国際赤十字社へ200万ドル)
●3月15日
全店約3,300店舗
●5月10日
店頭義援金募金
(3/19〜4/28)
途中経過 6,445万5,656円
●10月
店頭義援金募金総額1億2,292万6,898円を日本赤十字社に寄付
義援金募集活動開始
McDonald s CSR Report 2011
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第三者意見
2011年12月期の日本マクドナルドホールディン
CSR活動、CSR活動によって実現された効果や達
グスの連結決算が、営業利益、最終(当期)利益と
成水準などは、年次報告において重要な構成要
も、2001年の上場以来いずれも最高益を更新し
素であり、積極的に掲載することが望まれます。
さ
たことは、
「お気に入りの食事の場とスタイルで
らに、
目標と実績を対にしたKPI(主要パフォーマ
あり続けること」というミッションが、世の中に受
ンス指標)による開示を検討していただきたいと
け入れられている状況を物語っているといえるで
要望します。
しょう。
しかし、それだけで組織の存在意義を規定してし
コミュニケーションのあり方が、
企業からの一方向
まうことをしない、その決意が「CSR活動を行う」
になっているのではないか、
という点も気になっ
出発点だと考えられます。言い換えると、最高益を
たところでした。
ステークホルダーからの期待の
「どのように実現したか」にこだわることが、
「CSR
認識を明示的に示す、
ステークホルダーからの声
活動を行う」ことなのだと考えたいと思います。
を掲載する、
ダイアログを開催して、
その様子を掲
2010年11月、国際標準化機構(ISO)から「組織
載するなど、検討の余地もあるのではないでしょ
の社会的責任に関する手引」
(ISO26000)が発
うか。
行されました。
ここで示された「社会的責任」の概
念では、
「組織」とそれを取り巻く
「社会及び環境」
報告対象範囲についても、考え方の整理を行う必
が対として位置づけられて、そのあいだに「影響
要があるかもしれません。店舗全体に占めるフラ
を与える」
「影響を被る」という関係が基本構造と
ンチャイズ店舗比率が62%に達している事実が
して想定されています。こうした影響には「好影
報告されていますが、一方、報告対象組織が日本
響」もあれば「悪影響」もあるのが通常です。
「悪
マクドナルド株式会社(一部日本マクドナルドホー
影響」を回避、緩和しながら、新たな「好影響」を
ルディングス株式会社を含む)
となっているため、
実現していくダイナミズムに、CSR活動の進化が
全国で約3,300店舗が展開する活動の全容を、
見てとれると考えます。
ピープル(従業員)やエコロジー(環境)の項目で
は、十分に把握できない状況が生じています。
フ
日本マクドナルドホールディングスのCSR活動と
ランチャイジーにおけるCSR活動の働きかけや支
レポートに関して意見を寄せる機会を頂戴するよ
援を第一歩として、将来的には、
フランチャイジー
うになって、今回が5回目となりました。2011年
におけるCSR活動の成果や進捗についても、報告
のレポートは、2010年に比べてより簡潔な構成
の対象としていただくことを期待いたします。
になったとの印象を受けました。
「CSRに対する考
50
え方や実践している取り組みを開示する」という
カスタマー(顧客)の章についていえば、国内では
編集方針に従って、ポイントが絞り込まれた結果
原子力発電所の事故を契機として「フードセーフ
でしょう。ただ、
「影響を与える」
「影響を被る」とい
ティ」に対する消費者の期待は、
さらに大きく変化
う観点で新たに注目した事項、年内に着手した
したと考えられます。また、商品の「栄養・アレル
M cDonald s CSR R e p o r t 2 0 1 1
ギー」をめぐる関心は依然、世界的に大きくなっ
ています。2011年のレポートで「食に関する情報
の発信」と題するコラムを掲載されたことを評価
いたしますが、今後も関連情報の発信・提供を強
化されることを提言します。
また、
カスタマー(顧客)の章では、
ゴールドスタン
ダード店舗化の推進が紹介されています。
このこ
とに関連して「ステークホルダーの期待」として
は、24時間店舗に対する周辺住民の要望や地域
環境の観点からの行政等の要望にも、一層、配慮
する必要があるでしょう。
こうした取り組みについ
足達 英一郎 (あだち えいいちろう)
ても、開示を期待いたします。
株式会社日本総合研究所 理事
経営戦略研究部、
技術研究部を経て、
現在、
ESGリサーチセンター長。
パートナーの章では、サプライヤーリレーション
金融機関に対し社会的責任投資のための企業情報提供を担当。
環境経営とCSRの視点からの産業調査、
企業評価を専門とする。
について言及されているページに注目しました。
サプライヤーとのさまざまな連携を図っていると
され、原料加工メーカー/原料生産者とは生産
履歴を追跡できるトレーサビリティシステムを構
築していることが報告されています。
この点につ
いては、農場、一次加工、二次加工、配送の各段階
において、
「品質・安全管理」以外にも、人権、労
働、環境、
コミュニティなどの側面でどのような配
慮がなされているかを報告していただくことを望
みます。
上記のような項目を盛り込もうとすると、当然、情
報量は多くなり、ポイントを絞り込んで、簡潔に開
示を行うことが困難になるという懸念が生じるか
もしれません。
しかし、最近では冊子によるCSR活
動の年次報告とウェブサイトなどを活用した詳細
な情報開示を同時に行って、その両者を補完しあ
なお、
このコメントは、本報告書が、一般に公正妥当と認められる環境
うという手法も普及してきています。是非、そうし
報告書等の作成基準に準拠して正確に測定、算出され、
かつ重要な事
た手法の採用も検討いただければと思います。
するものではありません。
項が漏れなく表示されているかどうかについて判断した結論を表明
McDonald s CSR Report 2011
51
日本マクドナルド株式会社
「マクドナルド CSRレポート 2011」
発 行:2012年3月
お問い合わせ先:コーポレート・リレーション本部
住 所:〒163-1339
東京都新宿区西新宿6-5-1
新宿アイランドタワー
電 話:03(6911)5000(代表)
URL:http://www.mcdonalds.co.jp/
この冊子には、
FSC認証紙を使用し、
印刷には環境に配慮した
植物性インキを使用しています。