修士論文 - 北海道科学大学

ハイブリッド回収システムの
研究開発
北海道工業大学大学院 応用電子工学専攻
光電波応用・情報処理工学部門
副査
主査 鈴木 勝裕
佐々木 一正教授
三橋 龍一助教授
佐鳥 新 助教授
M-00-605 高田 強
修士論文の構成
第1章
第2章
第3章
第4章
第5章
第6章
第7章
序論
ロケット
衝突噴流式新型ハイブリッドロケットの開発現状
有翼飛翔体の開発現状
アビオニクスの開発
パラシュートの設計
アビオニクス動作試験および有翼飛翔体滑空・
回収試験
第8章 結論
本発表の構成
研究開発の背景
目的
アビオニクスとは
研究内容
実験機器
実験方法・結果
まとめ
今後の課題
研究開発の背景
ロケットの打ち上げ失敗
コスト・公害・スペースデブリ
軍事的・学術的な宇宙利用から商業化へ
廃棄から回収へ
本研究の目的
回収型ハイブリッドロケット打ち上げ
日本機会学会誌2000年5月号 P.85
著者 永田助教授
本研究の目的
システム構成
新型衝突噴流式ハイブリッドロケットの開発(北大)
模擬実験用有翼飛翔体の開発(機械工学科)
アビオニクスの開発
↓
ロケット回収システムの構築
アビオニクスとは
Aviation + electronics
航空電子機器
有翼飛翔体用アビオニクス
制御系・計測系・通信系・電力電装系
研究内容
有翼飛翔体飛行特性確認システム
GPS、ジャイロセンサ、加速度センサによ
る有翼飛翔体の位置・姿勢情報収集装置
の開発
解析ソフトの開発
アビオニクスの設計目標
アビオニクス総重量は1kg以内
外形寸法30×30×20cm以内
電波到達範囲1km以上
動作可能時間1時間以上
有翼飛翔体の位置・姿勢情報の保存
GPS精度10m以下
アビオニクス構成図 飛翔体側
GPS受信機
ジャイロ
加速度センサ
マザーCPU(H8)
TNCパケットコントローラ
アマチュア無線機
アビオニクス機器のサイズ及び重量
機器名
個
数
サイズ
L×W×H(mm)
重量 (g)
GPS受信機 GN-79
1
42.8×24.8×9.0
20
マザーCPU AKI‐H8
1
70.0×50.0×17.0
24
加速度センサ MA3‐04Ba
1
20.5×12.5×5.0
4
ジャイロセンサ FNC‐03J
3
23.0×15.0×8.0
9 (3個)
TNCパケットコントローラ
送信側 TNC‐220
1
124.0×111.0×14.0
外装なし
112
アマチュア無線
送信側 DJ‐C4
1
56.0×94.0×10.6
電池含む
75
バッテリ− Cadnica
1
145.0×34.0×16.0
194
その他(基盤,コード等)
204
総重量
642
アビオニクス機器の電力収支
機器名
個
数
動作電圧
(V)
動作電流
(mA)
消費電力
(mW)
GPS受信機 GN-79
1
5
79
395
マザーCPU AKI‐H8
1
5
65
325
加速度センサ MA3‐04Ba
1
5
0.5
2.5
ジャイロセンサ FNC‐03J
3
5
5
25
TNCパケットコントローラ
送信側 TNC‐220
1
12
65〜90
780
〜1080
アマチュア無線
送信側 DJ‐C4
1
3.7
送信時 300
待機時 40
1110
148
総電力
1675.5
〜2937.5
単独測位結果
場所 道工大駐車場 計測時間 50分
10
8
6
4
2
0
-10
-8
-6
-4
-2
-2
0
2
4
-4
-6
-8
-10
GPS受信機 GN-79
6
8
10
姿勢センサ
アビオニクス
アビオニクス構成図 地上側
受信アンテナ
アマチュア無線機
TNCパケットコントローラ
ノートPC
地上側アビオニクス
TNCパケットコントローラ
アマチュア無線機
ノートパソコン
予備実験
2001年11月3日に行われた本実験の前に
アビオニクスの動作確認実験を行った
実験場所 道工大グランド
実験内容 GPSの動作確認
姿勢センサの動作確認
電波到達距離の確認
バッテリー耐久試験
予備実験方法
[1]小型ラジコン飛行機にアビオニクス機器を搭載し電
源を入れる
[2]アビオニクスのデータを受信しているか確認する
[3]ラジコン飛行機のエンジンを始動させ、グランドの端
から端まで移動する
[4]電源が切れるまで時間を計る
ラジコン飛行機とアビオニクス
予備実験結果
アビオニクス正常動作を確認した。しかし、
加速度センサのデータが異常であった
グランドの端から端まで約400mまで電波
が届くのを確認した
バッテリーの耐久時間は約70分であった
予備実験の検討
加速度センサのデータを取得できなかった
アマチュア無線機の影響
ノイズ対策が必要
有翼飛翔体滑空試験および
アビオニクス動作確認試験
2001年11月3日
北海道広尾郡大樹町 多目的航空公園にて
・有翼飛翔体滑空実験
・アビオニクス動作確認実験
実験目的
アビオニクス動作確認
有翼飛翔体の安定性確認
有翼飛翔体の飛行特性取得
アビオニクス動作確認試験(1)
実験内容
[1]滑走路の端から端までの1kmで、電波が届くか
確認する
[2]小型ラジコン飛行機にアビオニクスを積み込み
地上約200mまで上昇し旋回飛行を行う
[3]離陸から着陸までの間、アビオニクスから送ら
れてくるデータをノートPCで解析し保存する
有翼飛翔体滑空試験
実験内容
[1]大型ラジコン飛行機(母機)に有翼飛翔体を
搭載し地上約200mまで上昇し切り離す
[2]有翼飛翔体を操縦し滑走路へ着陸させる
有翼飛翔体滑空試験
アビオニクス動作確認試験(2)
実験内容
[1]有翼飛翔体にアビオニクスを積み込み母機へ有翼飛翔体
を搭載する
[2]母機を地上約250mまで上昇させ有翼飛翔体を切り離す
[3]有翼飛翔体を操縦し滑走路へ着陸させる
[4]離陸から着陸までの間、アビオニクスから送られてくるデー
タをノートPCで解析し保存する
実験結果(1)
アビオニクス動作確認実験(1)
•
•
•
•
1kmでの電波受信を確認
ノートPCによるデータの表示、記録に成功
マザーCPUによるデータのRAM書き込み失敗
加速度センサ情報の取得失敗
実験結果(1)
実験結果(1)
ジャイロセンサシグナル
実験結果(2)
有翼飛翔体滑空実験
• 安定して滑空することを確認した
• GFRP(グラスファイバ補強の強化プラスチック)
の高強度が確認できた
実験結果(2)
実験結果(3)
アビオニクス動作確認実験(2)
• 有翼飛翔体を切り離した直後操縦不能に陥り
墜落してしまった
• 有翼飛翔体は損壊したが、GFRPで製作してい
たため内部のアビオニクスへの影響はさほど
なかった
実験結果(3)
実験結果(3)
ジャイロセンサシグナル
まとめ
本研究で開発したアビオニクスは正常動作した
精密なデータ取得ができなかった
設計目標を全てクリアした
基礎的なシステムとして構築できた
今後の課題
加速度センサのノイズ対策
RAM書き込みを行う
本研究で開発したアビオニクスを基本に自律制
御則のデータ収集
ハイブリッドロケットシステム・有翼飛翔体・アビ
オニクスを1つのシステムにする
今後の予定
2002年3月
北大のハイブリッドロケット打ち上げ予定