平成26年度専攻科入学者選抜検査 ( 学力二次) 【試験問題】 生産工学専攻 (機械工学コース) 専 門 科 目 (試験時間 (注) 1 2 3 4 5 120分) 問題用紙は、表紙を含めて1~5ページです。 4科目(機械工作法、材料力学、熱力学、水力学)すべてに 解答してください。 電卓は、与えられたものを使用すること。 解答は、全て解答用紙に記入してください。 試験終了後、試験問題は持ち帰ってください。 -1- 科目名:機械工作法 1.次の文章は被覆アーク溶接について述べたものである。空欄に入る言葉を回答群から 選び番号で答えよ。 「被覆アーク溶接は被覆アーク溶接棒を用いて行うアーク溶接である。この溶接は 溶接棒と母材の間にアークを発生させ、溶接棒を移動させていく。アークの 発生する高熱で母材が溶けて(1)ができ、溶けた溶接棒は金属蒸気または 溶滴となって(1)に入る。 (1)は溶接場所が移動すると凝固し、(2)と なる。被覆アーク溶接棒は心線の周りに(3)が塗り付けてあり、溶接中の アークによる高温で(3)は溶融したり、気化したりする。気化して発生する ガスは大気を遮断して酸化や窒化を防止し、アークを安定させる。溶融した (3)は(4)となり、 (2)を覆って保護する。また、 (3)は(2)の 清浄作用もあり、母材の酸化不純物を除去することができる。」 【回答群】 ① 溶接金属 ③ 被覆剤 ② スラグ ④ 溶融池 ⑤ プラズマ 2.次の文章は鋳造の材料について述べたものである。何について述べているかを 回答群から選び番号で答えよ。 (1) 鋳鋼と比較すると、鋳込温度が低く鋳造性がよい。また、耐摩耗性, 被削性,振動吸収能力が大きい特徴がある。 (2) 銅合金の一種で銅と錫(Sn)の合金である。鋳鉄に比べ不純物の影響が大きく また収縮も大きい。 (3) 強度が必要な機械部品に用いられる。鋳鉄の溶接は難しいが、この材料は 同種類の溶接や鍛鋼部品などとの溶接も比較的容易に行える。 (4) アルミニウム合金またはマグネシウム合金のように、比重4以下の合金を いう。鋳造性がよく、自動車・航空機の部品に多く用いられている。 【回答群】 ① 黄銅 ② 青銅 ④ 鋳鋼 ⑤ 鋳鉄 ③ 軽合金 3.フライス削りにおいてフライスの歯数が Z = 20 [ 枚 ] 、フライスの回転数が n = 1000 [ rpm ] である。一歯当りの送りを ft = 0.1 [mm ] としたいとき、送り v [ mm/min ] を求めよ -2- 科目名:材料力学 1.図 1 のように、剛性天井から鉛直につり下げられた断面積 A の部材が、 A 水平面と 傾いた面で互いに接合されている。部材の自重を考えない ものとして、以下の問いに答えよ。 (1)部材の下端を荷重 P で負荷させたとき、傾いた面に生じる 垂直応力 と、せん断応力 を求めよ。 (2)部材の断面積 A =1000 [mm2]、角度 =30 [°]、接合部の許容 応力を a =60 [MPa]、 a =40 [MPa]としたとき、負荷する P 図1 ことのできる最大軸荷重 Pmax を求めよ。 2.図 2 のように、二つの異なった材料からなる長さ l の組み合わせ棒(丸棒と円筒)の両 端を剛性板で固定している。全体の温度を t 上昇させたとき、以下の問いに答えよ。 ただし、丸棒、円筒の断面積、縦弾性係数、線膨張係数をそれぞれ A1 、 A2 、 E1 、 E 2 お よび 1 、 2 ( 1 2 )とする。 (1)丸棒と円筒に生じる応力をそれぞれ 1 、 2 としたとき、組み合わせ棒全体の力 のつりあいの式を立てよ。 (2)丸棒と円筒の伸びをそれぞれ l1 、 l 2 としたとき、 1 、 2 を用いて l1 と l 2 を 求めよ。 (3) 1 と 2 を求めよ。 3.図 3 のように、長さ l (AC 間の長さ a 、CB 間の長さ b )のはりの両端が支持され、左 端から距離 a の C 点に集中荷重 P が作用している。棒の自重は考えないものとすると き、以下の問いに答えよ。ただし、はりの縦弾性係数を E 、断面二次モーメントを I と する。 (1)力のつりあいとモーメントのつりあいから反力 RA と RB を求めよ。 (2)A 点から x の断面位置における曲げモーメント M を考える。AC 間 ( 0≦ x ≦a ) 、 CB 間( a ≦ x ≦ l )の曲げモーメント M AC と M CB を式で示せ。 (3)たわみの基礎式( EI d2y M )を用いて、AC 間、CB 間の断面位置 x におけ dx 2 るたわみ y AC と y CB を式で示せ。 円筒 P A C B 丸棒 a RA l b l 図3 図2 -3- RB 科目名: 熱力学 1. 質料 3 [kg]の空気が 0.2 [m3]の容器に充填されている。 等温膨張のもとで圧力が 1 [MPa]から 5×104 [Pa]に変化した。 以下の問いに答えよ。ただし、空気の気体定数は 0.29 [kJ/(kg・K)]とする。 (1)変化前の温度 :T1 (2)変化後の容器の体積 :V2 (3)外部にした絶対仕事 :⊿W (4)加えられた熱量 :⊿Q (5)エンタルピーの変化量:⊿H (6)エントロピーの変化量:⊿S 2. 図1および図2はオットーサイクルにおける p 3 p―v 線図および T - s 線図である。 ここで、圧縮比ε=9.5、断熱圧縮前の圧力と温度が 4 それぞれ p 1 =0.1 [MPa]、 T 1 =300 [K]であり、 2 断熱膨張後の温度は T 4 =750 [K]となった。 1 v 比熱比はκ=1.4とする。 図1 (1) 状態2から状態 3 への変化は何変化と呼ばれるか、 答えよ。 T (2) 状態3から状態 4 への変化は何変化と呼ばれるか、 3 2 答えよ。 4 1 (3) 理論熱効率:ηを求めよ。 s (4) サイクル中の最高圧力を求めよ。 (5) サイクル中の最高温度を求めよ。 -4- 図2 科目名: 水力学 1.次の問いに答えよ。 (1)容積 V=10 [ℓ]の油の重量を測定したところ、W=80 [N]であった。この油の密度 を求めよ。 (2)20 [ℓ/min]の流量の場合、体積流量で表すと何 [m3/s]になるか求めよ。 (3)内径 d=10 [mm]の円管内を水が流れている。質量 M=1.0 [kg]の水が流出するの に t=20 [s]かかった。このときの体積流量 Q [m3/s]、平均流速 u [m/s]、レイノル ズ数 Re を求めよ。また、このときの流れの状態は、一般に層流・乱流どちらで あるといえるか答えよ。 なお、水の密度は =1000 [kg/m3]、動粘性係数は ν=1.004×10-6 [m2/s]とする。 2.図 1 に示す逆U字管マノメータにおいて、A 点と B 点の圧力差を求めよ。なお、それ ぞれの流体の密度は、以下のとおりである。 油 :ρo=860 [kg/m3] 水 :ρw=1000 [kg/m3] ※図1は著作権の関係で掲載しておりません。 4.図2のように、円管内を水が下から上に向かって、質量流量 m=100 [kg/s]で流れてい る。以下の問いに答えよ。 ただし、水の密度は =1000 [kg/m3]とする。 (1)体積流量 Q を求めよ。 (2)位置①、②の流速 V1 および V2 を求めよ。 (3)位置②の圧力が p2 =1 [kPa]のとき、 位置①の圧力 p1 を求めよ。 ※図2は著作権の関係で掲載しておりません。 -5-
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