フーコー摩擦

2011 年 7 月 13 日
物理学 (N クラス) 前期期末試験演習問題
数値を求める問題では、必要な数値は教科書、数表を参照してよい。
「線積分の練習」
1
始点 (0, 0) から終点 (1, 1) まで 3 つの積分路を考える。 C1 : x 軸に沿って原点から x = 1 ま
で行き、次に y 軸に平行に終点まで行く。C2 : 原点と終点を直線で結ぶ。C3 : y 軸に沿って原
点から y = 1 まで行き、次に x 軸に平行に終点まで行く。
(1) 積分路 C1 ∼ C1 を図に表せ。
∫
(2) それぞれの積分路にそって (xdx + xdy) を計算せよ。
c
「仕事とポテンシャル」
2
xy 平面内を運動する質点に働く力が F = ayi + bxj (i, j はそれぞれ x, y 方向の単位ベクト
ル、a, b は定数) で与えられるとき、以下の問いに答えよ。
(1) この質点が最初に (x, y) = (L, 0) から (L, L) まで直線 x = L 上を進み、次に (L, L) から (0, L) まで直線
y = L 上を進むとき、力のする仕事を求めよ。
(2) この質点が最初に (x, y) = (L, 0) から (0, L) まで直線 y = −x + L 上を進むとき、力のする仕事を求めよ。
3
地上において質量 m の質点を 1 直線上に動かすことを考える。
(1) 水平で摩擦の無い平面上で質点を距離 L だけ動かすとき、必要な力および力がした仕事を求めよ。
(2) 水平で、動摩擦係数 µ の平面上で質点を距離 L だけ動かすとき、必要な力および力がした仕事を求めよ。
(3) 水平面から角度 θ だけ傾いた斜面に沿って下から上へ質点を距離 L だけ動かすとき、必要な力および力
がした仕事を求めよ。
4
質量 m [kg] の物体 P が原点 O から出発し、C1 : 摩擦の無い水平面上を距離 L1 だけ移動
し、さらに C2 : 垂直上方へ距離 L2 だけ移動し、C3 : そこから一直線に原点 O まで戻った。
(1) それぞれの経路上で重力がした仕事を求めよ。
(2) 物体 P が出発して戻ってくる間に重力がした仕事を求めよ。
5
体重 60kg の人が高さ 20 m の階段を 50 秒でかけ上がった。
(1) この人が重力に逆らってした仕事を求めよ。
(2) このときの仕事率を求めよ。
6
ポテンシャルエネルギー U を次の場合について求めよ。
(1) 万有引力 : F = −G
7
Mm r
· .
r2 r
(2) 重力 : Fz = −mg.
(3) バネの変位にたいする復元力 : Fx = −kx.
次のポテンシャルエネルギーを与える力を求めよ(ヒント:r =
(1) kz.
8
(2) kr2 .
(3) k
e−kr
.
r
√
x2 + y 2 + z 2 )。
(4) k loge r2 .
自然長が 0.20 [m] のばねを水平で滑らかな床の上に置き、ばねの一端を壁に固定し、他端
を質量 5 [kg] の物体につけた。その後、物体に力を加えてばねの長さが 0.30 [m] になるま
でゆっくりと引いた。このとき、引いていた力の大きさは 25 [N] であった。
(1) このばねのばね定数を求めよ。
(2) ばねの長さが 0.20 [m] から 0.30 [m] になるまで、ばねの弾性力がした仕事を求めよ。
(3) ばねの長さが 0.30 [m] のとき、ばねの弾性力によるポテンシャルエネルギーを求めよ。
(4) ばねの長さが 0.30 [m] の状態で引くのを止めたとき、物体は振動運動する。振動の周期を求めよ。
「運動量・角運動量とエネルギー保存則」
9
水平と θ の角をなす斜面上に質量 m の物体を置き、斜面に沿って上向きに初速度の大きさ v0
を与えた。重力加速度の大きさを g とする。
(1) 斜面に摩擦がないとき、物体が斜面を上がって最高点に達するまでの斜面上の距離を求めよ。
(2) 斜面と物体との間に摩擦がはたらくとき, 物体が斜面を上がって最高点に達するまでの斜面上の距離を求
めよ。ただし斜面の動摩擦係数を µ とする。
10
質量 m の物体を高さ h の上空からパラシュートを使って降下させると、物体は速度に比例
する空気抵抗 −κv を受け、十分長い時間の後に一定の速度 (終端速度) で落下する。このと
き以下の問いに答えよ。
(1) 終端速度を求めよ。
(2) 空気抵抗が十分大きく、降下後すぐに物体の速度は終端速度に収束するものとする。このとき物体が高さ
h の上空から地表に到達するまでに重力が物体に対してした仕事を求めよ。
(3) 前問で、降下前の物体のポテンシャルエネルギーと、地表に到達する直前での物体の運動エネルギーを比
較せよ。もし両者が異なるとすれば、その差はどうなったと考えられるか。
11
地上から発射されたロケットが地球の引力圏から脱して無限遠まで飛び去るのに必要な最
小の速さを第 2 宇宙速度という。第 2 宇宙速度を求めよ。ただし、地球の質量は約 5.98 ×
1024 [kg], 半径は約 6.37 × 106 [m] である。
12
高度 3.00 × 106 [m] で地球の周りを円運動する、質量 2.00 × 103 [kg] の人工衛星がある。
(1) 衛星の速度と円運動の周期を求めよ。
(2) この衛星の高度を 6.00 × 106 [m] に移動させるために必要なエネルギーはいくらか。
(3) 高度を移動した後の衛星の速度と円運動の周期を求めよ。
(4) この衛星の高度を地表すれすれとしたときの衛星の速度を求めよ(これを第 1 宇宙速度という)。
13
滑らかな曲面上の高さ H [m] の点から、質量 m [kg] の物体が初速度の大きさ v [m/s]
で滑り出した。その後、物体は一端が固定され、水平に置かれた、ばね定数 k [N/m] のば
ねに衝突した。ただし、重力加速度の大きさを g [m/s2 ] とする。
(1) 衝突する直前の物体の速度の大きさ v を求めよ。
(2) 衝突により、ばねはどれだけ縮むか。
14
水平においたばね定数 k のばねの一端を固定し、もう一端に質量 m の小球をつけて摩擦の
無い平面上を振動させるとき、以下の問いに答えよ。
(1) おもりの変位 x(t) を求め、時間に対するグラフとして表せ。
(2) 復元力によるポテンシャルエネルギー U (x) を求め、さらに時間に対するグラフとして表せ。
(3) 運動エネルギー K(ẋ) を求め、さらに時間に対するグラフとして表せ (ただし、ẋ ≡
dx
)。
dt
(4) 力学的エネルギーが保存されていることを示せ。
15
図は一次元運動をしている質量 m の粒子に対する、系のポテンシャルエネルギー U (x) を
表す曲線である。E は粒子がもつ全力学的エネルギーである。
U
U(x)
E
0 x1
x2
x3
x4
x
(1) 図中の、x1 < x < x2 の領域では、力は粒子に対してどちら向きに働いているか。
(2) 力 F = 0 になるところはどこか。
(3) 位置 x4 での粒子の速度を表す式を求めよ。
(4) 位置 x1 では粒子の運動エネルギーの値はどうなるか。運動はどう変化するか。
(5) 粒子の運動が可能な領域はどこか答えよ。 16
速さ v で運動してきた質量 m の物体が、静止している同じ質量の物体に弾性衝突し、運動
の向きを角 α だけ変えた。衝突後の 2 つの物体の速度 v(速さでなく速度) を求めよ。
17
レールの上に車輪のついた質量 M の大砲が静止しているものとする。火薬を爆発させて質
量 m の砲弾を水平に速度 v で打ち出した。摩擦は無いものとして以下の問いに答えよ。
(1) 砲弾を打ち出した後の大砲の速度を求めよ。
(2) 爆発した火薬のエネルギーの大きさはどれだけか。
18
ロケットが燃料を噴射しながら飛行しているとする。単位時間当たり噴射する燃料の質量
を c、噴射する速度を V とする。
(1) ロケットを仰角 α で地上から発射させたものとして、運動方程式を水平方向、垂直方向それぞれについ
て書け。ただし発射前の燃料を含むロケットの全質量を M0 とする。
(2) 運動方程式を解いて、発射してから時間 t 後のロケットの速度と位置を求めよ。
(3) ロケットが燃料を使い切った後のロケットの運動を求めよ。
19
質量 m の物体 A と質量 M の物体 B の間に万有引力が働いているものとする。
(1) m が負であったら、A、B 間に働く力はそれぞれどうなるか。図示せよ。
(2) A、B の加速度はそれぞれどうなるか。図示せよ。
(3) 負の質量が存在するとどういうことが起きるか、運動量保存則、エネルギー保存則の観点から説明せよ。
20
次の現象を角運動量保存則から説明せよ(図を用いると説明しやすい)。
(1) 回転しているコマは倒れない。また、コマを傾けると、才差(首振)運動をする。
(2) 自転車に乗って走っている時、左に傾くと左方向に曲がる。
(3) 自転車の車輪をもって摩擦のない回転台に立ち、車輪をまわし、その車輪を傾けると回転台が回転する。
(4) フィギュアスケートの選手がスピンしているとき、広げていた腕を縮めると回転が速くなる。
(5) フーコーの振り子は振動面が一日に一回転する。