「消火器 Version2.2」 認定基準書

エコマーク商品類型 No.127
「消火器 Version2.2」
認定基準書
―適用範囲―
総務大 臣が 定め る「消火 器の 技術 上の 規格 を定 める 省令 」
(昭 和 39 年 制定 )
の う ち 、 粉 末 (ABC)消 火 器 に 該 当 す る も の 。( 輸 出 さ れ る も の 、 エ ア ゾ ー ル
式簡易消火具、船舶用消火器、航空機用消火器は含まない。)
制 定 日
最新改定日
有効期限
2010 年 4 月 1 日
2012 年 7 月 13 日
2022 年 3 月 31 日
(公財)日本環境協会
エコマーク事務局
127V2 基準
エコマーク商品類型 No.127「消火器 Version2.2」認定基準書
(財)日本環境協会
エコマーク事務局
1.認定基準制定の目的
消 火 器 は 、消 防 法 に よ り 一 定 の 商 業 施 設 、学 校 や 図 書 館 、公 共 施 設 な ど に 装
備 が 義 務 付 け ら れ て い る ほ か 、自 主 的 に 設 置 す る 家 庭 も 多 く 、非 常 に 身 近 な 製
品 で あ る 。 消 火 器 の 年 間 生 産 本 数 は 平 成 20 年 度 で 約 400 万 本 と な っ て い る 。
消火器の耐用年数は未使用の場合、概ね 8 年程度と言われて おり、法 定 の 設
置 に つ い て は 定 期 的 な 点 検 等 が 義 務 付 け ら れ 、管 理 が 行 わ れ て い る が 、家 庭 な
ど で 自 主 的 に 設 置 さ れ る も の に つ い て は 、定 期 的 な 点 検 等 は 義 務 付 け ら れ て い
な い 。 平成 14 年度の 消防庁調査によれば、 一般家庭の保有粉末消火器の製造・
購入後経過年数サンプル調査において、5 割以上の家庭で製造・購入後 5 年以内
のものを保有している一方、 10 年以上経過した消火器、経過年数不明の消火器
も 20%以上あった。同様に、粉末消火器を保有する世帯のうち、処分したい粉
末消火器を保有したままの世帯が 20%以上あり、うち約 70%の世帯がその理由
を 「 処分 の 仕 方 が わ か ら な い 」 こ と を 挙 げ て い る 。消 火 器 は 、 大 き な 圧 力をか
け て 液体 や 粉 末 を 封 入 し て いる も の が あ り 解 体 に は危 険 を 伴 う た め 、 通 常の一
般 廃 棄物 と し て 処 理 が で き ない 。 循 環 型 社 会 の 早 期構 築 と 消 火 器 の 事 故 防止を
図る観点からも、消火器の回収体制の整備が求められていた 。
これを受け業界では回収体制の整備を進め、平成 12 年度に 27%であった回収
率は平成 20 年度では 約 55%に向上した。また、平成 17 年度には廃掃法にもと
づ く 一般 廃 棄 物 の 広 域 認 定 制度 の 対 象 品 目 に 廃 消 火器 ( 不 用 消 火 器 ) が 追加さ
れ 、 現在 で は 消 火 器 メ ー カ ー全 社 が 広 域 認 定 制 度 の認 定 を 受 け て い る 。 今後、
さらなる回収率の向上が期待される。
消 火 器 の 構 成 材 料 のう ち 、 容 器 に用 い ら れ る 鉄 お よ び アル ミ ニ ウ ム に つ いて
は、従来からマテリアルリサイクルが行われてきてい るが、1999 年 12 月に政
府 が 決定 し た 、 新 千 年 紀 を 迎え 新 し い 産 業 を 生 み 出す 大 胆 な 技 術 革 新 に 取り組
む こ とを 目 的 と し た 産 学 官 共同 開 発 研 究 で あ る ミ レニ ア ム ・ プ ロ ジ ェ ク ト の技
術 開 発に よ り 、 回 収 さ れ た 消火 薬 剤 を 再 生 消 火 薬 剤や 肥 料 と し て 再 利 用 可能と
したことから、消火器1本当たりのリサイクル率は飛躍的に改善されている 。
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127V2 基準
本 商 品 類 型 は 、再 生 消 火 薬 剤 を 使 用 し た 消 火 器 に エ コ マ ー ク を 付 与 し 、こ れ
を 消 費 者 に 推 奨 す る こ と に よ り 、不用消 火 器 の 回 収・リ サ イ ク ル に 関 す る 情 報
を 広 く 普 及 し 、 も っ て 消 火 器 に お け る 3R の 推 進 、 な ら び に 不用消 火 器 の さ ら
なる回収率の向上に資することを目的とする。
2.適用範囲
総務大臣が定める「消火器の技術上の規格を定める省令」(昭和 39 年制定)
のうち、粉末(ABC)消火器に該当するもの。(輸出されるもの、エアゾール式簡
易消火具、船舶用消火器、航空機用消火器は含まない。)
3.用語の定義
再生材料
ポストコンシューマ材
料
プレコンシューマ材料
ポ ス ト コ ン シ ュ ー マ 材料 お よ び プ レ コ ン シ ュー マ 材 料 ま た
はそれらの混合物。
製品として使用された後に、廃棄された材料また は製品。
製 品 を 製 造 す る 工 程 の廃 棄 ル ー ト か ら 発 生 する 材 料 ま た は
不 良 品 。 た だ し 、 原 料と し て 同 一 の 工 程 ( 工場 ) 内 で リ サ
イクルされるものは除く。
再生消火薬剤
一 度 使 用 さ れ 、 ま た は使 用 さ れ ず に 収 集 ま たは 廃 棄 さ れ た
消火薬剤をいう。
処方構成成分
製 品 に 特 性 を 付 与 す る目 的 で 意 図 的 に 加 え られ る 成 分 を い
う 。 製 造 プ ロ セ ス 上 、不 可 避 的 に 混 入 す る 不純 物 成 分 は 含
まない。
不用消火器回収率 不 用 消 火 器 発 生 見 込 み数 、 ま た は 過 去 の 消 火器 生 産 実 績 に
対する不用消火器の回収本数の割合 。
リサイクル
マ テ リ ア ル リ サ イ ク ルを い う 。 た だ し 、 ケ ミカ ル リ サ イ ク
ル の う ち ポ リ マ を 解 重合 し て 得 た モ ノ マ を 原料 と し て 重 合
し て 得 た ポ リ マ は 、 マテ リ ア ル リ サ イ ク ル に含 む 。 エ ネ ル
ギ回収(サーマルリサイクル)は含まない。
ケ ミ カ ル リ サ イ ク モノマ・原料化、油化、高炉還元剤としての利用、コーク
ル
ス炉化学原料化、ガス化による化学工業原料化 をいう。
4.認定の基準と証明方法
各基準項目への適合の証明については、付属証明書を提出すること。
4-1.環境に関する基準と証明方法
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127V2 基準
(1) 消火薬剤中の再生消火薬剤配合率が、40%以上であること。
【証明方法】
消火薬剤中の再生 消火薬剤の配合割合(最低保証値)、管理方法などを記載し
た消 火 薬剤 製 造事 業 者 の発 行 する 「 再生 消 火 薬剤 配 合 証 明 書」 を 添 付す るこ
と。
(2) 申込商品の製造にあた って、最終製造工程を 行う工場が立地してい る地域の大
気汚染、水質汚濁、騒 音、悪臭、有害物質の 排出などについて、関 連する環境
法規および公害防止協定など(以下、「環境法規等」という)を順守しているこ
と。また、申込日より過去 5 年間の環境法規等の順守状況(違反の有無)を報
告すること。なお、違 反があった場合には、 すでに適正な改善をは かり再発防
止策を講じ、以後は関連する環境法規等を適正に順守していること。
【証明方法】
最終 製 造 工程 を 行う 工 場が 立 地 して い る地 域 の環 境 法 規等 を 順守 し てい る こ
とに 関 し 、申 込 製品 を 製造 す る 事業 代 表者 も しく は 当 該工 場 長 ( ま たは 相 当
する責任者) が発行する「環境法規等順守証明書 」(環境法規等の名称一覧の
記載または添付)を提出すること。
また、過去 5 年間に行政処分、行政指導などの違反の有無を報告し、違反が
あった場合には、以下の a.および b.の書類を提出すること。
a. 違反事実について、行政機関などからの指導文書 (改善命令、注意なども含
む)、およびそれらに対する回答書 (原因、是正結果などを含む)の写し(一連
のやりとりがわかるもの)
b. 環境 法 規等 の 順 守 に関 す る 管理 体 制 につ いて の 次の 1)~5)の 資料 (記 録 文
書の写し等)
1) 工場が立地している地域に関係する環境法規等の一覧
2) 実施体制(組織図に役割等を記したもの )
3) 記録文書の保管について定めたもの
4) 再発防止策(今後の予防策)
5) 再 発 防 止 策 に 基 づ く 実 施 状 況 (順 守 状 況 と し て 立 入 検 査 等 の チ ェ ッ ク 結
果)
(3) 製品に使用されるプラ スチック材料 は、ポリ マ 骨格にハロゲン元素 を処方 構成
成分として添加していないこと。 ただし、不用消火器回収率が 70% 以上であ
って、かつ、回収した当該部品の 70%以上をマテリアル リサイクル(ホースにつ
いてはケミカルリサイクルも可とする) する場合には、本項目を適 用しない。
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127V2 基準
【証明方法】
製品 製 造事 業 者発 行 の 製品 の 使用 材 料一 覧 表 を添 付 する こ と。 ポ リ マ骨 格に
ハロ ゲ ン元 素 の使 用 が ある 場 合は 、 不用 消 火 器 回 収 率、 当 該部 品 の リサ イク
ル内容およびリサイクル率を説明する文書を提出すること。なお、使用契約締
結後、事務局より申込者に回収率およびリサイクル率の 実績報告を求める(ま
たは現地監査を行う)ことがあり、申込者はそれに協力しなければならない。
(4) 包装は、省資源、リサ イクルの容易さ、焼却 処理時の負荷低減に配 慮されてい
ること。包装に使用さ れるプラスチック材料 は、 ポリマ骨格にハロ ゲン 元素を
処方構成成分として添加していないこと。
【証明方法】
包装材料名を付属証明書に記載すること。
(5) 消火薬剤には鉛、カド ミウム、銅、ニッケル 、水銀および亜鉛の 重 金属 を処方
構成成分として添加し ていないこと。
【証明方法】
消火薬剤供給事業者の発行する 証明書、および MSDS を添付すること。
(6) 製品は、回収するシス テムが確立されている こと。また、そのため の情報提供
がなされていること。
【証明方法】
別紙 に 規定 す る引 き 取 り、 リ サイ ク ルま た は 環境 に 調和 し たエ ネ ル ギ回 収の
体制 が 整備 さ れて い る こと ( 引き 取 りシ ス テ ム、 処 理能 力 、処 理 内 容、 製品
のリ サ イク ル 容易 設 計 など ) の説 明 とし て 、 広域 認 定制 度 の認 定 書 類の 写し
などを提出すること。
また 、 使用 者 が容 易 に 本シ ス テム を 利用 で き るこ と (例 え ば、 販 売 店で の回
収方 法 など ) を記 載 し た取 扱 説明 書 (ユ ー ザ マニ ュ アル ) など を 提 出す るこ
と。
(7) 回収された 粉末(ABC)消火器は 、適正な方法で解体され、金属部分および消火
薬剤は、90%以上が 適正にリサイクルされること。リサイクルできない部分は、
適正な方法で 処理・処分すること。
【証明方法】
解体 の 方法 、 各材 料 の リサ イ クル シ ステ ム ( リサ イ クル 方 法お よ び リサ イク
ル率など)、およびリサイクルできない部分の処理・処分方法を 説明する資料
を提出すること。
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127V2 基準
4-2.品質に関する基準と証明方法
(8) 品質については、「消火器の技術上の規格を定める省令」に適合し、合格表示を
していること。
【証明方法】
総務大臣の型式承認書の写しを添付すること 。
5.商品区分、表示など
(1) 商品区分は、原則としてブランド名(シリーズ名)毎とし、かつ加圧式、蓄圧式
毎および自動車用消火器、自動車用以外の消火器毎とする。
(2) 原則として、製品本体 などにエコマークを表示すること。また、マーク下段表示
は下記に示す環境情報表示とする。ただし、「エコマーク使用の手引」(2011年3
月1日制定施行)に従い、マークと認定情報による表示(Bタイプの表示)を行う
ことも可とする。なおエコマーク商品認定・ 使用申込時にエコマーク表示箇所お
よび表示内容を提出すること。環境情報表示は、二段表示を矩形枠で囲んだもの
とし、一段目に「再生消火薬剤を○○%使用 」または「再生消火薬剤を○○%以
上使用」、二段目に「 回収およびリサイクルシステムを持つ」と記載すること。
ここで○○%は消火薬剤中の再生消火薬剤配合率(「再生消火薬剤配合証明書」
に記載されている最低保証値)を記載すること(小数点以下は切り捨てとする。
同一商品区分内で再生 消火薬剤配合率が異なる場合には、同一商品区分の最低値
を表記すること)。なお、下表に従い再生消火薬剤配合率(最低保証値)が該当
する区分の下限値を記載することも可とする。
エコマーク商品類 型 No.127「消火器 Version1」の認定商品であって、引き続
き、本商品類型でエコマーク使用契約を締結する認定商品に限っては、本商品類
型のマーク下段表示においても、これまでどおり前商品類型でのマーク下段表示
およびその認定番号を記載することも可とする。
表
再生 消火薬 剤配合率 の区分 と下限 値
再生消火薬剤 配合率
下限値
90%以上 100%未 満
90%
80%以上 90%未 満
80%
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127V2 基準
70%以上 80%未 満
70%
60%以上 70%未 満
60%
50%以上 60%未 満
50%
40%以上 50%未 満
40%
以下に、一例を示す。
エコマーク認定番号
第○○○○○○○○号
エコマーク認定番号
第 ○ ○ ○ ○ ○ ○ ○ ○ 号 (数 字 の み も 可 )
( 株 ) ×××× ( エ コ マ ー ク 使 用 契 約 者 名 )
( 株 ) ×××× ( エ コ マ ー ク 使 用 契 約 者 名 )
2010年4月 1日
制定(Version2.0)
2011年3月 1日
改定
マーク表示方法の追加(Version2.1)
2012年7月13日
改定
5.(3)(4)削除(Version2.2)
2015年4月 1日
有効期限延長
2022年3月31日
有効期限
本商品類型の認定基準書は、必要に応じて改定を行うものとす る。
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127V2 基準
別
紙
引取・リサイクルに関する証明書類
「広域認定制度」の認定を受けているケースであれば、下 記③ ~⑥ は全て 満足す る。
廃棄物の運搬・処分を委託する場合には、廃棄物処理法に従った方法で行い、下記
③~⑥の証明が必要となる。
① 引取・リサイクルシステムの名称
② 引取・リサイクルの区分
マテリアルリサイクル/ケミカルリサイクル
③ 引取・リサイクルシステムの概要(引取・リサイクルシステム稼働実績にもとづ
くものとする)
1) 財源
2) 引取の担保
例:ユーザとの引取契約、製品への 引取先記載など
3) 引取・リサイクルシステムの稼働状況
例:引取・リサイクル対象製品・素材 (金属、プラスチックなど)、
引取・リサイクルシステム適用地域、
引取率(引取数/販売数)、リサイクル率(リサイクル数/引取数)、
製品当りのリサイクル率(リサイクル重量/製品重量)、
引取能力、リサイクル処理能力(○○t/年)、
再商品化展開用途など
4) 引取・リサイクルシステム全体像と関係者の位置づけ
例:消火器メーカーが広域認定制度を受けた場合のモデル
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127V2 基準
素材
メーカー
販売店 A
ユーザ 1
販売店 B
ユーザ 2
販売ルート
ユーザ 3
リサイクル原料
リサイクル工場
回収拠点
回収ルート
リサイクル原料
産業廃棄物処理業者
広域認定制度の認可業者
④ リサイクル処理事業者名称および 廃棄物処理業許可の有無
1) 自社工場内処理(申込者)
2) 中間処理業者
3) 最終処理業者
などの関係者毎に事業者名称および廃棄物処理業許可などの証明書
⑤ リサイクル処理業者への引き渡し方法
申込製品の排出形態(産業廃棄物、一般廃棄物、有価物など)および排出者から
リサイクル処理事業者までの申込製品引き渡し方法に関する説明
⑥ 契約書の提出
1) 産業廃棄物処分および収集運搬委託契約書の写し
2) 業務委託契約書( 申込者と引取・リサイクルシステム運用者間の業務委託)の
写しなど
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