大阪府における職業高校の統廃合と再編成について

長 野 県 高等 学校 教 育文化 会議
技 術 ・職 業 高校 教 育研 究 会
第 1 回 技 術 ・職 業 教 育 全 県研 究 会
「大 阪府 にお け る 職 業 高校 の
統 廃 合 と再 編 に つ い て 』
12004年 9夕月 25 日
塩 尻 市総合文化 セ ンター
大 阪府 立 和 泉 工 業 高 等 学 校 機 械 科
大 阪府 立 高 等 学 校 教 職 員 組 合 職 業 高 校 部 前
野
博
、 1まじ め に
大 阪 は バ ブル 崩 壊 後 、全 国 トップ ク ラ ス の 財 政 赤 字 の 自治 体 に な つ た。 これ らの 要 因 は簡
単 に言 え ば 不 況 下 で の 税 収 不 足 に よ る も の で あ るが 、 関 西 新 空 港 や 国 際 会 議 場 な ど の 大型 公
共事 業 (ハ コ物 建 設 )や 主 要 プ ロ ジ ェ ク ト (りん く うタ ウ ン な どの 宅 地 乱 開発 )に 見 られ る 、
将 来 を見 据 え な い バ ラ マ キ 開発 が 大 きな要 因 に な つ た と私 は 考 え る。 (勿論 、他 自治 体 もバ ブ
ル に うかれ 同 じよ うな行 政 を した )
そ の 結 果 、 私 た ち を 含 む 府 職 員 の 賃 金 は 抑 制 され た 。 5年 前 、府 当 局 の 言 い 分 は 「大 阪 は
ラ ス パ イ レス 指 数 、全 国 一 高 い 給 与 水 準 で あ る」 等 の 理 由 で 99∼ 00年 度 (HH∼ 12)の 2年
間 、 普 通 昇 給 ス トップ で 、 あ っ とぃ う間 に 、 全 国 最 低 の 賃 金 に な っ た 。 皮 肉 に も如 何 に この
ラ スパ イ レス 指 数 とい う物 が 大 した 数 値 で な い か を実 証 させ た 。 (要す る に この 数 値 は どん ぐ
りの 背 比 べ )お ま け に 4年 間 の 特 別 昇 給 ス トップ (99∼ 02年 度 )、 最 もひ どい の が 、 国 人 勧
は 切 り下 げ で あ っ た が 、府 人 勧 (府人 事 委 員 会 の 勧 告 )は 全 国 最 低 給 与 を考 慮 して 、 2年 続
け て プ ラ ス 勧 告 (02・03年 度 )を した が 府 当 局 は そ の 府 人 勧 も無 視 して 議 会 で 給 与 の ヤ イ ナ
ス 改 定 を強 行 した 。 この 他 に期 末 。勤 勉 手 当 (賞与 )も 5年 間続 け て 削 減 され て い る。 要 す
るに 、我 々 、府 職 員 の 給 与 は 5年 間連 続 で 年 収 が 減 少 ヽ
して い る。 この よ うな現 状 で あ る。
。
この 6年 間行 わ れ て 来 た 、 「
づ
府 立 高校 特 色 く り 再 編 整 備 計 画 」 は これ らの 背 景 が 一 番 の
要 因 で あ る の に は 間違 い な い 。 府 教 委 は財 政 難 に よ る も の で な い と一 徹 に 主 張 して い るが 計
画 の 修 正 な どを見 て も明 らか で 、 これ らの 計画 が 徐 々 に破 綻 して 現 れ て 来 て い る。 財 政 破 綻
に 続 い て 教 育破 綻 に も成 りつ つ あ る。 決 して この よ うな状 況 に して は な らな い 。
2 、 府 教 委 に よ る 高 校 つ ぶ しの 経 過
1 ) 府 教委 の再編整備計画 と府当局の財政再建計画
1998(H10)年
8月
1999(Hll)そ
卒 4月
*2008年 までの
を発 表 。 1 期
3期
1999(Hll)年
8月
2000(H12)4年
8月
2001(H13)」 卒 8月
2001(H13)年
9月
2002(H14)召 卒 8月
2002(H14)」 卒 11月
2003(H15)年
6月
「大 阪府 財 政 再 建 プ ロ グ ラ ム 」発 表
「
教 育 改革 プ ロ グ ラ ム 」
発表。【
資料 1】
1 0 年 間 に府 立 高校 1 5 5 校 を 2 0 校 つ ぶ し 1 3 5 校 に削 減 す る こ と
( 9 9 年∼ 0 2 年 ま で の 4 年 間) 、 2 期 ( 0 3 年∼ 0 5 年 ま で の 3 年 間) 、
( 0 6 年∼ 0 8 年 ま で の 3 年 間)
再 編 整 備 計 画 1期 1年 次 対 象校 発 表 。
再 編 整 備 計 画 1期 2年 次 対 象 校 発 表 。
再編整備 計 画 1期 3年 次 対象校 発 表
「大 阪府 行 財 政 計 画 (案)」 発 表 。
再編 整 備 計 画 1期 4年 次 対 象校 発 表
2期 計 画 は行 わ ず 、 再 編 整 備 計 画 の 軌 道 修 正 を発 表
府 立 高校 特 色 づ く り 。再 編 整 備 計 画 (全体 計 画 )中 間発 表
2003(H15)」 卒 8月
府 立高校特色づ くり 。再編整備計画 (全体計画)【資料 2】
* 全 体 計 画 第 1 年 次 対 象 校 発 表 。 ( 職業 高校 や 定 時 制 つ ぶ しを発 表 ) 当 初 、1 0 年 計
画 で 3 期 に 分 け、 2 0 校 つ ぶ す 計 画 で あ つた が 、第 2 期 計 画 を発 表 せ ず 、工 業 高校 、
定 時 制 も含 め た 高校 つ ぶ しを この 年 度 発 表 。 この 背 景 に は この 第 1 期 間 に よ る我 々 の
強 い 反 対 運 動 や 府 民 との 共 同 に よ る取 り組 み に 対 して 、府 教 委 が 計 画 の矛 盾 点 を認 め
た 結 果 と言 え よ う。 しか し、新 た に工 業 高 校 ・定 時制 つ ぶ しを 計 画 して き た の に は言
語 道 断 と言 え る。 ま た 、 当初 は専 門高 校 を 1 6 校 か ら 1 7 校 に 増 や す と して い た が 、
1 5 校 に す る と変 更 した こ とも大 きな 問題 で あ る。 【資 料 3 】
2004(H16)2卒
8月
府 立 高校 特色 づ く り再編整備 計画
6】
第 2 年 次対象校発 表 【 資料 4 ・ 5
2004(H16)左
手 9月
「
大阪府行財政計画 (改定素案)」発表。【資料 7】
1‐
2)工
業 高校 ・定 時制 関係 の 各 種 の 検 討 報 告
2000(H12)」
卒 11月
2002(H14)年
3月
専 門学校 設 置 検 討 委 員 会 発 足
専 門学校 設 置 検 討 委 員 会 報 告 (2つ の 方 向性 を打 ち出す )
* 実 践 的 技 術 技能 を身 に つ け るた め に、 専 門分 野 の 深 化 を め ざす 方 向
* 高 度 な専 門性 を身 に つ け るた め に 、高 等 教 育機 関 へ の 接 続 を め ざす
方向
2002(H14)4卒
5月
府 学教審 「
今 後 の 後 期 中等 教 育 の あ り方 」 答 申
一 生 徒 の ニ ー ズ の 変 化 等 を踏 ま えた府 立 高 校 の 全 日制 の 課 程
お よび 定 時 制 の 課 程 等 の 今 後 の あ り方 に つ い て 一
工 業 教 育研 究 協 力 者 会 議 発 足
2002(H14)4卒
8月
工 業教 育研 究 協 力 者 会 議 報 告
2003(H15)」 卒 1月
2003(H15)年
府 学教審 「
今 後 の 府 立 工 業 高校 の あ り方 」 答 申
5月
―府 立 工 業 高校 にお け る、教 育 内容 、学 科 の あ り方 、
―
適 正 規模 ・適 性 配 置 、! 定時制 課 程 あ り方
こ の よ うに 、 府 教 委 の 自作 自演 で 「各 種 の 報 告 や 答 申 」 を 取 り付 け た こ と に して 、 工 業 高 校
や 定 時 制 つ ぶ しを す る た め の 理 由 付 け を した も の と言 え る 。
3)大
阪府 の公 立職 業 高 校
淀川
布施
成城
藤井寺
和泉
茨木
東住吉
府 立農 業 科
農芸
単独
園芸
普 通科
併設
1 クラス
のみ
1111111ジ
勢 出山塚
能城横 貝
府 立工業 科
西野 田
旧設 校
今宮
佐野
戦前 に
城東
創立
堺
大阪市立工業科
都島
生野
市 立 工芸
泉尾
東淀
大阪市 立商業科
淀
市岡
天王寺
住吉
鶴見
堺市立
岸 和 田市 立 産 業
東 大 阪 市 立 日新
堺市立
岸 和 国市 立 産 業
新設校
戦後 に
創立
市 )扇 町 総 合
此花 総合
12校
定時制
1 2 校 にす べ て
開設
総合 学科
府 )柴 島
今宮
*能 勢
芦間
*枚 岡 樟 風
八尾北
松原
堺東
*員 塚
7校
6 校
定時制
農芸
貝塚
市 立第 二 工業
都 島第 二
堺市 立第二
8校
校
東 大 阪市 立 日新
堺 市 立第 二
岸 和 田市 立 産 業
上記 * 印
職 業 高校
か らの 改 編
ア) 府 立工 業高校 の 新設 校 と言 え ども、 5 校 す べ て創 立 4 0 年 を超 えて い る学校 で あ る。
イ) 衛 生都 市 として は堺 市 ・東大阪市 ・岸 和 田市 の三 市 が公 立 校 を開設 して い る。 【資料 8 】
、再編整備計画
( 全体 計 画 ) 1 年
次 ・2 年 次 の 計 画 に つ い て
0 3 年 度 ( 1 年 次) 分
1 ) 工 業高校 を 1 2 校 か ら 3 校 つぶ し、 9 校 にす る。
│
成城 工 業 。東 住 吉 工 業 ・和 泉 工 業 の 3 校 を廃校。
2 ) 定 時制課程 を 2 9 校 か ら 1 4 校 つぶ し、 1 5 校 にす る。
北野 ・天王寺 な どの 定時制伝 統校 まで廃校 にす る。 工 業定時制 も 4 校 廃校。
農 芸 ( 定) も 廃校 にな り農 業教 育 にお け る定時制課 程 を全廃す る。 【資料 6 】
3 ) 多 部制 単位制 高校 を 6 校 設 置す る。 ( 1 校 は既設 済み)
‐2‐
廃 校 に した 3 校 の 工 業 高校 を多 部 制 単位 制 高校 ( ク リエ イ テ ィ ブ ス ク ー ル ) に す る。
他 に箕 面 東 ・桃 谷 高校 。 残 る 1 校 は咲 洲 高校 ( 旧住 之 江 高校 ) 、す で に 0 3 年 4 月 開校 。
4 ) 「 国 際 ・科 学 」 高校 を 3 校 設 置 す る。
千 塁 ・住 吉 ・泉 北 の 3 校 の 国際 教 養 科 を 併 設 して い る学校 を 単独 の 専 門 高校 と した 。
5 ) 工 業 高校 を 「工 科 高 校 」 と名 称 変 更 す る。
総 合 募 集 の 導 入 な どで学 科 を無 く し、新 た に 「系 」 の 設 置 を しt 2 学 期 制 の 導 入。
6 ) 能 勢 高校 を 中高 一 貫 の 総 合 学 科 に 、貝 塚 高 校 を総 合 学 科 に改編 。
04年度 (2年 次)分
1 ) 第 4 学 区 にお け る統 廃 合 「 南 寝 屋 川 高校 」 と 「
大 東 高 校 」 統廃 合 、敷 地 は大東 高校
「
2 ) 小 規模 校 の 廃 校 「 城 山高校 」 横 山高 校 」 共 に農 業 系 の 高 校
上 の 表 ( 前ペ ー ジ) を 整 理 す る と
ャ
ア) 府 立 工 業 高校 は 3 校 ( 成城 ・和 泉 ・
東住 吉)の
府 立農 業 科
府 立 工 業科
→
「
9 校 に 。 校 名 も 大 阪府 立 ① O
西野 田
単独
廃校で 12校
農芸
工 科 高校 」 に な る。 ・
旧設 校
今宮
園芸
佐野
イ) 廃 校 に な っ た 3 校 は多 部 制 単位 制 高校 に 。
戦前 に
城東
創立
堺
ウ) 4 校 の 定 時制 工 業 高 校 の 開課 程 。
淀川
( 城東 ・淀 川 ・布 施 。東 住 吉 )
布施
競
工) 農 業 科 の 定 時 制 教 育 を全 廃 。
藤 井 寺 新設 校
議
戦後 に
オ) 小 規模 校 の 廃 校 で 、
創立
茨木
農 芸 」 と 「園 芸 」 の み 。
韓
農 業高校 は 「
韓
串
力) 能 勢 高校 は 中高 一 貫 校 へ 、
定 時制
定時制
貝 塚 高校 は総 合 学 科 へ 。
難
顛
開設 ( 4 校 の 閉
課程)
4 、 ど う し て 、1 2 校
あ る 工 業 高 校 を 3 校 つ ぶ して 9 校 に す る ?
1 ) 府 教 委 の理 由付 け
中学 卒 業 生数 の減 少 で 工 業 高校 の募集 ク ラス 数 は 8 1 学 級 ( 0 1 年 度 ) か ら 7 0 学 級 程
度 にな る。 募集 減 で各校 6 校 規模 に して きた が 、 7 0 学 級 に な る と各校 5 ク ラ スの 学校 も
現 れ る。 この 間 の 各 種 の 答 申 を受 け、 5 ク ラ ス 程 度 の 小 規模 で は、行 事 や ク ラブ活 動 な ど
に も活気 がな く支障 が生 じるので 7 ∼ 8 ク ラス は必要 で あ る。 計算 上 か ら 9 校 で 良 い。
【資料 8 】
2 ) い ま こそ 、 3 0 人 学級 の 実現 で 7 ∼ 8 ク ラ ス程 度 にな る
( 府教 委 が 考 えて い る工業 高校 の 募 集 定
計 算す る と、 7 0 ク ラ ス × 4 0 人 = 2 8 0 0 人
=
9
3
,
3
3
3
ク
ス
キ
3
0
人
ラ 。 この 9 3 , 3 ク
ラ ス を府 立 1 2 校 で
学級
員) 2 8 0 0 人
ラ ス に な り、 7 ク ラ ス を 3 校 、 8 ク ラ ス を 9 校 ( 7
割 る と93.3+12=7.775ク
X3+8X9=93)に
な り、 1 2 校 は必 要 となるも
しか し、 この 論 理 は府 教委 に は通 じな い。 あ くまで 4 0 人 学級 を堅持 して い る。 普 通 科
も 3 0 人 学級 にす れ ば つぶ す 必 要 は な い 。 これ また 、 4 0 人 学級 を堅持 して い る。 実習や
実 験 を伴 う工 業 教 育 に は 3 0 入 学 級 が必 要 で あ る。 将 来 、 3 0 人 学級 が 常識 にな る時代 が
必ず 来 る。 そ うなれ ば昔 の 生 徒 多数 期 の 様に 1 0 ∼ 1 2 ク ラ ス にす る のか 。今 あ る学校 を
なぜ つ ぶ す。府 教委 の 将 来 の 見通 しが な い 。
‐3‐
3 ) 財 政難 にお け る理 由
府 教委 は リー フ レ ッ トや ホ ー ムペ ー ジ にて 、高校 つ ぶ しは 「
財政難 」 が 理 由ではな い ( は
じめ にで も記 述 ) と して い るが 〔教 育 予 算 が 普 通 高校 よ りも必 要 な 工 業 高校 は少 な い 方 が
財政 上有利 な の は明 らかで あ る。 教育 委員会 の 委員 の 中 に も 「は ら き りと財政難 だか ら、
高校 を再 編統 廃 合 す る と言 え」 とい う委 員 も い ると ま た 、普 通科 だ けつ ぶ して職 業 科 を残
す とい うア ンバ ラ ンス を考慮 した も ので あ ろ うか。 これ らには大 阪府 にお け る工 業 教 育 を
充 実す る こ とが 、将 来 、府 の 産 業 育 成や ものづ く りの街 づ く りに な る こ とを全 く理解 して
い な い と言 え よ う。
`
4 ) つ ぶ す 3 校 の工 業 高校 を多部制 単位 制 高校 ( ク リエ イ テ ィブ ス ク ール ) に
府 教 委 は定 時制 課 程 に 通 う 6 割 の 生 徒 が全 日制 を受 験 して い る と し、計 画進 学 率 を上 げ
るた め 、昼 間 の 高校 、多部制 単位 制 高校 が必 要 と した 。 これ もまや か しが あ り、財 政難 に
よる定時 制課程 つ ぶ しと、学力 困難 生 徒 の た めの受 け皿 を用 意 した もの と言 え る。
5、 多 部 制 単 位 制 高 校
(ク リエ イ テ ィプ ス ク ー ル )っ て ? ・
1 ) 多 部 制 単位 制 高校 を 6 校 設 置 す る。
廃 校 した 3 校 の 工 業 高校 以外 に 、箕 面 東 ・桃 谷 高校 。咲 洲 高 校 ( 旧住 之江 高校 です で に 0 3
年 4 月 開校 ) の 3 校 。 I 部 ( 1 ∼ 4 限 ) 、 正部 ( 5 ∼ 8 限 ) 、 I I I 部( 9 ∼ 1 2 限 ) の 多 部 制
と し、 6 校 の 内 、 3 校 ( 成城 工 ・和 泉 工 ・桃 谷 ) を I I I 部
制 に 、残 り 3 校 を 正部 制 に す る。
2 ) 工 業 3 校 か らの ク リエ イ テ ィ ブ ス ク ー ル ( 以下 i C S と す る) に つ い て
ど う して 、 成 城 工 業 ・東 住 吉 工 業 ・和 泉 工 業 を対 象 校 に した の か ? 府 教 委 は地 域 を考 え 、
大 阪 市 内 に 4 校 、 北 部 と南 部 に 1 校 ず つ 設 置 す る と し決 定 した と して い るが 、 市 内 の 工 業
高 校 は他 に もあ り南 部 に もあ る。 決 定 した 理 由 が 不 明 瞭 とい え る。 3 校 と も 4 0 周 年 を越
え る伝 統 校 で あ るが 、 工 業 高 校 で は 新 設 校 とい え ると や は り弱 い 者 ( 校) ↓ ヽじめ で あ ろ う
か
。
3 ) 総 合 学科 と 2 学 期制 , 単 位 制
工 業 3 校 か らC S は す べ て 総 合 学 科 と し他 の 3 校 は普 通 科 とす る と した 。 ( 案) で は 「生徒
自 ら学 ぶ 科 自や 時 間 帯 を選 択 す る こ r とに よ り 目的 意 識 を養 い 、進 路 目標 に応 じた 多 様 な 学
習 が 可 能 とな る よ う、 単 位 制 で 定 時 制 の 課 程 を活 用 した 、 柔 軟 な教 育 シ ス テ ム の 新 しい 学
校 と して 設 置 す る」 と して い る。 新 た に 「系列 」 を設 置 し自由選 択 科 目を多 く開講 す る等 、
2 学 期 制 に す る とも して い るも
4)CSの
問題 点 や 疑 問 点
一 生 徒 達 に ど って 一
・単 位 制 で は 生 徒 の 自主 的 な学 校 生 活 が 求 め られ るが 、 対 応 出 来 な い 生
徒 が現 れ 、結 果 的 に
い
い
卒 業 出来 な 、 中途 退 学 生 徒 数 が 増 え る恐 れ は な か 。
。C S に な っ て も就 職 す る生 徒 が 多 い と予 想 され る 。 工 業 高 校 に比 べ 人
求 就 職 状 況 が悪 化 す
る恐 れ は な い か 。
・単位 制 に な る とク ラ ス 形 態 が 薄 れ 行 事 な どに支 障 が な い か 。 ま た 、 配 部 制 の 学 校 で は ク ラ
ブ 活 動 を どの よ うに して 行 うの か 。
・今 まで の 専 門性 を生 か した 総 合 学 科 の C S に す るな らば工 業 ( 工科 ) 高 校 との違 い は何 か 。
一教 職 員 に とつ て 一
・我 々 、教 員 の 勤 務 形 態 は どの よ うに な る の か 。 I 部 、 工部 、 I I E 部
を どの よ うに 分 け る の か 。
1 / 正部 とI I I 部
を分 け た 場 合 、 I I I 部
を従 来 の 定 時 制 課 程 と した 場 合 、 同 じ学 校 で あ りな が ら
勤務 形 態 や 処遇 に不均 等 が 生 じな い か 。 ま た 、職 員 会 議 等 を どの よ うに設 定す る の か 。
・教 職 員 定 数 は 元 々 の 工 業 高 校 に 比 べ 、 ど の よ うに な る の か 。 工 業 は 1 . 5 倍 、 総 合 学 科 は
1.2∼
1 . 3 倍 言 われ て い るが 。
・多種 多 目の 教 科 ( 系列 ) を 開講 して 、標 準 の 教 員授 業 持 ち時 間 で 対 応 で き る の か 。
-4‐
5 ) や は りC S に は未 来 は な い
府 教 委 の ( 全体 計 画 ) で は 「全 日制 の 課 程 に お い て も 中途 退 学 率 1 0 % 以 上 の 高校 が 1
0 校 余 りあ る こ とか ら、 単 に全 国制 の 課 程 の 受 け入 れ 枠 を拡 大 す るだ けで は不 十 分 で あ る。
今 日、 生 徒 の 中 に は様 々 な事 情 に よ り時 間 的 制 約 の あ る者 の 他 、 学 校 生 活 以 外 の 時 間 を ス
ポ ー ジ や 文 化 活 動 等 に有 効 活 用 した い と希 望 す る者 もあ る な ど 、 生 徒 の 二 T ズ は 多 様 化 し
て い る。 生 徒 自 ら学 ぶ 科 目や 時 間 帯 を選 択 す る こ とに よ り 目的 意 識 を養 い 、進 路 目標 に応
じた 多 様 な 学 習 が 可 能 とな る C S 加 え 、 昼 間 に お け る質 ・量 とも に 充 実 した 就 学 機 会 を提
供 で き る よ う、設 置 を推 進 す る」 とあ る。
要 す る に全 日制 に入 学 して す ぐ退 学 す る よ うな生 徒 に 対 して 、魅 力 的 な 自由選 択 時 間 や
科 目を開 講 して 、何 とか 卒 業 させ ろ と言 う こ とに な る の で あ ろ うか 。 ま た 、 毎 年 7 0 0 0
名 近 くの 全 日制 不合 格 者 が 出 て い るが 、 これ らの 生徒 の 受 け皿 に と考 えて い る の で あ る。
多 くの 生 徒 達 や 保 護 者 は全 日制 普 通 科 に入 学 して 基 本 的 な学 習 を して 欲 しい と願 つ て い
る の で あ る。 そ の た め の 教 員 配 置 や 募 集 定 数 の 拡 大 が 求 め られ い る。 3 0 人 学 級 の 実 現 な
どで き め細 か い 指 導 が 多 く の 教 師 に よ つ て 可 能 な らば 、 朝 、 苦 手 な 生 徒 や 多 様 な ニ ー ズ を
持 ちて い る生 徒 へ の 指 導 が 十 分 出来 る と考 え られ る、
。
1
ま た 、 定 時 制 課 程 を 1 4 校 も廃 校 に した 分 、 C S に て 受 け入 れ を府 教 委 は 予 想 して い る
が 、果 た して ( C S 分
だ け で 解 消 で き るか ど うか は疑 間 で あ ると 残 つ た 1 5 校 の 定 時 制 課
程 が 飽 和 状 態 以 上 に な る恐 れ が あ る の で は な い か 。
過 去 の 総 合 学 科 の よ うに新 校 ス タ ー ト年 は競 争 率 が 高 くて も徐 々 に低 くな っ て い る。 大
ヤ
阪 市 立 中央 高 校 や 本 年 4 月 に 開校 した 府 立 咲 朔1 高校 の 報 告 を見 て も学 校 と して の 機 能 の 悪
さな どは明 らか で あ る。
工 業 3 校 か ら の C S に お い て 、 初 め は 現 校 の 専 門性 を生 か した 「系 列 」 な どを設 置 す る
とが 、徐 々 に 工 業 色 が 薄 れ 、 女 子 生 徒 の 増 入 学 な どで 、 普 通 科 の 総 合 学 科 ( この よ うな 学
校 は な い はず だ が ) に な るで あ ろ う。 そ の 時 点 にお い て 3 校 の 工 業 高校 は完 全 に な くな り、
そ の 後 に 新 校 の C S も 2 度 目 の 改 編 の 道 を辿 るで あ ろ う。 この よ うな理 由 で C S に は未 来
が な い と言 え る。 【資 料 9 ・ 1 0 】
、 な ぜ 、 工 業 高 校 を 「工 科 高 校 」 に す る の ?
工科高校」 へ名称 を改称す る こ
今回の ( 全体計画) の 中で見落 とす ことが 出来ないのが 「
「
とである。 どうして長年、親 しんで きた 工業高校」 と言 う名称を変えなけれ ばならない
の
か
。
ま た 、入 試 に お い て も総 合 募 集 を 導 入 す る と し 、学 科 を廃 止 して 「系 」 を設 置 す る と も し
て い る。 【資 料 1 1 】
1 ) 2 つ の 方 向性 ( 専 門分 野 の 深 化 と 高 等 教 育機 関 へ の 接 続 ) か らの 再 配 置
「専 門 分 野 の 深 化 」 と 「高 等 教 育 機 関 へ の 接 続 」( 要 す る に 「工 業 高 校 そ の も の の 技 術 や 技
能 を身 に つ け る こ と」 と 「大 学 等 へ の 進 学 の 道 を保 障 す る こ と」 と言 え よ う。
( 全体 計 画 ) で は 『2 つ の 方 向性 を 踏 ま えて 、 産 業 構 造 の 変 化 や 技 術 の 複 合 化 な どの 課 題
に 対 応 で き る よ う、 工 業 高 校 の 教 育 内容 の 充 実 を図 る と と も に 、適 正 規 模 ・適 正 配 置 の 観
点 か ら再 配 置 す る。 なお 、 工 業 高 校 つ い て は 、 本 計 画 に基 づ き教 育 内容 教 育 シ ス テ ム の 大
幅 な刷 新 を図 り、新 しい 学 校 と して ス タ ー トす る こ とか ら、 専 門 高 校 と して の 種 別 名 称 を
「工 科 高 校 」 に改 め る』 と して い る。 これ も要 す るに府 立 1 2 校 を再 配 置 す る。 1 2 校 す べ
て を 開校 に して 、新 た に 9 校 を再 配 置 す る。 残 り 3 校 は つ ぶ す と そ の た め に この 際 、名 称
も 「工 科 高校 」 に変 え 、教 育課 程 の 中身 も変 えた い と言 う こ とで あ ろ う。
2 ) 工 科 高 校 へ の 大 き な変 更 ポ イ ン ト
・学 科 を無 く し 「系 J な る も の を設 置 す る。 機 械 ・電 気 系 を 中心 とす る。
・総 合 募 集 の 導 入 。1 年 次 は 基 礎 科 目を共 通 履 修 させ 2 年 次 よ り希 望 に よ り 「系 」 に 分 か れ
れ [ 専科 ] を 選 択 す る。 【資 料 1 2 】
・2 学 期 制 とす る。
‐5 ‐
3 ) 工 科 高校 の 問題 点や 疑 問 点
一 生 徒 達 に と つて 一
・生 徒 は 2 年 次 で 希 望 通 りの 「系 」 に進 級 ( 選択 ) 出 来 る の か 。 「系 」 に定 員 枠 が あれ ば 、 必
ず 希 望 通 りに行 か な い 場 合 が で て くる。
・す べ て の 定 数 計 の 総 合 募 集 にす る と して い るが 、複 数 の く く り募 集 等 が 必 要 な の で は な い
か
。
。二 学期 制 に なれ ば 9 月 の 就 職 試 験 時 に前 期 の 学期 末 を迎 え る こ とに な り混 乱 を生 じな い か 。
・工 科 高 校 にす る こ とに よ つて 新 しい 特 別 な 予 算 措 置 は あ る の か 。 ま た 、 系 の 実 習 等 に生 じ
る施 設 ・設 備 等 の 新 設 は あ る の か 。
一教 職 員 に とつ て 一
・学 科 をな くす こ とが で き る の か 。 学科 主任 に 変 わ り系 主任 の よ うな も の を人 選 させ る のか 。
・今 後 の 教 員 採 用 試 験 は どの よ うにす る の か る ( 現在 は 工 業 機 械 ・工 業 電 気 ・工 業 建 築 等 の よ
うに 分 けて い るが 工 業 一 極 め だ け にす る の か ) ま た 、教 員 の 人 事 は どの よ うに す る の か 。
・工 科 高校 で の 教 職 員 の 定数 は どの よ うに す るの か q ( 学 校 で 一 括 で の 定 数 か 、 そ れ とも従 来
の よ うな学 科 ご との 定数 か )
。1 0 年 前 よ り学 科 改 編 に て 機 械 科 か ら電 子 機 械 科 人 、或 い は電 気 科 か ら情 報 技 術 科 へ と し
た が 、 そ れ らの 総 括 は した の か 。 学 科 改 編 した の は意 味 が な か つた の か る
全 国 で は 5 校 の 工 科 高 校 ( 茨木 つ くば ・神 奈 川 平 塚 ・藤 沢 ' 東 京 六 郷 , 神 戸 市 立 ) が この
一
数 年 で 開校 して い る。 【資 料 1 3 】 大 阪 の よ うに 気 に全 て の 府 立 9 校 を名 称 変 更 す る の は
なぜ な の か 。
大 阪 の 工 業 教 育 の 中身 を大 改 革 し充 実 した い も の に した い の か 、 そ れ と も単 な る府 民 向 け
や 全 国 の 注 目を集 め るた め の もの だ け な の か c 【資 料 1 4 ・ 1 5 ・ 1 6 】
4 ) 企 業側 か らの 要 請 で は な く、公 教 育 の 立 場 か らの 改革 ヘ
ー
( 全体 計 画 ) の 中 に 「企 業 や 大 学 との協 力 の 下 に 」 や 「時 代 や 産 業 界 の ニ ズ に応 え る 工
業 教 育 と」 や 「産 業 界 と の 連 携 に よ り」 な どが あ る。 この よ うに企 業 か ら の 要 請 や 要 求 だ
け に 沿 うの で は な く、 製 造 立 国 日本 へ の 道 づ く り、 これ か らの も の 作 り社 会 へ の 人 づ く り、
地 元 大 阪 の 産 業 発 展 へ の 工 業 教 育 づ く りを公 教 育 を推 進 す る立 場 か ら進 め る必 要 が あ る の
で は な い だ ろ うか 。 そ の た め に は府 教 委 は基 本 の 姿 勢 に 戻 り、真 に 府 の 工 業 教 育 の あ り方
に つ い て 検 討 す べ き で あ ろ う。
高 校 現 場 と同 じ よ うに府 教 委 に お い て も勤 務 の 多 忙 化 は顕 在 して い る。 庁 内 の 組 織 改 革
に よ り、 この よ うな大 き な改 革 を人員 の 削減 等 で少 な い 人数 だ けで担 当 され て い る。 ま た 、
工 業 教 育 や 現 場 を知 らな い 一 部 の 府 教 委 上 層 部 の 机 上 の 計 算 と財 政 難 だ け で ( 全体 計 画 )
を 出 して い る よ うに 思 わ れ て 仕 方 が な い 。 この よ うな こ とが 事 実 で あれ ば 広 く保 護 者 や 府
民 に も知 らせ 、府 教 委 、 自 らが 問題 点 を解 消 し新 た に再 考 す べ きで あ る。
7、 しか し、 こ の 時 こ そ 、 工 業 教 育 の 発 展 を
1 ) し か し、 この 時 こそ 、 工 業 教 育 の 更 な る発 展 と充 実 がで き るチ ャ ンスで あ る。 管 理職 や
一 部 の 教職 員 が言 う 「反対 ばか りで はだ めだ 」 「ピンチ はチ ャ ンス 」論 の 根本 には府 教 委 に
対 して上述 の よ うな 立場 にた つてい な い 。
この 時 こそ 、我 々 が 目標 とす べ き の工 業 教 育 を再構 築す る時 で あ ろ う。 工科 高校 に な つ
て も入 学 して くる生徒 の 学 力 は困難 で あ る と予想 され る。 しか し、座 学 は苦 手 だ が 実習 は
得 意 だ とい う生徒 が必 ず い るはず で あ る。 手仕 上 げや 工 作機 械 、電 気 配 線 工事 、建 築測 量
や 化 学 実 験 な ど、基 本 的 な実習や 実験 は いつ の 時代 に も必 要 で あ る。 また 、高度 先 端機 器
等 に よる実 習 も当然 なが ら教 えなけれ ばな らな い 。 それ らのた め 、我 々教員 も 自 ら研 修 し、
努 力 す る の は 当然 で あ る。 また 、多 忙 化 の解 消や 施設 予算 の 配 置 、人 員 の 確 保 、 3 0 人 学
一
級 の 実現 な どの 要 求 も不 可欠 で あ る。 また 、職 場 で 働 く教職 員 の 層 の 団結 や 協 力 が求 め
られ て い る。
-6‐
卒業 式 等 にお け る 「
君 が 代 」 問題 や 勤務 評 定 。成 績 主 義 に つ なが る 「
評 価 育成 システ ム」
の 導 入 や 指 導 不 足 教 員 問 題 等 にお け る文 部 科 学 省 や 府 教 委 の 攻 撃 で 管 理 職 と教 職 員 が 、 ま
た 、 教 職 員 同 士 が 分 断 され て い る 。 こ れ らの 問 題 は マ ス コ ミ等 の 攻 撃 の 中 、難 しい 面 も多
々 あ るが 、 教 職 員 組 合 が 中 心 的 な役 割 を果 た し、 多 く の 人 に 問題 点 を訴 え 、解 決 して い か
な けれ ば な らな い 。 そ れ に は我 々 教 職 員 の 工 業 教 育 に 対 す る共 通 理 解 が 必要 で あ る。
2 ) 生 徒 ・保 護 者 ・地 域 な ど と共 に した取 り組 み を。
私 た ち の 教 職 員 組 合 で は 3 校 の 工 業 高 校 廃 校 反 対 署 名 を 昨年 9 月 よ り短 い 期 間 ( 約 2 ヶ
月 ) で 集 め た 。 生 徒 た ち が 自主 的 に 署 名 を 集 め て い る生 徒 会 もあ る。 ま た 、 各 種 の 支 援 団
体 が 発 足 され 、 府 教 委 の 高 校 つ ぶ し反 対 の 署 名 が 多 種 類 集 め られ た 。 そ の 署 名 数 2 7 万 名
( 定時 制 課 程 廃 校 や 各 校 の 統 廃 合 反 対 の 署 名 す べ て を含 み ) を 超 えた 。 大 阪 府 和 泉 市 議 会 で
は 「府 立 和 泉 工 業 高 校 の 廃 校 反 対 決 議 」 が 全 会 一 致 で採 決 され た。 大 阪府 高 槻 市 議 会 で も
高 校 つ ぶ しに 反 対 す る決 議 も採 決 され て い る。 駅 前 で の 街 頭 訴 え に も府 民 の 方 の 反 応 は他
種 の 訴 えや 署 名 活 動 と違 い 、 非 常 に 良 い も の で あ る。 や は り、 これ らに は 地 域 に根 ざ した
│
府 立 高校 と言 え よ う。 ま た 、 卒 業 生 も協 力 して くれ た 。
多忙 で 大 変 な 時 期 で あ るが 、 粘 り強 い 取 り組 み が 求 め られ て い る。 そ の 他 、 P T A ・ 同
窓 会 ・地 域 自治 会 ・地 域 の 小 中校 、 そ して 、何 よ りも広 範 な府 民 に訴 え 、府 民 の 方 々 の 協
力 と理 解 を得 、共 同 した運 動 が 必 要 で あ る。
、 ま とめ
1 の 「は じめ に 」 述 べ た よ うに大 阪府 は バ ブル 時 の ツ ケや 関 空 な どの 大 型 公 共 事 業 の ハ コ
物 行 政 で 莫 大 な ツ ケ が あ る。 勿 論 、税 収 の 減 少 や 不 況 に よ る要 因 の も の も あ る が 、 そ の し
わ 寄 せ をお 年 寄 りの 福 祉 の 切 り捨 て や 日本 一 高 額 の 公 立 高 校 授 業 料 な どで 見 られ る よ う
に弱者 切 り捨 て の施 策 を行 つて きた。 この 高 校 つぶ し もそ の 頭 若 な例 で あ る。
( 昭和 4 6 年 )
1965年
以 後 、 全 国 で 多 くの 革 新 知 事 が 誕 生 した 。 大 阪府 も 1 9 7 1 年
す
こ「
ヤ
公 害 知 事 さん 、 さよ うな ら、憲 法 知 事 さん 、 こん に ちわ 」 で 黒 田了 革 新 府 政 が誕 生
した 。 2 期 8 年 間 で は あ つた が 暮 ら し と福 社 を充 実 させ た 。 第 2 次 ベ ビ ー ブ ー ム で 中卒者
が 増 え る の を見 こ して 多 くの府 立 高校 を作 つ た 。 後 の 岸 府 政 の 間 に誕 生 した 府 立 高校 も黒
田府 政 時 代 に計 画 着 工 が 進 め られ て い た も の で あ る。 高 度 経 済 成 長 期 に新 設 され た私 が 勤
務 す る 工 業 高 校 を除 き、 大 阪 の 戦 後 の 新 設 高 校 の ほ とん どが 黒 田革 新 府 政 時 代 に 作 られ た
と言 つて も過 言 で は な い 。 【資料 1 7 ・ 1 8 】
そ れ らの 高 校 を あ の 語 る も恥 ず か しい 「選 挙 中 わ いせ つ 事 件 」 で 辞 職 した 横 山 ノ ノ ク府
政 、 そ して 2 期 目の 太 田房 江 知 事 らに よ つ て 、 つ ぶ され て い る し今 後 も続 く。
あ の ひ どい 東 京 都 政 で も新 しい 校 地 で何 億 を か け て新 校 舎 を建 設 して 今 春 、都 立 六 郷 工
・
科 高校 が 開校 す る。 神 戸 市 立 にお い て も統 廃 合 に よ る も の で あ るが 、新 しい 校 地 新 校 舎
で神 戸 市 立 先 端 技 術 高校 ( 全) や 工 科 高 校 ( 定) が 開校 す る。 内容 は批 判 す る べ き と こ ろ
もあ るか も知 れ な い が 、莫 大 なお 金 を掛 け て 新 校 を 作 っ て い る。 勿 論 、 お 金 を掛 けれ ば 良
い とい うも の で は な い が 大 阪 の よ うに財 政 難 で そ の よ うな余 裕 が な く、 お金 を掛 け られ な
い な らば何 も しな い で 、 い ま あ る施 設 を有 効 利 用 した方 が まだ ま しで あ る。
( 全体 計 画 ) が 出 され 1 年 経 過 し、 各 校 で は他 府 県 へ 共 同 で 出 張 して 、学 校 見 学 や 視 祭 を
行 つ て い る よ うで あ るが 参 考 に は して も模 写 な どす る必 要 は な い 。 府 教 委 へ なぜ 対 象 校 に
な つた か を学 校 に 説 明 に来 て 欲 しい と依 頼 して も校 長 よ り説 明 させ る と逃 げ る。 工 業 畑 を1
歩 ん で こ られ た 多 く の 校 長 は 工 業 教 育 を真 剣 に考 え られ て い る と思 う し、 ま た そ うあ つ て
ほ しい 。 しか し、 管 理 職 と して の 立 場 もあ り、 日で こ そ 言 わ れ な い が 府 教 委 へ の 不満 も多
々 あ るで あ ろ う。
また 、前 述 した よ うに府 教 委 の 担 当指 導 主 事 の 人 数 も極 端 に少 な い 。 期 日もあ ま り無 い も
対 象 校 と発 表 され た 現 場 の 職 員 はや る気 を無 く し転 勤 を考 えて い る。 そ の 他 、や る気 を無
くす よ うな教 育 行 政 を府 教 委 は どん どん現 場 に 押 し出 して くる。 こん な状 態 で の 改 革 な ど
は 、必 ず や 破 綻 す る と私 は断 言 で き る。
1
い
い
なぜ な らば 、府 教 委 は府 民や 生 徒 に 目を向 け て な の は 明 らか で は な い か 。
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