動くおもちゃ

5歳児かもめ組保育指導案
習 志 野 市 立 秋 津 幼 稚 園
担
任
男児17名
1
阿 部 香 織
女児8名(計25名)
研究主題
―幼小の交流を通して―
2
学級の実態
・ 男児 17 名、女児8名(4月よりの転入児 1 名、5 月よりの転入児 1 名)、計 25 名の学級である。
・ 全体的に明るく、自分の思いや考えを率直に表す幼児が多い。
・ クラスのほとんどの幼児がリレーを好んで取り組む。運動会練習の中でチームごとに競い合うことを経験し、繰
り返して取り組んだり、勝つためにチーム内で走る順番を考えたりする姿が見られるようになる。
・ 運動会では、友達の頑張っている様子(司会、リレー、用具の準備、片付けなど)を見て応援する姿が見られた。
自分の仕事を把握して最後までやり遂げようとする気持ちをもって行動している子が多い。自分で出来ることが
増えたことで、一人ひとりの自信につながっているようである。
・ 運動会で踊ったリズムを自分たちでかけて踊りながら楽しんでいる姿が見られる。年少児が振りを真似しながら
踊っていると、先生役になって踊っている姿が見られる。
・ 空箱製作では、数名の友達と一緒に一つのものを作ろうと考えを出し合って取り組む姿も見られる。特にタイヤ
が回転する動く車作りでは、それぞれが「もっと速く走らせたい」「もっと長く走らせたい」などというめあて
や「どうしたら曲がらないように走るのか」「友達より速く走る車を作りたい」などという課題をもって取り組
む様子が見られるようになってきた。また、秋の自然物などいろいろな材料、素材を使い、自分なりに工夫して
製作を進めている姿も見られる。
・ 運動会という共通の経験をしたことから、友達同士共通のめあてをもち、継続して遊べるようになってきている。
友達との遊びの中で、自分のイメージを出したり、友達の考えを受け入れたりしながら、遊びを進めていこうと
する姿が見られるようになってきている。
3
期のねらい(11
期のねらい(11月から
11月から12
月から12月まで)
12月まで)
○ 友達との遊びに共通のめあてをもち、相手の考えやイメージを受け入れながら自分たちで遊びを進めていけ
るようになる。
○ 自分なりのめあてに向かって挑戦したり、試したり、工夫したりして取り組む。
○ 学級全体や園全体で行う活動を楽しみにしながら、みんなで協力して取り組む。
○ 園内、近隣などの身近にある秋から冬にかけての自然に関心をもつ。
○ 冬に向かっての生活習慣を見直し、進んで行う。
4
週のねらい(11月5日から11月9日まで)
週のねらい(11月5日から11月9日まで)
○ 自分のイメージや課題に向かってのびのびと表現したり、試したり工夫したりする。(製作、描画)
○ 友達と力を合わせたり教えあったり認め合ったりしながら遊びを進めていき、満足感や達成感を味わう。
5
本時のねらい
○ 長距離走る車やまっすぐ走る車など、作りたい車のイメージや課題に向かい、繰り返し試したり工夫したり
する。
○ 4年生や友達に、自分が作りたい車のイメージやどこを直したいのかという思いを伝えたり、相手の話を聞
いたり、受け入れたりしながら一緒に活動することを楽しむ。
6
一日の活動の流れ
8:50
時間
00
9:35
9:40
9:50 ~ 10:
10:50(本時)
50(本時)
(4 年 1 組・4
組・4 年学習室・
3階オープンスペース
3階オープンスペース)
オープンスペース)
降園
当番交代
降園準備
小学校へ移動する
(動く車作りのめあてを確認する)
集まる
・巧技台など
(とんぼの部屋、絵本の部屋)
☂室内遊び
活動内容
・リレー、ドッジボールなど
☀戸外遊び
当番活動
所持品の始末
登園
4年生交流(小学校)
4年生交流(小学校)
動く車製作
動く車製作
11:
11:
1
学
期
製製製製
空箱製作
★より、そのものらしく
見えるようにと、形の
組み合わせや新しい材
料に目を向ける姿が見
られた。
★友達同士で考えや思い
を出し合いながら一つ
のものを作っていく姿
がある。
作作作作
活活活活 動動動動
●幼児のイメージを聞き
ながら、ティッシュや
紙テープなど、今まで
とは違う材料にも目が
向くようにしたり、教
師が見本を提示したり
していく。
・新たな材料を使うこと、
本物のイメージに近づ
けること、友達とイメ
ージを重ね合わせなが
ら作ることが意欲につ
ながった。
パッチン蛙製作
★友達と飛ぶ高さを競
い合ったり、いくつ
も作ることを楽しん
だりしている。
●見本を見せたり飛ば
して見せたりして、
作ってみたい、やっ
てみたいという気持
ちになれるようにす
る。
●どうしたら高く飛ぶ
のか、作り方や飛ば
し方のコツを知らせ
ていく。
・導入時、クラスのほ
とんどの幼児が成功
感を味わえるよう
に、教材を準備する
ことで、その後も多
くの幼児が繰り返し
取り組んだ。
糸電話製作
★4 年生に教えてもらっ
た糸電話の作り方を思
い出しながら、園でも
一人で作ってみようと
する姿や、年少児に教
えたり作ってあげたり
する姿が見られた。
●色々な種類の糸電話が
作れるように、色々な
種類、大きさの紙コッ
プや、色々な材質の糸
を用意しておく。
●年少児に作ってあげて
いる姿を認めていく。
・材料を用意しておくこ
とにより、すぐに試し
てみる姿が見られた。
今後も 4 年生との活動
を園でも取り組んでい
けるように、材料や場
を確保していきたい。
自然物を使った製作
★色々な色や形の木の実、
葉などの組み合わせを
考え、木の実ケーキや壁
掛けなどを作った。
★木の実などを使い、マラ
カスを作り、容器と中に
入れるものによってい
ろいろな音になること
を繰り返し試していた。
●様々な秋の自然物(ど
んぐり、松ぼっくり、
その他の木の実など)
を幼児と一緒に集めた
り、種類に分けて置い
たりしておく。
●発想のきっかけとなる
見本を提示する。
・木の実や木の葉の質感、
色、形が生かせる補助
材料がポイントだと感
じた。
5/11(金)・22(火)5/28(月)
6/18(月)
6/21(木)
<園庭で遊ぶ>
<作ってくれたもので遊ぶ>
<糸電話を作って遊ぶ>
<給食を食べる>
4444
年年年年
生生生生 とととと
★昨年の交流を思い出し、4 年生
に積極的にかかわって遊んだり、
喜んではしゃいだりしている姿
がある。
☆リレーやドッジボールでは園児
に対し少し手加減をしながら
も、一緒に遊びを楽しんでいる。
★数名の園児と 4 年生がリレーを
始めると、次々と他の子どもた
ちも加わり、大勢で競い合うこ
とを楽しんでいる。
のののの
交交交交 流流流流
●4 年生と自然な形で出会えるよ
うにし、4 年生が誘いかけている
姿や手をつないだり会話をした
りしている姿を認めていく。
●遊ぶ相手が見つからない子に
は、教師から声を掛け、何をし
て遊びたいのか聞いていきなが
ら、4 年生に伝えていく。
・昨年度4年生と遊んだ楽しい思い
が活きていて、積極的にかかわっ
ていき、親しみをもち始めている
様子がうかがえた。
・今後の活動に向け、相性の良い 4
年生について個別に把握するこ
とに努めたい。
★4年生の作ってくれた糸電話、
割り箸鉄砲、すごろく等に興味
をもち、遊び方を教わりながら
一緒に遊ぶことを楽しんでい
る。
★4 年生が帰った後も園で楽しむ
姿があった。
●4 年生が作ってきてくれたり、
遊び方を教えてくれたりして
いる姿を認め、幼児も感謝の気
持ちがもてるようにしていく。
●園児が自分でできるというこ
とを4年生に伝えられるよう
に声をかけたり、教師がつぶや
いたりする。
●もらったもので遊べる時間を
確保していく。
・幼児ができそうなところも 4
年生がやってあげてしまう姿
がみられた。次回はそんな 4
年生に助言していくことを考
えていこう。
9/18(火)
<園庭で遊ぶ>
★いくつも糸電話を作ることを
楽しむ幼児や、紙コップの装飾
を楽しむ幼児がいる。
★4 年生に糸を張って話すという
ことを教えてもらい、張れる子
もいるが、だんだん近づいてき
てしまい聞こえなくなってし
まう子もいる。
●糸電話が聞こえたことに対する
嬉しさに共感し、達成感が味わ
えるようにする。
●4年生へは幼児の思いを考えた
り聞いたりしながら遊ぶ姿を認
めていく。
●園でも試せるよう、同じような
材 料、用具を準備しておく。
・糸電話が聞こえる仕組みが幼児
には分かりづらく、話す際に糸
がたるんでしまう姿が見られ
た。幼児にも分かりやすい製作
を考えていく必要があった。
・園でも教えてもらったことを振
り返りながら糸電話製作ができ
るように材料を用意していきた
2 学期
空箱製作(車)
★本物らしく作っ
たり、装飾にこだ
わったりして作
ったりする姿が
見られる。
空箱製作(動く車)
★動くタイヤの作り方を
教えてもらった後は、キ
ャップに穴を開けたり、
ストローや竹ひごを切
ったり、できそうなとこ
ろをやってみようとす
る。
●イメージした車が作れ
るように、色々な材料、
素材を用意しておく。
●きちんと走るかどうか
試せるような、簡単なコ
ースを幼児と一緒に設
定していく。
・車やコースの装飾の方に
こだわりを見せる幼児
が
出てきたので、少しずつ
車の速さに気持ちが向
くように援助の仕方を
空箱製作(動く車)
★4 年生に教えてもらった
ことを振り返りながら、更
によく走るにはどうした
らよいのか試しながら作
っていく姿が見られる。
★更に長距離走る
車、まっすぐ走る
車、速く走る車を
作ろうとする幼
児がいる。
★よく走る車を作
ったことから、そ
の車を走らせる
コースを更に工
夫して作ってい
こうとする姿が
見られるように
なる。
●車の装飾や本物らしい
コースよりも、速く走
ることや、まっすぐに
走ることに目が向くよ
うに、よい走りをする
車を紹介したり、認め
たりすることを多くし
ていく。
・次回は車のどこをどの
ように直していきたい
のか、またはどんな車
を作りたいのかという
幼児の思いを聞いて4
年生に伝えていきた
い。
今後の活動
●車の走り方が競え
るようなレースを
したり、一人一人
の工夫点を認めた
りしていく。
本本本本
●タイヤは動かな
いが、車を作る
経験ができるよ
うに材料を用意
したり、教師が
提示したりす
る。
●互いの作品が見
合えるような、
場を設けてい
く。
・次回の4年生と
の交流で、タイ
ヤの動く車作り
へと発展させて
いきたい。
11/9(金)
時時時時
10/5(金)
<どんぐりの製作をする>
●タイヤが動いて走ると
いうことを共に驚き、
「4 年生ってすごい」
という気持ちがもてる
ようにする。
●タイヤがうまく回らな
い場合は、どうして動
かないのか一緒に考
え、必要に応じて助言
していく。
・今回の交流を経験し、
園でも動く車作りがで
きるように、材料や場
を準備していきたい。
●幼児の思いを聞きな
がら、幼児の気持ち
に添って作っている
4 年生を認めていく。
●4年生に対して、園
児が出来そうな部分
と手伝いが必要な部
分を知らせていく。
・次回はどんな車を作
りたいか、幼児の思
いを事前に聞いて4
年生に伝え、互いに
めあてをもって製作
に取り組めるように
していきたい。
照照照照
・穴を開けるという経験
を今後の製作活動にも
生かしたい。
・友達の作品に目を向け、
自分に必要な情報を取
り入れようとする姿が
多く見られるようにな
ったことを感じた
★今まで作っていた車と
は違い、タイヤが動い
て走る車を 4 年生に見
せてもらい、実際に自
分で動かしてみて驚い
たり、作ってみたいと
いう気持ちがでてきた
りする。
☆タイヤがうまく回らな
いと、どこを直せばい
いのか考え、幼児に知
らせながら直していく
姿がある。
<動く車を作って遊ぶ>
★「もっと長距離走るよ
うにするにはどうし
たらいいか」などとい
う思いを 4 年生に相
談する姿が見られる。
☆4年生や友達の作っ
た車と競争して楽し
む姿が見られる。
☆幼児の思いを聞いて、
一緒に考えながら作
り変えたり試したり
する姿が見られる。
参参参参
●事前に、幼児ができそ
うなところ、4 年生に
手伝ってもらいたいと
ころを具体的に 4 年生
に知らせておく。
●よく回るコマとあまり
回らないコマの違いに
目が向くようにする。
<動く車を作る>
11/1(木)
案案案案
★どんぐりの穴あけの方
法を知り、どんぐりこま
やペットボトルキャッ
プこまを作る。
☆幼児が穴を開けやすい
ように、少し穴を開けて
からどんぐりを渡して
いる姿が見られた。
10/24(水)
★園で作ったコース
を 4 年生にも見せ
たいという幼児が
いる。
☆園で作ったコース
で実際に車を走ら
せてみて幼児と一
緒に楽しむ姿や、更
にコースを工夫し
て作ろうとする姿
が見られる。
● さらに発展して
車作りやコース
作りが継続して
いけるよう、4
年生を誘った
り、アイディア
をもらいに行っ
たりできるよう
サツマイモ
バーティー
★さつま芋を料理
して一緒に食べ
る。
3 学期
節分・発表会
★行事を一緒に
楽しむ。
※事前、事後の援助
●教師の援助
環境構成
<事前に>※ 動く車のどこをどのように直していきたいのか、またはどんな車を作りたいのかという幼児の思いを、事前に 4 年生に伝えておき、あらか
する。
※ イメージ通り走るか確かめたり、友達とどこまで走るか距離を競ったりできるような遊びの場を事前に 4 年生と幼稚園の教師が一緒に作っ
※ 4 年生に伝えた動く車作りの思いや願いを再確認し、目的をもって製作に取り組めるようにしていく。
9:50 ○始めの会
● 始めの会は小学校の教師が担当するが、必要に応じ幼稚園の教師も幼児の思いを代弁するなどの援助を行う。
10:00 ○動く車を作り、遊ぶ ● 互いに名前で呼び合えるよう援助していく。
動く車製作<幼児に対して>
動く車製作<幼児に対して>
● できないことや、手伝ってほしいことなど自分の思いを4年生に伝えるように声をか
動く車で遊ぶ
ける。言えないときは、4年生に聞いてもらったり、教師と一緒に言ったりして伝え
<幼児に対して>
られるようにする。
● 完成したことを共に喜び、
「よく走るね」
「~が上手に作れたね」な
● 4年生が手伝ってくれたこと、教えてくれたことに対し、嬉しい気持ちや感謝の気持
ど、考えたり工夫したりして作ったところを具体的に認めていく。
ちを幼児が伝えていけるよう仲立ちの援助を行う。
● うまく走らない場合やイメージ通りの車が出来ない場合は「どのよ
● 製作が得意な幼児に対しては、
「○○君は作るのが上手だからそこもできそうだよ」と
うにすればいいのか」4年生と一緒に考えていけるよう、必要に応
幼児に聞こえるように 4 年生に伝え、自信や意欲につながるようにしていく。また、
じてヒントとなる言葉をつぶやくなどの援助を行う。
必要に応じ友達の作品にも目が向くようにし、いろいろな材料や作り方にも気付いて
● 更に「~したい」という要求に応じた遊びの場作りができるよう、
いけるようにする。
ダンボールやガムテープなども準備しておく。
● 製作が苦手な幼児に対しては、意欲を失わずに進めていけるよう 4 年生に手伝いの内
● 友達の作品や遊び方にも目が向くような援助を行い、問題解決や新
容が具体的に分かるようなアドバイスを行う。また成功感や満足感を多くもてるよう
たなめあてをもつきっかけとなるようにする。
4 年生や 4 年生の教師からも認めや共感の言葉をかけてもらえるようにしていく
● 幼児がイメージ通りの車を作ることが出来たとき、
4年生に優しく
【小学校
3 階】
<4年生に対して>
教えてもらったことへの感謝の気持ちがもてるようにしていく。
● 幼児の思いを聞きながら進めていく姿や幼児に分かるように説明している姿、手を添
<4年生に対して>
えて手伝っている姿などを認め、年長者としての自信や意欲が高まるようにする。
● うまく走らない場合など、原因が思いつかないようであれば、よく
● 幼児がキャップの中心に穴を開けたり、
竹ひごを適当な長さに切ったりできるように、
走るものと何が違うのか比較したり、ヒントとなる投げかけを行っ
4 年生がどこを押さえてあげればできるのか等、具体的な援助の方法を考えられるよ
たりする。
うに声をかけていく。
● 幼児の「~したい」という思いを聞いて、作り直したり、どうすれ
● 必要に応じ「○○ちゃんにもできそうだな」とつぶやき幼児ができそうなところを 4
ばいいのか優しく教えている4年生を認めていく。
年生に伝えていく。
時間
○活動の流れ
10:35 ○片付ける
○終わりの会
○感想を話す
10:50 ○幼稚園に戻る
<準備する教材、用具>
・ 空き箱
・ 竹ひご・ストロー
・ フィルムケースキャップ・
・ ペットボトルキャップ
・ 油性ペン
・ 段ボール・色画用紙・アルミホイル
・ セロテープ・ビニールテープ・色ガム
・ テープ など
4 年2組
オープンスペース
(遊ぶコーナー)
遊ぶコーナー)
廊下
4年1組
(製作コーナー)
製作コーナー)
4 学年学習室
(製作コーナー)
製作コーナー)
動く車で遊ぶ
<幼児に対して>
● 完成したことを共に喜び、
「よく走るね」
「~
が上手に作れたね」など、考えたり工夫し
たりして作ったところを具体的に認めてい
く。
● うまく走らない場合やイメージ通りの車が
出来ない場合は「どのようにすればいいの
か」4年生と一緒に考えていけるよう、必
要に応じてヒントとなる言葉をつぶやくな
どの援助を行う。
9 評価
○ 4年生や友達に自分の思いや考えを伝えたり、相手の話を聞いたり、受け入れたりしながら一緒に活動することを楽しんでいたか。
○ 自分なりのイメージや課題に向かい、試したり工夫したりしていたか。