(社)日本アマチュアボクシング連盟競技規則 (平成4年12月18日改訂) (平成5年2月20日改訂) (平成15年7月5日改訂) (平成22年10月5日改訂) 1 (社)日本アマチュアボクシング連盟競技規則 リング 第1条 リングは次の規定に従う。 (1) 広さはロープ内が 16 フィート(4.9 メート)以上 20 フィート (6.1 メートル)以下の正方形で、ロープの外側は少くとも 18 インチ(46 センチ)以上なければならない。床の高さは 3 フィ ート(91 センチ)以上 4 フィート(122 センチメートル)以下 を原則とする。 (2) 床は水平で厚さ 1/2 インチ(1.3 センチ)3/4 インチ(1.9 センチ) のフエルト又は同じ程度の柔軟なものを敷き、キャンバスで全 体を覆う。 (3) リングロープは3本、又は4本とする。3本の場合は床から 40 センチ、80 センチ、130 センチの高さに、4本の場合は床から 40 センチ、70 センチ、100 センチ、130 センチの高さに、太さ 3センチから5センチのロープを四隅の柱から強く張ってかこ む。 (4) ロープの角にはパットを当てがい、3センチから4センチの幅 のキャンバス布2本でロープを等間隔につなぐ。 (5) リングに3台の階段を備える。2台は選手とセカンドが使用す るために赤と青のコーナーに、また1台はレフリーと医師が使 用するために中立コーナーに備える。 グローブ 第2条 シニアの部、ジュニアの部とも片手の重さ10オンス(284g) 2 とする。但しジュニアの部ウェルター級からスーパーヘビー級 まで 12 オンス(339g)のグローブを用いる。皮革の部分は 1/2 より軽く、詰物は 1/2 より重くなければならない。紐は必ず手首 の外側で結びマジックテープのグローブも可。詰物をかた寄せ たり凹ませてはならない。 バンデ―ジ 第3条 競技者は片手に長さ 2.5 メートル以下、幅 5 センチ以下のやわ らかい繃帯(ほうたい) 、または長さ 2.5 メートル以下の伸縮性 バンデ―ジを着用する。しかしそのほかのテープやゴム、粘着 性膏薬などは使用できない。ただし長さ 7.5 センチ、幅 2.5 セン チ以下の絆創膏で手首の上部を止めてもよい。マジックテープ 長さ(5 センチ)で固着する方式のバンデ―ジも使用することが できる。 服装 第4条 競技者の服装は次の規定に従う。 (1)スパイクのない柔軟なシューズと靴下をはき、ランニングシ ャツと腿の半分くらいあるトランクスを着用する。 (2)トランクスとシャツが同色のときは、ベルト・ライン(臍の腺) が明白に色わけされていなければならない。 (3)ガムシールドとカップ・プロテクターは着用しなければならな い。但し赤いガムシールドは認めない。またジャックストラップ は用いてもよい。 (4)競技者はヘッドギヤーを着用しなければならない。規格は別に 定める。 3 (5)競技中はその他の物は着用できない。 (6)顔面や腕その他に油脂類を塗ったり、有害な不快な薬品などを使用 してはならない。 (7)グローブや服装が常態でなくなったときは、レフリーはできるだけ 早く処理するために一時競技を中止することができる。 (8)カップ・プロテクターを着けなかったり清潔で適切な服装をしてい なければ、レフリーは出場を停止できる。 リングの準備 第5条 リングには次の準備をする。 (1) こまかく砕いた松ヤニを入れた浅い箱2個 (2) セカンド用の椅子2脚 (3) 休憩中選手が座る椅子2脚 (4) 湯呑み2個 (5) 水瓶2本 (6) オガ屑を入れた盆2個 (7) バケツ2個 (8) ゴング(係員とも)またはベル (9) 役員用の椅子と机 (10) ストップ・ウォッチ(できれば2個) (11) AIBA様式のスコアリング・カードの綴り (12) 記入ずみのスコアリング・カードを入れる鍵のついた 箱 (13) 救急箱 (14) ラウド・スピーカーに接続してあるマイクロフォン 4 体重と階級 第6条 体重による階級は次に従う。 ライトフライ級 46キロ超 49キロ迄 フライ級 49キロ超 52キロ迄 バンタム級 52キロ超 56キロ迄 ライト級 56キロ超 60キロ迄 ライトウェルター級 60キロ超 64キロ迄 ウェルター級 64キロ超 69キロ迄 ミドル級 69キロ超 75キロ迄 ライトヘビー級 75キロ超 81キロ迄 ヘビー級 81キロ超 91キロ迄 スーパーヘビー級 91キロ超 但し、ジュニアの部にはライトフライ級に下に次の階級を設ける ピン級 46キロ迄 計量 第7条 計量は次の規定に従う。 (1)競技者は試合当日、8時から10時の間の指定された時刻に計量す るのを原則とするが、組み合わせのため前もって計量することもある。 不可抗力で計量に遅れたときの処理は競技会の責任者がきめる。 (2)計量は連盟で任命した役員が行い、その他のものはどんな方法でも 干渉できない。 (3)競技者の階級は最初の公式計量できまるが、2回目以降の計量で体 重が超過した時は資格を失う。個人トーナメントの場合は2回目以 後の体重はその階級に満たなくてもよい。 (4)団体トーナメントでは2回目以降の体重が前回の階級に満たないと 5 きは 前回の階級かその日の階級で出場できる。 (5)競技者は抽籤前に連盟の指定医師から出場可否の診断を受けな ければならない。 (6)計量は下着以外は裸で 1 回行い同じ階級のものと競技するのを原 則とする。選手が希望すれば、全裸で計量器に乗ることができる。 計量器は公認の台秤、棹秤又は50g刻みのデジタル秤を使用する。 (7)招待競技については次のように定める。 (a) 計量は主催者側が行い、招待された側は立ち会う権限が ある。 (b) 計量の結果、超過が500グラム以内なら競技できる。 しかし勝敗の如何にかかわらず選手の得点は0点にな る。 (c) 両選手がウエイトを超過したときはともに0点になる。 (d) ウエイトの超過が500グラムを超え3キロ以内なら、 相手が認めれば競技できる。ただし得点は(b)項に準ずる。 (e) チームの得点は勝者2点、敗者1点とする。 (f) 主催者は相手が到着した時から計量機と練習場の準備 をしておく。 抽籤 第8条 抽籤は検診と計量の後に行う。 (1) 競技者が3人以上のときには第2戦に2,4,8,16, 32・・・・人が残るように組み合わせる。 (付図A参照) (2) 1回戦の抽籤勝ちは、2回戦では1回戦の出場者より先 に競技しなければならない。 (3) 競技順序は抽選番号の1番対2番、3番対4番・・・・ 6 とする。 (4) 抽籤勝ちの数が奇数のときは、最後の抽籤勝ちは2回戦 では1回戦の最初の勝者と組み合わされる。(付図B参 照) (5) 競技はできるだけウエイト順に行う。 ラウンド 第9条 競技時間は次の規定に従う。 (1) 1競技の時間はシニア(第24条参照)は3分3ラウンド でジュニアは2分3ラウンドとする。各ラウンドの間には 1分の休憩をおく。但しジュニアの競技で、高体連及び日 本連盟が認めたときは、3 分3ラウンドを行うことができる。 (2) 競技開始前に前もってきめたときは3分4ラウンドまたは 2分6ラウンドにすることができるが、競技開始後は競技 時間を延長したり短縮することはできない。 セカンド 第10条 競技は1人のチーフ・セカンドと1人のアシスタント・セカ ンドをもつことができる。セカンドは次の規定に従う。 (1) リングにあがれるのはチーフ・セカンドとアシスタント・セカ ンドで1名がリング内に入ることができる。 (2) ラウンド中は声援や激励、合図など一切してはならない。 (3) ラウンド中の棄権はリング内にスポンジやタオルを投げ入れて しめせるが、レフリーがカウントの過程にあるときは棄権でき ない。 7 (4) ラウンド開始前にリングから椅子やタオル、バケツなどを片づ けて自分もリングからおりる。 (5) 規則に違反したときは注意や警告を受け、または資格を失うが そのため競技者も注意や警告を受け失格になることもある。 (6) セカンドや競技役員が声援や激励で観衆を刺激した時も資格を 失う。 審判員 第11条 審判はリング内で競技を管理する1名のレフリーと、一般観 衆から離れてリングサイドの中央で採点する5名(2名は同一側に適当 に離れて座る)又は3名のジャッジで行う。ただしレフリーは採点しな い。 (1) 公認裁判員は社団法人日本アマチュア・ボクシング連盟(以下 日連と称す)の認定を得なければならない。 (a) 公認審判委員は2年以上の実際的経験をもつか、これと同等 以上と認められるもので、日本アマチュア・ボクシング競技規 則とその適用に精通し中立公正でなければならない。 (b) ジャッジとして資格のないものはレフリーとして行動でき ない。 (2) 競技会の審判員リストは審判委員会が作成する。 (3) 審判員は連盟の許可がなければ当日出場する選手やチームのセ カンド、コーチ、マネージャーなどを務めてはならない。 (4) 競技中レフリーに事故があったときは、中止して別のレフリー がリングにあがってから競技を続ける。 ジュリー 8 第12条 日連主催やその他の競技会にはジュリーをおく。 ジュリー を務められるのは日本連盟がジュリーとして資格を認定した者とする。 (1) 日連主催の競技会におけるジュリーはジュリー資格を有する競 技委員及び審判委員の中から若干名を理事会で選出する。 (2) ジュリーは各試合の得点を記録および採点し各ジャッジの得点 と比較できるようにする。 (3) レフリーが明らかに競技規則に違反した決定を行ったとき、又、 ジャッジがスコアリング・カードに間違った記載をした時はジ ュリーは訂正について指示する。 (4) 劣勢な競技者が不必要な打撃を受ける危険性のあるときは、レ フリーに競技の中止を勧告することができる。 (5) ジュリーはスコア・リングカードを点検し、得点の計算や競技 者の氏名、所属、勝者の記入、ジャッジの署名などを確かめる。 (6) 判決の結果をアナウンサーに知らせる。 (7) 規則を有効適切に行わないレフリーと採点の不充分なジャッジ を審判委員会に報告する。 (8) レフリーやジャッジの判決は最終で覆すことはできない。した がってジュリーはどんな抗議も受け入れてはならない。 (9) 特別の場合を除いて、その競技会のレフリーやジャッジを務め ることはできない。 (10)正常な状態で競技できないような事態が起こったり、レフリー が任務を続けられないときは、ジュリーまたは大会責任者は競技が再 開できるまで中止することができる。 レフリー 9 第13条 レフリーは白いシャツとズボンを着用し、踵の低い白の軽い靴 を履いてリング内で競技を管理する。 (1) レフリーは次の役目を行う。 (a) 競技者のグローブや服装を点検する。 (b) 劣勢な競技者が不必要な打撃を余分に受けることを防ぐ。 (c) 規則とフェアプレーが厳重に守られるよう監視する。 (d) あらゆる場合に競技を管理する。 (e) 競技が終わったらスコアリング・カードを集め、引き合 わせてジュリーに渡す。 (f) ファウルで失格にしたり、競技をストップしたときは、 その理由とどちらの選手をストップしたかをジュリーに しらせる。 (g) 判決が発表されたら勝者の片手をあげて表示する。 (2)レフリーは次の3つの命令語を用いる。 (a) 「ストップ」 競技の中止を命じるとき。 (b) 「ボックス」競技の続行を命じるとき。 (c) 「ブレーク」クリンチを解くとき。そして必ず競技者を ステップ・バックさせる。 (3)レフリーは次の権限をもつ。 (a) あまりワンサイドのときは、どんな場合でも競技を中止 して勝敗を決めることができる。 (b) 負傷その他で競技の続行を不適応と認めたときは競技を 中止して勝敗をきめる事ができる。 (c) スポーツマンライクでないときは、競技を中止して勝敗 を決めることができる。 (d) ファウルを防ぎ、フェアプレーを守らせるために注意を 与え、警告を発しルールの服従を確かめることができる。 10 (e) 命令に従わなかったり、また反抗的な態度をとる競技者 を失格することができる。 (f) ルールに違反したセカンドを失格することができる。も しセカンドが命令に従わなければ競技者を失格すること ができる。 (g) ファウルを犯した競技者を警告の有無にかかわらず失格 することができる。 (h) ダウンのときにレフリーの指示するコーナーに行かずに ためらっているときは、カウントを中止することができ る。 (i) 実際上の競技に関する限り、ルールの解釈やルールに規 定されていない問題を処理することができる。 (4)レフリーはファウルに対して次のように処理する。 (a) 競技者の違反を適当な合図や身ぶりで指摘する。 (b) スポーツマンシップに反する行為や重要でない規則違反 を防ぐために与える注意は、必ずしも競技を中止せずに ラウンド中の安全で適当な機会を利用してもよい。 (c) 失格に価しないファウルは競技を中止して警告する。警 告は理由と目的が分かるように与えなければならない。 (d) 警告のときは各ジャッジに手で合図し違反者を明瞭にし めさなければならない。警告後は「ボックス」と命じる。 (5) レフリーは医師の健康診断を受けなければならない。競技の進 行中眼鏡はかけられないが、コンタクト・レンズの使用は差し 支えない。 ジャッジ 11 第14条 ジャッジは両競技者の価値を自主的に判断し、規則に従って それぞれ勝者を決める。 (1) 競技中はレフリーやジュリーの長を除いて、競技者や他のジャ ッジ、その他に話しかけることはできない。 (2) レフリーの気づかなかったセコンドの違反やロープのゆるみ等 を、必要なら休憩中にレフリーに進言できる。 (3) ラウンドが終わったらすぐに両競技者の得点を記入する。 (4) 競技が終わったら得点を集計し、勝者を記入して署名をする。 その判決は公表される。 (5) 判決が公表されるまでは席を離れてはならない。 タイムキーパー 第15条 タイムキーパーは競技中リングサイドで計時する (1) 各ラウンドの開始5秒前にセカンドにリングからおりるように 合図する。 (2) 各ラウンドの開始と終了をゴングその他で知らせる。 (3) 開始のゴングを鳴らす直前にラウンドの数を知らせる。 (4) 競技を一時中止するような事態が起こったとき、またはレフリ ーから指示された場合はその中止時間を延長する。 (5) 競技中レフリーに事故があったときは中止のゴングを鳴らし代 りのレフリーがリングにあがってから競技を続ける。 (6) ラウンドやカウント、その他すべて必要な時間を計時する。 (7) レフリーのカウント中は手で秒の経過を合図する。 (8) レフリーがカウントの過程にあるときは、ラウンドが3分(ジ ュニアは2分)に達しても終了の合図をせず、 「ボックス」の命 令で始めてゴングを鳴らず。 12 (9) ラウンド間の休憩時間は正味1分とする。 競技の判決 第16条 競技の判決は次の規定に従う。 (1) ポイント勝 競技終了後ジャッジが与えた得点勝ちの多数決で勝者を決定す る。両競技者とも負傷するか同時にナックアウトになって競技 が続けられないとき、またはトーナメントの最終試合で第2ラ ウンド以降に偶発的負傷により競技が続けられないときは、そ れまでの得点で決める。 但し、トーナメントの準々決勝までの競技に於いて、両競技者 がナックアウトを宣告されたときは、両競技者とも負けとする。 (2) 棄権勝 負傷その他の理由で競技者やセカンドから自発的に棄権を申し 出たり、ラウンドが開始されても競技を続けられないときは相 手を勝ちにする。 (3) レフリー・ストップ・コンテスト勝 (a) ワンサイド 両競技者の実力に格段の差があるか、ひどい強打を受けたと レフリーが判断したときはストップして相手を勝ちにする。 (b) 負傷 (ア) 負傷または健康管理上、競技の続行が不適切な時は ストップして相手を勝ちにする。この決定権はレフ リーにあるが、医師に相談した時はその勧告に従わ なければならない。 (イ) トーナメントの最終試合で第1ラウンドで偶発的負 13 傷により競技が続けられなくなった場合は、負傷を しない競技者が勝者となる。 (c) カウント・リミット 競技者が1ラウンドに3回または同一試合において4回カ ウントを受けたときは、相手が勝者となる。(ジュニアにお いては1ラウンド中に2回、同一試合において3回とする。) 但し、ファウルによるダウンまたはカウントは含まない。 (4) 失格勝 競技規則第18条のファウルを犯して失格になったときは相手 の勝ちになるが、両競技者とも失格になるときもある。故意の ファウルで失格になったときは、その競技に関する一切の賞品 や賞状などを与えない。 (5) ナックアウト勝 競技者がダウンして10秒以内に競技を続けられないとき、ま たはレフリーがカウントを省略した時は相手を勝ちにする。 但し、トーナメント戦の準々決勝までの競技に於いて、両競技 者がナックアウトを宣告されたときは両競技者とも負けとする。 (6) ノウ・コンテスト リングの破損や電灯の故障、天地異変、観客の騒乱など、競技 者の責任外またレフリーの管理外の出来事のために常態で競技 できないときは、レフリーは中止してノウ・コンテストを宣す る。 その後の処理は連盟が決定する。 (7) 不戦勝 選手紹介等のアナウンスがされても競技者の一人がリングに登 場しなければゴングが鳴らされる。その後3分以内に選手がリ 14 ングに登場しなければ相手を勝にする。レフリーはジュリーと 各ジャッジに不戦勝を知らせてスコアリング・カードを集め、 アナウンスがあったら勝者の手をあげる。 得点の与え方 第17条 得点評価および点数の授与は次の原則に従う。 (1) ヒット (a) 各ラウンド毎によく握ったグローブのナックル・パートで相 手のベルト・ラインから上の前面や側面に、妨げられたり防 がれずに直接当たったヒットの数によって両競技者を評価 する。 (b) 接近戦の連打の応酬においてヒットと評価するかどうかの 判断が不可能な時は、離れてからその効果に応じて評価する。 (c) 次のようなヒットは得点にならない。 ナックル・パート以外、またはオープン・グローブ、その他 ルールに反するヒット。 腕部へのヒット。 体や肩の重みを伴わないヒット。 (2) ファウル (a) 競技者の犯したファウルはレフリーは認めても認めなくて も、ジャッジは適切に評価する。 (b) レフリーが警告を与えたときには反則者から1点を減じる ことができる。レフリーの警告を認めて減点した時には違反 者の該当欄に「W」と記入し、認めずに減点しないときは「X」 と書く。 (c) レフリーが指示しなくても警告に値すると認めて1点減じ 15 たときは、 「J」と記入してその理由を簡単に書く。 (3) 採点法 (a) 各ラウンド毎に勝れた(より巧妙な)競技者に20点、劣勢 な競技者には比例的に減じた得点を与え、分数による点数は 与えない。両競技者がまったく互角のときはともに20点を 与える。 (b) 正しい3つのヒットに対し1点・レフリーの警告に同意した 場合およびジャッジによる減点は一回に1点とする。 ヒットの数 1 2 3 4 5 6 7 8 9 10 11 12 13 14・・・・ 得点の授与 0 1 1 1 2 2 2 3 3 3 4 4 4 5・・・・ (c) 両競技者の総得点が同数のときは次の順序によって勝者を 決めなければならない。 第1に競技中の主導権を握るか,より優れたスタイルをしめ した競技者。第一条件が同じ時はより巧みに防御した競技 者。 (d) ナックダウンに対しては特別な点数は与えない。 ファウル 第18条 ファウルに関しては次の規定に従う。 (1) レフリーの命令に従わなかったり、ルールに違反したり、スポ ーツマンらしく競技しなかったり、反則行為を犯した競技者は 注意や警告を受け、または失格になる。同じ種類の反則行為3 回目に対しては警告を与える。 1競技で3回警告を受ければ自動的に失格になるが、無警告でも 失格になることもある。 (2) 競技者はセカンドに対しても同様な責任を負う。 16 (3) 注意は競技を中止しないで安全で適当な時機に与えることもで きるが、警告は「ストップ」を命じ違反をまねて反則者と各ジ ャッジに明確に指示する。 (4) 次の各項はファウルとして禁止する(付図C参照) (a) ベルト・ライン以下の加撃や足をすくったり、蹴ったり、膝 で突くこと。 (b) 頭や肩、前腕、肘を衝き当てたり喉を絞めたり、または腕や 肘で相手の顔を圧すること。 (c) オープン・グローブやグローブの内側、手首、また側面で打 つこと。 (d) 相手の背部を加撃すること。 (e) ピボット・ブロー。 (f) ロープを握って加撃したり、ロープの不当な利用。 (g) ライイング・オン。 (h) 相撲行為をすること(とくにクリンチで)。 (i) ダウン中や、立ちあがりつつある相手を加撃すること。 (j) 相手の頭や腕、胴、足を掴んだり、抱いたり、相手の腕の下 に手を押し入れること。 (k) 相手を引っ張ること。 (l) 危険性のあるベルト以下のダッキング。 (m) 攻撃を避けるための完全遮蔽や故意のダウン。 (n) 競技中の非礼な挑発的言動。 (o) 「ブレーク」を命じられてすぐに後退しないこと。 とくに後退しないで打つこと。 (p) どんな場合でもレフリーに対して反抗的な態度をとること。 (q) ガムシールドを何回も落としたり、故意に吐き出すこと。 (r) 腕をまっすぐに伸ばして相手の視界を妨げること 17 (5) レフリーは確認できないファウルをジャッジと相談することが できる。 (6) レフリーは警告を一度与えた後は、同じ種類の違反に対しては 注意を与えることはできない。同じ種類の違反に対しては警告 を与えなければならない。 ダウン 第19条 ダウンは次の規定に従う。 (1) 競技者が次の状態にあるときはダウンと見なす。 (a) 打撃を受け、足以外の身体の一部が床に触れている時。 (b) 打撃を受け、攻撃も防御もできずにロ-プに寄りかかかって いる時。 (c) 打撃を受け、体やその半ばがロープの外に出たとき。 (d) 立っていても半ば意識を失い競技を続けられないとレフリ ーが判断したとき。 (2) ナックダウンのときはレフリーはすぐにカウントをはじめる。 (a) 競技者は相手がダウンしたらレフリーにより指示された中 立コーナーへすぐに行き、相手が立ち上がってレフリーが 「ボックス」と命じるまで待機する。 (b) 競技者が所定のコーナーに行かなければレフリーはカウン トを止め、命令に従ってから続ける。 (3) ダウンのとき、レフリーは「ワン」から「テン」まで大声でカ ウントし、ダウンした競技者にわかるように手で秒数を示す。 ダウンしてから「ワン」のカウントまでには1秒経過しなけれ ばならない。 (4) ナックダウンした競技者はカウント「エイト」まで休止する。 18 ダウンした競技者がそれ以前に競技する用意ができても続けて はならない。 (5) レフリーが「テン」とカウントしたときはナックアウトとして 競技は終了する。 (6) カウント「エイト」まで休止した競技者が新しいパンチをうけ ずに再びダウンした時は、レフリーは「ナイン」からカウント を続ける。 (7) 両競技者が同時にダウンした時は1人が倒れている間カウント を続ける。もし両競技者とも「テン」まで立ち上がらなければ それまでの得点で勝者をきめる。 (8) 競技者の受けるカウントは1ラウンド中に3回まで、また同一 試合においては4回までを限度とする。 (ジュニアにおいては1 ラウンド中に2回、同一試合においては3回までとする。) (9) ダウンした競技者に異常を感じた場合、レフリーは直ちにカウ ントを省略し、ドクターの診察を要請しなければならない。 健康管理 第20条 ナックアウト後の処理 (1) 競技者が意識不明の場合でも手助けを必要としなければ、レフ リーと呼びいれられたドクターだけがリンク内に残る。 (2) 頭部に強打を受けてK・Oになったり、そのために防御ができ なかったり競技が続けられないでR・S・C・Hになった競技 者は、試合後すぐに医師の診断を受け必要があれば役員が同道 して帰宅する。 (3) 前項の競技者はその試合から少なくても4週間はボクシング競 技に出場できない。 19 (4) 3カ月以内に連続2回(2)の判決を受けた競技者は、最後の 試合から3カ月間はボクシング競技に出場できない。 (5) 12カ月以内に連続3回(2)の判決を受けた競技者は、最後 の試合から1年間はボクシング競技に出場できない。 (6) 頭部打撃のために続行不能でストップした時は、レフリーはジ ュリーに知らせジャッジにR・S・C・Hと註記するように指 示する。 (7) 上記の出場停止期間中でも診断の結果、ブロック医事委員長が 出場可能と認められれば期間を短縮できる。ただしこの場合次 の手続きを必要とする。 ◎ 脳神経外科医による脳CT検査を含む診断書の提出。 握手 第21条 競技者は第1ラウンドの始まる前と勝敗が決定発表された 後に、スポーツマンらしく握手しなければならない。ラウンド中はその 他のどんな握手も禁止する。 薬物の使用 第22条 薬品等の使用については次の規定に従う。 (1) 競技者は普通食の一部でない薬品や化学物質などを用いてはな らない。 (2) 局部麻酔の使用は医事委員会の公認医師の判断にしたがって許 可される。 医学的適正 第23条 競技者の医学的適正 20 (1) 競技者は管理下の連盟公認医師から競技に支障ないことを証明 されなければならない。 (2) 外国に遠征するときは、適正な健康状態にあるという医師の健 康証明書を携行しなければならない。 (3) ろうあ者、てんかん性の選手および片目の視力がないものは競 技できない。 (4) 競技中はコンタク・トレンズは使用してはならない。 (5) 頭や顔の創傷に薬品等の手当てを施して出場はできないが、試 合当日検診の医師が認めれば水絆創膏の使用は差し支えない。 (6) その他については医事ハンドブックを準用する。 競技年令 第24条 公式試合の出場年令はシニアの部は15歳以上35歳未満、 ジュニアの部は15歳以上18歳未満(高校競技は高体連規則による) とする。但しオリンピック・ゲーム、アジア競技大会、アジア選手権大 会等は17歳以上でなければ参加できない。 女子ボクシング 第25条 女子ボクシングについては本章で定める打撃の攻防による 通常のボクシングの他に、次章で定める演技種目を設ける。 女子ボクシングについては本章で規定以外は、原則として本競技規則を 適用する。 第26条 女子のグローブは片手の重さ10オンス(284g)とする。 但しウェルター級からヘビー級迄は12オンス(339g)のグローブ 21 を用いる。 第27条 女子の服装は次の規定に従う。 (1) 女子は短い袖のTシャツ(ノースリーブを含む)を着用する。 (2) 女子は競技能力を妨げず局部に良くフィットしたチェストガー ドを着用しなければならない。 (3) ヘアーネット、ヘアピン等は女子の頭部の安全のため使用して はならない。 (4) 但し頭部の安全のため、ゴムバンド又はその他の髪を束ねるも のを使用してもよい。 第28条 女子の体重階級は次のとおりとする ライトフライ級 45キロ超 48キロ迄 フライ級 48キロ超 51キロ迄 バンタム級 51キロ超 54キロ迄 フェザー級 54キロ超 57キロ迄 ライト級 57キロ超 60キロ迄 ライトウェルター級 60キロ超 64キロ迄 ウェルター級 64キロ超 69キロ迄 ミドル級 69キロ超 75キロ迄 ライトヘビー級 75キロ超 81キロ迄 ヘビー級 81キロ迄 第29条 計量は次の規定に従う。 (1) 男子と女子が同一期日に手競技をする場合は、主催者は計量の 部屋を男女別にしなければならない。 (2) 女子ボクサーの計量担当は女性役員でなければならない。但し 女性役員が確保できないときは、女子の計量であることを考慮 22 の上、適宜の方法をとることが出来る。 (3) 女子の計量は全裸ではなく、原則として競技用服装等を使用し て行う。但し体重超過の恐れがあり、選手からの申し出があっ たときは競技用服装等を着用して計量した体重から、着用の服 装の重量を控除して計量することが出来る。 第30条 女子の検診方法においては、前条(1)を準用する。 女子は男子の検診項目に加え、下記症状または疾病がないこと、及び競 技日の1年以内に出産または流産をしていないことを必要とし、所定の 書式による本人作成の申告書によりこれらの事を確認しなければなら ない。 1妊娠 2骨盤部の痛み、不快感 5最近の無月経 3子宮内膜症 4異常膣出血 6最近の乳房出血 7最近の乳房腫瘍増大 8最近の乳房機能不全 第31条 女子の競技時間は2分4ラウンドとする。ただし、主催者の 判断により競技時間を短縮することができる。 各ラウンドの間には1分の休憩をおく。 第32条 競技前のチェストガードおよびカッププロテクターの着用 の点検はグロービングに際し隔離された場所にて女性により行わなけ ればならない。 レフリーは競技前リング上で口頭にてこれらの着用を確認する。 女子と幼年のボクシング演技種目 (ボクシング演技種目の幼年とは、10 歳以上15歳迄の男女を言う) 第33条 服装は27条に準じるが、下半身はトランクス又は半ズボン 23 とする。 演技競技に於いてはバンデージは装着するが、カッププロテクター、チ ェストガード、ヘッドギアー、およびガムシールドは着用しない。 第34条 体重区分は次のとおりとする。 ① 超軽量級 40キロ以下 ② 軽量級 40キロ超 51キロ以下 ③ 軽中量級 51キロ超 59キロ以下 ④ 中量級 59キロ超 71キロ以下 ⑤ 重量級 71キロ超 第35条 計量は29条に準じる。 但し、計量の時期は競技日の朝に限らず、競技日程中の適当な時期も可 とする。 第36条 検診項目は原則として男子ボクシングに準ずる。 但し、視力検査は必要とせず、年齢性別を考慮し、医事委員会より検査 項目及び検査基準改正の勧告があるときはこれに従う。 第37条 採点は原則としてジャッジ3名により行うが、他に演技種目 を指示する者および攻撃担当の者等が競技を補助する。 第38条 種目は、フットワーク、攻撃、防御、体力、シャドーボクシ ングおよびサンドバック打ちの各種目とし、その細目は別途実施基準に より定める。 第39条 演技競技の出場年齢は、女子は10歳以上65歳以下、男子 は10歳以上15歳以下とする。 但し、競技会主催者は参加人数、競技会の日程や規模、競技者の年齢や 24 健康状態、および検診医師の意見等を考慮し、適宜年齢制限を加えるこ とができる。 付則 第1条 日本のアマチュアボクシング競技はすべて本規定で行いAIB Aのルールを準用する。 (1) 特殊の場合は事前に協定すれば、本ルールの根本原則を犯さな い範囲で多少の変更は認められる。 (2) 国際競技のときはAIBAの規定、または規定に基づいて相互 で協定したルールに従う。 (3) 日本連盟主催の競技会に於いては、理事会の承認を得てAIBA 方式にのっとり、機器による採点法を採用することができ。 (4) 日本連盟主催以外の競技会においても、日本連盟が認め た場合は (3) と同様の採点法を採用することができる。 幼年ボクシング 第40条 中学生以下の幼年の男女のボクシング競技については、本章 で規定する以外は原則として本競技規則を適用する。 第41条 体重と階級は以下の通りとする。 ① 10歳以上12歳以下である小学校5年生及び6年生 の幼年 34キロ級 34キロ迄 36キロ級 34キロ超 36キロ迄 以下54キロ級迄、2キロおきの階級とする。 57キロ級 54キロ超 57キロ迄 ② 12歳以上15歳以下である中学校1年生から3年生 の幼年 40キロ級 40キロ迄 25 42キロ級 40キロ超 42キロ迄 以下54キロ級迄、2キロおきの階級とする。 57キロ級 54キロ超 57キロ迄 60キロ級 57キロ超 60キロ迄 63キロ級 60キロ超 63キロ迄 66キロ級 63キロ超 66キロ迄 70キロ級 66キロ超 70キロ迄 75キロ級 70キロ超 75キロ迄 57キロ超級 75キロ超過 第42条(1)競技の時間は原則として41条①の幼年は1分半3ラウ ンド、41条②の幼年は2分3ラウンドとする。 (2)競技開始前に前もって決める時は、男子女子ともに、競 技者の性別年齢、及び体力等を考慮の上、ラウンド数及 び時間を延長したり短縮する事ができる。 第43条 グローブは小学生は10オンス、中学生は63キロ級以下は 10オンス、66キロ級以上は12オンスとする。 第44条 レフリーストップのカウントリミテッドは小学生に於いて は①ラウンド2回、全ラウンド合計2回、中学生に於いては、 1ラウンド2回、全ラウンド合計3回とする。 第45条 女子については27条の服装、29条の計量、30条の健診、 32条の点検に関する規定を準用する。 第46条 幼年ボクシングの実戦競技は、別に定める演技種目の実施要 項記載の C 級以上であり、且つ練習開始後1年を経過してい る事を条件とする。 (5) 電子機器等に於いて、アクセプティッドポイントが両選 手同点のときは、アクセプティッドポイントの最高点と 最低点を除いた合計点数の優劣により勝者を決める。 26 その点数が同点のときは。 (6) ボクシング競技において主催者は、各競技者の獲得した 得点を加算し、警告があったときは警告を受けない競技 者に2点を加点するシステムをもつ、日本連盟が認定し た機器(G マシーンという)を採用することができる。 この場合、5人のジャッジが与えた各得点につき、各競 技者毎に最高点と最低点を除いた合計点数を3で割った 点数の優劣により勝敗を決める。その点数が同点のとき は、17条(3)C により決定する。 (7) 各選手の場合はインディビジュアルポイントの優劣によ り、インディビジュアルポイントも両選手同点の場合は 17条(3)の(c)により決定する。この場合レフリ ーは、各ジャッジより17条(3)の(c)によるスコ アリングカードを集め、これをジュリーに渡す。 27
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