実践報告

2011トライドットコミュ第1弾
「タワービルディング」
H23.10.24
今年度第 1 回のグループワークは、学年を極力ばらばらにするため、9
月に実施したボーリング大会のグループを元にグループ分けをした。 当日
欠席があり 3 人のグループもあったが、4~5人のグループで実施した。
今回は新聞紙 20 枚とセロハンテープでA3の紙の上にできるだけ高い
タワーを建てるというものだった。制限時間は 30 分。
まず、体育館に全員集合をして、そこで、名前とグループ番号の書いて
あるシールを配布して、そのシールを胸に張り付け、その後、体育館の後ろ
の各グループの場所に集合。
ボーリングで一度は会ったことがあるとはいえ、ほとんど知らないメンバーの場合が多い
ので、簡単な自己紹介をして、ルールを聞いた後、作業に取りかかった。
このワークは、まずどのような方法で建てていくかを話し合わなくては作業が進まない。
誰が口火を切るか、上級生が言いだすのを待つのか、下級生でも意見を言ってもいいのか、な
ど、実際の建てる方法以外にいろいろなことが、生徒の心の中を思い廻っただろう。
たとえ、誰かがある方法を言いだしても、それがいい方法だと思えなかった時、そのこと
を言ってもいいのか、意見して自分の思う方法で作ってうまくいかなかったときのことを考え
ると言わない方がいいのか、などと思ったり、または、とてもいい方法だと感心したり、何か
言いたそうなメンバーに言うようにうながそうと思ったりと、様々な感情が湧いてきたようだ。
しかし、一度、これと決まったら、限られた新聞紙とセロハンテープ、そ
して、限られた時間で作りきるには、その方法で進むしかなく、あとは、う
まく建てられるように力を合わせるのみ。
それぞれのグループがそれぞれの方法で建て始めると、他のグループが気になったり、「本
当に、これで良かったのか」と不安になったり、実際のそのことを口にして、作戦を変更した
りするグループもあった。
中には、全く話が進まないグループもあったが、他のグループが徐々にタワーが建っていく
のを見ると、そのグループのメンバーたちは「このままでいいのだろうか」
「何か言った方がい
いのだろうか」
「誰か何か言わないかな」などという思いを抱いていたことだろう。
結局、
30 分で一番高く建てられたタワーは 3 メートル 71 センチという高さまで建てた。 計
測はバレーボールの審判台を使わなくてはできないほどの高さであった。 その後には、3 メ
ートル 52 センチ、3 メートル 50 センチと続いた。 さすがに、3 メートルを超す高さのタワ
ーは体育館の中でそびえたっていた。
各グループで作業中の思いや心の動きをふりかえり終了となった。
高くまで建てられたグループだけでなく、低く終わってしまったグループも、全く建てられ
なかったグループも、それぞれのメンバーがその 30 分に抱いた思いはとても大切なものであ
り、これからの成長の糧になるはずである。