哲学的知の伝統と変遷 教授 橋本 博 1.授業のねらい・概要 哲学の歴史を再構成しながら哲学の諸問題にアプローチしていく。時代によって,また哲学者によって 中心となるテーマは異なるが,常に変わらぬ共通のものは「真理の観点」である。哲学用語をできる限り 平明にすることによって「哲学すること」に親しみが持てるようにしたい。 講義を通して自分の性格に合った哲学者を一人でも見い出すことができれば幸いである。その哲学者は 生涯にわたって必ず何らかの助言と勇気を与えてくれるだろう。どの哲学者の発想も「根源的なもの」に 根ざしている。これは普段のわれわれが漠然とは感じながらも定かには捉えがたいものである。また人は 根源の近くに居ながらもその根源の意味を理解しないことが多い。自分の心を素直に見つめ,哲学者の言 葉と考え方を客観的に理解することができるならば,誰にでも「根源的なもの」のイメージが明確になる だろう。 2.授業の進め方 講義は分かり易く,ゆっくり進める。一度も真剣に考えたことがないテーマについては素直に聴く態度 が重要だが,考えたことのあるテーマについては,自分の考え方とどの点が違うか,ということを比較し 自覚することが大切である。新しい考え方に対しては,まず驚き,そして疑い,自分の心のなかでじっく りと吟味してもらいたい。分からないことはいつでも質問する心掛けが重要である。 3.授業計画 1.講義の概要,諸注意 2.古代ギリシャの自然哲学 3.古代ギリシャの自然哲学 4.ソフィスト達の役割 5.ソクラテスの哲学 6.プラトンの哲学 7.プラトンの哲学 8.アリストテレスの哲学 Ⅰ自然の原理 Ⅱ存在と生成 :弁論術 :自己の使命と実践 Ⅰイデアとは何か Ⅱ魂について :存在,質料と形相 9.中世の哲学 10.近世の哲学 11.近世の哲学 12.近世の哲学 13.現代の哲学 14.哲学の課題 15.講義のまとめ :神と自由 Ⅰデカルトーコギトの意味 Ⅱカントー批判の意味 Ⅲドイツ観念論 :さまざまな哲学の流れ :現代における哲学の位置 4.成績評価の方法・基準 期末試験の成績によって評価する。 試験は論文であるが,試験の数週間前から詳しく説明する。テーマについて客観的に, 「十分」論述でき ればA, 「かなり」論述できればB,論述が「不十分」ならばCとする。論述できなければ「不可」 (D) とする。 5.テキスト・参考文献 シュウェーグラー著 : 『西洋哲学史』 岩波文庫 ヒルシュベルガー著 : 『西洋哲学史』 Ⅰ,Ⅱ,Ⅲ,Ⅳ 理想社 その他の参考文献は必要に応じて紹介する。 6.受講上の留意事項 欠席過多は要注意。
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