人類学 - 名古屋芸術大学

人類学
私たち人類とそれを取り巻く自然環境の命のつながりを考えよう
教養 / 講義 / 2単位
松原幹
◆授業の到達目標およびテーマ
人類が多彩な文化を作り出し、多様な環境を利用できる理由を知るに
は、遺伝的に近い霊長類の社会生態や文化、知性の進化が参考にな
る。本講義を通じて、学生は1)人類や霊長類における進化理論や社
会生態学、生理学、遺伝学を融合した自然人類学の基礎知識を習得す
る 2)先入観を科学的理論にもとづいて考え直し、多角的視野を築
き上げる 3)自らと異なる人の考え方や文化、生物の多様性への理
解力をつけることを目標にする。
◆授業の概要
人類学は毎年発見があるので、下記の授業計画の内容や順番は変更さ
れる可能性が高い。空欄穴埋め式の講義資料を配布するので、各自で
ファイリングすること。土曜日に犬山市の日本モンキーセンターで、
学芸員による特別講義とクイズラリーを組み合わせた校外実習を行
う。参加できない受講生は2000字以上のレポートを6月末日までに提
出すること。
◆授業計画と内容
1回目
講義の方針説明、受講上の注意、自然人類学と進化学の紹
介
2回目 霊長類の知性:ヒトはチンパンジーの⃝×記憶力に勝てな
い
3回目 学外実習:クイズ・ラリー形式。参加しない受講生はレ
ポート提出
4回目
〃
モンキーセンター入園料6
00円+犬山駅までの
交通費が必要。
5回目
〃
6回目 霊長類のふるさと、熱帯雨林:森と霊長類の命のつながり
を知ろう
7回目 見ざる聞かざる言わざる:視覚・聴覚・音声・大脳の進化
8回目 ベジタリアンなゴリラと、グルメなチンパンジー:食と仲
間関係
9回目 ヒトに発情期がない理由:性選択理論
10回目 ヒトはなぜワカモノが好き?婚姻と家族構造の多様性、特
異性
11回目 化石が教えてくれる“父親”の意義:化石からみた人類進
化1
12回目 ネアンデルタール人にも芸術はあった?:化石からみた人
類進化2
13回目 私たちは⃝%ネアンデルタール人?:人類遺伝学
14回目 人類の故郷と行末を考える:遺伝学が暴いた“人種”の虚
像
15回目 人類の“知性”の進化:芸術、宗教、科学を生み出せた理
由は?
◆履修にあたっての準備学習(事前学習)
講義前に、講義用ブログに掲示した動画を視聴し、図書館にある参考
書籍を読めば、初見の専門用語を理解しやすくなる。専門用語が多い
ので、高校で生物学受講済みの人、自習ができる人、ナショナルジオ
グラフィックやニュートン等の科学雑誌と、新聞の科学欄などの時事
ニュースに目を通す人を歓迎する。
◆成績評価の方法と基準
6回以上欠席した場合は試験を受けられない。5分以上の遅刻は欠席
とする。欠席回数の問い合わせには答えない。選択形式の問題で、受
講者が自分で直筆した講義資料とノートの持ち込み可。
◆教科書
特に使用しない。
◆参考書・参考資料等
書名:進化と人間行動 著者名:長谷川寿一、長谷川真理子 出版
社:東京大学出版会
書名:ヒトはどのように進化してきたか 著者名:ロバート・ボイ
ド、ジョーン・B.シルク 出版社:ミネルヴァ書房
書名:人類進化論 著者名:山極寿一 出版社:裳華房
書名:なぜヒトの脳だけが大きくなったのか 著者名:濱田譲 出版
社:講談社
書名:乱交の生物学 著者名:ティム・バークヘッド 出版社:新思
索社
書名:98%チンパンジー 著者名:ジョナサン・マークス 出版社:
青土社
書名:5万年前に人類に何が起きたか?―意識のビッグバン 著者
名:リチャード・G.クライン、ブレイク・エドガー 出版社:
新書館