8) − 花の都、オランダで働きたい! いざ、オランダ、アルスメーヤーへ ベルギーでの半年間を終えようとしている頃、次の目的地であるオランダに移り住むた めの作戦を練っていました。何はともあれまずは、オランダに行ってみよう!と言うわけ で、花屋に花を売りにくるおじさんに頼み込み、ベルギーからオランダに花を仕入れに行 く時、ついていきました。このような花売りのトラックは、ヨーロッパ中の各都市とアル スメーヤを往復しています。朝 3 時に高速道路でピックアップしてもらいノンストップで オランダ、アルスメーヤーの花市場へ。さすがに陸続きのヨーロッパです。パスポートチ ェックも税関検査もなく、3 時間後の 6 時に目的地に着きました。 − 世界最大の花市場 商売をする為のビルとしては、床面積の広さが世界一を誇り、1 日の延べ労働人口 8 万人 がこの花市場で働いているというから、その大きさは半端じゃありません。6 時半のオーク ション開始時間に合わせて、どんどん人が集まってきます。500 人分の席のあるオークショ ンルーム 10 部屋がもうすでに一杯で、6 時半の鐘の音と共にクロック(セリの為の掲示板) が一斉にスタートします。各部屋には、3台のクロックがあり、その下をカートが自動で 流れていきます。ブースがあり、マイクでセリ人が声をかけて、どんどんセリ落としてい きます。例えば、上下2段のオークション専用カートに18バケツ(鮮度を保つため水が 入っている)が積まれ、1バケツが200本入りで最低購入が3バケツの600本からで す。ですから、セリ人は市場内の花の輸出業者か、問屋がほとんどです。500人のセリ 人たちは、一瞬の操作でこの大きな単位の花をセリ落としていきます。各部屋は、品目に よってはバラだけ、カーネーションだけ、グリーンだけという風に分かれていて、各会社 にその品目のスペシャリストが配属されています。彼らは、携帯電話とラップトップコン ピューターを駆使してその日の注文分を競り落としていきます。このペースでセリは進み、 オークション全体で14,000,000本の切花と、1,500,000鉢の鉢植えが 毎日競り落とされていきます。このようなオークションをやっている場所が、オランダ全 土であと13箇所あるというからまたびっくりです。 さすがに花の都、オランダです。 − アルスメーヤーで働くぞー! 一通りの探索を終えた後、本来の目的である職探しの開始です。事前に調べておいた日 系のフラワーホールセーラーにアポを取り、いざ事務所へ行こうとしたら、、 、。さすがに世 界一の広さを誇る花市場です。歩けど、歩けど、着きません。オランダ語など喋れる訳も なく、得意の身振り手振りで話しましたが、やっぱり通じないので電気自動車の後ろに乗 っけてもらってやっと目的地に到着。大変助かったので、チップの変わりに少しのお金を 渡そうとしたら、笑顔で NO THANK YOU のか、このドライバーが大金持ちだったのか?GO !だって。取り出したお金が少なすぎた TO DUTCH!でアメリカでは、ケチ の代名詞にまでなっているオランダ人なのに、見ると聞くとでは大違いでした。 − オランダでのジョブインタビュー 幸先のいいスタートにすっかり機嫌を良くしていざ、ジョブインタビューに挑みました。 日系の会社の日本人マネージャーと話しましたが、そろって働くビザを持たない日本人を 雇うことには大変消極的(そりゃそうだ。)で、どこもだめでした。オランダ政府も不法労 働者を雇う事に対しての罰則が厳しく、罰金も高いのでリスクが大きすぎるとのことでし た。こうして、第一回目のオランダ、職探しツアーは見事に大失敗に終わりました。 − オランダに引越し決定 一回の失敗でめげるはずもなく、二回目、三回目とオランダ職探しツアーは続きました。 すっかりアルスメーヤーにも馴れてきた頃、ありました。1ヶ月研修させてくれる会社が。 運良くオランダ人の社長じきじきに面接していただき、将来、日本とオランダ間で花の貿 易がしたいので是非、研修しながら働きたい事を伝えると、来月から働く許可が下りまし た。この会社は、日本への切花の輸出をしている為、日本の植物検疫の事前検査を手伝う 事になりました。オランダ、アルスメーヤーには世界で唯一、日本の植物検査官が出向し ており、事前に日本輸入時に必要な植物検疫が受けることができます。何はともあれ、来 月にベルギーよりオランダに引越しです。花市場の近くに食事付きの部屋を会社が借りて くれて、そこに下宿しながらの研修です。次回は、アルスメーヤーを拠点にして、オラン ダの花屋さん、町並み、風習の紹介です。お楽しみに。
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