The Journal of the Japan Academy of Nursing Administration and Policies Vol. 15, No. 1, 2011 報告 中堅看護職者の職務継続意志と 職務満足及び燃え尽きに対する関連要因の検討 Study of Related Factors among Job-Continuing Intention, Job Satisfaction and Burnout for Nurses in Mid-Career 加藤 栄子1) 尾﨑 フサ子2) Eiko Kato1) Fusako Ozaki2) Key words : nursing administration, nurses in mid-career, job-continuing intention, job satisfaction, burnout キーワード : 看護管理, 中堅看護職者, 職務継続意志, 職務満足, 燃え尽き Abstract This research aimed firstly, to clarify related factors among job-continuing intention, job satisfaction and burnout for nurses in mid-career, then secondly, to investigate factors supporting nurses’job-continuity. Questionnaires were distributed to 1,064 nurses who worked at three general hospitals of 200 - 700 beds. The study focused on 331 nurses who had five years through fourteen years of nursing experience. Two questionnaires were used: the Pines Burnout survey (Inaoka 1988) and another survey containing five components (administrative system, relationships among colleagues, nursing specialties, and self actualization as nurses (Nakayama, Nojima 2001). The following results were obtained: 40% of nurses did not want to continue working at their hospitals. Through discrimination analysis, factors identified as related to job-continuity were self actualization as nurses, administrative systems, job satisfaction and burnout. Through multiple regression analysis, factors identified as affecting job satisfaction were the administrative system in the organization, and relationships among colleagues. Also revealed through multiple regression analysis was that individual professional specialty was a factor affecting job satisfaction. Specifically, a high-level professional specialty was correlated to high job satisfaction and low burnout. These findings suggest that appropriate measures be taken by nursing administrators. The researchers recommend improving overall working conditions, including providing an in-house framework for nurses to pursue individual professional specialties, thereby enhancing self actualization as nurses. In addition, early detection of symptoms of staff burnout is recommended in order for administrators to take necessary countermeasures for the improvement of staffs’mental health. 要 旨 本研究の目的は,中堅看護職者の職務継続意志と職務満足及び燃え尽きに対する関連要因を 明らかにし,働き続けられる支援を検討することを目的とした.調査は,A 県内 200 ∼ 700 床 3 病院の看護職者 1,064 名に,自記式質問紙を配布し,得られた有効回答のうち経験 5 ∼ 14 年の 331 名を対象とした.調査項目は,仕事の継続意志,中山,野嶋(2001)の尺度(『管理システム』 『仕事上の人間関係』 『専門職性』 『看護師としての自己実現』 『仕事の満足度』 ),Pines Burnout スケール(稲岡,1988 )を使用した.その結果,現病院での仕事の継続意志無は全体の約 4 割 であった.判別分析を行い,継続意志有に影響していた要因は, 『看護師としての自己実現』, 『管 理システム』, 『仕事の満足度』,燃え尽きであった.重回帰分析を行った結果,仕事の満足度に 受付日:2010年5月13日 受理日:2011年5月22日 1) 群馬県立県民健康科学大学 Gunma Prefectural College of Health Sciences 2) 佐久大学 Saku University 日看管会誌 Vol. 15, No. 1, 2011 KangoGakkai.indb 47 47 2011/09/08 19:17:18 The Journal of the Japan Academy of Nursing Administration and Policies Vol. 15, No. 1, 2011 影響していた要因は, 『管理システム』が最も強く,次いで『専門職性』 ,『仕事上の人間関係』 であった . 加えて,燃え尽きが影響していた.以上から,処遇の改善,専門性が発揮できる業務 の見直し,人間関係のよい職場風土作りなどの看護管理上の施策が必要との示唆を得た.また, 燃え尽きを早期に把握し対処し,メンタルヘルス対策が組織的になされることが重要である. Ⅰ. はじめに 代後半から 30 歳代の職務継続に対する要因を明ら かにする必要がある. 日本には潜在看護職員が 55 万人ほど存在すると 職務満足が低く,燃え尽き状態にあり職務継続意 言われている.その半数以上は 20 歳代後半から 30 志が無い場合は,離職を予防するための支援が求め 歳代であり(日本看護協会,2006),多くの中堅看 られる.逆に職務満足が高く職務継続意志が有る場 護職者が組織を離れている現状がある.中堅看護職 合は,職務継続への支援によって,中堅看護職者の 者は臨床実践の場でチームリーダーとして問題解決 定着につながり,看護の質向上と安全の確保が可能 や後輩の指導を行っており,「質」「量」ともに病院 となる. の中核を担う存在である.また結婚や出産,キャリ そこで本研究は,この年代に相当する,病院で働 アアップといったライフステージの岐路に立つ年代 いている経験年数 5 年∼ 14 年目の看護職者がどの でもあることから,定着への環境づくりは組織に ようなところに価値をおいて仕事をしているか,さ とっても大きな課題である. らに仕事の満足度と燃え尽きの実態から,中堅看護 職務満足は,職員のパフォーマンス水準を高める 職者の職務継続意志と職務満足及び燃え尽きに対す 一方で,離職率を低下させる(藤村,1999). また, る関連要因を明らかにし,働き続けられる支援のあ 燃え尽きに陥ると退職離職が相次ぐようになること り方を検討することを目的とした. は研究報告で明らかにされている(稲岡,1983). キャ リアニーズの実態と職務満足との関係では,看護職 は職業継続意識と専門職志向が高く,専門職として 1. 概念枠組み 本研究では,中山ら(2001)が Hinshaw ら(1987) の実践能力を評価し,教育・処遇に活かす必要があ の理論的モデル「看護スタッフの予期される離職 る(平井ら,2001). 職務満足への高い影響要因は「職 (Anticipated turnover among nursing staff)」 を 基 場の人間関係」であり,反対に低いものには「労働 に,分類した離職モデルの枠組みを参考に概念枠組 条件」「給料」「看護部の管理のあり方」が,職業継 みを構成した . 看護職者の個人的要因,組織的要因, 続意志や退職意思に関連した要因であった(志渡ら, 専門性要因,さらに燃え尽きを加えて,それらの要 2003;上谷,2005;後藤,藤本,2005). これらの先 因と職務満足や職務継続意志がどのように関連して 行研究は,看護管理上の重要指標となるが調査対象 いるか実態を把握し,分析結果から中堅看護職者の はいずれも全看護職者であった. 職務継続と定着に向けた支援のあり方を検討した. 中堅看護職者の職務継続への影響要因で,現病院 を辞めたい一番の理由は「自分のやりたい看護がで きない」であり,マンパワー不足にジレンマを感じ 中堅看護職者:5 ∼ 14 年の経験年数をもつ看護職者. ていることを示唆していた(岡田ら,2006).病院 職務継続意志:現病院において看護職者として仕 の全看護職者を対象とした研究では,30 歳代の職務 満足度が低いとする報告(後藤,藤本,2005)や現 職場勤務継続意志では 35 歳未満が危険因子として 報告していた(松嶋ら,2004).さらには就業 10 年 48 2. 用語の操作的定義 事を継続する意志(以下,継続意志). 職務満足:自己の職務状況や職務に関連する要因 について肯定的な情緒的状態 . 燃え尽き:長期間にわたり人を援助する過程で, 未満で退職する看護師が 8 割以上を占め,この 25 絶えず心的エネルギーが過度に要求された結果,極 歳∼ 29 歳の退職理由には,個人要因よりも職場要 度の心身疲労と感情の枯渇を主とする症候群であ 因が高かったと述べていた(広瀬ら,1995). これら り,卑下,仕事嫌悪,関心や思いやりの喪失等を伴 の先行研究の結果からも,臨床経験を積んだ 20 歳 う状態(Maslach,1976). 日看管会誌 Vol. 15, No. 1, 2011 KangoGakkai.indb 48 2011/09/08 19:17:18 The Journal of the Japan Academy of Nursing Administration and Policies Vol. 15, No. 1, 2011 Ⅱ. 研究方法 しているかについての 10 項目の質問で, 看護志向性, 現実志向性,創造性,変革力からなる(10-50).評 1. 対象及び方法 定尺度は「全く思わない」 (1 点)∼「非常に思う」 (5 A 県内 200 ∼ 700 床の設置主体の異なる 3 つの一 点)の 5 段階評価で,否定形の質問項目は点数を反 般病院に勤務する看護職者 1,064 名(看護部長,副看 転させて集計した.スケールの集計方法は,サブス 護部長を除く)を対象に,2008 年 6 月∼ 7 月の間に, ケールごとに合計得点で示した.高い得点ほど受け 自記入式質問紙を用いて留め置き法で実施した.対 止め方や認識が強いことを意味している. 象者への調査票は看護部長を通して配布を依頼し, 仕事の満足度は,給料,労働条件,看護部の管理 留め置き期間は 2 週間として, 研究者が一括回収した. のあり方,看護師の自律性,職場の人間関係,看護 に取り組む姿勢,看護ケアの質の 7 項目から成り,総 2. 調査内容 合的に見た満足度に関する質問である.評定尺度は 1) 対象の基本属性及び継続意志 「全く満足していない」 (1 点)∼「非常に満足している」 性別,年齢,経験年数,勤務形態,婚姻状態,子 (5 点)の 5 段階評価である . 得点範囲は「7-35」であり, 供の有無,職種,教育背景,健康状態及び現在の職 場における継続意志の有無とした. 2) 仕事に対する認識と満足度 得点が高いほど満足度が高いことを意味する. 3) 燃え尽き 身体的疲弊,心理的疲弊,精神的疲弊を代表する 中山ら(1993)が,厚生省看護対策総合研究事業「効 21 項目からなり,「まったくない」(1 点)∼「いつ 果的な離職防止対策に関する研究」の一環として開 もある」 (7 点)の 7 段階評価である.算定法に基づ 発し,以後,部分的に修正した「看護婦の仕事に対 き 2.9 点以下が健全,3.0 ∼ 3.9 点が警戒,4.0 ∼ 4.9 する価値のおき方と満足度」を測定するスケールを 点は燃え尽き,5.0 点以上はうつ状態と判定した.得 用いた(中山ら,2001).仕事に対する認識は 4 つ 点が高いほど燃え尽きが高いことを意味する.得点 のスケールから構成されている.以下にスケールは 範囲は「2.1-5.9」である. 『 』 ,サブスケールはアンダーラインで示し,( ) 内には評価可能得点を示した . 2),3)の各スケールの信頼性,妥当性は検証 されている.なおスケールは使用許可の承諾を得た. 仕事に対する認識は,『管理システム』: 病院の 中での看護部門の地位や管理スタイルに対する受け 止め方, 給料や労働条件についての 15 項目の質問で, 3. 分析方法 基本統計量を算出し,基本属性と仕事の満足度及び 給料,労働条件と福利厚生,看護管理システム,キャ 燃え尽きの比較は Mann-Whitney 検定及び Kruskal- リアアップの機会からなる(15-75).『仕事上の人間 Wallis 検定,継続意志有無別の比較は Mann-Whitney 関係』: ケアを展開する上での人間関係や相互作 検定と判別分析,仕事の満足度を被説明変数とし重回 用の受け止め方についての 26 項目の質問で,スタッ 帰分析を行った.解析は統計ソフト SPSS Ver.15.0J フ間の人間関係,医師との人間関係,看護管理者と for Windows を用い,有意水準は 5%未満とした. の人間関係,患者との人間関係,家族との人間関係, 病棟への所属感からなる(26-130).『専門職性』: 4. 倫理的配慮 患者にケアを提供する時間を十分にもてていると 対象施設の院長および看護部長に口頭と文書で研 感じているか,個々の看護師がどの程度,仕事上の 究目的・方法について説明し,承諾を得た.対象者 決定権や判断や取り組みに対する主体性・自律性を には研究趣旨,研究への自由参加,匿名性の保持, もっていると受け止めているか,自分の仕事を人に 個人情報の保護,研究結果の公表,研究以外の目的 誇れる仕事として意識しているかについての 12 項 には使用しないこと,記入後は封をし,質問紙の投 目の質問で,専門職意識,決定権,自律性,ケア提 函をもって同意とみなす旨を文章で説明した.尚, 供時間からなる (12-60). 『看護師としての自己実現』 : 研究説明書には今回の調査により,看護職全体から 専門職業人としての能力をどのように発揮してい みた中堅看護者の実態を明らかにして,中堅看護者 るか,看護師としてのやり甲斐をどのように見いだ の定着に向けた効果的な支援のあり方を検討するこ 日看管会誌 Vol. 15, No. 1, 2011 KangoGakkai.indb 49 49 2011/09/08 19:17:18 The Journal of the Japan Academy of Nursing Administration and Policies Vol. 15, No. 1, 2011 とを明記し,調査の協力を依頼した.今回は中堅看 査項目に欠損値のない 758 名(有効回答率 81.9%) 護職者に焦点を当てて分析を行い,その後,今回対 とした.今回は研究テーマから分析対象者を経験年 象外となった看護職者と比較する研究の位置づけと 数 5 ∼ 14 年の中堅看護職者 331 名とした. した . 本研究は,新潟大学大学院保健学研究科研究 1. 対象者の個人特性 倫理審査委員会の承認を得て実施した. 対象者の基本属性は表 1 に示した.継続意志有は, 58.0%で, 「どのように仕事を続けたいか」の質問に は,今の職位でと回答した人が 86.5%と大多数であっ Ⅲ. 結果 た.一方,継続意志無は 42.0%で,その理由は「条 3 病 院 の 1,064 名 の 対 象 者 か ら 925 名( 回 収 率 86.9%)の回答があった.有効回答はスケールの調 件の良い病院に移りたい」,「一時的に辞めようと 思っている」が各 26.6%を占めていた. 表 1. 対象者の基本属性 項 性別 婚姻状況 子供 職種 教育背景 年齢 経験年数 勤務形態 健康状態 継続意志 継続意志有 継続意志無 50 目 女 男 既婚 未婚 無 有 不明 保健師 助産師 看護師 准看護師 准看護師養成課程 看護師2年課程進学コース 看護師養成3年課程 看護師3年課程短大 看護系大学 保健師助産師養成課程 看護系大学院 その他 20歳代 30歳代 40歳代 5~9年 10~14年 三交替 二交替 夜勤がない 不明 健康である 症状はあるが治療していない 病気を治療中である 有 無 管理職や専門職をめざしたい 今の職位のままで仕事を続けたい 条件の良い病院に移りたい 一時的に辞めようと思っている 他の看護職への転職を考えている 看護師を辞めたい その他 不明 人数 305 26 143 188 226 99 6 0 17 311 3 3 48 197 44 16 19 0 4 144 181 6 203 128 275 14 41 1 289 24 18 192 139 26 166 37 37 21 12 11 21 n=331 % 92.1 7.9 43.2 56.8 68.3 29.9 1.8 0.0 5.1 94.0 0.9 0.9 14.5 59.5 13.3 4.8 5.7 0.0 1.2 43.5 54.7 1.8 61.3 38.7 83.1 4.2 12.4 0.3 87.3 7.3 5.4 58.0 42.0 13.5 86.5 26.6 26.6 15.1 8.7 7.9 15.1 日看管会誌 Vol. 15, No. 1, 2011 KangoGakkai.indb 50 2011/09/08 19:17:19 The Journal of the Japan Academy of Nursing Administration and Policies Vol. 15, No. 1, 2011 2. 仕事に対する認識及び仕事の満足度,燃え尽き の状況 3. 継続意志と仕事に対する認識,満足度及び燃え 尽きの関連 仕事に対する認識は,各スケールの得点率は『仕 継続意志有無別に各スケールの中央値を比較した 事上の人間関係』62.3%が最も高く, 次いで『専門職性』 結果,仕事に対する認識と仕事の満足度は,継続意 58.3%, 『看護師としての自己実現』52.0%であった. 志有群が高く,燃え尽きは低くなっていた.有意差 低かったのは『管理システム』50.7%であった(表 2) . がみられた項目は,看護管理システム,労働条件と 仕事の満足度の各項目は,職場の人間関係 , 看護 福利厚生,給料,スタッフとの人間関係,看護管理 に取り組む姿勢,看護ケアの質,看護師の自律性が 者との人間関係,病棟への所属感,患者との人間関 中央値 3,看護部の管理のあり方,労働条件,給料 係,自律性,専門職意識,ケア提供時間,看護志向性, が中央値 2 であり,全項目の合計は中央値 18(範囲 現実志向性,変革力,仕事の満足度,燃え尽きであっ 7-31)であった.各項目別の割合を表 3 に示した. た(表 4). 燃 え 尽 き の 平 均 得 点 は 4.0 点 で あ り, 健 全 群 が 続いて継続意志への影響を明らかにするために判 16.3%,警戒群が 33.9%,燃え尽き群が 30.5%,うつ 別分析を行った.継続意志有群と無群に分けて,仕 状態群が 19.3%であった.燃え尽きに陥っている人 事に対する認識の各スケールと仕事の満足度,燃え は 49.8%であり,警戒群を含めると 83.7%であった. 尽きを説明変数にした.判別の結果,継続意志有群 燃 え 尽 き, 仕 事 の 満 足 度 と 個 人 属 性 の 関 連 を, に 影 響 し て い た の は, 負 の 要 因 と し て 燃 え 尽 き Mann-Whitney 検定(2 群)及び Kruskal-Wallis 検定(3 (-0.567),正の要因として『看護師としての自己実現』 群以上)で分析した結果,燃え尽きは性別,年齢,経 (0.410)であり,次いで仕事の満足度(0.347),『管 験年数,婚姻状態,子供の有無,勤務形態,職種,教 理システム』(0.261)であった.判別の的中率は, 育背景および健康状態との間で有意差はなかった.仕 継続意志有群で 69.8%,継続意志無群では 63.3%で 事の満足度は職種に有意差があり, 「助産師」中央値 あり,全体では 67.1%だった(p < 0.001) . 19.00(四分位範囲 4) , 「看護師」中央値 17.00(四分位 範囲 4) , 「准看護師」中央値 19.0,p= 0.026 であった. 表 2. 仕事に対する認識 得点max 項目 管理システム 仕事上の人間関係 専門職性 看護師としての自己実現 75 130 60 50 中央値 最小値 最大値 38 81 35 26 20 50 14 16 57 117 50 39 n=331 得点率% 50.7 62.3 58.3 52.0 表 3. 仕事の満足度 n=331 全く満足 していない あまり満足 していない 職場の人間関係 n(%) 16 ( 5) n(%) 53 (16) 看護に取り組む姿勢 13 ( 4) 看護ケアの質 17 ( 5) 看護師の自律性 16 ( 5) 看護部の管理のあり方 構成要素 労働条件 給料 まあまあ 満足 かなり満足 している 非常に満足 している n(%) 186 (56) n(%) 65(20) n(%) 11 ( 3) 72 (22) 228 (69) 15 ( 5) 3 ( 1) 104 (31) 187 (57) 21 ( 6) 2 ( 1) 120 (36) 186 (56) 9 ( 3) 0 ( 0) 59 (18) 160 (48) 110 (33) 2 ( 1) 0 ( 0) 105 (32) 154 (47) 70 (21) 2 ( 1) 0 ( 0) 95 (29) 166 (50) 68 (21) 2 ( 1) 0 ( 0) 日看管会誌 Vol. 15, No. 1, 2011 KangoGakkai.indb 51 51 2011/09/08 19:17:19 The Journal of the Japan Academy of Nursing Administration and Policies Vol. 15, No. 1, 2011 表 4. 継続意志とスケールの中央値の比較 n=331 継続意志有 スケール 中央値 IQR 17 4 看護管理システム 9 3 労働条件と福利厚生 管理システム 7 2 給料 6 1 キャリアアップの機会 20 3 スタッフ間の人間関係 9 2 看護管理者との人間関係 12 3 病棟への所属感 仕事上の人間 関係 10 3 医師との人間関係 17 3 患者との人間関係 14 3 家族との人間関係 9 2 自律性 専門職性 6 2 専門職意識 8 2 ケア提供時間 13 2 決定権 9 2 看護志向性 看護師として の自己実現 6 1 現実志向性 6 1 創造性 6 1 変革力 仕事の満足度 18 4 3.76 1.2 燃え尽き * ** *** Mann-Whitney検定 p<0.05 p<0.01 p<0.001 4. 各スケールと仕事の満足度との関連 継続意志無 中央値 IQR 4 16 5 8 2 6 1 6 3 20 3 8 3 11 3 10 2 16 3 13 1 9 1 6 3 7 3 12 2 8 1 6 1 6 3 6 4 16 1.6 4.38 p値 *** ** ** ** *** ** ** * * ** *** * ** *** *** Ⅳ. 考察 仕事の満足度に与えている影響をみるために重回 帰分析を行った . 仕事の満足度を被説明変数に, 『管 理システム』 , 『仕事上の人間関係』 , 『専門職性』, 『看 年齢は 20 歳代,30 歳代が各約半数であり,既婚 護師としての自己実現』,燃え尽き,継続意志を説 者は約 4 割であった.専門職業人としてキャリア確 明 変 数 に し た. そ の 結 果, 『管理システム』 (β 立と,結婚・出産・育児など女性としてのライフイ =0.545,p< 0.001)が最も強く,次いで『専門職性』 ベントの確立という課題をもつ時期である.しかし (β =0.155,p< 0.001), 『仕事上の人間関係』(β 仕事の継続意志については,4 割以上が継続意志無 =0.141,p< 0.007),燃え尽き(β =0.129,p< 0.002) と答えていた.全看護職者を対象にした中山,野嶋 が影響していた.『看護師としての自己実現』,継続 (2001)の研究における 44.6%と比較すると,ほぼ同 意志には有意な関係はみられなかった.これらの変 じ結果であった.しかし,理由に記載された不明と 数の寄与率(R2)は 62.8%であった. しての 15.1%は , 現時点で気持ちが揺れていること 仕事の満足度に関連している要因を探索する目的 で,サブスケール 18 項目と燃え尽きを説明変数に も推察された. 個人属性と仕事の満足度の関連では職種に有意差 して STEPWISE 法を用いた重回帰分析を行った. があり,助産師の満足度が高かった.助産師は独自 その結果,看護管理システム(β =0.351),給料(β の判断が委ねられる専門領域が多いためと考えられ =0.266) ,スタッフ間の人間関係(β =0.146),自律 る.専門知識をもった看護職者が看護外来で療養指 性(β =0.124),専門職意識(β =0.120),労働条件 導を行うなど,看護職者の活動の場は拡大してきて と福利厚生(β =0.116),燃え尽き(β =-0.143)の いる.臨床現場での専門性が発揮できる環境作りが 7 つが仕事の満足度に寄与する要因として抽出され 重要であると言える. た.これらの変数の寄与率(R2)は 64.0%であった. 52 1. 個人的背景と仕事に対する認識,満足度の関連 仕事に対する認識は, 『仕事上の人間関係』が最 日看管会誌 Vol. 15, No. 1, 2011 KangoGakkai.indb 52 2011/09/08 19:17:20 The Journal of the Japan Academy of Nursing Administration and Policies Vol. 15, No. 1, 2011 も高く,低かったところは給与や労働条件,看護部 門の管理のあり方などの『管理システム』であった. 3. 継続意志に関連している要因 継続意志有群が,看護管理システム,労働条件と 松島ら(2004)は,現職場継続意志では 35 歳未満 福利厚生,給料などの『管理システム』が整ってい が危険因子で 「管理システム」が大きく影響してい ると評価する傾向がみられた.またスタッフ間の人 たと述べており,本研究対象者は 25 ∼ 35 歳に相当 間関係,看護管理者との人間関係,患者との人間関 する年齢であり,支持した結果であった.また,仕 係が良好で,病棟への所属感が認知でき,専門職意 事の満足度においても,職場の人間関係が高く,低 識と自律性が認められ,ケア提供時間がもてている いのは労働条件,給料であったことから,中堅看護 と評価していた.さらにケアの手応えを感じること 職者の仕事に対する認識は,職場の人間関係と管理 で看護志向性,現実志向性を認知し,看護の現状に システムなどを重点に組織の側面に価値が置かれて 変革力を発揮していると認知する傾向がみられた. いる傾向があると言える. 判別分析の結果からも,継続意志には,燃え尽きが なく,看護職者としてのやり甲斐を見出して仕事の 2. 燃え尽きの状態と継続意志に及ぼす影響 燃え尽きの平均得点 4.0 点で,約 8 割が燃え尽き 満足度が高いほど,今の職場での継続意志は確実な ものとなると言える. と警戒群であった.川本ら(2006)の全看護職者を 中山ら(1994)は満足度や自己評価の低下は確実 対象とした 3.57 点,約 7 割と比較しても,多くの中 に燃え尽きを引き起こし,離職意志へと繋がるため, 堅看護職者が燃え尽きの状態にあると言える.その ケアの実践で直面している問題に対するサポートが 背景には保健医療ニーズの複雑・多様化,医療技術 必要あると述べている.阿佐ら(2004)は上司の働 の複雑・高度化,在院日数の短縮,患者の重症化・ きかけによる人的因子の作用が大きいことから,ラ 高齢化傾向により,一層 24 時間体制の看護の必要度 イフサイクルの位置,多様なキャリア志向,経験を が増していることがあると考えられる.さらに 7 対 考慮した個別の支援が必要であると示唆していた. 1 入院基本料新設に伴い,多くの病院で看護師獲得 尾﨑(2003)は看護師長の承認行為により看護職者 競争が生じ,新人教育や指導者の役割などの業務が に職務満足を与えるのは,「個々のスタッフへの目 増して負担が生じているのではないかと思われる. 配りと気配り」と報告している.本研究でも継続意 一方,新卒看護師は大規模病院に集中し,中小規模 志有が,看護管理者との人間関係が良好であること 病院では看護師不足に伴い,看護業務量の増加や繁 を高く受け止めており,仕事の満足度と中等度の相 雑化も燃え尽きが高まっている要因と考えられる. 関があったことから,上司から必要なときにサポー 稲 岡(1983,1986) は, 経 験 年 数 5 ∼ 10 年 の 燃 え尽きが最も高く,状況改善への努力をしなければ トが得られることが仕事の満足度を高め,継続意志 を高めると考える. 退職離職が相次ぐようになる.予防するには仕事上 での成功体験が強化されるような職場環境であり, 4. 仕事の満足度に影響している要因 対人関係上での問題に対して相談が得られることが 仕事の満足度に影響する要因は,『管理システム』 重要であると述べている.日本看護協会(2006)の が強く,次いで『専門職性』 ,『仕事上の人間関係』 , 調査では,看護管理者が把握している退職理由は, 燃え尽きが影響していた.具体的には次の 7 項目が 個人的要因が高く職場環境は顕著に低いという認識 抽出された. の差異があったと報告している.看護管理者は,同 組織的要因として,看護管理システム,給料,労 僚,先輩,上司に相談しやすいような職場の環境づ 働条件と福利厚生,スタッフ間の人間関係があり, くりに努め,燃え尽きの兆候を早期から把握し対処 専門性要因として,専門職意識,自律性が影響して していく必要がある.また上司や先輩に相談できな いた.加えて,燃え尽きが要因となっていた.以下, い内容を受け止める相談窓口や外部の資源も安心し 組織的要因と専門性要因ごとに考察する. て活用できる体制など,職員のメンタルヘルス対策 が組織的になされることが重要であると考える. 1) 組織的要因 看護管理システム:病院の中で看護部の位置付け 日看管会誌 Vol. 15, No. 1, 2011 KangoGakkai.indb 53 53 2011/09/08 19:17:20 The Journal of the Japan Academy of Nursing Administration and Policies Vol. 15, No. 1, 2011 が明確であり,看護部の方針を明確にしていること, 先輩・上司の存在と良好なコミュニケーションが重 問題解決にスタッフの意見を取り入れ,ケアの質を 要であることを示唆していた.また齋藤(2005)は, 高める取り組みをしていると評価しているほど満足 育児中の看護師は仕事を継続する上で,同じ状況で 度は高まると言える. 子育て中の看護師の存在が大きな支えとなっていた 給料,労働条件と福利厚生:寺本ら(2007)は, と報告していた.育児時間や短時間勤務の看護者に 離職を考える理由に,勤務外業務が多く,現在の仕 対してスタッフ同士で気楽に話し合いができ,お互 事量では家庭の両立が困難であることを挙げてお いに協力し合い,信頼し合っていると認識している り,労働条件の改善や看護業務の見直しが重要であ ほど仕事への満足度は高まると考える. ると報告している.厚生労働省(2007)は「医師及 2) 専門性要因 び医療関係職と事務職員等との間等での役割分担の 専門職意識,自律性:友澤(2006)は,臨床経験 推進について」で,看護師が専門性を発揮できるた 年数が長くキャリア意識が高いと自律性が高く,職 めの対応を具体的に示している.他の職種と問題点 場の人間関係,職務満足が影響していること.自律 を出しあい,計画的に業務改善に取り組む必要があ 性を促進するには,自己裁量権や権限を与え,責任 る.看護管理者は現場に即した方法で制度の働きか ある自律的な意思決定を促進することが重要である けや,処遇改善に努めると共に,組織的に支援する ことを示唆していた.山本ら(2003)は,経験 6 年 体制作りが重要である.安全で質の高い看護を提供 以上で,やる気を失うことを報告している.理由に するために,看護管理者の交渉力とリーダーシップ 「成長の可能性」とした人は,経験 6 ∼ 10 年に多く, の発揮が求められる. 専門的成長に伴う喜びや仕事を通じて充実感を感じ スタッフ間の人間関係:道下ら(2007)は,後輩 る時期であると述べていた.仕事上の判断や取り組 指導やリーダーなど役割が増し責任を与えられると みが主体的にできることで充実感が高まり,自分の 同時に,上下関係の間に挟まれ悩むことも多いため, 仕事を人に誇れる仕事として意識しているほど満足 図 1. 仕事の満足度と継続意志に対する要因の関連図 54 日看管会誌 Vol. 15, No. 1, 2011 KangoGakkai.indb 54 2011/09/08 19:17:20 The Journal of the Japan Academy of Nursing Administration and Policies Vol. 15, No. 1, 2011 度が高いと言える.看護管理者は,個人の背景を尊 謝辞:本調査にご協力いただいた 3 病院の病院長と看 重してスタッフの一人ひとりの能力を引き出せるよ 護部長及び看護職者の皆様に心よりお礼申し上げます. うにキャリアアップのための計画的な支援が重要と 尚,本論文の一部は第 13 回日本看護管理学会年次大 考える. 会にて発表した. 以上から,図 1 に仕事の満足度と継続意志に対す る要因を関連図としてまとめた. Ⅴ. 研究の限界と課題 本研究では地域と設置主体を考慮して対象者を選 定したが,3 施設に限られており,一般化するには 限界がある.仕事の満足度には, 『管理システム』 の影響が強かったことから,具体的な要因に対する 因子探索的な研究も必要であると考える.今後の課 題は,さらに収集したデータを基に,今回対象外と なった看護職者の実態についても明らかにし,経験 年数を説明変数とする視点から比較して分析を行う ことである. Ⅵ. 結論 1. 燃え尽き得点と性別,年齢,経験年数,婚姻状 態,子供の有無,勤務形態,職種,教育背景,健康 状態との間で有意な差は見られなかったが,仕事の 満足度は看護の職種によって異なっていた. 2. 継続意志有に影響していた要因は,『看護師と しての自己実現』 ,仕事の満足度,燃え尽き, 『管理 システム』であった. 3. 仕事の満足度に影響していた要因は,組織的 要因では, 『管理システム』が強く,次いで『仕事 上の人間関係』であった.専門性要因では, 『専門 職性』が影響していた.加えて,燃え尽きが影響し ていた.処遇の改善,専門性が発揮できる業務の見 直し,人間関係のよい職場風土作りに努めることが 看護管理する上で重要であることが示唆された. 4. 約 8 割が燃え尽きと警戒群であり,燃え尽きの 兆候を早期に把握し,対処していく必要がある.ま た職員のメンタルヘルス対策が組織的になされるこ とが重要である. ■引用文献 阿佐拓子,甲斐和枝,小菅美恵子,他(2004). 中堅看護師の勤務継 続意志に影響する要因−取り巻く人的因子からの分析− :. 日本看 護学会論文集 看護管理,34 ,112-114. 稲岡文昭,松野かほる,宮里和子(1983). 看護婦にみられる Burn Out とその要因に関する研究:. 日本看護学会集録 看護管理, 14,5-8. 稲岡文昭,川野雅資,宗像恒次(1986). 看護者の Burnoutと社会的 環境および行動特性との関連についての研究−一般医,精神科医 との 比 較を通して−:. 日本 看 護 学 会 集 録 看 護 管 理,17, 149-151. 稲岡文昭(1988). 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