オーラルヘルスマネージメント - Ivoclar Vivadent

Oral Health Management Assessment of the caries risk – biological tests
オーラルヘルスマネージメント
カリエスリスク評価 ー 生物学的検査
Ivoclar Vivadent AG Marketing / Professional Care
Dr. David Gabriele
患者のカリエスリスク認識により、疾患の原因をマネージメント
し、新たな疾患の発生を防止する確実な予防法と口腔を健康に保
1-3
つ方法を明確にできます 。
細菌検査は、カリエス罹患度を簡単に確定するのに効果的である
ことが証明されており
4, 5
、カリエスの最初の臨床的サインである
ホワイトスポットや欠損の形成前にカリエス罹患度を明らかにで
きます。
健全歯 − 均衡状態
カリエスは、1 つの要因で生じるものではなく、様々な相関因子が
歯の健康に影響しています。口腔内の危険因子と抑制因子は均衡
状態にあることが知られています。もし、これらの因子の 1 つま
たはそれ以上に変化が生じた場合、不均衡が生じる恐れがあります
2
(Fig.1)。
カリエスリスクの意義
カリエスリスクは、個人のカリエス発症率診断(Low/High)の参考に
なる。
カリエスリスクの評価
歯に破壊性のダメージを与える危険因子を検査する。
カリエスリスクの評価方法
1. 危険因子の識別
2. 何が、どのように影響するかの決定
3. 危険因子の評価と予防法の決定
4. 診査の記録と治療計画の施行
5. カリエスリスクの再評価
カリエスリスク評価とカリエス診断の違い
カリエスリスクの評価とカリエスの診断は、同じことではない。
カリエスリスク評価
≠
カリエス診断
危険因子の評価
存在するダメージの程度
カリエスが発症する前に施行
カリエスが発症した時に施行
Fig.2:カリエスリスクの意味
危険因子
抑制因子
• う蝕病原菌
• 低唾液流出量
•高
頻度な発酵性糖質の
摂取
• 唾液分泌と唾液中物質
•フ
ッ素 / カルシウム /
リン酸イオン
• 抗菌性物質
カリエス
Fig.1:歯の健康に影響を及ぼす危険因子と抑制因子
健全
確実に危険因子となる細菌
酸産生細菌と酸耐性細菌は、明らかに危険因子であり、検査の中
に含める必要がある項目です。ミュータンスレンサ球菌は、リス
クを考える時に重要で、これらは、糖質から酸を産生するととも
に、酸性環境下で生存能力があります。また、平滑面に容易に接着
でき、初期および進行したカリエス病変に存在します。
2
これらの細菌量が非常に高く検出された場合、酸産生が多くなり、
カリエスの発症リスクが高くなります。
口腔バイオフィルム中のバランス
一度、ミュータンスレンサ球菌が定着すると、カリエス形成過程
多種多様な細菌が、口腔バイオフィルムの系統的なコミュニティ
でラクトバチルス菌群の増殖が開始します。この細菌も酸を産生
をつくり、複合体で共存しています。通常、細菌同士および細菌と
し、酸性環境下で生存能力があります。
歯が健全な関係で共存しています。しかし、このバランスが崩れ
しかし、ミュータンスレンサ球菌と比較し、これらの菌に平滑面
ると、酸産生細菌が優位になり、カリエスリスクは増加します。カ
への接着能力はありません。これらは、唾液、舌面、窩、裂溝、矯正
リエスを生じさせる様々な要因が存在しても、病変が必ずしもで
ブラケット周囲、補綴修復物マージンギャップ、齲窩に存在します。
きると限りません。抑制因子が均衡を保つからです。フッ化物の供
給不足または糖質の摂取増加により、これらの影響因子が不均衡
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になると、カリエスが生じる可能性が高くなります 。
歯科医院でできるテスト
Ivoclar Vivadent の CRT バクテリアは、国際
個人のカリエスリスク評価
論文が多く発表されており、臨床的にエビ
デンスがあるテストです
4, 7-9
。ミュータンス
患者のカリエスリスクは、臨床検査、患者の既往歴または生物学
レンサ球菌とラクトバチルス菌の選択培地
的検査をもとに評価されます(Fig.2)。これらの診査結果は、危険
で構成されており、唾液および
因子と抑制因子の均衡状態を維持し、抑制因子を強化する方法を
プラークを検体として使用
探し出す必要がある臨床医にとって有効です。
できます。
オーラルヘルスマネージメント カリエスリスク評価 ー 生物学的検査
ません。また、この菌の存在は、重要な情報です。例えば、様々な疾
使用上の注意
患、唾液流出低下および緩衝能低下は、イースト菌の増加を引き起
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こします 。
唾液サンプル
• プラーク細菌を含む唾液サンプルを採取するために患者にパラ
フィンを咬んでもらいます。
プラークサンプル
• 唾液は、カップに採取します。
ミュータンスレンサ球菌と
• 試験管をあけ、炭酸水素ナトリウムのタブレットを入れます。こ
ラクトバチルス菌は、唾液
のタブレットに水分が触れると二酸化炭素が発生します。これ
同様バイオフィルム中から
により、ラクトバチルスの培養を促進します。
も検出されます。プラーク
• 次に、フィルムを培地から剥がします。このとき、外部細菌の汚
染をなるべく防いでください。
サンプルは、湿潤したブラ
シおよびトゥースピックで
• 開封した培地は、保護せず通気性の良い場所に放置しないでく
採取し、注意深く培地表面
ださい。加えて培地付近で、くしゃみや咳は避けます。このよう
に塗布します。間隔を十分
な場合、培地を廃棄し、新しいものと交換してください。
に あ け、平 行 に 4 本 線 で 塗
• ピペットを使用し、培地
布します(Figs 5a, 5b)。確
表面に触れないように唾
実に二酸化炭素を発生させ
液 を 塗 布 し ま す(Fig.3)。
るために、唾液の水分を補
培地をわずかに傾けて
足し、追加で少量の水を炭
把持すると、唾液が培地
酸水素ナトリウムのタブ
表面を流れやすくなりま
レットに加えることも可能
です。サンプルは、2 日間培
す。培地は、唾液で全面を
覆うようにします。
Fig.3:CRT バクテリアへの唾液塗布
• 培地を試験管に戻し、閉めます。患者名、実施日を記載したラ
ベルを貼付けます。試験管は、培養器(カルチュラインキュベー
養後に判定します。
Fig.5a:プラークサンプルの採取
(写真 : Prof. Dr S. Kneist)
Fig.5b:培地上へのプラークサンプルの塗布
(写真 : Prof. Dr S. Kneist)
この方法は、自身で唾液を採取できない小児、口腔乾燥症患者、咀
嚼障害がある患者の検査で推奨します。
ター、Ivoclar Vivadent)に入れ、37℃で 2 日間培養します。これ
により、ミュータンスレンサ球菌は、ブルーの培地に、ラクトバ
チルス菌は、ほぼ無色の培地(容器の色でグリーンに見えます)
細菌量が多い
に培養されます。培地は、2 〜 3 日長く培養されてもコロニーの
細菌量が多い場合、患者は、カリエス罹患率が高いと言えます。こ
量に変化はありませんが、コロニーの大きさが変化する可能性
の段階では、2 つの方法があります。直接、抗菌療法を開始するか、
があります。
集中的に口腔衛生状態を改善し、ホワイトスポットの形成を抑制
• 結果をチャートと比較し
するためにフッ化物応用を適応します。
ます(Fig.4)。特に、ミュー
しかし、フッ素は、細菌数が増加し、酸産生が高くなると、適切に
タ ン ス レ ン サ 球 菌 で は、
効果を発揮できない可能性があります。この場合、口腔内のバラン
無影灯下に傾けてかざす
ス回復のために抗菌治療が必要になります。フッ素は、これが確立
ことで簡単に判定でき
されて効果を発揮します。
ま す。唾 液 1mL あ た り、
5
10 CFU* 以 上 の ミ ュー タ
ンスレンサ球菌またはラ
Fig.4:チャートを使用した細菌の評価
クトバチルス菌は、カリエスリスクが高くなります。
*CFU = Colony Forming Units
テストの有効性
細菌数を習慣的に繰り返し
検査することは、健康な患者
やカリエスリスクの臨床的
Special tip
なサインが観察しにくい修
唾液は、ピペットで口腔内から直接採取できます。他に、舌上を木製の
復した歯列の患者において
スパチュラで擦過し、その後、培地上に圧接する方法もあります。
口腔内の変化を知る重要な
情報源となります。妊娠中の
イースト菌が、ラクトバチルス菌の培地上にまれに繁殖します。大
女性、母親、小児(Fig.6)、矯
きく、クリーム色のコロニーを形成します。確実にイースト菌を確
正治療前後の青年期および
認するためには、過酸化水素水をサンプルに滴下します。ラクトバ
成人、高品質の治療、補綴を行った患者は特にターゲットとなりま
チルス菌と異なり、イースト菌は、過酸化水素水と触れると発泡し
す
ます。そのため、イースト菌とラクトバチルス菌の識別に問題あり
を行うことにより、計り知れない効果的手段となるのです。
Fig.6:カリエスリスクの早期判定はカリエス
予防につながる(写真:Prof. Dr S. Kneist)
11-16
。細菌テストは、カリエスリスクを早期確認し、効率的な治療
オーラルヘルスマネージメント カリエスリスク評価 ー 生物学的検査
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