MMFの見解 電磁過敏症:世界保健機関(WHO)の新たなファクトシート 世界保健機関(WHO)は2005年12月、電磁過敏症に関するファクトシート(No.296)を発 表しました 1。 WHOは、健康に関する国連の専門機関で、世界で最も権威があり尊重されている保健機関 です。WHOは、専門家によるワークショップや国際会議、欧州委員会報告書、及び最新の科 学文献レビューに基づき、このファクトシートを発表しました。 一部の人々は時々、携帯電話、基地局、及びその他の無線機器から生じる電磁界ばく露のせ 2 いだとする様々な健康問題を報告しています。こうした人々は、しばしば電磁過敏症(EHS; Electromagnetic Hypersensitivity)だと表現されていま す。 EHSは、様々な非特異的症状と特徴づけられ、悩まされている人々はそれが電磁界ばく露 によるものだと捉えています。最も一般的な症状には、皮膚症状(発赤、チクチク感、灼熱感)、 神経衰弱症、自律神経症状(倦怠感、疲労感、集中困難、めまい、吐き気、動悸、消化不良) があります。 MMFは、この問題に関するWHOの明確なガイダンス及び以下の結論に注目しています。 ・ EHSの症状が電磁界ばく露と関係するような科学的根拠はありません。 ・ EHSは、多様な非特異的症状として特徴づけられ、症状は人によって異なっています。 ・ 症状は存在しているもので、日常生活に支障をきたす可能性のある問題です。 ・ EHSは、医学的診断でもなければ、単一の医学的問題を表しているかどうかもはっき りしません。 WHOは、自分たちを電磁過敏症と関連付ける人々に対する対処は、以下を実施することに より、その健康症状と臨床像に注目すべきであると表明しています。 ・ そうした症状の原因かもしれない、何らかの特定の条件を同定し、対処するための医学 的評価 ・ そうした症状の原因かもしれない、精神医学的または生理学的条件を同定するための心 理学的評価 ・ そうした症状に寄与するかもしれない、職場及び家庭における要因に対する評価 2005年12月 1 2 WHOのウェブサイトhttp://www.who.int/mediacentre/factsheets/fs296/en/ から入手可能です。 WHOは、電磁過敏症というよりは「本態性環境非寛容症(IEI;Idiopathic Environmental Intolerance )」という表現をしています(ファクトシートNo.296参照してください)。IEIという語句は、 経験している症状との因果関係を意味するものではありません。
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