ベトナムにおける節水プロジェクト

資料2-9
2014/2/14
GEC
ベトナムにおける節水プロジェクト
平成25 年度アジアの低炭素社会実現のための
JCM 大規模案件形成可能性調査事業
2014年2月14日
三菱UFJモルガン・スタンレー証券株式会社
TOTO株式会社
事業の目的と概要
背景
ベトナムでは、急速な経済発展の
ため、都市部を中心に水問題が
深刻化
水不足、降雨時による都市浸水、
水質汚染、漏水など
調査目的
節水によるCO2削減効果の検証
節水や都市浸水対策に寄与する
日本技術のベトナムにおける適用
可能性と有効性の検証
実施事項
CO2削減およびベトナムが抱える水問題の是正に寄与する
1. 節水機器導入検証事業
2. 雨水利用浄化システム導入検証事業
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実施体制図
雨水利用浄化システム導入検証事業
節水機器導入検証事業
三菱UFJモルガン・スタンレー証券
全体監理、節水事業・雨水利用事業総合評価
TOTO
三和情報通信ネットワーク
節水型シャワー・節水型便器の設置
節水によるCO2削減モデルの構築
Viet Energy Consultant and
Investment Corporation /
Renaissance Riverside Hotel Saigon
Energy Conservation Center HCMC
ベトナム側支援先
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節水機器導入検証事業
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事業の概要
事業概要
節水型トイレおよび節水型シャワーを設置、使用された水量・時間、温度や
ポンプ消費電力を計測し:
実際の水消費の時間変化を計測、モデル化
シャワーにおいては給湯エネルギーの削減効果もモデル化
MRV方法論におけるCO2削減量試算のデフォルト値を設定
対象:Renaissance Riverside Hotel Saigon(150室)
所在地
8-15 Ton Duc Thang Street, District 1, Ho Chi Minh City
ホテルランク
☆☆☆☆☆
総客室数
336室
建物構造
地上21階・地下2階
開業
1998年
保有施設
客室、レストラン、喫茶、バーラウンジ、フィットネスクラブ、
ビジネスセンター、屋外プール
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【補足】節水とCO2削減の関係
浄水場や下水処理場で水を供給・処理する際に、エネルギーが必要
電気
電気
電気
シャワーやトイレなどの節水により、浄水場、建物内ポンプ、下水処理場
におけるエネルギー削減および給湯エネルギーの削減に繋がる。
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導入された機器
大4.8L、小3L /回
①節水型便器
6.5L/min
②節水型シャワー
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節水効果およびCO2削減効果
更新前
更新後
水使用量
更新前
更新後
トイレ(大)
10.5L/回
4.92L/回
トイレ(小)
10.5L/回
3.18L/回
11L/分
6.82L/分
シャワー
年間の一室あたり
節水量*
年間の一室あたり
CO2削減量**
14.5m3/室/年
10.5kg-CO2/年
11.2m3/室/年
87.4kg-CO2/年
* 使用回数・時間、稼働率等を考慮した年間の一室当たりの節水量
** 排出係数 トイレ
:0.72kg-CO2/m3 (上水・建物内給水・下水のCO2排出係数)
シャワー :7.80kgCO2/m3 (上水・建物内給水・給湯・下水のCO2排出係数)
※トイレ・シャワー共に16階以上の階層への配水に使用されている加圧ポンプの排出係数を含めていない
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今後の展開と削減ポテンシャル
平成25年度
JCM大規模案件形成
可能性調査
対象:ホテル150室
CO2削減:15t
平成26年度(案)
JCM大規模実証
対象:ホテル5,000室
CO2削減:490t
日本政府
クレジット基準ガイドラインの提案
・方法論
・JCM対象製品の規格
平成27年度以降(案)
JCM事業展開
対象:ホテル10,000室
CO2削減:979t
ベトナム政府
助成金(製品購入時の1/2)
クレジット
※日本政府の支援スキーム:1/2助成枠の適用を検討中
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雨水利用浄化システム導入検証事業
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事業の概要
背景
降雨時の都市浸水、下水の生放流による環
境悪化
上水は飲用に適せず、市販の飲料水を購入
するのが一般的
事業概要
雨水利用の可能性と節水・CO2削減効果の検討
日本の水浄化システムを設置し、雨水利用した場合
の有効性と安全性の検証
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雨水利用の節水・CO2削減効果
事例1
事例2
事例3
テナントビル
ホテル
駐車スペース
(地上5階)
(地上21階・地下2階)
(オフィスビル)
ホーチミン市 1区
ホーチミン市 1区
ホーチミン市 3区
284m2 / 51m2
29,539m2 / 1,419m2
- / 60m2
2,592m3
132,241m3
NA
年間雨水利用量**
90m3
2,524m3
107m3
節水率
3.5%
1.9%
NA
21kgCO2
581kgCO2
25kgCO2
用途
場所
延床面積・屋根面積
年間給水量*
年間CO2削減量***
* 事例1は推定値、事例2は実績値に基づく
** 年間集水可能雨水量[m3]=集水面積[m2]×年間降水量[mm]×流出係数÷1,000
年間降水量:1,976mm 流出計数:0.9(屋根の場合)
***
排出係数:0.23kgCO2/m3 (上水のCO2排出係数)
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雨水利用の安全性
日本の浄水システムの導入による雨水利用
集雨屋根、集水タンク
と前処理装置
試験対象建物
用途
ECC-HCMC 駐車スペース
場所
ホーチミン市 3区
集雨屋根面積
60m2
集水タンク容量
1,000L
システム構成
(処理後)雨水用途
浄水装置
前処理装置、浄水装置、排水ポンプ
上水利用(補助補給水)
水質試験結果
異常ないことを確認
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今後の展開
日本の浄水システムの導入による雨水利用
平成25年度
平成26年度(案)
・テナントビルに浄水設備導入 1件
・オフィス駐車場に集雨・浄水設備導入 1件
病院・ホテル等に集雨、雨水雑排水
浄化、中水利用設備導入
日本政府のFS支援スキーム等活用
実現可能性
浄水システムについては、学校や病院に対して20件近い導入実績あり、大型病
院への採用も決定。同システムは、ホーチミン市人民委員会に有効性について
の認識を得ており、同市の入札にも参加できる体制が整いつつあり。
今後、雨水・雑排水の中水利用と組み合わせたシステムを展開予定。
⇒一定条件の下では、水道料金節減により3年以内の回収可能性あり
ホーチミン市に普及した場合の節水・CO2削減ポテンシャル
試算結果
雨水利用ポテンシャル(年間)
63,300,000m3
CO2削減ポテンシャル(年間)
14,500tCO2
計算
雨水集水面積[m2]*×年間降水量[mm]×流出係数÷1,000
35,600,000m2×1,976mm×0.9÷1,000
雨水利用ポテンシャル×CO2排出係数****
63,000,000m3×0.00023tCO2/m3
* 雨水集水面積 = HCMC市面積×建物占有率×屋根集雨普及率 (35.6km2=494km2 ×36%** ×20%***)
** 類似データに基づく推定値 *** 推定値 **** 上水のCO2排出係数
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