「一年間の中国留学を終えて」(グローバル・コミュニケーション学科3年

一年間の中国留学を終えて
中国
天津外国語大学 協定留学生
留学期間 2013 年 2 月~2014 年 1 月
グローバル・コミュニケーション学部 3 年
栗原 麻衣
私は今年の 1 月に中国・天津から帰国し天津外国語大学での一年間の留学を
終えました。同じ大学から一緒に留学する友人もおらず全く知らない土地で日
本では殆ど使う機会のなかった言語を使い生活をしていくことに留学当初は不
安を感じていました。特に不安に感じていたことは初めて知り合う友人と上手
くやっていけるかということでした。日本でも新たな環境に入り新たな友人を
作るということには多少の緊張や不安があります。しかし天津では日本人だけ
でではなく、言葉も文化も全く異なる友人と一から始めていく生活をしなくて
はならないので余計に不安でした。天津で一番初めに知り合った友人はルーム
メイトになったウクライナ人の子でした。ウクライナというと国の名前くらい
しか聞いたことがなくどのような文化があるのか、どのような生活スタイルな
のか彼女の国について私は何も知りませんでした。そんな状況から生活がスタ
ートしましたが、彼女はいつも気さくに話しかけてくれて、遊びにも誘ってく
れました。時には彼女が写真を見せながら自分の国について紹介をしてくれる
こともあり、お互いの文化や様々なことを教えあうことでより彼女と親しくな
れました。彼女のおかげで初めの緊張もなくなり楽しく日々を過ごせるように
なりました。彼女から学ぶことはとても多く私にとって大きな財産になったと
思います。
安全面は想像していたより悪くはありませんでした。しかし日本人と分かる
と良くないことを言う人や騙そうとする人がいました。街では盗難被害も多く、
実際に私の友人も何人も被害にあっていました。そういう面では「ここは日本
ではない」ということをしっかり意識して行動しなければなりませんでした。
それと同時に日本がどれだけ安全だということを実感することにもなりました。
環境面に関しても日本ではきれいな空気・きれいな街というのが当たり前でし
たが、中国はあまりきれいと言いえる場所ではありませんでした。安全面・環
境面様々な場面でとても驚くことが沢山ありました。特に空気が汚いというの
は体調にも影響して日本では一年ほぼ健康に過ごせていましたが中国では体調
を崩すことが多く辛かったです。しかし体調を崩した際にはたくさんの友人た
ちが心配や看病をしてくれてとても心強かったです。
中国には一年という長い期間滞在をしていたので旅行に行く機会も何回かあ
りました。旅行に行くと様々なものを見たり体験したりすることができとても
良い体験になったと思っています。私は青島・西安・大同に行きましたが、特
に国慶節の際に行った西安旅行がとても良い経験になりました。汽車のチケッ
トを買ってホテルを探し、当日はホテルに着くまで異国の地で何から何まで全
て自分たちで行うことは本当に大変でした。汽車を使い片道 20 時間程かけて行
きましたが、座席近くの中国人の方達とお話をしたり、中国人の方達から先に
声をかけてきてくれたりして 20 時間という長い時間もあっという間にすぎてし
まいました。その際に「普段留学生の友人たちと話している中国語ではまだま
だ不足しているところが沢山ありもっともっと頑張らなければならない」とい
うことを痛感しました。そのような面でも旅行に行くことは非常に良い勉強と
なりました。
旅行に行く際もそうですが普段の生活の中でいつも同じ国同士で固まってし
まう人たちが多かったように思いました。私も前半では違う国の友人たちと交
流を持とうとしても必ずメンバーの中には日本人がいて何かあればそちらに助
けを求めてしまうという環境で過ごしていました。しかしそれもせっかく留学
に来ているのに日本人の中にいては面白くないと思い、後半は日本人の少ない
クラスを選びいつも他国の友人と行動をしていました。そのおかげで後半は前
半よりも楽しく充実した留学生活になったと思います。他国の友人と行動をす
ることで他国の文化だけではなく日本人が気付いていない日本人のよい面や悪
い面を実感することができました。また友人たちとの会話の中で各国の政治や
軍事に関することがよく話題に上がりました。これも日本ではあまり体験する
ことのなかったことだったので新鮮であり、色々と考えさせられました。
最後に、この一年間の留学生活の中で強く感じたことは本当に良い友人たち
に恵まれたということと、お互いを理解することが大切だということです。中
国で体験したことの中には初めはありえないと感じ受け取りがたいようなこと
もありましたが、それを嫌なこととしてだけ受け止めるのではなくきちんと理
解してから受け止めることが重要だと感じました。言語・文化・宗教等すべて
違うのだから初めは理解できなくて当たり前であり、それを自ら少しでも理解
をしようとすることで色々なことにつながっていくのだと感じます。今現在あ
まり良くない日中関係もその一つですが、そのような小さなところから理解を
深めることで変わっていくのだと感じました。
この留学ができたのもたくさんの方たちのサポートがあったからこそ実現し
ました。支えてくださった先生、グローバル教育研究センターの方達、応援し
てくれた友人、そして両親に感謝したいです。今回の留学は私にとって本当に
貴重なものとなり、行ってよかったと心から思っています。またこの留学を通
して学んできたことや成長出来たものが無駄にならないようこれからも日々何
事にも努力し励んでいきたいと思います。