PDF版を印刷する

PEMEX 社、エマソンの技術で油田の安全性向上と延命を実現
ハリケーンの多い地域に何十年も前に建設された海上プラットフォームで、産油
量が減少していく油井の効率的な稼働を実現するにはどうすればよいか。これは
メキシコ湾の支湾、カンペチェ湾にあるカンタレル油田の延命を図るメキシコの
国営エネルギー企業、Petróleos Mexicanos(PEMEX)社が直面している課題です
。
カンタレル油田は世界最大級の油田で、2003 年まではメキシコ全体で生産され
る原油の 60%を生産していました。しかし、その後は生産量が減り、メキシコ
の原油生産量に占める割合は現在約 30%となっています。
このカンタレル油田で PEMEX 社は 50 を超えるプラットフォームで約 200 の油井
を稼動させていますが、これらの施設では利用できる電力に制限があるか、全く
電力を利用できないかのいずれかです。また、多くのプラットフォームで陸上の
管理施設へデータを送るための通信インフラを欠いていました。そのため、
PEMEX 社は毎日従業員にボートで 80 キロ沖合のプラットフォームまで行かせ、
原油生産に関する決定を行うためのデータを回収させていたのです。この方法は
コストがかかり、天候に左右されやすい上に、重要な意思決定の遅れと労働災害
リスクをもたらすものでした。
PEMEX 社は途切れることなく原油生産を続けましたが、生産開始から 30 年を経
て、カンタレル油田での生産サイクルを最適化する革新的で採算に合うモニタリ
ングソリューションを考える必要が生じました。求められたのは、油田の状態と
生産プロセスに関するタイムリーで信頼性の高い情報を集め、海上プラットフォ
ーム全てのデータを統合することで、従来よりも質の高い油田管理、労働者の安
全と環境保護面での改善をもたらすような技術的アプローチでした。
「これまでにはなかったことです」『インテリジェント油田』というビジョン
の実現を目指し、シウダード・デル・カルメンで働く PEMEX 社のエンジニアは
Emerson Mexico のエンジニアと協力し、海上プラットフォームを遠隔監視する
モニタリングシステムを作りました。カンタレル油田の延命に役立ち、インフラ
を新設する必要はなく、短期間で導入でき、高額な保守コストも不要なシステム
です。
Emerson.com/neverbeendone
@2011 Emerson Electric Co. All Rights Reserved
CONSIDER IT SOLVED.
競合するソリューションを徹底的に調べ、何度も実地テストを重ねた末に、
PEMEX 社はエマソンのスマートワイヤレス技術の採用を選択しました。コスト効
率が高くて短期間で簡単に導入でき、利用できる電力に制限があるという問題を
解決できて、信頼性と通信の完全性に関する厳しい要件も満たすというのが、選
択の理由です。
エマソンのスマートワイヤレスソリューションを利用すれば、PEMEX 社は有線シ
ステムを導入する場合の何分の 1 かの費用で海上施設を残らず監視できるように
し、ほとんど一夜のうちに生産プロセスと油田状態の可視化を実現することがで
きます。バッテリー式のスマートワイヤレスセンサーは圧力や温度、バルブ位置
を直ちに計測することができ、油井の状態に何らかの変化があった場合に迅速な
対応をするのに必要なリアルタイムの情報をオペレーターに提供します。海や天
候が荒れているときにもリグや緊急遮断バルブの監視が可能なことで、PEMEX 社
はプラットフォームを守り、従来よりもうまく油田を管理できます。『インテリ
ジェント油田』の実現に向けた次のステップは、各プラットフォームからの監視
データをシウダード・デル・カルメンのオペレーションセンターに集約すること
で、これによって生産プロセスの可視化はさらに進んで意思決定の質が高まりま
す。
PEMEX 社はこのプロジェクトが完了すると、年間の物流・設備コストが大幅に削
減できるほか、原油生産の最適化、海上プラットフォームへ行く必要性が減るこ
とによる労働者の安全と環境保護面での改善が実現するものと期待しています。
カンタレル油田の延命、生産量の拡大にもつながるでしょう。世界の他の企業と
同様、PEMEX 社はエマソンのスマートワイヤレス技術を自社の事業に最適なソリ
ューションだと評価しています。
PEMEX 社は原油生産量世界第 3 位で、総合エネルギー企業のランキングでは 11
位の評価を受けています。2008 年の年間売上高は 980 億米ドル(約 9 兆円)で
した。エマソンは 40 年以上にわたってメキシコで事業を行っており、国内各地
に多くの製造工場があります。それにより、メキシコの製造業セクターでは最も
重要な雇用主となっています。
Emerson.com/neverbeendone
@2011 Emerson Electric Co. All Rights Reserved
CONSIDER IT SOLVED.