ロンドン・オリンピックの治安を守る -イギリス鉄道警察

事例紹介:
ロンドン・オリンピックの治安を守る
-イギリス鉄道警察-
2012 年ロンドン・オリンピックの
治安を守る
INTERGRAPH®
ERDAS APOLLO
2012 年夏季オリンピックは、2012 年 7 月 27 日から 8 月 12 日まで、イギリス
のロンドンで開催されます。このイベントに備え、ロンドン・オリンピック
2012 組織委員会、オリンピック安全保障理事会、およびオリンピック施設/
インフラ担当局は、イギリス全土の治安維持関連機関と協力し、「オリンピ
ック開催期間中の治安を守る」を合言葉に活動しています。
重要な情報を収集し、それを全ての関連機関で確実に共有するための、専門
部署がイギリス警察内部に設置されました。開催を間近に控え、イギリス警
察のセキュリティ・サービスが緊急で理解しなければならなかった課題は、
当時、様々な独立した機関に偏在していたデータや情報を如何にして、最大
限に効率化するかということでした。
イギリス鉄道警察
多くの警察機関がオリンピック治安計画に参加
しています。イギリス鉄道警察(BTP)もそのひ
とつです。BTP はイギリスの鉄道を管轄する国家
警察で、イングランド、ウェールズとスコットラ
ンド全域の鉄道運行要員、スタッフ、および乗客
へ警察業務を提供しており、その管轄範囲として
ロンドン地下鉄、ドックランズ・ライト・レイル
ウェイ、グラスゴー地下鉄、ミッドランド・メト
ロ、クロイドン・トラムリンク等が含まれていま
す。
BTP の使命は鉄道の安全を守り、運行障害や犯罪
を防ぐことです。オリンピック期間中には膨大な
数の人々が移動し、イギリスのあらゆる交通シス
テムが利用されることが予想されます。とりわけ
重要なのは、鉄道と道路のネットワークです。BTP
は、オリンピック期間中の急激な鉄道利用人口に
備え対策を講じる必要がありました。
BTP ではイギリス全域における活動を監視・支援
するため、地図データ、航空写真、CCTV(有線テ
レビ)、動画データ等の地理空間情報データのシ
ステムを既に構築して活用ており、オリンピック
開催前と開催期間中の交通ルートに関した地理
データの効率的管理が BTP の最大使命となってい
ます。
関連機関での相互運関用を目的とした空
間情報基盤(SII)
BTP は情報分析業務の一環として、複数のセキュ
リティ関連機関の間で重要情報を確実に共有す
るため、オリンピック専用の空間情報基盤(SII)
BTP の使命は鉄道の安全を守り、運行障害や犯罪の発生
を防ぐことです。
画像提供元:イギリス鉄道警察
を開発しました。SII は、複数機関から利用でき
るよう設計され、運営、戦略的な計画、イベント
計画、犯罪分析、民間人の緊急時対応計画等、幅
広い要件に対応可能なうえ、地理空間情報とその
情報供給を一元化し、各機関が保有するセキュリ
ティ関連の地理情報を可視化すると共に、動的お
よび静的な地理空間情報データの供給機能とセ
キュリティ環境をも考慮して構築されました。
BTP はオリンピック専用の空間情報基盤(SII)環境を開発しました。SII は地理空間情報とその
情報供給を一元化し、各機関が保有するセキュリティ関連の地理空間情報を可視化します。
各機関相互の潜在的な統合的な課題
BTP は、どのようなしくみで、ギガバイトレベルの
航空画像、ラスタデータ、地図データを効率良く管
効率的な SII の開発には、課題が山積みでした。SII
理・保管し、さらにタイムリーにデータを配信すれ
の主な目的は、分類したデータと情報のフィードバ
ばよいかを理解する必要がありました。また、BTP
ックを安全に共有し、各組織間でほぼリアルタイム
はすでに Oracle Spatial を導入していましたが、
に同時に利用できることです。SII は、多数のセキ
適切なデータ管理ツールを必要としていました。さ
ュリティ関連機関ごとで異なるシステムを相互に
らにパフォーマンス上、リモート・サイトへの帯域
運用できなければなりません。新システムは、既存
幅をアップグレードする必要がありました。つまり
の GIS(地理情報システム)や、各機関の業務シス
BTP は、より最適なソリューションと信頼できる業
テムとの統合を容易にすると共に、すべてのデータ
界トップ企業によるデータ管理に関するサポート
とテクノロジーがシームレスに接続され、かつ運用
と協力が、不可欠であると認識していたのです。
されなければならないのです。
BTP の SII 開発プロジェクトでは、データ規格、情
報システム、インタフェース、IT 基盤、緊急事態
バックアップ等に関するプランの相違、およびコス
トと時間の制約が相互運用における課題でした。ま
た、BTP は、地理空間情報業界における標準準拠、
すなわち Open Geospatial Consortium(OGC)への
コンプライアンスに準拠することを宣言しました。
BTP 情報担当部長のリチャード・スミス氏は、「OGC
非準拠なら、BTP は興味がない。」と語ります。
ERDAS APOLLO は、BTP の「Map View」Web アプリケーションへカタログ化された BTP のエンタープライズ地理空間情報
データを配信しています。
BTP のデータ管理を一新した
INTERGRAPH のソリューション
BTP はソリューションを探し求め、Infoterra
(イギリスとアイルランドでの ERDAS 製品公式
代理店)と Intergraph を招待し、ERDAS APOLLO
の機能に関するプレゼンテーションを希望し
ました。ERDAS APOLLO は、3 つのエディション
からなるエンタープライズ規模のデータ管理
システムで、膨大な量のデータの記述、カタロ
グ、検索、そしてセキュアな配信を可能にしま
す。
既存の GIS 環境をシームレスに統合し、
様々
なデータに対応することで業務システムの利
用価値を向上させます。膨大な数の動的および
静的な画像コンテンツの処理はもちろん、この
インターオペラブル(相互運用可能)な OGC/ISO
ベースのソリューションは、地形データのみな
らず、業務で利用される事実上すべてのエンタ
ープライズレベルの電子データを簡単に配信
できるのです。
「イギリス鉄道警察が求めていたのは、まさに
ERDAS APOLLO だという事がすぐに判りました。
そこで、弊社のソリューションなら、仮に帯域
幅に制限が存在しても、地理空間データをイン
ターネット経由でデスクトップの GIS、CAD、お
よび Web アプリケーション等に配信できる事を
証明したのです。」と、Intergraph の EMEA 地
域責任者のアンディ・ガラット氏は語ります。
2012 年のロンドン・オリンピックに向け、BTP
は ERDAS APOLLO Advantage を導入しています。
APOLLO 製品の中間層に位置する Advantage は、
統合型エンタープライズ・プラットフォームと
共に、複数の組織間に分散する膨大な地理空間
データを管理・配信できます。
BTP は、グリッド型データストレージの保管と共有はも
ちろん、オリンピックのセキュリティ管理に関連する
空間情報基盤(SII)の要件を実現するために、ERDAS
APOLLO を採用したシステムを構築しました。OGC/ISO
準拠の Web サービスを利用し、セキュリティが確保さ
れたネットワーク経由で、ERDAS APOLLO はギガバイト
レベルの画像でも高速なデータストリーミング配信が
可能です。このシステムから、BTP はすべての地理空間
データ、画像、地図データを安全にカタログ化し、標
準規格の Web サービスを利用して、効率的な配信が可
能になったのです。
「今までサーバーに保管できた画像は、全画像データ
の 50%に過ぎませんでした。また、データを利用する際
にも問題が頻発していたのです。国家警察として、画
像のセキュリティを確保すると同時に必要に応じて管
理と配信が可能なソリューションが必要でした。ERDAS
APOLLO はまさに理想のソリューションです。」とスミ
ス氏は語ります。
ERDAS APOLLO Advantage のコラボレーションモジュー
ルは、お互いに離れたデスクトップ間で地理空間デー
タ・情報のセキュアかつ迅速な共有を実現します。BTP
はこのモジュールを使用し、各地から収集した動的お
よび静的なデータを共有しています。フロントエンド
では、ERDAS TITAN Client がデスクトップ上でのデー
タパブリッシングに使用され、交通セキュリティ監視
システムをサポートします。ERDAS TITAN Client は、
フロントエンドの利用者にとって、容易に操作できる
ことが採用の決め手となりました。
ERDAS APOLLO は Oracle 11g テクノロジーを採用してい
ます。これは BTP がセキュリティ業務で急激に増大す
る情報を効率的に保管・管理するためすでに導入して
いたものです。地図データと航空画像データの保管に
は、主に Oracle Spatial が使用されています。ERDAS
APOLLO により、Web Map Services や、ECWP の Web 配信
プロトコル等、Web サービスからこれらのデータを配信
できるようになったのです。
画像提供元:イギリス鉄道警察
ERDAS APOLLO を採用し、BTP では効率性が向上すると同時

に、多数の国家機関との相互運用が実現されました。運用、
戦略的な計画、犯罪分析、民間人の緊急事態への計画等の
ECWP による、高速な画像配信‐ ロンドンの画像
を秒単位で表示

既存の地理空間情報データ、コマンド / コント
幅広い業務要件への対応が可能になったのです。さらにス
ロールベースのアプリケーション(Memex や
ミス氏は語ります。「例えば、すべての画像と地図を簡単
MetaCarta など)のサポートと統合
にアクセス可能な場所に一元化することで、ロンドン・マ
ラソンに何千人もの渡航者が訪れたり、2012 年ロンドン・
オリンピックに大量の旅行者が発生したりする場合など、
イベントごとに対応しなければならないオペレーションに

充実したサポート
ERDAS TITAN
(デスクトップのデータ共有とグラフィック表示):
対する計画立案の効率を高めることが出来ます。」

- 警察官へのトレーニング期間を短縮
INTERGRAPH の主な利点
BTP は SII をサポートするエンタープライズ・システ
ムとして、ERDAS APOLLO の次のような利点を指摘して
います。

わかりやすいインタフェース
OGC 準拠 ‐ 現在と将来の両方で重要

データ共有と共有コンテンツのマッシュアップ

3D バーチャルグローブでの CCTV の統合

容易なセットアップと、ユーザサイトへの接続

警察機構に不可欠な高レベルのセキュリティ要
件に対応
Intergraph(インターグラフ)について
Intergraph は、エンジニアリング、および、複雑なデータのビジュアライゼーションを実現する、ジオスペーシャルソフト
ウェアを提供する世界のリーディングカンパニーです。膨大なデータを整理し、業務とインフラを最適に、安全に、かつよ
りスマートにできる業界に最適化されたソフトウェアは、世界 60 ヶ国以上の民間企業、政府機関などで利用されています。
Intergraph のソフトウェアおよびサービスにより、プラントや造船などの構築や運用、インテリジェントマップの作成、お
よび重要な社会インフラや世界中の何百万人もの人々の安全保護などを実現しています。
Intergraph は Process, Power & Marine(PP&M)、および、Security, Government & Infrastructure 部門(SG&I)、の 2
つの事業部で構成されています。Intergraph PP&M は、プラント、船舶、海上施設などの設計、建設、運用、およびデータ
管理になどのエンタープライズレベルのエンジニアリングソフトウェアを提供しています。Intergraph SG&I は、治安/セキ
ュリティ、防衛/情報機関、政府、運輸機関、写真測量、公共サービス、および、通信など、多岐に渡る業界に ERDAS テク
ノロジーをはじめとする地理空間情報ソリューションを提供しています。また、米国 SG&I の独立子会社である、Intergraph
Government Solutions(IGS)は、米国において、連邦および、その関連業務を行っています。
Intergraph は Hexagon AB(ノルディック証券取引所:HEXA B)の完全子会社です。詳細は、www.intergraph.com/global/jp/
または www.hexagon.com/ をご参照ください。
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