Japan Through Western Eyes

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資料 No. 9-2014-023 / Feb 2014
<日本史、東西交流史>
西洋から見た近現代日本
Japan Through Western Eyes
Manuscript Records of Traders, Travellers, Missionaries and Diplomats, 1853-1941
近現代日本の姿を、新たな視点から映し出す貴重なコレクション。
1853 年のペリー来航から、第 2 次世界大戦勃発までの間に、日本で活動し
ていた西洋人が残した資料を集成しています。
西洋の商人・観光客・教師・宣教師・政府役人・外交官による日記、手紙を
中心に収録されており、彼らが日本でどのような活動を行ない、日本に対し何
を感じていたのか、また当時日本で何が起きていたのかが、明らかになります。
Part 10 英国図書館アジア・太平洋・アフリカコレクション
Japan Manuscripts from the Oriental Manuscripts Collection at
the British Library
20 reels 概価 ¥500,000〔本体〕
英国図書館のアジア・太平洋・アフリカコレクション(Asia, Pacific and Africa Collections)には 500 点ほどの日本
語の手稿が収められており、その内容は民話から宗教、軍学、地図、歴史、地理、植物学、書道まで実に幅広いも
のです。ドイツ人医師シーボルトが日本で集めた手稿コレクションの一部を Part 9 で復刻しましたが、本パートには
比較的知られていないものの同じように興味深い資料を、英国図書館の日本語手稿コレクションからおもに 19 世紀
のものを選んで収録しました。この時代は鎖国政策に対する欧米諸国の圧力が強まり、幕府はめまぐるしく移り変わ
っていく情勢に対処しなければなりませんでした。本パートに大量に収録している外国について論述している書物は、
開国が異国に対する強い関心を惹き起したことを示すものです。以下に略述するように、本パートは広範な分野に
わたる珍しい資料を集めていますので、専攻分野を問わず、江戸時代後期の稀少な文献を探している研究者にとっ
て興味深い貴重なコレクションであると言えるでしょう。
【収録資料】
1.外国に渡ることになった日本人が記した記録。難船して異国の岸辺に漂着した船乗りが書いた体験記や、
日本政府の正式な使節として外国に送られた人物の記録や日記などがあります。前者の例としては『蝦夷
魯西亜国風土記』が収録されていますが、これには 1784 年にロシア沖で難破した船乗りたちの体験が詳
述されています。彼らは 8 年間ロシアに滞在してロシア中を旅行しました。ロシアに残ることを選んだ者
もいましたが、何名かは幕府に帰国を許され 1791 年に祖国に帰還しました。これは難船した船乗りが帰
国を許された最初の例でもあります。ほかにも大黒屋光太夫一行の体験をつづった『鄂羅斯(オロシア)漂海
録』や、中浜万次郎の物語を記した『漂客奇談』なども収めています。
公式使節団に関連する文書としては市川清流の著述した『尾蠅欧行漫録』があり、似たような資料として
『航米日録』も収載していますが、これには 1858 年の日米修好通商条約を批准するために送られた最初
の訪米使節団の経験が詳述されています。
(Adam Matthew, GBR / 日本総代理店:丸善)
《裏面に続きます》
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2.外交関係や外国の地理、歴史について記したもの。多くは西欧諸国を取り上げたものですが、
『三国通覧図
説』は韓国と琉球王国を対象とし、
『迷復記』は南中国と安南への旅行を題材としています。
3. 琉球語に関するきわめて重要な語学的著作も二冊含まれています。Bernard Jean Bettelheim が著した
Elements or contributions towards a Loochooan and Japanese grammar と Loochooan and Japanese
grammar です。沖縄を訪れた最初のプロテスタントの宣教師であり、琉球語研究の先駆者でもあった
Bettelheim は、1846 年の 4 月に那覇に到着し、そこに 8 年間とどまって宣教活動と琉球語の研究を続け、
聖書を琉球語に翻訳したりしました。1845 年の夏にペリー提督の艦隊に乗って沖縄を離れて香港に行き、
同地で琉球語に翻訳した福音書を 1855 年に出版しました。
4. 外交や政治以外のさまざまな主題を扱ったものもあります。『兵法彙教』、『聖智武備抄』、『利器要武監』
などの軍学書や絵手本、『古刀銘集録』、『香道秘要集』、精緻な挿絵入りの養蜂技術の手引書、書道の手習
書である『松下秋風』、弓術を扱った『橘家鳴弦次第』、井伊直弼の暗殺を取り上げた『安政水からくり』、
非常に状態のよい『大鏡』の写本などです。
Part 9 シーボルト・コレクション
Siebold Manuscripts
from the Oriental Manuscripts Collection at the British Library
19 reels 概価 ¥475,000〔本体〕
フィリップ・フランツ・フォン・シーボルト博士(1796-1866)は、1823 年に出島にわたり、日本で西洋医学を教えた
最初のヨーロッパ人となりました。彼は日本の社会・自然の歴史に強い関心を抱き、日本人の友人たちと深い友情を
結び、日本の文物を熱心に集めました。ペリー提督は彼のことを、西洋最大の日本の権威とみなしていました。シー
ボルトの民族誌学的な資料は、ライデンの国立民俗学博物館の基礎となっています。彼が息子と一緒に収集した日
本語の写本の一部が、英国図書館に所蔵されています。このコレクションは「個人が集めた日本の文物のコレクショ
ンとしては最も多様なものである」と、英国図書館の Yu-Ying Brown 博士が評しています。
英国図書館所蔵の資料は、1823 年から 1829 年までと 1859 年から 1862 年までの、シーボルトの日本滞在
中に集められたもので、江戸後期日本の研究資料の宝庫です。トピックは驚くほど幅広く、当時の複雑な政
治情勢(『白河夜話』やペリー提督来航以降の政治状況について記した『水からくり』)
、長崎の歴史、日本の
外交関係(『蘭人参府御暇之節検使心得方』)、古譚・古謡(『竜田詣』)、日本の音楽(『琉球奏楽図』や筝譜、
富本節)
、剣術と刀工(
『一刀流剣術秘伝之書』、
『刀剣銘尽』や『鍔目貫押型武者控』)
、茶道(
『利休形道具寸
法絵図』
)
、日本人の肖像(
『日本名君画像』や高僧・上人の肖像)
、伊豆諸島(
『伊豆海島風土記』)
・武蔵(
『新
編武蔵風土記』
)
・韓国(『三韓記略』)
・琉球(『琉球国事略』
)の地誌など、そのほかにも珍しい資料を多数収
録しています。
Part 1: デューク大学が所蔵する日本関連コレクション
Sources from the William R Perkins Library, Duke University
20 reels 概価 ¥500,000〔本体〕
デューク大学W.R.パーキンス・ライブラリーが所蔵する 11 点の個人文書集を収録。
写真もあり、日本の産業・文化・社会について新たな側面を提供します。
【収録資料】
① イギリスの詩人・ジャーナリスト Edwin Arnold の手紙 (1869-1903 年)
ロンドンの外交官・加藤高明との交流の様子や、仏教・日英関係・日露関係を中心テーマにした手紙。
② アメリカの貿易商、Robert S Chilton Jr の資料 (1897-1901 年)
中国・日本との貿易を望むアメリカ企業との手紙のやりとりを収録。
③ Rachael Ferver の日記
1928 年から日本で、アメリカ人でビジネスマンであった夫とともに、東京と横浜で過ごしました。
④ 1920~1922 年にかけて日本を旅行した Augustus & Jeanette Healy の日記
2 年半もの新婚旅行の間に、日本・韓国・中国・香港で何をし、何を見たのかが綴られています。
⑤ 記録写真保存会の写真
明治・大正・昭和(1868-1989 年)までの、天皇、政府高官、一般市民、彫刻、通りの様子、軍事パレード、建物、風
景を写した写真コレクション
⑥ 宣教師 John Caldwell Calhoun Newton の手紙・資料 (1870-1931 年)
神戸で宣教活動を行い、関西学院大学の院長も務めました。ニュートンの往復書簡がほぼ完全な形で残っており、
アメリカにいる家族・友人・その他宣教師たちに送った手紙からは、宣教活動の難しさが伝わってきます。ノートブック
には、日米関係や日本と中国における宣教活動、日本の文化と教育について自身の思想が綴られています。
⑦ 外交官 Sir Harry Parkes の手紙 (1865-1883 年)
ハリー・パークスは、日本駐在の公使として活躍した外交官です。1872 年の手紙は、岩倉使節団のイギリス遠征のア
レンジについても触れています。
⑧ タバコ貿易商 Edward James Parrish の資料 (1900-1906 年)
日本と中国とのタバコ貿易に関する手紙やメモを収録。
Part 2-5: ウィリアム・E・グリフィス・コレクション
The William Elliot Griffis Collection from Rutgers University Library
ラトガース大学アレクサンダー図書館が所蔵しているウィリアム・E・グリフィス・コレクション。
グリフィスは福井藩の招聘で 1870 年に初来日、日本政府に雇用された最初の「お雇い外国人」の一人です。日本
に通暁したグリフィスのコレクションは、彼の生活と関心を反映するとともに、近代日本の政治、商業、文化史を考
察するうえでの一級資料と言えます。
グリフィス自身の日記、彼が教え子に書かせた作文、書簡、スクラップブック、パンフレット、さらに彼が伝記を著し
た Robbins Brown や James Hepburn、Guido Verbeck といった著名な彼の先人に関する資料などで構成されて
います。
◆Part 2:Journals and Student Essays
6 reels 概価 ¥150,000〔本体〕
1859-1928 年の日誌と、開成学校の生徒による作文が収録されています。
南北戦争参戦や教育経験について、また日本への旅行の記録、日本での講義に関するコメントの他、日本
の史跡・民話・宗教への関心もうかがうことができる内容です。
学生による 319 点の英作文は、芸術や民話、外国人を見た第一印象、結婚、お金などのテーマで書かれて
います。英語ですが、日本人の観点から日本の生活や文化について書かれているので興味深い内容となって
います。
◆Part 3:Correspondence and Scrapbooks
24 reels 概価 ¥600,000〔本体〕
往復書簡と切り抜きを収録。
書簡は大量に残っていて、グリフィスが日本・韓国・中国で構築した交友関係の広さを物語っています。
雨森信成 / 安藤太郎 / James Ballgh / Edward Warren Clark / 出口米吉 / 原田助 / 岩倉具視/ 徳川家里 / 勝海
舟 / 新渡戸稲造 / 幣原喜重郎 / Martin Wyckoff / Yun Ye Cha / Wing Yung / Wu Ning Nang / Edward Morse /
Matthew Perry など
また、新聞・雑誌・手紙・写真などあらゆる資料をグリフィスは切り抜いています。日本・中国・韓国・
日米関係・グリフィスの著作・講義などに関連したものですが、酸性紙を使っていたので今まで非公開とな
っていました。今回のマイクロ化で初めて身近なものとなった魅力的な内容です。
◆Part 4:Collected Papers of Brown, Perry and others
21 reels 概価 ¥525,000〔本体〕
グリフィスが集めた下記資料を収録。
・ ペリーの日誌(1853-1854 年の航海と日本開国について)
・ フルベッキの生涯とキャリアに関する資料(フルベッキは、長崎で宣教活動をしつつ、1872 年の学制に影
響を与え、西洋医学を教えました)John Mason Ferris のオリジナル資料。フェリスと留学生の交流が記
録されています。
・ 木戸孝允、横井小楠、橋本左内、矢田部良吉など、日本の著名人の人物像
・ 日本の歴史、文学、産業、経済に関するエッセイ
・ サイラス・ベントとの書簡、講義ノート、スクラップブック
・ お雇い外国人リチャード・ブラントンの日本研究資料
・ Margaret Clark Griffis による、日本における教育体験に関する資料
◆Part 5:Writings by Griffis
12 reels 概価 ¥300,000〔本体〕
グリフィスによる著作を網羅。新聞・雑誌記事、パンフレット、講義記録や本を収録します。
ブラウン、へプバーン、フルベッキの生涯や、日本・中国・韓国の歴史と文化について意見を述べてい
ます。神話や伝説にも関心があり、伝統的な宗教とキリスト教との出会いや外交問題にも触れていて、今
では大変貴重な資料となっています。
Part 6 : アーネスト・サトウ・コレクション
Correspondence and Papers of Sir Ernest Satow (1843-1929)
relating to Japan from Public Record Office Class PRO 30/33
21 reels 概価 ¥525,000〔本体〕
英国国立公文書館に所蔵されているアーネスト・サトウの書簡や個人文書のうち、日本に関連するものが集成さ
れています。
アーネスト・サトウはイギリス公使館領首として活躍、激動の明治維新期において日英外交に従事した人
物です。日本での生活や文化などについて彼が書き残した個人文書はもちろんのこと、公使館員、函館・神
戸・長崎・横浜・台湾の領事館員、英国外務省、英領ビルマ政府、チェンマイ副領事らと交わした書簡も数
多く収録されています。これらの資料は、日本国内の状況をさまざまな角度から描き出すばかりでなく、当
時の日本と西洋ならびにアジア諸地域の関係についても貴重な知見をもたらします。
Part 7-8 : ハロルド・S・ウィリアムズ・コレクション
The Papers of Harold S Williams (1898-1987)
from the National Library of Australia
生涯の大半を日本で過ごしたオーストラリア人のハロルド・S・ウィリアムズ (1898-1987) が集めた日本コレクシ
ョンです。
彼はホーソンで生まれ、メルボルン大学で医学を勉強する傍ら、日本語を身に付けました。1919 年に来日、日本
語の能力を向上させましたが、その後オーストラリアに戻り、国際取引業に職を得ました。第 2 次世界大戦中、オー
ストラリア、アフリカ、太平洋、ビルマと転戦し、輝かしい戦歴を残しました。
そして 1945 年に日本でマッカーサー将軍の本部に勤務し、そこで彼の日本語の能力と知識は非常に重宝されま
した。1949 年にはまたもとの職に戻るものの、日本開国以来の外国居住地において様々な外国人が日本について
記した本・原稿・絵・雑誌等の様々な資料を収集し、膨大なコレクションを形成した他、自分でも日本に関する様々な
モノグラフを著し、日本に関わりを持ち続けました。
◆Part 7 the Green Subject files (Folders 1-138)
21 reels 概価 ¥525,000〔本体〕
ウィリアムズが「グリーン・ファイル」と呼んでいた研究資料を提供。19 世紀日本における外国人の定住、
外国人コミュニティの歴史、日本の文化や社会に関する彼の研究や著作が収録されています。また、手紙、
ノート、新聞の切り抜き、他の著者が書いた論文や、写真もあります。
◆Part 8 Additional Subject Files
13 reels 概価 ¥325,000〔本体〕
「グリーン・ファイル」以外のウィリアムズの資料コレクションを提供。オーストラリアと日本の関係や、
日本の食生活、貿易企業、太平洋戦争などのトピックを網羅します。19 世紀・20 世紀の日本の風習、貿易、日
常生活、価値観、思想、教育の状況がわかる、資料、記事、パンフレットが満載です。