ケイチャー21 - 東京材料株式会社

整理番号:改 03 ケイチャー21
発行日:2002 年 4 月 1 日
改定日:2010 年 7 月 16 日
東京材料株式会社
製品安全データシート
1.
製品及び会社情報
【製品名】
ケイチャー21
【製造者】
Chemtura Corporation
119 Benson Road
Middlebury, CT 06749 U.S.A
【供給者】
東京材料株式会社
東京都千代田区丸の内 1 丁目 6 番 2 号
新丸の内センタービル
TEL 03-5219-2187
FAX 03-5219-2196
Email: 東京材料株式会社ホームーページ
(http://www.tokyozairyo.co.jp/)内の問合せ窓口をご利用ください。
2.
危険有害性の要約
GHS分類
物理化学的危険性
GHS 分類基準に該当しない
人健康有害性
急性毒性(経口)
区分4
急性毒性(経皮)
区分4
急性毒性(吸入:ガス)
分類対象外
急性毒性(吸入:蒸気)
分類できない
急性毒性(吸入;粉塵、ミスト)
区分外
皮膚腐食性/刺激性
区分外
眼に対する重篤な損傷性/眼刺激性
区分2A
呼吸器感作性
分類できない
皮膚感作性
区分1
生殖細胞変異原性
区分2
発がん性
区分2
生殖毒性
区分1B
授乳に対する影響
分類できない
特定標的臓器/全身毒性(単回暴露)
区分1(肝臓、視覚器、心臓、腎臓、中
枢神経系)
1
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発行日:2002 年 4 月 1 日
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特定標的臓器/全身毒性(反復暴露)
区分1(肝臓、心臓)
区分2(血液系、甲状腺、腎臓、精巣)
吸引性呼吸器有害性
分類できない
環境有害性
水生環境有害性・急性
区分1
水生環境有害性・慢性
区分1
ラベル表示
絵表示又はシンボル:
注意喚起語:
危険有害性情報:
危 険
H302 飲み込むと有害(経口)
H312 皮膚に接触すると有害(経皮)
H317 アレルギー性皮膚反応を引き起こすおそれ
H319 重篤な眼への刺激性
H340 遺伝性疾患のおそれの疑い
H351 発がんのおそれの疑い
H360 生殖能または胎児への悪影響のおそれ
H370 臓器の障害(肝臓、視覚器、心臓、腎臓、中枢神経系)
H372 長期または反復暴露による臓器の障害(肝臓、心臓)
H373 長期または反復暴露による臓器の障害のおそれ(血液系、甲
状腺、腎臓、精巣)
H400 水生生物に非常に強い毒性あり
H410 長期的影響により水生生物に非常に強い毒性あり
注意書き:
【安全対策】
保護眼鏡/保護面/保護手袋/衣類を着用すること。 (P280)
環境への放出を避けること。 (P273)
この製品を使用する時に、飲食または喫煙をしないこと。 (P270)
すべての安全注意を読み理解するまで取扱わないこと。 (P202)
使用前に取扱説明書を入手すること。 (P201)
取扱後は手をよく洗うこと。 (P264)
必要に応じて個人用保護具を使用すること。 (P281)
汚染された作業衣は作業場から出さないこと。 (P272)
2
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ミスト/蒸気を吸入しないこと。 (P260)
ミスト/蒸気の吸入を避けること。 (P261)
【救急処置】
口をすすぐこと。 (P330)
暴露した場合:医師に連絡すること。 (P307+P311)
暴露または暴露の懸念がある場合:医師の診断/手当を受けるこ
と。 (P308+P313)
気分が悪い時は、医師に連絡すること。 (P312)
気分が悪い時は、医師の診断/手当てを受けること。 (P314)
汚染された衣類を再使用する場合には洗濯すること。 (P363)
漏出物を回収すること。 (P391)
特別処置 (このラベルの補足の応急処置指針 171 参照)
(P321,P322)
皮膚についた場合:多量の水と石鹸で洗うこと。 (P302+P352)
皮膚刺激または発疹が生じた場合は、医師の診断/手当てを受け
ること。 (P333+P313)
眼に入った場合:水で数分間注意深く洗うこと。次に、コンタクトレン
ズを着用していて容易に外せる場合は外すこと。その後も洗浄を続
けること。 (P305+P351+P338)
眼の刺激が続く場合は、医師の診断/手当てを受けること。
(P337+P313)
飲み込んだ場合:気分が悪い時は、医師に連絡すること。
(P301+P312)
【保管】
施錠して保管すること。(P405)
【廃棄】
内容物や容器を、都道府県知事の許可を受けた専門の廃棄物処理
業者に業務委託すること。(P501)
国・地域情報:
3.
組成、成分情報
通知対象成分:
化学名
含有量
CAS 番号
(%)
4,4’-メチレンジアニリン (MDA)
2.0
101-77-9
3
化審法
PRTR 法
安衛法
毒劇法
4-40
第 一 種
政 令 第
該当し
第二種、
指 定 化
18 条の 2
ない
第三種
学物質
別表第 9
監視化
政 令 番
の 582 お
学物質
号 446
よび 597
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4-40
第 一 種
政 令 第
該当し
ナトリウムクロリド
1-236
指 定 化
18 条の 2
ない
21646-20-8
第二種、
学物質
別表第 9
第三種
政 令 番
の 582 お
監視化
号 446
よび 597
3-1307
第 一 種
政 令 第
該当し
(DOP、DEHP)
第二種
指 定 化
18 条の 2
ない
117-81-7
監視化
学物質
別表第9
学物質
政 令 番
の 481
4,4'-メチレンビスベンゼンアミン・1/3
48
学物質
フタル酸ビス(2-エチルヘキシル)
50
号 355
その他の成分:
化学名
含有率(%)
化審法
CAS 番号
なし
4.
応急措置
吸入した場合
被災者を新鮮な空気のある場所に移動し、呼吸しやすい姿勢で休息させるこ
と。
医師の手当、診断を受けること。
気分が悪い時は、医師の手当て、診断を受けること。
皮膚に付着した場合
皮膚を速やかに洗浄すること。
皮膚刺激が生じた場合、医師の診断、手当てを受けること。
医師の手当、診断を受けること。
気分が悪い時は、医師の手当て、診断を受けること。
汚染された衣類を再使用する前に洗濯すること。
眼に入った場合
水で数分間注意深く洗うこと。次に、コンタクトレンズを着用していて容易に外
せる場合は外すこと。その後も洗浄を続けること。
眼の刺激が持続する場合は、医師の診断、手当てを受けること。
医師の手当、診断を受けること。
気分が悪い時は、医師の手当て、診断を受けること。
飲み込んだ場合
口をすすぐこと。
4
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医師の手当、診断を受けること。
気分が悪い時は、医師の手当て、診断を受けること。
予想される急性症状及び遅発性症状
吸入:咳、咽頭痛。
眼:発赤、痛み。
経口摂取:胃痙攣、下痢、吐き気。
最も重要な兆候及び症状
下部気道刺激
応急処置するものの保護
救助者は状況に応じて適切な保護具を着用する。
医師に対する特別注意事項
安静に保ち、医学的な経過観察が不可欠である。
5.
火災時の措置
消火剤
粉末消火剤、一般の泡消火剤、二酸化炭素、砂、噴霧水
使ってはならない消火剤
棒状注水
特有の危険有害性
火災によって刺激性、毒性、又は腐食性のガスを発生す
るおそれがある。
特有の消火方法
危険でなければ火災区域から容器を移動する。
移動不可能な場合、容器及び周囲に散水して冷却する。
消火後も、大量の水を用いて十分に容器を冷却する。
消火を行うものの保護
消火作業の際は、適切な空気呼吸器と化学用保護衣を
着用すること。
6.
漏出時の措置
人体に対する注意事項、保護具及び緊急時措置
関係者以外の立入りを禁止する。
直ちに、全ての方向に適切な距離を漏洩区域として隔離する。
作業者は適切な保護具(「8.ばく露防止及び保護措置」の項を参照)を着用
し、眼、皮膚への接触やガスの吸入を避ける。
風上に留まる。
環境に対する注意事項
河川等に排出され、環境へ影響を起こさないように注意する。
環境中に放出してはならない。
回収、中和
乾燥土、砂や不燃材料で吸収し、あるいは覆って密閉できる空容器に回収す
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る。後で廃棄処理する。
封じ込め及び浄化方法と機材
危険でなければ漏れを止める。
二次災害の防止策
すべての発火源を速やかに取除く(近傍での喫煙、火花や火炎の禁止)。
7.
取扱い及び保管上の注意
[取扱い上の注意]
技術的対策
「8.ばく露防止及び保護措置」に記載の設備対策を行い、保護具を着用する。
局所排気・全体換気
「8.ばく露防止及び保護措置」に記載の局所排気・全体換気を行う。
安全取扱注意事項
火気注意。
この製品を使用する時に、飲食又は喫煙をしないこと。
接触、吸入又は飲み込んではならない。
ミスト/蒸気を吸入しないこと。
取扱い後はよく手を洗うこと。
接触回避
「10.安定性及び反応性」を参照。
[保管上の注意]
技術的対策
保管場所には危険物を貯蔵し、又は取り扱うために必要な採光、照明及び換気
の設備を設ける。
保管条件
酸化剤から離して保管する。
炎及び熱表面から離して保管すること。
容器を密閉して換気の良い冷所で保管すること。
施錠して保管すること。
混触危険物質
「10.安定性及び反応性」を参照。
容器包装材料
消防法及び国連輸送法規で規定されている容器を使用する。
8.
暴露防止及び人に対する保護措置
[管理濃度]
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設定されていない
[許容濃度(暴露限界値、生物学的暴露指標)]
0.4mg/m3 (皮膚) (MDA として)
日本産業衛生学会(2007 年版)
5mg/m3 (DOP として)
ACGIH (2007 年版)
T L V - T W A 0.1ppm (皮膚) (MDA として)
TLV-TWA
5mg/m3 (DOP として)
[設備対策]
防爆の電気・換気・照明機器を使用すること。
[保護具]
呼吸用保護具
換気が不十分な場合は、適切な呼吸保護具を着用
すること。
手の保護具
保護手袋を着用すること。
眼の保護具
眼の保護具を着用すること。
皮膚及び身体の保護具
顔面用の保護具を着用すること。
[衛生対策]
この製品を使用する時に、飲食又は喫煙をしないこと。
取扱い後はよく手を洗うこと。
9.
物理的及び化学的性質
物理的状態、形状、色
液体、クリーム白色
におい
わずか
pH
特定できない
融点・(凝固点)
データ無し
沸点・(初留点及び沸騰範囲
データ無し
引火点
257℃
爆発範囲
データ無し
蒸気圧
データ無し
蒸気密度(空気=1)
データ無し
比重(密度)
1.13
溶解度
水に不溶、有機溶媒に対してはデータなし
オクタノール/水分配係数
データ無し
自然発火温度
データ無し
分解温度
データ無し
においのしきい値
データ無し
蒸発速度
遅い
燃焼性(固体・ガス)
データ無し
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粘度
データ無し
10. 安定性及び反応性
安定性
安定
危険有害反応危険性
知見なし
避けるべき条件
強酸
混触危険物質
強酸物質
危険有害な分解生成物
炭化水素、窒化水素、メチレンジアニリン
11. 有害性情報
項目
急性毒性
有害性情報
経口
MDA: ラットを用いた経口投与試験の LD50=264 mg/kg(環境
省リスク評価第 2 巻 (2003))、355 mg/kg、475 mg/kg、547
mg/kg、830 mg/kg (DFGOT vol.7 (1996)) から計算式を適用
して得られた 335 mg/kg。
DOP:ラットに対する経口投与の LD50 =>20,000 、>40,000
mg/kg (以上: EU-RAR No.42 (2003))、30,600 mg/kg (ATSDR
(2002))、33,800 mg/kg (ACGIH (7th, 2001))。
経皮
MDA: ラ ッ ト を 用 い た 経 皮 投 与 試 験 の LD50=1,000 mg/kg
(SIDS (2002))。
DOP: ウサギに対する 経皮投与 の LD50 =24,500 mg/kg
(EU-RAR No.42 (2003))、25,000 mg/kg (EHC131 (1992))、
24,750 mg/kg (ACGIH (7th, 2001)) に基づき、計算式を適用し
て LD50 を算出した。LD50 (計算値)=24,700 mg/kg。
吸入(粉塵
MDA:データなし
及びミスト)
DOP: ラットに対する吸入暴露 (ミスト) の LC50 (4 時間)=>
10.62 mg/L (EU-RAR No.42 (2003))。
皮膚腐食性・刺激性
MDA: 適用時間は不明だが、SIDS (2002) のウサギを用いた
皮膚刺激性試験の結果の記述に「本物質はウサギの皮膚に
対してわずかな刺激性を示す」とある。
DOP:ATSDR (2002)、EU-RAR No.42 (2003) の記述から、フタ
ル酸ビス(2-エチルヘキシル)は皮膚刺激性なし又は軽微な
皮膚刺激性を有すると考えられ、軽微な皮膚刺激性を示した
4 時間適用試験結果。
眼に対する重篤な損
MDA: SIDS (2002) のウサギを用いた眼刺激性試験の結果
傷・眼刺激性
の記述に「本物質はウサギの眼に軽度から中等度の刺激を
8
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与える」とある。
DOP:ACGIH (7th, 2001)、ATSDR (2002)、EHC 131 (1992)、
EU-RAR No.42 (2003) の記述から、フタル酸ビス(2-エチルヘ
キシル) は眼刺激性なし又は軽微な眼刺激性を有すると考
えられ、軽微な眼刺激性がある。
呼吸感作性
MDA: CERI ハザードデータ集 97-11 (2002) のモルモットを用
いた呼吸器感作性試験の結果の記述に「感作性は認められ
ていない」とあるが、試験方法の詳細が不明であるため、感
作性を否定するにはデータ不足。
DOP:データなし
皮膚感作性
MDA: 本物質は日本職業・環境アレルギー学会特設委員会
において皮膚感作性物質であるとされており、さらに、CERI
ハザードデータ集 97-11 (2002)や環境省リスク評価書第 2 巻
(2003)のヒトの疫学事例に、感作性を示すものが 4 例ある。
DOP: EU-RAR No.42 (2003) の記述「モルモットを用いたマキ
シマイゼーション法及びビューラー (Buehler) 法で調べた限
り、フタル酸ジエチルヘキシルは皮膚感作性を示さなかっ
た。」から、皮膚感作性なし。
生殖細胞変異原性
MDA: NTP DB (Access on Mar., 2006)、EU-RAR No.9 (2001)、
SIDS (2002)、ATSDR (1998) の記述から、経世代変異原性
試験なし、生殖細胞 in vivo 変異原性試験なし、体細胞 in vivo
変異原性試験 (小核試験、染色体異常試験) で陽性、生殖
細胞 in vivo 遺伝毒性試験なしである。
DOP:CERI・NITE 有害性評価書 No.7(2004)、ATSDR (2002)
の記述から、経世代変異原性試験(優性致死試験)で陽性で
あるが、陽性の試験は投与経路が適切でないこと、他の優性
致死試験や小核試験で陰性。
発がん性
MDA: ACGIH (2001) で A3、IARC (1987) で 2B に分類されて
いる。
DOP:IARC は、「げっ歯類で見られた肝細胞腫瘍発現メカニ
ズムのひとつペルオキシソーム増殖はヒトへの適用は考えら
れない」としてグループ 3 に変更したため区分外とした。
生殖毒性
DOP:CERI ・ NITE 有 害 性 評 価 書 No.7 ( 2004 ) か ら 、
U.S.NTP-CERHR 2000 の報告において親に影響のない用量
で、次世代に影響がみられた。
MDA:DFGOT vol.7 (1996)の記述から、母動物に一般毒性影
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響がみられる用量で、胎児に影響がみられている。
授乳に対する影響
DOP、MDA:データ不足
特定標的臓器・全身毒
MDA:ヒトについては、「発熱をともなうインフルエンザ様症状
性(単回暴露)
と黄疸」、「霧視が進行し著しい視力低下、肝臓への毒性が
観察された」、「肝毒性及び蛋白尿と血尿が進行」、「筋肉及
び関節痛の訴え」(ATSDR (1998))、「3 日以内に肝炎」、「肝炎
症状」、「急性の肝症状」、「激しい臍上部痛、黄疸、心筋損傷
をうかがわせる心電図異常」(EU-RAR No.9 (2001))の記述、
実 験 動物 に つ い ては 、「 肝 細 胞と 胆管 の 壊死 及び 出 血」
(ATSDR (1998))、「肝臓と腎臓の障害」、「眼球突出、円背姿
勢、被毛乱」、「無関心、有色多涙、黄疸」(EU-RAR No. 9
(2001)) 「 網 膜 の 杆 状 体 、 錐 状 体 、 外 顆 粒 層 の 核 の 萎 縮 」
(CERI ハザードデータ集 97-11(1998))等の記述があることか
ら、肝臓、腎臓、心臓、中枢神経系、視覚器が標的臓器と考
えられた。
DOP:データ不足
特定標的臓器・全身毒
MDA:ヒトについては、「4,4'-メチレンジアニリン、炭酸カリ、γ
性(反復暴露)
ブチロラクトンからなる溶液を誤飲した男性では肝毒性が観
察された。2 日後の検査ではトランスアミナーゼの上昇と高血
中ビリルビン症が観察された。溶液には他の化学物質が含ま
れるも、病状は Kopelman 等により報告された病状に一致して
おり、4,4'-メチレンジアニリンによる傷害と考えられた」、「超
音波心検査で中隔運動の減退と左心室機能の低下を確認」
(ATSDR (1998))、「11 例に黄疸発症」、「MDA 暴露による肝
炎」(EU-RAR No.9 (2001))の記述、実験動物については、「胆
管過形成」、「甲状腺過形成」(ATSDR (1998))、「貧血、小胆
管過形成、甲状腺濾胞性上皮細胞肥大、腎石灰沈着症」、
「肝実質は増殖性胆管に置き換えられ、門脈性肝硬変が生じ
た」(EU-RAR No.9 (2001))等の記述があることから、肝臓、心
臓、甲状腺、腎臓、血液系が標的臓器と考えられた。
DOP:実験動物については「精巣にセルトリ細胞の空胞化が
みられる」(CERI・NITE 有害性評価書 No.7 (2004))、「肝細胞
の腫大、門脈周囲の脂肪沈着、リソゾームでの脂質の充満、
グリコーゲンの枯渇、胆管構造の変化、ペルオキシゾーム酵
素及びチトクローム P-450 の誘導」(CERI ハザードデータ集
96-17 (1997))の記載があることから、精巣、肝臓が標的器官
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と考えられる。
吸引性呼吸器有害性
MDA:DOP: データなし
12. 環境影響項目
項目
有害性情報
水生環境急性有害性
MDA: 甲殻類(オオミジンコ)の 48 時間 EC50=0.105mg/L
(CERI ハザードデータ集、1997)。
DOP:水溶解度(0.003mg/L(EU-RAR、2001))までの濃度で
急性毒性が報告されていない。
水生環境慢性有害性
MDA: 急 性 毒 性 が 区 分 1 、 生 物 蓄 積 性 が 低 い も の の
(BCF=15(既存化学物質安全性点検データ))、急速分解性
がない(BOD による分解度:0%(既存化学物質安全性点検デ
ータ))。
DOP: 難水溶性物質で水溶解度までの濃度で急性毒性が報
告されておらず、環境中での分解速度は速くなく(水中での
生分解性半減期:50 日(EU-RAR、2001))、かつ生物蓄積性
がある(BCF=840(EU-RAR、2001))。
13. 廃棄上の注意
残余廃棄物
廃棄においては、関連法規ならびに地方自治体の基準に従うこと。
都道府県知事などの許可を受けた産業廃棄物処理業者、もしくは
地方公共団体がその処理を行っている場合にはそこに委託して処
理する。
廃棄物の処理を依託する場合、処理業者等に危険性、有害性を十
分告知の上処理を委託する。
汚染容器及び包
容器は清浄にしてリサイクルするか、関連法規ならびに地方自治体
装
の基準に従って適切な処分を行う。
空容器を廃棄する場合は、内容物を完全に除去すること。
14. 輸送上の注意
[国際規制]
海上規制情報
IMO の規定に従う。
UN No.:
3082
Proper Shipping Name:
ENVIROMENTALLY HAZARDOUS
SUBSTANCE, LIQUID, N.O.S.
Class:
9
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Packing Group:
III
Marine Pollutant:
該当
航空規制情報
ICAO/IATA の規定に従う。
UN No.:
3082
Proper Shipping Name:
ENVIROMENTALLY HAZARDOUS
SUBSTANCE, LIQUID, N.O.S.
Class:
9
Packing Group:
III
[国内規制]
陸上規制情報
消防法の規定に従う
[特別の安全対策]
輸送に際しては、直射日光を避け、容器の破損・腐食・漏れのないように積み込
み、荷崩れの防止を確実に行うこと。
食品や飼料と一緒に輸送してはならない。
重量物を上積みしないこと。
15. 適用法令
化審法
MDA:第二種、第三種監視化学物質(政令番号 2-37, 3-105)
DOP:第二種監視化学物質 (政令番号 2-1077)
労働安全衛生法
名称等を通知すべき有害物を含む
(法第 57 条の2、施行令第 18 条の 2 別表第9)
(政令番号 第 582、597号 MDA、第 481 号 DEHP)
DOP: 安衛則第 95 条の6、厚生労働大臣が定める物(有害
暴露作業報告対象物)
特化則:該当せず
有機則:該当せず
PRTR法
MDA: 第1種指定化学物質(政令番号 446)
DOP: 第1種指定化学物質(政令番号 355)
毒物及び劇物取締法
該当せず
消防法
指定可燃物(可燃性液体類)
高圧ガス保安法
該当せず
船舶安全法
14.輸送上の注意参照
航空法
14.輸送上の注意参照
その他の適用法令
外為法:輸出貿易管理令別表1の 16 項に該当する
16. その他の情報
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引用文献
1.
CAYTUR21 MSDS Ver.1.6 (2006)
2.
NITE のGHS分類データベース (2007)
3.
GHS 勧告 2版、3版
4.
事業者向け GHS 分類ガイダンス(平成 22 年 3 月)
混合物の危険有害区分判定の手順に関する説明
危険有害区分判定においては、4,4'-メチレンビスベンゼンアミン・1/3 ナトリウムクロリドは、4,4’-メチレ
ンジアニリンと同一物質として取り扱った。
急性毒性(経口)
加算式:区分4
MDA:LD50=335mg/kg、濃度=50%、
DOP:区分外、濃度=50%、
計算式 100/(判定対象製品の毒性値)=(各成分の濃度/各成分の毒性値)の合計 より得られた毒性
推定値 670mg/kg が 2000 以下であるため、区分4とした。
急性毒性(経皮)
加算式:区分4
MDA:LD50=1000mg/kg、濃度=50%、
DOP:LD50=24700mg/kg、濃度=50%、
計算式 100/(判定対象製品の毒性値)=(各成分の濃度/各成分の毒性値)の合計 より得られた毒性
推定値 1922.179mg/kg が 2000 以下であるため、区分4とした。
急性毒性(吸入:ガス)
GHS 分類で液体のため、分類対象外
急性毒性(吸入:蒸気)
データが無いため分類できない
急性毒性(吸入:粉塵およびミスト)
加算式:区分外
MDA:LC50=不明、濃度=50%、
DOP:区分外、濃度=50%、
計算式 (100-毒性値不明の成分の濃度合計)/(判定対象製品の毒性値)=(各成分の濃度/各成分の
毒性値)の合計 より得られた毒性推定値∞が 5000 より大きいため、区分外とした。
ただし、製品のうち 50%の成分は毒性が不明であった。
皮膚腐食性/刺激性
加成性:区分外
DOP:区分3, 濃度=50%、
MDA:区分3, 濃度=50%、
区分1の濃度の合計:0%
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整理番号:改 03 ケイチャー21
発行日:2002 年 4 月 1 日
改定日:2010 年 7 月 16 日
東京材料株式会社
区分2の濃度の合計:0%
区分3の濃度の合計:100%
以上の条件の何れも満たさなかったため、区分外とした。
眼に対する重篤な損傷/眼刺激性
加成性:区分2A
MDA:皮膚刺激性=区分3、眼刺激性=区分2A、濃度=50%、
DOP:皮膚刺激性=区分3、眼刺激性=区分2B、濃度=50%、
皮膚刺激性
区分1の濃度の合計:0%
眼刺激性
区分1の濃度の合計:0%
眼刺激性
区分2Aの濃度の合計:50%
眼刺激性
区分2Bの濃度の合計:50%
判定6 「(眼刺激性区分2Aの成分の濃度合計)が 10%以上」を満たす。
以上より区分2とした。
皮膚感作性
カットオフ値:区分1
MDA:区分1、濃度=50%
DOP:区分外、濃度=50%
区分1に分類される以下の成分がカットオフ値 0.1%以上含まれるため、区分1とした。
MDA(50%)
生殖細胞変異原性
カットオフ値:区分2
MDA:区分2、濃度=50%
DOP:区分外、濃度=50%
区分2に分類される以下の成分がカットオフ値 1%以上含まれるため、区分2とした。
MDA(50%)
発がん性
カットオフ値:区分2
DOP:区分外、濃度=50%
MDA:区分2、濃度=50%
区分2に分類される以下の成分がカットオフ値 1%以上含まれるため、区分2とした。
MDA (50%)
生殖毒性
カットオフ値:区分1B
DOP:区分1B、濃度=50%
MDA:区分2、濃度=50%
区分1に分類される以下の成分がカットオフ値 0.3%以上含まれるため、区分1とした。
14
整理番号:改 03 ケイチャー21
発行日:2002 年 4 月 1 日
改定日:2010 年 7 月 16 日
東京材料株式会社
DOP (50%)
特定標的臓器/全身毒性(単回暴露)
カットオフ値:区分1
MDA:濃度=50%、区分1(肝臓、視覚器、心臓、腎臓、中枢神経系)
DOP:濃度=50%、分類できない
区分1に該当する以下の成分が 10%以上含まれているため、区分1に分類できる。
MDA:濃度=50%、区分1(肝臓、視覚器、心臓、腎臓、中枢神経系)
判定結果
区分1(肝臓、視覚器、心臓、腎臓、中枢神経系)
ただし、製品のうち 50%の成分は毒性が不明であった。
特定標的臓器/全身毒性(反復暴露)
カットオフ値:区分1
MDA:濃度=50%、区分1(肝臓、心臓)、区分2(血液系、甲状腺、腎臓)
DOP:濃度=50%、区分2(肝臓、精巣)
区分1に該当する以下の成分が 10%以上含まれているため、区分1に分類できる。
MDA:濃度=50%、区分1(肝臓、心臓)
区分2に該当する以下の成分が 10%以上含まれているため、区分2に分類できる。
MDA:濃度=50%、区分2(血液系、甲状腺、腎臓)
DOP:濃度=50%、区分2(肝臓、精巣)
判定結果
区分1(肝臓、心臓)
区分2(血液系、甲状腺、腎臓、精巣)
水生環境有害性(急性)
加算式:区分1
MDA:区分1、LC50=不明、EC50=0.105mg/L、濃度=50%、
DOP:区分外、濃度=50%、
区分1の濃度の合計:50% 毒性乗率(M=1)による換算値
区分2の濃度の合計:0%
区分3の濃度の合計:0%
カットオフ1 「(区分1の成分の濃度合計)が 25%より大きい」を満たす。
以上より区分1とした。
水生環境有害性(慢性)
加算式:区分1
MDA:区分1、濃度=50%、
DOP:区分4、濃度=50%、
区分1の濃度の合計:50%
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整理番号:改 03 ケイチャー21
発行日:2002 年 4 月 1 日
改定日:2010 年 7 月 16 日
東京材料株式会社
区分1の濃度の合計:50% 毒性乗率(M=1)による換算値
区分2の濃度の合計:0%
区分3の濃度の合計:0%
区分4の濃度の合計:50%
カットオフ1 「(区分1の成分の濃度合計)が 25%より大きい」を満たす。
以上より区分1とした。
その他
15項 適用法令内容を改定
分類 JIS に対応
ここに記載された内容は、現時点で入手できた情報やメーカー所有の知見によるものですが、こ
れらのデータや評価に対していかなる保証もするものではありません。また法令の改正あるいは
新しい知見に基づいて改訂されることがあります。
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