新年のご挨拶 日本真空工業会 会長 新年おめでとうございます。 近年はIoTの加速、半導体業界の再編など激動の中にあり 本年もどうぞ宜しくお願いいたします。 ます。世界的な経済情勢のパラダイムシフトは、 モバイルデバイ 昨年は新年のご挨拶では青色 LEDを開発した日本人 3氏 スとデータセンタへの機能、機器の集約や、 自動車の一層の電 がノーベル物理学賞を受賞した話題を紹介させていただきまし 子化、情報化、 サステイナブルエネルギの展開などを通じて、真 た。ノーベル賞の話題続きですが、昨年のノーベル物理学賞 空産業にも変革が求められております。今般の変化の速度は は東京大学宇宙線研究所の梶田教授が受賞しました。梶田 何倍、何十倍にも増しておりますが、変化をチャンスととらえ、業 教授が次に挑む重力波観測は当真空工業会にもなじみのあ 界の更なる発展につながることを期待しています。 酒井 純朗 る 「KAGRA(かぐら) 」が舞台となります。昨年の理事会での 「KAGRA」見学は、次世代の研究の一端に触れられた良い 当日本真空工業会は、 社会の発展に真空技術をもって貢献 機会でした。日本経済もアベノミクス効果に加えて、 2020年東 できる健全なる業界の成長をめざし、 当工業会が支援できうる 京オリンピック・パラリンピックを間近に控え、活性化しつつある ことを率先して展開してまいります。本年も当工業会の会員の ようです。本年は新たな成長の年となるよう祈念してやみませ 皆様を始めとして当工業会に参画されている多くの方々にとっ ん。 ても当工業会の存在が価値あるものであるよう、変化をくみ取り 発展させてまいります。当工業会は事務局と共に全体運営に 昨年、 日本真空工業会は創立 30周年を迎えました。 ドイツ かかわる企画委員会と8 つの専門委員会 (教育、出版、展示 ハノーファーメッセ視察、真空ジャーナル30周年特別記念号お 会、規格標準、技術、統計、環境、 CS) および関西支部で活動 よび真空ポケットブック改訂版の発行、記念式典の開催、真空 をしており、 会員の皆様を支援させていただいております。 ウォーキング、パシフィコ横浜における真空展の開催、一昨年 ノーベル賞を受賞した名古屋大学の天野教授による特別講 会員各位の皆様に「入って良かった」 とさらに感じていただけ 演、真空フォーラム、各種セミナー・講演会の開催など多くの活 るような工業会活動を推し進めてまいりたいと思います。会員 動を行ってまいりました。 各位には工業会活動へのさらなるご理解、 ご協力をお願いする と共に、今年一年の皆様のご健勝とご活躍を祈念いたしまして この30年間「真空」 を取り巻く産業は大きく変化を重ねてま 新年のご挨拶とさせていただきます。 いりました。いつの時代も真空技術は、半導体、 フラットパネル、 太陽電池、 LEDといった電子機器のみならず、食品や農業、 (キヤノンアネルバ株式会社 代表取締役社長) 医療や建材といった分野まで、我々の生活に密接に関連する 多くの産業に関わる基盤技術として利用されてきました。 真空ジャーナル 2016年1月 155号/URL http://www.jvia.gr.jp 3
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