ラコール - 大塚製薬工場

1999年12月作成
医薬品の適正使用に欠かせない情報です。使用前に必ずお読みください。
新医薬品の「使用上の注意」の解説
経腸栄養剤(経管・経口両用)
®
®
ラコール
RACOL®
[禁 忌(次の患者には投与しないこと)]
1.イレウスのある患者[消化管の通過障害がある。]
2.腸管の機能が残存していない患者[水、電解質、栄養素などが吸収されない。]
3.高度の肝・腎障害のある患者[肝性昏睡、高窒素血症などを起こすおそれがある。]
4.重症糖尿病などの糖代謝異常のある患者[高血糖、高ケトン血症などを起こすおそれ
がある。]
5.先天性アミノ酸代謝異常の患者[アシドーシス、嘔吐、意識障害などのアミノ酸代謝異
常の症状が発現するおそれがある。]
6.牛乳たん白アレルギーを有する患者[本剤は牛乳由来のカゼインが含まれているため、
アナフィラキシーショックを引き起こすことがある。]
発売元
製造元
目 次
はじめに・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 1
効能・効果・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 1
用法・用量・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 1
禁
忌・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 2
効能・効果に関連する使用上の注意・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 3
用法・用量に関連する使用上の注意・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 3
使用上の注意・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 3
1.慎重投与 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 3
2.重要な基本的注意 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 4
3.副作用 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 4
4.高齢者への投与 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 14
5.妊婦、産婦、授乳婦等への投与 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 14
6.小児等への投与 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 14
7.適用上の注意 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 14
はじめに
ラコールは雪印乳業と大塚製薬が共同開発した経腸栄養剤であり、術後のみならず、長期の
経腸栄養にも適した経腸栄養剤です。たん白質は日本人の摂取パターンを参考に植物性たん白
質の含量を高くしました。脂肪はω3系必須脂肪酸(α-リノレン酸)を多く含有するシソ油を
初めて配合し(ω3:ω6は1:3とした)、更にエネルギー効率に優れたMCT(中鎖脂肪酸
トリグリセリド)を配合しました。
本冊子では、本剤のご使用に際しての注意事項を各項ごとに解説いたしました。本剤の適正
使用の一助となれば幸甚に存じます。
効能・効果
一般に、手術後患者の栄養保持に用いることができるが、特に長期にわたり、経口的食事
摂取が困難な場合の経管栄養補給に使用する。
用法・用量
通常、成人標準量として1日1,200∼2,000mL(1,200∼2,000kcal)を経鼻チューブ、胃瘻又
は腸瘻より胃、十二指腸又は空腸に1日 12∼24時間かけて投与する。投与速度は75∼
125mL/時間とする。経口摂取可能な場合は1日1回又は数回に分けて経口投与することも
できる。
また、投与開始時は、通常1日当たり400mL(400kcal)を水で希釈(0.5kcal/mL程度)し
て、低速度(約100mL/時間以下)で投与し、臨床症状に注意しながら増量して3∼7日で
標準量に達するようにする。
なお、年齢、体重、症状により投与量、投与濃度、投与速度を適宜増減する。
−1−
禁
忌(次の患者には投与しないこと)
1.イレウスのある患者[消化管の通過障害がある。]
(解説)
消化管の通過障害があるため。
2.腸管の機能が残存していない患者[水、電解質、栄養素などが吸収されない。]
(解説)
投与された栄養素が吸収されずにそのまま排泄されるため。
3.高度の肝・腎障害のある患者[肝性昏睡、高窒素血症などを起こすおそれがある。]
(解説)
高度の肝障害時には蛋白代謝が十分に行われない。場合によっては昏睡を誘発するおそ
れがある。また、腎障害時には血中に尿素などが貯留するが、本剤の窒素源の投与によ
り、この傾向が増大するおそれがあるため。
4.重症糖尿病などの糖代謝異常のある患者[高血糖、高ケトン血症などを起こすおそれ
がある。]
(解説)
本剤の投与により、高血糖、高ケトン血症を引き起こすおそれがあるため。
5.先天性アミノ酸代謝異常の患者[アシドーシス、嘔吐、意識障害などのアミノ酸代謝
異常の症状が発現するおそれがある。]
(解説)
アミノ酸代謝異常のある患者に、栄養学的にバランスのよい製剤を投与しても、十分に
利用されないだけでなく、血中のアミノ酸インバランスなどから、副作用を生じるおそ
れがあるため。
6.牛乳たん白アレルギーを有する患者[本剤は牛乳由来のカゼインが含まれているため、
アナフィラキシーショックを引き起こすことがある。]
(解説)
牛乳たん白を含む経腸栄養剤を投与された患者に、アナフィラキシーショックを起こし
た例が報告されている。本剤は牛乳由来のカゼインを含んでいるため。
−2−
効能・効果に関連する使用上の注意
経口食により十分な栄養摂取が可能となった場合には、速やかに経口食にきりかえること。
用法・用量に関連する使用上の注意
本剤は、経腸栄養剤であるため、静脈内へは投与しないこと。
使用上の注意
1.慎重投与(次の患者には慎重に投与すること)
(1) 短腸症候群の患者[下痢の増悪をきたすおそれがある。]
(解説)
腸管大量切除などで、残存小腸が50∼70cm以下になると、術後しばらく激しい水様性下痢
に象徴されるような腸管機能不全が続く。このような病態において高カロリー輸液のみで
長期間管理すると消化管粘膜は次第に萎縮するため、経腸栄養が必要と考えられる。しか
しながら、経腸栄養剤投与により下痢などの副作用を起こすと、投与した栄養剤が有効に
利用されないだけでなく、脱水など患者の状態を悪化させるおそれもあるので、患者の状
態をみながら、投与量、投与速度、投与濃度を徐々に上げるなどの注意が必要であるため。
(2) 急性膵炎の患者[膵炎が増悪するおそれがある。]
(解説)
本剤投与により、膵液分泌を刺激し、病態を悪化させるおそれがあるため。
(3) 水分の補給に注意を要する下記患者[下記の患者では水分バランスを失いやすい。]
1)意識不明の患者
2)口渇を訴えることのできない患者
3)高熱を伴う患者
4)重篤な下痢など著しい脱水症状の患者
(解説)
昏睡状態の患者、意識不明の患者、口渇を訴えることのできない患者は、水分量が不足し
ても気付かない可能性があり、また、高熱を伴う患者は不感蒸泄と発汗によって、脱水状
態、電解質異常に陥る可能性があるため。
−3−
2.重要な基本的注意
(1) 本剤を術後に投与する場合、胃、腸管の運動機能が回復し、水分の摂取が可能になった
ことを確認すること。
(解説)
術後においては、消化管の運動機能が低下していることが知られており、消化吸収が正常
に行われない可能性がある。したがって、術後の投与については、腸管の運動機能の回復
を確認する必要があるため。
(2) 本剤の臨床試験における35日以上の効果は確認していない。
(解説)
開発治験時の症例のほとんどが35日未満の投与期間であったため。
3.副作用
成人患者を対象とした第Ⅱ相試験、第Ⅲ相比較試験、第Ⅲ相一般試験(一般外科領域)にお
いて、安全性評価対象243例のうち副作用発現例数は67例(27.6%)、副作用発現件数は101
件であった。その内訳は下痢49件(20.2%)、腹部膨満感22件(9.1%)、腹痛17件(7.0%)、
悪心6件(2.5%)、嘔吐3件(1.2%)など、消化器系が主であった。
また、小児患者を対象とした第Ⅲ相一般試験(小児外科領域)において、安全性評価対象50
例のうち副作用発現例数は21例(42.0%)、副作用発現件数は30件であった。その内訳は下
痢17件(34.0%)、嘔吐7件(14.0%)、悪心2件(4.0%)、腹痛1件(2.0%)など消化
器系が主であった。
(1) 副作用
種類/頻度
消化器注1)
5%以上
0.1∼5%未満
下痢、腹部膨満感、腹痛
その他注2)
悪心、嘔吐、肝機能検査値の異常
皮疹、蕁麻疹、発熱、頭痛
注1)観察を十分に行い、このような症状があらわれた場合には、過剰投与のおそれがある
ので、減量するか、投与速度又は濃度を下げるか、又は投与を中止するなどの適切な
処置を行うこと。
注2)皮疹、蕁麻疹があらわれた場合は投与を中止すること。
−4−
(2) 臨床検査値の異常変動
種類/頻度
血
5%以上
液
尿
ナトリウムの低下
0.1∼5%未満
GOT、GPT、Al-P、LDH、γ-GTP 、LAP、尿
素窒素、中性脂肪、カリウム、クレアチニン、
カルシウム、クロールの上昇、
ナトリウム、クロール、カルシウム、総コレス
テロール、遊離脂肪酸、総ビリルビン、尿酸、
総たん白、アルブミンの低下、
血糖値の上昇と低下、
血小板数、白血球数の増加、
赤血球数の減少、
血色素量、ヘマトクリット値の低下
たん白定性、ウロビリノーゲン定性、ケトン体
定性、尿糖定性の陽性、
ナトリウムの上昇、
クロール、カルシウム、カリウムの低下と上昇、
pHの上昇
<解説>
(1)副作用の「消化器」、「その他」の項及び(2)臨床検査値の異常変動の「血液」、
「尿」の項は承認時までの臨床試験における副作用発現状況に基づき設定しました。
−5−
副作用の種類別発現頻度一覧表1∼4)
ラコールの副作用は、承認時までに成人患者243例中67例(27.6%)に、小児患者50例中21例
(42.0%)にみられた。
成
消
肝
過
精
調 査 施 設 数
調 査 症 例 数
副作用発現症例数(%)
副 作 用 発 現 件 数
副 作 用 の 種 類
下 痢
腹部膨満感
化 器 官
腹 痛
悪 心
嘔 吐
臓
肝機能検査値異常
発 熱
敏 症 状
両側頬部皮疹
蕁麻疹
神 神 経 系
頭 痛
人
73
243
67(27.6)
101
49(20.2)
22 (9.1)
17 (7.0)
6 (2.5)
3 (1.2)
1 (0.4)
1 (0.4)
1 (0.4)
−
1 (0.4)
小
児
13
50
21(42.0)
30
副作用発現件数(%)
17(34.0)
−
1 (2.0)
2 (4.0)
7(14.0)
2 (4.0)
−
−
1 (2.0)
−
合
計
86
293
88(30.0)
131
66(22.5)
22 (7.5)
18 (6.1)
8 (2.7)
10 (3.4)
3 (1.0)
1 (0.3)
1 (0.3)
1 (0.3)
1 (0.3)
また、副作用としての臨床検査値異常は以下の通りである。
成
血
検
血
化
尿
液
学
液
学
検
検
調 査 施 設 数
調 査 症 例 数
臨床検査値異常の種類
赤血球数減少
白血球数増加
的
血色素量低下
査
ヘマトクリット値低下
血小板数増加
総たん白低下
アルブミン低下
血糖値上昇
血糖値低下
中性脂肪上昇
総コレステロール低下
血清遊離脂肪酸低下
GOT上昇
GPT上昇
γ-GTP上昇
生
Al-P上昇
査
LDH上昇
LAP上昇
総ビリルビン低下
尿素窒素上昇
クレアチニン上昇
尿酸低下
ナトリウム低下
カリウム上昇
クロール上昇
クロール低下
カルシウム上昇
カルシウム低下
たん白定性陽性
糖定性陽性
ウロビリノーゲン定性陽性
ケトン体定性陽性
pH上昇
ナトリウム上昇
査
ナトリウム低下
カリウム上昇
カリウム低下
クロール上昇
クロール低下
カルシウム上昇
カルシウム低下
人
73
243
1/239
1/239
−
1/239
3/239
1/238
1/232
5/223
1/223
7/191
1/207
1/138
6/238
7/238
7/224
8/231
5/232
4/176
1/236
13/238
2/239
1/212
11/239
8/239
−
9/239
1/218
3/218
−
2/110
3/105
3/110
2/100
1/192
12/192
3/192
3/192
2/192
11/192
2/182
4/182
(0.4)
(0.4)
(0.4)
(1.3)
(0.4)
(0.4)
(2.2)
(0.4)
(3.7)
(0.5)
(0.7)
(2.5)
(2.9)
(3.1)
(3.5)
(2.2)
(2.3)
(0.4)
(5.5)
(0.8)
(0.4)
(4.6)
(3.3)
(3.8)
(0.5)
(1.4)
(1.8)
(2.9)
(2.7)
(2.0)
(0.5)
(6.3)
(1.6)
(1.6)
(1.0)
(5.7)
(1.1)
(2.2)
1) 掛川暉夫ほか:JJPEN, 19(6), 567-581, 1997
2) 掛川暉夫ほか:JJPEN, 19(6), 583-608, 1997
小
児
13
50
副作用発現件数(%)
−
−
1/48 (2.1)
−
−
−
−
−
−
1/44 (2.3)
1/45 (2.2)
−
4/47 (8.5)
4/47 (8.5)
−
−
1/47 (2.1)
−
−
1/46 (2.2)
−
−
−
−
1/47 (2.1)
−
−
−
4/44 (9.1)
−
−
−
−
−
−
−
−
−
−
−
−
合
計
86
293
1/287
1/287
1/287
1/287
3/287
1/285
1/278
5/268
1/268
8/235
2/252
1/179
10/285
11/285
7/269
8/278
6/279
4/216
1/283
14/284
2/285
1/257
11/286
8/286
1/286
9/286
1/264
3/264
4/154
2/154
3/149
3/154
2/144
1/237
12/237
3/237
3/237
2/237
11/237
2/227
4/227
(0.3)
(0.3)
(0.3)
(0.3)
(1.0)
(0.4)
(0.4)
(1.9)
(0.4)
(3.4)
(0.8)
(0.6)
(3.5)
(3.9)
(2.6)
(2.9)
(2.2)
(1.9)
(0.4)
(4.9)
(0.7)
(0.4)
(3.8)
(2.8)
(0.3)
(3.1)
(0.4)
(1.1)
(2.6)
(1.3)
(2.0)
(1.9)
(1.4)
(0.4)
(5.1)
(1.3)
(1.3)
(0.8)
(4.6)
(0.9)
(1.8)
3) 掛川暉夫ほか:JJPEN, 19(6), 611-633, 1997
4) 水田祥代ほか:JJPEN, 19(6), 635-648, 1997
−6−
副作用発現症例一覧
年齢
性別
診断名
(進行度)
60
男
食道癌
(Ⅲ)
70
女
食道癌
(Ⅲ)
77
男
食道癌
(Ⅰ)
65
男
食道癌
(Ⅳ)
39
女
胃癌
(Ⅱ)
62
男
下咽頭癌
(Ⅳ)
術
式
症 状
(リンパ節郭清の程度)
開胸、一期根治術
胸部食道全摘後縦隔経路頸 腹部膨満感
部食道胃吻合
及び腹痛
(R3 )
右開胸開腹胸部食道亜全摘
胸骨後食道胃吻合術
下痢
(R2 )
右開胸開腹胸部食道亜全摘
両側頸部郭清胸骨後食道胃
下痢
吻合術
(R3 )
右開胸開腹胸部食道亜全摘
胸骨後食道胃吻合術
下痢
(R3 )
胃全摘
(Double tract)
腹痛
(R1 )
下咽頭喉頭頸部食道切除術
腹部膨満感
遊離回盲部移植術
(R2 )
程 度
発現日
(投与日目)
軽度
2日目
増量せず症状継続
重度
1日目
投与中止により消失
中等度
1日目
投与中止により消失
中等度
4日目
無処置にて消失
中等度
7日目
投与中止、鎮痛剤投
与により消失
軽度
3日目
無処置にて症状継続
処置・経過
掛川暉夫ほか:JJPEN, 19 (6), 567-581, 1997(一部改変)
−7−
年齢
性別
71
女
71
男
57
男
診断名
(進行度)
症状
程度
発現日
(投与日目)
胃癌
腹痛
軽度
1
減量減速により消失
(Ⅳ)
下痢
軽度
1
減量減速により消失
食道癌
(Ⅲ)
下痢
軽度
1
無処置にて消失
胃癌
下痢
中等度
4
投与中止により消失
(Ⅰ)
腹痛
中等度
4
投与中止により消失
処置・経過
66
男
胃癌
(Ⅰ)
腹痛
中等度
2
投与中止により消失
49
男
食道癌
(Ⅰ)
発熱
軽度
1
無処置にて消失
68
男
食道癌
(Ⅳ)
下痢
中等度
5
ブスコパン投与にて軽快
中等度
1
減量減速、H2 ブロッカー投与で消失
男
食道癌
(Ⅱ)
腹部膨満感
68
腹痛
中等度
2
減量減速、H2 ブロッカー投与で消失
下痢
中等度
5
投与中止、整腸剤投与にて消失
腹部膨満感
中等度
1
投与中止により消失
下痢
中等度
5
投与中止により消失
下痢
重度
1
夜間減速と止瀉剤投与にて消失
63
男
食道癌
(Ⅰ)
胃癌
(Ⅳ)
胃癌
(Ⅳ)
66
男
69
男
61
男
食道癌
(Ⅳ)
肝機能検査
値の上昇
軽度
11
無処置にて軽快
67
男
胃癌
(Ⅳ)
下痢
中等度
3
投与中止により消失
68
男
胃癌
(Ⅲ)
下痢
軽度
3
整腸剤投与により消失
55
男
食道癌
(Ⅳ)
下痢
中等度
6
無処置にて症状継続
50
男
食道癌
(Ⅳ)
下痢
軽度
8
止瀉剤投与にて消失
69
男
食道癌
(Ⅰ)
下痢
軽度
7
無処置にて消失
軽度
2
減量減速、テレミンソフト投与で消失
男
胃癌
(Ⅰ)
腹部膨満感
56
下痢
軽度
5
整腸剤投与により消失
掛川暉夫ほか:JJPEN, 19 (6), 583-608, 1997(一部改変)
−8−
年齢
性別
診断名
(進行度)
症状
程度
79
女
胃癌(Ⅰ)
悪心
嘔吐
軽度
下痢
発現日
用量変更
その他の処置
経過
1
不変
なし
消失
中等度
8
不変
なし
消失
(投与日目)
54
男
食道癌(Ⅲ)
下痢
軽度
5
不変
なし
消失
46
男
胃癌(Ⅲ)
下痢
軽度
1
不変
なし
消失
腹部
膨満感
軽度
2
不変
なし
消失
悪心
軽度
4
不変
なし
消失
軽度
9
不変
止瀉剤投与
消失
5
不変
なし
消失
76
男
食道癌(Ⅱ)
下痢
47
男
食道癌(Ⅲ)
下痢
53
男
食道癌(Ⅰ)
下痢
軽度
9
不変
なし
消失
48
男
食道癌(Ⅰ)
腹部
膨満感
中等度
7
不変
下剤内服、浣腸等
消失
5
不変
なし
消失
下痢
軽度
中等度
軽度
中等度
61
男
食道癌(Ⅲ)
腹部
膨満感
軽度
2
不変
なし
消失
66
男
食道癌(Ⅰ)
腹痛
軽度
3
不変
なし
消失
81
男
胃癌(Ⅱ)
下痢
中等度
5
減量減速
なし
消失
82
女
十二指腸乳
頭部出血
腹痛
中等度
6
減量減速
なし
消失
腹部
膨満感
軽度
8
不変
なし
消失
下痢
軽度
1
投与中止
なし
消失
腹部
膨満感
軽度
3
投与中止
なし
消失
69
女
胃癌(Ⅳ)
25
男
潰瘍性大腸
炎
下痢
軽度
7
不変
なし
消失
69
男
食道癌(Ⅱ)
下痢
重度
2
不変
なし
消失
腹痛
軽度
1
不変
なし
消失
嘔吐
軽度
1
不変
なし
消失
60
男
胃癌(Ⅳ)
下痢
中等度
2
不変
なし
消失
69
男
食道癌(Ⅲ)
下痢
軽度
2
不変
なし
消失
72
女
胃癌(Ⅰ)
下痢
重度
2
不変
止瀉剤投与
消失
59
男
胃癌(Ⅰ)
悪心
軽度
6
不変
抗うつ剤投与
消失
−9−
年齢
性別
診断名
(進行度)
症状
程度
50
男
食道癌(Ⅲ)
下痢
重度
腹部
膨満感
65
男
食道癌(Ⅲ)
発現日
用量変更
その他の処置
経過
1
不変
アセナリン投与
消失
中等度
8
減量
同上
消失
腹痛
軽度
5
不変
同上
消失
下痢
軽度
2
不変
なし
消失
腹部
膨満
軽度
4
不変
なし
消失
(投与日目)
51
男
食道癌(Ⅳ)
下痢
軽度
1
不変
なし
消失
57
女
食道癌(Ⅳ)
腹部
膨満感
軽度
6
不変
なし
消失
腹痛
軽度
6
不変
なし
消失
61
男
食道癌(Ⅳ)
下痢
中等度
軽度
12
不変
なし
消失
63
男
食道癌(Ⅲ)
下痢
軽度
1
不変
なし
消失
腹部
膨満感
軽度
1
不変
なし
消失
61
男
食道癌(Ⅰ)
下痢
軽度
4
不変
なし
消失
63
男
食道癌(Ⅳ)
下痢
軽度
1
不変
なし
消失
52
男
胃癌(Ⅲ)
下痢
軽度
4
不変
なし
消失
腹部
膨満感
中等度
1
減速
なし
軽快
67
男
胃癌(Ⅰ)
下痢
中等度
5
不変
なし
消失
59
男
食道癌(Ⅱ)
腹部
膨満感
重度
1
投与中止
内服処方、
注射処方
消失
腹痛
中等度
1
投与中止
同上
消失
下痢
重度
3
投与中止
止瀉剤投与
消失
腹部
膨満感
中等度
2
投与中止
なし
消失
腹痛
中等度
2
投与中止
なし
消失
54
男
食道癌(Ⅱ)
61
男
食道癌(Ⅲ)
下痢
軽度
6
不変
止瀉剤投与
消失
74
女
胃癌(Ⅱ)
悪心
軽度
2
不変
なし
消失
腹痛
軽度
8
不変
なし
軽快
腹部
膨満感
軽度
10
不変
なし
消失
頭痛
軽度
10
不変
なし
消失
60
男
胃癌(Ⅱ)
下痢
中等度
1
不変
なし
消失
61
男
胃癌(Ⅳ)
下痢
中等度
3
不変
なし
消失
−10−
年齢
性別
診断名
(進行度)
症状
程度
67
男
食道癌(Ⅳ)
嘔吐
中等度
65
男
食道癌(Ⅳ)
腹部
膨満感
77
48
女
女
食道癌(Ⅳ)
男
食道癌(Ⅳ)
71
男
食道癌(Ⅳ)
71
男
胃癌(Ⅰ)
50
56
男
男
男
用量変更
その他の処置
経過
7
減量減速
なし
消失
中等度
2
投与中止
なし
消失
下痢
軽度
3
投与中止
なし
消失
腹痛
中等度
3
投与中止
なし
消失
腹部
膨満感
軽度
1
不変
ロぺミン
1C/日
消失
下痢
軽度
1
不変
なし
消失
悪心
軽度
3
不変
なし
消失
下痢
軽度
1
不変
なし
消失
軽度
4
不変
なし
消失
軽度
13
不変
なし
消失
下痢
軽度
1
不変
なし
軽快
腹痛
軽度
1
不変
なし
軽快
2
不変
なし
消失
食道癌(Ⅳ)
77
63
発現日
(投与日目)
胆管癌(Ⅳ)
食道癌(Ⅰ)
胃癌(Ⅱ)
腹部
膨満感
両側頬部
皮疹
下痢
軽度
中等度
悪心
軽度
再開後
1日目
不変
なし
消失
下痢
軽度
2
不変
ブスコパン投与
消失
腹痛
軽度
15
不変
なし
消失
腹部
膨満感
中等度
1
投与中止
なし
消失
掛川暉夫ほか:JJPEN, 19 (6), 611-633, 1997(一部改変)
−11−
年齢
6歳
8カ月
1歳
5カ月
1歳
5カ月
1歳
1カ月
0歳
6カ月
1歳
9カ月
0歳
10カ月
性別
診断名
(進行度)
男
食道裂孔
ヘルニア
下痢
男
鎖肛
男
広範囲腸管
無神経節症
女
男
低位鎖肛
ヒルシュス
プルング病
発現日
(投与日目)
処置・経過
重度
1
投与中止,止痢剤投与により消
失
GOT, GPT, LDH
上昇
中等度
終了翌日
下痢
中等度
1
投与中止により消失
腹痛
中等度
3
無処置にて消失
下痢
重度
1
投与中止,輸液療法・止瀉剤投
与により消失
悪心
重度
3
投与中止により消失
嘔吐
重度
3
投与中止により消失
下痢
中等度
1
止痢剤投与により消失
嘔吐
軽度
10
無処置にて消失
症
状
程
度
無処置にて軽快
女
直腸会陰瘻
下痢
重度
4
投与中止,止瀉剤・整腸剤投与
により消失
男
鎖肛
下痢
軽度
2
止瀉剤・整腸剤投与により消失
5歳
7カ月
先天性食道
狭窄症
下痢
中等度
1
止痢剤投与により消失
男
嘔吐
軽度
2
無処置にて消失
0歳
5カ月
嘔吐
軽度
4
無処置にて消失
男
悪心
軽度
5
無処置にて消失
0歳
4カ月
嘔吐
軽度
3
無処置にて消失
女
下痢
軽度
3
無処置にて軽快
嘔吐
軽度
2
無処置にて消失
下痢
中等度
2
無処置にて消失
肝機能障害
中等度
9
投与中止により消失
0歳
4カ月
2歳
4カ月
0歳
10カ月
1歳
4カ月
0歳
10カ月
1歳
1カ月
女
ヒルシュス
プルング病
直腸肛門奇形
直腸肛門奇形
男
ヒルシュス
プルング病
下痢
軽度
1
無処置にて軽快
女
食道閉鎖症D
型気管食道瘻
下痢
軽度
8
ビフィズス菌投与により消失
男
鎖肛
下痢
軽度
3
止痢剤投与により消失
男
鎖肛
下痢
軽度
5
止痢剤投与により消失
男
鎖肛
下痢
軽度
5
無処置にて軽快
−12−
年齢
2歳
0カ月
9歳
9カ月
1歳
7カ月
0歳
3カ月
0歳
5カ月
性別
診断名
(進行度)
男
鎖肛
下痢
軽度
1
止痢剤投与により軽快
男
梨状窩瘻
下痢
軽度
1
アップルファイバー投与によ
り消失
男
腸重積
下痢
軽度
1
無処置にて消失
嘔吐
軽度
7
無処置にて消失
蕁麻疹
中等度
1
投与中止,強力ネオミノファー
ゲンC投与により消失
男
男
ヒルシュス
プルング病
ヒルシュス
プルング病
症
状
程
度
発現日
(投与日目)
処置・経過
(研究会資料より)
−13−
4.高齢者への投与
一般に高齢者では生理機能が低下しているので、投与量、投与濃度、投与速度に注意して
投与すること。
5.妊婦、産婦、授乳婦等への投与
外国において、妊娠前3ヶ月から妊娠初期3ヶ月までにビタミンAを10,000IU/日以上摂
取した女性から出生した児に、頭蓋神経堤などを中心とする奇形発現の増加が推定され
たとする疫学調査結果5)があるので、妊娠3ヶ月以内又は妊娠を希望する婦人に投与する
場合は用法・用量に留意し、本剤によるビタミンAの投与は5,000IU/日未満に留めるなど
必要な注意を行うこと。(本剤2,000mL中にビタミンA 4,140IUを含有する。)
(解説)
ビタミンAを含有する製剤に共通の注意事項として記載しました。
5) Rothman,K.J.et al:The New England Journal of Medicine, 333(21),1369, 1995
6.小児等への投与
低出生体重児、新生児に対する安全性は確立していない(使用経験がない)。
(解説)
小児科領域において生後1カ月から10歳未満の患者を対象として安全性を確認したが、生
後1カ月未満の患者には使用経験がないため設定しました。
7.適用上の注意
(1) 投与に際して
1) ビタミン、電解質及び微量元素の不足を生じる可能性があるので、必要に応じて補
給すること。
2) 投与初期には、特に観察を十分に行い、下痢などの副作用が認められた場合には、
減量又は投与を中止するなど適切な処置を行うこと。
(2) 投与方法
1) 分割投与の開始時又は持続的投与の数時間ごとに、胃内容物の残存を確認すること。
2) 経管投与においては、分割投与の終了ごと、あるいは持続的投与の数時間ごとに少
量の水でチューブをフラッシングすること。
3) 開封直前によく振ってから使用すること。
4) 万一容器等の破損により、製剤に異常が認められた場合には使用しないこと。
(3) 保存等
1) 凍結保存や室温を上回る高温下での保存は避けること。
2) 開封後は、微生物汚染及び直射日光を避け、できるだけ早めに使い切ること。やむ
を得ず冷蔵庫内に保存する場合は、24時間以内に使い切ること。
−14−
(解説)
(1) - 1)経腸栄養剤投与患者でのビタミン、電解質及び微量元素の不足に関する注意を喚起
するためにすべての経腸栄養剤に記載されています。
(3) 安定性試験の苛酷試験の結果から設定しました。
保存条件
25±2℃
凍 結
保存期間
14ヵ月
−20℃
保存形態
包
装
品
合成樹脂加工
アルミニウム
箔容器
3ヵ月
高 温
60℃
温 度
60℃
暗所
72時間
光
0℃
陽光
10000Lux
120時間
湿 度
対
照
開 封
25℃
暗所
90%RH
0℃
暗所
対 照
パルミチン酸レチノール、チアミ
ン、アスコルビン酸及び葉酸で経
時的に減少の傾向がみられた。
pH及び性状は、ほとんど変化が
なかった。
変化はみられなかった。注1)
ほとんどのビタミンや脂肪酸に
劣化がみられ、性状や pHにも変
化が認められた。
アスコルビン酸及びチアミンが
大きく劣化し、トリカプリリン、
リノール酸、α-リノレン酸、リ
ボフラビン及びpHにも変化が認
められた。
リボフラビン及びフィトナジオ
ンが大きく劣化し、パルミチン酸
レチノール、チアミン、ピリドキ
シン及びアスコルビン酸にも変
化が認められた。
湿度の影響は認められなかった。
120時間
ほとんど変化はみられなかった。
24時間
25℃
暗所
果
72時間
25℃
蛍光
750Lux
剥 離注2)
開
封
共栓付三角
フラスコ
結
開
封
共栓付三角
フラスコ
24時間でパルミチン酸レチノー
ルとリボフラビンに劣化の傾向
がみられたが、12時間以内では安
定であった。
未開封
24時間安定で、変化はみられなか
った。
開
封
共栓付三角
フラスコ
24時間安定で、変化はみられなか
った。
注1) ただし、凍結解凍は乳化を不安定にするので、凍結保存は避けること。
注2) 400mL容器について、裏面のアルミ箔を剥がした状態。
−15−
本剤の詳細については、製品添付文書をご参照ください。
また、「禁忌を含む使用上の注意」の改訂に十分ご留意ください。
RA10199L05
(3824)SH
−16−