再入院数削減を実現する 再入院数削減を実現する鍵と

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再入院数削減を実現する鍵となる
再入院数削減を実現する鍵となるコンピテンシー
鍵となるコンピテンシー:
コンピテンシー
CIO の視点
エグゼクティブ サマリ
病院での再入院数を手作業で削減しようという取り組みは、長期的に
みて有効な解決策ではありません。また、それ以外の IT 関連業務に
も時間と労力が必要で、再入院数削減の取り組みに支障をきたす場
合もあります。しかし、適切な医療 IT (HIT) プラットフォームを採用す
れば、再入院率を低減すると共に、プロセスの効率および効果を高め
るための取り組みを継続的に行うことができます。その鍵となるのが、
相互運用性と、リアルタイム データへのアクセスの実現です。まったく
異なるソースからのリアルタイム データを統合して分析できる組織は、
再入院数の削減とアカウンタブル ケアを実現するコンピテンシーの確
立を積極的に行うことができます。
医師 P. ネルソン・リー.
インターシステムズ HealthShare
シニア アドバイザー
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再入院数削減を実現する鍵となる
再入院数削減を実現する鍵となるコンピテンシー
鍵となるコンピテンシー:
コンピテンシー
CIO の視点
再入院数:
再入院数 アカウンタブル ケアという氷山の一角
病院における再入院数削減の必要性は、現行制度の問題点の多くを典型的に示してい
るため、医療における議論の焦点となっています。診療件数に基づく報酬制度では、最初
から適切な診療を行っていれば防ぐことができたかどうかを問わず、より多くの診療を
行った病院が多くの報酬を受けます。これは、些細な問題ではありません。Medicare
Payment Advisory Commission の分析によれば、5 人に 1 人のメディケア (65 歳以上
の高齢者等を対象とした医療保険制度) 加入患者が退院後 30 日以内に再入院しており
1、こうした再入院のうち 76 パーセントは、防ぐことができる可能性があります 2。
長年にわたって支払われてきた患者の再入院に対する財務報酬は、再入院が患者、
医療提供者、および医療組織に与える悪影響を考慮すると、大きな問題を引き起こして
います。再入院する患者は、その後も再入院する傾向が高まります。医師は多くの場
合、患者のそれまでの治療計画について苦慮します。医療提供者は、より重症化しや
すい患者に向き合わなければならず、失われた信頼を回復する必要もあります。最終
的に、再入院率の高い病院では、質と患者の安全への懸念から、評判が損なわれるこ
とになります。
これを受けて、メディケア メディケイド サービス センター (CMS) は、心不全、急性心筋
梗塞、または肺炎の患者について再入院率が一定の目標値を超える医療機関に罰則
を科す、再入院削減プログラムを設けました。ある大規模な統合医療ネットワークでは、
科される罰金が毎年 200 万ドルを上回る 3 と見込まれています。また CMS は、病院
の再入院率データを「Hospital Compare」Web サイト上で公開することで、透明性も高
めました。民間医療保険の支払者もこの取り組みに参加しており、その一部は再入院
率の低下に対してインセンティブを与えています。
この再入院削減プログラムは、CMS による、診療ごとの支払いモデルから、価値に対
する支払いシステムへの移行を示しています。これは、質の向上と医療費の削減を行
わない、病院にリスクを負わせるという、多くの新たな取り組みの 1 つです。先見性の
ある CIO は、医療組織が改善に向けた取り組みを支えるコンピテンシーを確立する際
に、HIT が主要な役割を果たすことを理解しているため、意識してこの議論に参加して
います。
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HIT を利用したパフォ
を利用したパフォー
マンスの維持および向上
パフォーマンスの維持および向上
再入院率が低下し始めているという、明るい兆しもあります。2007 年から 2011 年では、
メディケア患者の 30 日以内の再入院率は平均 19 パーセントと変化がありませんでし
た。そのため CMS が、2012 年に 30 日以内の再入院率が 18.4 パーセントに低下し
たと発表したことは、驚きをもって歓迎されました。しかし、その分析で重視されていた
のは、傾向であって原因ではないため、再入院率の低下が CMS の罰則によるものか
どうかについては疑問の余地があります 4。
持続性と改善率は引き続き重要な懸念事項であるため、克服したと断言するには時期
尚早です。よく知られた再入院率改善モデルの多くは、プロセス改善を推進する「人」に
大きく依存しています。ところが、臨床医やスタッフが意味ある利用 (Meaningful Use)、
ICD-10、アカウンタブル ケアのような差し迫った取り組みの間でバランスを取ろうとす
ると、すべてのプロジェクトに必要なリソースや時間がなくなるというリスクが高まります。
さらに、再入院のうち 76 パーセントを防ぐことができる可能性があるなら、30 日以内の
再入院率における 0.6 パーセントの低下には、大きな改善の余地が残されているとい
うことになります。
CIO は、可能な限りプロセスを自動化し、過度な負担を強いられているスタッフや臨床
医の仕事を軽減するためのインフラストラクチャを用意することで、所属組織の再入院
低減の取り組みを支援すると共に、医師の賛同を得ることができます。また、必要な
データを適切なタイミングで利用可能にし、そのデータに基づいて行動するために必要
なツールを臨床医に提供することで、こうした取り組みを強化することも可能です。CIO
は、これらの目標を達成するために、戦略的相互運用性とアクティブ分析という 2 つの
重要なコンピテンシーを確立する必要があります。
相互運用性は、まったく異なるシステムを連携させる上で決定的に重要な機能です。こ
の機能によって、医療提供者は、格納場所や形式を問わず、あらゆる重要なデータに
アクセスしてそれらを共有できるためです。相互運用性は、適切な人が適切なデータを
適切な時間に確実に入手できることに注力する時に、戦略的に機能するのです。
「Health Affairs」誌の 2013 年のある記事では、「現在市場にある多くの医療 IT システ
ムは、互いに通信するように設計されていない」と嘆いています 5。その結果、病院では
多くの場合、重要なデータのごく一部に頼らざるを得ず、分析技術の有効性が低下し、
結果としてそのデータから洞察を得ることが難しくなっています。アクティブ分析を採用
すれば、医療提供者は統合されたリアルタイムのデータをすぐに利用できるため、その
洞察に基づいて行動すると共に、より賢明な判断を下すことができます。
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コア コンピテンシー #1: 戦略的相互運用性
再入院への取り組みには戦略的相互運用性が不可欠です。それは、病院内のみなら
ず一連の診療全体における診療連携が促進されるためです。米国の医療システムは
分断されており、国民の高齢化に伴い、ますます複雑化しています。調査によれば、65
歳を超える患者のうち 4 分の 3 が複数の慢性疾患を抱えており 6、多くは複数の専門
医から治療を受ける必要があることが判明しています。
差分の追跡
通常、特定の患者に関する情報を多数の組織 (病院、医療保険会社、開業医、診療所
など) が保有していることを考慮すれば、そのようなデータを統合する機能が不可欠で
す。たとえば、ある慢性疾患の治療のために、かかりつけ医(Primary Care)、専門医、
および救急科と複数回診療を受ける患者を考えてみましょう。それぞれの診療が、まっ
たく異なる HIT システムを使用するさまざまな場所でなされる可能性があるばかりでな
く、可能性が高いと言えます。医療組織が、提供する治療の連携を本当の意味で望む
なら、患者のすべての情報を単一の総合記録に確実に集約することが重要です。
コア コンピテンシー #2: アクティブ分析
病院が
患者を
専門医に
紹介する
退院前に
予約する
患者が
約束を
守らない
患者に
フラグが
付けられ、
医療チームが
通知を
受ける
統合されたリアルタイム データには、患者個人と集団の両方のレベルでメリットがあり
ます。
患者集団のレベルでは、リアルタイム分析機能によって、組織は明らかな戦略的優位
性を獲得することができます。HEDIS、NQF、PQRI などの数値について報告する場合、
ほとんどの結果は過去のデータに依存しています。過去の測定データが利用可能にな
る前に、リアルタイム データにアクセスして組織の進捗状況を追跡できれば、不適切な
再入院率で罰金を支払うといった悪影響が生じる前に、問題を特定してそれに対処す
るための大きな機会を得ることができます。再入院について言えば、患者集団全体に
わたって、ヘモグロビン A1c や高血圧などの主要な数値をモニタすることで、リスクの
ある集団に関する洞察を得て、再入院率を低減するための予防措置を取ることも可能
です。
データの集約および分析によって、リスクのある個々の患者を特定するための絶好の
機会も得られます。たとえば、ある診療所で、患者の血圧が若干上昇している点が記
録される場合がありますが、一方で外部の検査機関による報告では、同患者の脂質が
異常であることが示されます。同時に、この患者が定期的に再処方を受けていないこと
から、この患者は推奨される投薬治療計画に従っていないことがわかります。個別に見
た場合、これらのデータ ポイントは、警戒する必要がない可能性もあります。しかし、全
体として見た場合、臨床医は患者に、比較的高い発病の、さらには死亡のリスクがある
ことを認め、介入措置を講じることができます。
上記の例から、集約されたデータによってリスクのある患者を特定できることがわかり
ますが、データの不足を正確に特定する機能も同様に重要です。この概念は、期待さ
れる患者治療活動での中断を特定するという考え方を表すため、「差分の追跡」と呼ば
れています。
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たとえば、病院総合医が、退院から 1 週間以内に専門医の診察を受けるよう患者を紹
介することは珍しくありません。予定のアクション (専門医の診察) は患者が病院を出た
後で行われるため、多くの組織ではフォローアップケアを観察するための継続的モデル
を持っていません。再入院低減の取り組みを手作業で推進する病院では、臨床医が、
あらかじめ特定されたリスクの高い患者グループのフォローアップを担当する可能性が
あります。しかし、近隣の診療所での ADT(入院・退院・転院) からのデータを利用した
レポート情報を得ることができれば、病院のスタッフは、はるかに幅広い患者グループ
がフォローアップの診察を確実に受けたかどうかを判断することができます。そして、診
察を受けなかった患者に支援活動の的を絞ることが可能です。その結果、追加の労力
なく再入院数がさらに削減される可能性が高くなります。
プロセスの改善
ケース スタディ:
スタディ ロードアイ
ロードアイランド品質組織
「(私たちは、) 登録された患者のど
なたかが救急治療室で確認された
か、さらには入院したかどうかを、
病院のアラート経由で常に把握して
います…何かが起こったとき、その
最初から治療にさらに深く関与して、
患者治療の管理に関係する病院
チームとコミュニケーションを取る
ことができます。また、情報をタイム
リーに提供することも可能です。
そして非常に重要なことですが、
移行対象がリハビリ施設か長期治療
かにかかわらず、患者に対する治療
の移行を支援することができます。」
ロードアイランド品質組織 (RIQI) は、戦略的相互運用性と分析の両方を利用して再入
院数を削減している組織の一例です。
ユーザー (医師)
RIQI は、非営利組織であり、協力によるイノベーションを通して医療提供を改善するこ
と を 推 進す る ONC (Office of the National Coordinator for Health Information
Technology) が認可したビーコン・コミュニティです。同組織は、その医療情報交換の
基盤として、インターシステムズの戦略的情報プラットフォームである HealthShare を
活用しています。
RIQI は近年、再入院数と回避可能な救急科の利用を削減するための取り組みを開始
しました。同組織は HealthShare を利用して、Hospital Alerts と呼ばれるツールを開
発しました。このツールでは、州全域の病院からの ADT データを利用して、特定の患
者が救急科または病院に入院した場合に、担当の臨床医にアラートを送信します。ア
ラートはリアルタイムで送信され、通常は診療所のスタッフが、トリアージを行ない、そ
れに従って医師が最重要アラートに対応できるようにしています。リアルタイムにアラー
トを送信することで、臨床医は、介入が必要な場合にタイムリーに行動することが可能
です。
2012 年 3 月 の サ ービス 開始 以 来 、ロ ー ド アイ ラン ド州の 医 療 情 報交 換で ある
CurrentCare では、いずれかの患者が入院したことを通知するために 1 万 9,000 件を
超えるアラートを医療提供者に送信して、担当の患者が入院したことを知らせています。
このサービスを受けている診療所ではメリットが確認されています。Hospital Alerts は
リアルタイムで通知し、診療所は、入院時 (必要な場合)、そして特にフォローアップ治療
が不可欠になる退院時の両方において、効果的な治療の移行の支援することができま
す。このプロセス改善によって、治療の移行管理が効率化され、再入院数削減などの
患者の治療が改善されています。その結果として、患者および医療提供者の満足度も
向上しています。
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推奨事項
患者満足度
「患者にとって本当のメリットは、
恐れを感じていて気分が悪いとき
に、何が起きているのかを十分に
把握している、信頼できる初期診療
チームがいることです。患者から
感謝の言葉を聞いたことは驚きでし
た。」
再入院削減プログラムは、CMS が、サービスに対する支払い方法の変更が、診療の
質とコストにどう影響するかを確認する数ある取り組みの 1 つにすぎません。このため
医療組織は、再入院を削減するための対策を、1 回限りの取り組みではなく、ワークフ
ローの変更を通知し、情報プラットフォームを活用して、専門知識を確立するための機
会として捉えるべきです。HIT は、このような取り組みに不可欠な要素です。組織は、組
織内のみならず、より大規模な医療エコシステムにある外部ソースに存在する、異なる
ソースのデータを利用するために、戦略的相互運用性を確立する必要があります。さら
に、リアルタイム データを利用したアクティブ分析は、リスクのある患者および患者集団
の観察と、よりよい治療結果を得られる介入には不可欠です。これらの機能を利用す
れば、再入院数が削減されるだけでなく、すべての取り組みにおいて質の向上と費用
削減が促進されます。
ユーザー (医師)
HealthShare: 戦略的情報プラットフォーム
インターシステムズの戦略的情報プラットフォームである HealthShare は、その独自の
データ標準化プロセスによって、組織における相互運用性の実現を支援します。そのイ
ンターフェース エンジンは、すべてのソースおよび形式のデータを扱うことができます。
HealthShare は、Summary Document Architecture (SDA) と呼ばれる内部臨床モデ
ルを保持しており、これによって、そのデータを個々の構成要素に分解し、標準化しま
す。標準化されたら、データを全体として利用することができます。さらにこのプラット
フォームは、将来の取り組みに対応するよう拡張可能です。
また、HealthShare はリアルタイム分析もサポートしています。この機能を支えるのは、
上記プラットフォームの統合および標準化プロセスによって作成される、堅牢なデータ
セットです。標準的な分析モデルでは、データは ETL (抽出、変換、ロード) バッチ処理
によって準備されます。ETL プロセスの欠点は、クエリ対象のデータしか取得できない
点と、プロセスがリアルタイムではなくバッチ処理で実行される点です。それに対して、
HealthShare はあらゆるデータを取り扱い、標準化して、リアルタイム分析で利用可能
にします。この 1 ステップのプロセス (別個の統合および分析プロセスではなく) は、よ
り合理化されているため、リソースが少なくて済みます。さらに、すべてのデータをリア
ルタイムで利用できるため、すぐに、アクションを起こすことができます。
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インターシステムズについて
インターシステムズは、接続された医療向けソフトウェアの世界的リーダーです。本社を
マサチューセッツ州ケンブリッジに置き、25 カ国に拠点を擁しています。InterSystems
HealthShare® は医療情報向けの戦略的プラットフォームであり、病院ネットワーク、コ
ミュニティ、地域または国内での情報交換およびアクティブ分析を実現します。
InterSystems Caché® は世界で最も広く使用されている医療用データベース システ
ムです。InterSystems Ensemble® は、迅速な統合と接続可能なアプリケーションの
開発のためのプラットフォームです。インターシステムズの製品は、U.S. News and
World Report の米国ベスト ホスピタルに選定された上位 16 すべての病院をはじめと
する世界の多くの病院、検査機関で使用されています。
詳細については、以下をご覧ください。
InterSystems.com
InterSystems.co.jp
1
Jencks, S. 他、「Rrehospitalizations among Patients in the Medicare Fee-for-Service Program」、New England Journal of
Medicine、2009 年、360:1418-1428。
2
3
「Promoting Greater Efficiency in Medicare」、 Medicare Payment Advisory Commission、2007 年 6 月。次から入手可能:
http://www.medpac.gov/documents/jun07_entirereport.pdf.
Doyle, J.、「Hospitals Penalized for Poor Readmission Rates」、St. Louis Post-Dispatch、2012 年 8 月 17 日。次から入手
可 能 : http://www.stltoday.com/business/local/hospitals-penalized-for-poor-readmission-rates/article_6648d75a-e8c611e1-bb27-001a4bcf6878.html.
4
Gerhardt, G. 他 、 「 Medicare Readmission Rates Showed Meaningful Decline in 2012 」 、 Medicare and Medicaid
Research Review、2013 年、Vol. 3、No. 2。
5
Kellerman, A. および S. Jones、「What It Will Take To Achieve The As-Yet-Unfulfilled Promises of Health Information
Technology」、Health Affairs、2013 年 1 月、32、No.1、63-68。
6
Anderson, G.、「Chronic Care: Making the Case for Ongoing Care」、Robert Wood Johnson Foundation、ニュージャージー
州プリンストン、2010 年 3 月 7 日。
6
インターシステムズジャパン株式会社
〒160-0023
東京都新宿区西新宿 6-10-1
日土地西新宿ビル 15F
Tel: 03-5321-6200(代)
Fax: 03-5321-6209
InterSystems.co.jp
InterSystems Ensemble, InterSystems Caché, InterSystems DeepSee、 InterSystems HealthShare は、米国インターシステムズ社およびその子会社の登録商標です。.
その他の製品名は、該当各社の商標または登録商標です。 Copyright © 2013 InterSystems Corporation. All rights reserved. 10-13