業界研究

情報サービス・ソフトウエア産業を
正しく理解して頂く為に
目次
■情報サービス・ソフトウェア産業の構造
■ソフトウェア開発技術者とは、
■情報サービス・ソフトウェア産業の魅力
■企業研究の方法
株式会社ジャステック All right reserved,Copyright JASTEC
1
IT業界の業態とサービス
ハードウェア会社
パッケージベンダー
システムインテグレータ
通信事業者
提供製品
提供製品
提供製品
提供製品
主要企業
主要企業
主要企業
主要企業
サービス提供事業者
(ISP,ASP)
ネットビジネス事業者
(コンテンツ・プロバイダ)
コンサルティング会社
人材派遣会社
提供製品
提供製品
提供製品
提供製品
主要企業
主要企業
主要企業
主要企業
ソフトウェア開発を本業としているのは、
パッケージベンダー と システムインテグレータ
だけである
All right reserved,Copyright JASTEC
2
情報サービス・ソフトウェア産業の売上高推移
【情報サービス・ソフトウェア産業】(2006年)
情報サービス・ソフトウェア産業は、急成長しています!!
(兆円)
売上高 18.9兆円
従業員数 82万人
事業所数 16,262
ソフトウェアに関する投資額は、
最近10年間で
約2.3倍 になっています
情報サービス業の売上高推移
15.0
1980年比較で、約28倍
(18.9兆円)
GDPは、約2倍
10.0
他産業の売上高
5.0
0 1980
1985
1990
1995
2000
2005年
注:ここで言う「情報サービス・ソフトウェア産業」とは、ソフトウェア会社、システムインテグレータ、
繊維産業(製造分野)
8.1兆円(2000年)
自動車製造産業
43.2兆円(2002年)
鉄鋼業
電気・電子産業(ハード)
12.0兆円(2003年) 45兆円(2004年)
コンサルティング会社を指す。
All right reserved,Copyright JASTEC
3
情報サービス・ソフトウェア産業のタイプ別の企業分類
タイプ
主要企業
特 徴
メーカー
F社、N社、H社・・・
規模が大きく、様々な職種がある
メーカー系
Fxx社、Nxx社、・・・
親会社の顧客が主要取引先
ユーザー系
NS社、TI社、SC社・・・
独立系(大手)
独立系(中小)
外資系
IN社、SR社、JS社・・・
多くは、親会社の業務分野に特化
幅広い業務分野に対応
(主に非上場企業)
オーナーの個性が強く反映される
日本I社、SJ社、MS社・・・
基本的には、開発より営業が主体
All right reserved,Copyright JASTEC
4
社会とソフトウェアの関わり
当初は、社内の合理化のためのシステムが主体でしたが、最近は、他社との競争に 勝ち抜くための戦略的なシステムの構築へと重点が移っています。 分野
システムの例
素材・建設業
・原料ヤードから製鉄ライン、加工・精製にいたる鉄鋼プラント制御システム
・防災・防犯・空調・照明をはじめとしたインテリジェントビルを支えるビル管理システム
・顧客の注文情報の管理から出荷伝票まで管理する製品出荷情報管理システム
・化学物質を高精度に分析・評価を行う化学物質管理システム
製造業
・生産プロセス監視・制御システム
・携帯電話、基地局、ルータをはじめとした通信システム
・車載ECUをはじめとした自動車の電子制御システム
・ディジタルカメラやDVDをはじめとしたディジタル家電システム
金融・保険業
・ATM(現金自動預け払い)システム
・クレジットカードシステム
・ネットバンキングシステム
・火災保険システム、生命保険システム、年金システム
・オンライントレードシステム
電力・運輸・
通信・サービス業
・新幹線をはじめとした公共輸送機関の運行管理システム
・航空機、列車、ホテル、劇場などの予約システム
・地上波ディジタルなどの放送システム
・宅配便をはじめとした輸送管理システム
・送変電・配電システム
公共
・水を供給する上水道システム
・自治体における電子申請システム
・消防・警察の緊急通報・配備システム
All right reserved,Copyright JASTEC
5
システムの具体例 : 車もソフトウェアの塊になりつつある !!
(急速に進化する自動車のインテリジント化)
パワートレイン系
情報通信系
カーナビゲーションシステム
ETCシステム
オーディオシステム
路車間通信システム
車車間通信システム
エンジン制御システム
-ガソリンエンジン制御
-ディーゼルエンジン制御
トランスミッション制御システム
電子スロットル制御システム
シャシ系
ボディ系
VSCシステム
パワーステアリング制御システム
4WD制御システム
サスペンション制御システム
ABS制御システム
トラクション制御システム
クルーズ制御システム
エアコンシステム
エアバッグシステム
ドアロック制御システム
キーレスエントリー
イモビライザーシステム
セキュリティシステム
ランプ制御システム
車載用ECUの数 :
70個/台
*ECU:Electronic Control Unit
ソフトウェア規模
:
200万byte
コスト比率
:
20% (2002年)
40% (2015年予測)
All right reserved,Copyright JASTEC
6
ソフトウェア開発の仕事の流れ
顧客
(エンドユーザ)
固定的な多重下請け構造で
あり、マネジメントが利かない
状況になっている。
顧客子会社
大手システム
インテグレータ
コンピュータ
メーカー
大手システム
インテグレータ
中小S/H
零細S/H
メーカー系
子会社
中小S/H
中小S/H
零細S/H
零細S/H
All right reserved,Copyright JASTEC
中小S/H
零細S/H
7
障害発生の連鎖を断ち切るための課題
☆定量的見積りモデルの確立
☆一括請負契約の推進
☆顧客内要員の増強
☆外注比率の低減
(多重下請け構造の解消)
☆品質管理体制の確立
All right reserved,Copyright JASTEC
8
契約形態
●派遣契約と一括請負契約の比較
派遣契約
価格根拠
一括請負契約
・価格=時間単価 × 稼動時間 :(人に対する価格) ・価格=生産物単価 × 見積り生産量 : (製品に対する価格)
・技術力不足によるコスト増加は、顧客がリスクを負う
・技術力不足によるコスト増加は、開発会社がリスクを負う
技術力向上によるコスト削減は、顧客が享受
技術力向上によるコスト削減は、開発会社が享受
指揮命令
・開発要員に対する指揮命令権は、顧客にある
・開発要員に対する指揮命令権は、開発会社にある
完成責任
・顧客が責任を負う
・開発会社が責任を負う
瑕疵担保責任 ・顧客が責任を負う
・開発会社が責任を負う
コスト意識
・担当する開発工程幅が狭い
・担当する開発工程幅が広い
・社員、チーム間での技術トランスファーがしづらい
・上位技術者からの技術トランスファーが可能
技術者
All right reserved,Copyright JASTEC
9
●顧客・経営者・技術者から見た「派遣契約」のメリット・デメリット
メリット
デメリット
顧客(派遣先)
・受給調整に便利(余ればリリース)
・仕様が未確定であっても、技術者を確保できる
・指揮命令権があるため、使いやすい
・製品の瑕疵担保責任と完成責任は、全て自社が負う
(派遣元への責任は、問えない)
・管理をルーズにすると品質劣化やコストプッシュを招く
(管理コストが増大する)
・社内への技術蓄積が難しい(個人ベースになる)
経営者(派遣元)
・人を出せば確実に金が入る
・生産性が低い技術者でも儲かる
・教育投資を少なく出来る(派遣先へ依存)
・完成責任・瑕疵担保責任を回避できる
・業界へのハードルが低い
・習得できる技術範囲が狭い
(おいしい仕事は、顧客が担当)
・年齢が高くなるとリリースされる確率が高くなる
・実績を正当に評価してくれない(評価は、顧客が行う)
・経営者から、「早く終わらせる」より、「沢山働く」事が
求められる
技術者
(派遣型企業へは、入社し易い)
・自分の仕事だけに専念できる
(管理業務から解放される)
・SEの育成が難しい(プログラマや初級SEまで)
・人事異動が難しい
All right reserved,Copyright JASTEC
10
システムエンジニアとは、 (ITSSにおけるキャリアフレームワーク)
ITSS(ITスキルスタンダード)では、SE/プログラマーという職種ではなく、ITエンジニアとして、以下の多様な職種を定義しています。
職 種
マーケティング
ビ
ス
デ
ス
ク
ン
シ
ー
シ
エデュケー
ション
研
修
企
画
イ
ン
ス
ト
ラ
ク
シ
ョ
ト
ワ
ー
サ
ク
オ
ペ
レ
ョ
ン
ョ
マ
ネ
ジ
メ
ン
ト
ネ
ー
ア
シ
リ
テ
シ
ス
テ
ム
オ
ペ
レ
ッ
ア
フ
ー
ン
グ
ド
ウ
ソ
フ
ト
ウ
ハ
ィ
ィ
テ
応
用
ソ
フ
ト
オペレーション
ァ
ジ
ミ
ド
ル
ソ
フ
ト
ェ
基
本
ソ
フ
ト
ェ
ー
ケ
カスタマ
サービス
ソフトウェア
ディベロップメント
ー
業
務
パ
ー
ク
リ
テ
業
務
シ
ス
テ
ム
ッ
ス
セ
キ
ィ
ト
ワ
APL
スペシャリスト
ュ
タ
ベ
分
散
コ
ン
ピ
ュー
ネ
ッ
デ
ー
ム
シ
ス
テ
ム
管
理
ー
ト
フ
ォー
ビ
ス
ア
製
品
開
発
プ
ラ
ッ
ー
ク
サ
ソ
フ
ト
ウ
ェ
ト
ワ
IT
スペシャリスト
ン
ャ
キ
テ
ク
チ
シ
ン
グ
ネ
ー
ア
I
T
ア
ウ
ト
ソ
ー
シ
ス
テ
ム
開
発
ー
ャ
キ
テ
ク
チ
イ
ン
フ
ラ
ス
ト
ラ
ク
チ
ャ
ン
ア
ー
ャ
キ
テ
ク
チ
シ
ョ
ー
ン
ア
イ
ン
テ
グ
レ
ー
シ
ョ
ジ
適
用
ア
プ
リ
ケ
ー
ケ
プロジェクト
マネジメント
IT
アーキテクト
ッ
パ
ー
ル
ス
I
T
ッ
ア
利
用
型
セ
B
T
(Business Transformation)
ル
ス
ル
ス
メ
デ
ー
ン
ー
ョ
シ
ン
グ
セ
訪
問
型
製
品
セ
ー
ー
ニ
ケ
問
型
コ
ン
サ
ル
テ
ィ
ト
コ
ミ
訪
コンサルタント
ィ
ケ
ュ
ネ
ル
戦
略
マ
ッ
ン
グ
マ
専門分野 ネ
ジ
メ
ン
ト
ャ
ィ
ケ
テ
販
売
チ
ー
ー
マ
セールス
レベル
7
ハ
イ
レ レベル
ベ
ル
6
レベル
5
ミ レベル
ド
ル
レ
ベ レベル
ル
4
いわゆる上級SEは、この部分
いわゆるSEは、大部分が、
この中に入る
(レベル3以上)
3
エ
ン
ト
リ
レ
ベ
ル
「35歳定年説」とは
レベル2以下の水準に
留まることを言う
レベル
2
レベル
いわゆるプログラマは、この部分
(レベル1,2)
1
All right reserved,Copyright JASTEC
11
SEを目指す人に必要な適性
①論理的思考能力
物事を順序立てて整理する能力です。
②コミュニケーション能力
相手の性格や立場等を把握した上で、発言の真意を正確に把握し、
それにフィットした回答をするということが必要です。
③努力型
ソフトウェア開発では、手抜きはできません。 手抜きをすると重大なバグに直結します。地道な努力が必要です。
All right reserved,Copyright JASTEC
12
情報サービス・ソフトウェア産業の魅力
あらゆる分野の業界を支える基幹産業である
成長性が高い 次から次へと新しい技術が登場する
普遍的な技術を身につけられる
世の中の役に立っていることが実感できる
All right reserved,Copyright JASTEC
13
社会とソフトウェアの関わり
当初は、社内の合理化のためのシステムが主体でしたが、最近は、他社との競争に 勝ち抜くための戦略的なシステムの構築へと重点が移っています。 分野
システムの例
素材・建設業
・原料ヤードから製鉄ライン、加工・精製にいたる鉄鋼プラント制御システム
・防災・防犯・空調・照明をはじめとしたインテリジントビルを支えるビル管理システム
・顧客の注文情報の管理から出荷伝票まで管理する製品出荷情報管理システム
・化学物質を高精度に分析・評価を行う化学物質管理システム
製造業
・生産プロセス監視・制御システム
・携帯電話、基地局、ルータをはじめとした通信システム
・車載ECUをはじめとした自動車の電子制御システム
・ディジタルカメラやDVDをはじめとしたディジタル家電システム
金融・保険業
・ATM(現金自動預け払い)システム
・クレジットカードシステム
・ネットバンキングシステム
・火災保険システム、生命保険システム、年金システム
・オンライントレードシステム
電力・運輸・
通信・サービス業
・新幹線をはじめとした公共輸送機関の運行管理システム
・航空機、列車、ホテル、劇場などの予約システム
・地上波ディジタルなどの放送システム
・宅配便をはじめとした輸送管理システム
金融業界に興味がある人も、
・送変電・配電システム
通信業界に興味がある人も受け入れることが
・水を供給する上水道システム 出来る産業です
公共
・自治体における電子申請システム
・消防・警察の緊急通報・配備システム
All right reserved,Copyright JASTEC
14
情報サービス・ソフトウェア産業の魅力
あらゆる分野の業界を支える基幹産業である
成長性が高い 次から次へと新しい技術が登場する
普遍的な技術を身につけられる
世の中の役に立っていることが実感できる
All right reserved,Copyright JASTEC
15
情報サービス・ソフトウェア産業の売上高推移
【情報サービス・ソフトウェア産業】(2006年)
情報サービス・ソフトウェア産業は、急成長しています!!
(兆円)
売上高 18.9兆円
従業員数 82万人
事業所数 16,262
ソフトウェアに関する投資額は、
最近10年間で
約2.3倍 になっています
情報サービス業の売上高推移
15.0
1980年比較で、約28倍
(18.9兆円)
GDPは、約2倍
10.0
他産業の売上高
5.0
0 1980
1985
1990
繊維産業(製造分野)
今、脚光を浴びている産業よりは、皆さんが
50歳になっても60歳になっても成長してい
自動車製造産業
1995
2000
2005年
る産業を選ぶことが大切です
注:ここで言う「情報サービス・ソフトウェア産業」とは、ソフトウェア会社、システムインテグレータ、
鉄鋼業
電気・電子産業(ハード)
8.1兆円(2000年)
43.2兆円(2002年)
12.0兆円(2003年) 45兆円(2004年)
コンサルティング会社を指す。
All right reserved,Copyright JASTEC
16
情報サービス・ソフトウェア産業の魅力
あらゆる分野の業界を支える基幹産業である
成長性が高い 次から次へと新しい技術が登場する
普遍的な技術を身につけられる
世の中の役に立っていることが実感できる
All right reserved,Copyright JASTEC
17
情報サービス・ソフトウェア産業に従事する従業員内訳
女性 : 23.5%
男性 : 76.5%
平成18年特定サービス産業実態調査報告書より
年齢
50
40
他の業界との比較
平均年齢
36.1歳
家電業界
40.8歳
建設業界
44.3歳
36.8歳
32.5歳
30
20
男
性
若い人達が活躍
できる産業です
女
性
10
0
2007年版情報サービス産業基本統計調査より
All right reserved,Copyright JASTEC
18
情報サービス・ソフトウェア産業の魅力
あらゆる分野の業界を支える基幹産業である
成長性が高い 次から次へと新しい技術が登場する
普遍的な技術を身につけられる
世の中の役に立っていることが実感できる
All right reserved,Copyright JASTEC
19
情報サービス・ソフトウェア産業の柔軟性
ソフトウェア
素材・建設業
製造業
金融・保険業
電力・運輸・通信・
サービス業
公共
アプリケーションソフトウェア
基本ソフトウェア
ハードウェア
All right reserved,Copyright JASTEC
20
あるSEのキャリアパス
ソフトウェアの開発技術は、
様々な分野で適用可能 です
要件検討
担
当
工
程
放送会社
システム
基本設計
通信会社
システム
詳細設計
電力会社
システム
プログラ
ミング
0
1
2
電力会社
電 システム
生命保険 子
システム 機
器
銀行
システム
電力会社
システム 銀行
システム
旅行会社
システム
3
4
5
6
7
8
9
10 11 12 13 14 15 16 17 18 19 20 21
経験年数
All right reserved,Copyright JASTEC
21
SEとして独り立ちするには、最低10年は、必要!
巡航期
視界が急速に開け、仕事に 対する満足感も高くなる
上昇期
離陸期
経験0~3年目
最も不安定であり、推進力 (自己投資)を最も必要とする
経験4~10年目
All right reserved,Copyright JASTEC
実戦経験を豊富に積むことで 普遍的な技術が身につく
経験11年目~
22
情報サービス・ソフトウェア産業の魅力
あらゆる分野の業界を支える基幹産業である
成長性が高い 次から次へと新しい技術が登場する
普遍的な技術を身につけられる
世の中の役に立っていることが実感できる
All right reserved,Copyright JASTEC
23
スキルレベル別に見る満足度 (IT業界に入って良かったか)
全体では、82.3%が、 満足している
悪かった
どちらかと言うと悪かった
どちらかと言うと
良かった
ハイレベル
3.5%
良かった
96.5%
ミドルレベル
12.5%
87.5%
エントリ
レベル
24.3%
50
25
75.7%
0
25
50
75
100(%)
ITSSでのスキルレベル
日経IT-pro 「1万人調査で分かったITエンジニアの実像」より
All right reserved,Copyright JASTEC
24
情報サービス・ソフトウェア産業の魅力
あらゆる分野の業界を支える基幹産業である
成長性が高い 次から次へと新しい技術が登場する
地道に努力すれば、分野に係わらない普遍的な
技術を身につけられる
世の中の役に立っていることが実感できる
日本の将来を担い、
若さとロマン溢れる 産業です
All right reserved,Copyright JASTEC
25
企業研究の方法
おまけ
就職先の企業を研究する方法として以下の方法が考えられます。
① 会社四季報から調べる ② ホームページから調べる ③ 会社説明会や会社訪問により調べる ④ 先輩を訪問して情報収集する
⑤ インターネットの掲示板等を参考にする
⑥ 有価証券報告書から調べる
これらの中でみなさんにあまり馴染みがない「有価証券報告書」について、説明しておきます。
有価証券報告書とは
証券取引法に基づき内閣総理大臣に提出される、企業の財務諸表等詳細な情報が記載された
事業年度ごとの報告書です。
一般投資者や利害関係者が十分に判断を行うことができるような資料を提供するため、法令や規
則に基づき会社がその事業内容や財務内容を公開するディスクロージャー(企業内容開示)制度
の一環です。
提出後に財務局の審査を受け、内容的に信頼できると見なされており、個別企業の情報を最も詳
細に提供する資料となっています。
つまり、「これはと思った企業」が見つかった場合は、有価証券報告書により詳細に調べる事をお薦
めします。
なお、有価証券報告書は、金融庁の公式サイトである 「EDINET」 から見ることが出来ますので、
一度、アクセスして見てください。
All right reserved,Copyright JASTEC
26
有価証券報告書の見方
おまけ
次に有価証券報告書の見方について簡単に説明します。
有価証券報告書は、記述量が多いため、全て見ることは、大変であり、また、専門的な知識も必要になります。
そこで、就職先を選定するために参考になる項目について、紹介します。
●企業の概況 最近の売上高、利益額、従業員数等の推移が見れます。 これにより、順調に利益を上げているのか、停滞しているのかという経営者の成績を判断できます。
●事業の状況 直近の業績に対するコメント、今後の見通し、事業毎の売上比率、対処すべき課題、事業等の リスクについても知る事ができます。
●大株主の状況 資本系列があるのか、どの程度の資本が入っているのかが分かります。
●役員の状況 役員の名前と経歴から、その会社の独立性を判断できます。 ●外注比率 外注比率は、一人当たりの売上高からある程度、類推することができます。 外注比率が高いと一人当たりの売上高が高くなる傾向があります。
●財務諸表等 貸借対照表、損益計算書により、財務状況や事業成績の詳細を知る事ができます。
All right reserved,Copyright JASTEC
27
会社を選ぶか 職業を選ぶか
おまけ
会社選択の場合
職業選択の場合
高い
低い
(高い会社を選ぶことが可能)
(知名度の高さは、2次的である)
職種選択の自由度
低い
高い
(好きな仕事ができるか)
(配属先は、企業が決定)
(希望職種を条件として会社を選択)
知名度の高さ
会社への依存度合い
転職時の市場価値
高い
低い
(会社と運命共同体)
(更なるスキルアップが可能であれば、
退職も辞さない)
不明
高い
(専門技術の習得は、期待できない)
(専門技術を習得することが可能)
All right reserved,Copyright JASTEC
28
終り
All right reserved,Copyright JASTEC
29